JPH106451A - 塩化ビニル系樹脂製化粧材 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂製化粧材

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JPH106451A
JPH106451A JP18008296A JP18008296A JPH106451A JP H106451 A JPH106451 A JP H106451A JP 18008296 A JP18008296 A JP 18008296A JP 18008296 A JP18008296 A JP 18008296A JP H106451 A JPH106451 A JP H106451A
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JP
Japan
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vinyl chloride
sheet layer
chloride resin
decorative material
colored sheet
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JP18008296A
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Nobuyuki Kikuiri
信幸 菊入
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Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 家具、家電、建材等の表面化粧材として使用
される塩化ビニル系樹脂製の化粧材を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂組成物からなり、少な
くとも着色シート層1と実質的に無着色シート層2を有
する化粧材で、塩化ビニル系樹脂組成物は、該樹脂10
0重量部当たり、ステアリルベンゾイルメタンを0.2
重量部以上含み、着色シート層は、カーボンブラック、
ポリアゾブラウン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレ
ッド、ポリアゾレッド、ピロールレッド、イソインドリ
ノン、ポリアゾイエローから選ばれる一種以上の顔料
と、酸化チタンを含み、厚さが0.05〜0.15m
m、下記式で表される隠蔽度が0.5〜3で、実質的に
無着色シート層は、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系
化合物を含み、厚さが0.05〜0.15mm、波長5
55nm、330nmの全光線透過率が各々80%以
上、10%以下である。 【数1】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
透過光)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、家電、建材
等の表面化粧材として使用される塩化ビニル系樹脂製の
化粧材に関する。
【0002】
【技術背景】表面化粧材は、家具、家電、建材等の表面
に、意匠あるいは種々の機能を付与することを主目的と
し、これら下地材の表面に貼り合わせて使用されるもの
であり、一般には、合成樹脂、紙、金属箔、これらを複
合したもの、その他適宜の材料製のものが使用されてい
る。
【0003】上記の合成樹脂製化粧材の母体樹脂として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれもが用いられ
るが、熱可塑性樹脂である塩化ビニル系樹脂が、意匠
性、機能性、加工性、価格等の面で優れることから、現
在、多用されている。
【0004】塩化ビニル系樹脂製の化粧材は、着色シー
ト(層)のみ、着色シート(層)の表面に印刷等を施し
たもの等の単層構造物や、少なくとも着色シート(層)
と無着色シート(層)との最低2つのシート(層)を有
する複層構造物がある。このうち、複層構造物は、意匠
性においても、機能性においても、単層構造物では得ら
れない、変化に富んだ優れたものが得られることから、
主流となっている。
【0005】着色シート(層)と無着色シート(層)の
各々の役割は、主として、着色シート(層)が、下地材
を覆い隠して商品価値の高い外観にすること、無着色シ
ート(層)が、着色シート(層)を保護することであ
る。
【0006】ところで、上記のような化粧材用の塩化ビ
ニル系樹脂製のシート(層)は、多色印刷が施される際
の作業性や、化粧材貼着後の商品の表面強度等の面か
ら、可塑剤の量が、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して、5〜25重量部程度と少ない量に抑えられてい
る。このような可塑剤量の少ない半硬質の塩化ビニル系
樹脂組成物の場合、加工温度下での熱変色が生じ易いこ
とから、これを防止するために、鉛やカドミウム等の重
金属系の複合安定剤が、好ましく使用されている。
【0007】また、化粧材は、家具や建材等のような耐
久消費材や建造物等の表面材として長期間用いられるた
め、熱や光等による劣化や変褪色の少ないもの(すなわ
ち、耐候性あるいは耐久性の有るもの)が求められる。
このため、従来では、着色シート(層)に配合する着色
剤として、変褪色が生じ難く、しかも母体樹脂(塩化ビ
ニル系樹脂)の劣化を促進する懸念のない鉛、クロム等
の重金属系の顔料が使用されてきた。
【0008】しかし、近年、環境保護の観点から、上記
のような重金属を含有せず、しかも成形性にも優れる組
成物を使用した、耐久性の有る(すなわち、変褪色や劣
化の少ない)化粧材の開発が求められている。
【0009】
【発明の目的】本発明は、このような要求に応えるため
に、重金属を含有せず、成形性に優れた塩化ビニル系樹
脂組成物からなる、耐久性に優れた化粧材を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【発明の概要】上記目的を達成するために、本発明の化
粧材は、塩化ビニル系樹脂組成物からなり、少なくとも
着色シート層と実質的に無着色シート層とを有し、塩化
ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重量部
当たり、ステアリルベンゾイルメタンを0.2重量部以
上含み、着色シート層が、カーボンブラック、ポリアゾ
ブラウン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレッド、ポ
リアゾレッド、ピロールレッド、イソインドリノン、ポ
リアゾイエローから選ばれる一種以上の顔料と、酸化チ
タンとを含み、厚さが0.05〜0.15mmで、下記
式で表される隠蔽度が0.5〜3であり、実質的に無着
色シート層が、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合
物とを含み、厚さが0.05〜0.15mmで、波長5
55nm、330nmの全光線透過率が各々80%以
上、10%以下である、ことを特徴とする。
【0011】
【数2】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
透過光)
【0012】すなわち、本発明の化粧材は、塩化ビニル
系樹脂組成物からなり、該樹脂組成物は、鉛やカドミウ
ム等の重金属を含まず、しかも従来の樹脂組成物と同様
の優れた加工適性を有している。このような樹脂組成物
からなる本発明の化粧材は、着色シート層と実質的に無
着色シート層とを一体化した積層構造であって、該着色
シート層が、太陽光の吸熱により昇温しても、該無着色
シート層の作用により、変褪色が生じ難い性能を有して
いる。
【0013】上記の着色シート層および無着色シート層
の母体となる塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニルと他の共重合可能なモノマーとの共重合
体、これらの混合物が使用できる。他の共重合可能なモ
ノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、酢酸
ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリ
ル酸、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。これら
塩化ビニル系樹脂の重合度は、組成物の加工性、あるい
は得られたシートの硬さや強度等の諸物性等との点か
ら、600〜1500程度が好ましい。
【0014】上記の塩化ビニル系樹脂に含有させるステ
アリルベンゾイルメタンは、熱安定剤として作用するも
のであって、その量は、塩化ビニル系樹脂100重量部
当たり、0.2重量部以上、好ましくは0.3重量部以
上とする。ステアリルベンゾイルメタンの含有量が少な
すぎれば、所期の熱安定性が得られず、本発明における
特定の顔料を含んでいる着色シート層および実質的に無
着色のシート層の色相を不安定とし、塩化ビニル系樹脂
組成物を加工する際の温度を適切に設定することができ
なくなり、結果として該樹脂組成物の加工性を低下させ
ることとなる。ただし、ステアリルベンゾイルメタンの
含有量が多すぎると、製品化粧材評価面へのブリードの
懸念があるため、上限は、0.8重量部程度とすること
が好ましい。
【0015】なお、塩化ビニル系樹脂に対する熱安定剤
としては、上記のステアリルベンゾイルメタンの外に、
ジベンゾイルメタンも知られている。本発明では、ジベ
ンゾイルメタンをステアリルベンゾイルメタンとの併用
で含有しても特に支障はないが、ジベンゾイルメタンを
単独で含有させる場合には、低温では所期の熱安定性を
得ることができても、高温では所期の熱安定性を得るこ
とができない。したがって、ジベンゾイルメタンの単独
含有では、上記のステアリルベンゾイルメタンの含有量
が少なすぎる場合と同様、塩化ビニル系樹脂組成物を加
工する際の温度を適切に設定することができなくなり、
該樹脂組成物の加工性を低下させることとなる。
【0016】また、本発明における塩化ビニル系樹脂に
は、通常の塩化ビニル系樹脂に対する可塑剤を含有させ
ることができる。この可塑剤の具体例としては、ジ−2
−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレ
ート、ジイソノニルフタレート、ジウンデシルフタレー
ト、ジベンジルフタレート、その他混合アルコールのフ
タル酸エステル、アジピン酸とネオペンチルグリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールよ
りなるポリエステル等のポリエステル系化合物、ジ−2
−エチルヘキシルアジペート等のアジピン酸エステル系
化合物、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等の
トリメリット酸エステル系化合物、トリクレジルホスフ
ェート等のリン酸エステル系化合物が挙げられる。これ
らの可塑剤は、各々単独で使用してもよいし、複数種を
混合して使用することもできる。特に、フタル酸エステ
ル系、ポリエステル系、トリメリット酸エステル系化合
物を、単独使用、混合使用、あるいは主体的量で使用す
ることが好ましい。これら可塑剤の含有量は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対して、5〜25重量部程度が
好ましい。
【0017】着色シート層は、カーボンブラック、ポリ
アゾブラウン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレッ
ド、ポリアゾレッド、ピロールレッド、イソインドリノ
ン、ポリアゾイエローから選ばれる一種以上の顔料と、
酸化チタンとを含み、厚さが0.05〜0.15mm
で、上記の式で表される隠蔽度が0.5〜3である。
【0018】上記の各種の顔料および酸化チタンはいず
れも、そのまま使用してもよいし、予め適宜の樹脂で希
釈しておいたもの(すなわち、希釈顔料としたもの)を
使用することもできる。希釈用の樹脂としては、本発明
の化粧材に使用している塩化ビニル系樹脂との相溶性に
優れるもの(特に望ましくは同種の樹脂)を使用し、ま
た該塩化ビニル系樹脂としてブレンド物を使用する場合
には、ブレンドする各樹脂中の最高融点を有する樹脂の
融点以下の融点を有する樹脂を使用することが、均一な
混合状態を容易かつ確実に得る上で望ましい。希釈度
は、特に限定しないが、希釈顔料中の顔料濃度で1〜7
0wt%程度がよい。
【0019】着色シート層の隠蔽度は、上記0.05〜
0.15mmの厚さにおいて、0.5より小さいと、製
品化粧材として下地材に貼着した際に、該下地材の影響
を受け、所期の意匠を発現させることができなくなり、
3より大きいものでは、上記の顔料の含有量が多くなり
すぎて、強度等の物性面の低下、価格上昇等の問題が生
じてくる。
【0020】なお、着色シート層の厚さは、0.05m
mより薄いと、下地材の影響を受けない隠蔽度にするた
めには、大量の顔料を含有させることが必須となり、上
記の強度等の物性面の低下、価格上昇等の問題が生じ、
0.15mmより厚くても、それに見合う隠蔽効果の向
上がなく、却って価格上昇を招き不経済であり、しかも
折り曲げ等の2次加工性に劣り、化粧材貼着時の作業性
が困難となる等の問題が生じてくる。
【0021】実質的に無着色のシート層は、紫外線吸収
剤とヒンダードアミン系化合物とを含み、厚さが0.0
5〜0.15mmで、波長555nm、330nmの全
光線透過率が各々80%以上、10%以下である。
【0022】実質的に無着色のシート層は、前記のよう
に、着色シート層の表面を保護する作用と、化粧材の意
匠を深味感のあるものとする作用をなすものであり、こ
の無着色シート層の厚さが0.05mmより薄いと、こ
の表面保護力および深味感のある意匠表現力が不充分と
なり、0.15mmより厚くても、それに見合う表面保
護力および深味感のある意匠表現力の向上効果がなく、
却って価格上昇を招き不経済であり、しかも上記の着色
シート層の場合と同様に、折り曲げ等の2次加工性に劣
り、化粧材貼着時の作業性が困難となる等の問題が生じ
てくる。
【0023】実質的に無着色シート層の全光線透過率
は、該シート層単体として測定した際の値であり、直達
光線透過量と散乱光線透過量との合計値である。波長5
55nm(可視光)の全光線透過率が80%未満である
と、実質的に無着色シート層の下面側(着色シート層の
上面側)に設けた色、柄等の意匠を効果的に生かすこと
ができなくなる。また、波長330nm(紫外光)の全
光線透過率が10%より多いと、化粧材の耐久性が不充
分となる。
【0024】実質的に無着色シート層は、波長555n
m、330nmの全光線透過率が各々80%以上、10
%以下であるならば、上記の表面保護作用および深味感
のある意匠表現作用を損なわない限り、紫外線吸収剤お
よびヒンダードアミン系化合物の外に、種々の材料を含
有させることができる。例えば、上記した着色シート層
に含有させるカーボンブラック、ポリアゾブラウン、キ
ナクリドンマゼンタ、ペリレンレッド、ポリアゾレッ
ド、ピロールレッド、イソインドリノン、ポリアゾイエ
ロー、酸化チタン等の顔料を含有させてもよい。これら
の顔料は、上記の着色シート層の場合と同様に、希釈顔
料であってもよいし、無希釈のものであってもよい。
【0025】上記の紫外線吸収剤としては、2−ヒドロ
キシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン系、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒド
ロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メ
チルフェニル)−5−ブトキシカルボニルベンゾトリア
ゾール等のベンゾトリアゾール系、フェニルサリチレー
ト、p−t−ブチルフェニルサリチレート、p−メチル
フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレ
ート等のサリチル酸エステル系、2−エチルヘキシル−
2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、エチ
ル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート等
のシアノアクリレート系のもの等が好ましく使用でき
る。
【0026】これら紫外線吸収剤の含有量は、上記のシ
ート厚さ0.05〜0.15mmにおいて、波長330
nmの全光線透過率が10%以下を満足させる量とす
る。
【0027】また、ヒンダードアミン系化合物は、耐候
(光)剤として作用するもので、化1の一般式で表され
る構造単位を分子中に1個以上有している。
【0028】
【化1】
【0029】上式中、R1〜R4は、各々同一または相
異なる−C2m+1(m=1〜4)、R5は−Hま
たは−C2n+1(n=1〜4)である。
【0030】ヒンダードアミン系化合物の含有量は、少
なすぎると、実質的に無着色シート層の耐候(光)性が
不充分となって、化粧材の変褪色が生じ、多すぎても、
この効果は飽和してしまい、却って価格上昇を招き不経
済となるため、塩化ビニル系樹脂100重量部当たり、
0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部
とする。
【0031】以下に、代表的なヒンダードアミン系化合
物を例示する。
【0032】
【化2の1】
【0033】
【化2の2】
【0034】
【化2の3】
【0035】
【化2の4】
【0036】さらに、本発明の化粧材においては、エン
ボス加工を施すこともできる。このエンボス加工は、従
来の塩化ビニル系樹脂製の化粧材をエンボスする場合と
同様の加工方法でよい。また、このようなエンボス加工
により彫設された凹部には、言わゆる谷印刷を施すこと
もできる。
【0037】以上のような諸成分および諸物性からなる
着色シート層と無着色シート層とを必須の構成層とする
本発明の化粧材の代表的な構造例を、図1〜5に模式的
に示す。図1に示す化粧材は、着色シート層1の表面側
に、無着色シート層2を積層した基本的な構造の例であ
る。着色シート層1と無着色シート層2の積層は、種々
の方法で行われ、例えば、予め着色シート1と無着色シ
ート2とを調製しておき、これらを熱融着したり、接着
剤を用いて貼着する。
【0038】図2は、着色シート層1と無着色シート層
2との間に部分印刷層3を設けたものである。この部分
印刷層3は、着色シート層1の表面側または無着色シー
ト層2の裏面側に、印刷を施すことによって設けること
ができる。
【0039】図3は、着色シート層1と無着色シート層
2との間に部分印刷層3とベタ印刷層4とを、部分印刷
層3が無着色シート層2側に、ベタ印刷層4が着色シー
ト層側に、各々位置するように設けたものである。部分
印刷層3とベタ印刷層4は、着色シート層1の表面側ま
たは無着色シート層2の裏面側に印刷を施すことによっ
て設けることができ、着色シート層1の表面側に設ける
場合は、着色シート層1の表面上に、先ずベタ印刷を施
し、この上に部分印刷を施せばよく、無着色シート層2
の裏面側に設ける場合は、無着色シート層2の裏面上
に、先ず部分印刷を施し、この上にベタ印刷を施せばよ
い。
【0040】図4は、意匠性をさらに向上させるため
に、図2の構造のものの無着色シート層2の表面側に、
オーバープリント層5を設け、この上に更にワイピング
インキ層6を設けたものである。
【0041】図5は、図2の構造のものの着色シート層
1の裏面側に、接着剤層7を設け、この上に更に離型紙
8を設けたものである。接着剤層7は、本発明の化粧材
を下地材上に貼着する際の接着剤として作用するもので
あり、離型紙8は、この接着剤層7を保護する作用と共
に、接着剤層7が設けられた本発明の化粧材の取扱性を
容易にする作用をなすものである。
【0042】
【実施例】表1,2の配合からなる着色シート用、実質
的に無着色シート用の塩化ビニル系樹脂組成物を、18
0℃の2本ロールで10分間混練りし、厚さ0.1mm
の着色シートを作製した。
【0043】得られた着色シートの隠蔽度は、大日精化
工業社製の2112型デジタルカラー濃度計で測定し、
実質的に無着色シートの波長555nm、330nmの
全光線透過率は、日立製作所社製のHITACH U−
3000型 SPECTROphotometerで測
定した。測定結果は、表1,2に合わせて示す。
【0044】また、上記各組成物の加工適性は、180
℃の2本ロールで30分間混練りしたときの変着色の程
度を目視観察し、変着色が無いか、あっても極く少ない
組成物を○、明確に着色した組成物を×で評価した。評
価結果は、表1,2に合わせて示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2の1】
【0047】
【表2の2】
【0048】表2中、*1、*2、*3は次の通りであ
る。 *1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール *2:化2の(5)の化合物 *3:化2の(12)の化合物
【0049】表1から明らかなように、着色シートの実
施例関連1,2は隠蔽度、加工適性共に良好であるが、
比較例関連3は隠蔽度が0.4と不適であり、比較例関
連4は加工適性が悪い。また、表2から明らかなよう
に、実質的に無着色シートの実施例関連11〜13は全
光線透過率、加工適性共に良好であるが、比較例関連1
4,15は加工適性が悪く、比較例塩連15は波長33
0nmにおける全光線透過率が高すぎ、比較例関連16
は全光線透過率、加工適性共に良好であるが、ヒンダー
ドアミンが含まれていないことから、耐候(光)性に劣
るものである(表3参照)。
【0050】上記の各シートをプレス機で加熱圧着し
て、着色シートと無着色シートとを表3の組合せで積層
一体化し、図1に示す基本構造の化粧材を調製した。得
られた各化粧材について、サンシャイン・ウエザオメー
ターを使用して、実質的に無着色シートの表面側から1
500時間の光照射を行い、耐候性を評価した。色相の
変化の程度を目視観察し、変化が無いか、あっても極く
少ない化粧材を○、変褪色や黒色化した化粧材を×とし
た。評価結果は、表3に合わせて示す。
【0051】
【表3】
【0052】表3から明らかなように、実施例A〜Dの
化粧材は、いずれも耐候性に優れているが、比較例E〜
Gの化粧材は、いずれも耐候性に劣り、化粧材として不
適である。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、重金属
を含有しない、したがって環境保護を図ることができ、
しかも成形性に優れる組成物を使用して、耐久性に優れ
た化粧材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の基本的な構造例を模式的に示
す断面図である。
【図2】本発明の化粧材の一応用例を模式的に示す断面
図である。
【図3】本発明の化粧材の他の応用例を模式的に示す断
面図である。
【図4】図3の構造例のものに更に一つの応用を加えた
ものを模式的に示す断面図である。
【図5】図3の構造例のものに更に別の応用を加えたも
のを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 着色シート層 2 無着色シート層 3 部分印刷層 4 ベタ印刷層 5 オーバープリント層 6 ワイピングインキ層 7 接着剤層 8 離型紙

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂組成物からなる、少な
    くとも着色シート層と実質的に無着色シート層とを有す
    る化粧材であって、 塩化ビニル系樹脂組成物が、塩化ビニル系樹脂100重
    量部当たり、ステアリルベンゾイルメタンを0.2重量
    部以上含み、 着色シート層が、カーボンブラック、ポリアゾブラウ
    ン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレッド、ポリアゾ
    レッド、ピロールレッド、イソインドリノン、ポリアゾ
    イエローから選ばれる一種以上の顔料と、酸化チタンと
    を含み、厚さが0.05〜0.15mmで、下記式で表
    される隠蔽度が0.5〜3であり、 実質的に無着色シート層が、紫外線吸収剤とヒンダード
    アミン系化合物とを含み、厚さが0.05〜0.15m
    mで、波長555nm、330nmの全光線透過率が各
    々80%以上、10%以下である、ことを特徴とする塩
    化ビニル系樹脂製化粧材。 【数1】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
    透過光)
  2. 【請求項2】 実質的に無着色シートに含まれるヒンダ
    ードアミン系化合物が、塩化ビニル系樹脂100重量部
    当たり、0.05〜1重量部である請求項1記載の塩化
    ビニル系樹脂製化粧材。
JP18008296A 1996-06-20 1996-06-20 塩化ビニル系樹脂製化粧材 Pending JPH106451A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008102822A1 (ja) 2007-02-20 2008-08-28 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤を含む高分子材料
WO2008123504A1 (ja) 2007-03-30 2008-10-16 Fujifilm Corporation 紫外線吸収剤組成物
WO2009022736A1 (ja) 2007-08-16 2009-02-19 Fujifilm Corporation ヘテロ環化合物、紫外線吸収剤及びこれを含む組成物
WO2009123141A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
WO2009123142A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 富士フイルム株式会社 紫外線吸収剤組成物
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JP2010201884A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 着色基材
JP2017205962A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 バンドー化学株式会社 漆黒調加飾フィルム、加飾成形品、及び、漆黒調加飾フィルムの製造方法
JP6409926B1 (ja) * 2017-08-22 2018-10-24 住友ベークライト株式会社 エレベーター装飾用化粧板

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