JP3193879B2 - オレフィン系樹脂着色フィルム - Google Patents

オレフィン系樹脂着色フィルム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、家電、建材
等の表面化粧材として使用されるオレフィン系樹脂製の
化粧用フィルムに関する。
【0002】
【技術背景】従来、上記のようないわゆる化粧用フィル
ムとして、主として塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと
記す)フィルムが使用されている。しかし、PVCフィ
ルムは、焼却あるいは燃焼の際に、HClガスを発生す
る懸念があり、環境保護の観点から、脱PVCへの動き
がある。
【0003】この問題を解決するために、PVCに代わ
る素材としてオレフィン系樹脂が注目されている。だだ
し、オレフィン系樹脂は、周知の通り、PVCに比して
一般に加工性に劣ることから、優れた意匠性を有する上
記化粧用フィルムを低コストで製造することが困難であ
り、昨今の装飾性の高い製品が要求される市場性に適合
しないものとして、今日まで敬遠されて来ていた。
【0004】一方、フィルムを着色するための顔料とし
て、フィルム(すなわち、フィルムの構成樹脂)の熱劣
化を促進する懸念のなく、かつ変色劣化の進行の少ない
顔料として、鉛、6価クロム、カドミウム等を含む重金
属系の化合物が使用されている。しかし、鉛、6価クロ
ム、カドミウム等を含む重金属系の化合物についても、
種々の環境上の問題が懸念されている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、以上のような実情下におい
て、PVCフィルムが有している上記のような問題、お
よびフィルムを着色するための顔料に由来する環境上の
問題を解決することのできる化粧用フィルムを提供する
ことを目的とする。
【0006】
【発明の概要】上記目的を達成するために、本発明者
は、(a)今日まで敬遠されて来たオレフィン系樹脂を
敢えて使用したところ、意外にも、優れた意匠性を有す
る化粧用フィルムを、困難性を伴うことなく、したがっ
て低コストで生産することができること、(b)しかも
オレフィン系樹脂を構成樹脂とする場合においては、上
記の鉛、6価クロム、カドミウム等のような重金属を含
まない無機系の顔料、あるいは特定の有機系の顔料を、
構成樹脂の劣化、あるいは着色されたフィルムの褪色や
変色等の不都合を伴うことなく(すなわち、フィルムの
色相安定性を向上させ得る)、着色剤として効果的に使
用できることの知見を得て、本発明を提案するに至っ
た。
【0007】すなわち、本発明のフィルムは、オレフィ
ン系樹脂からなる厚さが0.03〜0.2mm、下記式
で表される隠蔽度が0.5〜3の着色されたフィルムで
あって、カーボンブラック、ポリアゾブラウン、キナク
リドンマゼンタ、ペリレンレッド、ポリアゾレッド、ピ
ロールレッド、イソインドリノンイエロー、ポリアゾイ
エロー、チタンイエローから選ばれる一種以上の顔料お
よび酸化チタンを含み、 オレフィン系樹脂100重量部
に対し10〜200重量部のゴム成分を含むか、または
このゴム成分を含むか、含まない上記厚さおよび隠蔽度
を有する着色フィルムであって、該フィルムの表面側
に、紫外線吸収剤およびヒンダードアミン系化合物を含
み、555nmの全光線透過率が70%以上、厚さが
0.03〜0.2mmの実質的に透明なオレフィン系樹
脂フィルムを積層したことを特徴とする。
【0008】
【数2】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
透過光)
【0009】本発明におけるオレフィン系樹脂として
は、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂;エチレン−メチルアクリレート共重合
樹脂等のエチレン−アクリル系共重合樹脂;エチレン−
プロピレン共重合樹脂等が使用できる。中でも、化粧用
フィルムとして好適な硬さを有するアイソタクチックの
ホモ、ランダムあるいはブロックポリプロピレンが適し
ている。
【0010】但し、上記のアイソタクチックポリプロピ
レンをオレフィン系樹脂として使用する場合には、エン
ボスを付与できる軟化温度範囲が狭く、得られるフィ
ルムの後エンボス適性が悪い。そこで、後エンボス適性
を改良するために、ポリエチレン、特に低密度ポリエチ
レンをブレンドするのが望ましい。ポリエチレンのブレ
ンドの割合は、少なすぎればブレンド効果が発現せず、
多すぎると相対的にアイソタクチックポリプロピレンの
量が少なくなりすぎて化粧用フィルムとして好適な硬さ
を得ることができなくなるため、アイソタクチックポリ
プロピレン100重量部に対し、ポリエチレン(好まし
くは低密度ポリエチレン)10〜300重量部、好まし
くは30〜200重量部が適している。
【0011】上記のフィルムは、Tダイ押出法、カレン
ダー法、インフレーション法等の手段で製造でき、製造
法は特に限定されないが、上記のフィルムをカレンダー
加工法により製造する場合には、このカレンダー加工性
を改良するために、上記のアイソタクチックポリプロピ
レンにシンジオタクチックポリプロピレンをブレンドす
ることが好ましい。シンジオタクチックポリプロピレン
のブレンドの割合は、少なすぎればブレンド効果が発現
せず、多すぎると相対的にアイソタクチックポリプロピ
レンの量が少なくなりすぎて、化粧用フィルムとして好
適な硬さを得ることがきなくなるため、アイソタクチッ
クポリプロピレン100重量部に対し、シンジオタクチ
ックポリプロピレン5〜200重量部が適している。
【0012】さらに、上記のフィルムにおいては、耐衝
撃性を向上するために、上記のアイソタクチックポリプ
ロピレンあるいはこれとポリエチレンやシンジオタクチ
ックポリプロピレンとのブレンド物に、エチレン−プロ
ピレンゴム、水添加SBR、ポリブテン等のゴム成分
を配合することが望ましい。ゴム成分の配合割合は、所
望の耐衝撃強度により異なり、一概には決められない
が、本発明のフィルムでは、上記のオレフィン系樹脂1
00重量部に対し、10〜200重量部の範囲から所望
の耐衝撃強度に応じて適宜選択すればよい。
【0013】以上のオレフィン系樹脂からなるフィルム
を着色するための顔料として、本発明では、カーボンブ
ラック、ポリアゾブラウン、キナクリドンマゼンタ、ペ
リレンレッド、ポリアゾレッド、ピロールレッド、イソ
インドリノンイエロー、ポリアゾイエロー、チタンイエ
ローから選ばれる一種以上の顔料と、酸化チタンとが使
用される。
【0014】上記の無機系の酸化チタン、チタンイエロ
ーおよびカーボンブラックも、有機系のポリアゾブラウ
ン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレッド、ポリアゾ
レッド、ピロールレッド、イソインドリノンイエロー、
ポリアゾイエローも、オレフィン系樹脂からなる本発明
のフィルムを劣化させる懸念は無く、また耐光性や耐候
性等にも優れることから、本発明のフィルムを褪色させ
たり、あるいは変色させる等が少なく、本発明のフィル
ムの色相安定性を極めて優れたものとすることができ
る。
【0015】なお、酸化チタンは、一般にチタンホワイ
トと呼称される通常の白色顔料として使用されているル
チル型、アナターゼ型のものが使用できるが、耐光性や
耐候性の面からはルチル型のものが好ましい。
【0016】本発明のフィルムでは、該フィルムへの所
望の着色色相に応じて、カーボンブラック、ポリアゾブ
ラウン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレッド、ポリ
アゾレッド、ピロールレッド、イソインドリノンイエロ
ー、ポリアゾイエロー、チタンイエローからなる群から
一種以上が適宜選択して配合され、酸化チタンは、これ
らの顔料と共に必須の顔料として配合される。
【0017】これらの顔料の配合量は、所望の色相や必
要とされる隠蔽度合いに応じて、適宜選定されるが、酸
化チタンの配合量は、次のような理由から、オレフィン
系樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部となる
量とすることが好ましい。酸化チタンが、0.5重量部
未満であると、上記式で表されるフィルムの隠蔽度が不
充分となり、30重量部より多いと、酸化チタンを配合
したオレフィン系樹脂組成物の加工性が悪化する。特
に、化粧用フィルムのように、硬度が高く、厚さが薄い
場合には、この加工性の悪化が顕著となる。すなわち、
本発明のフィルムを、カレンダー加工法で製造する場合
には、カレンダーロールで圧延後にフィルム両端部を切
除して行くが、酸化チタンの配合量が多すぎると、特に
硬度が高く厚さが薄いフィルムの場合に、この切除作業
の途上において切除した部分の切れ(いわゆる「耳切
れ」)が発生し易く、耳切れが発生すると、切除作業の
続行が不可能となり、作業効率が極端に悪くなる。ま
た、本発明のフィルムを押出加工法で製造する場合に
は、酸化チタンや酸化鉄の配合量が多すぎると、押出ダ
イのリップ部に組成物の滴がいわゆる「目ヤニ」状に付
着し易く、該滴が押出直後のフィルム上に落下して表面
状態を汚損する現象(フィルムの「目ヤニ」と呼ばれて
いる)がしばしば発生する。
【0018】上記の各顔料は、そのまま顔料としてオレ
フィン系樹脂に混合してもよいが、特に顔料の添加量が
少量の場合には微妙な量の違いによって所望の色が得ら
れないばかりか、色ぶれが生じ易くなり色相安定性に欠
けることから、予めオレフィン系樹脂で希釈しておいた
もの(すなわち、希釈顔料としたもの)を使用すること
が望ましい。このときの希釈用オレフィン系樹脂として
は、本発明のフィルムに使用しているオレフィン系樹脂
との相溶性に優れるもの(特に望ましくは同種の樹脂)
を使用し、また該オレフィン系樹脂として上記のような
ブレンド物を使用する場合には、ブレンドする各オレフ
ィン系樹脂中の最高融点を有するオレフィン系樹脂の融
点以下の融点を有するオレフィン系樹脂を使用すること
が、均一な混合状態を容易かつ確実に得る上で望まし
い。
【0019】希釈度は、各希釈顔料においても、これら
各希釈顔料中の各顔料濃度が、それぞれ1〜70wt%
程度の範囲の希釈度の中から、上記した各顔料の所望配
合量に応じて、適宜の希釈度のものを選択して使用す
る。
【0020】なお、本発明のフィルムにおいては、以上
の各成分の外に、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止
剤、光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、上述した鉛、6価
クロム、カドミウム等を含む重金属系化合物以外の着色
剤等の添加剤を配合してもよい。
【0021】以上の本発明のフィルムは、化粧用フィル
ムとしての実用上の理由から、厚さが0.03〜0.2
mmで、上記式で表される隠蔽度が0.5〜3であるこ
とが重要である。
【0022】以上のような成分からなり、かつ以上のよ
うな特性を有する本発明のフィルムにおいては、片面あ
るいは両面に模様や文字等の印刷を施してもよい。印刷
用のインクは、オレフィン系樹脂と被着性のあるインク
であればよいが、前述した環境上の観点からハロゲンを
含有しない、ウレタン系インクや熱硬化タイプのインク
が好ましい。これらのインクを用いた印刷法は、スクリ
ーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセ
ット印刷法等の印刷手法が採用できる。勿論、印刷に先
立ち、本発明のフィルムの被印刷面にコロナ放電処理等
を施してもよい。
【0023】また、本発明のフィルムにおいては、エン
ボス加工を施すこともできるし、エンボス加工により彫
設された凹部にいわゆる谷印刷を施すこともできる。エ
ンボス加工は、Tダイ押出機やカレンダー等でフィルム
を作製する際に同時にエンボスする方法や、フィルム作
製後に後工程でエンボスする後エンボス加工法等により
行われる。エンボス加工は、上記の印刷を施した後に施
してもよいし、上記の印刷に先立って施してもよい。な
お、印刷に先立ってエンボス加工を施す場合には、印刷
適性を考慮して、表面粗さ(Ra)が1.5μm以下、
好ましくは0.2〜1.0μmの梨地状となるように施
すのが望ましい。
【0024】上記のように、必要に応じて印刷やエンボ
ス加工が施された本発明のフィルムの表面側には、55
5nmの全光線透過率が70%以上、厚さが0.03〜
0.2mmで、かつヒンダードアミン(光安定剤)と紫
外線吸収剤とを含有する実質的に透明なオレフィン系樹
脂フィルムを積層することもできる。ヒンダードアミン
としては、化1、化2に示すような化合物を使用するこ
とができ、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系等の公知の紫外線吸収剤が使用で
きる。
【0025】
【化1】
【0026】
【化2】
【0027】実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
へのヒンダードアミンの添加量は、オレフィン系樹脂1
00重量部に対し、0.05〜1.0重量部、紫外線吸
収剤の添加量は、オレフィン系樹脂100重量部に対
し、0.05〜2.0重量部が望ましい。この実質的に
透明なオレフィン系樹脂フィルムを積層することによ
り、印刷の保護、深みのある意匠の表現性の向上が図れ
ると共に、耐候性に優れたオレフィン系樹脂製の化粧用
フィルムを得ることができる。
【0028】実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
は、上述した本発明のフィルムの場合と同様、Tダイ押
出法、カレンダー法、インフレーション法等の手段で製
造できる。また、この実質的に透明なオレフィン系樹脂
フィルムと上述した本発明のフィルムとの積層は、適当
な接着剤を使用する方法や、熱融着による方法等で行わ
れる。このとき、必要に応じて、コロナ放電処理を併用
することもできる。
【0029】実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
の片面あるいは両面にも、上述した本発明のフィルムと
同様に、必要に応じて印刷やエンボス加工を施すことも
できるし、エンボス加工により彫設された凹部にいわゆ
る谷印刷を施すこともできる。この印刷やエンボス加工
等は、積層前に予め施しておいてもよいし、積層後に施
すこともできる。印刷に先立ってエンボス加工を施す場
合には、上述した本発明のフィルムと同様、表面粗さ
(Ra)が1.5μm以下、好ましくは0.2〜1.0
μmの梨地状となるように施すのが望ましい。
【0030】なお、実質的に透明なオレフィン系樹脂フ
ィルムと上述した本発明のフィルムとの積層が適当な接
着剤を使用してなされる場合にあっては、接着強度を考
慮して、接着面となる側の面に、予め、表面粗さ(R
a)0.2μm以上、好ましくは0.2〜5.0μmの
梨地状となるようにエンボス加工施しておくことが望ま
しい。ただし、接着面となる側の面にエンボス加工の後
に印刷を施す場合には、この限りでなく、上記と同様、
表面粗さ(Ra)1.5μm以下、好ましくは0.2〜
1.0μmの梨地状となるようにエンボス加工施してお
くことが望ましい。
【0031】さらに、本発明のフィルムにおいては、裏
打材(バッキング材)として、上述した本発明のフィル
ムのオレフィン系樹脂と同種あるいは異種の、透明、半
透明あるいは不透明のオレフィン系樹脂フィルムを積層
してもよい。この裏打材としての透明、半透明あるいは
不透明のオレフィン系樹脂フィルムも、上述した本発明
のフィルムや実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
と同様に、Tダイ押出法、カレンダー法、インフレーシ
ョン法等の手段で製造でき、この裏打材と本発明のフィ
ルムとの積層も、適当な接着剤を使用する方法や、熱融
着による方法等で行われ、必要に応じて、コロナ放電処
理を併用することもできる。
【0032】
【参考例】参考例1〜6 表1の配合からなるオレフィン系樹脂組成物を用い、9
0mmの単軸押出機にて、シリンダー温度220℃、ダ
イス温度210℃の条件で、エンボスロール絞押し面の
フィルム表面に表面粗さ(Ra)0.7μmの梨地絞が
付与された厚さ0.1mmの参考のフィルムを製造し
た。得られたフィルムの隠蔽度を測定し、その結果を表
1に合わせて示した。
【0033】
【表1の1】
【0034】
【表1の2】
【0035】参考例7〜9 表2の配合からなるオレフィン系樹脂組成物を用い、ロ
ール温度185℃のカレンダー装置にて、エンボスロー
ル絞押し面のフィルム表面に表面粗さ(Ra)0.5μ
mの梨地絞が付与された厚さ0.1mmの参考のフィル
ムを製造した。得られたフィルムの隠蔽度を測定し、そ
の結果を表2に合わせて示した。
【0036】
【表2】
【0037】実施例 参考 例1〜4の参考のフィルムの、エンボスロール絞押
し面で表面粗さ(Ra)0.7μmの梨地絞が付与され
た面に、コロナ放電処理を施した後、カーボンブラック
を配合した黒色のウレタン系インクで木目模様印刷を行
った。次いで、シンジオタクチックポリプロピレン/低
密度ポリエチレン(60/40)100重量部に対し、
ヒンダードアミン(旭電化社製商品名「アデカスタブL
A−63」)0.2重量部、ベンゾフェノン系紫外線吸
収剤0.2重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化社
製商品名「アデカスタブAO−60」)0.2重量部、
フタロシアニンブルー0.005重量部を添加したオレ
フィン系樹脂組成物を原料とし、押出機にて作製した、
エンボスロール絞押し面のフィルム表面に表面粗さ(R
a)2μmの梨地絞が付与された厚さ0.1mmの実質
的に透明なフィルム(555nmの全光線透過率が85
%)を、上記の印刷面に接着剤を用いてラミネートし、
積層フィルムを得た。得られたフィルムは、サンシャイ
ンウエザオメーターで1500時間照射しても変色が極
めて少なく、耐候性に優れるものであった。
【0038】実施例 参考 例7〜9の参考のフィルムの、エンボスロール絞押
し面で表面粗さ(Ra)0.5μmの梨地絞が付与され
た面に、コロナ放電処理を施した後、カーボンブラック
を配合した黒色のウレタン系インクで木目模様印刷を行
った。次いで、アイソタクチックホモポリプロピレン/
アイソタクチックランダムポリプロピレン/低密度ポリ
エチレン/シンジオタクチックポリプロピレン(20/
30/40/10)100重量部に対し、ヒンダードア
ミン(旭電化社製商品名「アデカスタブLA−63」)
0.2重量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤0.2重
量部、フェノール系酸化防止剤(旭電化社製商品名「ア
デカスタブAO−60」)0.2重量部、フタロシアニ
ンブルー0.005重量部を添加したオレフィン系樹脂
組成物を原料とし、ロール温度185℃のカレンダー装
置にて作製した、エンボスロール絞押し面のフィルム裏
面に表面粗さ(Ra)2μmの梨地絞が付与された厚さ
0.1mmの実質的に透明なフィルム(555nmの全
光線透過率が84%)を、上記の印刷面に接着剤を用い
てラミネートした後、加熱して木目状のエンボス加工を
施して、積層フィルムを得た。得られたフィルムは、サ
ンシャインウエザオメーターで1500時間照射しても
変色が極めて少なく、耐候性に優れるものであった。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明のフィルムによれ
ば、次のような効果を奏することができる。 (1)焼却あるいは燃焼の際に、HClガスを発生する
懸念はなく、また重金属系の化合物を用いていないの
で、環境保護の観点からみて好ましい。 (2)優れた意匠性を有する化粧用フィルムを低コスト
で製造することができ、装飾性の高い化粧用フィルムと
して優位な市場性を期待することができる。 (3)耐候性に優れ、変色が極めて少ないので、化粧用
フィルムとして長期間使用する用途に好適である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる厚さが0.0
    3〜0.2mm、下記式で表される隠蔽度が0.5〜3
    の着色されたフィルムであって、 カーボンブラック、ポリアゾブラウン、キナクリドンマ
    ゼンタ、ペリレンレッド、ポリアゾレッド、ピロールレ
    ッド、イソインドリノンイエロー、ポリアゾイエロー、
    チタンイエローから選ばれる一種以上の顔料および酸化
    チタンを含み、 オレフィン系樹脂100重量部に対し10〜200重量
    部のゴム成分を含 むことを特徴とするオレフィン系樹脂
    着色フィルム。 【数1】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
    透過光)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の厚さと隠蔽度を有する着
    色されたフィルムであって、 カーボンブラック、ポリアゾブラウン、キナクリドンマ
    ゼンタ、ペリレンレッド、ポリアゾレッド、ピロールレ
    ッド、イソインドリノンイエロー、ポリアゾイエロー、
    チタンイエローから選ばれる一種以上の顔料および酸化
    チタンを含んでなり、かつ 該フィルムの 表面側に、紫外
    線吸収剤およびヒンダーアミン系化合物を含み、5
    5nmの全光線透過率が70%以上、厚さ0.03〜
    0.2mmの実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
    を積層したことを特徴とするオレフィン系樹脂着色フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 着色フィルムが、オレフィン系樹脂10
    0重量部に対し10〜200重量部のゴム成分を含むこ
    とを特徴とする請求項2記載のオレフィン系樹脂着色フ
    ィルム。
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