JP2020114633A - 装飾積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】観察者に対して、建築物の壁面、タイル表面などの表面の外観がほぼ再現された印象を与えることが可能な、簡素な積層構造を有する装飾フィルムを提供する。【解決手段】一実施態様の装飾積層フィルムは、第1面及び第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層と、透明レセプター層の第1面に配置されたインクジェット印刷柄層と、透明レセプター層の第2面に配置された着色不透明感圧接着層とを含む画像フィルムを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、建築物の壁面等の装飾及び修復に用いることのできる装飾積層フィルム、及びその製造方法に関する。
塗装代替フィルムは、外装及び内装のマーキング用途に用いられている。追従性のよい塗装代替フィルムは、粗面を有する表面、例えば建築物の壁面の装飾又は修復に非常に有用である。
特許文献1(特開2002−89024号公報)は、「合成樹脂製ベースフィルム表面にインクジェットにより印刷された印刷層が積層され、上記ベースフィルム裏面に接着剤層が積層されていることを特徴とする装飾タイル用複合フィルム」を記載している。
特許文献2(特開2004−36097号公報)は、「フッ素樹脂フィルムの裏面に、フッ素樹脂インキを用いて印刷層を形成して成ることを特徴とする装飾用仕上げシート」を記載している。
特許文献3(特開平10−16148号公報)は、「アクリルクリヤーフィルムの表裏の何れか一方に透明部分と隠蔽部分からなる絵柄を印刷したアクリル印刷フィルムを最表層側とし、このアクリル印刷フィルムの裏面側にアクリルクリヤーフィルムを積層し、塩化ビニルフィルムに絵柄を施したり着色したりした絵柄層をアクリルクリヤーフィルムの裏面側に積層し、上記アクリル印刷フィルム、アクリルクリヤーフィルム及び絵柄層を積層一体化した複合シートを表層に使用したことを特徴とする化粧板」を記載している。
特許文献4(特開平11−42728号公報)は、「透明な基体シートの一方の面に光線透過率が30〜85%のスモーク色層が形成され、他方の面に図柄層が形成されたことを特徴とするスモーク色装飾シート」を記載している。
特許文献5(特開2007−253370号公報)は、「2つの主要面を有する透明樹脂フィルムと、この透明樹脂フィルムの第一の主要面上に設けられた透明樹脂層と、前記透明樹脂層上に配置された模様印刷層と、前記透明樹脂フィルムの第二の主要面上に設けられた着色ベースフィルムとを有する装飾シートであって、前記透明樹脂層が第一のビーズを含み、前記模様印刷層が第二のビーズを含み、前記第一のビーズが、その含有率、色、及び/又は粒径において前記第二のビーズと相違しており、前記第一のビーズ及び第二のビーズが、前記透明樹脂層及び模様印刷層中に埋め込まれている装飾シート」を記載している。
特開2002−89024号公報 特開2004−36097号公報 特開平10−16148号公報 特開平11−42728号公報 特開2007−253370号公報
建築物の壁面、タイル表面などは、微細で不規則な柄と基材(ベース)色から構成されていることが多い。撮影画像の画像処理及び印刷技術を用いてこれらの対象物表面をフィルムなどの基材上に印刷画像として表現したときに、人間が目視すると、特に遠距離から見ると、色味などの点で実際の壁面又はタイル表面とは異なる印象を受ける場合があった。そのため、建築物の壁面及びタイル表面の修復用途などにおいて、人間が目視で見たときにこれらの外観が違和感なく再現された印象を与える装飾面を有する装飾フィルムが望まれている。
本開示は、観察者に対して、建築物の壁面、タイル表面などの表面の外観がほぼ再現された印象を与えることが可能な、簡素な積層構造を有する装飾フィルムを提供する。
本開示の一実施態様によれば、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層と、前記透明レセプター層の前記第1面に配置されたインクジェット印刷柄層と、前記透明レセプター層の前記第2面に配置された着色不透明感圧接着層とを含む画像フィルムを含む、装飾積層フィルムが提供される。
本開示の別の実施態様によれば、第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層を用意する工程と、複製の対象である、柄を有する表面を撮影して画像データを得る工程と、前記画像データを2値化することにより柄データを作成する工程と、前記画像データから前記柄データを差し引くことにより基材ベタ色データを作成する工程と、前記基材ベタ色データに基づいて、前記透明レセプター層の前記第2面に着色不透明感圧接着層を形成する工程と、前記柄データに基づいて、インクジェット印刷により前記透明レセプター層の前記第1面にインクジェット印刷柄層を形成する工程とを含む、上記装飾積層フィルムを製造する方法が提供される。
本開示の装飾積層フィルムは、観察者に対して、建築物の壁面、タイル表面などの表面の外観がほぼ再現された印象を与えることができる。そのため、本開示の装飾積層フィルムを建築物の壁面及びタイル表面の修復用途などに好適に使用することができる。また、本開示の装飾積層フィルムは簡素な積層構造を有しており、簡便な画像処理及び製造工程を用いて製造可能であることから、材料及び製造コストを削減することができる。
なお、上述の記載は、本発明の全ての実施態様及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
一実施態様の装飾積層フィルムの概略断面図である。 比較例1の装飾積層フィルムの概略断面図である。 一実施態様の装飾積層フィルムの製造方法を例示的に説明する流れ図である。
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的で、図面を参照しながらより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。図面の参照番号について、異なる図面において類似する番号が付された要素は、類似又は対応する要素であることを示す。
本開示において「フィルム」には「シート」と呼ばれる物品も包含される。
本開示において「感圧接着」とは、使用温度範囲で、例えば0℃以上、50℃以下の範囲で初期粘着性(タック)を有し、軽い圧力で様々な表面に接着し、相変化(液体から固体へ)を呈さない材料又は組成物の特性を意味する。
一実施態様の装飾積層フィルムは、第1面及び第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層と、透明レセプター層の第1面に配置されたインクジェット印刷柄層と、透明レセプター層の第2面に配置された着色不透明感圧接着層とを含む画像フィルムを含む。
一般に、インクジェット印刷層は、デジタルカメラなどで対象物表面を撮影して得られるRGB画像データをCMYK画像データに変換した後、インクジェットプリンターを用いて、プロセスインク(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)、並びに任意にライトインク)をインクドットとして基材上に印刷することにより形成される。インクジェット印刷層では、これらのプロセスインクの減法混色によりプロセスインク以外の色が表現される。インクドットの間では通常は白色の下地が露出しており、この白色の下地からの反射光と、インクドットからの反射光との並置(加法)混色によって、様々な色相、明度及び彩度の色を観察者は知覚する。
ブラック(K)インクも含めたプロセスインクの混色では、明度を合わせようとすると彩度が合わなくなる場合がある。例えば、明度の調節には無彩色であるブラック(K)インクを用いることが一般的であるが、そのことで彩度が同時に許容できない程度まで低下してしまうことがある。ブラック(K)インクを用いずにシアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)インクの混色により明度を調節しようとした場合も同様であり、この場合はさらに色相のシフトが生じることもある。これらの現象は、白色の下地とインクドットの組み合わせによって階調を表現するインクジェット印刷では顕著であり、画像データ変換時の画像処理アルゴリズムだけでは解決できない場合がある。
いくつかの用途、例えば建築物用のタイルなどでは比較的彩度の低い顔料が使用されるのに対して、限られた色数のインクを組み合わせて幅広い色を表現することが求められるプロセスインクでは、彩度の高い顔料が使用されることが一般的である。このように顔料種類が異なることも色の再現には不利に影響する場合がある。
本開示によれば、透明レセプター層の第1面にインクジェット印刷柄層が配置され、第2面に着色不透明感圧接着層が配置された画像フィルムを用いることにより、インクジェット印刷により形成される柄と感圧接着層の着色の組み合わせでインクジェット印刷のみではできない様々な柄及び色味を有する対象物表面の外観を再現することができる。この構造によれば、感圧接着層自体を着色化することにより、着色層を追加積層することなく、簡素な構造にすることができる。装飾積層フィルムの簡素な積層構造は、装飾積層フィルムの製造工程を簡易化することができるとともに、装飾積層フィルムを薄型化して凹凸を有する対象物表面への追従性をより高めることができる。装飾積層フィルムの薄型化は、可燃性有機成分を低減することができるため、不燃性の点でも有利である。
図1に、一実施態様の装飾積層フィルム1の概略断面図を示す。装飾積層フィルム1は、透明レセプター層12と、インクジェット印刷柄層14と、着色不透明感圧接着層16とを含む画像フィルム10を含む。図1の積層装飾フィルム1は、さらに、任意の構成要素として、最外層として表面保護層22、及び着色不透明感圧接着層16を保護するライナー30を有する。ライナー30は被着体への装飾積層フィルム1の貼り付け前に剥離される。表面保護層22は接合層24を介して積層されてもよい。表面保護層22はオーバーラミネートフィルムであってもよく、クリアコーティングであってもよい。装飾積層フィルム1を被着体に貼り付けたときに、インクジェット印刷柄層14による柄と、着色不透明感圧接着層16又は着色不透明感圧接着層16と透明レセプター層12の組み合わせによる基材ベタ色(画像から柄を除いた背景色)とが組み合わされて、画像として観察者により視認される。
透明レセプター層は、インクジェット印刷柄層を形成するインク組成物を受容し、透明レセプター層を通して着色不透明感圧接着層が視認できる程度の透明性を有する。透明レセプター層の透明性により、インク組成物の一部が透明レセプター層に浸透した場合でもその浸透した部分を視認することができる。そのため、インクジェット印刷柄層を薄くしたときでも高い鮮明度を示す画像を有する装飾積層フィルムを提供することができる。
透明レセプター層として、様々な樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリウレタン(PU)、アクリル−ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などの共重合体又はこれらの混合物を含むフィルムを使用することができる。これらのフィルムは他の層との結合面にプライマー処理、コロナ処理などの表面処理を有してもよい。強度、印刷適性、耐溶剤性(例えば耐アルコール性)などの観点から、透明レセプター層として、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル樹脂、又はアクリル−ウレタン樹脂を含むフィルムを有利に使用することができる。
一実施態様では、透明レセプター層は、カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマー及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのポリマーブレンドを含むアクリル樹脂から形成されるフィルムである。このようなポリマーブレンドを含むアクリル樹脂から形成されるフィルムは比較的薄くても高い強度を有することができ、凹凸を有する対象物表面への装飾積層フィルムの追従性を効果的に高める、又は装飾積層フィルムに不燃性を付与することができる。
透明レセプター層として、押出フィルム、押出延伸フィルム、カレンダーフィルム、キャストフィルムなど、様々な成形方法で形成されたフィルム又はこれらの積層体を使用することができる。一実施態様では、フィルム層はキャストフィルムである。この実施態様によれば、薄いフィルム層を得ることが容易であり、残留内部応力が比較的低いことから、装飾積層フィルムの被着体表面への追従性を有利に高めることができる。
一実施態様では、透明レセプター層は無色である。この実施態様では、基材ベタ色は着色不透明感圧接着層により表現される。無色の透明レセプター層では、顔料などの着色剤を含むことによる伸び特性の低下が生じない。そのため、無色の透明レセプター層を含む装飾積層フィルムは、凹凸を有する対象物表面への追従性に特に優れている。
透明レセプター層は必要に応じて着色されていてもよい。この実施態様では、基材ベタ色は、着色不透明感圧接着層と透明レセプター層の組み合わせにより表現される。着色剤として、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、赤色酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、アゾレーキ系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドンレッドなどのキナクリドン系顔料などの有機顔料などの顔料が挙げられる。この実施態様における着色剤の含有量は、透明レセプター層の厚み、透明レセプター層に要求される伸び特性などによって変化するが、一般に、透明レセプター層の約1質量%以上、約2質量%以上、又は約3質量%以上、約30質量%以下、約25質量%以下、又は約20質量%以下である。
透明レセプター層の厚みは様々であってよく、一般に約10μm以上、約20μm以上、又は約50μm以上、約500μm以下、約200μm以下、又は約100μm以下とすることができる。透明レセプター層が着色されている実施態様では、透明レセプター層の厚みは、約200μm以下、約100μm以下、又は約80μm以下であることが望ましく、これにより透明レセプター層の透明性を確保することができる。装飾積層フィルムに不燃性が要求される用途では、透明レセプター層の厚みはその材料によって変化し、例えば、透明レセプター層がポリ塩化ビニルフィルムである場合、約200μm以下、約150μm以下、又は約100μm以下であることが望ましく、透明レセプター層がアクリル樹脂フィルムである場合、約80μm以下、約60μm以下、又は約40μm以下であることが望ましい。
透明レセプター層の可視光線透過率は、一般に、JIS A 5759:2008に準拠して測定したときに、波長380nm〜780nmにおける平均可視光線透過率として得られる値が、約70%以上、約80%以上、又は約90%以上、100%以下、約98%以下、又は約95%以下である。透明レセプター層の全面が上記平均可視光線透過率を有してもよく、一部又は複数の部分が上記平均可視光線透過率を有してもよい。
装飾積層フィルムの用途に応じて、透明レセプター層に、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑材、帯電防止剤、難燃剤、充填材などの添加剤を添加してもよい。
一実施態様では、透明レセプター層は難燃剤を含まない。この実施態様では、装飾積層フィルムの総厚を薄く(例えば約100μm以下)することにより、難燃剤を使用せずに装飾積層フィルムを不燃性とすることができる。
インクジェット印刷柄層は、透明レセプター層の上に、溶剤系インク又はUV硬化型インクを用いたインクジェット印刷により形成することができる。インクジェット印刷柄層は単色であってもよく多色であってもよい。対象物表面の柄に基づいて無彩色又は有彩色でインクジェット印刷柄層が形成されてもよい。
インクジェット印刷柄層の厚みは様々であってよく、一般に溶剤系インクを用いた場合は、約0.1μm以上、又は約0.5μm以上、約10μm以下、又は約5μm以下とすることができる。UV硬化型インクを用いた場合は、約0.5μm以上、又は約1μm以上、約30μm以下、又は約20μm以下とすることができる。
着色不透明感圧接着層は、装飾積層フィルムを被着体表面に接着し、被着体表面(下地)を隠蔽する隠蔽層としても機能する。着色不透明感圧接着層は、単独で(透明レセプター層が無色の場合)又は透明レセプター層と組み合わされて(透明レセプター層が着色されている場合)基材ベタ色を表現する。着色不透明感圧接着層は、着色剤として、酸化チタン、カーボンブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、赤色酸化鉄などの無機顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系顔料、アゾレーキ系顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドンレッドなどのキナクリドン系顔料などの有機顔料などの顔料を含む。着色不透明感圧接着層は、白色、灰色又は黒色の無彩色を表現してもよく、有彩色を表現してもよい。着色不透明感圧接着層は、マイカ、アルミニウム粉末などの光輝材を含んでもよい。
着色不透明感圧接着層の着色剤の含有量は、着色不透明感圧接着層の厚み、着色不透明感圧接着層に要求される接着特性、着色の種類、使用する着色剤などによって変化するが、一般に、着色不透明感圧接着層の約1質量%以上、約3質量%以上、又は約5質量%以上、約50質量%以下、約40質量%以下、又は約30質量%以下である。
着色不透明感圧接着層は、様々な種類の接着剤、例えばアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤に着色剤を混合した組成物を用いて形成することができる。一実施態様では、着色不透明感圧接着層は、アクリル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、又はゴム系接着剤を含む。
一実施態様では、着色不透明感圧接着層は、カルボキシ基含有(メタ)アクリル系ポリマー及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのポリマーブレンドを含むアクリル系接着剤から形成される。このようなポリマーブレンドを含むアクリル系接着剤は、着色剤とカルボキシ基又はアミノ基との相互作用を利用して、着色剤を高濃度かつ均一に分散した状態で含有することができる。そのため、この実施態様では比較的薄い厚みで高い隠蔽性を有する着色不透明感圧接着層を形成することができる。
着色不透明感圧接着層の厚みは様々であってよく、一般に約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約100μm以下、約80μm以下、又は約50μm以下である。装飾積層フィルムに不燃性が要求される用途では、着色不透明感圧接着層の厚みは、約70μm以下、約50μm以下、又は約30μm以下であることが望ましい。
着色不透明感圧接着層の可視光線透過率は、一般に、JIS A 5759:2008に準拠して測定したときに、波長380nm〜780nmにおける平均可視光線透過率として得られる値が、約30%以下、約20%以下、又は約10%以下である。
装飾積層フィルムの用途に応じて、着色不透明感圧接着層に、例えば粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑材、帯電防止剤、難燃剤、充填材などの添加剤を添加してもよい。
一実施態様では、着色不透明感圧接着層は難燃剤を含まない。この実施態様では、装飾積層フィルムの総厚を薄く(例えば約100μm以下)することにより、難燃剤を使用せずに装飾積層フィルムを不燃性とすることができる。
着色不透明感圧接着層は、公知の方法によって透明レセプター層上に形成することができる。例えば、着色不透明感圧接着層の成分、及び必要に応じて有機溶剤を含有する感圧接着剤組成物を、ナイフコート、バーコートなどによりライナー上に塗布し乾燥して、着色不透明感圧接着層を形成する。得られた着色不透明感圧接着層の上に透明レセプター層をドライラミネートなどにより積層して、着色不透明感圧接着層を透明レセプター層上に形成することができる。
装飾積層フィルムは着色不透明感圧接着層を保護するライナーを有してもよい。ライナーとして、例えば、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料、このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。ライナーの厚みは、一般に約5μm以上、約15μm以上又は約25μm以上、約300μm以下、約200μm以下又は約150μm以下である。
着色不透明感圧接着層は、一般に平坦な接着面を形成するが、凹凸接着面を形成してもよい。この凹凸接着面には、着色不透明感圧接着層の接着面に、接着剤を含む凸部と、その凸部の周りを取り囲んだ凹部とが形成され、被着体に接着された状態で被着体表面と接着面との間に凹部が画する外部と連通した連通路が形成される接着面を含む。凹凸接着面を形成する方法の一例を以下説明する。
所定の凹凸構造を有する剥離面を持つライナーを用意する。このライナーの剥離面に、着色不透明感圧接着剤組成物を塗布し、必要に応じて加熱して、着色不透明感圧接着層を形成する。これにより、着色不透明感圧接着層のライナーと接する面(これが装飾積層フィルムにおける接着面となる。)に、ライナーの凹凸構造(ネガ構造)を転写し、接着面に所定の構造(ポジ構造)を有する凹凸接着面を形成する。接着面の凹凸は、前述したように、被着体に凸部が接着した際に連通路が形成可能な溝を含むように予め設計される。
着色不透明感圧接着層の溝は、装飾積層フィルムを施工する際に気泡残りを防止できる限り、一定形状の溝を規則的パターンに沿って接着面に配置して規則的パターンの溝を形成してもよく、不定形の溝を配置し不規則なパターンの溝を形成してもよい。複数の溝が互いに略平行に配置されるように形成される場合、溝の配置間隔は10〜2000μmであることが好ましい。溝の深さ(接着面からフィルム層の方向に向かって測定した溝の底までの距離)は、通常約10μm以上、約100μm以下である。溝の形状も、本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。例えば、溝の形状を、接着面に垂直な方向の溝の断面において、略矩形(台形を含む)、略半円形、又は略半楕円形とすることができる。
装飾積層フィルムは、インクジェット印刷柄層の上に表面保護層をさらに含んでもよい。表面保護層はオーバーラミネートフィルムであってもよく、クリアコーティングであってもよい。表面保護層により装飾積層フィルムの表面を保護することができる。表面保護層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの樹脂のフィルムを、装飾積層フィルムを構成する層の上に直接又は接合層を介して積層することによって、あるいは樹脂組成物をフィルム層表面に塗布して乾燥することによって形成することができる。
表面保護層は一般に可視光領域で透明である。表面保護層の可視光線透過率は、一般に、JIS A 5759:2008に準拠して測定したときに、波長380nm〜780nmにおける平均可視光線透過率として得られる値が、約80%以上、約85%以上、又は約90%以上、100%以下、約98%以下、又は約95%以下である。表面保護層の全面が上記平均可視光線透過率を有してもよく、一部又は複数の部分が上記平均可視光線透過率を有してもよい。
表面保護層の露出表面が凹凸を有してもいてもよい。一実施態様では表面保護層としてオーバーラミネートフィルムが使用され、オーバーラミネートフィルムの露出表面にエンボス加工が施されている。別の実施態様では表面保護層として樹脂ビーズ、無機粒子などのフィラーを含有するコーティングが使用され、フィラーがコーティングから突出することにより、表面保護層の露出表面に凹凸が形成される。表面保護層の露出表面にエンボス加工などによる凹凸を付与することで、様々な角度から観察したときに反射光によるぎらつきを抑えて、対象物表面の外観の再現性を高めることができる。一実施態様では、オーバーラミネート層の光沢度(グロス)は、JIS Z 8741:1997に準拠して測定したときに、Gs(60°)の値が、約1以上、約2以上、又は約3以上、約40以下、約30以下、又は約20以下である。
表面保護層の厚みは、一般に約1μm以上、約5μm以上、又は約10μm以上、約100μm以下、約50μm以下、又は約30μm以下である。
オーバーラミネートフィルムを装飾積層フィルムに結合する接合層として、一般に使用されるアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ゴム系などの、溶剤型、エマルジョン型、感圧型、感熱型、熱硬化型又は紫外線硬化型の接着剤を使用することができる。
接合層は一般に透明であり、その可視光線透過率は、一般に、JIS A 5759:2008に準拠して測定したときに、380nm〜780nmにおける平均可視光線透過率として得られる値が、約80%以上、約85%以上、又は約90%以上、100%以下、約98%以下、又は約95%以下である。接合層の全面が上記平均可視光線透過率を有してもよく、一部又は複数の部分が上記平均可視光線透過率を有してもよい。
接合層の厚みは、一般に、約1μm以上、約2μm以上、又は約5μm以上、約50μm以下、約40μm以下、又は約30μm以下とすることができる。
装飾積層フィルムの用途に応じて、表面保護層又は接合層に、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑材、帯電防止剤、難燃剤、充填材等の添加剤を添加してもよい。
ライナーを除く装飾積層フィルムの総厚は、一般に約30μm以上、約40μm以上、又は約50μm以上、約500μm以下、約200μm以下、又は約100μm以下である。装飾積層フィルムに不燃性が要求される用途では、装飾積層フィルムの総厚は構成材料によって変化し、例えば、透明レセプター層がポリ塩化ビニルフィルムである場合、約250μm以下、約200μm以下、又は約150μm以下であることが望ましく、透明レセプター層がアクリル樹脂フィルムである場合、約100μm以下、約90μm以下、又は約80μm以下であることが望ましい。
一実施態様では、ライナーを除く装飾積層フィルムは、透明レセプター層、インクジェット印刷柄層、着色不透明感圧接着層、表面保護層、及び表面保護層の接合層以外を含まない、すなわち、透明レセプター層と、インクジェット印刷柄層と、着色不透明感圧接着層と、表面保護層と、必要に応じて表面保護層の接合層とからなる。
一実施態様の装飾積層フィルムは、ISO5660−1コーンカロリーメーター試験で不燃性である。例えば、コーンカロリーメーターを用いて装飾積層フィルムの発熱速度(kW/m)及び総発熱量(MJ/m)を測定したときに、加熱開始後20分間の総発熱量は8MJ/m以下でありかつ200kW/mを超える発熱速度を示す時間は合計で10秒以下である。一実施態様では、装飾積層フィルムは難燃剤を含まずに上記不燃性を達成する。
装飾積層フィルムは、例えば、
(1)第1面及び第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層を用意する工程、
(2)複製の対象である、柄を有する表面を撮影して画像データを得る工程、
(3)画像データを2値化することにより柄データを作成する工程、
(4)画像データから柄データを差し引くことにより基材ベタ色データを作成する工程、
(5)基材ベタ色データに基づいて、透明レセプター層の第2面に着色不透明感圧接着層を形成する工程、及び
(6)柄データに基づいて、インクジェット印刷により透明レセプター層の第1面にインクジェット印刷柄層を形成する工程
を含む方法により製造することができる。
図3を参照しながら上記方法の一例を説明するが、以下に限られない。
工程(1)の透明レセプター層として上記のものを使用することができる。
工程(2)では、デジタルカメラなどを用いて、対象物、例えば建築物の壁面、タイルなどの写真を撮影する。撮影画像は、JPEGなどのフォーマットのRGB画像データとして得る。
工程(3)では、得られたRGB画像データ(図3ではJPEGフォーマット)を画像処理ソフトウェア上で所定の閾値で2値化して柄データを作成する。柄データはRGB画像データからCMYK画像データへ画像変換することにより得られる。柄データはグレースケールであってもよく、2値化した後に柄部分のみがフルカラーのデータに復元されたものであってもよい。
工程(4)では、撮影画像のRGB画像データから、2値化により得られた柄データを差し引いて基材ベタ色データを作成する。基材ベタ色データはRGB画像データからCMYK画像データへ画像変換することにより得られる。
工程(5)では、基材ベタ色データに基づいて、透明レセプター層の第2面に着色不透明感圧接着層を形成する。着色不透明感圧接着層を形成するための感圧接着剤組成物は、上記のとおり調製することができる。着色不透明感圧接着層は、単独で(透明レセプター層が無色の場合)又は透明レセプター層と組み合わされて(透明レセプター層が着色されている場合)基材ベタ色を表現するように形成することができる。それぞれ色の異なる複数の着色不透明感圧接着層及び複数の透明レセプター層を用意しておき、基材ベタ色データに最も近似する着色不透明感圧接着層と透明レセプター層の組み合わせを選択して、これらを積層してもよい。
工程(6)では、柄データに基づいて、透明レセプター層の第1面にインクジェット印刷柄層を形成する。工程(6)は工程(5)の後に行ってもよく、工程(5)の前に行ってもよい。
工程(5)の着色不透明感圧接着層については、色の異なる複数の着色不透明感圧接着層を用意しておき、基材ベタ色データに最も近似する色の着色不透明感圧接着層を選択して使用してもよい。
より正確な色を再現するために、着色不透明感圧接着層と基材ベタ色データとの相違を補充する補色となる色を、透明レセプター層の着色又は透明レセプター層上への追加的なインクジェット印刷による着色により加えてもよい。
本開示の装飾積層フィルムは、様々な基材、例えば建築物の内壁及び外壁、家具、オフィス用品等の表面の装飾及び補修用途に用いることができる。一実施態様では、装飾積層フィルムは壁面に適用される。この実施態様において、インクジェット印刷柄層を壁面の柄に基づいて形成し、着色不透明感圧接着層を壁面のベタ色に基づいて形成してもよい。
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
本実施例において使用した試薬及び材料を表1及び表2に示す。
Figure 2020114633
Figure 2020114633
表3に示す配合で、顔料と分散剤としてアクリル樹脂とを混合することにより、ミルベース1〜3を調製した。
Figure 2020114633
<例1>
1.データ作成
ステップ1
対象物である壁面用タイル(大きさ及び色が不規則な点の柄を有する濃い茶色)の写真をデジタルカメラで撮影した。
ステップ2
壁面用タイルのJPEGデータを2値化することによって柄データを作成した。
ステップ3
壁面用タイルのJPEGデータから柄データを差し引くことによって基材ベタ色データを作成した。
2.印刷及び積層
(1)透明レセプター層の作製
表4に記載の組成でフィルム溶液を調製した。フィルム溶液の樹脂100質量部に対してCL1を不揮発分基準で0.9質量部添加した。得られたフィルム溶液の固形分は30質量%であった。ナイフコータを用いて50μm厚の剥離処理ポリエステルフィルムに塗布し、95℃で5分間、155℃で2分間乾燥して、20μm厚の(メタ)アクリル系フィルム(無色の透明レセプター層)を作製した。
(2)着色不透明感圧接着層の作製
ステップ3で作成した基材ベタ色データに基づいてダークアイボリー着色不透明感圧接着層を形成した。表5に記載の組成で接着剤溶液を準備した。接着剤溶液の樹脂100質量部に対してCL2を不揮発分基準で0.2質量部添加した。このようにして得られた着色不透明感圧接着剤組成物を、ナイフコータを用いてシリコーン被覆ポリエチレンラミネート紙に塗布し、95℃で5分間乾燥して、40μm厚の着色不透明感圧接着層を作製した。
(3)レセプターフィルムの作製
透明レセプター層と着色不透明感圧接着層とを貼り合わせることで、レセプターフィルムを形成した。
(4)インクジェット印刷柄層の形成
ステップ2で作成した柄データに基づき、レセプターフィルムの透明レセプター層の上にJV5プリンター(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)を用いてSS21インク(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)で厚み6μmのインクジェット印刷柄層を印刷した。サイズはフルスケールであった。2値化の閾値は105/255であった。
(5)オーバーラミネートフィルムの積層
オーバーラミネートフィルムとして、厚み23μm(接合層含む)のスコッチカル(登録商標)フィルムPF953AP(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)をインクジェット印刷柄層上に積層して例1の装飾積層フィルムを得た。例1の装飾積層フィルムは図1に示す積層構造を有していた。例1の装飾積層フィルムの外観を目視で評価すると対象物である壁面用タイルの外観が再現されていた。例1の装飾積層フィルムは粗面を有するタイル基材表面に貼り付け施工可能であった。
<例2>
表4及び表5に記載の組成でフィルム溶液及び接着剤溶液をそれぞれ調製し、レセプターフィルムの無色透明レセプター層をライトアイボリー着色透明レセプター層に、ダークアイボリー着色不透明感圧接着層を白色不透明感圧接着層に変更した以外は例1と同様にして例2の装飾積層フィルムを作製した。
<例3>
表4及び表5に記載の組成でフィルム溶液及び接着剤溶液をそれぞれ調製し、ダークアイボリー着色不透明感圧接着層をブラウン着色不透明感圧接着層に変更した以外は例1と同様にして例3の装飾積層フィルムを作製した。
<例4>
表4及び表5に記載の組成でフィルム溶液及び接着剤溶液をそれぞれ調製し、ダークアイボリー着色不透明感圧接着層をダークブラウン着色不透明感圧接着層に変更した以外は例1と同様にして例4の装飾積層フィルムを作製した。
Figure 2020114633
Figure 2020114633
<比較例1>
1.データ作成
ステップ1
対象物である壁面用タイル(大きさ及び色が不規則な点の柄を有する濃い茶色)の写真をデジタルカメラで撮影した。
ステップ2
壁面用タイルのJPEGデータを2値化することによって柄データを作成した。
ステップ3
壁面用タイルのJPEGデータから柄データを差し引くことによって基材ベタ色データを作成した。
ステップ4
透過率調整用の透明グレー色データを作成した。
2.前駆体1
ステップ3で作成した基材ベタ色データに基づき、白色不透明感圧接着層を有する、厚み60μmのスコッチカル(登録商標)フィルムPF050(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)上にJV5プリンター(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)を用いてSS21インク(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)で厚み6μmの基材ベタ色層を印刷して厚み66μmの前駆体1を得た。インク濃度はシアン10、マゼンタ19、イエロー22、ブラック10であった。前駆体1の色は、基材ベタ色層側から見たときにブラウンであった。
3.前駆体2
グレーに着色した透明感圧接着層を有する、厚み70μmのレセプターフィルムを柄層のインクジェット印刷のために用意した。レセプターフィルムは、厚み30μmのグレー着色透明感圧接着層を厚み40μmの透明アクリルフィルムと積層することにより作製した。グレー着色透明感圧接着層は、ステップ4で作成した透明グレー色データに基づいて形成された。ステップ2で作成した柄データに基づき、レセプターフィルム上にJV5プリンター(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)を用いてSS21インク(株式会社ミマキエンジニアリング、日本国長野県東御市)で厚み6μmのインクジェット印刷柄層を印刷した。サイズはフルスケールであった。2値化の閾値は105/255であった。オーバーラミネートフィルムとして、厚み23μm(接合層含む)のスコッチカル(登録商標)フィルムPF953AP(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)をインクジェット印刷柄層上に積層して厚み99μmの前駆体2を得た。
4.ラミネート(積層)
前駆体2を前駆体1の上に積層して比較例1の装飾積層フィルムを得た。比較例1の装飾積層フィルムは図2に示す積層構造を有していた。具体的には、比較例1の装飾積層フィルム100は、上から順に、表面保護層122及び接合層124からなるオーバーラミネートフィルム、インクジェット印刷柄層114、透明アクリルフィルム112及びグレー着色透明感圧接着層142からなるレセプターフィルム、基材ベタ色層154、透明レセプター層152及び白色不透明感圧接着層156からなるスコッチカル(登録商標)フィルムPF050、並びに白色不透明感圧接着層156を保護するライナー130を含んでいた。比較例1の装飾積層フィルムの外観を目視で評価すると対象物である壁面用タイルの外観が再現されていた。比較例1の装飾積層フィルムは粗面を有するタイル基材表面に貼り付け施工可能であった。
<比較例2>
グレー着色透明感圧接着層の厚みを変更することにより前駆体2の厚みを92μmに変更した以外は比較例1と同様にして比較例2の装飾積層フィルムを作製した。
不燃性
プライマーDP900N3(スリーエムジャパン株式会社、日本国東京都品川区)をカルシウムシリケート板(厚み6mm)にコーティングし乾燥した。装飾積層フィルムをカルシウムシリケート板に貼り付けた。ISO5660−1コーンカロリーメーター試験に準拠して試験を行った。発熱速度(kW/m)及び総発熱量(MJ/m)をコーンカロリーメーター(株式会社東洋精機製作所、日本国東京都北区)を用いて測定した。加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m以下でありかつ200kW/mを超える発熱速度を示した時間が合計で10秒以下である場合を合格、それ以外の場合を不合格と判定した。
装飾積層フィルムの構成及び不燃性を表6に示す。
Figure 2020114633
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることも当業者には明らかである。
1 装飾積層フィルム
10 画像フィルム
12 透明レセプター層
14 インクジェット印刷柄層
16 着色不透明感圧接着層
22 表面保護層
24 接合層
30 ライナー
100 装飾積層フィルム
112 透明アクリルフィルム
114 インクジェット印刷柄層
122 表面保護層
124 接合層
130 ライナー
142 グレー着色透明感圧接着層
152 透明レセプター層
154 基材ベタ色層
156 白色不透明感圧接着層

Claims (6)

  1. 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層と、前記透明レセプター層の前記第1面に配置されたインクジェット印刷柄層と、前記透明レセプター層の前記第2面に配置された着色不透明感圧接着層とを含む画像フィルムを含む、装飾積層フィルム。
  2. 前記画像フィルムの前記インクジェット印刷柄層の上に配置された表面保護層をさらに含む、請求項1に記載の装飾積層フィルム。
  3. 壁面に適用される請求項1又は2のいずれかに記載の装飾積層フィルム。
  4. 前記インクジェット印刷柄層が前記壁面の柄に基づき形成され、前記着色不透明感圧接着層が前記壁面のベタ色に基づき形成されている、請求項3に記載の装飾積層フィルム。
  5. 総厚が100μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の装飾積層フィルム。
  6. 第1面及び前記第1面の反対側の第2面を有する透明レセプター層を用意する工程と、
    複製の対象である、柄を有する表面を撮影して画像データを得る工程と、
    前記画像データを2値化することにより柄データを作成する工程と、
    前記画像データから前記柄データを差し引くことにより基材ベタ色データを作成する工程と、
    前記基材ベタ色データに基づいて、前記透明レセプター層の前記第2面に着色不透明感圧接着層を形成する工程と、
    前記柄データに基づいて、インクジェット印刷により前記透明レセプター層の前記第1面にインクジェット印刷柄層を形成する工程と
    を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装飾積層フィルムを製造する方法。
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