JPH0781298A - 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 - Google Patents
塩化ビニル系樹脂基材用転写箔Info
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- JPH0781298A JPH0781298A JP6033230A JP3323094A JPH0781298A JP H0781298 A JPH0781298 A JP H0781298A JP 6033230 A JP6033230 A JP 6033230A JP 3323094 A JP3323094 A JP 3323094A JP H0781298 A JPH0781298 A JP H0781298A
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- Japan
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- resin
- vinyl chloride
- layer
- transfer foil
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塩化ビニル系樹脂からなる内外装材基材に、
転写法によって耐候性、耐摩性、耐熱水性が優れ、且つ
高意匠感を表現できる転写箔を提供する。 【構成】 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂及びア
クリル系樹脂に酸化セリウム等の紫外線吸収剤を添加し
た剥離層、アクリル系樹脂主体の装飾層、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体樹脂で二次転移温度(Tg)が10
0〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜800
00の範囲の特定の樹脂からなる接着層を、順次積層し
た構成とする。
転写法によって耐候性、耐摩性、耐熱水性が優れ、且つ
高意匠感を表現できる転写箔を提供する。 【構成】 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂及びア
クリル系樹脂に酸化セリウム等の紫外線吸収剤を添加し
た剥離層、アクリル系樹脂主体の装飾層、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体樹脂で二次転移温度(Tg)が10
0〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜800
00の範囲の特定の樹脂からなる接着層を、順次積層し
た構成とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂から
なる基材の表面を化粧するための塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔に関し、特に塩化ビニル系樹脂成形体表面を化
粧し、外装用途や水回り用途などの耐候性、耐摩性、耐
熱水性が要求される用途に好適の化粧材を提供できる転
写箔に関する。
なる基材の表面を化粧するための塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔に関し、特に塩化ビニル系樹脂成形体表面を化
粧し、外装用途や水回り用途などの耐候性、耐摩性、耐
熱水性が要求される用途に好適の化粧材を提供できる転
写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系樹脂の成形体を用い
た外装材あるいは内装材において、樹脂の成形体のまま
では意匠性に乏しいために、樹脂成形体の表面に種々の
方法で模様付けを行い、意匠感の有る内外装材としてい
る。例えば、塩化ビニル樹脂の押し出し成形体にあって
は、その表面にグラビアオフセット印刷、シルクスクリ
ーン印刷その他の印刷方法によって直接絵柄を形成し、
さらにその上に透明なクリヤー保護層を形成して仕上げ
る方法がある。あるいは、樹脂成形体を形成する樹脂そ
のものの中に着色顔料やパール顔料等を混入した樹脂原
料を用いて成形した樹脂成形体とし、それで最終的な内
外装材とする方法等もあった。さらに、樹脂成形体の表
面への絵柄の形成を間接的に、すなわち転写箔により形
成する方法も試みられていた。
た外装材あるいは内装材において、樹脂の成形体のまま
では意匠性に乏しいために、樹脂成形体の表面に種々の
方法で模様付けを行い、意匠感の有る内外装材としてい
る。例えば、塩化ビニル樹脂の押し出し成形体にあって
は、その表面にグラビアオフセット印刷、シルクスクリ
ーン印刷その他の印刷方法によって直接絵柄を形成し、
さらにその上に透明なクリヤー保護層を形成して仕上げ
る方法がある。あるいは、樹脂成形体を形成する樹脂そ
のものの中に着色顔料やパール顔料等を混入した樹脂原
料を用いて成形した樹脂成形体とし、それで最終的な内
外装材とする方法等もあった。さらに、樹脂成形体の表
面への絵柄の形成を間接的に、すなわち転写箔により形
成する方法も試みられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の塩化ビ
ニル系樹脂成形体からなる意匠性を有する内外装材の製
造において、上記した直接に絵柄を樹脂成形体の表面に
グラビア、オフセット印刷、その他の印刷方法によって
形成する方法の場合、被印刷面となる樹脂成形体の表面
は厚みが厚い上に平滑性が悪かったり、あるいは、平面
であることは通常稀であり、また、それら平面の組み合
わせからなる樹脂成形体に対しては、各々の平面毎に印
刷を繰り返す必要があった。この為に、複数の面毎に絵
柄を印刷する場合には絵柄の見当合わせが困難であり、
さらに多色刷りにおいては絵柄が不鮮明となり、意匠感
に優れた外装材とすることは困難であった。しかも、一
色の印刷毎に乾燥工程が必要となるために、多色印刷の
場合には極めて生産効率が悪かった。くわえて、印刷形
成された絵柄を保護する意味で、透明なクリヤー保護層
を印刷後に別途形成するための後工程も必要であるな
ど、得られる意匠感の割りにコスト高となるものであっ
た。
ニル系樹脂成形体からなる意匠性を有する内外装材の製
造において、上記した直接に絵柄を樹脂成形体の表面に
グラビア、オフセット印刷、その他の印刷方法によって
形成する方法の場合、被印刷面となる樹脂成形体の表面
は厚みが厚い上に平滑性が悪かったり、あるいは、平面
であることは通常稀であり、また、それら平面の組み合
わせからなる樹脂成形体に対しては、各々の平面毎に印
刷を繰り返す必要があった。この為に、複数の面毎に絵
柄を印刷する場合には絵柄の見当合わせが困難であり、
さらに多色刷りにおいては絵柄が不鮮明となり、意匠感
に優れた外装材とすることは困難であった。しかも、一
色の印刷毎に乾燥工程が必要となるために、多色印刷の
場合には極めて生産効率が悪かった。くわえて、印刷形
成された絵柄を保護する意味で、透明なクリヤー保護層
を印刷後に別途形成するための後工程も必要であるな
ど、得られる意匠感の割りにコスト高となるものであっ
た。
【0004】また、樹脂成形体を形成する樹脂原料に、
着色顔料やパール顔料を混入したものを用いて内外装材
を製造する場合には、柄模様の意匠を表現することが本
質的に不可能であり、原料樹脂に前記顔料を混ぜ合わせ
る工程が必要になる反面、極めて単調な意匠感を有する
内外装材しか得られなかった。
着色顔料やパール顔料を混入したものを用いて内外装材
を製造する場合には、柄模様の意匠を表現することが本
質的に不可能であり、原料樹脂に前記顔料を混ぜ合わせ
る工程が必要になる反面、極めて単調な意匠感を有する
内外装材しか得られなかった。
【0005】さらに、樹脂成形体に間接的に、すなわち
転写法によって、一旦印刷適性が良好な平滑な基材フィ
ルム上に印刷形成した絵柄を成形体表面に転移させて化
粧する試みもなされて来てはいるが、押し出し成形体の
ような表面が平滑でない基材に対しては、均一に転写す
ることが難しく、また室内用途の化粧材と違い雨風や直
射日光等の厳しい条件にに曝される外装用途、あるい
は、浴室、キッチンなどの水回りに使用される内装用途
においては、基本的な転写性能を具備しつつ、耐候性、
耐摩性、耐熱水等の点でも充分に満足できる特性を具備
した実用的な転写箔は得られていなかった。特に、外装
用、浴室用では、煮沸水に浸漬して加熱する試験を行っ
ても、変色、層間剥離を起こさないことが要求される。
現在、業界では、一番厳しい規格としては、最大10時
間煮沸に耐えることが要求される。また、外装用に於い
ては、耐候性として、カーボンアーク燈サンシャインウ
エザオメータ(耐候性促進試験機)で最低1000時間
照射しても、変褪色、転写層の剥脱等のないことが要求
される。
転写法によって、一旦印刷適性が良好な平滑な基材フィ
ルム上に印刷形成した絵柄を成形体表面に転移させて化
粧する試みもなされて来てはいるが、押し出し成形体の
ような表面が平滑でない基材に対しては、均一に転写す
ることが難しく、また室内用途の化粧材と違い雨風や直
射日光等の厳しい条件にに曝される外装用途、あるい
は、浴室、キッチンなどの水回りに使用される内装用途
においては、基本的な転写性能を具備しつつ、耐候性、
耐摩性、耐熱水等の点でも充分に満足できる特性を具備
した実用的な転写箔は得られていなかった。特に、外装
用、浴室用では、煮沸水に浸漬して加熱する試験を行っ
ても、変色、層間剥離を起こさないことが要求される。
現在、業界では、一番厳しい規格としては、最大10時
間煮沸に耐えることが要求される。また、外装用に於い
ては、耐候性として、カーボンアーク燈サンシャインウ
エザオメータ(耐候性促進試験機)で最低1000時間
照射しても、変褪色、転写層の剥脱等のないことが要求
される。
【0006】そこで、本発明は、特に塩化ビニル系樹脂
基材用途の転写箔において、耐摩耗物性、耐熱水性が優
れた塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を提供することを目
的としている。
基材用途の転写箔において、耐摩耗物性、耐熱水性が優
れた塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を提供することを目
的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では上記
課題を解決するために、転写箔用基材の一方の面に、ア
クリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
とアクリル系樹脂との混合樹脂による剥離層と、アクリ
ル系樹脂をビヒクルの主体とする印刷層による装飾層
と、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂からなる接着
剤層とが順次積層された転写箔において、前記剥離層を
形成する樹脂中に紫外線吸収剤が0.1〜1.0重量%
含有されていることを特徴とした塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔とするものである。また、前記剥離層に含有さ
せる紫外線吸収剤として、少なくとも酸化セリウムの微
粉末を用いたものでもある。また、前記接着剤層を構成
する塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温
度(Tg)が100〜110℃で、且つ平均分子量が6
0000〜80000であることを特徴とした塩化ビニ
ル系樹脂基材用転写箔とするものである。
課題を解決するために、転写箔用基材の一方の面に、ア
クリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
とアクリル系樹脂との混合樹脂による剥離層と、アクリ
ル系樹脂をビヒクルの主体とする印刷層による装飾層
と、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂からなる接着
剤層とが順次積層された転写箔において、前記剥離層を
形成する樹脂中に紫外線吸収剤が0.1〜1.0重量%
含有されていることを特徴とした塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔とするものである。また、前記剥離層に含有さ
せる紫外線吸収剤として、少なくとも酸化セリウムの微
粉末を用いたものでもある。また、前記接着剤層を構成
する塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温
度(Tg)が100〜110℃で、且つ平均分子量が6
0000〜80000であることを特徴とした塩化ビニ
ル系樹脂基材用転写箔とするものである。
【0008】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
1は本発明に係る一実施例を示す塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔の縦断面図である。本発明による塩化ビニル系
樹脂基材用転写箔1は、転写箔用基材2の片面に、剥離
層3、装飾層4、接着剤層5を順次設けた構成からな
る。転写の際は、転写箔用基材2と剥離層3との界面で
剥離し被転写基材側に転写される層、すなわち転写層6
は、転写後の状態で表層から順次剥離層3、装飾層4、
接着剤層5となる。
1は本発明に係る一実施例を示す塩化ビニル系樹脂基材
用転写箔の縦断面図である。本発明による塩化ビニル系
樹脂基材用転写箔1は、転写箔用基材2の片面に、剥離
層3、装飾層4、接着剤層5を順次設けた構成からな
る。転写の際は、転写箔用基材2と剥離層3との界面で
剥離し被転写基材側に転写される層、すなわち転写層6
は、転写後の状態で表層から順次剥離層3、装飾層4、
接着剤層5となる。
【0009】転写箔用基材2は、剥離層3との剥離性の
よいものが利用され、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコ
ポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリオレフィン塗工紙等が利用でき、特に厚さ10
〜100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムが好適である。なお、剥離層3との剥離性を制御
する意味で、図示はしないが転写箔用基材2の剥離層3
が形成される面に離型層を設けたものであってもよい。
離型層は、フッ素系樹脂、各種ワックス、シリコーン等
の離型剤を公知のビヒクル、例えば、アクリル系樹脂、
セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等に添加した塗料の塗
膜を形成したり、離型性の樹脂、例えば、フッ素系樹
脂、シリコーン、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、電離放射線硬化性アクリル系樹脂等を塗工、あるい
はエクストルージョンコート等で製膜したものを用いれ
ばよい。
よいものが利用され、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートコ
ポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステ
ルフィルム、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリオレフィン塗工紙等が利用でき、特に厚さ10
〜100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムが好適である。なお、剥離層3との剥離性を制御
する意味で、図示はしないが転写箔用基材2の剥離層3
が形成される面に離型層を設けたものであってもよい。
離型層は、フッ素系樹脂、各種ワックス、シリコーン等
の離型剤を公知のビヒクル、例えば、アクリル系樹脂、
セルロース系樹脂、ビニル系樹脂等に添加した塗料の塗
膜を形成したり、離型性の樹脂、例えば、フッ素系樹
脂、シリコーン、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、電離放射線硬化性アクリル系樹脂等を塗工、あるい
はエクストルージョンコート等で製膜したものを用いれ
ばよい。
【0010】剥離層3は、転写箔から装飾層が被転写基
材に転写された以降、転写層6の最外層となるものであ
り、装飾層4の上層となって装飾層4を保護する役割を
果たし、本願目的の一つである優れた耐摩性、耐候性を
具現化する際に特に重要な構成要素である。優れた耐摩
性、耐候性に顕著な効果を奏する剥離層3としては、ア
クリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
とアクリル系樹脂との混合樹脂に紫外線吸収剤を添加し
たものが好ましい。優れた耐候性に顕著な効果を奏する
剥離層3としては、アクリル系樹脂が最適であるが、ア
クリル系樹脂単体だと塗膜が硬すぎて、転写時或いは、
転写後の温度変化、外力等により亀裂が入るという欠点
がある。また特に後述の酸化セリウム、あるいは酸化亜
鉛の微粉末の紫外線吸収剤をアクリル系樹脂単体のバイ
ンダーに添加すると、ゲル化が起こり塗工困難になり易
い傾向がある。これを改善し分散性を向上する為に、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂をアクリル系樹脂に
混合する。混合比は、アクリル系樹脂/塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体樹脂=9/1〜7/3の範囲であり、
特に8/2程度が好ましい。アクリル系樹脂が少ないと
耐候性が低下し、日光暴露によって黄変等を生じやすく
なる。また、アクリル系樹脂としては、例えばポリメタ
クリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタク
リル酸ブチル、ポリメタクリル酸エチルヘキシル等のメ
タクリル酸アルキルエステル単独重合体、ポリアクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸エチルヘキシル等のアクリル酸アル
キルエステル単独重合体、該アクリル酸アルキルエステ
ルやメタクリル酸アルキルエステル同士の共重合体、あ
るいは該アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステルと塩化ビニル、酢酸ビニル等との共重合
体等の樹脂が好ましい。
材に転写された以降、転写層6の最外層となるものであ
り、装飾層4の上層となって装飾層4を保護する役割を
果たし、本願目的の一つである優れた耐摩性、耐候性を
具現化する際に特に重要な構成要素である。優れた耐摩
性、耐候性に顕著な効果を奏する剥離層3としては、ア
クリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂
とアクリル系樹脂との混合樹脂に紫外線吸収剤を添加し
たものが好ましい。優れた耐候性に顕著な効果を奏する
剥離層3としては、アクリル系樹脂が最適であるが、ア
クリル系樹脂単体だと塗膜が硬すぎて、転写時或いは、
転写後の温度変化、外力等により亀裂が入るという欠点
がある。また特に後述の酸化セリウム、あるいは酸化亜
鉛の微粉末の紫外線吸収剤をアクリル系樹脂単体のバイ
ンダーに添加すると、ゲル化が起こり塗工困難になり易
い傾向がある。これを改善し分散性を向上する為に、塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂をアクリル系樹脂に
混合する。混合比は、アクリル系樹脂/塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体樹脂=9/1〜7/3の範囲であり、
特に8/2程度が好ましい。アクリル系樹脂が少ないと
耐候性が低下し、日光暴露によって黄変等を生じやすく
なる。また、アクリル系樹脂としては、例えばポリメタ
クリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタク
リル酸ブチル、ポリメタクリル酸エチルヘキシル等のメ
タクリル酸アルキルエステル単独重合体、ポリアクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸エチルヘキシル等のアクリル酸アル
キルエステル単独重合体、該アクリル酸アルキルエステ
ルやメタクリル酸アルキルエステル同士の共重合体、あ
るいは該アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステルと塩化ビニル、酢酸ビニル等との共重合
体等の樹脂が好ましい。
【0011】本発明に於ける剥離層3の厚さとしては、
2μm〜30μmの範囲が好ましい。理由としては、紫
外線吸収剤として後述のものを0.1〜1.0重量%添
加し、ビヒクルの樹脂として、アクリル系樹脂又は塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂を用いた
場合、屋外の日光、風雨への暴露に対して、剥離層(転
写後の表面保護層となる)それ自体が変退色、剥脱等に
耐え、且つ、その直下の装飾層を紫外線や水から保護し
得る為には、2μm以上必要である。但し、30μmを
越えると、図2に示すような剥バリが発生し易くなる
為、最大30μmに抑える必要がある。
2μm〜30μmの範囲が好ましい。理由としては、紫
外線吸収剤として後述のものを0.1〜1.0重量%添
加し、ビヒクルの樹脂として、アクリル系樹脂又は塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂との混合樹脂を用いた
場合、屋外の日光、風雨への暴露に対して、剥離層(転
写後の表面保護層となる)それ自体が変退色、剥脱等に
耐え、且つ、その直下の装飾層を紫外線や水から保護し
得る為には、2μm以上必要である。但し、30μmを
越えると、図2に示すような剥バリが発生し易くなる
為、最大30μmに抑える必要がある。
【0012】上記、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹
脂、又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリ
ル系樹脂との混合樹脂に対して添加することにより、顕
著な耐候性の向上効果を奏する紫外線吸収剤であるが、
このようなものとしては、例えば、有機系の化合物とし
ては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル
−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミ
ル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−
5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール等の2′−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2′−ヒドロキシ
フェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン等の2,2′−ジヒドロキシベンゾフェノン
系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の
2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、サリ
チル酸フェニル、4−t−ブチル−フェニル−サリシレ
ート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤類、2−エ
チル−ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤
類等が用いられる。また、無機系の化合物としては粒径
1μm以下、可視光線透明度の点でより好ましくは0.
2μm以下の酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリ
ウム等の無機酸化物の紫外線吸収剤類等が使用される。
脂、又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリ
ル系樹脂との混合樹脂に対して添加することにより、顕
著な耐候性の向上効果を奏する紫外線吸収剤であるが、
このようなものとしては、例えば、有機系の化合物とし
ては、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−te
rt−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル
−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミ
ル−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチ
ル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−
5′−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール等の2′−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2′−ヒドロキシ
フェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン等の2,2′−ジヒドロキシベンゾフェノン
系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の
2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、サリ
チル酸フェニル、4−t−ブチル−フェニル−サリシレ
ート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤類、2−エ
チル−ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤
類等が用いられる。また、無機系の化合物としては粒径
1μm以下、可視光線透明度の点でより好ましくは0.
2μm以下の酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリ
ウム等の無機酸化物の紫外線吸収剤類等が使用される。
【0013】無機酸化物系の紫外線吸収剤は、光や熱に
対して変質しないため、長期に渡って紫外線吸収能を維
持する。また、有機系の紫外線吸収剤や光安定剤と異な
り、表面へのブリード現象もなく、表面白化等の表面変
質を防止できる。これらの無機酸化物は粒径1μm以下
の微粉末を用いのが好ましく、特に、剥離層の下層とな
る装飾層が透視できる様に、可視光線に対して充分な透
過性を有するようになる可視光線の波長の1/2以下、
すなわち200nm以下、より好ましくは100nm以
下、特に好ましくは8〜30nmの範囲のものを用いる
のが好ましい。このような微粉末を用いることにより無
機酸化物を比較的多量に含有させても、可視光線の透過
性を損なうことなく、装飾層の絵柄が曇らない優れた紫
外線吸収能を持たせることができる。上記無機酸化物系
微粉末の中では、バインダーとして、特に塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体とアクリル系樹脂との混合体を用い
る場合には、光照射時の変色防止効果の点で酸化セリウ
ムが最も良好で、酸化亜鉛がこれに次ぎ、酸化チタンが
更にこれに次ぐ。熱水浸漬による白化に対する防止効果
では、酸化セリウムが最も優れ、酸化チタンがこれに次
ぎ、酸化亜鉛がこれに次ぐ。
対して変質しないため、長期に渡って紫外線吸収能を維
持する。また、有機系の紫外線吸収剤や光安定剤と異な
り、表面へのブリード現象もなく、表面白化等の表面変
質を防止できる。これらの無機酸化物は粒径1μm以下
の微粉末を用いのが好ましく、特に、剥離層の下層とな
る装飾層が透視できる様に、可視光線に対して充分な透
過性を有するようになる可視光線の波長の1/2以下、
すなわち200nm以下、より好ましくは100nm以
下、特に好ましくは8〜30nmの範囲のものを用いる
のが好ましい。このような微粉末を用いることにより無
機酸化物を比較的多量に含有させても、可視光線の透過
性を損なうことなく、装飾層の絵柄が曇らない優れた紫
外線吸収能を持たせることができる。上記無機酸化物系
微粉末の中では、バインダーとして、特に塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体とアクリル系樹脂との混合体を用い
る場合には、光照射時の変色防止効果の点で酸化セリウ
ムが最も良好で、酸化亜鉛がこれに次ぎ、酸化チタンが
更にこれに次ぐ。熱水浸漬による白化に対する防止効果
では、酸化セリウムが最も優れ、酸化チタンがこれに次
ぎ、酸化亜鉛がこれに次ぐ。
【0014】無機酸化物として酸化セリウムを用いる場
合は、インキや塗料に添加する際の酸化セリウムは単な
る粉末状の形態でも良いが、特に粒径が200nm以下
の微粉末の場合には、液体への均一分散が難しく二次凝
集を起こし易いために、良好な分散性を出すための公知
の易分散化表面処理を施したり、或いは、特開平1−3
06435号公報記載のような、ゾルやゾル粉末の状態
で塗料やインキに添加して使用することが好ましい。ま
た、このような酸化セリウムは結晶体となった状態の粉
末を用いることが好ましい。その理由は非晶質の場合、
転写時の熱や圧力の変化、転写後の日光の暴露、屋外で
の寒熱繰返し等により、経時的に結晶化が進み、転写層
の透明性が変化する虞があるからである。また、酸化セ
リウムには、酸化第一セリウムと酸化第二セリウムとが
あるが、酸化第一セリウムは酸化第二セリウムに徐徐に
酸化される不安定性があるために、酸化第二セリウムの
方が好ましい。また、無機系の紫外吸収剤として酸化セ
リウムと、酸化鉄や酸化チタン等を併用のように混合使
用も可能である。
合は、インキや塗料に添加する際の酸化セリウムは単な
る粉末状の形態でも良いが、特に粒径が200nm以下
の微粉末の場合には、液体への均一分散が難しく二次凝
集を起こし易いために、良好な分散性を出すための公知
の易分散化表面処理を施したり、或いは、特開平1−3
06435号公報記載のような、ゾルやゾル粉末の状態
で塗料やインキに添加して使用することが好ましい。ま
た、このような酸化セリウムは結晶体となった状態の粉
末を用いることが好ましい。その理由は非晶質の場合、
転写時の熱や圧力の変化、転写後の日光の暴露、屋外で
の寒熱繰返し等により、経時的に結晶化が進み、転写層
の透明性が変化する虞があるからである。また、酸化セ
リウムには、酸化第一セリウムと酸化第二セリウムとが
あるが、酸化第一セリウムは酸化第二セリウムに徐徐に
酸化される不安定性があるために、酸化第二セリウムの
方が好ましい。また、無機系の紫外吸収剤として酸化セ
リウムと、酸化鉄や酸化チタン等を併用のように混合使
用も可能である。
【0015】有機系の化合物の紫外線吸収剤の添加量
は、添加される樹脂全量に対して0.1〜1.0重量%
の範囲が好ましい。0.1重量%未満であると、十分な
耐候性が得られず、1.0重量%を越えると、コスト高
となり、また屋外の日光に暴露したり、熱水で加温され
たりした場合に、剥離層に白化を生ずる。特に0.3〜
0.5重量%の範囲が良好である。
は、添加される樹脂全量に対して0.1〜1.0重量%
の範囲が好ましい。0.1重量%未満であると、十分な
耐候性が得られず、1.0重量%を越えると、コスト高
となり、また屋外の日光に暴露したり、熱水で加温され
たりした場合に、剥離層に白化を生ずる。特に0.3〜
0.5重量%の範囲が良好である。
【0016】酸化セリウムの微粉末等の無機系の紫外線
吸収剤の添加量は、添加される樹脂全量に対して0.1
〜1重量%の範囲が好ましい。微粉末の粒径が200n
m以下で充分に細かければ可視光線に対する透明性は確
保できるので、1重量%迄の配合は可能である。含有量
は0.1重量%未満であると、十分な紫外線吸収効果が
得られず、1重量%を越えると層が脆くなる傾向とな
り、箔バリの発生や積層される層との密着性等の物性が
低下して好ましくない。
吸収剤の添加量は、添加される樹脂全量に対して0.1
〜1重量%の範囲が好ましい。微粉末の粒径が200n
m以下で充分に細かければ可視光線に対する透明性は確
保できるので、1重量%迄の配合は可能である。含有量
は0.1重量%未満であると、十分な紫外線吸収効果が
得られず、1重量%を越えると層が脆くなる傾向とな
り、箔バリの発生や積層される層との密着性等の物性が
低下して好ましくない。
【0017】紫外線による転写層の劣化を更に防止し、
耐候性を向上させる為には、他の光安定剤としてラジカ
ル捕捉剤も添加することが好ましい。ラジカル捕捉剤と
しては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピベジニル)セバーケ
ート、その他、例えば特公平4−82625号公報に開
示されている化合物などのヒンダードアミン系ラジカル
捕捉剤、ピペリジン系ラジカラル捕捉剤等が使用され
る。ラジカル捕捉剤の含有量は、樹脂全量に対して0.
1〜2.0重量%の範囲が好ましい。これより少ない
と、耐候性向上の効果が得られず、又これより多いと熱
水で加温された場合に白化を生じる。
耐候性を向上させる為には、他の光安定剤としてラジカ
ル捕捉剤も添加することが好ましい。ラジカル捕捉剤と
しては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピベジニル)セバーケ
ート、その他、例えば特公平4−82625号公報に開
示されている化合物などのヒンダードアミン系ラジカル
捕捉剤、ピペリジン系ラジカラル捕捉剤等が使用され
る。ラジカル捕捉剤の含有量は、樹脂全量に対して0.
1〜2.0重量%の範囲が好ましい。これより少ない
と、耐候性向上の効果が得られず、又これより多いと熱
水で加温された場合に白化を生じる。
【0018】前記紫外線吸収剤とラジカル捕捉剤との組
み合わせ中で、特に耐候性と耐熱水性との両立の観点か
らは、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系又はシアノ
アクリレート系を用い、それにラジカル捕捉剤としてヒ
ンダードアミン系のものを添加する組み合わせが好まし
い。さらに、酸化セリウムの微粉末とラジカル補足剤と
の組み合わせ、また有機系紫外線吸収剤と酸化セリウム
の微粉末等の無機系紫外線吸収剤とラジカル補足剤との
組み合わせも好ましい。特に酸化セリウム微粉末とシア
ノアクリレート系紫外線吸収剤とを混合併用すると、耐
候性の向上(主として光変色の防止効果)の点で良好で
ある。
み合わせ中で、特に耐候性と耐熱水性との両立の観点か
らは、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系又はシアノ
アクリレート系を用い、それにラジカル捕捉剤としてヒ
ンダードアミン系のものを添加する組み合わせが好まし
い。さらに、酸化セリウムの微粉末とラジカル補足剤と
の組み合わせ、また有機系紫外線吸収剤と酸化セリウム
の微粉末等の無機系紫外線吸収剤とラジカル補足剤との
組み合わせも好ましい。特に酸化セリウム微粉末とシア
ノアクリレート系紫外線吸収剤とを混合併用すると、耐
候性の向上(主として光変色の防止効果)の点で良好で
ある。
【0019】以上のように構成される剥離層3の厚み
は、層を形成後の乾燥塗布重量で4〜20g/m2の範囲が
好ましい。4g/m2未満であると、転写後に下層となる装
飾層等にたいして、十分な光防御性能を発揮できず耐候
性が低下し、また耐摩性も低下してくる。一方、厚みが
多すぎても、過剰仕様となり単にコスト高となったり転
写箔が剛直になったりして転写した時に、転写箔上の転
写層が被転写体に接した部分と、接しなかった部分との
境界で(図2中Aで示す)切断されず、図2の様な箔バ
リを生ずる。
は、層を形成後の乾燥塗布重量で4〜20g/m2の範囲が
好ましい。4g/m2未満であると、転写後に下層となる装
飾層等にたいして、十分な光防御性能を発揮できず耐候
性が低下し、また耐摩性も低下してくる。一方、厚みが
多すぎても、過剰仕様となり単にコスト高となったり転
写箔が剛直になったりして転写した時に、転写箔上の転
写層が被転写体に接した部分と、接しなかった部分との
境界で(図2中Aで示す)切断されず、図2の様な箔バ
リを生ずる。
【0020】装飾層4は、耐候性において優れた特性を
発揮するアクリル系樹脂をビヒクルの主体とする印刷層
からなる。装飾層4の形成に使用する印刷インキ中の着
色剤は、通常のグラビアインキに使用する着色剤であっ
てもよいが、例えば、ベンガラ、二酸化チタン、朱、群
青、緑青(塩基性炭酸銅)、カーボンブラック等の無機
質顔料や、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料や
イソインドリノン系顔料等の縮合多環状顔料等の有機質
顔料等が、耐候性の面で優れた特性を発揮する。印刷す
る絵柄としては、例えば木目模様、大理石模様等の天然
物模様、全面ベタ、幾何学模様、文字、記号等がある。
発揮するアクリル系樹脂をビヒクルの主体とする印刷層
からなる。装飾層4の形成に使用する印刷インキ中の着
色剤は、通常のグラビアインキに使用する着色剤であっ
てもよいが、例えば、ベンガラ、二酸化チタン、朱、群
青、緑青(塩基性炭酸銅)、カーボンブラック等の無機
質顔料や、フタロシアニン顔料、キナクリドン系顔料や
イソインドリノン系顔料等の縮合多環状顔料等の有機質
顔料等が、耐候性の面で優れた特性を発揮する。印刷す
る絵柄としては、例えば木目模様、大理石模様等の天然
物模様、全面ベタ、幾何学模様、文字、記号等がある。
【0021】接着剤層5は、耐熱性及び耐水性の面で塩
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂が使用される。特
に、優れた耐熱水性、耐湿熱性を発揮する点で、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温度(Tg)
が100〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜
80000の範囲にある樹脂であることが好ましい。T
gが100℃未満であったり、あるいは平均分子量が6
0000未満である場合には、転写層の物性が不十分と
なり易く、逆に、Tgが110℃を越えたり、あるいは
平均分子量が80000を越える場合には、被転写基材
との初期密着力が十分に得られないことがある。このよ
うな特定の塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂を用い
ることにより、100℃の熱水中で10時間煮沸して
も、転写層の剥脱、ふくれ、変色等の異常発生がない転
写層が設けられた化粧材となる。また、このような樹脂
を用いることにより、被転写基材の表面の平滑性が悪い
場合でも均一な転写が得られる転写箔となる。接着剤層
5の厚さは、通常1〜50μm(乾燥塗布重量で1〜3
6g/m2)程度である。
化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂が使用される。特
に、優れた耐熱水性、耐湿熱性を発揮する点で、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温度(Tg)
が100〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜
80000の範囲にある樹脂であることが好ましい。T
gが100℃未満であったり、あるいは平均分子量が6
0000未満である場合には、転写層の物性が不十分と
なり易く、逆に、Tgが110℃を越えたり、あるいは
平均分子量が80000を越える場合には、被転写基材
との初期密着力が十分に得られないことがある。このよ
うな特定の塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂を用い
ることにより、100℃の熱水中で10時間煮沸して
も、転写層の剥脱、ふくれ、変色等の異常発生がない転
写層が設けられた化粧材となる。また、このような樹脂
を用いることにより、被転写基材の表面の平滑性が悪い
場合でも均一な転写が得られる転写箔となる。接着剤層
5の厚さは、通常1〜50μm(乾燥塗布重量で1〜3
6g/m2)程度である。
【0022】本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写
箔の被転写基材を構成する塩化ビニル系樹脂としては、
塩化ビニルの単独重合体である塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニルと、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等の他の重合性ビニル単量体との
共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル樹
脂又は前記共重合体樹脂を変性した変性樹脂、あるいは
塩化ビニル樹脂、前記共重合体樹脂、前記変性樹脂にア
クリル系樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂等の他の樹脂をブレンドしたブレンド
樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の平均重合度とし
ては、大体700〜2000程度のものを選択する。こ
れらの塩化ビニル系樹脂には、必要に応じ、可塑剤、熱
安定剤、充填剤、難燃剤等を添加する。可塑剤として
は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のフタル
酸エステル類、トリクレジルフォスファイト等の燐酸エ
ステル類、塩化パラフィン、トリメリット酸或いはエポ
キシ化大豆油等の化合物であり、外装、水回り用として
は、通常、最大30重量部程度の添加量である。熱安定
剤としは、鉛、錫、カドミウム、バリウム、マグネシウ
ム、又はカルシウム等のカルボン酸塩、金属石鹸、キレ
ーター等である。また、被転写基材としては前記塩化ビ
ニル系樹脂から押出成形、射出成形、プレス成形等によ
り成形してなる、平板又は曲面板、棒状体等の各種形状
の成形体や基材、あるいは、成形体表面が塩化ビニル系
樹脂から構成されている成形体や基材に適用できる。
箔の被転写基材を構成する塩化ビニル系樹脂としては、
塩化ビニルの単独重合体である塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニルと、エチレン、プロピレン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等の他の重合性ビニル単量体との
共重合体樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル樹
脂又は前記共重合体樹脂を変性した変性樹脂、あるいは
塩化ビニル樹脂、前記共重合体樹脂、前記変性樹脂にア
クリル系樹脂、塩素化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体樹脂等の他の樹脂をブレンドしたブレンド
樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の平均重合度とし
ては、大体700〜2000程度のものを選択する。こ
れらの塩化ビニル系樹脂には、必要に応じ、可塑剤、熱
安定剤、充填剤、難燃剤等を添加する。可塑剤として
は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のフタル
酸エステル類、トリクレジルフォスファイト等の燐酸エ
ステル類、塩化パラフィン、トリメリット酸或いはエポ
キシ化大豆油等の化合物であり、外装、水回り用として
は、通常、最大30重量部程度の添加量である。熱安定
剤としは、鉛、錫、カドミウム、バリウム、マグネシウ
ム、又はカルシウム等のカルボン酸塩、金属石鹸、キレ
ーター等である。また、被転写基材としては前記塩化ビ
ニル系樹脂から押出成形、射出成形、プレス成形等によ
り成形してなる、平板又は曲面板、棒状体等の各種形状
の成形体や基材、あるいは、成形体表面が塩化ビニル系
樹脂から構成されている成形体や基材に適用できる。
【0023】
【作用】本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔に
よれば、被転写基材に転写後の転写層の最上層となる剥
離層がアクリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂に紫外線吸収剤
を0.1〜1.0重量%含有している組成物である結
果、耐候性、耐摩性に対して特に優れた転写層の物性を
発揮する。また、紫外線吸収剤として無機系の酸化セリ
ウムの微粉末を用いると、紫外線吸収剤が光や熱に対し
て変質せず長期の安定性を有すため、耐候性を長期に渡
って維持できると共に、ブリードによる表面変質も起こ
らない。また、接着剤層にポリ塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体樹脂において、二次転移温度(Tg)が100
〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜8000
0の特定の樹脂を使用する結果、耐熱水性、耐湿熱性に
対して特に優れた転写層の物性を発揮する。
よれば、被転写基材に転写後の転写層の最上層となる剥
離層がアクリル系樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂に紫外線吸収剤
を0.1〜1.0重量%含有している組成物である結
果、耐候性、耐摩性に対して特に優れた転写層の物性を
発揮する。また、紫外線吸収剤として無機系の酸化セリ
ウムの微粉末を用いると、紫外線吸収剤が光や熱に対し
て変質せず長期の安定性を有すため、耐候性を長期に渡
って維持できると共に、ブリードによる表面変質も起こ
らない。また、接着剤層にポリ塩化ビニル・酢酸ビニル
共重合体樹脂において、二次転移温度(Tg)が100
〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜8000
0の特定の樹脂を使用する結果、耐熱水性、耐湿熱性に
対して特に優れた転写層の物性を発揮する。
【0024】《実施例1》以下、本発明に係る塩化ビニ
ル系樹脂基材用転写箔について具体的な構成を実施例に
基づいて説明する。転写箔基材として、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(東レ(株)製 x−45 厚さ
25μm)を用い、その片面に、剥離層用として塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂との混
合樹脂(重量比で塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹
脂:アクリル系樹脂=2:8)100重量%に対して、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(共同薬品製 バイオソ
ーブ930)を0.3重量%、ヒンダードアミン系ラジ
カル捕捉剤1.5重量%を添加した塗液を、スリットリ
バースコート法により塗工して、乾燥重量で9g/m2(膜
厚6.5μm)の剥離層を形成した。
ル系樹脂基材用転写箔について具体的な構成を実施例に
基づいて説明する。転写箔基材として、ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(東レ(株)製 x−45 厚さ
25μm)を用い、その片面に、剥離層用として塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリル系樹脂との混
合樹脂(重量比で塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹
脂:アクリル系樹脂=2:8)100重量%に対して、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(共同薬品製 バイオソ
ーブ930)を0.3重量%、ヒンダードアミン系ラジ
カル捕捉剤1.5重量%を添加した塗液を、スリットリ
バースコート法により塗工して、乾燥重量で9g/m2(膜
厚6.5μm)の剥離層を形成した。
【0025】次いで、装飾層を、アクリル系樹脂と塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂をを重量比5:5で混
合した混合樹脂をビヒクルとし、顔料として酸化鉄、黄
鉛、カーボンブラックを用いたグラビアインキによる木
目絵柄印刷層と、同じ混合樹脂をビヒクルとし、顔料と
してチタン白、酸化鉄を含むグラビアインキによるベタ
刷り層とにより、形成した。
ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂をを重量比5:5で混
合した混合樹脂をビヒクルとし、顔料として酸化鉄、黄
鉛、カーボンブラックを用いたグラビアインキによる木
目絵柄印刷層と、同じ混合樹脂をビヒクルとし、顔料と
してチタン白、酸化鉄を含むグラビアインキによるベタ
刷り層とにより、形成した。
【0026】しかる後、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体樹脂(Tg=105℃、平均分子量80,000)に
よる接着剤層の形成を、溶剤希釈したインキを、機械彫
刻グラビアベタ版(ヘル社 ヘリオクリショグラフにて
彫刻、線数40/cm、角度設定0度)を用いて塗工し、
乾燥重量で5g/m2(膜厚3.5μm)の接着剤層を設け
た。以上にて、本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転
写箔を作成した。
体樹脂(Tg=105℃、平均分子量80,000)に
よる接着剤層の形成を、溶剤希釈したインキを、機械彫
刻グラビアベタ版(ヘル社 ヘリオクリショグラフにて
彫刻、線数40/cm、角度設定0度)を用いて塗工し、
乾燥重量で5g/m2(膜厚3.5μm)の接着剤層を設け
た。以上にて、本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転
写箔を作成した。
【0027】次いで、被転写基材として硬質塩化ビニル
樹脂の押し出し成形体からなる外装材基材の表面に、前
記の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を当接して、表面温
度180℃のシリコンゴムロールで熱圧を加え、塩化ビ
ニル系樹脂基材用転写箔の転写層を被転写基材表面に転
写して、外装化粧材を得た。得られた外装化粧材の耐摩
性を、テーバー摩耗試験CS−17、摩耗輪500g荷
重、600回転まで試験したところ、装飾層の絵柄が取
れること無く、充分な性能を発揮した。また、100℃
の熱水中で10時間煮沸後も、転写層には剥脱、ふく
れ、変色等の異常が認められず良好な耐水性を有してい
た。セロハンテープ剥離試験(ニチバン(株)の工業用
セロテープ・25mm幅を転写層の表面に貼着後剥離す
る)も良好で、絵柄剥離もなく、充分な接着性を発揮し
た。さらに、カーボンアーク燈サンシャインウエザオメ
ータで1000時間耐候性促進試験を行ったが、目視で
判別できる程の変退色、及び転写層の剥脱とも生じなか
った。また、紫外線吸収剤として無機系微粉末を使用し
た場合との性能差を短時間で比較する意味もあり、促進
耐候性試験機(大日本プラスチックス(株)製 アイス
ーパー UVテスター Wタイプ SUV−W13,照
射光波長295〜450nm,ブラックパネル温度60
℃,相対湿度40〜90%RH)で、50時間照射を行
ったところ、若干であるが白化が認められた。
樹脂の押し出し成形体からなる外装材基材の表面に、前
記の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を当接して、表面温
度180℃のシリコンゴムロールで熱圧を加え、塩化ビ
ニル系樹脂基材用転写箔の転写層を被転写基材表面に転
写して、外装化粧材を得た。得られた外装化粧材の耐摩
性を、テーバー摩耗試験CS−17、摩耗輪500g荷
重、600回転まで試験したところ、装飾層の絵柄が取
れること無く、充分な性能を発揮した。また、100℃
の熱水中で10時間煮沸後も、転写層には剥脱、ふく
れ、変色等の異常が認められず良好な耐水性を有してい
た。セロハンテープ剥離試験(ニチバン(株)の工業用
セロテープ・25mm幅を転写層の表面に貼着後剥離す
る)も良好で、絵柄剥離もなく、充分な接着性を発揮し
た。さらに、カーボンアーク燈サンシャインウエザオメ
ータで1000時間耐候性促進試験を行ったが、目視で
判別できる程の変退色、及び転写層の剥脱とも生じなか
った。また、紫外線吸収剤として無機系微粉末を使用し
た場合との性能差を短時間で比較する意味もあり、促進
耐候性試験機(大日本プラスチックス(株)製 アイス
ーパー UVテスター Wタイプ SUV−W13,照
射光波長295〜450nm,ブラックパネル温度60
℃,相対湿度40〜90%RH)で、50時間照射を行
ったところ、若干であるが白化が認められた。
【0028】《実施例2》実施例1において、紫外線吸
収剤として更に結晶質酸化第二セリウム微粉末(多木化
学(株)製 W−100,平均粒径30nm)を1重量
%加えた他は、実施例1と同様にして本発明に係る塩化
ビニル系樹脂基材用転写箔を作成し、同じく実施例1と
同様にして被転写基材に転写して性能を評価した。
収剤として更に結晶質酸化第二セリウム微粉末(多木化
学(株)製 W−100,平均粒径30nm)を1重量
%加えた他は、実施例1と同様にして本発明に係る塩化
ビニル系樹脂基材用転写箔を作成し、同じく実施例1と
同様にして被転写基材に転写して性能を評価した。
【0029】《実施例3》実施例1において、紫外線吸
収剤として酸化亜鉛微粉末(住友セメント(株)製 Z
S−300)を1重量%用いた他は、実施例1と同様に
して本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を作成
し、同じく実施例1と同様にして被転写基材に転写して
性能を評価した。
収剤として酸化亜鉛微粉末(住友セメント(株)製 Z
S−300)を1重量%用いた他は、実施例1と同様に
して本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を作成
し、同じく実施例1と同様にして被転写基材に転写して
性能を評価した。
【0030】《実施例4》実施例1において、紫外線吸
収剤として酸化チタン微粉末(出光チタニア(株)製
IT−UD)を1重量%用いた他は、実施例1と同様に
して本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を作成
し、同じく実施例1と同様にして被転写基材に転写して
性能を評価した。
収剤として酸化チタン微粉末(出光チタニア(株)製
IT−UD)を1重量%用いた他は、実施例1と同様に
して本発明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を作成
し、同じく実施例1と同様にして被転写基材に転写して
性能を評価した。
【0031】《実施例5》実施例1において、紫外線吸
収剤として結晶質酸化第二セリウム微粉末(多木化学
(株)製 W−100,平均粒径30nm)1重量%
と、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリ
レート(共同薬品(株)製 Viosorb930)
0.3重量%を用いた他は、実施例1と同様にして本発
明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を作成し、同じ
く実施例1と同様にして被転写基材に転写して性能を評
価した。
収剤として結晶質酸化第二セリウム微粉末(多木化学
(株)製 W−100,平均粒径30nm)1重量%
と、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリ
レート(共同薬品(株)製 Viosorb930)
0.3重量%を用いた他は、実施例1と同様にして本発
明に係る塩化ビニル系樹脂基材用転写箔を作成し、同じ
く実施例1と同様にして被転写基材に転写して性能を評
価した。
【0032】《比較例》比較例1乃至6の条件及び性能
を実施例と比較して表1に示す。但し、表1に記されて
いない諸元は、実施例1に同じである。
を実施例と比較して表1に示す。但し、表1に記されて
いない諸元は、実施例1に同じである。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔は、通常の転写箔
の転写工程によって、塩化ビニル系樹脂の基材の表面に
対して化粧が可能であり、得られた化粧材は、表面の平
滑性の悪い塩化ビニル樹脂の押し出し成形体であって
も、鮮明な絵柄を的確に表現可能であり、更に剥離層に
光安定剤を添加している為に、外装材、特に、簀の子、
樹脂タイルなどに用いた場合でも、充分な性能の耐候性
が得らる。また酸化セリウムの微粉末等の紫外線吸収剤
等の光安定剤を含んだアクリル系樹脂と塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体樹脂との剥離層、及びアクリル系樹脂
主体よる装飾層となっているため、耐候性にも優れると
いう顕著な効果を奏する。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔は、通常の転写箔
の転写工程によって、塩化ビニル系樹脂の基材の表面に
対して化粧が可能であり、得られた化粧材は、表面の平
滑性の悪い塩化ビニル樹脂の押し出し成形体であって
も、鮮明な絵柄を的確に表現可能であり、更に剥離層に
光安定剤を添加している為に、外装材、特に、簀の子、
樹脂タイルなどに用いた場合でも、充分な性能の耐候性
が得らる。また酸化セリウムの微粉末等の紫外線吸収剤
等の光安定剤を含んだアクリル系樹脂と塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体樹脂との剥離層、及びアクリル系樹脂
主体よる装飾層となっているため、耐候性にも優れると
いう顕著な効果を奏する。
【0032】くわえて、接着剤層を形成する塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移点(Tg)及び平
均分子量を特定したものを用いることにより、塩化ビニ
ル系樹脂基材に転写層を転写・接着した化粧材の、耐熱
水性、耐湿熱性が良好であり、外装用の塩化ビニル系樹
脂部材に要求される「100℃熱水中での10時間煮沸
後も、転写層の剥脱、ふくれ、変色等の異常を生じない
だけの耐熱水、耐温水性」を充分に満たすという顕著な
効果を奏するものである。
・酢酸ビニル共重合体樹脂の二次転移点(Tg)及び平
均分子量を特定したものを用いることにより、塩化ビニ
ル系樹脂基材に転写層を転写・接着した化粧材の、耐熱
水性、耐湿熱性が良好であり、外装用の塩化ビニル系樹
脂部材に要求される「100℃熱水中での10時間煮沸
後も、転写層の剥脱、ふくれ、変色等の異常を生じない
だけの耐熱水、耐温水性」を充分に満たすという顕著な
効果を奏するものである。
【図1】本発明の塩化ビニル系樹脂基材用転写箔の一実
施例を示す縦断面図。
施例を示す縦断面図。
【図2】箔バリの説明図。
1 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 2 転写箔基材 3 剥離層 4 装飾層 4a 絵柄 5 接着剤層 6 転写層 7 被転写基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 3/12 8808−2H C09K 3/00 104
Claims (3)
- 【請求項1】 転写箔用基材の一方の面に、アクリル系
樹脂又は塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂とアクリ
ル系樹脂との混合樹脂による剥離層と、アクリル系樹脂
をビヒクルの主体とする印刷層による装飾層と、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体樹脂からなる接着剤層とが順
次積層された転写箔において、前記剥離層を形成する樹
脂中に紫外線吸収剤が0.1〜1.0重量%含有されて
いることを特徴とする塩化ビニル系樹脂基材用転写箔。 - 【請求項2】 前記剥離層に含有させる紫外線吸収剤と
して、少なくとも酸化セリウムの微粉末を用いたことを
特徴とする請求項1記載の塩化ビニル系樹脂基材用転写
箔。 - 【請求項3】 前記接着剤層を構成する塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体樹脂の二次転移温度(Tg)が100
〜110℃で、且つ平均分子量が60000〜8000
0であることを特徴とする請求項1又は2記載の塩化ビ
ニル系樹脂基材用転写箔。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6033230A JPH0781298A (ja) | 1993-07-19 | 1994-02-07 | 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19882393 | 1993-07-19 | ||
JP5-198823 | 1993-07-19 | ||
JP6033230A JPH0781298A (ja) | 1993-07-19 | 1994-02-07 | 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0781298A true JPH0781298A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=26371900
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6033230A Pending JPH0781298A (ja) | 1993-07-19 | 1994-02-07 | 塩化ビニル系樹脂基材用転写箔 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0781298A (ja) |
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1994
- 1994-02-07 JP JP6033230A patent/JPH0781298A/ja active Pending
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Legal Events
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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