JP3186466B2 - 照明装置用光源カバーの製造方法 - Google Patents

照明装置用光源カバーの製造方法

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JP3186466B2
JP3186466B2 JP23790894A JP23790894A JP3186466B2 JP 3186466 B2 JP3186466 B2 JP 3186466B2 JP 23790894 A JP23790894 A JP 23790894A JP 23790894 A JP23790894 A JP 23790894A JP 3186466 B2 JP3186466 B2 JP 3186466B2
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歩 安田
順子 沖部
慎一 青木
修 倉光
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Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ガラス又は、
プラスチック製のグローブ、セード又はその他異形物等
の照明装置用光源カバー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、照明装置用光源カバーの透明着色
カバーとしては、ステンドグラスにその起源を有する色
ガラスが、シャンデリア等に用いられてきた。その赤色
については、セレン化カドミウム(CdSe)をガラス
中に分散して用いられてきた。超微粒子のセレン化カド
ミウムは、透明性、耐候性に優れ、これに優るものはな
かった。しかし、カドミウムが人体に有害であることか
ら、現在では、セレン化カドミウムを含有する色ガラス
を照明用途に用いることができなくなった。代替の着色
剤として、無機顔料と有機顔料とが考えられるが、無機
顔料には、セレン化カドミウムに匹敵する鮮やかな赤が
なく、有機染料では、耐候性に劣り照明用途には使えな
い。そこで、セレン化カドミウムの代替着色剤として、
有機顔料の応用、開発が進められてきた。
【0003】有機顔料として不透明赤色分野では、1-
(4'-ニトロフェニラゾ)-2-ナフトール、1-(2'-クロロ-4
- ニトロフェニラゾ)-2-ナフトール、1-(2'-スルフォキ
シ-4'-メチル-5'-クロロフェニラゾ)-2-ナフトール-3-
カルボキシリックアシッドバリウム塩等のニトロフェニ
ラゾ-2- ナフトール誘導体、ペリレン誘導体、アントラ
キノン誘導体等が検討され、10年以上屋外で使用可能
であるとの実績があり、自動車用塗料を中心に用いられ
てきた。
【0004】照明用途の透明赤色分野の有機顔料では、
不透明赤色分野よりもさらに優れた耐候性が求められて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事実に
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、耐光
性に優れ、人体に無害で安全な赤色の照明装置用光源カ
バーの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
照明装置用光源カバーの製造方法は、塗料で塗装着色し
て塗膜を形成する照明装置用光源カバーの製造方法にお
いて、上記塗料が、着色剤としてキナクリドン類、ベー
ス樹脂としてアクリル系樹脂及び硬化剤としてシリル基
を含むシラン系硬化剤を含有することを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記キナクリドン類が下記の一般式
〔1〕で表されるキナクリドン、下記の一般式〔2〕で
表される2,9−ジメチル−キナクリドン又は下記の一
般式〔3〕で表される2,9−ジクロロ−キナクリドン
であることを特徴とする。
【0008】
【化5】
【0009】本発明の請求項3に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗料が有機系の紫外線吸収剤と
して下記の一般式〔4〕で表される2−ヒドロキシ−ベ
ンゾフェノン、下記の一般式〔5〕で表される2−(2
´−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及びこれ
らの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を
含有することを特徴とする。
【0010】
【化6】
【0011】本発明の請求項4に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗料が無機系の紫外線吸収剤と
してチタンオキサイド、ジンクオキサイド、セリウムオ
キサイド及びこれらの誘導体からなる群から選択される
少なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0012】本発明の請求項5に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗料が光安定剤として下記の一
般式〔6〕で表される2,2,6,6−テトラメチル−
ピペリジン及びこの誘導体からなる群から選択される少
なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0013】
【化7】
【0014】本発明の請求項6に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗料が酸化防止剤として下記の
一般式〔7〕で表される2−メチル−6−t−ブチル−
フェノール、下記の一般式〔8〕で表される2,6−ジ
−t−ブチル−フェノール及びこれらの誘導体からなる
群から選択される少なくとも1種を含有し、かつ上記光
安定剤及び/又は紫外線吸収剤を含有することを特徴と
する。
【0015】
【化8】
【0016】本発明の請求項7に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗料が着色剤の分散剤として、
アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、マレイン酸ジア
ルキルエステルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸アル
キルアミン、アミノプロピルアミンアルキルジカルボン
酸、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリエチレングリ
コール類、多価アルコール類及びポリエチレンイミン類
からなる群から選択される少なくとも1種を、着色剤1
00重量部に対して、5〜30重量部の割合で含有する
ことを特徴とする。
【0017】本発明の請求項8に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗料が着色剤の分散剤としてエ
チルアクリレート、ブチルアクリレート及び2−エチル
ヘキシルアクリレートからなる群から選択される単独重
合体又は少なくとも2種以上の共重合体を含有すること
を特徴とする。
【0018】本発明の請求項9に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記塗膜が2層以上の塗膜よりな
り、これらの塗膜の最表面層が、上記紫外線吸収剤を含
有することを特徴とする。
【0019】本発明の請求項10に係る照明装置用光源
カバーの製造方法は、上記塗膜の最表面層が、上記紫外
線吸収剤を含有し、かつ、上記光安定剤及び/又は上記
酸化防止剤をも含有することを特徴とする。
【0020】本発明の請求項11に係る照明装置用光源
カバーの製造方法は、上記着色剤と、上記光安定剤及び
/又は上記酸化防止剤とを含む配合品を混合して混合物
を作製し、この混合物に、上記ベース樹脂と、上記溶剤
と、上記紫外線吸収剤とを含む後添加品を加えて混合し
て塗料を作製し、この塗料を照明装置用光源カバーに塗
装して塗膜を形成することを特徴とする。
【0021】本発明の請求項12に係る照明装置用光源
カバーの製造方法は、上記着色剤と、上記分散剤とを含
む配合品を混合して混合物を作製し、この混合物に、上
記ベース樹脂と、上記溶剤とを含む後添加品を加えて混
合して塗料を作製し、この塗料を照明装置用光源カバー
に塗装して塗膜を形成することを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明の請求項1及び請求項2に係る照明装置
用光源カバーの製造方法では、塗料が着色剤として、上
記の一般式〔1〕で表されるキナクリドン、上記の一般
式〔2〕で表される2,9−ジメチル−キナクリドン又
は上記の一般式〔3〕で表される2,9−ジクロロ−キ
ナクリドン等のキナクリドン類を含有するので、赤色で
耐光性に優れ、人体への有害性が低減され、アクリル系
樹脂をベース樹脂とする塗料であるので、可視部から紫
外部での光の吸収が少なく、シリル基を含むシラン系硬
化剤を用いるので、変色し難い。
【0023】本発明の請求項3及び請求項4に係る照明
装置用光源カバーの製造方法では、有機系の紫外線吸収
剤として、上記の一般式〔4〕で表される2−ヒドロキ
シ−ベンゾフェノン、上記の一般式〔5〕で表される2
−(2´−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及
びこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも
1種、又は無機系の紫外線吸収剤としてチタンオキサイ
ド、ジンクオキサイド、セリウムオキサイド及びこれら
の誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含
有するので、紫外線を吸収し、紫外線による着色剤の光
劣化及び光退色を低減する。
【0024】本発明の請求項5に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法では、光安定剤として上記の一般式
〔6〕で表される2,2,6,6−テトラメチル−ピペ
リジン及びこの誘導体からなる群から選択される少なく
とも1種を含有するので、着色剤の光劣化を抑制する。
【0025】本発明の請求項6に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法では、酸化防止剤として上記の一般式
〔7〕で表される2−メチル−6−t−ブチル−フェノ
ール、上記の一般式〔8〕で表される2,6−ジ−t−
ブチル−フェノール及びこれらの誘導体からなる群から
選択される少なくとも1種を含有するので、紫外線吸収
剤及び光安定剤自身の光劣化を抑制する。
【0026】本発明の請求項7及び請求項8に係る照明
装置用光源カバーの製造方法では、着色剤の分散剤とし
て、アルキルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、マレイン酸ジ
アルキルエステルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸ア
ルキルアミン、アミノプロピルアミンアルキルジカルボ
ン酸、テトラアルキルアンモニウム塩、ポリエチレング
リコール類、多価アルコール類及びポリエチレンイミン
類からなる群から選択される少なくとも1種の低分子イ
オン系の分散剤を、着色剤100重量部に対して、5〜
30重量部の割合で含有、又はエチルアクリレート、ブ
チルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート
からなる群から選択される単独重合体又は少なくとも2
種以上の共重合体の高分子系の分散剤を含有するので、
塗料の粘度が低減し、キナクリドン類の塗料への分散性
が向上し、透明性に優れる。
【0027】本発明の請求項9及び請求項10に係る照
明装置用光源カバーの製造方法では、2層以上の塗膜よ
りなり、これらの塗膜の最表面層が、上記紫外線吸収
剤、上記光安定剤及び/又は上記酸化防止剤を含有する
ので、着色剤の光劣化及び光退色を低減する。
【0028】本発明の請求項11に係る照明装置用光源
カバーの製造方法では、上記着色剤と、上記光安定剤及
び/又は上記酸化防止剤とを含む配合品を混合して混合
物を作製し、この混合物に、上記ベース樹脂と、上記溶
剤と、上記紫外線吸収剤とを含む後添加品を加えて混合
して塗料を作製するので、光安定剤及び/又は上記酸化
防止剤が上記着色剤の表面に吸着され、光劣化抑制効果
が大きくなる。
【0029】本発明の請求項12に係る照明装置用光源
カバーの製造方法では、上記着色剤と、上記分散剤とを
含む配合品を混合して混合物を作製し、この混合物に、
上記ベース樹脂と、上記溶剤とを含む後添加品を加えて
混合して塗料を作製するので、塗料の粘度が低減し、キ
ナクリドン類の塗料への分散性が向上し、透明性に優れ
る。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によって具
体的に説明する。
【0031】(実施例1及び比較例1)耐光性有機赤顔
料として以下を選択し、その耐光性を促進試験によって
比較した。実施例としては、上記の一般式〔1〕で表さ
れるキナクリドン (Pigment Violet 122) と、上記の一
般式〔2〕で表される2,9-ジメチルキナクリドン(Pigm
ent Red 122 ) と、上記の一般式〔3〕で表される2,9-
ジクロロキナクリドン(Pigment Red 202 ) とを用い
た。比較例としては、下記の一般式
〔9〕で表されるモ
ノアゾナフトール (Pigment Red 170)と、下記の一般式
〔10〕で表されるペリレン(Pigment Red 179)と、下
記の一般式〔11〕で表されるアントラキノン( Pigmen
t Red 177 ) とを用いた。
【0032】
【化9】
【0033】ベース樹脂として、メタクリル酸とメチル
メタクリル酸の共重合体とを用い、硬化剤として、グリ
シジルトリメトキシシランを用いた。
【0034】塗料の前段階であるプレ塗料を調整するた
めに、顔料50g、ベース樹脂10g、トルエン50g
及びメチルエチルケトン50gの組成のミルベースを、
ペイントシェーカーを用いて調整した。このミルベース
に、ベース樹脂、溶剤(トルエン/メチルエチルケトン
の重量比が1/1)を加え、プレ塗料全量に対する顔料
の含有量が7重量%、ベース樹脂の含有量が30重量
%、トルエン31.5重量%及びメチルエチルケトン3
1.5重量%の組成のプレ塗料を調整した。このプレ塗
料に、上記硬化剤を、ベース樹脂100重量部に対して
10重量部の割合で加えて塗料を得た。この塗料をガラ
ス板上にスプレー塗布し、160℃で30分間硬化させ
て塗膜を形成した。この塗膜を、温度80℃、湿度80
%下で、30日間にわたり、中圧水銀ランプで紫外線照
射し、前記塗膜の色の変化を分光光度計により紫外線照
射前と紫外線照射前のL* 、a* 及びb* を測定し、色
差ΔEを算出して、その結果を実施例については表1
に、比較例については表2に示した。ここで、L* 、a
* 及びb* は、国際照明委員会(CIE)が1976年
に推奨した、CIE 1976 L* * * 表色系で
ある。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表1及び表2に示すように、キナクリドン
類である、Pigment Violet 122、Red 202 、Red 122 の
色差ΔEが小さく、すなわち、実施例1では比較例1に
比べて耐光性が著しく優れ、キナクリドン類は照明装置
用光源カバーの赤着色剤として使用するのに適すること
が確認できた。
【0038】(実施例2及び比較例2)照明装置用光源
カバーは、使用時に可視光に曝され、また屋外で使用す
る場合には、太陽光の紫外線にも曝される。したがっ
て、照明装置用光源カバー着色用塗料のベース樹脂も耐
光性の高いものでなければならない。ベース塗料用樹脂
として、実施例では、アクリル系樹脂であるメタクリル
酸とメチルメタクリル酸の共重合体(以下、樹脂1と称
する)を用い、比較例では、不飽和ポリエステル樹脂
(以下、樹脂2と称する)とウレタン樹脂(以下、樹脂
3と称する)とメラミン樹脂(以下、樹脂4と称する)
とを用いた。これらに、それぞれ硬化剤を加え、膜厚約
30mmのフィルムをキャスト法で作製し、実施例1と
同様にして温度80℃、湿度80%下で、30日間にわ
たり、中圧水銀ランプで紫外線照射し、前記フィルムの
色の変化を測定し、その結果を実施例については表1
に、比較例については表2に示した。
【0039】色は、標準白を背景に反射で測定した。樹
脂2乃至樹脂4では、著しく黄変したが、樹脂1では、
色の変化が殆どなかった。ここで、アクリル系の塗料用
ベース樹脂として、シリル基を有するアクリル系樹脂で
は、添加する顔料が、微量の水を含有するため、顔料添
加後シリル基が架橋反応をし、塗料がゲル化してしま
う。そこで、アクリル系塗料用ベース樹脂としては、メ
タクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体を主剤と
し、グリシジルトリメトキシシランを硬化剤に用い、主
剤溶液中に顔料を添加して調整したプレ塗料に、塗料使
用直前に硬化剤を添加して塗料を得ることにより、塗料
の保存時のゲル化が避けられた。表1及び表2の結果、
メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体の共重合
体等のアクリル系樹脂とシラン系硬化剤とを用いること
により、耐光性の赤色塗料を得られることが確認でき
た。
【0040】(実施例3)実施例としては、有機系の紫
外線吸収剤である、下記の一般式〔12〕で表される2-
ヒドロキシ-4- ドデシロキシ- ベンゾフェノン(以下、
有機系紫外線吸収剤1と称する)、下記の一般式〔1
3〕で表される2,4-ジヒドロキシ- ベンゾフェノン(以
下、有機系紫外線吸収剤2と称する)、下記の一般式
〔14〕で表される2-(3',5'- ジ-t- ブチル-2'-ヒドロ
キシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール(以下、有
機系紫外線吸収剤3と称する)、下記の一般式〔15〕
で表される2-(5'-メチル-2'-ヒドロキシフェニル)-ベン
ゾトリアゾール(以下、有機系紫外線吸収剤4と称す
る)及び下記の一般式〔16〕で表されるブチル-2'-ヒ
ドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール(以下、有機系
紫外線吸収剤5と称する)を用いた。
【0041】
【化10】
【0042】顔料としては、上記の一般式〔2〕で表さ
れる2,9-ジメチルキナクリドンを用いて実施例1と同様
にして、基本ミルベースを作製した。
【0043】 (基本ミルベースの組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122);50g ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;10g ・溶剤 :トルエン;50g 及び メチルエチルケトン;50g この基本ミルベースに、実施例1と同様にして、ベース
樹脂として、メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重
合体と、溶剤(トルエン/メチルエチルケトンの重量比
が1/1)とを加えて、プレ塗料全量に対する含有量
が、下記に示すプレ塗料1の組成を調整した。
【0044】 (プレ塗料1の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122);7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;31.5重量%及びメチルエチルケトン;31.5重量% 上記基本ミルベースに前記の有機系の紫外線吸収剤を加
えた以外は、プレ塗料1の組成と同様にして、プレ塗料
全量に対する含有量が、下記に示す有機系の紫外線吸収
剤入りのプレ塗料を調整した。
【0045】 (有機系の紫外線吸収剤入りのプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122); 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;31.4重量%及びメチルエチルケトン;31.4重量% ・有機系の紫外線吸収剤 ;0.2重量% これらのプレ塗料を用いて、実施例1と同様にして、塗
料1の組成の塗料及び有機系の紫外線吸収剤入りの塗料
の組成の実施例3の塗料を得た。この実施例3の塗料を
用いて、実施例1と同様にして塗膜を形成し、60日間
にわたり、中圧水銀ランプで紫外線照射した以外は、実
施例1と同様にして塗膜の色の変化を測定し、その結果
を表1に示した。
【0046】表1の結果、いずれの有機系の紫外線吸収
剤も顔料退色抑制効果があることが確認できた。ベンゾ
フェノン系とフェニルベンゾトリアゾール系とを比較す
れば、今回の顔料、ベース樹脂系については、フェニル
ベンゾトリアゾール系の方が、ベンゾフェノン系より、
退色抑制効果が大きいということが確認できた。いずれ
にしても、有機紫外線吸収剤を照明装置用光源カバーの
赤色塗料に用いることで、耐光性が改善された。
【0047】(実施例4)紫外線吸収剤として、無機系
の紫外線吸収剤である、超微粒子のチタンオキサイド
(以下、無機系紫外線吸収剤1と称する)、スズオキサ
イド(以下、無機系紫外線吸収剤2と称する)及びセリ
ウムオキサイド(以下、無機系紫外線吸収剤3と称す
る)を用いた以外は、実施例3と同様にして、プレ塗料
全量に対する含有量が、下記に示す無機系の紫外線吸収
剤入りのプレ塗料を調整した。
【0048】 (無機系の紫外線吸収剤入りのプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体; 30重量% ・溶剤 :トルエン;31.465重量%及びメチルエチルケトン;31.465重量% ・無機系の紫外線吸収剤 ;0.07 重量% これらのプレ塗料を用いて、実施例3と同様にして、無
機系の紫外線吸収剤入りの塗料の組成の実施例4の塗料
を得た。この実施例4の塗料を用いた以外は、実施例3
と同様にして塗膜を形成し、この塗膜の色の変化を測定
して、その結果を表1に示した。
【0049】表1の結果、紫外線吸収剤を含まない実施
例3の塗料1の組成の塗料に比べて、いずれの無機系の
紫外線吸収剤入りの塗料も顔料退色抑制効果のあること
が確認できた。実施例3の有機系の紫外線吸収剤入りの
塗料と実施例4の無機系の紫外線吸収剤入りの塗料とを
比較すると、退色抑制効果は無機系の方が劣るように見
えるが、これは白濁を避けるために無機系の紫外線吸収
剤の添加量を減らしているためであると推察できる。い
ずれにしても、無機系の紫外線吸収剤を照明装置用光源
カバーの赤色塗料に用いることで、耐光性が改善され
た。また、実施例4の無機系の紫外線吸収剤と実施例3
の有機系の紫外線吸収剤とを併用することも有効であ
る。
【0050】(実施例5)紫外線吸収剤に代えて光安定
剤として、下記の一般式〔17〕で表される2,2,6,6-テ
トラメチル-4- ピペリジノール(以下、光安定剤1と称
する)、下記の一般式〔18〕で表されるビス(2,2,6,6
- テトラメチル-4- ピペリジル) セバケイト(以下、光
安定剤2と称する)、下記の一般式〔19〕で表される
ビス(1,2,2,6,6- ペンタメチル-4- ピペリジル) セバケ
イト(以下、光安定剤3と称する)、下記の一般式〔2
0〕で表される1-{2-[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロ
キシフェニル) プロピオニルオキシ] エチル}-4-[3-
(3,5- ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピオ
ニロキシ]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(以下、光
安定剤4と称する)及び下記の一般式〔21〕で表され
る4-ベンゾイロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン
(以下、光安定剤5と称する)を用いた以外は、実施例
3と同様にして、プレ塗料全量に対する含有量が、下記
に示す光安定剤入りのプレ塗料を調整した。
【0051】
【化11】
【0052】 (光安定剤入りのプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体; 30重量% ・溶剤 :トルエン;31.465重量%及びメチルエチルケトン;31.465重量% ・光安定剤: ;0.07 重量% これらのプレ塗料を用いて、実施例3と同様にして、光
安定剤入りの塗料の組成の実施例5の塗料を得た。この
実施例5の塗料を用いた以外は、実施例3と同様にして
塗膜を形成し、この塗膜の色の変化を測定して、その結
果を表1に示した。
【0053】表1の結果、光安定剤を含まない実施例3
の塗料1の組成の塗料に比べて、いずれの光安定剤も顔
料退色抑制効果のあることが確認できた。すなわち、上
記光安定剤を照明装置用光源カバーの赤色塗料に用いる
ことで、耐光性が改善された。また、これらの光安定剤
を上記紫外線吸収剤と併用することも有効である。
【0054】(実施例6)酸化防止剤として、下記の一
般式〔22〕で表される2,6-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキ
シフェノール(以下、酸化防止剤1と称する)と下記の
一般式〔23〕で表されるオクタデシル-3-(3',5'-ジ-t
- ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオネイト(以
下、酸化防止剤2と称する)とを用い、光安定剤として
上記光安定剤3を用い、紫外線吸収剤として上記紫外線
吸収剤4を用いた以外は、実施例3と同様にして、プレ
塗料全量に対する含有量が、下記に示す酸化防止剤入り
のプレ塗料2の組成乃至プレ塗料4の組成を調整した。
【0055】
【化12】
【0056】 〔酸化防止剤入りのプレ塗料の組成〕 (プレ塗料2の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;31.465重量%及びメチルエチルケトン;31.465重量% ・酸化防止剤: ;0.07 重量% (プレ塗料3の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体; 30重量% ・溶剤 :トルエン;31.43 重量%及びメチルエチルケトン;31.43 重量% ・光安定剤3: ;0.07 重量% ・酸化防止剤: ;0.07 重量% (プレ塗料4の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体; 30重量% ・溶剤 :トルエン;31.395重量%及びメチルエチルケトン;31.395重量% ・紫外線吸収剤4: ;0.07 重量% ・光安定剤3: ;0.07 重量% ・酸化防止剤: ;0.07 重量% これらのプレ塗料を用いて、実施例3と同様にして、酸
化防止剤入りの塗料2の組成乃至塗料4の成の実施例6
の塗料を得た。この実施例6の塗料を用いた以外は、実
施例3と同様にして塗膜を形成し、この塗膜の色の変化
を測定して、その結果を表1に示した。
【0057】表1の結果、光安定剤及び/又は紫外線吸
収剤を含まない塗料1の組成又は塗料2の組成を用いた
塗料の耐光性は改善されなかった。すなわち、酸化防止
剤だけでは耐光性は改善されないことが確認できた。塗
料3の組成又は塗料4の組成の塗料は、光安定剤及び/
又は紫外線吸収剤に酸化防止剤を加えているので、耐光
性の改善効果があった。これは、光安定剤、紫外線吸収
剤そのものの光劣化が抑制されたものと考えられる。結
論としては、光安定剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤の
組み合わせが、耐光性改善の効果が最も大きいというこ
とが確認できた。
【0058】(実施例7)低分子イオン系分散剤とし
て、オクタデシルカルボキシリックアシッドアンモニウ
ム塩(以下、低分子イオン系分散剤1と称する)、4-オ
クタデシロキシ-1-スルホキシベンゼンアンモニウム塩
(以下、低分子イオン系分散剤2と称する)、4-オクタ
デシロキシ-1- スルホキシナフタレンアンモニウム塩
(以下、低分子イオン系分散剤3と称する)、オクタデ
シルカルボキシリックアシッドテトラブチルアンモニウ
ム塩(以下、低分子イオン系分散剤4と称する)及び4-
オクタデシロキシ-1- スルホキシベンゼンテトラブチル
アンモニウム塩(以下、低分子イオン系分散剤5と称す
る)を用いた以外は、実施例3と同様にして、プレ塗料
全量に対する含有量が、下記に示す低分子イオン系分散
剤入りのプレ塗料を調整した。
【0059】 (低分子イオン系分散剤入りのプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体; 30重量% ・溶剤 :トルエン;30.5重量%及びメチルエチルケトン;30.5重量% ・低分子イオン系分散剤: ;2.0重量% これらのプレ塗料を用いて、実施例3と同様にして、低
分子イオン系分散剤入りの塗料の組成の実施例7の塗料
を得た。この塗料の粘度を、E型粘度計を用いて25
℃、回転数5rpmで測定した。その結果、低分子イオ
ン系分散剤を用いない上記実施例3の塗料1の組成の塗
料の粘度が、710センチポイズであるのに対して、低
分子イオン系分散剤1乃至低分子イオン系分散剤5を用
いた実施例7の塗料の粘度は、それぞれ、670、61
0、630、540、610センチポイズであった。こ
のように、低分子イオン系分散剤を用いることにより、
塗料の粘度を低減できることが確認できた。また、この
実施例7の塗料を用いた以外は、実施例3と同様にして
塗膜を形成し、この塗膜の透明性を比較した。その結
果、低分子イオン系分散剤を用いない塗料1の組成の塗
料の塗膜より、低分子イオン系分散剤を用いた実施例7
の塗膜のほうが、わずかに、透明性が改善されていた。 (実施例8)高分子系分散剤として、ポリ(エチルアク
リレート)(以下、高分子系分散剤1と称する)、ポリ
(ブチルアクリレート)(以下、高分子系分散剤2と称
する)、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)(以
下、高分子系分散剤3と称する)、エチルアクリレート
と2−エチルヘキシルアクリレートの共重合体(以下、
高分子系分散剤4と称する)及びブチルアクリレートと
2−エチルヘキシルアクリレートの共重合体(以下、高
分子系分散剤5と称する)を用いた。いずれも、数平均
分子量が、約1500で、共重合体の場合には、モノマ
ー比率が1/1である。低分子イオン系分散剤に代えて
高分子系分散剤を用いた以外は、実施例7と同様にし
て、プレ塗料全量に対する含有量が、下記に示す高分子
系分散剤入りのプレ塗料を調整した。
【0060】 (高分子系分散剤入りのプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122) ; 7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体; 30重量% ・溶剤 :トルエン;30.5重量%及びメチルエチルケトン;30.5重量% ・高分子系分散剤: ;2.0重量% これらのプレ塗料を用いて、実施例7と同様にして、高
分子系分散剤入りの塗料の組成の実施例8の塗料を得
た。この塗料の粘度を、E型粘度計を用いて25℃、回
転数5rpmで測定した。その結果、低分子イオン系分
散剤を用いない上記実施例3の塗料1の組成の塗料の粘
度が、710センチポイズであるのに対して、高分子系
分散剤1乃至高分子系分散剤5を用いた実施例8の塗料
の粘度は、それぞれ、620、600、540、54
0、520センチポイズであった。このように、高分子
系分散剤を用いることにより、塗料の粘度を低減できる
ことが確認できた。また、この実施例8の塗料を用いた
以外は、実施例7と同様にして塗膜を形成し、この塗膜
の透明性を比較した。その結果、塗膜の透明性が改善さ
れ、その効果は低分子イオン系分散剤に比べて大きかっ
た。すなわち、キナクリドン類顔料、アクリルベース樹
脂系において、高分子分散剤は、低粘度化、光透明性化
に効果があった。 (実施例9)実施例3の基本ミルベースの成分の他に、
下記のように、光安定剤3及び酸化防止剤1が含有され
ている以外は、実施例3と同様にして、ミルベース1を
作製した。
【0061】 (ミルベース1の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122);50g ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;10g ・溶剤 :トルエン;50g 及び メチルエチルケトン;50g ・光安定剤3: ;0.5g ・酸化防止剤1: ;0.5g このミルベース1に、実施例3と同様にして、紫外線吸
収剤、ベース樹脂、トルエン、メチルエチルケトンを加
え、下記に示すミルベース1のプレ塗料を調整した。
【0062】 (ミルベース1のプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122);7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;31.395重量%及びメチルエチルケトン;31.395重量% ・紫外線吸収剤4: ;0.07 重量% ・光安定剤3: ;0.07 重量% ・酸化防止剤1: ;0.07 重量% このミルベース1のプレ塗料を用いて、実施例6と同様
にして、ミルベース1の塗料の組成の実施例9の塗料を
得た。この実施例9の塗料を用いた以外は、実施例6と
同様にして塗膜を形成し、この塗膜の色の変化を測定し
て、その結果を表2に示した。
【0063】表1及び表2の結果、実施例6の塗料4の
組成と比べて、実施例9のミルベース1を用いた、すな
わち、光安定剤、酸化防止剤をミルベース作製時に添加
した塗料の方が、耐光性に優れることが確認できた。
【0064】(実施例10)実施例9のミルベース1の
成分の他に、分散剤が含有されている以外は、実施例9
と同様にして、ミルベース2を作製した。
【0065】 (ミルベース2の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122);50g ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;10g ・溶剤 :トルエン;50g 及び メチルエチルケトン;50g ・光安定剤3: ;0.5g ・酸化防止剤1: ;0.5g ・高分子系分散剤4: ;10g このミルベース1に、実施例9と同様にして、紫外線吸
収剤、ベース樹脂、トルエン、メチルエチルケトンを加
え、下記に示すミルベース2のプレ塗料を調整した。
【0066】 (ミルベース2のプレ塗料の組成) ・顔料 :2,9-ジメチルキナクリドン (Pigment Red 122);7重量% ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;30.695重量%及びメチルエチルケトン;30.695重量% ・紫外線吸収剤4: ;0.07 重量% ・光安定剤3: ;0.07 重量% ・酸化防止剤1: ;0.07 重量% ・高分子系分散剤4: ;1.40 重量% このミルベース2のプレ塗料を用いて、実施例9と同様
にして、ミルベース2の塗料の組成の実施例10の塗料
を得た。この塗料の粘度を、E型粘度計を用いて25
℃、回転数5rpmで測定した。その結果、実施例9の
ミルベース1を使用して得た塗料の粘度が540センチ
ポイズであるのに対して、ミルベース2を使用して得た
塗料の粘度は、380センチポイズであった。すなわ
ち、ミルベース2のように、ミルベース作製時に分散剤
を加えることにより塗料の粘度が低減されることが確認
できた。また、この実施例10の塗料を用いた以外は、
実施例8と同様にして塗膜を形成し、この塗膜の透明性
を比較した。その結果、透明性についても、ミルベース
作製時に分散剤を加える方が優れることが確認できた。
【0067】(実施例11)実施例10のミルベース2
のプレ塗料に、硬化剤( グリシジルトリメトキシシラ
ン) を、ベース樹脂100重量部に対して、10重量部
の割合で混合し、ガラス板上にスプレー塗布して、16
0℃で30分間硬化させて、1層の塗膜を形成した。さ
らに、下記に示すプレ塗料を調整した。
【0068】 (プレ塗料の組成) ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;34.7重量%及びメチルエチルケトン;34.7重量% ・紫外線吸収剤4: ;0.6重量% このプレ塗料を用い、硬化剤(グリシジルトリメトキシ
シラン)を、ベース樹脂100重量部に対して、10重
量部の割合で混合し、ガラス板上の上記1層の塗膜の上
にスプレー塗布して、160℃で30分間硬化させ、2
層の塗膜を形成した。2層の塗膜と、1層の塗膜を、温
度80℃、湿度80%で、80日にわたり、中圧水銀ラ
ンプで紫外線照射し、その色の変化を測定し、その結果
を表2に示した。
【0069】表2の結果、2層の塗膜、すなわち紫外線
吸収剤を含む塗膜でオーバーコートする方が、耐光性に
優れることが確認できた。
【0070】(実施例12)実施例10のミルベース2
を用いる塗料に、硬化剤(グリシジルトリメトキシシラ
ン) を、ベース樹脂100重量部に対して、10重量部
の割合で混合し、ガラス板上にスプレー塗布して、16
0℃で30分間硬化させて、1層の塗膜を形成した。さ
らに、さらに、下記に示すプレ塗料を調整した。
【0071】 (プレ塗料の組成) ・ベース樹脂:メタクリル酸とメチルメタクリル酸の共重合体;30重量% ・溶剤 :トルエン;34.1重量%及びメチルエチルケトン;34.1重量% ・紫外線吸収剤4: ;0.6重量% ・光安定剤3: ;0.07 重量% ・酸化防止剤1: ;0.07 重量% このプレ塗料を用い、実施例11と同様にして、2層の
塗膜を形成し、その色の変化を測定し、その結果を表2
に示した。表2の結果、2層塗膜のうちオーバーコート
が、紫外線吸収剤に加えて、光安定剤、酸化防止剤をも
含む方が、耐光性に優れることが確認できた。
【0072】
【発明の効果】本発明の請求項1及び請求項2に係る照
明装置用光源カバーの製造方法は、上記のように構成さ
れているので、本発明の請求項1及び請求項2に係る照
明装置用光源カバーの製造方法によると、耐光性に優
れ、人体に無害で安全な赤色の照明装置用光源カバーが
得られる。
【0073】本発明の請求項3及び請求項4に係る照明
装置用光源カバーの製造方法は、上記のように構成され
ているので、本発明の請求項3及び請求項4に係る照明
装置用光源カバーの製造方法によると、紫外線による着
色剤の光劣化及び光退色を低減した照明装置用光源カバ
ーが得られる。
【0074】本発明の請求項5に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記のように構成されているので、
本発明の請求項5に係る照明装置用光源カバーの製造方
法によると、着色剤の光劣化及び光退色を低減した照明
装置用光源カバーが得られる。
【0075】本発明の請求項6に係る照明装置用光源カ
バーの製造方法は、上記のように構成されているので、
本発明の請求項6に係る照明装置用光源カバーの製造方
法によると、紫外線吸収剤及び光安定剤自身の光劣化を
抑制した照明装置用光源カバーが得られる。
【0076】本発明の請求項7及び請求項8に係る照明
装置用光源カバーの製造方法は、上記のように構成され
ているので、本発明の請求項7及び請求項8に係る照明
装置用光源カバーの製造方法によると、塗料の粘度が低
減し、塗料への分散性が向上し、透明性に優れた照明装
置用光源カバーが得られる。
【0077】本発明の請求項9及び請求項10に係る照
明装置用光源カバーの製造方法は、上記のように構成さ
れているので、本発明の請求項9及び請求項10に係る
照明装置用光源カバーの製造方法によると、着色剤の光
劣化及び光退色を低減する照明装置用光源カバーが得ら
れる。
【0078】本発明の請求項11に係る照明装置用光源
カバーの製造方法は、上記のように構成されているの
で、本発明の請求項11に係る照明装置用光源カバーの
製造方法によると、光劣化抑制効果が大きい照明装置用
光源カバーが得られる。
【0079】本発明の請求項12に係る照明装置用光源
カバーの製造方法は、上記のように構成されているの
で、本発明の請求項12に係る照明装置用光源カバーの
製造方法によると、塗料の粘度が低減し、キナクリドン
類の塗料への分散性が向上し、透明性に優れる照明装置
用光源カバーが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉光 修 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−107260(JP,A) 特開 平4−72347(JP,A) 特開 平4−311769(JP,A) 特開 平3−210375(JP,A) 特開 平6−65521(JP,A) 特開 平6−212088(JP,A) 特表 昭62−501154(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F21V 3/04 C09D 133/00 - 133/26 C09D 183/00 - 183/16

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗料で塗装着色して塗膜を形成する照明
    装置用光源カバーの製造方法において、上記塗料が、着
    色剤としてキナクリドン類、ベース樹脂としてアクリル
    系樹脂及び硬化剤としてシリル基を含むシラン系硬化剤
    を含有することを特徴とする照明装置用光源カバーの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 上記キナクリドン類が下記の一般式
    〔1〕で表されるキナクリドン、下記の一般式〔2〕で
    表される2,9−ジメチル−キナクリドン又は下記の一
    般式〔3〕で表される2,9−ジクロロ−キナクリドン
    であることを特徴とする請求項1記載の照明装置用光源
    カバーの製造方法。 【化1】
  3. 【請求項3】 上記塗料が有機系の紫外線吸収剤として
    下記の一般式〔4〕で表される2−ヒドロキシ−ベンゾ
    フェノン、下記の一般式〔5〕で表される2−(2´−
    ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール及びこれらの
    誘導体からなる群から選択される少なくとも1種を含有
    することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の照明
    装置用光源カバーの製造方法。 【化2】
  4. 【請求項4】 上記塗料が無機系の紫外線吸収剤として
    チタンオキサイド、ジンクオキサイド、セリウムオキサ
    イド及びこれらの誘導体からなる群から選択される少な
    くとも1種を含有することを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の照明装置用光源カバーの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記塗料が光安定剤として下記の一般式
    〔6〕で表される2,2,6,6−テトラメチル−ピペ
    リジン及びこの誘導体からなる群から選択される少なく
    とも1種を含有することを特徴とする請求項1乃至請求
    項4いずれかに記載の照明装置用光源カバーの製造方
    法。 【化3】
  6. 【請求項6】 上記塗料が酸化防止剤として下記の一般
    式〔7〕で表される2−メチル−6−t−ブチル−フェ
    ノール、下記の一般式〔8〕で表される2,6−ジ−t
    −ブチル−フェノール及びこれらの誘導体からなる群か
    ら選択される少なくとも1種を含有し、かつ上記光安定
    剤及び/又は紫外線吸収剤を含有することを特徴とする
    請求項1乃至請求項5いずれかに記載の照明装置用光源
    カバーの製造方法。 【化4】
  7. 【請求項7】 上記塗料が着色剤の分散剤として、アル
    キルカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
    ルキルナフタレンスルホン酸塩、マレイン酸ジアルキル
    エステルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸アルキルア
    ミン、アミノプロピルアミンアルキルジカルボン酸、テ
    トラアルキルアンモニウム塩、ポリエチレングリコール
    類、多価アルコール類及びポリエチレンイミン類からな
    る群から選択される少なくとも1種を、着色剤100重
    量部に対して、5〜30重量部の割合で含有することを
    特徴とする請求項1乃至請求項6いずれかに記載の照明
    装置用光源カバーの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記塗料が着色剤の分散剤としてエチル
    アクリレート、ブチルアクリレート及び2−エチルヘキ
    シルアクリレートからなる群から選択される単独重合体
    又は少なくとも2種以上の共重合体を含有することを特
    徴とする請求項1乃至請求項6いずれかに記載の照明装
    置用光源カバーの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記塗膜が2層以上の塗膜よりなり、こ
    れらの塗膜の最表面層が、上記紫外線吸収剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8いずれかに記載
    の照明装置用光源カバーの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記塗膜の最表面層が、上記紫外線吸
    収剤を含有し、かつ、上記光安定剤及び/又は上記酸化
    防止剤をも含有することを特徴とする請求項1乃至請求
    項9いずれかに記載の照明装置用光源カバーの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 上記着色剤と、上記光安定剤及び/又
    は上記酸化防止剤とを含む配合品を混合して混合物を作
    製し、この混合物に、上記ベース樹脂と、上記溶剤と、
    上記紫外線吸収剤とを含む後添加品を加えて混合して塗
    料を作製し、この塗料を照明装置用光源カバーに塗装し
    て塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項
    10いずれかに記載の照明装置用光源カバーの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 上記着色剤と、上記分散剤とを含む配
    合品を混合して混合物を作製し、この混合物に、上記ベ
    ース樹脂と、上記溶剤とを含む後添加品を加えて混合し
    て塗料を作製し、この塗料を照明装置用光源カバーに塗
    装して塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至請
    求項11いずれかに記載の照明装置用光源カバーの製造
    方法。
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