JP2005131930A - 化粧シート - Google Patents

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JP2005131930A JP2003370289A JP2003370289A JP2005131930A JP 2005131930 A JP2005131930 A JP 2005131930A JP 2003370289 A JP2003370289 A JP 2003370289A JP 2003370289 A JP2003370289 A JP 2003370289A JP 2005131930 A JP2005131930 A JP 2005131930A
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Hironori Kamiyama
弘徳 上山
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Abstract

【課題】揮発性有機物質による環境汚染が軽減ないしは解消できる化粧シートを提供する。
【解決手段】基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、当該透明性保護層が最表面層として設けられている化粧シートであって、
(1)当該絵柄層及び透明性樹脂層の少なくとも1つが、中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されており、
(2)当該中和剤が、沸点−50〜25℃の塩基性物質である
ことを特徴とする化粧シートに係る。
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧シート及びそれを用いて得られる化粧板に関する。
従来より、建材(内装用・外装用)、車両、家具、家電製品、雑貨品等の各種製品には、その外観に意匠性を付与するために化粧シートが使用されている。一般に、これらの化粧シートは、溶剤系塗料により各層が形成されていた。ところが、揮発性有機化合物(VOC)によるシックハウス症候群の発生等の問題から、水系塗料への代替が検討されている。一般的な水系塗料としては、水性エマルション樹脂が知られている(特許文献1〜3)。これの水性エマルション樹脂では、酸性基を有する樹脂成分が通常使用されているが、その酸性基を中和するために中和剤が使用される。
しかしながら、これらの水系塗料を化粧シートの製造に適用しようとする場合、次のような問題が起こる。すなわち、用いる中和剤の種類等によっては、化粧シート中に残存し、中和剤が長期にわたって揮発し続けるものがある。このような中和剤も、安全性、放散性等のいかんによってはシックハウス症候群の原因となるおそれがある。
特開2003−238868号公報 特開平5−59245号公報 特開平1−301762号公報
従って、本発明は、特に揮発性有機物質による環境汚染を抑制ないしは防止できる化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の中和剤が添加された水性エマルション組成物により層を形成することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の化粧シートに係る。
1. 基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、当該透明性保護層が最表面層として設けられている化粧シートであって、
(1)当該絵柄層及び透明性樹脂層の少なくとも1つが、中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されており、
(2)当該中和剤が、沸点−50〜25℃の塩基性物質である
ことを特徴とする化粧シート。
2. 基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、当該透明性保護層が最表面層として設けられており、かつ、当該基材シートの裏面にプライマー層が形成されている化粧シートであって、
(1)少なくともプライマー層が、中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されており、
(2)当該中和剤が、沸点−50〜25℃の塩基性物質である
ことを特徴とする化粧シート。
3. 絵柄層と透明性樹脂層との間に接着剤層が介在し、中和剤を含む水性エマルション組成物によって当該接着剤層が形成されており、当該中和剤が沸点−50〜25℃の塩基性物質である前記項1又は2に記載の化粧シート。
4. 水性エマルション組成物が、アクリルウレタン系樹脂エマルションを含有する前記項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5. 塩基性物質が、アンモニアである前記項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 水性エマルション組成物が、さらに体質顔料を含有する前記項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 前記項1〜6のいずれかに記載の化粧シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
本発明の化粧シートは、特定の中和剤を含む水性エマルション組成物により形成されるので、各層の本来の機能を損なうことなく所望の中和力が得られる結果、良好な耐候性、密着性等を達成することができる。一方、本発明中和剤は、主として化粧シートの製造中に蒸発するので、化粧シート使用時までに中和剤が化粧シート中に比較的多量に残存するという状態を回避することができる。これによって、従来の化粧シートで見られる揮発性有機物質による問題をより効果的に解決することができる。
このような特性をもつ本発明化粧シートは、室内用建材、外装用及び準外装用建材の化粧シートとして使用できるほか、家電製品、事務機器、計器類等を構成する金属板の化粧シートとしても幅広く利用することができる。
1.化粧シート
本発明の化粧シートは、基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、当該透明性保護層が最表面層として設けられている化粧シートであって、
(1)当該絵柄層及び透明性樹脂層の少なくとも1つが、中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されており、
(2)当該中和剤が、沸点−50〜25℃の塩基性物質(以下「本発明中和剤」ともいう。)である
ことを特徴とする。
本発明の化粧シートは、絵柄層及び透明性樹脂層の少なくとも1つが、本発明中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されている。本発明の化粧シートが他の層(プライマー層、接着剤層等)をさらに含む場合には、当該他の層ならびに絵柄層及び透明性樹脂層の少なくとも1つが、本発明中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されていることが望ましい。特に、水性エマルション組成物によって形成される層のすべてが、本発明中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されていることかより好ましい。以下、本発明の化粧シートについて、各層を順に説明する。
基材シート
基材シートは、その表面(おもて面)には絵柄層等が積層される。なお、基材シートの裏面には被着材が積層されることになる。
基材シートとしては、例えば熱可塑性樹脂により形成されたものを好適に使用することができる。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等を挙げることができる。
基材シートは、着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、例えば二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材シートには、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般的には50〜250μmとすることが好ましい。
基材シートにおいては、必要に応じて、絵柄層を形成するインキの接着を強固にするために表面(おもて面)にコロナ放電処理を行うこともできる。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。また、必要に応じて、基材シートの裏面にもコロナ放電処理を施すこともできる。
プライマー層
本発明の化粧シートでは、基材シートの裏面にプライマー層(裏面プライマー層)を設けることが望ましい。プライマー層の形成により、被着材との密着性を高めることができる。
プライマー層は、公知又は市販の塗工剤により形成しても良いが、揮発性有機物質(VOC)による環境汚染をより効果的に低減させることができるという点で、本発明では特に水性エマルション組成物を使用することが望ましい。水性エマルション組成物は、後記の絵柄層等の形成で使用される水性エマルション樹脂と同様のものを使用することができる。なお、水性エマルション樹脂は、絵柄層等で使用される水性エマルション樹脂と同一組成であっても良いし、互いに異なっていても良い。
プライマー層の厚みは限定的でないが、一般的には1〜10μm程度とすることが望ましい。
絵柄層
絵柄層には、木目、節目等の天然素材が有する柄ないしは模様のほか、文字、図形等も表わすことができる。
絵柄層の形成は、好ましくは着色熱可塑性樹脂層との接着性に優れたインキを用い、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の公知の印刷方法により好適に実施することができる。
上記インキとしては、水性エマルション組成物を使用することが望ましい。水性エマルション組成物としては、具体的には着色材及び水性エマルション樹脂(バインダー樹脂)を含むものを使用することができる。
着色材は特に限定されず、公知の着色材を使用することができる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニンリンブラック等の有機顔料(染料も含む。)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。
水性エマルション樹脂は、水又は水系溶媒に樹脂成分を分散させたものであり、バインダー樹脂として使用されているものを採用できる。
溶媒に関し、水は、例えば公知の水系塗工剤等に使用されているグレードの工業用水が使用できる。また、水系溶媒としては、水と有機溶媒とからなる混合溶媒を使用することもできる。有機溶媒としては、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等の低級アルコールのほか、グリコール類、グリコールエステル類等の水溶性有機溶剤を好適に用いることができる。なお、水溶性有機溶剤は、水性エマルション樹脂の流動性改良、被塗工体である基材シートへの濡れ性の向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量等が決定される。混合溶媒の場合、水及び有機溶媒の割合は一般に水:有機溶媒20:80〜100:0(重量比)の範囲内で適宜調整することができる。
樹脂成分としては、公知の水系塗工剤、水性塗料等に使用されている樹脂が挙げられる。例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。これらの中でも、耐熱性、耐水性、耐候性等の点において、アクリルウレタン系樹脂を用いることが好ましい。アクリルウレタン系樹脂を使用する場合、その平均分子量は1万〜10万程度とすることが好ましい。
本発明では、中和剤が添加された水性エマルション組成物(特に水性エマルション樹脂組成物)を用いる。そして、その中和剤として沸点−50〜25℃(好ましくは沸点−40〜15℃)の塩基性物質を用いる。かかる沸点範囲をもつ塩基性物質を使用することによって、余剰の塩基性物質は化粧シート製造工程中に蒸発し、化粧シートが使用されるまでには殆どが消失する。これにより、化粧シート又は化粧板の使用時における経時的に揮発する有機物質による問題を解消することができる。
上記のような沸点をもつ塩基性物質としては、例えばアンモニア、モノメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン等の塩基性有機化合物が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で用いることができる。中和剤は、いったん水に溶解させ、溶液の形態で使用することもできる。例えば、アンモニアを使用する場合は、アンモニア水として使用すれば良い。
中和剤の使用量は、一般的に前記樹脂成分を十分に中和し得る量(当量)の1〜1.1倍の範囲内で適宜設定すれば良い。かかる範囲内に設定することによって、より確実な中和力とともに、所望の耐水性等を付与することができる。
水性エマルション組成物には、さらに耐ブロッキング性、エンボス加工時の耐熱性の向上、アンカー効果による接着力の向上等の少なくとも1つを目的として、必要に応じて体質顔料を添加することができる。
体質顔料としては、公知又は市販のものを使用でき、特に限定はない。例えば、白土、タルク、クレー、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウム等の無機系顔料、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機系顔料、あるいはこれらの共重合体からなる有機系顔料が利用できる。これらは、通常は粒子の形態で使用することが望ましい。
水性エマルション組成物における水又は水系溶媒の使用量は、水性エマルション組成物中の固形分含有量が20〜80重量%となるような範囲内から適宜決定すれば良い。
本発明の水性エマルション組成物による層形成についても、前記と同様、公知の方法を採用することができる。例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、転写印刷等の印刷法;スプレー、ローラー、刷毛等の塗布法等のいずれも採用することができる。これらの方法の中から、各層の特性、原料等に応じて適宜組み合わせて選択すれば良い。
接着剤層
本発明では、好ましくは絵柄層と透明性樹脂層との間に接着剤層が介在する。接着剤層で使用する接着剤は、公知又は市販の接着剤の中から、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂等の各種接着剤を使用することができる。また、接着剤は、反応硬化タイプのほか、ホットメルトタイプ、電離放射線硬化タイプ、紫外線硬化タイプ等のいずれのタイプの接着剤であっても良い。
接着方法としては、用いる接着剤の種類等に応じて公知の方法に従って実施すれば良い。例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用い、溶融押出(エクストルージョンコート法)で絵柄層上に塗工する方法;ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂にイソシアネート、アミン等の架橋剤、メチルエチルケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、アザビスイソブチロニトリル等の重合開始剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の重合促進剤等を必要により添加した接着剤を塗工し、ドライラミネートする方法等を採用することができる。また、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用し、熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
本発明では、接着剤層は、VOC低減等の効果がより高められるという点で、水性エマルション組成物により形成されることが望ましい。水性エマルション組成物としては、前記の絵柄層の形成で使用される水性エマルション樹脂として掲げたものと同様のものを使用することができる。なお、水性エマルション樹脂は、絵柄層等で使用される水性エマルション樹脂と同一組成であっても良いし、互いに異なっていても良い。
なお、本発明では、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
透明性樹脂層
透明性樹脂層は、透明である限り、着色されていても良い。また、絵柄層が視認できる範囲内で半透明であっても良い。
上記樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等を挙げることができる。透明性樹脂層は、特に、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融させたポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
透明樹脂層には、必要に応じて充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚みは特に限定されないが、一般的には10〜150μm程度とすれば良い。
透明性樹脂層は、必要に応じて凹凸模様を付与することができる。例えば、公知のエンボス加工等によって凹凸模様を付与することが可能である。これによって、立体感のある外観を化粧用シートに与えることができる。
透明性保護層
本発明において、透明性保護層は、最表面層として設けられている。透明性保護層は、透明である限り、着色されていても良い。また、絵柄層が視認できる範囲内であれば半透明であっても良い。透明性保護層の形成により、化粧シート表面の傷のつきやすさをカバーし、耐擦傷性を向上させることができる。
透明性保護層に用いられる材料としては特に限定されず、公知の化粧シートと同様のものを使用することができるが、本発明では2液硬化型のウレタン系樹脂を使用することが望ましい。2液硬化型のウレタン系樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするものであれば特に限定されず、市販品を使用することもできる。ポリオール及びイソシアネートとしては、前記の接着剤層で列記したものを好ましく使用することができる。
本発明では、透明性保護層は、VOC低減等の効果がより高められるという点で、水性エマルション組成物により形成されることが望ましい。水性エマルション組成物としては、前記の絵柄層等の形成で使用される水性エマルション樹脂として掲げたものと同様のものを使用することができる。なお、水性エマルション樹脂は、絵柄層等で使用される水性エマルション樹脂と同一組成であっても良いし、互いに異なっていても良い。
また、本発明では、透明性保護層として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合には、より優れた耐擦傷性、耐候性等を得ることができる。
電離放射性硬化型樹脂は、公知のもの又は市販品を使用することができる。具体的には、分子中に重合性不飽和結合又はエポキシ基をもつプレポリマー、オリゴマー及び単量体の少なくとも1種を含む組成物を用いる。
前記のプレポリマー又はオリゴマーとしては、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとの縮合物等の不飽和ポリエステル類がある。例えば、ポリエステルメタアクリレート、ポリエーテルメタアクリレート、ポリオールメタアクリレート、メラミンメタアクリレート等のメタアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート類等がある。
単量体としては、スチレン、αーメチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、2ーエチルヘキシルアクリレート、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸エトキシメチル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ラウリル等メタアクリル酸エステル類がある。
不飽和酸の置換アミノアルコールエステルとしては、アクリル酸ー2ー(N,Nージエチルアミノ)エチル、メタアクリル酸ー2ー(N,Nージエチルアミノ)エチル、アクリル酸ー2ー(N,Nージベンジルアミノ)メチル、アクリル酸ー2ー(N,Nージエチルアミノ)プロピル等がある。
その他にも、アクリルアミド、メタアクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオベンジルグリコールジアクリレート、1,6ーヘキサンジオールジアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等の化合物、ジプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート等の多官能性物、及び/又は、分子中に2個以上のチオール基をもつポリチオール化合物、例えばトリメチロールプロパントリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピオレート、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコール等がある。また、3官能基以上のアクリレート系単量体には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート等がある。
電離放射線硬化型樹脂による透明性保護層の形成方法も公知の方法に従えば良く、例えば電離放射線硬化型樹脂を含む組成物(塗料)を調製し、これを用いて塗膜を形成し、公知の使用条件(175keV及び5Mrad(50kGy))で電子線照射して塗膜を架橋硬化させれば良い。電離放射線硬化型樹脂を使用する場合は、予め下地としてプライマー層(特にウレタン系樹脂によるプライマー層)を第二透明性樹脂層上に設けることが望ましい。
透明性保護層(すなわち、化粧シートの最表面)には、好ましくはエンボス加工等により凹凸模様が施される。さらに好ましくは、前記エンボス凹部にインキを充填するワイピング加工を施し、その表面を2液硬化型ウレタン系樹脂で被覆(オーバーコート処理)した構造とする。
エンボス加工は、化粧シートに木材板表面等所望のテクスチァーを付与するために行われる。例えば、加熱ドラム上でアクリル系樹脂を加熱軟化させた後、さらに赤外線輻射ヒーターで160〜180℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧、賦形し、冷却固定して形成する。これは、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機を使用すれば良い。凹凸模様としては、例えば木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。
ワイピング加工とは、エンボス加工で設けた凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する加工をいう。ワイピングインキとしては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。ワイピング加工では、特に木目導管溝凹凸に対して行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
本発明では、透明性保護層中に他の成分が含まれていても良い。例えば、溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散剤、光安定剤、ツヤ調整剤、ブロッキング防止剤、滑剤等の添加剤を配合することもできる。
透明性保護層の厚みは限定されないが、通常は0.1〜50μm、特に1〜20μmとすることが望ましい。
2.化粧板
本発明の化粧板は、本発明の化粧シートが被着材上に積層されたものである。より具体的には、化粧シートの透明性保護層が最表面層となるように当該シートが被着材上に積層されている。
被着材
本発明化粧シートが適用される被着材は、限定的でなく、公知の化粧シートと同様のものを用いることができる。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材に好適に使用することができる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
被着材への積層
化粧シートの被着材への積層は、公知の化粧シートの積層と同様にすることができる。例えば、接着剤を用いて化粧シートを被着材上に貼着によって好適に積層することが可能である。
使用できる接着剤としては、例えば熱可塑性樹脂系、熱硬化性樹脂系、ゴム系等のいずれのタイプの接着剤も使用することができる。これは、公知のもの又は市販品を使用することができる。
熱可塑性樹脂系接着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ニトロセルロース、酢酸セルロース、熱可塑性エポキシ、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー等が例示される。
熱硬化性樹脂系接着剤としては、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリベンゾチアゾール等が例示される。
ゴム(エラストマー)接着剤としては、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、ブロックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等が例示される。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより一層明確にする。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
図1に示す層構造を有する化粧シートを作製した。
着色材(酸化チタン)を10重量%添加することにより着色隠蔽したポリプロピレン系樹脂フィルム1(厚み80μm)を用意し、その表面(おもて面)及び裏面にコロナ放電処理を施した。この表面(おもて面)に対しては、アンモニア水を中和剤として含む2液硬化型アクリルウレタン系樹脂の水性エマルションをバインダーとした着色インキをグラビア印刷して木目柄の絵柄層2を形成した。また、裏面に対しては、アンモニア水を中和剤として含むアクリルウレタン系樹脂の水性エマルションをバインダーとしたプライマーをグラビア印刷して裏面プライマー層6を形成した。この印刷工程では、40〜60℃で乾燥を実施した。
次いで、上記印刷シートの絵柄層2の上に、アンモニア水を中和剤とした2液硬化型アクリルウレタン系樹脂の水性エマルションを用いて塗膜を形成し、60℃で乾燥することにより接着剤層3(厚さ15μm)で形成した後、その塗膜の上に透明ポリプロピレン系樹脂フィルム4(厚み80μm)をラミネートした。
次に、透明ポリプロピレン系樹脂フィルム4上から赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、上記フイルム4を柔らかくした後、直ちに熱圧によるエンボス加工を行い、木目導管溝模様の凹凸模様を賦形した。次いで、その賦形面にコロナ処理を施した後、アンモニア水を中和剤とする2液硬化型アクリルウレタン系樹脂の水性エマルションにより塗膜を形成し、50℃で乾燥することにより透明性保護層5(厚み4μm)を形成し、化粧シートを得た。
得られた化粧シートについて、残留溶剤を120℃で10分間かけて除去した後、ガスクロマトグラフで分析した結果、残留溶剤量は100mg/m2であった。また、この化粧シート100cm2を容量20Lのテドラーパックに入れ、検知管(北川式ガス検知管、光明理化学工業製)によりアンモニア濃度を測定した結果、0ppmであった。さらに、得られた化粧シートについて、耐候性試験及び密着性試験をそれぞれ実施したが、結果はいずれも良好であった。
耐候性試験は、1)サンシャインウエザーメーター(スガ試験機製)にて2000時間、2)メタルウエザーメーター(ダイプラ・ウインテス製)にて200時間の2通りの試験を実施した。
密着性試験は、化粧シートの最表面(透明性保護層5)上にセロテープ(商標名)を貼着し、上方に垂直に剥離したときの各層の剥離の有無について調べた。
実施例2
各層で使用した中和剤として、アンモニア水に代えてトリメチルアミンを使用したほかは、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。得られた化粧シートについて、残留溶剤を120℃で10分間かけて除去した後、ガスクロマトグラフで分析した結果、残留溶剤量は100mg/m2であった。この化粧シートについて実施例1と同様の試験を実施したが、実施例1と同様に良好であった。
実施例1で作製された化粧用シートの積層構造を示す図である。
符号の説明
1 着色ポリプロピレン系樹脂フィルム(基材シート)
2 絵柄層
3 接着剤層
4 透明ポリプロピレン系樹脂フィルム(透明性樹脂層)
5 透明性保護層
6 プライマー層

Claims (7)

  1. 基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、当該透明性保護層が最表面層として設けられている化粧シートであって、
    (1)当該絵柄層及び透明性樹脂層の少なくとも1つが、中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されており、
    (2)当該中和剤が、沸点−50〜25℃の塩基性物質である
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 基材シート上に少なくとも絵柄層、透明性樹脂層及び透明性保護層を有し、当該透明性保護層が最表面層として設けられており、かつ、当該基材シートの裏面にプライマー層が形成されている化粧シートであって、
    (1)少なくともプライマー層が、中和剤を含む水性エマルション組成物によって形成されており、
    (2)当該中和剤が、沸点−50〜25℃の塩基性物質である
    ことを特徴とする化粧シート。
  3. 絵柄層と透明性樹脂層との間に接着剤層が介在し、中和剤を含む水性エマルション組成物によって当該接着剤層が形成されており、当該中和剤が沸点−50〜25℃の塩基性物質である請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 水性エマルション組成物が、アクリルウレタン系樹脂エマルションを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 塩基性物質が、アンモニアである請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 水性エマルション組成物が、さらに体質顔料を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シートが被着材上に積層されてなる化粧板。
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