JPH1055873A - 多極スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

多極スパークプラグ及びその製造方法

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JPH1055873A
JPH1055873A JP21072996A JP21072996A JPH1055873A JP H1055873 A JPH1055873 A JP H1055873A JP 21072996 A JP21072996 A JP 21072996A JP 21072996 A JP21072996 A JP 21072996A JP H1055873 A JPH1055873 A JP H1055873A
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誠 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電面が中心電極の先端外周面と対向する複
数の外側電極を有する多極スパークプラグにおいて、外
側電極の放電面- 中心電極の先端外周面間のスパークギ
ャップを容易に形成できる多極スパークプラグの製造方
法の提供。 【解決手段】 多極スパークプラグは、主体金具1の金
具先端面11に外側電極基材401、401を溶接する
溶接工程と、外側電極の曲げ形状に対応する成形面を有
する曲げ型の成形面に外側電極基材401、401を押
し当てて塑性変形させる曲げ工程と、外側電極基材40
1、401の先部を打ち抜く打抜き工程と、絶縁碍子2
を固定する碍子組み付け工程と、各外側電極基材の先端
をレーザービーム5により円弧状にカットして外側電極
の放電面を形成する切断工程を経て製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の外側電極を
有する多極スパークプラグ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】栓体金具の発火部端面に取付けられ、途
中部分から同栓体金具の軸芯に向けて折り曲げられた各
接地電極の外面を雌型に当接させ、同栓体金具の内腔を
貫通させた雄ピンにより各接地電極の先端部を内面側か
ら外面側に向かって打ち抜き、同各接地電極に放電端面
を形成する工程を有する多極スパークプラグの製造方法
が知られている(特開昭51- 95541号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、以
下に示す課題を有する。 (1) 打ち抜きを行った後、ギャップ調整機や手作業によ
るギャップ調整が必要である。尚、ギャップ調整機を使
用しても、かなりの頻度で、所定のギャップにならない
場合が発生し、この場合は手作業でギャップ調整を行
う。手作業でギャップ調整を行うと、熟練を要するとと
もに人件費が嵩み、製造コストが上昇する。 (2) 打ち抜きによって形成される放電面は、表面が平滑
であり着火性が悪い。 (3) 打ち抜き工程が必要である。
【0004】本発明の第1の目的は、放電面が中心電極
の先端外周面と対向する複数の外側電極を有する多極ス
パークプラグの着火性の向上にある。本発明の第2の目
的は、放電面が中心電極の先端外周面と対向する複数の
外側電極を有する多極スパークプラグにおいて、外側電
極の放電面- 中心電極の先端外周面間のスパークギャッ
プを容易に形成できる多極スパークプラグの製造方法の
提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、以下の構成を採用した。 (1)筒状の主体金具と、該主体金具内に嵌め込まれて
固定される軸孔付の絶縁碍子と、電極先端が碍子先端面
から突出する様に軸孔に挿着される中心電極と、放電面
が前記中心電極の先端外周面と対向する様に屈曲して金
具先端面に突設される複数の外側電極とを備える多極ス
パークプラグであって、主体金具の金具先端面に複数
の外側電極基材を溶接する溶接工程、外側電極の曲げ
形状に対応する成形面を有する曲げ型の前記成形面に、
各外側電極基材を押し当てて塑性変形させる曲げ工程、
及び、各外側電極基材の先端をレーザーにより所定形
状にカットして、前記外側電極の放電面を形成する切断
工程を経て製造される。
【0006】(2)主体金具の金具先端面に複数の外側
電極基材を溶接する溶接工程と、外側電極の曲げ形状に
対応する成形面を有する曲げ型の前記成形面に、各外側
電極基材を押し当てて塑性変形させる曲げ工程と、この
主体金具内に、電極先端が碍子先端面から突出する様に
軸孔に中心電極を挿着した絶縁碍子を固定する碍子組み
付け工程と、前記中心電極の先端外周との間にスパーク
ギャップが形成されるように、画像処理によりギャップ
値を測定しながら各外側電極基材の先端をレーザーによ
り所定形状にカットして、前記外側電極の放電面を形成
する切断工程とを有する。
【0007】(3)上記(2) に加え、上記曲げ工程を行
った主体金具において、各外側電極基材の先端面により
形成される隙間は、絶縁碍子の軸孔に挿設されて組み付
けられる中心電極の発火部径よりも大きい。
【0008】(4)主体金具の金具先端面に複数の外側
電極基材を溶接する溶接工程と、外側電極の曲げ形状に
対応する成形面を有する曲げ型の前記成形面に、各外側
電極基材を押し当てて塑性変形させる曲げ工程と、各外
側電極基材の先部を打ち抜く打抜き工程と、この主体金
具内に、電極先端が碍子先端面から突出する様に軸孔に
中心電極を挿着した絶縁碍子を固定する碍子組み付け工
程と、前記中心電極の先端外周との間にスパークギャッ
プが形成されるように、画像処理によりギャップ値を測
定しながら各外側電極基材の先端をレーザーにより所定
形状にカットして、前記外側電極の放電面を形成する切
断工程とを有する。
【0009】(5)上記(4) に加え、前記打抜き工程を
行った主体金具において、各外側電極基材の先端面によ
り形成される隙間は円形断面であり、その隙間直径は絶
縁碍子の軸孔に挿設されて組み付けられる中心電極の発
火部直径よりも0.2mm以上大きく、前記所定形状は
円弧状面であり、前記切断工程によりカットされる各外
側電極基材のカット代は0.3mm以上である。
【0010】
【作用および発明の効果】
〔請求項1について〕主体金具の金具先端面に複数の外
側電極基材を溶接し(溶接工程)、外側電極の曲げ形状
に対応する成形面を有する曲げ型の成形面に各外側電極
基材を押し当てて塑性変形させ(曲げ工程)、各外側電
極基材の先端をレーザーにより所定形状にカットして外
側電極の放電面を形成する(切断工程)。外側電極の先
端面(放電面)は、レーザーカットにより粗く加工され
るので、着火性が向上する。
【0011】〔請求項2について〕主体金具の金具先端
面に複数の外側電極基材を溶接する(溶接工程)。外側
電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の成形
面に、各外側電極基材を押し当てて塑性変形させる(曲
げ工程)。この主体金具内に、電極先端が碍子先端面か
ら突出する様に軸孔に中心電極を挿着した絶縁碍子を固
定する(碍子組み付け工程)。中心電極の先端外周との
間にスパークギャップが形成されるように、画像処理に
よりギャップ値を測定しながら各外側電極基材の先端を
レーザーにより所定形状にカットして、外側電極の放電
面を形成する(切断工程)。
【0012】碍子組み付け工程を行った後に、レーザー
により各外側電極基材の先端をカットする構成であるの
で、外側電極の放電面- 中心電極の先端外周面間のスパ
ークギャップを正確に形成できる。これにより、打ち抜
き工程を省くことができるとともに、手作業によるギャ
ップ調整を行う必要がない。
【0013】打ち抜き工程が不要になるので、製造コス
トを低減できる。手作業によるギャップ調整が不要であ
るので、ギャップ調整の為の人件費が不要であり、製造
コストを低減できる。外側電極の先端面(放電面)は、
レーザーカットにより粗く加工されるので、着火性が向
上する。
【0014】〔請求項3について〕主体金具の金具先端
面に複数の外側電極基材を溶接する(溶接工程)。外側
電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の成形
面に各外側電極基材を押し当てて塑性変形させる(曲げ
工程)。この際、各外側電極基材の長さが短めに設定さ
れているので、各外側電極基材の先端面により、絶縁碍
子の軸孔に挿設されて組み付けられる中心電極の発火部
径よりも大きい隙間が形成される。この主体金具内に、
電極先端が碍子先端面から突出する様に軸孔に中心電極
を挿着した絶縁碍子を固定する(碍子組み付け工程)。
中心電極の先端外周との間にスパークギャップが形成さ
れるように各外側電極基材の先端をレーザーにより所定
形状にカットして、外側電極の放電面を形成する(切断
工程)。
【0015】外側電極の先端面(放電面)は、レーザー
カットにより粗く加工されるので、着火性が向上する。
碍子組み付け工程を行った後に、レーザーにより各外側
電極基材の先端をカットする構成であるので、外側電極
の放電面- 中心電極の先端外周面間のスパークギャップ
を正確に形成できる。又、打ち抜き工程を省くことがで
きるとともに、手作業によるギャップ調整を行う必要が
ない。
【0016】碍子組み付け後に上記隙間が生じる程度に
外側電極基材の長さが設定されているので、レーザーカ
ットの際の作業が行ない易いとともに、カットにより廃
棄される外側電極基材(先端)の体積が少なくて済む。
【0017】〔請求項4について〕主体金具の金具先端
面に複数の外側電極基材を溶接する(溶接工程)。外側
電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の成形
面に、各外側電極基材を押し当てて塑性変形させる(曲
げ工程)。レーザーカットの際の作業を行ない易くする
為、各外側電極基材の先部を打ち抜く(打抜き工程)。
この主体金具内に、電極先端が碍子先端面から突出する
様に軸孔に中心電極を挿着した絶縁碍子を固定する(碍
子組み付け工程)。中心電極の先端外周との間にスパー
クギャップが形成されるように、画像処理によりギャッ
プ値を測定しながら各外側電極基材の先端をレーザーに
より所定形状にカットして、各外側電極基材の先端をレ
ーザーにより所定形状にカットして、外側電極の放電面
を形成する(切断工程)。
【0018】碍子組み付け工程を行った後に、レーザー
により各外側電極基材の先端をカットする構成であるの
で、外側電極の放電面- 中心電極の先端外周面間のスパ
ークギャップを正確に形成できる。これにより、手作業
によるギャップ調整を行う必要がない。外側電極の先端
面(放電面)は、レーザーカットにより粗く加工される
ので、着火性が向上する。手作業によるギャップ調整が
不要であるので、ギャップ調整の為の人件費が不要であ
り、製造コストを低減できる。
【0019】〔請求項5について〕主体金具の金具先端
面に複数の外側電極基材を溶接する(溶接工程)。外側
電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の成形
面に、各外側電極基材を押し当てて塑性変形させる(曲
げ工程)。各外側電極基材の先端面により形成される隙
間が円形断面になり、その隙間の直径が絶縁碍子の軸孔
に挿設されて組み付けられる中心電極の発火部直径より
も0.2mm以上大きくなる様に、各外側電極基材の先
部を打ち抜く(打抜き工程)。尚、0.2mm以上大き
い隙間により、レーザーカットの際の作業が行ない易く
なる。
【0020】この主体金具内に、電極先端が碍子先端面
から突出する様に軸孔に中心電極を挿着した絶縁碍子を
固定する(碍子組み付け工程)。各外側電極基材の先端
をレーザーにより円弧状にカット(カット代は0.3m
m以上)して、外側電極の放電面を形成する(切断工
程)。尚、外側電極の先端面(放電面)が粗くなる様に
カット代を0.3mm以上にする。
【0021】碍子組み付け工程を行った後に、レーザー
により各外側電極基材の先端をカットする構成であるの
で、外側電極の放電面- 中心電極の先端外周面間のスパ
ークギャップを正確に形成できる。これにより、手作業
によるギャップ調整を行う必要がない。手作業によるギ
ャップ調整が不要であるので、ギャップ調整の為の人件
費が不要であり、製造コストを低減できる。外側電極の
先端面(放電面)は、レーザーカットにより粗く加工さ
れるので、着火性が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例(請求項1、
4、5に対応)を、図1〜図4に基づいて説明する。図
1に示す様に、二極スパークプラグAは、筒状の主体金
具1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔2
1付の絶縁碍子2と、電極先端31が碍子先端面22か
ら突出する様に軸孔21内に固定される中心電極3と、
放電面41が中心電極3の先端外周面311と対向する
様に、屈曲して金具先端面11に突設される外側電極
4、4とを備える。
【0023】主体金具1は、低炭素鋼で製造され、外側
電極4、4を金具先端面11に溶接している。又、主体
金具1の先端外周にはネジ12が螺刻され、ガスケット
(図示せず)を介して内燃機関のシリンダヘッド(図示
せず)に装着される。
【0024】絶縁碍子2は、アルミナを主体とするセラ
ミックで製造され、パッキン(図示せず)を介して座面
を主体金具1の段部(図示せず)に係止し、主体金具1
の六角頭部(図示せず)を加締める事により、主体金具
1の開口から碍子先端部23が突出する様に主体金具1
内に固定される。
【0025】中心電極3は、ニッケル合金材の内部に良
熱伝導性の銅を封入した複合電極であり、本実施例では
外径がφ2.0である。
【0026】外側電極4は、先端がL字状に屈曲し、ニ
ッケル合金材で形成されている。外側電極4の放電面4
1は、円弧面状に形成され、先端外周面311と同軸的
に位置する(図1下参照)。
【0027】つぎに、二極スパークプラグAの製造方法
を、図2〜図4の製造工程図{(a)〜(d) }ととともに
述べる。 (1) 低炭素鋼材(炭素含有率数%)に冷間押し出し等の
処理を施し、主体金具(ネジ無し)を製造する。尚、冷
間押し出し成形を行わずに、円柱や多角柱状の棒材から
切削加工を行って主体金具を製造しても良い。つぎに、
ネジ12に対応する山形を有する丸形ダイス又は平形ダ
イス(何れも図示せず)を、主体金具(ネジ無し)の外
周に押し付けて転がし、ねじ転造を行う。
【0028】(2) つぎに、外側電極基材401、401
を、主体金具1の金具先端面11に、対向状態に、抵抗
溶接等により溶接する{溶接工程;図2の(a) }。尚、
外側電極基材401は、母材がニッケルにCr、Mn、
Siを加えたニッケル合金(インコネル等)の無垢であ
る。尚、必要に応じ、ニッケル合金内部に芯材として銅
を封入した複合材を用いても良い。
【0029】これを塩酸で洗浄し、水洗いした後、主体
金具1の内周と外周、及び外側電極基材401、401
に亜鉛メッキを行ない、クロメート処理を施す。更に、
外側電極基材401、401の先端面に潤滑油を塗布す
る。
【0030】(3) プレス成形機により外側電極基材40
1、401の成形を行う{曲げ工程;図2の(b) }。プ
レス成形機は、外側電極4、4の曲げ形状(図1参照)
と逆形状の成形面501を有する曲げ型500、主体金
具1を曲げ型500に案内するガイド502、及び曲げ
パンチ503等により構成されている。
【0031】曲げパンチ503は、主体金具1の貫通孔
13を貫通して外側電極基材401、401を曲げ型5
00の成形面501に押し付けて外側電極基材401、
401を塑性変形させる。又、曲げパンチ503は、主
体金具1の貫通孔13の係止部14に当接する肩部50
4、及び外側電極基材401、401の曲げ高さ(電極
の高さ)を決める脚部505を有する。
【0032】外側電極基材401、401(潤滑油が塗
布されている)の先端面を、曲げ型500の成形面50
1に接触する様に主体金具1をガイド502内に挿入す
ることにより、曲げパンチ503の脚部505の先端面
が外側電極基材401、401を略L字状に折り曲げ
る。
【0033】(4) つぎに、プレス成形機により、外側電
極基材401、401の先部を打ち抜く{打ち抜き工
程;図2の(c) }。主体金具1の外側電極基材401、
401が打ち抜き型510の上端面に接触するようにガ
イド512内に曲げパンチ503を挿入し、中心電極3
の外径(φ2.0)より0.2mm以上大きい隙間直径
sとなる様に打ち抜きパンチ513の先端部が外側電極
基材401、401を打ち抜く。
【0034】プレス成形機は、外側電極基材401、4
01の先端部より打ち抜かれた打ち抜き屑402、40
2を排出する排出孔511を有する打ち抜き型510、
主体金具1を打ち抜き型510に案内するガイド51
2、及び主体金具1の内側から外側に向かって移動する
打ち抜きパンチ513等により構成されている。
【0035】(5) 中心電極3を軸孔21にガラスシール
した絶縁碍子2を、主体金具1{図3の(d) 参照}の貫
通孔13内に嵌め込んで、公知の粉末加締めや熱加締め
により、主体金具1の上端部14を加締めて固定する。 (6) 図4に示す様に、外側電極基材401、401の先
端を、図示上方からレーザービーム5により円弧状にカ
ットする{切断工程;図4の(e) }。尚、本実施例で
は、この時のカット代cは0.5mmである。尚、レー
ザービーム5を照射するレーザー装置は、所定のスパー
クギャップが形成される様に、CCDカメラ601と画
像処理装置602等を備え、スパークギャップ値を測定
しながら外側電極基材401、401の先端をカットす
る。これにより、図1に示すスパークプラグAが完成す
る。
【0036】本実施例のスパークプラグAは、つぎの利
点を有する。 〔ア〕絶縁碍子2の組み付け後に、レーザービーム5に
より外側電極基材401、401の先端をカットする構
成であるので、外側電極4を正確に円弧状にレーザーカ
ットでき、外側電極4、4の放電面41- 中心電極3の
先端外周面311間にスパークギャップgを正確に形成
できる。これにより、手作業によるギャップ調整を行う
必要がない。手作業によるギャップ調整が不要であるの
で、ギャップ調整の為の人件費が不要であり、製造コス
トを低減できる。
【0037】尚、中心電極3の電極先端31の外径より
も直径が0.2mm以上大きくなる様に外側電極基材4
01、401の先端を打ち抜き、絶縁碍子2を組み付け
たものをレーザービーム5により先端カットする構成で
あるので、外側電極基材401の先端面間に形成される
隙間によりレーザーカット作業が行ない易い。
【0038】〔イ〕外側電極基材401、401の先端
は、レーザービームによりカット(カット代cは0.5
mm)されて表面が荒い放電面41となるので着火性が
向上する。
【0039】つぎに、本発明の第2実施例(請求項1、
2、3に対応)を、図5〜図7に基づいて説明する。二
極スパークプラグBは、以下の点が二極スパークプラグ
Aと異なる。
【0040】中心電極3は、ニッケル合金材の内部に良
熱伝導性の銅を封入した複合電極であり、外径はφ1.
8である。又、スパークギャップgは0.7mmであ
る。
【0041】外側電極4は、先端がL字状に屈曲し、ニ
ッケル合金材の内部に良熱伝導性の銅を封入した複合電
極である。外側電極4の放電面41は、図5に示す様に
平面状に形成されている。
【0042】つぎに、二極スパークプラグBの製造方法
を、図6及び図7の製造工程図{(a) 〜(c) }とととも
に述べる。二極スパークプラグAの製造と同様、上記
(1) 〜(3) の工程を実施する。但し、以下の事項を変更
する。上記(2) の工程において、主体金具1の金具先端
面11に溶接する外側電極基材401、401は二極ス
パークプラグAのものより若干短い{図6の(a) }。
【0043】上記(3) の曲げ工程において、曲げパンチ
503が、主体金具1の貫通孔13を貫通して外側電極
基材401、401を曲げ型500の成形面501に押
し付けて短い外側電極基材401、401を塑性変形さ
せると、絶縁碍子2の軸孔21に挿設されて組み付けら
れる中心電極3の発火部径よりも大きい隙間が、外側電
極基材401、401の先端面により形成される。この
曲げ工程により、外側電極4、4(図5に示す)の先端
面(放電面41)が対向配位置し、外側電極4、4が共
に所定の曲げ高さになる。
【0044】本実施例では、上記(4) の打ち抜き工程を
実施せず、上記(5) に準じた碍子組み付け(碍子組み付
け工程)を行う。つぎに、上記(6) に準じた切断工程を
行う。この切断工程において、各外側電極基材401の
先端を、図示上方からレーザービーム5により直線状に
カットする{図7の(c) }。尚、本実施例では、この時
のカット代cは0.6mmである。これにより、図5に
示すスパークプラグBが完成する。
【0045】本実施例のスパークプラグBは、つぎの利
点を有する。 〔ウ〕碍子組み付け工程を終了した後に、レーザーによ
り外側電極基材401、401の先端をカットする構成
であるので、外側電極4の放電面41- 中心電極3の先
端外周面311間のスパークギャップを正確に形成でき
る。これにより、打ち抜き工程を省くことができるとと
もに、手作業によるギャップ調整を行う必要がないので
製造コストを低減できる。
【0046】〔エ〕外側電極基材401、401の先端
面は、レーザービームによりカット(カット代cは0.
7mm)されて表面が荒い放電面41となっているので
着火性が向上する。
【0047】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。 a.金具先端面11に突設される外側電極4の数は、二
個以上であっても良い。 b.外側電極基材401、401の先端面カットの形状
は、その他、V字状、U字状、波形状でも良い。 c.レーザーの種類は適宜、決めれば良い(例えば、Y
AGレーザ)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る二極スパークプラグ
の正面図(上)、及び上面図(下)である。
【図2】その二極スパークプラグの製造工程を示す製造
工程図{(a) 〜(c) }である。
【図3】その二極スパークプラグの製造工程を示す製造
工程図(d) である。
【図4】その二極スパークプラグの製造工程を示す製造
工程図(e) である。
【図5】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
の正面図(上)、及び上面図(下)である。
【図6】その二極スパークプラグの製造工程を示す製造
工程図{(a) 〜(b) }である。
【図7】その二極スパークプラグの製造工程を示す製造
工程図(c) である。
【符号の説明】
1 主体金具 2 絶縁碍子 3 中心電極 4 外側電極 11 金具先端面 21 軸孔 41 放電面 401 外側電極基材 501 成形面 A、B 二極スパーププラグ(多極スパークプラグ)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の主体金具と、該主体金具内に嵌め
    込まれて固定される軸孔付の絶縁碍子と、電極先端が碍
    子先端面から突出する様に軸孔に挿着される中心電極
    と、放電面が前記中心電極の先端外周面と対向する様に
    屈曲して金具先端面に突設される複数の外側電極とを備
    える多極スパークプラグであって、 主体金具の金具先端面に複数の外側電極基材を溶接する
    溶接工程、 外側電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の
    前記成形面に、各外側電極基材を押し当てて塑性変形さ
    せる曲げ工程、 及び各外側電極基材の先端をレーザーにより所定形状に
    カットして、前記外側電極の放電面を形成する切断工程
    を経て製造される多極スパークプラグ。
  2. 【請求項2】 主体金具の金具先端面に複数の外側電極
    基材を溶接する溶接工程と、 外側電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の
    前記成形面に、各外側電極基材を押し当てて塑性変形さ
    せる曲げ工程と、 この主体金具内に、電極先端が碍子先端面から突出する
    様に軸孔に中心電極を挿着した絶縁碍子を固定する碍子
    組み付け工程と、 前記中心電極の先端外周との間にスパークギャップが形
    成されるように、画像処理によりギャップ値を測定しな
    がら各外側電極基材の先端をレーザーにより所定形状に
    カットして、前記外側電極の放電面を形成する切断工程
    とを有する多極スパークプラグの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記曲げ工程を行った主体金具におい
    て、各外側電極基材の先端面により形成される隙間は、
    絶縁碍子の軸孔に挿設されて組み付けられる中心電極の
    発火部径よりも大きい請求項2記載の多極スパークプラ
    グの製造方法。
  4. 【請求項4】 主体金具の金具先端面に複数の外側電極
    基材を溶接する溶接工程と、 外側電極の曲げ形状に対応する成形面を有する曲げ型の
    前記成形面に、各外側電極基材を押し当てて塑性変形さ
    せる曲げ工程と、 各外側電極基材の先部を打ち抜く打抜き工程と、 この主体金具内に、電極先端が碍子先端面から突出する
    様に軸孔に中心電極を挿着した絶縁碍子を固定する碍子
    組み付け工程と、 前記中心電極の先端外周との間にスパークギャップが形
    成されるように、画像処理によりギャップ値を測定しな
    がら各外側電極基材の先端をレーザーにより所定形状に
    カットして、前記外側電極の放電面を形成する切断工程
    とを有する多極スパークプラグの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記打抜き工程を行った主体金具におい
    て、各外側電極基材の先端面により形成される隙間は円
    形断面であり、その隙間直径は絶縁碍子の軸孔に挿設さ
    れて組み付けられる中心電極の発火部直径よりも0.2
    mm以上大きく、 前記所定形状は円弧状面であり、前記切断工程によりカ
    ットされる各外側電極基材のカット代は0.3mm以上
    である請求項4記載の多極スパークプラグの製造方法。
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