JPH10106715A - スパークプラグ用電極の製造方法 - Google Patents
スパークプラグ用電極の製造方法Info
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- JPH10106715A JPH10106715A JP25340896A JP25340896A JPH10106715A JP H10106715 A JPH10106715 A JP H10106715A JP 25340896 A JP25340896 A JP 25340896A JP 25340896 A JP25340896 A JP 25340896A JP H10106715 A JPH10106715 A JP H10106715A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱引きが良く、耐電極消耗性に優れた電極が
製造できる、スパークプラグ用電極の製造方法の提供。 【解決手段】 スパークプラグ用電極の製造方法は、カ
ップ成形工程と、銅材を軸形状に形成する芯材成形工程
と、カップの内底に貴金属チップ700を配設した後に
芯材を嵌め込んで複合体510を製造する嵌合工程と、
複合体510を伸長させる押し出し成形工程と、押し出
し成形体513の先端を削除して貴金属チップ700の
前面701を露出させる先端加工工程とからなる。
製造できる、スパークプラグ用電極の製造方法の提供。 【解決手段】 スパークプラグ用電極の製造方法は、カ
ップ成形工程と、銅材を軸形状に形成する芯材成形工程
と、カップの内底に貴金属チップ700を配設した後に
芯材を嵌め込んで複合体510を製造する嵌合工程と、
複合体510を伸長させる押し出し成形工程と、押し出
し成形体513の先端を削除して貴金属チップ700の
前面701を露出させる先端加工工程とからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関に装着す
るスパークプラグに用いるスパークプラグ用電極(発火
部に貴金属を形成)の製造方法に関する。
るスパークプラグに用いるスパークプラグ用電極(発火
部に貴金属を形成)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパークプラグ用電極の耐消耗性を向上
させる為、従来より、以下の方法等によりスパークプラ
グの電極先端に貴金属(又は貴金属合金)を付ける技術
が知られている。耐熱金属製のカップを製造し、カップ
内に良熱伝導金属製の芯材を嵌め込んで複合体を製造
し、この複合体を押し出し成形により所望の電極形状に
伸長させ、この押し出し成形体の先端に貴金属を溶接す
る。
させる為、従来より、以下の方法等によりスパークプラ
グの電極先端に貴金属(又は貴金属合金)を付ける技術
が知られている。耐熱金属製のカップを製造し、カップ
内に良熱伝導金属製の芯材を嵌め込んで複合体を製造
し、この複合体を押し出し成形により所望の電極形状に
伸長させ、この押し出し成形体の先端に貴金属を溶接す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術には、以下の課題がある。 (あ)押し出し成形体の先端に芯材が露出せず、溶接し
た貴金属の後面が芯材に当接せず電極の熱引きが悪い。
これにより、貴金属の温度が高くなって電極消耗が早い
とともに、耐熱性が悪い。
術には、以下の課題がある。 (あ)押し出し成形体の先端に芯材が露出せず、溶接し
た貴金属の後面が芯材に当接せず電極の熱引きが悪い。
これにより、貴金属の温度が高くなって電極消耗が早い
とともに、耐熱性が悪い。
【0004】(い)貴金属は溶接により電極の先端に接
合されているので接合強度が低いとともに、接合耐久性
に劣る。
合されているので接合強度が低いとともに、接合耐久性
に劣る。
【0005】本発明の第1の目的は、熱引きが良く、耐
電極消耗性に優れた電極が製造できる、スパークプラグ
用電極の製造方法の提供にある。
電極消耗性に優れた電極が製造できる、スパークプラグ
用電極の製造方法の提供にある。
【0006】本発明の第2の目的は、熱引きが良く耐電
極消耗性に優れ、且つ貴金属が脱落しない電極が製造で
きる、スパークプラグ用電極の製造方法の提供にある。
極消耗性に優れ、且つ貴金属が脱落しない電極が製造で
きる、スパークプラグ用電極の製造方法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、以下の構成を採用した。 (1)スパークプラグ用電極の製造方法は、耐熱金属材
をカップ形状に成形するカップ成形工程と、良熱伝導金
属材を軸形状に成形する芯材成形工程と、上記カップの
内底に貴金属チップを配置した後に上記芯材を嵌め込ん
で複合体を製造する嵌合工程と、前記複合体を電極形状
に成形する押し出し成形工程と、この押し出し成形体の
先端を削除して前記貴金属チップの前面を露出させる先
端加工工程とを有する。
本発明は、以下の構成を採用した。 (1)スパークプラグ用電極の製造方法は、耐熱金属材
をカップ形状に成形するカップ成形工程と、良熱伝導金
属材を軸形状に成形する芯材成形工程と、上記カップの
内底に貴金属チップを配置した後に上記芯材を嵌め込ん
で複合体を製造する嵌合工程と、前記複合体を電極形状
に成形する押し出し成形工程と、この押し出し成形体の
先端を削除して前記貴金属チップの前面を露出させる先
端加工工程とを有する。
【0008】(2)上記(1) のスパークプラグ用電極の
製造方法において、非酸化雰囲気中で前記複合体を焼き
鈍す焼鈍工程を加えた。
製造方法において、非酸化雰囲気中で前記複合体を焼き
鈍す焼鈍工程を加えた。
【0009】(3)上記(1) 又は(2) のスパークプラグ
用電極の製造方法において、上記カップの内底は円錐状
であり、該カップ内底に配置される前記貴金属チップの
形状は、球又は円柱である。
用電極の製造方法において、上記カップの内底は円錐状
であり、該カップ内底に配置される前記貴金属チップの
形状は、球又は円柱である。
【0010】(4)上記(1) 乃至(3) のスパークプラグ
用電極の製造方法において、貴金属チップは、Pt- N
i合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、Pt
- Rh合金、Ir、又はIr合金である。
用電極の製造方法において、貴金属チップは、Pt- N
i合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、Pt
- Rh合金、Ir、又はIr合金である。
【0011】(5)スパークプラグ用電極の製造方法
は、耐熱金属材をカップ形状に成形するカップ成形工程
と、良熱伝導金属材を軸形状に成形する芯材成形工程
と、上記カップの内底に良熱伝導性の金属チップを配置
した後に上記芯材を嵌め込んで複合体を製造する嵌合工
程と、前記複合体を電極形状に成形する押し出し成形工
程と、この押し出し成形体の先端を削除して前記金属チ
ップの前面を露出させる先端加工工程と、後面が前記金
属チップの前端面に接する様に先端面に貴金属を溶接す
る貴金属溶接工程とを有する。
は、耐熱金属材をカップ形状に成形するカップ成形工程
と、良熱伝導金属材を軸形状に成形する芯材成形工程
と、上記カップの内底に良熱伝導性の金属チップを配置
した後に上記芯材を嵌め込んで複合体を製造する嵌合工
程と、前記複合体を電極形状に成形する押し出し成形工
程と、この押し出し成形体の先端を削除して前記金属チ
ップの前面を露出させる先端加工工程と、後面が前記金
属チップの前端面に接する様に先端面に貴金属を溶接す
る貴金属溶接工程とを有する。
【0012】(6)上記(5) のスパークプラグ用電極の
製造方法において、非酸化雰囲気中で前記複合体を焼き
鈍す焼鈍工程を加えた。
製造方法において、非酸化雰囲気中で前記複合体を焼き
鈍す焼鈍工程を加えた。
【0013】(7)上記(5) 又は(6) のスパークプラグ
用電極の製造方法において、前記金属チップの形状は、
球又は円柱である。
用電極の製造方法において、前記金属チップの形状は、
球又は円柱である。
【0014】(8)上記(5) 乃至(7) の何れかのスパー
クプラグ用電極の製造方法において、前記貴金属は、P
t- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合
金、Pt- Rh合金、Ir、又はIr合金である。
クプラグ用電極の製造方法において、前記貴金属は、P
t- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合
金、Pt- Rh合金、Ir、又はIr合金である。
【0015】
〔請求項1について〕耐熱金属材をカップ形状に成形
し、良熱伝導金属材を軸形状に成形し、カップの内底に
貴金属チップを配置した後に芯材を嵌め込んで複合体を
製造し、この複合体を押し出し成形により電極形状に伸
長させる。そして、この押し出し成形体の先端を削除す
ると貴金属チップの前面が露出する。更に、後端に鍔部
を形成したり、或いは、L字状に曲げると、スパークプ
ラグの中心電極や外側電極になる。
し、良熱伝導金属材を軸形状に成形し、カップの内底に
貴金属チップを配置した後に芯材を嵌め込んで複合体を
製造し、この複合体を押し出し成形により電極形状に伸
長させる。そして、この押し出し成形体の先端を削除す
ると貴金属チップの前面が露出する。更に、後端に鍔部
を形成したり、或いは、L字状に曲げると、スパークプ
ラグの中心電極や外側電極になる。
【0016】貴金属チップの後面が芯材に当接している
ので電極の熱引きが良い。この為、本構成を採用すれ
ば、耐電極消耗性に優れ(熱引きが良く貴金属チップの
温度が高くならない為)、且つ、耐熱性が良好な電極を
容易に製造できる。
ので電極の熱引きが良い。この為、本構成を採用すれ
ば、耐電極消耗性に優れ(熱引きが良く貴金属チップの
温度が高くならない為)、且つ、耐熱性が良好な電極を
容易に製造できる。
【0017】貴金属チップは、耐熱金属材と芯材に囲ま
れているので、接合強度が高いとともに、接合耐久性に
優れる。この為、貴金属チップの脱落(使用中)が防止
できる。
れているので、接合強度が高いとともに、接合耐久性に
優れる。この為、貴金属チップの脱落(使用中)が防止
できる。
【0018】〔請求項2について〕カップの内底に貴金
属チップを配置した後に上記芯材を嵌め込んで複合体を
製造し、この複合体に焼鈍処理を施した後、押し出し成
形を行い電極形状に伸長させる。非酸化雰囲気中で複合
体を焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘りがでて押し
出し成形し易くなり、且つ、カップと貴金属チップ、カ
ップと芯材とが拡散接合される為、内部に空隙が生じ難
い。
属チップを配置した後に上記芯材を嵌め込んで複合体を
製造し、この複合体に焼鈍処理を施した後、押し出し成
形を行い電極形状に伸長させる。非酸化雰囲気中で複合
体を焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘りがでて押し
出し成形し易くなり、且つ、カップと貴金属チップ、カ
ップと芯材とが拡散接合される為、内部に空隙が生じ難
い。
【0019】〔請求項3について〕カップの内底は円錐
状であり、内底に配置される貴金属チップの形状は球又
は円柱である。この為、カップの内底に貴金属チップを
配置した後に芯材を嵌め込んで複合体を製造する際に貴
金属チップがうまく変形し、隙間ができない。
状であり、内底に配置される貴金属チップの形状は球又
は円柱である。この為、カップの内底に貴金属チップを
配置した後に芯材を嵌め込んで複合体を製造する際に貴
金属チップがうまく変形し、隙間ができない。
【0020】〔請求項4について〕貴金属チップがPt
- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
Pt- Rh合金、Ir、Ir合金であるので電極の耐消
耗性が効果的に向上する。
- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
Pt- Rh合金、Ir、Ir合金であるので電極の耐消
耗性が効果的に向上する。
【0021】〔請求項5について〕耐熱金属材をカップ
形状に成形し、良熱伝導金属材を軸形状に成形し、カッ
プの内底に良熱伝導性の金属チップを配置した後に芯材
を嵌め込んで複合体を製造し、この複合体を押し出し成
形により電極形状に伸長させる。そして、この押し出し
成形体の先端を削除すると金属チップの前面が露出す
る。つぎに、後面が金属チップの前端面に接する様に先
端面に貴金属を溶接する。更に、後端に鍔部を形成した
り、或いは、L字状に曲げると、スパークプラグの中心
電極、及び外側電極となる。
形状に成形し、良熱伝導金属材を軸形状に成形し、カッ
プの内底に良熱伝導性の金属チップを配置した後に芯材
を嵌め込んで複合体を製造し、この複合体を押し出し成
形により電極形状に伸長させる。そして、この押し出し
成形体の先端を削除すると金属チップの前面が露出す
る。つぎに、後面が金属チップの前端面に接する様に先
端面に貴金属を溶接する。更に、後端に鍔部を形成した
り、或いは、L字状に曲げると、スパークプラグの中心
電極、及び外側電極となる。
【0022】電極先端に溶接される貴金属の後面が良熱
伝導金属性の金属チップに接しているので電極の熱引き
が良い。この為、本構成を採用すれば、耐電極消耗性に
優れ(熱引きが良く、貴金属の温度が高くならない
為)、且つ、耐熱性が良好な電極を容易に製造できる。
伝導金属性の金属チップに接しているので電極の熱引き
が良い。この為、本構成を採用すれば、耐電極消耗性に
優れ(熱引きが良く、貴金属の温度が高くならない
為)、且つ、耐熱性が良好な電極を容易に製造できる。
【0023】〔請求項6について〕カップの内底に良熱
伝導性の金属チップを配置した後に上記芯材を嵌め込ん
で複合体を製造し、この複合体に焼鈍処理を施した後、
押し出し成形を行い電極形状に伸長させる。非酸化雰囲
気中で複合体を焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘り
がでて押し出し成形し易くなり、且つ、カップと貴金属
チップ、カップと芯材とが拡散接合される為、内部に空
隙が生じ難い。
伝導性の金属チップを配置した後に上記芯材を嵌め込ん
で複合体を製造し、この複合体に焼鈍処理を施した後、
押し出し成形を行い電極形状に伸長させる。非酸化雰囲
気中で複合体を焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘り
がでて押し出し成形し易くなり、且つ、カップと貴金属
チップ、カップと芯材とが拡散接合される為、内部に空
隙が生じ難い。
【0024】〔請求項7について〕カップの内底は円錐
状であり、該カップ内底に配置される金属チップの形状
は球又は円柱である。この為、カップ内底に金属チップ
を配置した後に芯材を嵌め込んで複合体を製造する際に
金属チップがうまく変形し、隙間ができない。
状であり、該カップ内底に配置される金属チップの形状
は球又は円柱である。この為、カップ内底に金属チップ
を配置した後に芯材を嵌め込んで複合体を製造する際に
金属チップがうまく変形し、隙間ができない。
【0025】〔請求項8について〕貴金属チップがPt
- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
Pt- Rh合金、Ir、又はIr合金であるので電極の
耐消耗性が効果的に向上する。
- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
Pt- Rh合金、Ir、又はIr合金であるので電極の
耐消耗性が効果的に向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の第1実施例(請求項1、
2、3、4に対応)を、図1〜図3に基づいて説明す
る。スパークプラグAは、図1に示す様に、筒状の主体
金具1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔
21付の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定される中心電
極3と、金具先端面11に突設される外側電極4とを備
える。
2、3、4に対応)を、図1〜図3に基づいて説明す
る。スパークプラグAは、図1に示す様に、筒状の主体
金具1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔
21付の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定される中心電
極3と、金具先端面11に突設される外側電極4とを備
える。
【0027】主体金具1は、低炭素鋼で製造され、外側
電極4を金具先端面11に溶接している。又、主体金具
1の先端外周にはネジ12が螺刻され、ガスケット(図
示せず)を介して内燃機関のシリンダヘッド(図示せ
ず)に装着される。
電極4を金具先端面11に溶接している。又、主体金具
1の先端外周にはネジ12が螺刻され、ガスケット(図
示せず)を介して内燃機関のシリンダヘッド(図示せ
ず)に装着される。
【0028】絶縁碍子2は、アルミナを主体とするセラ
ミックで製造され、パッキン(図示せず)を介して座面
を主体金具1の段部に係止し、主体金具1の六角頭部
(図示せず)を加締めることにより、金具先端面11か
ら碍子先端部22が突出する様に主体金具1内に固定さ
れる。
ミックで製造され、パッキン(図示せず)を介して座面
を主体金具1の段部に係止し、主体金具1の六角頭部
(図示せず)を加締めることにより、金具先端面11か
ら碍子先端部22が突出する様に主体金具1内に固定さ
れる。
【0029】中心電極3は、先端部が、碍子先端面20
から数mm突き出る様に軸孔21内に固定されている。
この中心電極3は、ニッケル合金材31(本実施例では
インコネル600 )の内部に良熱伝導性の銅材32及び貴
金属33(Pt合金)を封入した複合材で形成されてい
る。又、貴金属33の後面332が銅や銅合金等の銅材
32の先端面321に接している。
から数mm突き出る様に軸孔21内に固定されている。
この中心電極3は、ニッケル合金材31(本実施例では
インコネル600 )の内部に良熱伝導性の銅材32及び貴
金属33(Pt合金)を封入した複合材で形成されてい
る。又、貴金属33の後面332が銅や銅合金等の銅材
32の先端面321に接している。
【0030】外側電極4は、軸方向断面が略L字状を呈
し、断面が矩形のニッケル合金材40(本実施例ではイ
ンコネル600 )により形成されている。この外側電極4
の先端内面41は、中心電極3の先端面(ニッケル合金
材31の先端面311、貴金属33の前面331)と平
行に対向位置し、気中放電が行われる。
し、断面が矩形のニッケル合金材40(本実施例ではイ
ンコネル600 )により形成されている。この外側電極4
の先端内面41は、中心電極3の先端面(ニッケル合金
材31の先端面311、貴金属33の前面331)と平
行に対向位置し、気中放電が行われる。
【0031】中心電極3は、以下の製造工程を経て製造
される(図2、図3参照)。 (1) カップ成形工程 円柱状のニッケル合金材を、ダイスD1、パンチP0、
P1からなる鍛造装置により冷間鍛造し、上面に浅い窪
み501、下面外周に丸み502を有する中間体503
を製造する{図2の(a) 参照}。更に、ダイスD2、パ
ンチP2、及び押し出しピンpからなる鍛造装置により
冷間鍛造する。これにより、底面が円錐状の凹部504
を有するカップ506が成形される{図2の(b) 参
照}。
される(図2、図3参照)。 (1) カップ成形工程 円柱状のニッケル合金材を、ダイスD1、パンチP0、
P1からなる鍛造装置により冷間鍛造し、上面に浅い窪
み501、下面外周に丸み502を有する中間体503
を製造する{図2の(a) 参照}。更に、ダイスD2、パ
ンチP2、及び押し出しピンpからなる鍛造装置により
冷間鍛造する。これにより、底面が円錐状の凹部504
を有するカップ506が成形される{図2の(b) 参
照}。
【0032】(2) 芯材成形工程 冷間鍛造や切削等(図示せず)により、銅材を、凹部5
04に対応した軸部602、及び径大の鍔部603を有
する略砲弾形(軸形状)に成形する{図2の(d) 上参
照}。
04に対応した軸部602、及び径大の鍔部603を有
する略砲弾形(軸形状)に成形する{図2の(d) 上参
照}。
【0033】(3) 嵌合工程 球形の貴金属チップ(Pt合金)700をカップ506
内に配置し{図2の(c) 参照}、ダイスD3、プランジ
ャーP3、及び押し出しピンpからなる嵌合装置のダイ
スD3内にこれを装着し、芯材600をプランジャーP
3によりカップ506内に挿入して複合体510を製造
する{図2の(d) 、(e) 参照}。
内に配置し{図2の(c) 参照}、ダイスD3、プランジ
ャーP3、及び押し出しピンpからなる嵌合装置のダイ
スD3内にこれを装着し、芯材600をプランジャーP
3によりカップ506内に挿入して複合体510を製造
する{図2の(d) 、(e) 参照}。
【0034】(4) 焼鈍工程 複合体510を、非酸化雰囲気中で900℃×1Hr焼
き鈍し処理を行う。
き鈍し処理を行う。
【0035】(5) 押し出し成形工程 焼き鈍しが完了した複合体510を、小径穴を有するダ
イスD4とパンチP4とを用いて押し出し成形し、径小
化と伸長とを行う{図3の(f) 参照}。後端の未成形部
512をカットする{図3の(g) 参照}。
イスD4とパンチP4とを用いて押し出し成形し、径小
化と伸長とを行う{図3の(f) 参照}。後端の未成形部
512をカットする{図3の(g) 参照}。
【0036】(6) 鍔部形成工程 この成形体513において、後端部に鍔部514を形成
し、鍔部514の上面に十文字のスリット515を形成
する。又、成形体513の先端を径小に切削する{図3
の(h) 参照}。尚、成形体513の先端の径小は押し出
し成形によって形成しても良い。
し、鍔部514の上面に十文字のスリット515を形成
する。又、成形体513の先端を径小に切削する{図3
の(h) 参照}。尚、成形体513の先端の径小は押し出
し成形によって形成しても良い。
【0037】(7) 先端加工工程 この成形体516の先端を切削して貴金属チップ700
(=貴金属33)の前面701(=前面331)を露出
させる。尚、芯材600(=銅材32)の前端面604
(=先端面321)が貴金属チップ700の後面702
(=後端面332)に接している{図3の(i) 参照}。
(=貴金属33)の前面701(=前面331)を露出
させる。尚、芯材600(=銅材32)の前端面604
(=先端面321)が貴金属チップ700の後面702
(=後端面332)に接している{図3の(i) 参照}。
【0038】そして、この成形体517を絶縁碍子2の
軸孔21内に先端が突出する様に配し、公知の導電性ガ
ラス・抵抗体からなるガラスシール材により加熱封着し
て中心電極3となる。
軸孔21内に先端が突出する様に配し、公知の導電性ガ
ラス・抵抗体からなるガラスシール材により加熱封着し
て中心電極3となる。
【0039】つぎに、本実施例の利点を述べる。 〔ア〕上記(1) 〜(6) の工程を経て製造した中心電極3
を採用したスパークプラグAは、中心電極3の先端面3
11に貴金属33(Pt合金製)の前面331が露出し
後面332が銅材32の先端面321に接しているので
中心電極3の熱引きが良い。
を採用したスパークプラグAは、中心電極3の先端面3
11に貴金属33(Pt合金製)の前面331が露出し
後面332が銅材32の先端面321に接しているので
中心電極3の熱引きが良い。
【0040】この為、従来の貴金属を配設したスパーク
プラグに比べ、スパークプラグAは、中心電極3の耐消
耗性に優れる(貴金属33の温度が高くならない為)と
ともに、耐熱性が良好である。尚、貴金属33は、Pt
合金(Pt- Ir合金、Pt- Ni合金、Pt- Ir-
Ni合金、Pt- Rh合金)以外に、Ir、Ir合金を
使用しても同様に中心電極3の耐消耗性を向上させるこ
とができる。
プラグに比べ、スパークプラグAは、中心電極3の耐消
耗性に優れる(貴金属33の温度が高くならない為)と
ともに、耐熱性が良好である。尚、貴金属33は、Pt
合金(Pt- Ir合金、Pt- Ni合金、Pt- Ir-
Ni合金、Pt- Rh合金)以外に、Ir、Ir合金を
使用しても同様に中心電極3の耐消耗性を向上させるこ
とができる。
【0041】〔イ〕貴金属33は、ニッケル合金材31
と銅材32に囲まれているので、接合強度が高いととも
に、接合耐久性に優れる。この為、スパークプラグAの
使用中における貴金属33の脱落が防止できる。
と銅材32に囲まれているので、接合強度が高いととも
に、接合耐久性に優れる。この為、スパークプラグAの
使用中における貴金属33の脱落が防止できる。
【0042】〔ウ〕複合体510を、非酸化雰囲気中で
900℃×1Hr焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘
りがでる。これにより、上記(5) の押し出し成形工程に
おいて罅や内部に空隙等の無い成形体513を製造する
ことができる。
900℃×1Hr焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘
りがでる。これにより、上記(5) の押し出し成形工程に
おいて罅や内部に空隙等の無い成形体513を製造する
ことができる。
【0043】〔エ〕カップ506の内底は円錐状であ
り、内底に配置される貴金属チップ700の形状は球形
である。この為、カップ506の内底に貴金属チップ7
00を配置した後に芯材600を嵌め込んで複合体51
0を製造する際に貴金属チップ700がうまく変形し、
隙間の発生が防止できる。尚、貴金属チップ700の形
状が円柱状であっても同様である。
り、内底に配置される貴金属チップ700の形状は球形
である。この為、カップ506の内底に貴金属チップ7
00を配置した後に芯材600を嵌め込んで複合体51
0を製造する際に貴金属チップ700がうまく変形し、
隙間の発生が防止できる。尚、貴金属チップ700の形
状が円柱状であっても同様である。
【0044】〔オ〕スパークプラグAは、上記(6) 及び
(7) の先端加工工程において、成形体513の先端を径
小に形成しているので放電電圧を長期に亘って低く保持
することができる。即ち、火花放電は、初期に放電電圧
の低いニッケル合金31の先端311で行われるととも
に、ニッケル合金材の消耗と共に径小の貴金属33の前
面331が突出し、前面331で放電が生じる為、長期
間、放電電圧が低く保持され、スパークギャップの増大
も少なく、貴金属33による耐久性の向上効果を有効に
活用できる。又、発火部が細くなり電極の消炎作用が低
減するので着火性に優れる。
(7) の先端加工工程において、成形体513の先端を径
小に形成しているので放電電圧を長期に亘って低く保持
することができる。即ち、火花放電は、初期に放電電圧
の低いニッケル合金31の先端311で行われるととも
に、ニッケル合金材の消耗と共に径小の貴金属33の前
面331が突出し、前面331で放電が生じる為、長期
間、放電電圧が低く保持され、スパークギャップの増大
も少なく、貴金属33による耐久性の向上効果を有効に
活用できる。又、発火部が細くなり電極の消炎作用が低
減するので着火性に優れる。
【0045】つぎに、本発明の第2実施例(請求項1、
2、3、4に対応)を、図4〜図6に基づいて説明す
る。二極スパークプラグBは、図4に示す様に、筒状の
主体金具1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される
軸孔21付の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定される中
心電極3と、略L字状に屈曲して金具先端面11に突設
される外側電極4とを備え、以下の構成以外はスパーク
プラグAと同様である。
2、3、4に対応)を、図4〜図6に基づいて説明す
る。二極スパークプラグBは、図4に示す様に、筒状の
主体金具1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される
軸孔21付の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定される中
心電極3と、略L字状に屈曲して金具先端面11に突設
される外側電極4とを備え、以下の構成以外はスパーク
プラグAと同様である。
【0046】中心電極3は、先端部が、碍子先端面20
から突き出る様に軸孔21内に固定されている。この中
心電極3は、ニッケル合金材31(本実施例ではインコ
ネル600 )の内部に良熱伝導性の銅材を封入した複合材
で形成されている。尚、外側電極4の先端と対設する先
端外周面30に公知の貴金属層を設けても良い。
から突き出る様に軸孔21内に固定されている。この中
心電極3は、ニッケル合金材31(本実施例ではインコ
ネル600 )の内部に良熱伝導性の銅材を封入した複合材
で形成されている。尚、外側電極4の先端と対設する先
端外周面30に公知の貴金属層を設けても良い。
【0047】軸方向断面が略L字状を呈する外側電極4
は、ニッケル合金材40の内部に銅や銅合金等の銅材4
2と貴金属43(Pt合金)とを封入した複合材で形成
されている。この外側電極4の先端面(ニッケル合金材
40の先端面401、貴金属43の前部433)と、中
心電極3の先端外周面30と対向位置し、気中放電が行
われる。尚、貴金属43の後面432が銅材42の前端
面421に接している。
は、ニッケル合金材40の内部に銅や銅合金等の銅材4
2と貴金属43(Pt合金)とを封入した複合材で形成
されている。この外側電極4の先端面(ニッケル合金材
40の先端面401、貴金属43の前部433)と、中
心電極3の先端外周面30と対向位置し、気中放電が行
われる。尚、貴金属43の後面432が銅材42の前端
面421に接している。
【0048】外側電極4は、以下の製造工程を経て製造
される(図5、図6参照)。尚、(1) は第1実施例と同
様である。 (1) カップ成形工程{図5の(a) 、(b) 参照}。
される(図5、図6参照)。尚、(1) は第1実施例と同
様である。 (1) カップ成形工程{図5の(a) 、(b) 参照}。
【0049】(2) 芯材成形工程 冷間鍛造や切削等(図示せず)により、銅材を、凹部5
04に対応した軸部602を有する円柱形状(軸形状)
に成形する{図5の(d) 上参照}。
04に対応した軸部602を有する円柱形状(軸形状)
に成形する{図5の(d) 上参照}。
【0050】(3) 嵌合工程 円柱状の貴金属チップ(Pt合金)700をカップ50
6内に配置し{図5の(c) 参照}、ダイスD3、プラン
ジャーP3、及び押し出しピンpからなる嵌合装置のダ
イスD3内にこれを装着し、芯材600をプランジャー
P3によりカップ506内に挿入して複合体510を製
造する{図5の(d) 、(e) 参照}。
6内に配置し{図5の(c) 参照}、ダイスD3、プラン
ジャーP3、及び押し出しピンpからなる嵌合装置のダ
イスD3内にこれを装着し、芯材600をプランジャー
P3によりカップ506内に挿入して複合体510を製
造する{図5の(d) 、(e) 参照}。
【0051】(4) 焼鈍工程 複合体510を、非酸化雰囲気中で900℃×1Hr焼
き鈍し処理を行う。
き鈍し処理を行う。
【0052】(5) 押し出し成形工程 焼き鈍しが完了した複合体510を、小さい矩形穴を有
するダイスD4とパンチP4とを用いて押し出し成形
し、縮小化と伸長とを行う{図6の(f) 参照}。後端の
未成形部512をカットする{図6の(g) 参照}。
するダイスD4とパンチP4とを用いて押し出し成形
し、縮小化と伸長とを行う{図6の(f) 参照}。後端の
未成形部512をカットする{図6の(g) 参照}。
【0053】(6) 先端加工工程 未成形部512をカットした成形体513の先端を縮小
に、切削又は押し出し成形により形成し、更に、先端を
切削して貴金属チップ700(=貴金属43)の前面7
01(=前部433)を露出させる。尚、芯材600
(=銅材42)の前端面が貴金属チップ700の後面に
当接する{図6の(h) 参照}。
に、切削又は押し出し成形により形成し、更に、先端を
切削して貴金属チップ700(=貴金属43)の前面7
01(=前部433)を露出させる。尚、芯材600
(=銅材42)の前端面が貴金属チップ700の後面に
当接する{図6の(h) 参照}。
【0054】この成形体517を金具先端面11に溶接
後、略L字状に曲げられ、外側電極4となる。
後、略L字状に曲げられ、外側電極4となる。
【0055】本実施例は、つぎの利点を有する。 〔カ〕上記(1) 〜(6) の工程を経て製造した外側電極4
を採用したスパークプラグBは、外側電極4の先端面4
01に貴金属43(Pt合金製)の前部433が露出し
後面432が銅材42の前端面421に接しているので
外側電極4の熱引きが良い。
を採用したスパークプラグBは、外側電極4の先端面4
01に貴金属43(Pt合金製)の前部433が露出し
後面432が銅材42の前端面421に接しているので
外側電極4の熱引きが良い。
【0056】この為、従来の貴金属を配設したスパーク
プラグに比べ、スパークプラグBは、外側電極4の耐消
耗性に優れる(貴金属43の温度が高くならない為)と
ともに、耐熱性が良好である。尚、貴金属43は、Pt
- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
又はPt- Rh合金等のPt合金以外に、IrやIr合
金を使用しても同様に中心電極3の耐消耗性を向上させ
ることができる。
プラグに比べ、スパークプラグBは、外側電極4の耐消
耗性に優れる(貴金属43の温度が高くならない為)と
ともに、耐熱性が良好である。尚、貴金属43は、Pt
- Ni合金、Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、
又はPt- Rh合金等のPt合金以外に、IrやIr合
金を使用しても同様に中心電極3の耐消耗性を向上させ
ることができる。
【0057】〔キ〕貴金属43は、ニッケル合金材40
と銅材42に囲まれているので、接合強度が高いととも
に、接合耐久性に優れる。この為、スパークプラグBの
使用中における貴金属43の脱落が防止できる。
と銅材42に囲まれているので、接合強度が高いととも
に、接合耐久性に優れる。この為、スパークプラグBの
使用中における貴金属43の脱落が防止できる。
【0058】〔ク〕複合体510を、非酸化雰囲気中で
900℃×1Hr焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘
りがでる。これにより、上記(5) の押し出し成形工程に
おいて罅や内部に空隙等の無い成形体513を製造する
ことができる。
900℃×1Hr焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘
りがでる。これにより、上記(5) の押し出し成形工程に
おいて罅や内部に空隙等の無い成形体513を製造する
ことができる。
【0059】〔ケ〕カップ506の内底は円錐状であ
り、内底に配置される貴金属チップ700の形状は円柱
形である。この為、カップ506の内底に貴金属チップ
700を配置した後に芯材600を嵌め込んで複合体5
10を製造する際に貴金属チップ700がうまく変形
し、隙間の発生が防止できる。尚、貴金属チップ700
の形状が球形であっても同様である。
り、内底に配置される貴金属チップ700の形状は円柱
形である。この為、カップ506の内底に貴金属チップ
700を配置した後に芯材600を嵌め込んで複合体5
10を製造する際に貴金属チップ700がうまく変形
し、隙間の発生が防止できる。尚、貴金属チップ700
の形状が球形であっても同様である。
【0060】〔コ〕スパークプラグBは、上記(6) の先
端加工工程において、成形体513の先端を縮小に形成
しているので初期にはニッケル合金材43で、ニッケル
合金消耗とともに火花放電が貴金属43との間で行わ
れ、貴金属43による耐久性の向上効果を有効に活用で
きる。又、発火部が細くなり電極の消炎作用が低減する
ので着火性に優れる。
端加工工程において、成形体513の先端を縮小に形成
しているので初期にはニッケル合金材43で、ニッケル
合金消耗とともに火花放電が貴金属43との間で行わ
れ、貴金属43による耐久性の向上効果を有効に活用で
きる。又、発火部が細くなり電極の消炎作用が低減する
ので着火性に優れる。
【0061】つぎに、本発明の第3実施例(請求項5、
6、7、8に対応)を、図7〜図9に基づいて述べる。
スパークプラグCは、図7に示す様に、筒状の主体金具
1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔21
付の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定される中心電極3
と、略L字状に屈曲して金具先端面11に突設される外
側電極4とを備え、以下の構成以外はスパークプラグA
と同様である。
6、7、8に対応)を、図7〜図9に基づいて述べる。
スパークプラグCは、図7に示す様に、筒状の主体金具
1と、主体金具1内に嵌め込まれて固定される軸孔21
付の絶縁碍子2と、軸孔21内に固定される中心電極3
と、略L字状に屈曲して金具先端面11に突設される外
側電極4とを備え、以下の構成以外はスパークプラグA
と同様である。
【0062】中心電極3は、ニッケル合金材31(本実
施例ではインコネル600 )の内部に良熱伝導性の銅や銅
合金等の銅材32、320を封入した複合材で形成さ
れ、ニッケル合金材31の先端面311には貴金属33
がレーザー溶接312されている。
施例ではインコネル600 )の内部に良熱伝導性の銅や銅
合金等の銅材32、320を封入した複合材で形成さ
れ、ニッケル合金材31の先端面311には貴金属33
がレーザー溶接312されている。
【0063】この中心電極3は、以下の工程を経て製造
される(図8、図9参照)。尚、(1) は第1実施例と同
様である。 (1) カップ成形工程{図8の(a) 、(b) 参照}。
される(図8、図9参照)。尚、(1) は第1実施例と同
様である。 (1) カップ成形工程{図8の(a) 、(b) 参照}。
【0064】(2) 芯材成形工程 冷間鍛造や切削等(図示せず)により、銅材を、凹部5
04に対応した軸部602を有する円柱形状(軸形状)
に成形する{図8の(d) 上参照}。
04に対応した軸部602を有する円柱形状(軸形状)
に成形する{図8の(d) 上参照}。
【0065】(3) 嵌合工程 球状の銅材チップ800をカップ506内に配置し{図
8の(c) 参照}、ダイスD3、プランジャーP3、及び
押し出しピンpからなる嵌合装置のダイスD3内にこれ
を装着し、芯材600をプランジャーP3によりカップ
506内に挿入して複合体510を製造する{図8の
(d) 、(e) 参照}。
8の(c) 参照}、ダイスD3、プランジャーP3、及び
押し出しピンpからなる嵌合装置のダイスD3内にこれ
を装着し、芯材600をプランジャーP3によりカップ
506内に挿入して複合体510を製造する{図8の
(d) 、(e) 参照}。
【0066】(4) 焼鈍工程 複合体510を、非酸化雰囲気中で900℃×1Hr焼
き鈍し処理を行う。
き鈍し処理を行う。
【0067】(5) 押し出し成形工程 焼き鈍しが完了した複合体510を、小径穴を有するダ
イスD4とパンチP4とを用いて押し出し成形し、径小
化と伸長とを行う{図9の(f) 参照}。後端の未成形部
512をカットする{図9の(g) 参照}。
イスD4とパンチP4とを用いて押し出し成形し、径小
化と伸長とを行う{図9の(f) 参照}。後端の未成形部
512をカットする{図9の(g) 参照}。
【0068】(6) 鍔部形成工程 未成形部512をカットした成形体513の後端部に鍔
部514を形成し、鍔部514の上面に十文字のスリッ
ト515を形成する{図9の(h) 参照}。更に、成形体
516の先端を径小に、切削又は押し出し成形により形
成する。
部514を形成し、鍔部514の上面に十文字のスリッ
ト515を形成する{図9の(h) 参照}。更に、成形体
516の先端を径小に、切削又は押し出し成形により形
成する。
【0069】(7) 先端加工工程 この成形体517の先端を切削して銅材チップ800
(=銅材320)の前面801(=前面321)を露出
させる{図9の(i) 参照}。尚、銅材チップ800(=
銅材320)の前面801(先端面321)が貴金属3
3の後面332に接する。
(=銅材320)の前面801(=前面321)を露出
させる{図9の(i) 参照}。尚、銅材チップ800(=
銅材320)の前面801(先端面321)が貴金属3
3の後面332に接する。
【0070】(8) 貴金属溶接工程 この成形体517の先端面(=先端面311)に貴金属
33をレーザー溶接312する。この時、銅材チップ8
00(銅材320)の前端面801(=前面321)が
露出しているので、貴金属33の後面332が銅材チッ
プ800(銅材320)に接する{図9の(j) 参照}。
33をレーザー溶接312する。この時、銅材チップ8
00(銅材320)の前端面801(=前面321)が
露出しているので、貴金属33の後面332が銅材チッ
プ800(銅材320)に接する{図9の(j) 参照}。
【0071】そして、この成形体517を絶縁碍子2の
軸孔21内に先端が突出する様に配し、公知のガラスシ
ール材により加熱封着して中心電極3となる。
軸孔21内に先端が突出する様に配し、公知のガラスシ
ール材により加熱封着して中心電極3となる。
【0072】つぎに、本実施例の利点を述べる。 〔サ〕上記(1) 〜(8) の工程を経て製造した中心電極3
を採用したスパークプラグCは、ニッケル合金材31の
先端面311にレーザー溶接される貴金属33の後面3
32が銅材320の先端面321に接しているので、中
心電極3の熱引きが良い。この為、従来の貴金属を配設
したスパークプラグに比べ、スパークプラグAは、中心
電極3の耐消耗性に優れる(貴金属33の温度が高くな
らない)とともに、耐熱性が良好である。
を採用したスパークプラグCは、ニッケル合金材31の
先端面311にレーザー溶接される貴金属33の後面3
32が銅材320の先端面321に接しているので、中
心電極3の熱引きが良い。この為、従来の貴金属を配設
したスパークプラグに比べ、スパークプラグAは、中心
電極3の耐消耗性に優れる(貴金属33の温度が高くな
らない)とともに、耐熱性が良好である。
【0073】〔シ〕複合体510を、非酸化雰囲気中で
900℃×1Hr焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘
りがでる。これにより、上記(5) の押し出し成形工程に
おいて、罅や内部に空隙等の無い成形体513を製造す
ることができる。
900℃×1Hr焼き鈍す焼鈍処理を施すことにより粘
りがでる。これにより、上記(5) の押し出し成形工程に
おいて、罅や内部に空隙等の無い成形体513を製造す
ることができる。
【0074】〔ス〕カップ506の内底は円錐状であ
り、内底に配置される銅材チップ800の形状は球形で
ある。この為、カップ506の内底に銅材チップ800
を配置した後に芯材600を嵌め込んで複合体510を
製造する際に銅材チップ800がうまく変形し、隙間の
発生が防止できる。尚、銅材チップ800の形状が円柱
状であっても同様である。
り、内底に配置される銅材チップ800の形状は球形で
ある。この為、カップ506の内底に銅材チップ800
を配置した後に芯材600を嵌め込んで複合体510を
製造する際に銅材チップ800がうまく変形し、隙間の
発生が防止できる。尚、銅材チップ800の形状が円柱
状であっても同様である。
【0075】〔セ〕スパークプラグAは、上記(8) の貴
金属溶接工程において、成形体517の先端を径小に形
成しているので火花放電が貴金属33との間で行われ、
貴金属33による耐久性の向上効果を有効に活用でき
る。又、発火部が細くなり電極の消炎作用が低減するの
で着火性に優れる。
金属溶接工程において、成形体517の先端を径小に形
成しているので火花放電が貴金属33との間で行われ、
貴金属33による耐久性の向上効果を有効に活用でき
る。又、発火部が細くなり電極の消炎作用が低減するの
で着火性に優れる。
【0076】本発明は、上記実施例以外に、つぎの実施
態様を含む。 a.銅合金としては、Cu- Cr合金、Cu- Zr合
金、Cu- Cr- Zr合金等を有効に使用できる。 b.外側電極の極数は、三極以上であっても良い。
態様を含む。 a.銅合金としては、Cu- Cr合金、Cu- Zr合
金、Cu- Cr- Zr合金等を有効に使用できる。 b.外側電極の極数は、三極以上であっても良い。
【図1】本発明の第1実施例に係るスパークプラグの部
分断面図である。
分断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係るスパークプラグの中
心電極の製造方法を示す工程図である。
心電極の製造方法を示す工程図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るスパークプラグの中
心電極の製造方法を示す工程図である。
心電極の製造方法を示す工程図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
の部分断面図である。
の部分断面図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
の外側電極の製造方法を示す工程図である。
の外側電極の製造方法を示す工程図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る二極スパークプラグ
の外側電極の製造方法を示す工程図である。
の外側電極の製造方法を示す工程図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るスパークプラグの部
分断面図である。
分断面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るスパークプラグの中
心電極の製造方法を示す工程図である。
心電極の製造方法を示す工程図である。
【図9】本発明の第3実施例に係るスパークプラグの中
心電極の製造方法を示す工程図である。
心電極の製造方法を示す工程図である。
33 貴金属 506 カップ 510 複合体 513 成形体(押し出し成形体) 600 芯材 700 貴金属チップ 701 前面 800 銅材チップ(金属チップ)
Claims (8)
- 【請求項1】 耐熱金属材をカップ形状に成形するカッ
プ成形工程と、 良熱伝導金属材を軸形状に成形する芯材成形工程と、 上記カップの内底に貴金属チップを配置した後に上記芯
材を嵌め込んで複合体を製造する嵌合工程と、 前記複合体を電極形状に成形する押し出し成形工程と、 この押し出し成形体の先端を削除して前記貴金属チップ
の前面を露出させる先端加工工程とを有するスパークプ
ラグ用電極の製造方法。 - 【請求項2】 非酸化雰囲気中で前記複合体を焼き鈍す
焼鈍工程を加えた請求項1記載のスパークプラグ用電極
の製造方法。 - 【請求項3】 上記カップの内底は円錐状であり、該カ
ップ内底に配置される前記貴金属チップの形状は、球又
は円柱である請求項1又は請求項2記載のスパークプラ
グ用電極の製造方法。 - 【請求項4】 前記貴金属チップは、Pt- Ni合金、
Pt- Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、Pt- Rh合
金、Ir、又はIr合金である請求項1乃至請求項3の
何れかに記載のスパークプラグ用電極の製造方法。 - 【請求項5】 耐熱金属材をカップ形状に成形するカッ
プ成形工程と、 良熱伝導金属材を軸形状に成形する芯材成形工程と、 上記カップの内底に良熱伝導性の金属チップを配置した
後に上記芯材を嵌め込んで複合体を製造する嵌合工程
と、 前記複合体を電極形状に成形する押し出し成形工程と、 この押し出し成形体の先端を削除して前記金属チップの
前面を露出させる先端加工工程と、 後面が前記金属チップの前端面に接する様に先端面に貴
金属を溶接する貴金属溶接工程とを有するスパークプラ
グ用電極の製造方法。 - 【請求項6】 非酸化雰囲気中で前記複合体を焼き鈍す
焼鈍工程を加えた請求項5記載のスパークプラグ用電極
の製造方法。 - 【請求項7】 前記金属チップの形状は、球又は円柱で
ある請求項5又は請求項6記載のスパークプラグ用電極
の製造方法。 - 【請求項8】 前記貴金属は、Pt- Ni合金、Pt-
Ir合金、Pt- Ir- Ni合金、Pt- Rh合金、I
r、又はIr合金である請求項5乃至請求項7の何れか
に記載のスパークプラグ用電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25340896A JPH10106715A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | スパークプラグ用電極の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25340896A JPH10106715A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | スパークプラグ用電極の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10106715A true JPH10106715A (ja) | 1998-04-24 |
Family
ID=17250975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25340896A Pending JPH10106715A (ja) | 1996-09-25 | 1996-09-25 | スパークプラグ用電極の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH10106715A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011091064A (ja) * | 2011-02-10 | 2011-05-06 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 内燃機関用スパークプラグ |
JP2011100575A (ja) * | 2009-11-04 | 2011-05-19 | Ngk Spark Plug Co Ltd | スパークプラグ用中心電極の製造方法及びスパークプラグの製造方法 |
US11621544B1 (en) | 2022-01-14 | 2023-04-04 | Federal-Mogul Ignition Gmbh | Spark plug electrode and method of manufacturing the same |
US12034278B2 (en) | 2022-03-29 | 2024-07-09 | Federal-Mogul Ignition Gmbh | Spark plug, spark plug electrode, and method of manufacturing the same |
US12100937B2 (en) | 2022-07-27 | 2024-09-24 | Federal-Mogul Ignition Gmbh | Method of manufacturing spark plug electrode with electrode tip directly thermally coupled to heat dissipating core |
-
1996
- 1996-09-25 JP JP25340896A patent/JPH10106715A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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