JP2001155840A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

スパークプラグの製造方法

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JP2001155840A
JP2001155840A JP33803199A JP33803199A JP2001155840A JP 2001155840 A JP2001155840 A JP 2001155840A JP 33803199 A JP33803199 A JP 33803199A JP 33803199 A JP33803199 A JP 33803199A JP 2001155840 A JP2001155840 A JP 2001155840A
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spark plug
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manufacturing
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Minoru Ando
実 安藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 スパークプラグの電極を作製するに際し、良
伝熱層が中心層の外周面に加え先端面をも被覆したクラ
ッド構造を容易に得ることができるスパークプラグの製
造方法を提供する。 【解決手段】 良伝熱層12を形成することとなる良伝
熱被加工素材120が、中心層13を形成することとな
る芯体130の外周面を覆い、かつ良伝熱層12の外周
部12aを形成することとなる第一素材121と、その
芯体130の先端側に隣接配置され、かつ良伝熱層12
の先端部12bを形成することとなる第二素材122と
を有する。そして、中心層13となるべき芯体130の
先端側に第二素材122を隣接配置してクラッド化のた
めの塑性加工を行うことにより、中心層13の先端面1
3bが良伝熱層12の先端部12bから突出して剥き出
しになることを極めて効果的に防止でき、ひいては熱引
きの改善と変形の防止に有効なクラッド電極を容易に得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に使用され
るスパークプラグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車エンジン等の内燃機関が高
性能化するに伴い、その着火に使用されるスパークプラ
グの温度も上昇する傾向にある。スパークプラグの温度
が高くなると、火花放電ギャップを形成する電極発火部
の消耗が進みやすくなり、プラグの寿命も短くなる。ス
パークプラグの電極は、高温耐食性を確保するために例
えばインコネル等のNi合金で構成されることが多い
が、Ni合金の熱伝導率は一般にそれほど高くないの
で、いわゆる熱引きが悪く、高速運転時等においては電
極温度が上昇しやすくなる欠点がある。そこで、Cu系
金属などの熱伝導性の良好な材質による良伝熱性芯材を
電極中に配置して電極の熱引きを改善し、寿命向上を図
るようにしたスパークプラグが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構造の電
極においては、Ni合金の線膨張係数がCu系金属のそ
れに比べて低いため、電極温度が上昇した場合に、外被
部分(Ni合金)と芯材部分(Cu系金属)との線膨張
係数の差等に基づいて発生する熱応力のレベルが高くな
る。このことは、電極の膨らみ・変形、また接地電極の
曲げ戻りといった問題につながる場合があり、ひいては
火花放電ギャップが変化する(広がる)恐れがある。例
えば、直噴ガソリンエンジンなど、スパークプラグの発
火部を燃焼室内部に突き出させるタイプのエンジンで
は、電極温度が相当高くなることから上記問題は特に発
生しやすい。さらにエンジンの振動が加わると、外被部
分と芯材部分との層間割れや電極の折損に至る恐れもあ
る。また、接地電極の芯材部分にCu系金属を用いる場
合には、炭素鋼等で形成される主体金具と接地電極との
溶接強度が低くなるため、接地電極の偏位や脱落の可能
性もある。そこで、外被部分と芯材部分との線膨張係数
の差を緩和して火花放電ギャップの広がりを防止し、主
体金具と接地電極との溶接強度を高めるために、Cu系
金属製の芯材部分の中へさらにNi系金属(Ni又はN
i合金)製、Fe系金属(Fe又はFe合金)製等の芯
材を埋設した電極が提案されている(例えば特開平4−
118882号公報及び特開平11−111426号公
報参照)。
【0004】しかし、このようなクラッド構造の電極2
00を製造するとき、図7のように、芯材部分であるN
i系金属部分203の先端部が、これを覆うCu系金属
部分202から突出して剥き出しになる傾向が強い。こ
れは、次のような製造上の理由によると考えられる。電
極200は、軸線方向に押出し等の延伸加工を施して製
造されるのが一般的である。図7に示すように、外被部
分201、Cu系金属部分202及びNi系金属部分2
03の3層構造(クラッド構造)を形成することとなる
各々の素材201a、202a及び203aが径方向に
積層配置され、軸線方向の延伸加工、例えば押出し加工
が施される。このとき、材料の外周部は加工ダイ等との
摩擦により材料流れに遅れが生じ、結果として中央部が
周囲よりも速く変形して、いわゆる先進が生ずる。Ni
系金属部分203の先端部は、この先進の影響によりC
u系金属部分202よりも突出してしまうものと考えら
れる。なお、軸線方向に延伸加工するときは、押出し加
工に限らず引抜き加工等においても同様の問題が発生す
ると考えられる。いずれにせよ、Ni系金属部分203
の剥き出しになった先端部は、熱引き改善を担うCu系
金属部分202が存在しないため、高速運転時等におい
ては当然に電極温度が上昇しやすくなり、結果として火
花放電ギャップを形成する電極発火部(例えば貴金属チ
ップ製)の消耗が進みやすくなり、プラグの寿命も短く
なる問題がある。
【0005】本発明の課題は、軸状の中心層と、その中
心層の先端とこれに連なる外周面とを包囲する良伝熱層
と、その良伝熱層のさらに外側を包囲する形で配設され
た耐食性被覆層とが、塑性加工により圧縮・一体化され
たクラッド電極としてスパークプラグの電極を作製する
に際し、良伝熱層が中心層の外周面に加え先端面をも被
覆したクラッド構造を容易に得ることができるスパーク
プラグの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明のスパークプラグの製造方
法は、軸状の中心層と、その中心層の先端とこれに連な
る外周面とを包囲する良伝熱層と、その良伝熱層のさら
に外側を包囲する形で配設された耐食性被覆層とが、塑
性加工により圧縮・一体化されたクラッド電極として、
中心電極と接地電極との少なくともいずれかが構成され
るスパークプラグの製造方法であって、前記塑性加工を
行うに際し、前記良伝熱層となるべき良伝熱被加工素材
として、前記中心層となるべき芯体の外周面を覆う第一
素材と、同じく該芯体の前記先端側に隣接配置される前
記第一素材とは別体の第二素材とを有するものを使用す
ることを特徴とする。
【0007】本発明では、良伝熱層を形成することとな
る良伝熱被加工素材が、中心層を形成することとなる芯
体の外周面を覆い、かつ良伝熱層の外周部を形成するこ
ととなる第一素材と、その芯体の先端側に隣接配置さ
れ、かつ良伝熱層の先端部を形成することとなる第二素
材とを有する。そして、中心層となるべき芯体の先端側
に第二素材を隣接配置してクラッド化のための塑性加工
を行うことにより、中心層の先端面が良伝熱層の先端部
から突出して剥き出しになることを極めて効果的に防止
でき、ひいては熱引きの改善と変形の防止に有効なクラ
ッド電極を容易に得ることができる。しかも、第一素材
と第二素材とは別体に形成されるので、各々を配置する
に当たり形状・寸法等の自由度が大きくとれて生産効率
がよい。
【0008】なお、本発明は、中心電極又は接地電極の
少なくともいずれか(以下、中心電極と接地電極とを総
称する場合は、単に電極ともいう)について適用され
る。また、第一素材と第二素材との各材質は、中心層よ
りも熱伝導性が良好であれば、同じであっても別材質で
あってもよい。例えば、同材質であれば、第一素材と第
二素材が塑性加工により良伝熱層として一体化するとき
に、両者の親和性が良好であるために、素材間の界面に
欠陥等の要因となり易い未接合部分が残留しにくくなる
利点がある。なお、「クラッド電極」あるいは「クラッ
ド構造」というとき、中心層、良伝熱層及び耐食性被覆
層の3層以外の、さらに別な層の存在を否定するもので
はない。
【0009】具体的には、上記の方法は、第一素材が芯
体の外周を覆う一方、第二素材が芯体の先端側に隣接配
置されるように、それらを耐食性被覆層となるべき耐食
性被覆素材と組み合わせて組立体を形成し、その組立体
を延伸加工してクラッド電極を得るように実施すること
ができる。このような方法によって組立体を延伸加工し
てクラッド電極を得るときは、所望の太さ(直径、幅
等)の電極を容易に得られるとともに、各層の厚さの不
均一やばらつきも小さくすることができる利点がある。
そして、加工により先進を生ずる芯体の先端側には第二
素材が隣接配置されているため、この部分が剥き出しに
なる不具合が効果的に防止される。
【0010】組立体の延伸加工が、組立体を軸断面縮小
方向に圧縮するようにして軸線方向に行われる場合に
は、組立体の中心部に位置する芯体が加工により先進を
生じやすい。しかし、上記の加工方法によれば、生産能
率を低下させずかつ芯体の剥き出しが発生しないクラッ
ド電極の生産が可能となる。
【0011】上記の方法にて使用する組立体において、
耐食性被覆素材は、軸線方向の凹部が形成された有底形
状を有するカップ状素材が使用され、凹部底面上に第二
素材が配置される。これによれば、第二素材はカップ状
素材の凹部底面上に配置することによって安定的に保持
されるので、所定品質のクラッド電極が効率よく生産で
きるようになる。
【0012】また、組立体の作製時において、チップ状
の第二素材をカップ状素材の凹部底面上に配置し、第二
素材をカップ状素材の凹部底面と、芯体の外周を包囲す
るように第一素材が配設された副組立体の先端面との間
で圧縮変形させる。第二素材をカップ状素材の凹部底面
と副組立体の先端面との間で圧縮することで、第二素材
がカップ状素材と副組立体との隙間に均一に充填される
ので、隙間残留による欠陥等も生じにくく、スムーズに
延伸加工することができるようになる。さらに、有底形
状を有する耐食性被覆素材としてのカップ状素材の凹部
に、チップ状の第二素材及び副組立体を挿入するだけで
組立を簡単に完了でき、しかも自動化も容易であるた
め、生産性を大幅に向上させることができる。
【0013】さらに第二素材が配置されるカップ状素材
の凹部底面は、径方向中心側ほど低位となる傾斜を有す
ることができる。チップ状に形成された第二素材をカッ
プ状素材の凹部底面に落とし入れてこれを組み付ける際
に、第二素材はカップ状素材の底面中央部に容易に位置
決めされ、組み付け位置のばらつきによる良伝熱層の厚
さ不均一やばらつきを効果的に防止できる。また押し潰
された第二素材が傾斜面に沿って回り込むように耐食性
被覆素材の凹部に充填されるので、特に中心層の先端面
を良伝熱層の先端部でより均一に被覆することができ
る。
【0014】さらに本発明の組立体の延伸加工は、冷間
押出し加工で行うことができる。冷間押出し加工によ
り、寸法精度が高く表面の仕上がりのきれいなクラッド
電極を、安定的かつ効率よく製造できる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示す本発明の一例
たるスパークプラグ100は、筒状の主体金具1、先端
部21が突出するようにその主体金具1の内側に嵌め込
まれた絶縁体2、先端に形成された発火部31を突出さ
せた状態で絶縁体2の内側に設けられた中心電極3、及
び主体金具1に一端が溶接等により結合されるとともに
他端側が側方に曲げ返されて、その側面が中心電極3の
先端部と対向するように配置された接地電極4等を備え
ている。また、接地電極4には上記発火部31に対向す
る発火部41が形成されており、それら発火部31と、
対向する発火部41との間の隙間が火花放電ギャップg
とされている。
【0016】絶縁体2は、例えばアルミナあるいは窒化
アルミニウム等のセラミック焼結体により構成され、そ
の内部には自身の軸方向に沿って中心電極3を嵌め込む
ための孔部6を有している。また、主体金具1は、低炭
素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパーク
プラグ100のハウジングを構成するとともに、その外
周面には、プラグ100をシリンダヘッドSHに取り付
けるためのねじ部7が形成されている。
【0017】次に接地電極4は、電極の軸線方向に沿っ
て形成される軸状の中心層13と、中心層13を覆うと
ともに、中心層13よりも熱伝導性の良好な材質からな
る良伝熱層12と、良伝熱層12を覆うとともに、高温
耐食性の良好な材質からなる耐食性被覆層11とを有す
る3層構造(クラッド構造)となっている。一方中心電
極3は、電極の軸線方向に沿って形成される軸状の中心
層13と、中心層13を覆うとともに、高温耐食性の良
好な材質からなる耐食性被覆層11とからなる2層によ
り構成されている。
【0018】耐食性被覆層11は、高温耐食性の良好な
材質、例えばNi−Mn−Si、Ni−Mn−Si−C
r、Ni−Mn−Si−Cr−Al、インコネルあるい
はハステロイ等のNi合金で構成される。例えば、イン
コネル600(商標名)の線膨張係数は16×10−6
/K、熱伝導率は29W/(K・m)である。
【0019】良伝熱層12は、熱伝導性の良好な材質、
例えばCu又はCu合金あるいはAg又はAg合金で構
成される。熱伝導率と価格とのバランスを考慮すればC
uあるいはCu合金が特に好適である。なお、Cuの線
膨張係数は0〜100℃において17.0×10−6
K、熱伝導率は0〜100℃において393W/(K・
m)であり、Agの線膨張係数は同じく19.1×10
−6/K、熱伝導率は同じく418W/(K・m)であ
る。
【0020】一方、中心層13は、線膨張係数が耐食性
被覆層11とほぼ同じで、熱伝導率がそれ(耐食性被覆
層11)よりも優れた材質、例えばNi又はNi合金あ
るいはFe又はFe合金で構成される。
【0021】次に、中心電極3は先端部が縮径されると
ともにその先端面が平坦に構成され、ここにIr合金
(例えばIr−20重量%Rh合金)あるいはPt合金
(例えばPt−20重量%Ni合金)からなる円板状の
貴金属チップを重ね合わせ、さらにその接合面外縁部に
沿ってレーザー溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等によ
り溶接部を形成してこれを固着することにより発火部3
1が形成される。また、接地電極4の発火部41は、発
火部31に対向する位置において接地電極4の側面に貴
金属チップを位置合わせし、その接合面外縁部に沿って
同様に溶接部を形成してこれを固着することにより形成
される。
【0022】図3ないし図5は、接地電極4の製造方法
の一例を示すものである。まず、電極の塑性加工の準備
として、外アセンブリK1を組立てる。 (A)カップ状素材(耐食性被覆素材)110の成形工
程(図3(A)) Ni系金属材に後方押出し、深絞り又は切削等の加工を
行って、内側に断面円形状の凹部111とすり鉢状底部
112とを有する有底筒状の耐食性被覆素材、すなわち
カップ状素材110を成形する。したがってカップ状素
材110の凹部111の底は、径方向中心側ほど低位と
なる傾斜を有する底面111aに形成されている。な
お、カップ状素材110は電極に成形したときに耐食性
被覆層11となる。 (B)外アセンブリK1の組立工程(図3(B)) Cu系金属材から切断、プレス成形等の加工によって任
意形状(例えば球形状)のチップ状の第二素材122を
作成する。次に、この第二素材122を工程(A)で成
形したカップ状素材110の凹部底面111aの中央に
載置して、外アセンブリK1を組み立てる。なお、第二
素材122は電極に成形したときに良伝熱層12の先端
部12bになる。
【0023】次に内アセンブリK2を、さらに組立体K
を組立てる。 (C)クラッドワイヤCの成形工程(図3(C)) 棒状のNi系金属材を円筒状のCu系金属材に挿入し、
押出し、引抜き等の成形加工を行い、内側にNi系金属
材に基づく芯体130、外側にCu系金属材に基づく第
一素材121がはり合わせられたクラッドワイヤC(副
組立体)を作成する。なお、芯体130と第一素材12
1とは、電極に成形したときにそれぞれ中心層13と良
伝熱層12の外周部12aとになる。 (D)内アセンブリK2の成形工程(図3(D)) 前工程で得られたクラッドワイヤCを所要長さに切断
し、前方押出し、型鍛造等の加工によって、丸棒状の芯
部K21とこの芯部K21より大径の断面円形状の鍔部K22
とを有する内アセンブリK2を得る。 (E)組立体Kの組立工程(図3(E)) 外アセンブリK1に内アセンブリK2を挿入して組立体K
を作る。具体的には、外アセンブリK1を構成するカッ
プ状素材110の凹部111から内アセンブリK2を嵌
入し、プレスにより一体化させて組立体Kとする。この
ときチップ状の第二素材122は、内アセンブリK2の
先端面で押圧されて潰れ始めている。
【0024】次に、丸棒状電極E1の加工を行う。 (F)第一成形体F1の成形工程(図4(F)) 前工程で得られた組立体Kに、円形ダイスM1による冷
間前方押出し加工を施すと、組立体Kは軸断面縮小方向
に圧縮されて、クラッド構造の第一成形体F1が得られ
る。ここで、冷間前方押出し加工は、円形のダイス孔を
備えたダイスM1に組立体Kをセットし、組立体Kの後
方からポンチPを当接させ、前方に押し出すと、丸棒状
の本体部F11とこの本体部F11より大径の断面円形状の
鍔部F12とを有する第一成形体F1が得られる。なお、
第一成形体F1の加工パスは、必要な減面率(断面減少
率)が達成されるよう1又は複数回行われ、複数回の場
合は、加工に伴う歪を除去するために途中で焼鈍(後述
の工程(J)参照)を実施してもよい。 (G)丸棒状電極E1の成形工程(図4(G)) 第一成形体F1の鍔部F12を切断すると、丸棒状(円柱
状)の電極E1が得られる。
【0025】さらに本実施例では、接地電極4を角柱状
電極E2に成形するために下記(H)、(I)の工程を
実施する。したがって、接地電極4が丸棒状電極E1で
構成される場合には工程(G)の次は工程(J)に移
る。 (H)第二成形体F2の成形工程(図4(H)) 第一成形体F1又は丸棒状電極E1に対して、方形(矩
形)ダイスM2を使って冷間前方押出し加工を施すと、
第一成形体F1又は丸棒状電極E1は軸断面縮小方向にさ
らに圧縮されて、クラッド構造の第二成形体F2が得ら
れる。第二成形体F2は、角柱状の本体部F21とこの本
体部F21より大径の断面円形状の鍔部F22とを有してい
る。したがって本体部F21の軸断面は矩形状となる。な
お、第二成形体F2の加工パスも、必要な減面率(断面
減少率)が達成されるよう1又は複数回行われ、複数回
の場合は、加工に伴う歪を除去するために途中で焼鈍
(後述の工程(J)参照)を実施してもよい。また、第
一成形体F1又は丸棒状電極E1から角柱状の本体部F21
を有する第二成形体F2に成形する加工は、型鍛造によ
る方法もある。本体部F21が非対称の矩形断面を有する
場合等に、型鍛造は有効である。 (I)角柱状電極E2の成形工程(図4(I)) 第二成形体F2の鍔部F22を切断すると、角柱状の電極
E2が得られる。
【0026】以上で電極の成形加工は終了するが、最後
に次の工程を加え、電極の熱処理を行う。 (J)電極E2の焼鈍工程(図4(J)) 角柱状電極E2を、熱処理炉HTにおいて、例えば温度
700〜900℃で所定時間保持した後、炉中で徐冷し
て焼鈍処理を行う。これにより、冷間押出し加工で加工
硬化した金属を軟化させることができるので、接地電極
4の場合、次工程での曲げが容易になる。また、加工に
よる残留応力を緩和させることができるので、加工に伴
う歪を除去できる。なお、接地電極4が丸棒状電極E1
で構成される場合には丸棒状電極E1の焼鈍処理を行
う。
【0027】さらに、図5に示すように接地電極4の取
付工程(a)、(b)が加わる。 (a)接地電極4の溶接工程(図5(a)) 接地電極4の基端側が、主体金具1に対してレーザー溶
接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等により溶接接合部Wを
形成して固着される(なお、発火部41を形成するため
の貴金属チップは予め溶接しておく)。 (b)接地電極4の曲げ工程(図5(b)) 接地電極4の先端側を中心電極3側に曲げ加工して、接
地電極4の側面が中心電極3の先端部と対向するように
配設する。
【0028】一般に、冷間前方押出し加工を行うと、芯
材130の先端部は、第一素材121の先端部よりも速
く変形して先進する傾向がある。しかし、工程(B)で
チップ状の第二素材122をカップ状素材(耐食性被覆
素材)110の凹部底面111aの中央に載置すること
によって、芯材130(中心層13)の先端部が第一素
材121(良伝熱層12)から突出して剥き出しになる
ことが防止されている。図2に示すように、中心層13
はその外周面13a及び先端面13bが、良伝熱層12
の外周部12a及び先端部12bにそれぞれ覆われるこ
とになり、熱引きの改善と変形の防止に有効な3層構造
(クラッド構造)の電極が得られる。
【0029】以上に述べた接地電極4の製造方法のいく
つかの変更例について説明する。 工程(C)及び(D)を省略して、工程(B)から
(E)を一挙に行うことができる。すなわち、工程
(A)でカップ状素材110の成形を行った後、直ちに
組立体Kの組上げを行う。工程(B)の外アセンブリK
1の組立後、第二素材122とともに外アセンブリK1を
構成するカップ状素材110の凹部111に対して、棒
状のNi系金属材(芯体130)の外周に円筒状のCu
系金属材(第一素材121)が配設された副組立体を挿
入し、プレスにより一体化させて組立体Kを完成させ
る。このときカップ状素材110の凹部111に対する
副組立体の挿入方法として、次のいずれかを選択するこ
とができる。すなわち、予め第一素材121に芯体13
0を挿入して一体化したものをカップ状素材110の凹
部111に挿入する方法と、第一素材121を外側に芯
体130を内側にしてそれぞれカップ状素材110の凹
部111に挿入する方法とが選択できる。いずれの挿入
方法を選択しても、クラッドワイヤCの作製工程省略に
より製造コストの低減が図れる。
【0030】工程(A)・(B)と工程(C)・
(D)とは互いに独立しているので、順序を逆にするこ
とができる。のみならず、工程(A)・(B)と工程
(C)・(D)とを別々の生産ラインで同時進行して行
い、工程(E)の組立体Kの組立工程に集約することも
可能である。このようにすれば、生産サイクルの短縮化
を図ることができる。
【0031】工程(E)で組立体Kを組み上げた後、
工程(F)・(G)を経ずに直接工程(H)・(I)を
実施して、角柱状電極E2を得るようにすれば、生産サ
イクルの短縮化を図ることができる。また、これまでに
説明してきたように第一成形体F1(丸棒状)の成形加
工に続いて第二成形体F2(角柱状)の成形加工を、と
もに冷間加工によって実施する場合、2段目となる第二
成形体F2の加工を行う際に、加工硬化の累積によりス
ムーズな押出し成形が阻害される懸念も生じうる。しか
し、工程(F)・(G)を経ずに角柱状電極E2を得る
工程を採用すれば、加工硬化の累積が生じにくいので丸
棒状電極E1の工程と同様のスムーズな押出し加工がで
きる。
【0032】以上で述べた製造方法で得られる接地電極
4を備えたスパークプラグ100の作用について説明す
る。すなわち、図1に示すスパークプラグ100は、そ
のねじ部7においてシリンダヘッドSHに取り付けら
れ、燃焼室に供給される混合気への着火源として使用さ
れる。
【0033】例えばエンジンを高負荷・高速運転した場
合、スパークプラグ100の火花ギャップgの近傍は高
温となり、電極3及び4の発火部31,41は消耗の生
じやすい苛酷な環境にさらされることとなる。しかしな
がら、図2に示すように、接地電極4は、良伝熱層12
が中心層13の表面を確実に覆う形になっているので、
外部からの熱の良伝熱層12への熱伝達が進みやすく放
熱が促進される。これにより、発火部41の消耗が抑制
されてスパークプラグ100の寿命を延ばすことができ
る。また、良伝熱層12は中心層13の外周面13aに
加え先端面13bをも確実に覆って熱引きをよくしてい
るので、電極温度の異常上昇が抑えられる。その結果、
クラッド電極における層間の線膨張係数の差に伴う熱応
力のレベルを低く抑えることができ、ひいては接地電極
4の変形に基づく火花放電ギャップgの広がりを防止し
ている。さらに、例えば良伝熱層12がCu系金属製、
中心層13がNi系金属製であると、炭素鋼等で形成さ
れる主体金具1と接地電極4との溶接強度の低下も防止
できる。
【0034】次に、本発明が適用されるスパークプラグ
の変形例について説明する。貴金属チップの固着により
形成される発火部31及び対向する発火部41は、少な
くとも一方を省略する構成としてもよい。また、図6に
おいては、接地電極4(複数設けられている)の先端側
を側方に曲げ返し、その先端面を中心電極3の側面に対
向させて火花放電ギャップgを形成した、いわゆる沿面
放電型スパークプラグ150の例を示す。
【0035】なお、本発明にかかるクラッド構造とその
製造方法を中心電極3にも採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されたスパークプラグの一実
施例を示す正面図。
【図2】図1の要部を示す拡大半断面図。
【図3】本発明に係るスパークプラグの製造方法の一例
を示す工程説明図。
【図4】図3に続く工程説明図。
【図5】図4に続く工程説明図。
【図6】本発明により製造されたスパークプラグの他の
実施例を示す正面図。
【図7】従来のスパークプラグ用電極の製造方法を示す
説明図。
【符号の説明】
3 中心電極 4 接地電極 11 耐食性被覆層 12 良伝熱層 12a 外周部 12b 先端部 13 中心層 13a 外周面 13b 先端面 110 カップ状素材(耐食性被覆素材) 111 凹部 111a 底面 112 底部 120 良伝熱被加工素材 121 第一素材 122 第二素材 130 芯体 C クラッドワイヤ(副組立体) K 組立体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状の中心層と、その中心層の先端とこ
    れに連なる外周面とを包囲する良伝熱層と、その良伝熱
    層のさらに外側を包囲する形で配設された耐食性被覆層
    とが、塑性加工により圧縮・一体化されたクラッド電極
    として、中心電極と接地電極との少なくともいずれかが
    構成されるスパークプラグの製造方法であって、 前記塑性加工を行うに際し、前記良伝熱層となるべき良
    伝熱被加工素材として、前記中心層となるべき芯体の外
    周面を覆う第一素材と、同じく該芯体の前記先端側に隣
    接配置される前記第一素材とは別体の第二素材とを有す
    るものを使用することを特徴とするスパークプラグの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一素材が前記芯体の外周を覆う一
    方、前記第二素材が前記芯体の前記先端側に隣接配置さ
    れるように、それらを前記耐食性被覆層となるべき耐食
    性被覆素材と組み合わせて組立体を形成し、その組立体
    を延伸加工して前記クラッド電極を得る請求項1記載の
    スパークプラグの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記組立体において、前記耐食性被覆素
    材は、軸線方向の凹部が形成された有底形状を有するカ
    ップ状素材が使用され、前記凹部底面上に前記第二素材
    が配置される請求項2記載のスパークプラグの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記組立体の作製時において、チップ状
    の前記第二素材を前記カップ状素材の前記凹部底面上に
    配置し、前記第二素材を前記カップ状素材の前記凹部底
    面と、前記芯体の外周を包囲するように前記第一素材が
    配設された副組立体の前記先端面との間で圧縮変形させ
    る請求項3記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第二素材が配置される前記カップ状
    素材の前記凹部底面は、径方向中心側ほど低位となる傾
    斜を有している請求項3又は4記載のスパークプラグの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記組立体の延伸加工が、冷間押出し加
    工である請求項2ないし5のいずれかに記載のスパーク
    プラグの製造方法。
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