JPH1054813A - 示差走査熱量測定装置 - Google Patents

示差走査熱量測定装置

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JPH1054813A
JPH1054813A JP22581796A JP22581796A JPH1054813A JP H1054813 A JPH1054813 A JP H1054813A JP 22581796 A JP22581796 A JP 22581796A JP 22581796 A JP22581796 A JP 22581796A JP H1054813 A JPH1054813 A JP H1054813A
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temperature
furnace body
refrigerant
flow rate
heating
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JP22581796A
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Koji Nishino
孝二 西野
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉体温度に応じてヒータ5だけでなく冷媒ジ
ャケット6に流れるエチルアルコール12の流量も調整
するので、炉体温度が高温域や昇温過程にあり冷却が不
要な場合等に、エチルアルコール12の流量を減少させ
て、ドライアイス11の無駄な消費をなくすことができ
る示差走査熱量測定装置を提供する。 【解決手段】 炉体温度検出器7が検出した炉体1の炉
体温度に応じて、温度制御回路23が加熱量と冷媒流量
とを求める。ヒータ電力制御回路22は、この加熱量に
応じてヒータ5に供給する電力を増減させて加熱能力を
調整する。また、ポンプ回転数制御回路25は、この冷
媒流量に応じて冷媒ジャケット6に流れる低温のエチル
アルコール12の流量を増減させて冷却能力を調整す
る。そして、これら加熱能力と冷却能力の調整により、
炉体1の炉体温度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、示差走査熱量測定
(DSC)を行う示差走査熱量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】示差走査熱量測定装置は、炉体温度を変
化させながら、炉体内に収容され測定対象となる試料と
熱的に不活性な基準物質との温度差を測定することによ
り、単位時間当たりに試料に出入りする熱量を求めるも
のである。
【0003】従来の示差走査熱量測定装置は、図3に示
すように、試料Aと基準物質Bとを収容するための炉体
1を備えている。これらの試料Aと基準物質Bは、それ
ぞれ試料容器2,2内に収納されて、炉体1の試料収容
部1a内のセンサユニット3上に載置される。
【0004】この炉体1内には、試料収容部1aの下方
にヒータ5と冷媒ジャケット6が埋め込まれている。ヒ
ータ5は、外部のヒータ電源回路21からヒータ電力制
御回路22を介して供給される電力によって発熱し炉体
1を加熱する発熱体である。また、この炉体1内には、
試料収容部1aとヒータ5との間に、炉体温度を検出す
るための炉体温度検出器7が埋め込まれ、ここで検出さ
れた炉体温度が温度制御回路23に送られるようになっ
ている。温度制御回路23は、所定の温度プログラムに
基づいて、この炉体温度に応じたヒータ5の加熱量を求
める回路であり、ここで求めた加熱量はヒータ電力制御
回路22に送られる。ヒータ電力制御回路22は、この
加熱量に応じてヒータ電源回路21からヒータ5に供給
される電力を制御する電力制御回路である。従って、こ
の炉体1は、温度制御回路23からの加熱量に応じてヒ
ータ5の加熱能力が調整されるので、炉体温度が所定の
温度プログラムに追従するように制御され、試料Aと基
準物質Bの周囲の雰囲気温度を任意に昇降させたり一定
に保つことができる。
【0005】センサユニット3は、載置した試料容器
2,2内の試料Aと基準物質Bの温度をそれぞれ検出す
るためのセンサを備えた載置台であり、ここで検出され
た試料Aと基準物質Bの温度はDSC信号検出回路26
に送られる。DSC信号検出回路26は、これら試料A
と基準物質Bの温度差に基づいて、単位時間当たりに試
料Aに出入りする熱量を示すDSC信号を求めるもので
あり、このDSC信号は、試料温度信号とともにデータ
記録処理装置27に送られる。従って、示差走査熱量測
定装置は、炉体1の炉体温度を所定の温度プログラムに
従って順次制御しながら、DSC信号検出回路26で試
料AのDSC信号を求め試料温度信号とともにデータ記
録処理装置27で適宜処理するようになっている。
【0006】ここで、冷媒ジャケット6は、外部の図示
しない冷媒供給装置から供給される液化窒素や低温の窒
素ガス等の冷媒を流通させることにより炉体1を冷却す
る冷媒の流路であり、温度制御回路23がヒータ5への
供給電力を停止させた際の自然放熱以上の速度で炉体温
度を急速に下降させたり、この炉体温度を室温よりも低
い温度まで低下させるために、従来から多くの示差走査
熱量測定装置に設けられている。ただし、炉体温度を急
速冷却したり室温以下の温度に低下させる際にのみこの
冷媒ジャケット6に冷媒を流通させるように切り替えを
行うと、冷媒の流通開始時や停止時に炉体1の放熱量が
急激に増減し温度条件が大きく変化するので、温度制御
回路23が円滑な温度制御を行うことが困難となる。そ
こで、従来の示差走査熱量測定装置は、この冷媒ジャケ
ット6に常時一定の流量で冷媒を流通させて冷却能力を
一定に保ち、測定中に炉体1の温度条件が変化しないよ
うにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の示差
走査熱量測定装置は、このように常に炉体1の冷却を行
わなければならないために、炉体温度が高温域や昇温過
程にあり本来冷却が不要となる場合にも、冷媒ジャケッ
ト6に冷媒を供給し続けなければならないので、この冷
媒を無駄に消費(冷媒を冷却するためのエネルギー消費
や冷却材の消費も含む)するという問題があった。
【0008】また、特に炉体温度を高温域に設定した場
合に、炉体1内の加熱を続けるヒータ5と冷媒を流通し
続ける冷媒ジャケット6との間で大きな温度差が生じ、
この炉体1内の温度分布の不均一が温度制御回路23に
よる温度制御やDSC信号検出回路26が検出するDS
C信号のベースラインに悪影響を与えるので、安定した
測定を行うことができなくなるという問題もあった。
【0009】なお、上記冷媒ジャケット6を設ける代わ
りに、炉体1の一部を常時液化窒素等の冷媒中に直接浸
漬させて冷却を行う示差走査熱量測定装置も従来から存
在し、この場合にも同様に液化窒素等の冷媒の消費量が
無駄に多くなるという問題が生じる。
【0010】また、この冷媒ジャケット6を設ける代わ
りに、外部から炉体1に例えば液化窒素を気化させた窒
素ガス等の低温ガスを吹き付けて冷却を行う示差走査熱
量測定装置も従来から存在する。そして、このような示
差走査熱量測定装置では、炉体1の温度制御の際にこの
低温ガスの風量を調整できるようにしたものもある。し
かし、炉体1に低温のガスを吹き付ける冷却方法では、
もともと炉体1との熱交換効率が悪いために窒素ガス等
を大量に使用しなければならないので、温度制御の際に
風量を減少させたとしても、全工程を通して見れば窒素
ガス等が多く消費されるということには変わりなく、冷
媒の消費をできるだけ節約するという観点からはほとん
ど意味のないものであった。
【0011】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、炉体温度に基づいて加熱手段だけでなく、冷
却手段の冷媒流量をも制御して炉体の温度制御を行うこ
とにより、冷媒の無駄な消費をなくすことができる示差
走査熱量測定装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の示差走査
熱量測定装置は、炉体温度検出手段が検出した炉体温度
に応じて、温度制御手段が加熱手段の加熱量と冷却手段
の冷媒流量とを求める。そして、加熱制御手段は、この
加熱量に応じて加熱手段の加熱能力を調整し、冷媒流量
制御手段は、この冷媒流量に応じて冷却手段による冷媒
の流量を調整する。即ち、炉体の温度を上昇させる場合
には、加熱手段による加熱を促進させると共に、冷却手
段による冷媒の流量を減少させて冷却を抑制し、炉体の
温度を下降させる場合には、加熱手段による加熱を抑制
させると共に、冷却手段による冷媒の流量を増加させて
冷却を促進する。従って、この示差走査熱量測定装置
は、加熱手段だけで制御する場合よりも、炉体温度を迅
速かつ円滑に昇降させて温度制御を行うことができる。
【0013】しかも、炉体の温度を上昇させる場合に
は、上記のように冷却手段による冷媒の流量を減少させ
るので、炉体温度が昇温過程にあるときに冷媒が無駄に
消費されないようにすることができる。また、炉体温度
が高温域にある場合には、自然放熱による冷却効果が大
きいので、加熱手段による加熱能力を調整するだけで容
易に温度制御が可能となり、この間は、炉体温度の多少
の昇降にかかわりなく、冷却手段による冷媒の流量を常
に減少させておくことができる。従って、この炉体温度
が高温域にある場合にも、冷媒の無駄な消費を減少させ
ることができる。
【0014】さらに、加熱手段の加熱が促進される場合
には冷却手段の冷却が抑制され、逆に冷却手段の冷却が
促進される場合には加熱手段の加熱が抑制されるので、
炉体内に極端な温度差が生じるようなことがなくなり、
温度分布の不均一による温度制御やDSC信号のベース
ラインへの悪影響をなくすことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0016】図1及び図2は本発明の一実施形態を示す
ものであって、図1は示差走査熱量測定装置の構成を示
すブロック図、図2は示差走査熱量測定装置で記録した
DSC曲線を示す図である。なお、図3に示した従来例
と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記す
る。
【0017】本実施形態の示差走査熱量測定装置は、図
1に示すように、試料Aと基準物質Bとを収容するため
の炉体1を備えている。試料Aは、測定対象となる物質
であり、通常は薄片状に裁断されたり粉状に砕かれてセ
ラミックスや金属製の試料容器(セル又はpanと称す
る)2内に収納される。基準物質Bは、アルミナ粉末等
の熱的に不活性な物質であり、試料Aと同じ特性の試料
容器2内に収納される。なお、測定の際に基準物質Bを
用いない場合には、この基準物質Bを収納した試料容器
2に代えて、空の試料容器2を用いる。これらの試料A
と基準物質Bを収納した試料容器2,2は、炉体1の試
料収容部1a内のセンサユニット3上に載置される。炉
体1は、炉内の温度分布を均一にするために、銀や銅等
の熱伝導性の良い金属を用いて製作された肉厚の容器状
であり、上部に凹状の試料収容部1aが形成されてい
る。センサユニット3は、試料容器2,2を載置するた
めにこの試料収容部1a内に配置されたプレートと、こ
のプレートにおける各試料容器2の載置部の裏面に設け
られた熱電対等のセンサによって構成され、試料Aと基
準物質Bの温度等を検出するものである。この炉体1に
おける試料収容部1aの上方開口部は、試料容器2,2
をセンサユニット3上に載置した後に、炉体1と同様の
金属製の蓋4によって塞がれる。
【0018】上記炉体1の内部には、試料収容部1aの
下方にヒータ5と冷媒ジャケット6とが埋め込まれてい
る。ヒータ5は、ニッケルクロム合金(ニクロム)やカ
ンタル合金等からなる発熱体であり、外部のヒータ電源
回路21からヒータ電力制御回路22を介して電力が供
給されることによって発熱し炉体1を加熱するようにな
っている。なお、図示しないが、炉体と発熱体とは電気
的に絶縁されていることはいうまでもない。ヒータ電力
制御回路22は、温度制御回路23から送られてくる加
熱量の電気信号に応じてヒータ5に供給する電力を制御
する回路であり、この加熱量が増加するほど大きな電力
を供給してヒータ5の発熱量を増し加熱能力を増大させ
る。なお、このような電力制御は、例えばヒータ電源回
路21が交流電力を供給する場合には位相制御等を用
い、直流電力を供給する場合にはDCチョッパ等を用い
ればよい。
【0019】冷媒ジャケット6は、低温の冷媒を流通さ
せることにより炉体1を冷却する冷媒の流路であり、こ
こではドライアイス11で冷却したエチルアルコール1
2を冷媒として用いる場合について説明する。この冷媒
ジャケット6には、外部の冷媒槽13から供給されるエ
チルアルコール12が注入されると共に、ここから排出
されるエチルアルコール12が外部の冷媒循環ポンプ1
4を介して冷媒槽13に戻されるようになっている。冷
媒槽13は、エチルアルコール12を溜めておく容器で
あり、ドライアイス11が投入されている。ドライアイ
ス11の昇華点の温度は−78.50°Cであるため、
この冷媒槽13内のエチルアルコール12は、冷媒ジャ
ケット6に供給され炉体を−50〜−60°C程度まで
冷却することができる。冷媒循環ポンプ14は、モータ
の回転によって駆動されるポンプであり、冷媒槽13で
冷却されたエチルアルコール12を引き出して、冷媒ジ
ャケット6を通し再び冷媒槽13に戻すようになってい
る。この冷媒循環ポンプ14は、ポンプ電源回路24か
らポンプ回転数制御回路25を介してモータに電力が供
給されることによって駆動され、この際のモータの回転
数に応じた流量でエチルアルコール12を循環させる。
ポンプ回転数制御回路25は、温度制御回路23から送
られてくる冷媒流量の電気信号に応じて、冷媒循環ポン
プ14のモータの回転数を制御する回路であり、この冷
媒流量信号が増加するほど回転数を大きくして循環する
エチルアルコール12の流量を増加させ冷却能力を増大
させる。なお、モータの回転数の制御は、モータの種類
に応じた適宜の制御方式を用いることができ、例えば交
流モータの周波数制御を行う場合には、ポンプ電源回路
24から供給される電力をポンプ回転数制御回路25が
冷媒流量に応じた周波数の交流電源に変換して冷媒循環
ポンプ14のモータに供給する。
【0020】なお、本実施形態では、準閉回路中でエチ
ルアルコール12を循環させて使用するので、ドライア
イス11は消費されるが、冷媒自身は繰り返し使用する
ことができるという利点を有する。しかし、本発明で用
いる冷媒は、低温の流体であれば必ずしもこれに限ら
ず、液化窒素等を用いて、開放型の流路とすることもで
きる。液化窒素の沸点温度は約−196°Cであるた
め、この場合には炉体1を−150°C程度まで冷却す
ることができる。
【0021】上記炉体1の内部には、試料収容部1aと
ヒータ5との間に、炉体温度を検出するための炉体温度
検出器7も埋め込まれている。炉体温度検出器7は、熱
電対や白金抵抗体などからなる温度センサであり、これ
によって試料Aや基準物質Bの環境温度である炉体温度
を検出し、この炉体温度の電気信号を温度制御回路23
に送るようになっている。温度制御回路23は、この炉
体温度に基づいて、PID制御等により炉体1の炉体温
度を所定の温度プログラムに追従させるように制御する
回路であり、制御対象への操作量としてヒータ電力制御
回路22に加熱量の電気信号を送ると共に、ポンプ回転
数制御回路25に冷媒流量の電気信号を送るようになっ
ている。この温度制御回路23は、炉体温度を上昇させ
る必要がある場合には、ヒータ電力制御回路22に送る
加熱量信号を増加して加熱能力を増大させるだけでな
く、ポンプ回転数制御回路25に送る冷媒流量信号を減
少して冷却能力を低下させる。また、炉体温度を下降さ
せる必要がある場合には、ヒータ電力制御回路22に送
る加熱量信号を減少して加熱能力を低下させるだけでな
く、ポンプ回転数制御回路25に送る冷媒流量信号を増
加して冷却能力を増大させる。従って、この温度制御回
路23は、ヒータ5の加熱能力だけでなく、冷媒ジャケ
ット6を流れるエチルアルコール12の流量による冷却
能力をも調整することにより炉体1の温度制御を行うの
で、炉体温度を迅速かつ円滑に昇降させることができる
ようになる。
【0022】さらに、温度制御回路23は、炉体温度が
高温域にある場合には、この炉体温度の多少の昇降にか
かわりなく、冷媒流量を常に減少させて、加熱量の増減
のみを調整することにより温度制御を行う。このような
高温域では、炉体1の自然放熱による冷却効果が大きの
で、加熱量を調整してヒータ5の加熱能力を変化させる
だけで容易に温度制御を行うことができる。しかも、こ
のような高温域では、冷媒ジャケット6にエチルアルコ
ール12が大量に流通すると、炉体1から冷媒槽13に
大量の熱エネルギ−が伝達されエチルアルコール12を
冷却するためのドライアイス11の消費量が増大するの
で、このエチルアルコール12の流量を最低限に抑える
ことにより、ドライアイスが無駄に消費されるのを防止
することができる。
【0023】なお、上記炉体1には、試料収容部1aへ
のパージガスの供給・排出機構が設けられている。ま
た、この炉体1の周囲は気密・遮熱カバーで覆われ、冷
媒槽13やエチルアルコール12の流路も断熱材で覆わ
れている。ただし、図1ではこれらの図示を省略してい
る。
【0024】上記センサユニット3のセンサで検出され
た試料容器2,2内の試料Aと基準物質Bの温度は、そ
れぞれDSC信号検出回路26に送られるようになって
いる。DSC信号検出回路26は、これら試料Aと基準
物質Bの温度差に基づいて、単位時間当たりに試料Aに
出入りする熱量を示すDSC信号を求めるものであり、
このDSC信号は試料温度信号とともにデータ記録処理
装置27に送られる。データ記録処理装置27は、レコ
ーダ等のデータ記録装置、又は、パーソナルコンピュー
タ等のデータ処理装置等からなり、送られて来た試料温
度信号及びDSC信号を時間の経過と共に随時用紙に記
録したりディスプレイに表示させ、また、必要に応じて
これらの信号をデータとして記憶装置に記憶させたり適
宜のデータ処理を行う。
【0025】試料Aの昇温過程と降温過程での炉体温度
とDSC信号の変化を上記データ記録処理装置27で記
録した場合のDSC曲線の一例を図2に示す。炉体1の
炉体温度は、所定の温度プログラムに従って時刻t2
で一定速度で上昇し(昇温過程)、それ以降は一定速度
で下降する(降温過程)。そして、DSC信号が示す熱
流量は、昇温過程の当初は試料Aの状態変化がないので
一定値を保つ。この時のDSC曲線をベ−スラインと言
う。しかし、時刻t1 に炉体温度がTm に達すると、試
料Aが融解を開始して吸熱変化が生じるので、熱流量が
相対的に下降し、融解終了後は過渡的に元の一定値に戻
る。この時、試料Aは、熱流量が変化した面積分(図2
のハッチングC)の熱量を吸収したことになる。また、
時刻t2に炉体温度が降温過程に変化すると、その際の
状態変化によって熱流量が異なる値に変化するが、その
後はこの新たな一定値に保たれる。そして、時刻t3
炉体温度がTc まで低下すると、試料Aが結晶化を開始
して発熱変化が生じるので、熱流量が相対的に上昇し、
結晶終了後は過渡的に元の一定値に戻る。この時、試料
Aは、熱流量が変化した面積分(図2のハッチングD)
の熱量を発熱したことになる。なお、通常は過冷却のた
めTm >Tc となる。
【0026】以上説明したように、本実施形態の示差走
査熱量測定装置によれば、温度制御回路23がヒータ電
力制御回路22に加熱量信号を送り加熱能力を調整する
だけでなく、ポンプ回転数制御回路25に冷媒流量信号
を送って冷却能力も調整するので、炉体1の炉体温度を
迅速かつ円滑に昇降させて、これにより適確で木目の細
かい温度制御を行うことができるようになる。また、炉
体温度が昇温過程や高温域にある場合には、ポンプ回転
数制御回路25に送る冷媒流量信号を減少させるので、
エチルアルコール12が無駄に流れてドライアイス11
の消費量が増大するのを防止することができる。さら
に、ヒータ電力制御回路22に送る加熱量信号とポンプ
回転数制御回路25に送る冷媒流量信号とが同時に増加
することはないので、炉体1内に極端な温度差が生じる
ようなことがなくなり、温度分布の不均一により温度制
御回路23での温度制御が不安定になったり、DSC信
号検出回路26が検出するDSC信号のベースラインが
変動するようなこともなくなる。
【0027】なお、本実施形態では、炉体1の加熱手段
としてヒータ5を用いたが、加熱量に応じてこの炉体1
を加熱できるものであれば、他の任意のもの、例えばハ
ロゲンランプ等を用いることができる。また、炉体1等
の具体的構成も、上記実施形態に限定されるものではな
い。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の示差走査熱量測定装置によれば、加熱手段だけでなく
冷却手段も用いて炉体の温度制御を行うので、炉体温度
を迅速かつ円滑に昇降させて適確で木目の細かい調整を
行うことができる。
【0029】また、炉体温度が高温域や昇温過程にある
場合等のように、冷却が不要な場合には、冷却手段によ
る冷媒の流量を減少できるので、この冷媒の無駄な消費
をなくすことができる。
【0030】さらに、加熱手段の加熱と冷却手段の冷却
が同時に促進されて炉体内に極端な温度差が生じるよう
なことがなくなるので、温度分布の不均一による温度制
御やDSC信号のベースラインへの悪影響をなくし、安
定した測定を行うことができるようになる。また、低温
ガス吹付方式と異なり、直接低温液体が炉体を還流する
ので熱交換効率が高く、全体的な冷媒消費量は吹付方式
より少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、示差
走査熱量測定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、示差
走査熱量測定装置で記録したDSC曲線を示す図であ
る。
【図3】従来例を示すものであって、示差走査熱量測定
装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 炉体 5 ヒータ 6 冷媒ジャケット 7 炉体温度検出器 11 ドライアイス 12 エチルアルコール 14 冷媒循環ポンプ 22 ヒータ電力制御回路 23 温度制御回路 25 ポンプ回転数制御回路 A 試料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料等を収容する炉体に、この炉体を加
    熱する加熱手段と、この炉体の内部に低温の冷媒を流通
    させることにより冷却を行う冷却手段とが設けられた示
    差走査熱量測定装置において、 炉体の温度を検出する炉体温度検出手段と、 この炉体温度検出手段が検出した炉体温度に応じて、加
    熱手段の加熱量と冷却手段の冷媒流量とを求める温度制
    御手段と、 この温度制御手段が求めた加熱量に応じて、加熱手段の
    加熱能力を調整する加熱制御手段と、 この温度制御手段が求めた冷媒流量に応じて、冷却手段
    による冷媒の流量を調整する冷媒流量制御手段と、 を備えたことを特徴とする示差走査熱量測定装置。
JP22581796A 1996-08-08 1996-08-08 示差走査熱量測定装置 Pending JPH1054813A (ja)

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