JPH06307910A - 体積測定装置 - Google Patents

体積測定装置

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JPH06307910A
JPH06307910A JP9749293A JP9749293A JPH06307910A JP H06307910 A JPH06307910 A JP H06307910A JP 9749293 A JP9749293 A JP 9749293A JP 9749293 A JP9749293 A JP 9749293A JP H06307910 A JPH06307910 A JP H06307910A
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radiator
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JP9749293A
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Shohei Ishida
昇平 石田
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 データが安定するまでに要する時間が短く、
任意の温度での測定が可能で、しかもコンパクトな構成
のともに簡単な操作で確実に設定温度での測定が可能な
気体容積法に基づく体積測定装置を提供する。 【構成】 測定室1と膨張室2の構成部材3に、その温
度を測定する第1の温度センサ4と、ペルチェ素子51
と放熱器52を含む熱交換器5を取り付け、放熱器52
には第2の温度センサ7を装着し、この放熱器52の温
度が所定温度以上に上昇しない範囲内で、構成部材3が
目標温度になるようにペルチェ素子51に供給する電流
を制御する温度調節回路6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気体容積法に基づいて被
測定試料の体積を測定する装置に関し、更に詳しくは、
定容積法に基づく体積測定装置に関するもので、例えば
密度計等に応用することのできる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】固体の体積を測定する方法として気体容
積法と称される方法が知られている。気体容積法は、気
体中の試料によりその試料体積分だけ気体が排除される
ことを利用した体積測定法で、検出方法によって定容積
法、不定容積法、圧力比較法等に分類できるが、いずれ
においても、液浸透法等に比して試料の溶解の恐れがな
いことから、粉粒体の体積測定に対して有利であるとと
もに、媒体として気体を用いているが故に試料の小孔内
等にも媒体が確実に入り込み、多孔質の試料に対しても
正確に真の体積を測定できるという利点がある。また、
このうち定容積法で、しかも膨張プロセスを利用するい
わゆる定容積膨張法は、ピストン等の可動部分が不要
で、構造も簡単であるという特徴がある。
【0003】定容積膨張法を利用した体積測定装置で
は、一般に、それぞれ内容積が既知の試料室と膨張室を
設けてこれらを開閉弁を介して接続した構造を採る。測
定に際しては、まず、これらの各室の圧力を同一の周囲
圧力Pa (通常は大気圧)とする。この状態での膨張室
内の気体の状態式は、膨張室の内容積をVEXP 、周囲温
度をTa 、膨張室の気体のモル数をnE 、気体定数をR
とすると、 Pa EXP =nE RTa ・・(1) となる。
【0004】次に、開閉弁を閉じた状態で測定室内に被
測定試料を収容して、その試料室内を一定圧力P1 に加
圧する。この状態での試料室内での気体の状態式は、試
料室の内容積をVCELL、同室内の気体のモル数をnC
被測定試料の体積(未知)をVSAMPとすれば、 P1 (VCELL−VSAMP)=nC RTa ・・(2) となる。
【0005】その後、開閉弁を開けることにより試料室
と膨張室とをつなぐ。これにより系内の気体は膨張して
その圧力がP2 に変化する。この状態での気体の状態式
は、 P2 (VCELL−VSAMP+VEXP )=nC RTa +nE RTa ・・(3) となる。(1)〜(3)式から導出される下記の(4)
式によって、被測定試料の体積VSAMPを算出することが
できる。
【0006】 VSAMP=VCELL−VEXP /(P1g/P2g−1) ・・(4) ただし、P1g=P1 −Pa ,P2g=P2 −Pa このような定容積膨張法に基づく体積測定装置において
は、気体の状態式を用いた測定理論である関係上、試料
室への気体の導入から膨張室への開放までの間は、原理
的には、各室内の気体を含めて系の温度を一定に保った
状態で圧力測定を行うか、あるいは常に温度を実測して
補正を加えて圧力から体積を演算する必要がある。しか
し、実際には周囲温度の変化等により、系全体の温度を
一定に保って測定を行うことは困難であり、また、温度
が変化している状態で圧力測定して、これに補正を加え
ることも現実的には困難である。
【0007】そこで、従来のこの種の測定装置において
は、測定中には温度変化がないものとして取り扱う一
方、測定中の温度変化が極力少なくなるように、試料室
と膨張室とを、熱伝導の良好なアルミニウム等の材質か
らなる一体的なブロックによって形成している。また、
被測定試料は、装置とほぼ同一温度とみなし得る場所に
おいて装置との熱平衡を待った後に試料室内に入れる等
の対策を採っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各室の気体
を含む系の温度変化は上記したように測定値の精度に直
接影響を与えるが、その要因として、周囲温度の変化に
加えて、試料室の温度とその内部に収納される被測定試
料との温度差や、試料室内に導入される気体(通常は不
活性ガス)との温度差も無視することはできない。従っ
て、測定に際しては、これらが全て同一の温度になるま
で互いに熱平衡を待った後に測定を開始するか、あるい
は温度差が存在する状態で測定を始めた場合には安定し
たデータが得られるまで繰り返し測定を行う必要があ
り、いずれにしても長時間を要することになる。
【0009】しかも、装置、被測定試料並びに不活性ガ
スがそれぞれ同一の温度となって安定したデータが得ら
れ、そのデータに基づいて体積を算出したとしても、そ
の体積はこれらが自然に熱平衡に達した温度における体
積であり、制御された温度下での体積ではない。
【0010】このことは、熱膨張係数の大きい試料では
測定時の温度の違いが測定結果に与える影響が大きくな
ることを意味する。また、この体積測定結果を用いて被
測定試料の密度を算出する場合には、その試料に適用さ
れるJIS等の規格において測定時の温度が規定されて
いれば、その温度に換算しなければならないことにな
る。ところが、このような換算を行った場合には、換算
後の値は密度ではなく、比重という物理量になってしま
う。ここで、他の測定法に基づく体積ないしは密度測定
方法では、測定時の温度調節が比較的容易であるため、
実際には以上のような換算を極力避け、規格で決まった
温度下で測定が行われる。例えばプラスチックの密度・
比重測定は、JIS K7112に規定されており、方
法として密度勾配管法、水中置換法、ピクノメーター
法、浮沈法があるが、いずれも原則として23°Cの状
態で密度を測定し、測定温度がその温度以外の場合には
23°Cに換算して比重を求めるように規定されてい
る。このような他の測定方法と、気体容積法との相関デ
ータを得るためには、気体容積法においても23°Cで
測定すべきである。換言すれば、プラスチックに限ら
ず、他の試料においても測定時の試料温度を、該当する
JIS等の規格で決まった温度に保持できることが相関
データを得る最良の方法であるが、従来の気体容積法に
基づく測定装置ではこのような機能を持ったものはな
い。
【0011】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、データが安定するまでに要する時間が従来の装
置に比して短く、かつ、任意の設定温度での測定が可能
な気体容積法に基づく体積測定装置で、しかも、コンパ
クトな構成のもとに、簡単な操作によって極めて短時間
で確実に設定温度での測定が可能な体積測定装置の提供
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの構成を、実施例に対応する図1を参照しつつ説明す
ると、本発明の体積測定装置は、被測定試料Wを収納す
る試料室1と、この試料室1に開閉弁(膨張バルブ)1
5を介して連通した膨張室2とが、それぞれ熱伝導の良
好な材質からなる構成部材(ブロック)3によって形成
されているとともに、試料室1には不活性ガスを導入す
るための開閉弁(導入バルブ)14が設けられてなる気
体容積法に基づく体積測定装置において、試料室1と膨
張室2の構成部材3の温度を測定する第1の温度センサ
4と、上記各室1,2の構成部材3に対して共通して直
接取り付けられた吸発熱が可能な熱交換器5と、第1の
温度センサ4の出力を入力して熱交換器5を駆動するこ
とにより構成部材3の温度を目標温度に維持する温度調
節回路6を備え、熱交換器5は、ペルチェ素子51およ
び当該ペルチェ素子51により構成部材3から吸収した
熱を外部へ放出するための放熱器52を含み、その放熱
器52には第2の温度センサ7が設けられ、温度調節回
路6は、第2の温度センサ7による放熱器52の温度検
出値があらかじめ設定された温度よりも上昇しない範囲
内でペルチェ素子51への供給電流を制御するよう構成
されていることによって特徴づけられる。
【0013】
【作用】試料室1と膨張室2の構成部材3の温度が第1
の温度センサ4で測定され、基本的には、その測定結果
が目標温度と一致するように構成部材3に直接取り付け
られた吸発熱が可能なペルチェ素子51および放熱器5
2を有する熱交換器5が動作する。この熱交換器5は、
熱伝導の良好な材質で形成された試料室1と膨張室2に
共通に取り付けられるから、試料室1内に入れられる被
測定試料Wや導入ガスの温度が、構成部材3の温度と相
違していても、各室1,2を含む系の温度はより短時間
で同一に、かつ、目標温度に到達する。
【0014】このペルチェ素子51を用いた熱交換器5
による温度調節動作において、単に第1の温度センサ4
による温度検出値が目標温度と一致するよう、ペルチェ
素子51への供給電流を制御すると、以下に示すような
不具合が生じるが、本発明では、放熱器52の温度を検
出する第2の温度センサ7の出力を用いて、ペルチェ素
子51に流れる電流に制限を設けることで、コンパクト
な構成のもとに短時間で系の温度を目標温度に到達させ
ている。
【0015】すわなち、一般にペルチェ素子を用いて温
度制御を行う場合、被制御部を周囲温度より低くするに
当たっては被制御部から吸収した熱を装置外部に放熱す
る必要があるが、放熱の方法としては、半導体の冷却に
多用されているように、熱伝導の良好な材質からなる放
熱器を通して大気中に放熱するのが通常である。ところ
が、放熱器の能力を越えて被制御部を冷却しようとした
場合には、放熱器の温度が異常に高くなり、その結果、
冷却すべき被制御部の温度までが上昇することになる。
【0016】これは、放熱器を熱伝導の悪い空気で冷却
するためであり、ペルチェ素子による被制御部からの吸
熱量が大きくなることに比例して放熱器の表面温度と周
囲温度の差が大きくなる。更に、その大きくなる要因
に、ペルチェ素子で消費される電力が加算される。つま
り、本発明の構成において、被制御部である構成部材3
からペルチェ素子51により吸熱される熱量QC と、放
熱器52が放熱すべき熱量量QH には、 QH =QC +QP ・・(5) の関係が成立しなければならない。QP はペルチェ素子
51に流す電流IP によって素子内部で消費される電力
で発生するジュール熱であり、放熱器52から大気中に
放熱しなければならない熱量は、構成部材3を冷却する
ために吸熱した熱量に加えて、ペルチェ素子51内で発
生したジュール熱が加算される。
【0017】このQC +QP が放熱器52の放熱能力を
越えている状態では、放熱器52の表面温度が上昇を続
け、この状態を継続して、やがて放熱器52の温度によ
ってペルチェ素子51側の放熱側温度と同素子51の冷
却側の温度(構成部材3側の温度)との差が、当該素子
51のヒートポンプとしての能力越えてしまうと、その
ペルチェ素子51の冷却側の温度が上昇し、構成部材3
を目標温度に到達させることはできない。
【0018】そこで、本発明では、第2温度センサ7に
よって放熱器52の温度を検出し、その温度が設定温度
にまで上昇しないように、ペルチェ素子51への供給電
流に制限を加えつつ、第1の温度センサ4による構成部
材3の温度検出結果が目標温度と一致するようにペルチ
ェ素子51に流す電流を制御することで、放熱器52を
大型化することなく短時間で構成部材3の温度を目標温
度に到達させることができる。
【0019】
【実施例】図1は本発明実施例の構造を示す断面図であ
る。熱伝導の良好な材質、例えばアルミニウム等、から
なる1つのブロック3に、被測定試料Wを収納するため
の試料室1と膨張室2が形成されている。
【0020】試料室1には着脱自在のキャップ11が設
けられており、被測定試料Wは容器12内に収容された
状態でこの試料室1内に収納される。また、試料室1は
ブロック3に形成された管路31を介してブロック3外
の圧力計13に連通しているとともに、この試料室1は
管路32および開閉弁である導入バルブ14を介してボ
ンベ等の不活性ガス源を接続できるようになっている。
【0021】試料室1と膨張室2とは、ブロック3内の
管路33および34、更には開閉弁である膨張バルブ1
5を介して相互に連通している。また、膨張室2は管路
35を介して同じく開閉弁である排出バルブ16に接続
されている。
【0022】前記した圧力計13の出力はA−D変換器
(図示せず)を介してマイクロコンピュータ10に採り
込まれ、また、導入バルブ14、膨張バルブ15および
排出バルブ16は、それぞれマイクロコンピュータ10
からの制御信号によって所定のタイミングで開閉するよ
うになっている。
【0023】ブロック3には第1の温度センサ4が装着
されているとともに、その一面にはそのほぼ全面にわた
って、ペルチェ素子51を駆動源とし、かつ、放熱器5
2を備えた熱交換器5が直接に取り付けられている。こ
のペルチェ素子51には後述する温度調節回路6からの
電流が供給されるようになっている。ブロック3の熱交
換器5の取り付け部を除く周囲は断熱材9で覆われてい
る。なお、9aは試料を出し入れするための蓋であっ
て、この蓋9aも断熱材で形成されている。
【0024】放熱器52には、その表面温度を検出する
ための第2の温度センサ7が取り付けられており、この
第2の温度センサ7の出力は、ブロック3の温度を検出
するための前記した第1の温度センサ4の出力とともに
温度調節回路6に採り込まれている。また、放熱器52
の近傍には、この放熱器52に向けて送風するためのフ
ァン8が配設されている。
【0025】ここで、ペルチェ素子51は、流す電流の
向きを変えることによってブロック3を加熱または冷却
することができ、従って放熱器52は、ブロック3を冷
却する場合にはブロック3から奪った熱を周囲に放熱す
るが、ブロック3を加熱する場合には周囲から吸熱する
働きをもなす。
【0026】温度調節回路6は温度設定器6aを備えて
おり、この温度設定器6aによってブロック3の目標温
度を設定することができる。そして、温度調節回路6
は、基本的には、第1の温度センサ4によるブロック3
の温度検出結果がその目標温度TSET と一致するように
熱交換器5のペルチェ素子51に流す電流の向き並びに
大きさを変化させるが、ブロック3を冷却する場合に
は、図2に示すように、第2の温度センサ7による放熱
器52の温度TSURFと、あらかじめ設定された上限温度
LIM とを比較しつつ、放熱器52の温度TSURFが上限
温度TLIM と一致したとき、あるいは越えたときには、
ブロック3の温度TC が目標温度TSET に達していない
状態であるにも係わらず、ペルチェ素子51に流す電流
P を低下させるように構成されている。
【0027】以下、その温度調節動作を詳述する。図3
は本発明実施例の各部の温度分布を示す模式図で、
(A)は放熱器52による放熱量が少ない場合、(B)
は同じくその放熱量が多い場合の例を示している。な
お、この図3では、ペルチェ素子51は実際の素子構造
をより詳細に示しており、ペルチェ素子51は、実際に
はP型とN型の半導体を多数組合わせた本体部分51a
と、その両端の外部との熱交換を行うセラミック基板5
1b,51cによって構成されている。これは通常のペ
ルチェ素子の基本的な構造である。また、図においてT
a は周囲温度、TSET は温度設定器6aにより設定され
た目標温度、TC はペルチェ素子51の冷却側温度すな
わち制御状態にあるブロック3の温度、TH は同じくペ
ルチェ素子51の放熱側温度、TSURFは放熱器52の表
面温度を示している。
【0028】さて、(A)に示すように、周囲温度Ta
と温度設定器6aにより設定された目標温度TSET とが
比較的近似している場合、言い換えれば放熱器52から
の放熱量が少ない場合には、放熱器52の表面温度T
SURFは周囲温度Ta に対して殆ど差は生じない。
【0029】一方、目標温度TSET と周囲温度Ta との
差が大きい状態では、放熱器52からの放熱量が多いた
めに、(B)に示すように放熱器52の表面温度TSURF
と周囲温度Ta との差が大きくなる。これは、放熱器5
2を熱伝導の悪い空気で冷却するためであり、図1に示
すようにファン8で放熱器52を強制冷却しても限度が
あり、放熱器52の表面温度TSURFと周囲温度Ta との
差は、ブロック3からの吸熱量に比例して大きくなる。
【0030】このように目標温度TSET が周囲温度Ta
に対して差が大きい場合には、第1の温度センサ4によ
るブロック3の温度と目標温度TSET を比較してペルチ
ェ素子51の電流IP を制御した場合、前記した(5)
式で示したペルチェ素子51に流れる電流IP により素
子51内部で発生したジュール熱QP の存在と相まっ
て、図4に示すように、放熱器52から大気中に放熱す
べき熱量がその放熱能力を越えてペルチェ素子51の放
熱側温度TH が上昇し、その温度TH と同じく素子51
の冷却側温度TC との差がペルチェ素子1のヒートポン
プとしての能力を越え、ペルチェ素子51に流す電流I
P を大きいままに継続させても、冷却側温度TC は低下
せず、ブロック3は目標温度TSET には達しない。
【0031】このような状況を回避するための対策とし
て、放熱器52の能力を大きくすべく大型の放熱器を用
いるか、あるいは図5に示すように、放熱器52が放熱
すべき熱量を放熱能力の範囲内に収めるべく、目標温度
SET を当初は実際の目標温度よりも高くしておき、こ
れを経時的に低下させていく方法が考えられる。この方
法は、上記の図4の状況とならないように周囲温度Ta
と目標温度TSET の関係に安全率を見込んで経験的にど
れだけの勾配で目標温度TSET を変化させるかを決定し
なければならず、ブロック3を最終の目標温度TSET
冷却するまでに長時間を要するという欠点がある。ま
た、放熱器52を大型化する場合には、極端な場合には
ブロック3と同等の大きさのものを使用する必要が生
じ、装置が大型化してしまうという欠点がある。
【0032】これに対し図2に示した本発明実施例によ
る制御では、ブロック3の冷却動作が保証されるための
ペルチェ素子51の能力と放熱器52の放熱効果によっ
て決まる、放熱器52の上限温度TLIM を周囲温度Ta
との関連において実験的に求め、その温度をあらかじめ
設定して、放熱器52の温度TSURFがその温度TLIM
越えないようにペルチェ素子51への供給電流に制限を
加えることで、短時間でしかも確実にブロック3の温度
を目標温度TSET に到達させることができる。
【0033】なお、本発明実施例における測定動作は次
の通りである。ここで、以下の説明に記されているPa
等の符号は前記した(1)〜(4)式における符号と対
応する。
【0034】測定に先立ち、温度設定器6aを操作して
測定の目標温度TSET を設定する。これにより、ペルチ
ェ素子51並びにファン8が動作し、以降、ブロック3
の温度はその目標温度TSET に一致するように制御され
る。このとき、ブロック3を冷却する場合には図2のよ
うに放熱器52の温度TSURFが上限温度TLIM を越えな
いようにペルチェ素子51への供給電流IP が制限さ
れ、短時間のもとにブロック3の温度は目標温度TSET
に達する。
【0035】ブロック3の温度が目標温度TSET に達し
て定常状態となった後、断熱材9の蓋9aを開けてキャ
ップ11を取り外し、試料室1内に被測定試料Wの入っ
た容器12を挿入した後、キャップ11を取り付けて試
料室1を密閉する。
【0036】次に、膨張バルブ15および排出バルブ1
6を開放し、圧力計13でPa を測定する。その状態で
導入バルブ14のみを開き、試料室1内を圧力P1 近傍
にまで加圧した後、導入バルブ14を閉じ、平衡状態に
なるまで待機した後、正確な圧力P1 を測定する。
【0037】次に膨張バルブ15を開き、試料室1と膨
張室2を連通させる。この状態で圧力が平衡に達すれ
ば、圧力P2 を測定する。その後、排出バルブ16を開
き、試料室1と膨張室2の圧力を大気圧まで戻してお
く。
【0038】このような測定動作によると、周囲温度の
変動があっても、ブロック3の温度はペルチェ素子52
によって常に目標温度と一致するように制御されるか
ら、所望温度での体積測定が可能となる。
【0039】なお、ブロック3とは別に、熱交換器5
に、測定前の被測定試料を収容するための待機室が形成
されたブロック、および、試料室1内に導く前の導入ガ
スを通過させて熱交換を行うためのブロック等を装着し
てもよく、これにより、導入ガスは試料室1内に導入さ
れる時点でほぼ系の目標温度と同一になり、また、他の
試料の測定中に次の試料を待機室に挿入しておくこと
で、被測定試料の温度もほぼ系の目標温度と同一温度に
なっている状態から測定を開始することができ、測定に
要する時間はより短縮化される。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
試料室と膨張室の構成部材の温度を測定する第1の温度
センサを設け、その構成部材にはペルチェ素子および放
熱器を含む熱交換器を直接取り付けるとともに、その放
熱器には第2の温度センサを設け、温度調節回路は第1
の温度センサの出力と第2の温度センサの出力を入力し
て、構成部材の冷却時には、第2の温度センサによる放
熱器の温度検出値があらかじめ設定された温度よりも上
昇しない範囲内で、ペルチェ素子への供給電流を制御す
ることによって、第1の温度センサにより検出される構
成部材の温度を目標温度に制御するよう構成したので、
放熱器の能力を最大限に生かした制御が可能となり、コ
ンパクトな構造のもとに、短時間で確実に試料室並びに
膨張室を含む測定系の温度を目標温度に到達させること
が可能となる。これにより、粉粒体等の真の体積を求め
るのに最も適した気体容積法に基づく体積測定装置にお
いて、測定温度を任意温度に設定することが可能とな
り、従来のこの種の装置のように周囲温度を制御する場
合に比して、低コストのもとに、より高精度の測定温度
制御を極めて短い時間で行うことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の構成を示す断面図
【図2】その温度調節回路6によるペルチェ素子51へ
の供給電流IP の制御の仕方の説明図
【図3】本発明実施例における各部の温度分布を、放熱
器52による放熱量が少ない場合(A)と多い場合
(B)で示す説明図
【図4】比較例によるペルチェ素子51への供給電流I
P の制御方法の説明図
【図5】同じく他の比較例によるペルチェ素子51への
供給電流IP の制御方法の説明図
【符号の説明】
1 試料室 2 膨張室 3 ブロック 4 第1の温度センサ 5 熱交換器 51 ペルチェ素子 52 放熱器 6 温度調節回路 6a 温度設定器 7 第2の温度センサ 9 断熱材 10 マイクロコンピュータ 13 圧力計 14 導入バルブ 15 膨張バルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定試料を収納する試料室と、この試
    料室に開閉弁を介して連通した膨張室とが、それぞれ熱
    伝導の良好な材質からなる構成部材によって形成されて
    いるとともに、上記試料室には不活性ガスを導入するた
    めの開閉弁が設けられてなる気体容積法に基づく体積測
    定装置において、上記試料室と膨張室の構成部材の温度
    を測定する第1の温度センサと、上記各室の構成部材に
    対して共通して直接取り付けられた吸発熱が可能な熱交
    換器と、上記第1の温度センサの出力を入力して上記熱
    交換器を駆動することにより上記構成部材の温度を目標
    温度に維持する温度調節回路を備え、上記熱交換器は、
    ペルチェ素子および当該ペルチェ素子により上記構成部
    材から吸収した熱を外部へ放出するための放熱器を含
    み、その放熱器には第2の温度センサが設けられ、上記
    温度調節回路は、上記第2の温度センサによる上記放熱
    器の温度検出値があらかじめ設定された温度よりも上昇
    しない範囲内で上記ペルチェ素子への供給電流を制御す
    るよう構成されていることを特徴とする体積測定装置。
JP9749293A 1993-04-23 1993-04-23 体積測定装置 Pending JPH06307910A (ja)

Priority Applications (1)

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