JP5311577B2 - 圧力センサの検査装置 - Google Patents
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Description
そして、圧力センサの温度特性(温度と出力信号との関係)が、直線関係(理想直線)から許容値を超えてずれている場合には、圧力センサの温度特性が理想直線に近づくように適宜補正(温度補正)される。
ここに、圧力センサの温度特性を測定する検査装置の構成として、図7に示したように、ボート基板90に実装された圧力センサSを収納する圧力容器91と、この圧力容器91内の圧力を制御する圧力制御部92と、加圧のためのコンプレッサー93と、圧力センサSの出力信号を計測する計測部(プローブユニット94および測定回路95)と、圧力容器91を収納する恒温槽96と、圧力制御部92、計測部および恒温槽96の内部温度を制御するとともに、計測部により得られた圧力センサSの出力信号を取得して処理する演算処理部97とを備えてなるものが考えられる。
このような装置において、圧力センサの温度は、演算処理部97により温度制御される恒温槽96によって調整される。
例えば、低温(−40℃)、高温(125℃)、常温(25℃)の各温度条件において3種類の圧力で、圧力センサの出力信号を計測しようとすると、すべての計測が完了するまでに9〜10時間を必要とする。
このため、圧力センサ(最終製品)の製造効率はきわめて低いものとなっている。
本発明の目的は、被検査物である圧力センサを短い時間で所定温度にすることができ、圧力センサの温度特性を短時間で測定することができる圧力センサの検査装置を提供することにある。
この圧力容器内の圧力を制御する圧力制御部と、
前記圧力容器の内部において、圧力センサを挟み込むように配置され、この圧力センサを冷却または加熱する2枚の冷熱プレートと、
これらの冷熱プレートの温度を制御する温度制御部と、
圧力センサの出力信号を計測する計測部と、
前記圧力制御部、前記温度制御部および前記計測部を制御するとともに、当該計測部により得られた圧力センサの出力信号を、計測時の温度および圧力の情報とともに取得する演算処理部とを備えてなることを特徴とする。
前記温度制御部は、温度の異なる熱媒体を収容する複数基の媒体タンクと、
前記演算処理部からの信号に従って、前記冷熱プレートに形成された熱媒体の循環流路に連結させる媒体タンクを前記複数基の媒体タンクの中から選択して切り替える切替機構とを有していることが好ましい。
また、切替機構によって媒体タンクを切り替えることにより、切替前とは異なる温度の熱媒体が冷熱プレートの循環流路に直ちに循環するので、冷熱プレートの表面温度を迅速に変化(上昇または低下)させることができる。
を備えてなることが好ましい。
また、ボート基板において、実装部と離間してプローブポイントが設けられていることにより、計測部を構成するプローブユニットを冷熱プレートから離間して配置することができ、冷熱プレートからプローブユニットへの熱の影響を回避することができる。
本発明の検査装置は、圧力センサの温度特性(温度と出力信号の関係)を測定する検査装置である。
図1に示すように、本実施形態の検査装置は、ボート基板10と、圧力容器20と、圧力制御部30と、冷熱プレート(下側の冷熱プレート41および上側の冷熱プレート42)と、冷熱プレートの温度制御部50と、計測部(プローブユニット61および測定回路62)と、演算処理部70とを備えてなる。
同図において、31はコンプレッサ(加圧装置)、32は真空ポンプ(減圧装置)、33は圧力センサ(圧力容器内の圧力の計測手段)、71は入力部、72は記憶部、73は出力部である。
このボート基板10の実装部10Aには、33個のセンサを実装することが可能であり、例えば、被検査物である32個の圧力センサと、1個の温度センサを実装することができる。
一方、プローブポイント10Bには132個(1個のセンサあたり4個)の端子が配列されている。
圧力制御部30は、演算処理部70からの信号を受けて、コンプレッサ31または真空ポンプ32を稼働させるとともに、例えば、内蔵する圧力調整弁により、圧力容器20内を所定の圧力(加圧または負圧)となるよう制御する。
圧力容器20内の圧力は、圧力センサ33により計測され、圧力情報として演算処理部70にフィードバックされる。
圧力制御部30は、また、複数の圧力範囲を制御するもの(例えば、第1の圧力範囲を13〜120kPaとし、第2の圧力範囲を101〜608kPa(1〜6気圧)とする)であってもよい。
本実施形態の検査装置においては、被検査物を冷却または加熱する手段である冷熱プレート41および42が、圧力センサSを挟み込むようにして、圧力容器20の内部に配置されている点に特徴を有する。
また、上側の冷熱プレート42は、プレート要素421および422から構成され、冷熱プレート42の内部には、水平面に沿って蛇行するように、熱媒体の循環流路が形成されている。
なお、図3において、43はプレート要素の固定ネジ、44はガスケットである。また、図1〜図3において、451、452および453は、それぞれ、熱媒体の流路を区画する外部配管である。
冷熱プレート41の内部から流出された熱媒体は、外部配管452を通って冷熱プレート42の内部に流入され、蛇行する循環流路42Fを流動することにより冷熱プレート42の表面(下面)を冷却または加熱し、冷熱プレート42の内部から流出される。
冷熱プレート42の内部から流出された熱媒体は、外部配管453を通って媒体タンクに戻る。
上記のようにして、冷熱プレート41および42の内部に熱媒体が循環される。
なお、熱媒体の順路は、上記に限定されるものではない。
図1に示すように、温度制御部50は、高温(通常60〜150℃、例えば125℃)の熱媒体を収容する媒体タンク511と、常温(通常20〜40℃、例えば25℃)の熱媒体を収容する媒体タンク512と、低温(通常−50〜0℃、例えば−40℃)の熱媒体を収容する媒体タンク513を有している。
なお、媒体タンク511、512および513に収容される熱媒体は、同じ化合物からなることが好ましいが、媒体タンクごとに異なる種類の熱媒体を使用することも可能である。
また、切替機構によって媒体タンクを切り替えることにより、切替前とは異なる温度の熱媒体が冷熱プレート41および42の循環流路に直ちに循環するので、冷熱プレート41および42の表面温度を迅速に変化(上昇または低下)させることができる。
プローブユニット61には、ボート基板10のプローブポイント10Bに配列された端子群の各々に接続される複数のプローブが設けられている。
プローブユニット61により計測された圧力センサの出力信号(電圧または電流)は、測定回路を経て演算処理部70に入力される。
また、ボート基板10において、実装部10Aとプローブポイントが離間していることにより、プローブユニット61を冷熱プレート41および42から離間して配置することができ、冷熱プレート41および42からプローブユニット61への熱の影響を回避することができる。
入力部71からは、圧力容器20内の設定圧力、被検査物である圧力センサの設定温度などを入力することができる。入力された設定圧力の情報は演算処理部70によって処理され、演算処理部70からの処理信号によって圧力制御部30が制御される。また、入力された設定温度の情報も演算処理部70により処理され、演算処理部70からの処理信号により温度制御部50が制御される。
図6に示したように、冷却を開始してから約10分間で(−40℃,120kPa)、(−40℃,13kPa)、(−40℃,60kPa)の計測環境を得ることができた。 その後、加熱を開始してから約10分間で(125℃,120kPa)、(125℃,13kPa)、(125℃,60kPa)の計測環境を得ることができた。
その後、冷却を開始してから約10分間で(25℃,120kPa)、(25℃,13kPa)、(25℃,60kPa)の計測環境を得ることができた。
例えば、1枚のボート基板に更に多数のセンサを実装することも可能である。
また、圧力容器の内部に、複数のボート基板を配置してもよい。この場合、ボート基板に実装された圧力センサのすべてを挟むように、2枚または(2×n)枚の冷熱プレートを配置してもよい。
また、被検査物である圧力センサは、MEMS圧力センサ以外のものであってもよい。 また、冷熱プレートを冷却または加熱する手段として、熱媒体を循環させること以外の手段を採用(併用)してもよい。
10A 実装部
10B プローブポイント
11 基台
12 フレキシブル基板(FPC)
13 蓋
20 圧力容器
21 容器本体
22 蓋部
23 把手
30 圧力制御部
31 コンプレッサ
32 真空ポンプ
33 圧力センサ
41 冷熱プレート(下側)
411,412 プレート要素
41F 循環流路
42 冷熱プレート(上側)
421,422 プレート要素
42F 循環流路
43 固定ネジ
44 ガスケット
451、452、453 熱媒体の外部配管
50 温度制御部
511 媒体タンク(高温用)
512 媒体タンク(常温用)
513 媒体タンク(低温用)
521 循環ポンプ(高温用)
522 循環ポンプ(常温用)
523 循環ポンプ(低温用)
531、541 バルブ(高温用)
532、542 バルブ(常温用)
533、543 バルブ(低温用)
61 プローブユニット
62 測定回路
70 演算処理部
71 入力部
72 記憶部
73 出力部
Claims (3)
- 圧力センサの温度特性を測定する検査装置であって、
被検査物である圧力センサを収納する圧力容器と、
この圧力容器内の圧力を制御する圧力制御部と、
前記圧力容器の内部において、圧力センサを挟み込むように配置され、この圧力センサを冷却または加熱する2枚の冷熱プレートと、
これらの冷熱プレートの温度を制御する温度制御部と、
圧力センサの出力信号を計測する計測部と、
前記圧力制御部、前記温度制御部および前記計測部を制御するとともに、当該計測部により得られた圧力センサの出力信号を、計測時の温度および圧力の情報とともに取得する演算処理部とを備えてなることを特徴とする圧力センサの検査装置。 - 前記冷熱プレートの内部には、熱媒体の循環流路が形成され、
前記温度制御部は、温度の異なる熱媒体を収容する複数基の媒体タンクと、
前記演算処理部からの信号に従って、前記冷熱プレートに形成された熱媒体の循環流路に連結させる媒体タンクを前記複数基の媒体タンクの中から選択して切り替える切替機構とを有していることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサの検査装置。 - 被検査物である複数の圧力センサが実装される実装部と、これらの圧力センサの各々に電気的に接続される端子群が位置するプローブポイントとを有するボート基板
を備えてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧力センサの検査装置。
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