JP2004093276A - 熱敏感素子測定装置 - Google Patents

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Makoto Orikawa
織川 真
Hisashi Komatsuzaki
小松崎 壽志
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Abstract

【課題】サーミスタ等熱敏感素子および測定端子の一様かつ迅速な恒温化を空気中において得ることのできる、空気中測定の熱敏感素子測定装置を提供すること。
【解決手段】熱敏感素子9を載置する導電性の固定プレート1と、固定プレート1上方位置に移動可能で、かつ固定プレート1上に載置された被測定物9に上方から接触可能な状態で測定端子21が設けられた可動プレート2と、固定プレート1および測定端子21に接続し、被測定物9の電気特性を測定できる電気回路4と、さらに固定プレート1にはこれを恒温化する固定プレート恒温化手段12と、恒温を維持する固定プレート断熱手段15とを、可動プレート2にはこれを恒温化する端子恒温化手段22と、可動プレート2を駆動する可動プレート駆動手段3とを設けた装置構成とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱敏感素子測定装置に関し、特に、サーミスタ等温度変化に対して電気特性変化の大きい素子(以下、「熱敏感素子」という。)の温度および電気特性を空気中において精度良く測定することのできる、熱敏感素子測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
小形サーミスタ等の熱敏感素子の温度や電気特性を正確に生産測定検査する場合、熱敏感素子の置かれた測定環境における温度の安定化が最も問題となる。従来、これら熱敏感素子の電気特性測定は一般に、不伝導液体中での恒温式測定を行われてきた。これは、温度制御された有機溶媒もしくはシリコンオイル等の不伝導液体を用いたオイルバス中に、被測定物であるサーミスタ等の熱敏感素子を測定端子に固定した状態で浸漬して、電気抵抗値等の電気特性を測定するものである。測定が熱伝導率の高い恒温液体中で行われるため、サーミスタ等の温度分布の均一化を空気中測定よりも短時間で得ることができ、高精度の測定が可能であった。
【0003】
しかし、不伝導液体の取扱いは煩雑であり、測定後の素子の洗浄にも労力およびコストがかかり、さらに廃液の処理等においては環境に対する負荷が大きいなど、種々の問題があった。一方、熱伝導率の低く、かつ熱容量の小さい空気中での測定は、測定環境の温度の安定が得られにくく、サーミスタ等被測定物の恒温化に長時間を要するという問題があった。これらの問題を解決する方法として、恒温式測定装置(特開平6−331694号公報)が提案されている。
【0004】
これは、室内の気体を一定温度に維持した恒温室内部に区画された測定ブロックを設け、これに恒温液体が循環するパイプを内蔵した熱伝導性の恒温プレートを設け、該恒温プレート上に被測定物を載置する載置ブロックを設け、該恒温プレートと該載置ブロックの間には両者間を導通させるための導体パターンが形成された絶縁基板が設けられることを基本的な構成とする装置である。この装置において被測定物であるサーミスタの恒温化は、(I)恒温プレート−導体パターン−載置ブロックを通してサーミスタの一方の電極部付近に伝導される循環パイプ中の恒温液体の熱、(II)恒温プレート−絶縁基板(樹脂)−導体パターン−載置ブロックを通してサーミスタの他方の電極部付近に伝導される恒温液体の熱、(III)恒温室中の恒温気体から伝導される熱、によりなされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし該装置による空気中測定には、次のような問題点がある。
(a)循環パイプの恒温液体による被測定物の恒温化の過程は上述のように二の電極部において異なるため、その恒温化は一様ではなく、被測定物の均一な恒温化には時間を要する。
(b)同様に、各測定端子の恒温化は一様ではなく、高い測定精度を得るための恒温化には時間を要する。
(c)測定環境の恒温化を得るために恒温室を設ける必要がある。
(d)被測定物であるサーミスタ等の電極構成によっては、測定端子の接続方向を平面方向で行うことが困難な場合がある。
【0006】
したがって本発明の課題は、上記従来技術の欠点を除き、被測定物であるサーミスタ等熱敏感素子および測定端子の一様かつ迅速な恒温化を空気中において得ることができ、空気中において熱敏感素子の温度と電気抵抗値等電気特性を高精度に測定することのできる、熱敏感素子測定装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は上記課題について鋭意検討した結果、熱敏感素子を載置する恒温化手段を設けたプレート自体を一方の測定端子とし、該プレート上に載置した熱敏感素子に対し上方から接触可能な他方の測定端子を設け、かつこれにも恒温化手段を設けることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明は、以下のとおりである。
【0008】
(1)被測定物である熱敏感素子を載置するための導電性の固定プレートと、該固定プレート上方位置に位置移動させることが可能であり、かつ該固定プレート上に載置された被測定物に上方から接触可能な状態で測定端子の設けられた可動プレートと、該固定プレートおよび該測定端子に接続して構成され、被測定物の特性を測定することの可能な電気回路と、を有する熱敏感素子測定装置であって、
該固定プレートには、これを恒温化するための恒温熱源となる固定プレート恒温化手段と、該固定プレートの恒温を維持するための固定プレート断熱手段とが設けられ、
該可動プレートには、これを恒温化するための恒温熱源となる端子恒温化手段と、該可動プレートを駆動するための可動プレート駆動手段とが設けられている、ことを特徴とする、熱敏感素子測定装置。
【0009】
(2)前記可動プレートにはさらに、前記測定端子による前記固定プレート上に載置された被測定物への接触を可能にさせるための端子押圧手段が設けられていることを特徴とする、(1)の熱敏感素子測定装置。
【0010】
(3)前記固定プレートの材質として銅、またはその他の熱伝導性を有する金属を用いることを特徴とする(1)または(2)の熱敏感素子測定装置。
【0011】
(4)前記固定プレート断熱手段は、前記固定プレート上面に覆設された、高分子材料、またはその他の断熱性を有する材料を材質とする板状体であり、該板状体には被測定物載置用の孔部を形成する貫通壁構造が設けられ、被測定物は該貫通壁構造により露出する該固定プレート面上に載置することが可能であることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかの熱敏感素子測定装置。
【0012】
(5)前記固定プレート恒温化手段は、恒温液体が内部を循環する、一部が該固定プレートの内部を貫通して設けられる循環ホースと、該循環ホース内の恒温液体の循環を駆動するためのポンプとを有する恒温液体循環システムであり、前記端子恒温化手段は、恒温液体が内部を循環する、一部が前記可動プレートの内部に設けられる循環ホースと、該循環ホース内の恒温液体の循環を駆動するためのポンプとを有する恒温液体循環システムであることを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかの熱敏感素子測定装置。
【0013】
(6)前記固定プレートに設けられる恒温液体循環システムのポンプは、前記固定プレート内部に設けられる循環ホース中の恒温液体を吸引することにより該ポンプの駆動熱が該固定プレートに伝わることを抑制した状態で該固定プレート内において恒温液体を流通させることが可能なように、該固定プレートの後流側に設けられていることを特徴とする、(5)の熱敏感素子測定装置。
【0014】
(7)前記端子押圧手段が、前記測定端子に軸方向の伸縮が可能なように設けられたスプリングであることを特徴とする、(1)ないし(6)のいずれかの熱敏感素子測定装置。
【0015】
(8)前記固定プレートおよび前記可動プレートが、内部を恒温化可能な恒温室内に設けられていることを特徴とする、(1)ないし(7)のいずれかの熱敏感素子測定装置。
【0016】
すなわち本発明は、熱敏感素子および測定端子の一様かつ迅速な恒温化を空気中において得るという課題に対し、熱敏感素子を載置する恒温化手段を設けたプレート自体を一方の測定端子とし、該プレート上に載置した熱敏感素子に対し上方から接触可能な他方の測定端子を設け、かつこれにも恒温化手段を設けるという解決手段を与えるものであり、該恒温化手段として、恒温液体が内部を循環する循環ホースと、該循環ホース内の恒温液体の循環を駆動するためのポンプとを有する恒温液体循環システムを、該循環ホースが各プレート内部を通るように設けることとする。
【0017】
つまり本発明は、熱伝導のよい金属等のプレート中に恒温液体を流して温度を安定させる恒温装置を測定用の両電極端子に設けることにより両電極端子を一定温度に恒温化し、電気抵抗値等の空気中における測定を精度良く行えるようにすることを主眼とするものであり、さらに恒温維持を図るために、熱敏感素子載置用のプレートには熱放散を防止するための高分子材料等低熱伝導体による断熱手段を被覆し、該断熱手段には被測定物載置用の孔部を設け、一方恒温循環システムにおいては、ポンプを、その駆動熱が固定プレートに与える影響が最小限となる、固定プレート後流側の位置に設ける。また、生産装置においては同時に多数個の被測定物の特性を測定する必要があるが、この際の効率的測定を可能とするために、測定端子には端子と被測定物の接触不良を防止するためのスプリング等の端子押圧手段を設ける。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図である。図において本装置は、被測定物である熱敏感素子9を載置するための導電性の固定プレート1と、該固定プレート1上方位置に位置移動させることが可能であり、かつ該固定プレート1上に載置された被測定物9に上方から接触可能な状態で測定端子21が設けられた可動プレート2と、該固定プレート1および該測定端子21に接続して構成され、被測定物9の特性を測定することの可能な電気回路4と、を有し、
該固定プレート1には、これを恒温化するための恒温熱源となる固定プレート恒温化手段12と、該固定プレート1の恒温を維持するための固定プレート断熱手段15とが設けられ、
該可動プレート2には、これを恒温化するための恒温熱源となる端子恒温化手段22と、該可動プレート2を駆動するための可動プレート駆動手段3とが設けられていることを主たる構成とする(請求項1)。
【0019】
前記可動プレート2にはさらに、前記測定端子21による前記固定プレート1上に載置された被測定物9への確実な接触を可能にさせるための端子押圧手段26を設けることができる(請求項2)。また、該固定プレート1の材質としては、熱伝導性の良い金属材料を用いることが望ましく、銅、銀、真鍮、アルミニウム、またはその他の熱伝導性の良い金属材料を用いて構成することができる(請求項3)。
【0020】
前記固定プレート断熱手段15の材質としては、高分子材料等の低熱伝導性を有し、固定プレート1からの放熱を有効に防止することのできる材料を用いることができる。
【0021】
【作用】
図において本発明の熱敏感素子測定装置は上述のように構成されているため、被測定物である熱敏感素子9は導電性の固定プレート1に載置され、可動プレート2は該固定プレート1上方位置に位置移動させることが可能であり、該可動プレート2に設けられた測定端子21は、該固定プレート1上に載置された被測定物9に上方からの接触が可能である。電気回路4は導電性を有する該固定プレート1、および該測定端子21に接続されているため、該電気回路4において被測定物9の電気特性が測定される。ここで測定される電気特性は、主として電気抵抗値である(請求項1)。
【0022】
さらに該固定プレート1においては、恒温熱源である固定プレート恒温化手段12によりこれが恒温化され、また固定プレート断熱手段15によりその恒温が維持される。また、該可動プレート2においては、恒温熱源である端子恒温化手段22により測定端子21が恒温化される。また可動プレート駆動手段3により、該可動プレート2は、前記固定プレート1上に載置された被測定物である熱敏感素子9の位置に合わせた必要な平行移動や水平移動が可能なように駆動される(請求項1)。
【0023】
すなわち図において本装置では、被測定物である熱敏感素子9は、その電気特性測定操作のために固定プレート1上に載置される。該固定プレート1は、これに設けられた固定プレート恒温化手段12により恒温化され、さらに同じく該固定プレート1に設けられた固定プレート断熱手段15により該固定プレート1は外部環境と熱的に遮断されてその恒温が維持される。したがって該固定プレート1上に載置された熱敏感素子9は、電気特性の測定に先立って、恒温化された該固定プレート1からの熱伝導を受けて同一の温度に恒温化され、さらに該固定プレート断熱手段15によりその恒温が維持される。一方、同様に可動プレート2においては、これに設けられた測定端子21が端子恒温化手段22により恒温化される。該可動プレート2は、これを少なくとも垂直方向および水平方向に移動させることのできる可動プレート駆動手段3により、垂下移動をさせれば該測定端子21が該固定プレート1上に載置された熱敏感素子9に上方から接触することができるような平面位置に移動させられる。被測定物である熱敏感素子9および該測定端子21がともに同一温度で恒温化されている状態で、該測定端子21は該可動プレート駆動手段3による該可動プレート2に対する垂下作用により垂下し、熱敏感素子9に接触する。熱敏感素子9に接触する導電性の該固定プレート1および該測定端子21には、前記電気回路4が接続されており、電気抵抗等の測定機能(電気測定器41等。)を有する該電気回路4において熱敏感素子9の電気特性が測定される。
【0024】
前記固定プレート1および前記測定端子21は、被測定物9の測定に際しては同一温度に恒温化されていることを要する。したがって、前記固定プレート恒温化手段12および端子恒温化手段22は、同一温度への恒温化をなし得るよう構成される。すなわち両恒温化手段12および22は、その熱源を共通化するよう構成することができる。
【0025】
さらに前記可動プレート2に設けられた端子押圧手段26により、前記測定端子21は、前記固定プレート1上に載置された熱敏感素子9へ押圧されて、該測定端子21は確実に熱敏感素子9に接触することが可能である(請求項2)。該端子押圧手段26としては、軸方向の伸縮が可能なように該測定端子21に設けられたスプリングを用いることができる(請求項7)。
【0026】
複数の熱敏感素子9を同時に該固定プレート1上に載置して測定するに際し、それぞれの熱敏感素子9に対応するように設けられる該測定端子21は、それぞれに設けられた該端子押圧手段26により、対応する熱敏感素子9に接触するように押圧され、同時に複数の熱敏感素子9が載置された場合も、それぞれに対し該測定端子21の確実な接触がなされる。
【0027】
図1において、前記固定プレート断熱手段15は、前記固定プレート1上面に覆設された高分子材料、またはその他の断熱性を有する材料を材質とする板状体により構成し、該板状体には被測定物(熱敏感素子)9載置用の孔部13を形成する貫通壁構造14を設ける構成とすることができる(請求項4)。これにより、被測定物9は該貫通壁構造14により露出する該固定プレート1面上に載置可能であって前記固定プレート恒温化手段12により該固定プレート1とともに恒温化され、該貫通壁構造14が設けられた以外の固定プレート1表面は、断熱性材料による該板状体により被覆されて、恒温化された該固定プレート1の恒温が維持され、それにより該固定プレート1上に載置される被測定物9も安定的に恒温が維持され、精度の高い電気特性測定を行うことができる。
【0028】
生産装置においては、複数の被測定物9を同時に該固定プレート1に載置して連続的に測定を行うために、該貫通壁構造14を複数設ける。この場合は、被測定物9の載置、該測定端子21の被測定物9への接触、および電気特性の測定が効率的に行われるよう、該貫通壁構造14はその形状、内径、配置間隔等を同一にし、規則的なパターンとして配設することができる。被測定物9の大きさ、形状等の仕様により、対応する各種のパターンの貫通壁構造14が配設された板状体を準備して、測定の効率化を図ることもできる。
【0029】
以上述べた構成および作用により、本発明の熱敏感素子測定装置は、サーミスタ等の熱敏感素子の電気抵抗値等の特性を、複数個同時に、高精度で、空気中において手軽に、迅速に、かつ低コストにて測定することができる。
【0030】
図2は、各プレートの恒温化手段として恒温液体循環システムを用いた場合の本発明の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図であり、測定端子や固定プレート断熱化手段等一部の構成要素の図示は省略してある。図において本装置は、前記固定プレート恒温化手段(12)を、恒温液体Lが内部を循環する、一部が該固定プレート1の内部を貫通して設けられる循環ホース122と、該循環ホース122内の恒温液体Lの循環を駆動するためのポンプ125とを有する恒温液体循環システム121として構成することができる。また前記端子恒温化手段(22)を、恒温液体Lが内部を循環する、一部が前記可動プレート2の内部に設けられる循環ホース222と、該循環ホース222内の恒温液体Lの循環を駆動するためのポンプ225とを有する恒温液体循環システム221として構成することができる(請求項5)。
【0031】
前記循環ホース122、222としては、その内部を流通する恒温液体Lの恒温維持のため、熱伝導性の小さい高分子材料等によるフレキシブルホースを用いることができる。また、恒温液体Lとしては、水、シリコンオイル、不凍液、その他を適宜用いることができるが、特に水などの熱容量の大きい液体を用いることが望ましい。
【0032】
両システム121および221においては、前述のとおりその熱源の共通化のため、共通の恒温液層5が設けられる。すなわち該固定プレート1については、該恒温液層5および該ポンプ125は該循環ホース122とともに恒温液体Lの流路が構成されるように設けられ、該流路は該固定プレート1内を貫通して設けられる。該恒温液層5において恒温化された恒温液体Lは該ポンプ125により駆動されて、該循環ホース122内部を流通し、その過程で該固定プレート1の内部を貫通して流れ、該恒温液体Lの熱は該固定プレート1に伝導され、これを恒温化し、その上に載置される熱敏感素子9を恒温化する。
【0033】
一方可動プレート2においても同様に、該恒温液層5および該ポンプ225は該循環ホース222とともに恒温液体Lの流路が構成されるように設けられ、該流路は該可動プレート2内を貫通して設けられる。該恒温液層5において恒温化された恒温液体Lは該ポンプ225により駆動されて、該循環ホース222内部を流通し、その過程で該可動プレート2の内部を貫通して流れ、該恒温液体Lの熱は該可動プレート2、およびこれに設けられた前記測定端子21に伝導されてこれらを恒温化する。前記固定プレート1、熱敏感素子9、および該測定端子21における恒温化はその熱源が共通の高温液層5であるため、同一温度に恒温化され、したがって熱敏感素子9は、温度分布の均一化された状態で、自身と同一温度の測定端子(21)の接触を受け、該接触の前後において熱敏感素子9の恒温が維持された状態で、電気特性の測定に供されることができる。
【0034】
図において本装置では、前記固定プレート1に設けられる恒温液体循環システム121のポンプ125は、前記固定プレート1内部に設けられる循環ホース122中の恒温液体Lを吸引することにより該ポンプ125の駆動熱が該固定プレート1に伝わることを抑制した状態で該固定プレート1内において恒温液体Lを流通させることが可能なように、該固定プレート1の後流側に設けられる構成とすることができる(請求項6)。これにより、該固定プレート1内を流通する前段階の恒温液体Lは、該固定プレート1を挟んでその流路の後流側に設けられたポンプ125により吸引されることによって該固定プレート1内部を流通する。したがって該ポンプ125の駆動熱が、恒温液体Lの流通に伴って該固定プレート1内に伝達されることが抑制され、恒温液体循環システム121において設定される恒温条件が該固定プレート1においてより精度良く達成され、被測定物である熱敏感素子9の恒温化がより高精度に達成される。
【0035】
図3は、恒温室を設けた本発明の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図である。図において本装置は、前記固定プレート1および前記可動プレート2が、内部を恒温化可能な恒温室8内に設けられている構成とすることができる(請求項8)。本発明の熱敏感素子測定装置は恒温室の設置を敢えて必要とはしないが、これを設けることにより測定環境の保全、測定のさらなる高精度化を図ることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<比較例1 測定電極恒温方式の実験1>
熱放散を最小限に抑制できる材料として樹脂製プレートを用いることとし、その内部に恒温溶液の循環水路を加工して設け、水路上にCOM電極を表面が露出するように埋設し、電極を恒温溶液により直接恒温化することとした。プレート内の循環水路は1本設け、プレート外のホースと接続した。液槽に用意した恒温溶液の循環駆動にはポンプを用い、恒温循環システムとした。その上に小形サーミスタをその一方の電極がCOM電極に接触するように載置し、一方の電極には測定端子を接触させて、電気抵抗値を測定した。結果は、測定値の変動が大きく、精度の良い測定結果は得られなかった。原因は、測定端子が恒温化されていないことと推測された。
【0037】
<比較例2 測定電極恒温方式の実験2>
そこで、測定端子も樹脂製プレート同様に恒温循環システムを設けて恒温化することとした。測定端子を別の樹脂製プレートに貫設し、プレート中には恒温溶液の循環水路、外部にはこれと接続するホースを、比較例1と同様に設けた。恒温液槽も別途用意し、計2台とした。以上の構成を加えて、比較例1と同様の測定実験をした。その結果、測定値の変動は抑制されたが、実際の抵抗値よりも約100Ω低い測定値が得られた。原因は、ポンプが恒温液槽の後流側かつCOM電極配置のプレートの前流側に設置されており、その駆動熱により恒温溶液が高温化したためと推測された。
【0038】
<比較例3 測定電極恒温方式の実験3>
そこで、ポンプ位置をプレートの後流側とすることによりポンプ駆動熱の影響を抑制することとし、さらにプレート上の COM電極数を増やして、複数の小形サーミスタについて抵抗値を測定した。ポンプ位置の変更の結果、測定値は数Ωの誤差にまで改善された。しかし電極複数設置による測定では、プレート上の溶液導入部(上流側)付近に設置した電極よりも、送出部(下流側)付近に設置した電極の方が、測定抵抗値が高くなる傾向であり、測定精度は許容範囲外であった。原因は、設置電極数の増加により恒温溶液の良好な流通が阻害され、下流側の電極の恒温化が不充分となったため、と推測された。したがって、樹脂製プレートに電極を埋設した形態の恒温化手段には限界があると判断された。
【0039】
<実施例1 固定プレートの構成>
被測定物を載置する恒温プレート(以下、「固定プレート」という。)の構成を再検討した。まず、筐体の材質は樹脂に替えて熱伝導性および導電性を備えた金属材料とした。特に、熱伝導性に優れる銅を採用した。さらに、固定プレート中に設ける恒温溶液を流通させるための水路を、3本に増設した。また、実質的な溶液循環量を増加させるため、水路およびホースの内径を大きくした(循環量の増加は約25%)。その結果、測定誤差は10Ω程度にまで改善された。測定精度は0.45%であった。抵抗値2.2kΩの小形サーミスタを固定プレート上に載置して、測定値の分布を調べたところ、固定プレート全体で3Ωであり、測定装置として優れた性能を示した。
【0040】
<実施例2 恒温液槽構成の変更>
実施例1等では、固定プレート用、および測定端子用、計二部の恒温循環システムを設け、それらの恒温液槽も別個に設けたが、装置構成をコンパクトにし、熱源を単一とするため、恒温液槽を共用の1台とした。液槽内の恒温溶液の対流の安定化を図るため、攪拌モータも2機に増設した。実施例1と同様、測定誤差、測定値分布の点で良好な結果が得られた。
【0041】
<実施例3 測定端子の形状>
測定端子の先端形状による測定値ばらつき等を検討するため、先端が丸くなっているRタイプ、針状タイプ、および平面状タイプの各タイプで実験した。いずれも、測定値のばらつきや誤差はほとんどなかったが、針状タイプおよび平面状タイプでは、測定端子に被測定物が付着して離れなくなる現象の発生が見られた。一方、Rタイプでは付着現象は見られず、したがって測定端子にはRタイプが適するという結果が得られた。
【0042】
<実施例4 熱敏感素子測定装置>
以上の実験基づき、熱敏感素子測定装置を製作した。
図4は、製作した熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図である。図中、上述した本発明の構成と実際上同一の機能を果たす要素には、同一の符号を付してある。本例装置においては、端子押圧手段としてスプリング261を用いた。固定プレート(以下、本例において「素子恒温プレート」ともいう。)1の材料には銅を用いた。熱敏感素子を載置するための孔部を形成する貫通壁構造を有する固定プレート断熱化手段(板状体)15としては、高分子化合物製の断熱材を用いた。板状体は、一回の測定で一定のサイズの素子を多量に処理するために、同一サイズの素子を孔部を通して素子恒温プレート上に載置できるよう、同一サイズの孔部を規則的に多数配設した構造とした。また恒温液体Lとしては、水を用いた。恒温の設定温度は、25℃を主として用いた。測定には、抵抗値規格19.970kΩの小形サーミスタ等を供した。
【0043】
本装置を用いて小形サーミスタの電気抵抗値を測定し、その測定誤差および素子恒温プレート1上位置における測定値の分布誤差を検証した。その結果、素子恒温プレート上における測定誤差は±2Ω以下、また測定値の分布誤差は±2Ω以下であり、熱敏感素子の電気特性測定装置として、極めて優れた性能を備えていることが示された。
【0044】
本装置においては、縦横0.4〜1.5mm角、および厚さ0.2〜1.2mmのサイズの小形サーミスタについて電気抵抗値を測定した結果、上述のように極めて良好な測定結果が得られ、熱敏感素子測定装置として極めて優れた性能を備えていることが確認された。
【0045】
また、本装置では恒温室は設けなかったにも拘らず、特に測定値にばらつきは見られず、実用に供される通常の測定雰囲気中であれば、装置全体を収容して内部の測定雰囲気を恒温化するための恒温室を、ことさら設ける必要がないという結果が得られた。
【0046】
さらに、本装置による測定値のばらつきを従来の液中測定と比較すると、そのばらつきは1Ω以内で極めて少なく、安定した値を示した。これは、固定プレートが大きな熱容量を有するために、内部を流通する恒温液体の温度変動に対して感受性が鈍いという特性を本装置が備えていることによるものと推測される。
【0047】
【発明の効果】
本発明の熱敏感素子測定装置によれば、上述のように構成されているため、被測定物であるサーミスタ等熱敏感素子および測定端子の一様かつ迅速な恒温化を空気中において得ることができ、熱敏感素子の温度および電気特性について、精度の高い空気中測定を行うことができる。
【0048】
また、実用的、かつ精度の高い空気中測定が可能であるため、取扱いが煩雑で測定後の素子の洗浄にも労力およびコストがかかり、乾燥処理にも労力がかかり、さらに廃液の処理等においては環境に対する負荷が大きいなど、種々の問題点を有する不伝導液体を用いた液中測定を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図である。
【図2】各プレートの恒温化手段として恒温液体循環システムを用いた場合の本発明の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図であり、測定端子や固定プレート断熱化手段等一部の構成要素の図示は省略してある。
【図3】恒温室を設けた本発明の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図である。
【図4】実施例4の熱敏感素子測定装置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
1…固定プレート、 2…可動プレート、 3…可動プレート駆動手段、 4…電気回路、 41…電気測定器、 5…恒温液層、 8…恒温室、 9…被測定物(熱敏感素子)、 12…固定プレート恒温化手段、 121、221…恒温液体循環システム、 122、222…循環ホース、 125、225…ポンプ、 13…孔部、 14…貫通壁構造、 15…固定プレート断熱化手段、
21…測定端子、 22…端子恒温化手段、 26…端子押圧手段、 261…スプリング、 L…恒温液体

Claims (8)

  1. 被測定物である熱敏感素子を載置するための導電性の固定プレートと、該固定プレート上方位置に位置移動させることが可能であり、かつ該固定プレート上に載置された被測定物に上方から接触可能な状態で測定端子の設けられた可動プレートと、該固定プレートおよび該測定端子に接続して構成され、被測定物の特性を測定することの可能な電気回路と、を有する熱敏感素子測定装置であって、
    該固定プレートには、これを恒温化するための恒温熱源となる固定プレート恒温化手段と、該固定プレートの恒温を維持するための固定プレート断熱手段とが設けられ、
    該可動プレートには、これを恒温化するための恒温熱源となる端子恒温化手段と、該可動プレートを駆動するための可動プレート駆動手段とが設けられている、ことを特徴とする、熱敏感素子測定装置。
  2. 前記可動プレートにはさらに、前記測定端子による前記固定プレート上に載置された被測定物への接触を可能にさせるための端子押圧手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の熱敏感素子測定装置。
  3. 前記固定プレートの材質として銅、またはその他の熱伝導性を有する金属を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱敏感素子測定装置。
  4. 前記固定プレート断熱手段は、前記固定プレート上面に覆設された、高分子材料、またはその他の断熱性を有する材料を材質とする板状体であり、該板状体には被測定物載置用の孔部を形成する貫通壁構造が設けられ、被測定物は該貫通壁構造により露出する該固定プレート面上に載置することが可能であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の熱敏感素子測定装置。
  5. 前記固定プレート恒温化手段は、恒温液体が内部を循環する、一部が該固定プレートの内部を貫通して設けられる循環ホースと、該循環ホース内の恒温液体の循環を駆動するためのポンプとを有する恒温液体循環システムであり、前記端子恒温化手段は、恒温液体が内部を循環する、一部が前記可動プレートの内部に設けられる循環ホースと、該循環ホース内の恒温液体の循環を駆動するためのポンプとを有する恒温液体循環システムであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の熱敏感素子測定装置。
  6. 前記固定プレートに設けられる恒温液体循環システムのポンプは、前記固定プレート内部に設けられる循環ホース中の恒温液体を吸引することにより該ポンプの駆動熱が該固定プレートに伝わることを抑制した状態で該固定プレート内において恒温液体を流通させることが可能なように、該固定プレートの後流側に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の熱敏感素子測定装置。
  7. 前記端子押圧手段が、前記測定端子に軸方向の伸縮が可能なように設けられたスプリングであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の熱敏感素子測定装置。
  8. 前記固定プレートおよび前記可動プレートが、内部を恒温化可能な恒温室内に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の熱敏感素子測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010223678A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Ngk Spark Plug Co Ltd 電子部品の測定装置と測定方法
JP2011107003A (ja) * 2009-11-19 2011-06-02 Lapole Sa:Kk 圧力センサの検査装置
CN112986749A (zh) * 2021-04-30 2021-06-18 成都宏明电子股份有限公司 具有表面电极的ntc热敏电阻芯片筛选测试辅助工装

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