JP2756999B2 - 熱分析試料の加熱冷却装置 - Google Patents

熱分析試料の加熱冷却装置

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JP2756999B2
JP2756999B2 JP1038171A JP3817189A JP2756999B2 JP 2756999 B2 JP2756999 B2 JP 2756999B2 JP 1038171 A JP1038171 A JP 1038171A JP 3817189 A JP3817189 A JP 3817189A JP 2756999 B2 JP2756999 B2 JP 2756999B2
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哲也 千田
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱流束形の示差走査熱量分析装置等におい
て、試料温度を室温より低い範囲から高い範囲に亙って
変化することにより、各温度における熱特性を観測する
場合に用いるための、特に冷却装置の構成に関する。
このような熱分析装置によって例えば合成樹脂材料、
液晶、あるいは生体内の水分、無定形金属等の試料を分
析する場合は、その試料温度を室温以下の例えば−70度
から+300度あるいはそれ以上の温度範囲に亙って連続
的に変化する必要がある。従って試料を室温より高い温
度に加熱する炉体を冷却用のジャケット中に収容して、
そのジャケットに例えばドライアイスあるいはフレオン
式等の冷凍機で冷却した例えばアルコール等の冷却液を
流通させる冷却並びに加熱装置が用いられる。しかし試
料を低温度まで冷却するためには、冷却用ジャケットを
加熱炉の外側に密着させる必要があるから、試料を加熱
する場合にその熱量が冷却用ジャケットに奪われて加熱
温度が制限されると共にドライアイス等の消費量が極め
て大きくなり、また著しく大容量の冷凍機を用いなけれ
ばならない。かつ試料の温度に応じて冷却能力を増減さ
せるためには、炉体と冷却用ジャケットとの間の接触状
態等を変化させる必要があるから、その変動に伴って測
定曲線に乱れを生ずる。更にジャケットに流通する冷却
液の加熱装置を設けて、その温度を炉温の変化に伴って
制御すると、ドライアイス等の消費量が著しく増大する
と共に炉温との相互干渉によって温度曲線の変化に乱れ
を生ずる等の欠点がある。従って本発明はこのような欠
点を伴うことなく、試料温度を室温の上下に亙って広い
範囲に変化することのできる装置を提供するものであ
る。
本発明は、試料を収容した加熱炉の外側に冷却用のジ
ャケットを巻回して、その両端を第1および第2の導管
により冷却流体源に連結すると共にこの第1、第2導管
の間に熱交換器を設けたものである。すなわち加熱炉を
休止状態にすると、ジャケットに流通する冷却流体によ
って試料の冷却が行われる。またこの状態でジャケット
の内側の加熱炉を動作させると試料の加熱が行われて、
その温度が上昇する。同時にジャケットが加熱されるた
めに、その内部を流通する冷却流体の温度も上昇する。
しかし前述のようにジャケットの両端に連結した第1お
よび第2の導管の間に熱交換器を設けてあるために、ジ
ャケットから流出する流体によって流入する流体が加熱
される。すなわちこの熱交換により前記冷却流体源に帰
還する流体の温度が低下し、冷却源の所要電力あるいは
ドライアイス等の冷媒消費量も減少して、冷却装置の所
要容量も小さくなる。また同時にジャケットに流入する
流体の温度も炉温の上昇に伴って高くなるために、炉を
過度に冷却することがなく、その温度が300度またはそ
れ以上に達することを妨げないと共に測定曲線の基線を
乱すような欠点も無い等の効果がある。
第1図は本発明実施例の構成を示した図で、熱伝導の
良好な材料で形成して電熱線1を巻回した円筒状の加熱
炉2の内部に例えば示差走査熱量分析の試料3およびそ
の標準試料4を配置してある。この加熱炉2の外側に螺
旋状の冷却ジャケット5を形成した円筒体6を密に嵌合
して、上記ジャケット5の上端に第1の導管7を連結す
ると共に下端に第2の導管8を連結し、導管8の一部に
形成した大径部と導管7の一部とを同軸的に配置して熱
交換器9を形成している。また導管7の先端をポンプ10
の送出口に連結し、そのポンプの吸入口を例えばアルコ
ール11の容器12における下部に連結すると共に導管8の
下端に形成した大径部の先端を容器12の上部に開口させ
てある。なお上記アルコール11中には冷却用の例えばド
ライアイス片13.13・・・を混入してある。
上記装置において、ポンプ10を動作させるとドライア
イス13で冷却されたアルコール11が導管7からジャケッ
ト5を流通し、導管8を介して容器12に帰還する。従っ
て炉2およびその内部の試料3と標準試料4とが例えば
−70度程度に冷却される。また電熱線1に電流を流して
その電流を徐々に増大すると、加熱炉2の温度が所望の
速度で上昇して、上記試料を例えば数百度の温度まで加
熱することができる。従ってこの過程において、例えば
試料3の示差走査熱量分析が行われる。
かつ上記装置において、電熱線1の電流を徐々に増大
すると炉2の内部の温度が次第に上昇すると同時にジャ
ケット5から送り出される冷媒のアルコール11の温度も
上昇して、このアルコールが熱交換器9に送り込まれ
る。従ってその内部を通過する第1の導管7が加熱され
て、ジャケット5に送り込まれる冷媒の温度も上昇する
ために、その冷媒によって加熱炉2を冷却する作用が低
下する。このため炉2の温度を室温以上にするために電
熱線1に加える所要電力を小さくすることができる。し
かも導管8から容器12に帰還する冷媒の温度は熱交換器
9によって低下するから、ドライアイス13の消費量も減
少する。
第2図は上記動作を示した線図で、横軸1は熱交換器
9における垂直方向の位置、また縦軸Tは温度であっ
て、容器12からポンプ10で送り出されたアルコール11の
温度Tは矢印pのように熱交換器9中で上昇してジャケ
ット5に送り込まれる。このジャケットを流通する間に
冷媒のアルコール温度Tは更に上昇して導管8により熱
交換器9に送り込まれる。従ってその熱が導管7に奪わ
れ、矢印qのように温度が低下して容器12に帰還する。
このように本発明の装置は冷却用のジャケットを通っ
て冷媒容器に帰還する冷媒の温度が低くなるために、例
えばドライアイスのような冷却剤の消費量を少なくする
ことができる。しかも加熱電源を遮断して試料を室温以
下に冷却する場合は、熱交換器における交換熱量が極め
て小さくなるから、冷却効率の低下が防止されて効率の
よい冷却が行われる。しかも温度変化中にその変化量が
急変するような部分がないから、高精度の分析を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の構成を示した図、第2図は本発
明の動作を示した線図である。なお図において1は電熱
線、2は加熱炉、3は試料、4は標準試料、5はジャケ
ット、9は熱交換器、10はポンプ、11は冷媒のアルコー
ル、13はドライアイスである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱分析の試料を収容してこれを室温より高
    い温度に加熱する加熱炉の外側に冷却用のジャケットを
    巻回して、そのジャケットに試料冷却流体を送り込む第
    1の導管と、上記ジャケットから冷却流体を排出させる
    第2の導管とを設けると共に上記第1の導管と第2の導
    管との間に熱交換器を設けたことを特徴とする熱分析試
    料の加熱冷却装置
JP1038171A 1989-02-20 1989-02-20 熱分析試料の加熱冷却装置 Expired - Lifetime JP2756999B2 (ja)

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