JPH10512299A - 半艶消し仕上げした転写防止性化粧用スティック組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 全組成物重量基準で、a)10-70%揮発性溶媒と、b)0.1-40% 少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基とをもつポリマー型有機シロキサン乳化剤とを含有することを特徴とする、改善された転写防止性をもつ、無水化粧用スティック組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 半艶消し仕上げした転写防止性化粧用スティック組成物 技術分野 本発明は皮膚および唇に適用するための化粧用組成物の分野に関連する。 発明の背景 化粧用組成物は、一般的にヒトの身体に適用するのに適した組成物として定義 される。着色した化粧用組成物、例えばメイキャップ、頬紅(blush)、リップス ティックおよびアイシャドウは、皮膚または唇を着色し、あるいは湿潤させ、皺 を隠す等の目的で使用される。色は化粧料を使用する上で最も重要な理由の一つ であるから、顔料含有化粧料は、非常に注意深く処方して、最大の化粧効果を与 える必要がある。 顔のメイキャップ等のメイキャップ、リップスティック、マスカラ等に関連し て、長きに渡り存在している問題の一つは、該化粧品の、他の表面、例えばガラ ス食器、銀食器、皮膚、または衣類等の表面を汚し、該化粧品を適用した皮膚か ら転写される傾向である。このことは汚損を生ずるのみならず、該化粧品の使用 者はかなり短い時間間隔で、該化粧品を再塗布することが余儀なくされる。 改良された転写防止性を有する化粧用組成物は、本出願人の譲受人により出願 された、以前の「改善された転写防止性をもつ化粧用組成物(Cosmetic Compositi ons with Improved Transfer Resistance)」と題する、1992年12月15日付けの米 国特許出願第990,716 号に記載されている（これを、本の参考文献とする）。し かしながら、これらの転写防止性化粧用組成物は皮膚および唇に艶消しされたき めを与える可能性がある。 しかしながら、幾人かの女性は、幾分かの光沢のある仕上がり（半艶消しと呼 ぶ）を示すリップスティックを好む。一般的に、転写防止性リップスティックに 添加して、光沢を高め、かつ半艶消し性仕上がりを達成できる成分は、転写防止 性を弱める傾向がある。 予想外のことであるが、揮発性の溶媒と、該揮発性溶媒と混和性または可溶性 であり、かつ親油性部分と親水性部分とをもつポリマー型有機シロキサン乳化剤 との組み合わせを含有する化粧用組成物が、優れた転写防止性をもつと共に、皮 膚に適用した場合に、半艶消しの仕上がりをもたらす、化粧用組成物を提供する ことを見出した。 本発明の目的は、皮膚に適用した場合に、半艶消しの仕上がりを与える、皮膚 に対して長期に渡る接着性を示す、化粧用組成物、特にリップスティックを処方 することにある。 本発明のもう一つの目的は、半艶消しの仕上がりを与え、一旦皮膚に適用され た場合に、ガラス、衣類、他の皮膚または料理用品への転写に対して抵抗性をも つ、転写防止性化粧用組成物を処方することにある。 発明の概要 本発明は、転写防止性の無水化粧用スティック組成物に関わり、該組成物は、 全組成物重量を基準として、 a) 25℃にて、0.5〜25センチストークスの範囲の粘度を有する、揮発性溶媒 を10-70%、および b) 少なくとも一つの親水性基または親水性部分と、少なくとも一つの親油性 基または親油性部分とを含む、ポリマー型有機シロキサン乳化剤を0.1〜40% 含 有することを特徴とするものである。 本発明は、また皮膚に適用した場合に、転写防止性と半艶消し仕上げ性とをも つ化粧用スティック組成物を製造する方法をも提供し、該方法は該組成物に、揮 発性溶媒と、少なくとも一つの親水性基または親水性部分および少なくとも一つ の親油性基または親油性部分とを含む、ポリマー型有機シロキサン乳化剤との組 み合わせを添加する工程を含む。 発明の詳細な説明 該「スティック」なる用語は、化粧用組成物が、例えば溶融するまで加熱し、 次いで鋳型に流し込み、冷却することによって、スティック形状に成形できるよ うな、コンシステンシーを有する該組成物を意味する。スティックに形成できる が、幾らかの消費者に便宜を与えるために、パン、または他の型のケーキまたは クリーム形状に流し込み可能な、本発明の無水組成物も、この「スティック」の 定義内に入る。例えば、本発明によるアイシャドウ組成物は、スティック形状に 成形できるが、パンに流し込むことが望ましい。というのは、消費者の観点から この容器がより望ましいからである。 該「無水」なる用語は、該組成物が約５重量％以下、より具体的には約１〜２ 重量％またはそれ以下の水、またはより好ましくは該水が本発明の化粧用組成物 中に意図的に添加されないことを意味する。 揮発性溶媒 本発明の組成物の揮発性溶媒成分は、液体であり、かつ本発明の化粧用スティ ックの容易な処方を可能とするものである。本発明による該化粧料スティック製 品を、皮膚または口唇に適用した場合に、本発明の該揮発性溶媒は、フラッシュ 蒸発して、該スティック中の他の成分を皮膚上に残すことができるものである必 要がある。本発明の組成物は10-70%、好ましくは20-65%および最も好ましくは25 -60%の揮発性溶媒を含有する。この揮発性溶媒は、一般的に25℃において0.5 〜 25センチストークスの粘度をもつ。適当な揮発性溶媒は線状のシリコーン類、環 状シリコーン類、パラフィン系炭化水素類、またはこれらの混合物を包含する。 環状シリコーン類(またはシクロメチコン類(cyclomethicones))は、以下の一 般式で表されるものである： ここで、ｎは３〜７である。 本発明による線状揮発性シリコーン類は、以下の一般式で表される： (CH₃)₂Si-O-[Si(CH₃)₂-O]_n-Si(CH₃)₃ ここで、ｎは０〜７、好ましくは０〜５である。 線状並びに環状揮発性シリコーン類は、ダウコーニング(Dow Corning)社およ びジェネラルエレクトリック(General Electric)社を含む、多数の販売元から入 手できる。ダウコーニング社の揮発性シリコーン類は商品名ダウコーニング(Dow Corning)244、245、344 および200 流体として市販されているものである。こ れらの流体は、オクタメチルシクロテトラシロキサン類、デカメチルシクロペン タシロキサン類、ヘキサメチルジシロキサンおよびこれらの混合物を含む。 同様に該揮発性溶媒として適したものは、８〜40個、より好ましくは10〜20個 の炭素原子をもつ、種々の直鎖または分枝鎖パラフィン系炭化水素類である。適 当な炭化水素は、デカン、ドデカン、テトラデカン、トリデカンおよび米国特許 第3,439,088 号および同第3,818,105 号（これら両者を本発明の参考とする）に 記載されているような、C_8-20イソパラフィン類を包含する。好ましい揮発性パ ラフィン系炭化水素は、160 〜180 の範囲の分子量、105 〜320 ℃の範囲内の沸 点、および20cs未満の25℃における粘度をもつ。このようなパラフィン系炭化水 素は、商品名アイソパーズ(ISOPARS)の下でエクソン(EXXON)社から、およびパー メチル社(Permethyl Corporation)から入手できる。適当なC₁₂イソパラフィン類 はパーメチル(Permethyl)99A なる商品名の下で、パーメチル社(Permethyl Corp oration)により製造されている。もう一つのC₁₂イソパラフィン（イソドデカン ）は、パーメチル(Permethyl)99A なる商品名の下で、プレスパース(Presperse) により市販されている。例えば、イソヘキサデカン（商品名パーメチル(Permeth yl)Ｒを有する）等の市販品として入手可能な種々のC₁₆イソパラフィンも、適し ている。必要ならば、この揮発性溶媒は揮発性シリコーン類とパラフィン系炭化 水素との混合物であってもよい。 有機シロキサン乳化剤 本発明による有機シロキサン乳化剤は、従来から化粧水および油性エマルショ ン、例えばクリーム、ローション等の安定化において使用されている。無水化粧 用スティック組成物における、有機シロキサン乳化剤（界面活性剤）と、揮発性 溶媒との組み合わせが、皮膚または口唇に適用した場合に、転写防止性であるば かりか、該皮膚または口唇に半艶消し仕上げをもたらすスティックを提供できる ことを、予想外のことに見出した。この半艶消し仕上げは、転写防止性を実質的 に弱めることなしに達成される。更に、該化粧料は、該皮膚または口唇上で湿っ た、かつ快適な感覚を与える。 本発明の組成物は、好ましくは0.1-40%、より好ましくは0.5-20% および最も 好ましくは1-15% のポリマー型有機シロキサン乳化剤を含み、該乳化剤は少なく とも一つの親油性基または親油性部分と、少なくとも一つの親水性基または親水 性部分とを含む。本発明の組成物中で使用するのに適した有機シロキサン乳化剤 は、有機または無機含量と組み合わせた場合に、かつ無水スティック組成物中に 配合した場合に、均一な単一相生成物を与えるものと見做すことができる。本発 明において使用される該ポリマー型有機シロキサンは室温にて液体または固体で あり得る。該ポリマー型有機シロキサンは、一般的に油中水型または水中油型界 面活性剤であり、これは２〜18の範囲の親水性／親油性バランス値(HLB値)をも つ、ノニオン性界面活性剤であることが好ましい。好ましくは、この有機シロキ サンは、２〜12、好ましくは２〜10、最も好ましくは４〜６の範囲のHLB 値をも つノニオン性界面活性剤である。ノニオン性界面活性剤のHLB は該界面活性剤の 親水性部分と親油性部分との間のバランスであり、以下の式に従って算出される ： HLB = ７＋11.7×log(Mw/Mo) ここで、Mwは該親水性基部分の分子量であり、またMoは該親油性基部分の分子量 である。 「有機シロキサンポリマー」なる用語は、環状、直鎖または分枝鎖の繰り返し 単位であり得る、繰り返しシロキシ単位、例えばジ（低級）アルキルシロキシ単 位、好ましくはジメチルシロキシ単位を含むポリマー骨格を含有するポリマーを 意味する。該有機シロキサンの親水性部分は、一般的に該ポリマー骨格上で、該 分子の一部に、親水性特性を与える基を置換することにより達成される。該親水 性基は該ポリマー型有機シロキサンの末端上で置換されていても、また該ポリマ ーの任意の１以上の繰り返し単位上で置換されていてもよい。一般的に、変性さ れたポリジメチルシロキサン乳化剤の該繰り返しジメチルシロキシ単位は、メチ ル基の存在のために本来的に親油性であり、かつ該分子に親油性を付与する。更 に、長鎖アルキル基、ヒドロキシ−ポリプロピレンオキシ基または他の型の親油 性基を、該シロキシ骨格に置換して、更に親油性および有機相容性を付与するこ とができる。該分子の該親油性部分が、完全にまたは部分的に、特定の基による ものである場合、この親油性基は、該有機シロキサンポリマーの末端上で置換さ れていても、また該ポリマーの任意の１以上の繰り返し単位上で置換されていて もよい。また、本発明による該有機シロキサンポリマーは、少なくとも１個の親 水性部分と少なくとも１個の親油性部分とをもつべきであると、理解すべきであ る。 該用語「親水性基」とは、該有機シロキサンポリマー骨格上で置換された場合 に、該ポリマーの該置換された部分に親水性を付与する基を意味する。親水性を 付与するであろう基の例は、ヒドロキシ−ポリエチレンオキシ、ヒドロキシ、カ ルボキシレート、スルホン酸基、硫酸基、燐酸基またはアミンである。 該用語「親油性基」とは、該有機シロキサンポリマー骨格上で置換された場合 に、該ポリマーの該置換された部分に親油性を付与する有機基を意味する。親油 性を付与するであろう有機基の例は、C_1-40直鎖または分枝鎖アルキル、フルオ ロ、アリール、アリールオキシ、C_1-40ヒドロカルビル、アシル、ヒドロキシ− ポリプロピレンオキシ、またはこれらの混合物である。該C_1-40アルキルは１以 上の酸素原子、ベンゼンリング、アミド、エステル、または他の官能基により分 断されていても、分断されていなくともよい。 本発明で使用する該ポリマー型有機シロキサン乳化剤は、以下の一般式の何れ かをもつことができる： Ｍ_xＱ_yまたは Ｍ_xＴ_yまたは ＭＤ_xD'_yD"_zＭ ここで、各Ｍは各々独立に、置換または無置換のトリメチルシロキシ末端キャッ プ(endcap)単位を表す。置換されている場合には、親油性基、親水性基、または その組み合わせによって、該末端キャップメチル基上の１以上の水素原子を置換 するか、あるいは１以上のメチル基を置換する。Ｔは、経験式RR'SiO_1.5またはR RSiO_1.6をもつ三官能性のシロキシ単位である。Ｑは経験式SiO₂をもつ四官能性 のシロキシ単位であり、またＤ、D'、D"、ｘ、ｙおよびｚについては以下に記載 するが、この化合物は少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基と をもつことを条件とする。本発明の組成物中で使用する乳化剤の例は、以下の一 般式で示されるものである： ＭＤ_xD'_yD"_zＭ ここで、該トリメチルシロキシ末端キャップ単位は、無置換またはモノ−置換で あり、１個のメチル基は、親油性または親水性基により置換されている。このよ うな置換されたトリメチルシロキシ末端キャップ単位の例は、(CH₃)₂HPSiO、(CH₃ )₂LPSiO、(CH₃)₂CH₂HPSiO、(CH₃)₂CH₂LPSiOであり、ここでHPは親水性基であり 、LPは親油性基である。Ｄ、D'およびD" は、メチル、水素、親油性基、親水性 基またはその組み合わせにより置換された、二官能性のシロキシ単位である。 この一般式において、 ｘ＝0-5000、好ましくは1-1000 ｙ＝0-5000、好ましくは1-1000、および ｚ＝0-5000、好ましくは1-1000 であり、但し該化合物は少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基 とをもつことを条件とする。これらポリマーの例は、米国特許第4,698,178 号に 記載されている。この特許を本発明の参考文献とする。 特に好ましいものは、以下の式で示される線状シリコーンである： ＭＤ_xD'_yD"_zＭ ここで、ＭはRRRSiO_1/2であり、ＤおよびD'はRR'SiO_2/2であり、D" はRRSiO_2/2 であり、ｘ、ｙおよびｚは各々独立に0-1000であり、Ｒはメチルまたは水素原子 であり、R'は親水性基または親油性基である。ただし、この化合物は少なくとも １つの親水性基と少なくとも１つの親油性基とをもつことを条件とする。 最も好ましくは、上記一般式において、Ｍはトリメチルシロキシ基であり、Ｄ はSi[(CH₃)][(CH₂)_nCH₃]O_2/2（ここで、ｎは１〜40）であり、D'はSi[(CH₃)][(C H₂)_o-O-PE)]O_2/2(ここで、PEは(-C₂H₄O)_a(-C₃H₆O)_bH であり、ｏは０〜40であり 、ａは１〜100 であり、ｂは１〜100 であり、またD" はSi(CH₃)₂O_2/2 である。 本発明による、好ましい有機シロキサン乳化剤の典型的な例は、以下に示すも のである： I. CH₃-Si(CH₃)₂-O-[Si(CH₃)(LP)-O]_x-[Si(CH₃)(HP)-O]_y- [Si(CH₃)₂-O]_z-Si(CH₃)₂-CH₃ II. CH₃-Si(CH₃)(LP)-O-[Si(CH₃)(HP)-O]_y-[Si(CH₃)₂-O]_z- Si(CH₃)₂-CH₃ III. CH₃-Si(CH₃)(HP)-O-[Si(CH₃)(LP)-O]_x-[Si(CH₃)₂-O]_z- Si(CH₃)₂-CH₃ IV. CH₃-Si(CH₃)(HP)-O-[Si(CH₃)₂-O]_z-Si(CH₃)(LP)-CH₃ V. ここで、LPは親油性基であり、HPは親水性基であり、ｘ＝0-5000であり、ｙ＝0- 5000であり、かつｚ＝0-5000であり、但し該有機シロキサンは、少なくとも１つ の親水性基と少なくとも１つの親油性基とをもつことを条件とする。 より好ましいものは、上記一般式Ｉにおいて、LPがC_1-40の直鎖または分枝鎖 アルキルとしての親油性基であり、HPがヒドロキシ−ポリエチレンオキシを含有 する親水性基であり、ｚが少なくとも１であるような化合物である。最も好まし いものは、以下の式で表される化合物である： CH₃-Si(CH₃)₂-O-[Si(CH₃)[(CH₂)_p-CH₃]-O]_x-[Si(CH₃)[(CH₂)₃- O-PE]-O]_y-[Si(CH₃)₂-O]_z-Si(CH₃)₂-CH₃ ここで、ｐは10-40、好ましくは12-20、最も好ましくは15であり、PEは(-C₂H₄O)_a (-C₃H₆O)_bH であり、ｘ、ｙ、ｚ、ａおよびｂは、該ポリマーの最大分子量を約 50,000とするような値である。 本発明の組成物において有用な有機シロキサンポリマーはゴールドシュミット 社(Goldschmidt Corporation)から商品名アビル(ABIL)の下で市販されている。 好ましいポリマーは、セチルジメチコンコポリオールであり、また商品名アビル (ABIL)WE09またはこのル(ABIL)WE08として知られている。セチルジメチコンコポ リオールは単独で、または他の非−シリコーン系の有機乳化剤との組み合わせで 使用できる。好ましくは、他の非−シリコーン系の有機乳化剤およびエモリエン トとの混合物としてのセチルジメチコンコポリオールである。特に25-50%の該有 機シロキサン乳化剤と、25-50%の非−シリコーン系の有機乳化剤と、25-50%のエ モリエントまたは油とのブレンドが好ましい。例えば、C.T.F.A.により同定され たこのような混合物は、セチルジメチコンコポリオール（および）ポリグリセリ ル4-イソステアレート（および）ヘキシルラウレート、またはセチルジメチコン コポリオール（および）ポリグリセリル-3オレエート（および）ヘキシルラウレ ートであり、両者共に十分に機能する。これらのブレンドは約25-50%の各成分を 含む。例えば、アビル(ABIL)WE09は、全アビル組成物の重量基準で、約25-50%の セチルジメチコンコポリオール、25-50%のポリグリセリル4-イソステアレートお よびエモリエントまたは油としての25-50%のヘキシルラウレートを含有する。 本発明の組成物で使用するのに適した、もう一つの型の好ましい有機シロキサ ン乳化剤は、ユニオンカーバイド(Union Carbide)社からシルウエット(Silwet: 登録商標)の下で市販されている乳化剤である。これらの乳化剤は以下の一般式 で表される： （Me₃Si）_y-2[(OSiMe₂)_x/yO-PE]_y （ここで、PEは-(EO)_m(PO)_nR であり、Ｒは低級アルキル、または水素原子であ り、Meはメチルであり、EOはポリエチレンオキシであり、POはポリプロピレンオ キシであり、ｍおよびｎはおのおの独立に1-5000であり、またｘおよびｙはおの おの独立に0-5000である）および Me₃SiO(Me₂SiO)_x[MeSi(PE)O]_ySiMe₃ （ここで、PEは-CH₂CH₂CH₂O(EO)_m(PO)_nZ であり、Ｚは低級アルキル、または水 素原子であり、またMe、ｍ、ｎ、ｘ、ｙ、EOおよびPOは上記定義通りであり、但 し、該分子は少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基とをもつ ことを条件とする。ここでも、該親油性部分は、該ポリマー骨格上の十分な数の メチル基により与えることができる。 特に好ましいのは、以下の一般式で表されるシルウエット(Silwet:登録商標) ポリマーである： ここで、ｎは１〜10、好ましくは８である。 本発明の組成物において使用するのに好ましいもう一つの有機シロキサン乳化 剤は、ジメチコンコポリオールである。 他のポリマー型有機シロキサン界面活性剤または乳化剤の例は、米国特許第5, 147,578 号に記載されている、アミノ／ポリオキシアルキレン化ポリジオルガノ シロキサンを包含する。同様に適当な例は、ゴールドシュミット(Goldschmidt) 社からアビル(ABIL)B-9806 を包含するアビル(ABIL)なる商品名の下で市販され ているもの、およびローヌプーラク(Rhone-Poulenc)社により、アルカシル(Alka sil)なる商品名で市販されているものである。また、アマーコール(Amerchol)社 により、アマーシル(Amersil)なる商品名の、例えばアマーシル(Amersil)ME-358 、アマーシルDMC-287 およびアマーシルDMC-357 の下で市販されている、有機シ ロキサン乳化剤も適している。ダウコーニング(Dow Corning)の界面活性剤、例 えばダウコーニング(Dow Corning)3225C フォーミュレーションエイド(Formul a tion Aid)、ダウコーニング 190界面活性剤、ダウコーニング 193界面活性剤、 ダウコーニング Q2-5200等も適当である。更に、ユニオンカーバイド(Union Car bide)社からシルウエット(Silwet)なる商品名の下で市販されている界面活性剤 、およびトロイ(Troy)社からトロイゾル(Troysol)なる商品名 の下で市販されている界面活性剤、タイワンサーファクタント社(Taiwan Surfac tant Co.)からアブルソフト(Ablusoft)なる商品名の下で市販されている界面活 性剤、およびヘキスト(Hoechst)社からアルコフォブ(Arkophob)なる商品名の下 で市販されている界面活性剤も、本発明で使用するのに適している。 その他の成分ワックス 本発明の化粧用組成物は、一般的に約１〜40重量％、好ましくは１〜30重量％ およびより好ましくは２〜25重量％の化粧品において許容される天然または合成 ワックスを含む。許容されるワックスは、融点30〜120 ℃をもつ固体および半固 体ワックスであり得、一般的には動物起源のワックス、植物起源のワックス、鉱 物起源のワックス、シリコーンワックスおよび石油ワックスを包含する。本発明 に従うワックスの例は、ベイバリー(bayberry)ワックス、蜜ロウ、キャンデリラ 、カルナウバ、セレシン、セチルエステル、水添ホホバ油、水添ホホバワックス 、水添マイクロクリスタリンワックス、水添米糠ワックス、木ロウ、ホホババタ ー、ホホバエステル、ホホバワックス、ラノリンワックス、マイクロクリスタリ ンワックス、ミンクワックス、モンタン酸ワックス、モンタンワックス、アウリ カリー(ouricury)、オゾケライト、パラフィン、PEG-6 蜜ロウ、PEG-8 蜜ロウ、 米糠ワックス、セラックワックス、使用済穀類ワックス、硫化ホホバ油、合成蜜 ロウ、合成キャンデリラワックス、合成カルナウバワックス、合成木ロウ、合成 ホホバ油、合成ワックス、ポリエチレン、ステアロキシジメチコン、ジメチコン ベヘネート、ステアリルジメチコン等を包含する。油類 本発明の化粧用組成物は、また約0.1 〜30重量％、好ましくは0.5 〜25重量％ およびより好ましくは１〜20重量％の、化粧品において許容される油を含むこと ができる。これらの油類は非揮発性であり、かつ25℃における粘度0.5 〜1,000, 000 センチストークス、好ましくは25〜600,000 センチストークスを有する。こ のような油類の例は、精油、エステル、脂肪酸のグリセリルエステル、脂 肪酸、脂肪アルコール等を包含する。一般的に、エステル類は一般式：RCO-OR' で表され、ここでＲおよびR'はそれぞれ独立に、直鎖または分枝鎖C_1-50アルキ ル、アルケニル、またはアルコキシアルキル（例えば、ポリ（アルキレンオキシ ）アルキル）である。ＲおよびR'の一方または両者は、アルキルまたはアルケニ ル、例えば１〜50個の炭素原子をもつものである。適当なエステルの例は、アセ チルトリアルキルシトレート、アセチル化グリコールステアレート、セテアリー ル(cetearyl)誘導体、セチルアセテート、セチルアセチルリシノレエート、セチ ルイソノナノエート、セチルラクテート、セチルミリステート、セチルオクタノ エート、セチルオレエート、セチルパルミテート、セチルステアレート、ヘキシ ルラウレート、グリコールステアレート、グリコールパルミテート、イソステア リルイソステアレート、ホホバ油、ホホバエステル、イソステアリルネオペンタ ノエートイソステアリルラクテート、イソステアリルイソノナノエート、ラウリ ルラクテート、ラウリルステアレート、トリデシルトリメリテート、ミレス(myr eth)誘導体、ミリスチル誘導体、ポリエチレングリコールエステル誘導体、スク ロース誘導体、等を包含する。このようなエステルの更なる例は、C.T.F.A.コス メチックイングレディエントハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook),第 三版，1993，pp．503-506 に記載されている。これを本発明の参考文献とする。 該非揮発性の油は、また一般的に100,000 〜250,000 センチストークスの範囲 の25℃における粘度を有する、高粘度油を含むことができる。このような油の例 はヒマシ油、ラノリン、ラノリン誘導体、トリイソセチルシトレート、C_10-18ト リグリセライド、カプリル／カプリン酸トリグリセライド、ココナッツ油、コー ン油、綿実油、水添ヒマシ油、アマニ油、ミンク油、パーム油、オリーブ油、菜 種油、イライプ(illipe)バター、大豆油、ヒマワリ種子油、牛脂、トリカプリン (tricaprin)、トリヒドロキシステアリン、トリイソステアリン、トリラウリン 、トリリノレイン、トリミリスチン、トリオレイン、トリパルミチン、トリステ アリン、トリベヘニン、クルミ油、小麦胚芽油およびコレステロール等を包含す る。 該油成分として適当なものは、またエステル誘導体、例えばアセチル化ヒマシ 油、PEG ヒマシ油、PEG グリセリルオレエート、PEG グリセリルステアレート、 PEG グリセリルタローエート(tallowates)およびこれらの混合物である。 同様に、該非揮発性油として適当なものは、非揮発性パラフィン系炭化水素、 例えばポリイソブテン、無機油、ポリデセン、スクアレン、ペトロレータム、液 状ポリα−オレフィン、例えばエメリー(Emery)3004 PAO等の商品名の下で、ヘ ンケル(Henkel)社により市販されているものなどである。 非揮発性油の他の例は、種々のラノリン誘導体、例えばアセチル化ラノリンア ルコール、アセチル化ラノリンリシノレエート、ラノリンホスフェートおよびア セテート、ラノリン酸、ラノリンリノレエート、PEG 水添ラノリン等である。 非揮発性の非フッ素化シリコーンも適している。このようなシリコーンは、一 般的に35〜600,000 センチストークス、好ましくは50〜100,000 センチストーク スの範囲の、25℃における粘度を有する。このようなシリコーンの例は、アモジ メチコン(amodimethicone)、ジメチコン、ジメチコンコポリオール、ジメチコノ ール(dimethiconol)、ヘキサデシルメチコン、メチコン、フェニルトリメチコン 、シメチコン(simethicone)、ジメチルハイドロジェンシロキサン、ステアロオ キシジメチコン、ビニルジメチコンなどを包含する。 フッ素化油、例えばフッ素化シリコーン、フッ素化パーフルオロポリエーテル 、およびフルオール−ゲルベット(fluor-guerbet)シトレートエステルも適して いる。適当なフルオロシリコーンの例は、トリメチルシリル末端キャップ化フル オロシリコーン油類、ポリトリフルオロプロピルメチルシロキサン類、および同 様なシリコーン類である。米国特許第5,183,589 号、同第4,803,067 号および同 第5,183,588 号（これらを本発明の参考文献とする）に記載されているようなパ ーフルオロポリエーテル類も、同様に適している。これらのパーフルオロポリエ ーテル類は、フォンブリン(Fomblin)なる商品名の下でモンテフルオス(Monteflu os)から市販品として入手できる。好ましい例は、フルオローゲルベットシトレ ートエステルおよび油のフッ素化誘導体、例えばノルクロス、ジョージアの、シ ルテック(Siltech)によって市販されている展開(developmental)エステルL61125 A(これは、一時的にフルオロ−オクタドデシルメドーフォーメート(meadowfoama te)と命名され、しかもシルブ(Silube)GME-Fなる商品名の下で市販されている。 顔料および粉末 本発明の組成物は、全組成物の重量基準で、5-50重量％、好ましくは7-45重量 ％、より好ましくは10-40 重量％の、粒径0.02〜200 μ、好ましくは0.5 〜100 μを有する乾燥粒状物質を含むことができる。該粒状物質は（例えば白に）着色 されていても、着色されていなくともよい。適当な粉末は、ビスマスオキシクロ リド、チタン処理したマイカ、ヒュームドシリカ、球状シリカ、ポリメチルメタ クリレート、微粉砕テフロン、窒化ホウ素、アクリレートコポリマー、珪酸アル ミニウム、アルミニウム澱粉オクテニルサクシネート、ベントナイト、カルシウ ムシリケート、セルロース、チョーク、コーンスターチ、珪藻土、フラー土、グ リセリル澱粉、ヘクトライト、水和シリカ、カオリン、珪酸マグネシウムアルミ ニウム、マグネシウムトリシリケート、マルトデキストリン、モンモリロナイト 、マイクロクリスタリンセルロース、米澱粉、シリカ、タルク、マイカ、二酸化 チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、亜鉛ロジネート、アルミナ、アタ プルジャイト、炭酸カルシウム、カルシウムシリケート、デキストラン、カオリ ン、ナイロン、シリカシリレート、シルク粉末、セリサイト、大豆粉、酸化錫、 水酸化チタン、燐酸三マグネシウム、クルミ殻粉末、またはこれらの混合物を包 含する。上記の粉末は、レシチン、アミノ酸、鉱物油、シリコーン油または種々 の他の試薬の単独または組み合わせで表面処理することができる。これは該粉末 表面を覆い、かつ該粒子をより親油性のものとする。 該粉末成分は、また種々の有機および無機顔料を含むことができる。該有機顔 料は、一般的に種々の芳香族型のもの、例えばアゾ、インジゴ系、トリフェニル メタン、アンスラキノン、およびキサンチン型の染料を含み、これらはD&C FD&C ブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、赤、黄色等として記載される。有機顔 料は一般的に、レーキと呼ばれる、承認された着色添加剤の不要性金属塩からな る。無機顔料は、酸化鉄、群青、クロム、水酸化クロム着色剤、およびこれらの 混合物を包含する。 好ましくは、本発明の組成物は顔料および非−顔料粉末両者を含むであろう。 明らかに、該粉末成分中で使用される顔料の割合は、処方すべき化粧品の型に依 存するであろう。有色の化粧品は、一般的に他の型の化粧品よりも、より一層高 い色濃度をもつ。一般的に、顔料対非顔料粉末の比は、1:20〜20:1の範囲内にあ るであろう。 本発明による好ましい無水スティック化粧品組成物は、重量％で表して、 a) 10-70%の揮発性溶媒と、 b) 0.1-40% の、少なくとも一つの親油性基および少なくとも一つの親水性基を 含む、ポリマー型有機シロキサン乳化剤と、 c) 1-40% の、30〜120 ℃の範囲内の融点をもつワックスと、 d) 0.1-30% の油と、 e) 5-50% の乾燥粒状物質 を含む。 好ましい態様においては、本発明の無水スティック組成物は、0.01-20%、好ま しくは0.01-15%、より好ましくは0.1-10% の、該有機シロキサン乳化剤と協働し て、該フィルムをより一層均一化する、ノニオン性界面活性剤または乳化剤を含 む。該フィルムの均一性は、半艶消し仕上げの達成において有益である。適当な ノニオン性界面活性剤は、アビエチン酸、アーモンド油PEG エステル、ベヘネス (beheneth)5-20、セテアレス(ceteareth)2-18、セテス(ceteth)1-16、コレス(ch oreth)10-24、コセス(coceth)3-10、パレス(pareth)、ノンオキシノール(nonoxy nol)、グリセリル誘導体、例えばグリセリルベヘネート、グリセリルカプリレー ト、グリセリルカプリレート／カプレート、グリセリルココエート、グリセリル ラノレート、グリセリルオレエート、イソデセス(isodeceth)、ラウレス(lauret h)、オクトキシノール(octoxynol)、オレス(oleth)、PEG 誘導体、ポロキサミン (poloxamines)、ポロキサマー(poloxamers)、ポリグリセリル誘導体、ポリソル ベート、PPG 誘導体等を包含する。このようなノニオン性界面活性剤の更なる例 は、C.T.F.A.コスメチックイングレーディエントハンドブック(Cosmetic Ingred ient Handbook)，第三版，1993，pp．588-592に記載されている。これを本発明 の参考文献とする。好ましいのは、ポリグリセリル誘導体であり、特にポリグリ セリル-4- イソステアレートおよびポリグリセリル-3- オレエートである。 本発明のより好ましい態様においては、該組成物は、重量％で表して、 a) 10-70%の揮発性溶媒と、 b) 0.5-20% のセチルジメチコンコポリオールと、 c) 0.1-40% の、30〜120 ℃の範囲内の融点をもつワックスと、 d) 0.1-30% の油と、 e) 5-50% の、顔料、粉末、またはその混合物を含み、0.02〜100 μの粒径を有 する乾燥粒状物質と、 f) 0.01〜10% のノニオン性界面活性剤、 を含む。その他のポリマー 該スティック化粧料組成物の皮膚に対する付着性を高める、他のポリマー材料 を添加することも望ましい場合がある。このようなポリマー材料を使用する場合 には、0.1-20%、好ましくは0.5-15%、より好ましくは1-10% の範囲とすることを 推奨する。かかるポリマーの例は、米国特許第5,302,380 号に記載されているよ うな、種々の型のポリプロピレンを包含する。該米国特許を本発明の参考文献と する。 皮膚への付着性を高めることのできる他のポリマーは、一般式：R_aR² _bSiO_{[4-( a+b)/2]} またはR¹³ _xR² _ySiO_1/2（ここで、ＲおよびR¹³は、各々独立に有機基、例 えばアルキル、シクロアルキルまたはアリール基、あるいは例えばメチル、エチ ル、プロピル、ヘキシル、オクチル、デシル、アリール、シクロヘキシル、等で あり、ａは０〜３の範囲の数であり、ｂは０〜３の範囲の数であり、a+b は１〜 ３の範囲の数であり、ｘは０〜３の範囲の数であり、ｙは０〜３の範囲の数であ り、和x+y は３であり、またR²はカルボン酸エステル含有基である）で表される 単位を含む、シリコーンエステルを包含する。好ましいR₂基は、該エステル基が １以上の脂肪酸部分（例えば、約２、しばしば約３〜10個の炭素原子をもつもの ）および１以上の脂肪族アルコール部分（例えば、約10〜30個の炭素原子をもつ もの）から形成されるものである。このような酸部分の例は、イソステアリン酸 等の分枝鎖脂肪酸、またはベヘン酸等の直鎖脂肪酸から誘導されたモノを包含す る。適当なアルコール部分の例は、一価または多価アルコール、例えば n-プロパノール等のn-アルカノール類、(3,3,3- トリメチロールプロポキシ)プ ロパン等の分枝鎖エーテルアルカノール類から誘導されるものを包含する。好ま しくは、該エステルサブグループ（即ち、カルボニルオキシ基）は、長さが少な くとも２または３個の炭素原子に相当する二価の脂肪族鎖、例えばアルキレン基 または二価のアルキルエーテル基によって、該珪素原子に結合されているであろ う。最も好ましくは、該鎖は該酸部分ではなく、該アルコール部分の一部であろ う。 好ましくは、該シリコーンエステルは約90℃以下の融点をもつであろう。これ は室温にて液体または固体であり得る。好ましくは、これはワックス状の外観を もち、かつ約100,000 ダルトン以下の分子量を有する。 上記式で示されるシリコーンエステルは、米国特許第4,725,658 号および同第 5,334,737 号に記載されている。これら米国特許を本発明の参考文献とする。好 ましいシリコーンエステルは米国特許第5,334,737 号に記載されている液状シロ キシシリケート、例えばジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシ リケート（本発明の実施例９および14において調製される）およびジラウロイル トリメチロールプロパンシロキシシリケート（本発明の実施例５で調製した）で あり、これらはそれぞれ商品名SF 1318 およびSF 1312 の下でジェネラルエレク トリック(General Electric)社から市販されている。 同様に、該ポリマー成分として適したものは、PVP、PVP エイコセンコポリマ ー、ポリビニリデンコポリマー等である。 他の成分、例えば保存剤、酸化防止剤、エモリエント等を添加することも望ま しい場合がある。保存剤を添加する場合には、該組成物線重量基準で、0.001-5% の範囲、好ましくは0.01-3% の範囲およびより好ましくは0.1-2%の範囲で使用す ることを推奨する。 以下、本発明を実施例に関連して更に説明するが、これら実施例は例示の目的 でのみ提示するものである。 実施例１ 以下に記載するようにして、半艶消し型転写防止性リップスティックを製造し た。 該シクロメチコン以外の液体成分を混合した。該顔料および他の粉末を添加し た。該ワックス材料を併合し、加熱して、溶融塊とし、次いで攪拌しつつ該液体 材料に添加した。完全な混合の後、該溶融塊を所定の容器に注ぎ込み、冷却させ た。このリップスティックは、塗布した場合に、半艶消し状の仕上がりを与えし かも転写防止性であった。 実施例２ 半艶消し状の仕上がり性の転写防止性リップスティックを、以下のようにして 製造した。 成分 量(w/w %) PVP エイコセンコポリマー 3.00 合成炭化水素^* 3.50 フルオロ−オクトドデシルメドーフォーメート^** 4.00 合成ワックス 7.00 オゾケライト 1.00 セレシン 1.10 メチルパラベン 0.30 プロピルパラベン 0.10 BHA 0.10 ビタミンＥアセテート 0.10 リンゴ抽出物／水添植物油 0.30 ポリプロピレン 0.50 アロエ抽出物 0.30 PE48ペンタエリスリトールテトラオクタノエート 1.00 ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート 1.00 シルウエット(Silwet)^***シリコーンコポリオール 4.00 D&C レッド７ Caレーキ 1.00 D&C レッド６ Baレーキ 3.25 D&C レッド27 Alレーキ 0.05 FD&C イエロー６ Alレーキ 0.05 ビスマスオキシクロリド／マイカ 5.00 マイカ 2.10 シクロメチコン 49.47 マイカ／シリカ 11.78 *: エメリー(Emery)3004 PAO〔ヘンケル(Henkel)社、エメリーグループ(Emery Group)］（液状ポリα−オレフィン） **: シルベ(Silube)GME-F，ディベロップメンタルエステル(Developmental Este r)L61125A-シルテック社(Siltech),ノルクロス，ジョージア ***: シルウエット(Silwet)，ユニオンカーバイド社(Union Carbide)(ポリアル キレンオキサイド−変性ジメチルポリシロキサン) 実施例３ 半艶消し状の仕上がり性をもつ、転写防止性リップスティックを、以下のよう にして製造した。 成分 量(w/w %) PVP エイコセンコポリマー 3.00 合成炭化水素^* 3.50 フルオロ−オクチルドデシルメドーフォーメート^** 4.00 合成ワックス 7.00 オゾケライト 1.00 セレシン 1.10 メチルパラベン 0.30 プロピルパラベン 0.10 BHA 0.10 ビタミンＥアセテート 0.10 リンゴ抽出物／水添植物油 0.30 ポリプロピレン 0.50 アロエ抽出物 0.30 PE48ペンタエリスリトールテトラオクタノエート 1.00 ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリケート 1.00 ジメチコンコポリオール^*** 5.00 D&C レッド７ Caレーキ 1.00 D&C レッド６ Baレーキ 3.25 D&C レッド27 Alレーキ 0.05 FD&C イエロー６ Alレーキ 0.05 ビスマスオキシクロリド 5.00 マイカ 2.10 シクロメチコン 48.47 マイカ／シリカ 11.78 *: エメリー(Emery)3004 PAO〔ヘンケル(Henkel)社、エメリーグループ(Emery Group)］（液状ポリα−オレフィン） **: シルベ(Silube)GME-F，ディベロップメンタルエステル(Developmental Este r)L61125A-シルテック社(Siltech),ノルクロス，ジョージア ***: ダウコーニング(Dow Corning)190 界面活性剤 上記のリップスティックは僅かに硬いが、転写しなかった。皮膚に塗布した場 合、半艶消し性仕上がりと、僅かな粘着感を呈した。 実施例４ 実施例１で調製したリップスティックＱおよびＳを、レブロンカラーステイ(R evlon Colorstay)およびアレキサンドラデマルコフリップスライクハーズ(Alexa ndra DeMarkoff Lips Like Hers)との比較テストを行った。15名のパネルリスト に、レブロンカラーステイ、リップスティックＱ、リップスティックＳ、および アレキサンドラデマルコリップスライクハーズ各々を塗布するよう依頼した。こ れらのパネリストは、以下の質問に回答するよう依頼をうけた。 1. キッステスト 該リップスティックを口唇に塗布し、少なくとも60秒間経過させた。これらパ ネリストには、その手の甲にキッスするように依頼し、以下の回答を得た。 a) 当該リップスティックが痕跡の色をも、手の甲上に残さなかったことを報告 したパネリスト： b) 当該リップスティックが痕跡の色を、手の甲上に残したことを報告したパネ リスト： 2. リップスティックの塗布（所定の特性：滑らかさ、均一性、良好な洗落し性 能）： 3. 口唇上での感覚／快適性のレベル： 実施例５ 口唇に対してどれがより湿潤性に優れるかを確認するために、実施例１のリッ プスティックＱおよびＳ(サンプルA)を、ロレアル(L'Oreal)社によって製造され 、カラーエンデュアラベル(Color Endure label)として市販されているリップス ティック(サンプルB)と比較した。 ２日間のリップ製品の使用を差し控えた後の、全体で13名の対象をこの研究の ために募集した。11名の対象を、処置群として使用し、２名の対象を未処理のコ ントロール群として使用した。乾燥した口唇は、一分間乾燥空気を該口唇上に吹 き付けることによりシミュレートした。ベースラインの読み取りは、特別にあつ らえたリッププローブを取り付けた、ノバデルマルフェーズメータ(NOVA Dermal Phase Meter)を使用して、該乾燥口唇について実施した。該対象はその口唇を 覆うのに十分な製品を塗布し、本研究中該口唇を舐めることを差し控えるように 指示された。この研究は、ハーフリップテストであった。即ち、口唇のそれぞれ の側（左対右）に、サンプルＡおよびサンプルＢを塗布した。15分後に、サンプ ルを口唇から拭い去り、該装置での読み取りを実施した。 口唇の湿潤性は、製品の一回の塗布後15分経過時点において、サンプルＡおよ びＢ両者共に有意に改善した。平均して、口唇の湿潤性は、サンプルＡについて は75%、およびサンプルＢについては43% 改善された。更に、90% の信頼レベル で、サンプルＢを越えるサンプルＡの指向的(directional)優越性があった。こ の研究全体を通して、未処理のコントロール部位には有意な変化は見られなかっ た。 本研究中に、これら両サンプルは、口唇に迅速な湿潤性増強作用をもたらし、 しかも以下に示すように、実施例１の処方は、ロレアル社製のカラーエンデュア を越える指向的優位性が観測される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バローン サルヴァトル ジェイ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10314 ステトン アイランド デヴォン ルー プ 160 アパートメント 11 (72)発明者 ジョージ ナティヴィダッド アール アメリカ合衆国 ニューヨーク州 11435 ジャマイカ ランダー ストリート 84 −35 アパートメント ５シー (72)発明者 マックロークリン ジーナ エイ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08873 サマーセット バイアー アベニ ュー 51

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．改良された転写防止性を有する、無水化粧用スティック組成物であって、全 組成物重量を基準として、 a) 揮発性溶媒10-70%、および b) 少なくとも一つの親水性基と、少なくとも一つの親油性基とを含む、ポ リマー型有機シロキサン乳化剤0.1〜40%、 を含むことを特徴とする、上記スティック組成物。 ２．該有機シロキサン乳化剤のHLB が２〜18である、請求の範囲第１項に記載の 組成物。 ３．該界面活性剤が、２〜10のHLB をもつノニオン性乳化剤である、請求の範囲 第２項に記載の組成物。 ４．該ポリマー型有機シロキサン乳化剤が、以下の一般式で示されるものである 請求の範囲第１項に記載の組成物： ＭＤ_xD'_yD"_zＭ ここで、各Ｍは各々独立に、置換または無置換のトリメチルシロキシ末端キャ ップ単位を表し、ここで置換されている場合には、親油性基、親水性基、または その組み合わせによって、該末端キャップメチル基上の１以上の水素原子が置換 されているか、あるいは１以上のメチル基が置換されており、Ｄ、D'およびD" はメチル、水素、親油性基、親水性基またはその組み合わせにより置換された、 二官能性のシロキシ単位であり、 ｘ＝0-5000、 ｙ＝0-5000、および ｚ＝0-5000であり、 但し該化合物は少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基とをも つことを条件とする。 ５．各Ｍが無置換のトリメチルシロキシ末端キャップ単位であり、ＤおよびD'が RR'SiO_2/2であり、D" はRRSiO_2/2であり、ｘ、ｙおよびｚは各々独立に0-1000で あり、Ｒはメチルまたは水素原子であり、R'は親水性基または親油性基 である請求の範囲第４項に記載の組成物。 ６．ＤはSi[(CH₃)][(CH₂)_nCH₃]O_2/2（ここで、ｎは１〜40）であり、D'はSi[(CH₃ )][(CH₂)_o-O-PE)]O_2/2(ここで、PEは(-C₂H₄O)_a(-C₃H₆O)_bHであり、ｏは０〜40 である)であり、またD" はSi(CH₃)₂O_2/2であり、ａは１〜100であり、ｂは１〜1 00である、請求の範囲第５項に記載の組成物。 ７．該有機シロキサン乳化剤が、セチルジメチコンコポリオールである、請求の 範囲第６項に記載の組成物。 ８．該有機シロキサン乳化剤が、ジメチコンコポリオールである、請求の範囲第 ６項に記載の組成物。 ９．更に、該組成物の重量基準で、化粧品に許容されるワックスを、0.1-40重量 ％含有する、請求の範囲第１項に記載の組成物。 10．該ワックスが30〜120 ℃の範囲の融点をもつ、請求の範囲第９項に記載の組 成物。 11．更に、化粧品に許容される油を、0.1-30重量％含有する、請求の範囲第１項 に記載の組成物。 12．更に、0.02〜200 μの範囲の粒径をもつ、乾燥粒状物質を、5-50% 含有する 請求の範囲第１項に記載の組成物。 13．更に、重量基準で、1-40% の化粧品に許容されるワックス、 0.1-30% の油、および 5-50% の、0.02〜200 μの範囲の粒径をもつ、乾燥粒状物質、 を含有する、請求の範囲第１項に記載の組成物。 14．該揮発性溶媒が0.5〜25センチストークスの範囲の25℃における粘度を有す る、請求の範囲第３項に記載の組成物。 15．該揮発性溶媒が線状または環状のシリコーンである、請求の範囲第14項に記 載の組成物。 16．該揮発性溶媒がシクロメチコンである請求の範囲第15項に記載の組成物。 17．該有機シロキサン乳化剤が、以下の一般式で示されるものである、請求の範 囲第13項に記載の組成物: ＭＤ_xD'_yD"_zＭ ここで、各Ｍは各々独立に、無置換のトリメチルシロキシ末端キャップ単位ま たは置換トリメチルシロキシ末端キャップ単位を表し、ここで置換されている場 合には、親油性基、親水性基、またはその組み合わせによって、該末端キャップ メチル基上の１以上の水素原子が置換されているか、あるいは１以上のメチル基 が置換されており、Ｄ、D'およびD" はメチル、水素、親油性基、親水性基また はその組み合わせにより置換された、二官能性のシロキシ単位であり、 ｘ＝0-5000、 ｙ＝0-5000、および ｚ＝0-5000であり、 但し該化合物は少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基とをも つことを条件とする。 18．ＭがRRRSiO_1/2であり、ＤおよびD'がRR'SiO_2/2であり、D" がRRSiO_2/2であ り、Ｒがメチルまたは水素原子であり、R'が親水性基または親油性基であり、ｘ 、ｙおよびｚが各々独立に0-1000である、請求の範囲第８項記載の組成物。 19．Ｍはトリメチルシロキシであり、ＤはSi[(CH₃)][(CH₂)_nCH₃]O_2/2（ここで、 ｎは１〜40）であり、D'はSi[(CH₃)][(CH₂)_o-O-PE)]O_2/2(ここで、PEは(-C₂H₄O)_a (-C₃H₆O)_bHであり、ｏは０〜40であり、ａは１〜100であり、ｂは１〜100であ る)であり、またD" はSi(CH₃)₂O_2/2である、請求の範囲第18項に記載の組成物。 20．該有機シロキサン乳化剤が、セチルジメチコンコポリオールである、請求の 範囲第19項に記載の組成物。 21．該有機シロキサン乳化剤が、ジメチコンコポリオールである、請求の範囲第 19項に記載の組成物。 22．該有機シロキサン乳化剤が、約25-50%のセチルジメチコンコポリオールと、 25-50%の非−シリコーン型有機乳化剤と、25-50%のエモリエントまたは油とのブ レンドとして存在し、これら全ての％が該有機シロキサン乳化剤ブレンドの全重 量を基準とするものである、請求の範囲第13項に記載の組成物。 23．該化粧品に許容される油が、フルオロ−ゲルベットシトレートエステルを含 む請求の範囲第11項に記載の組成物。 24．フルオロ−ゲルベットシトレートエステルが、フルオロ−オクトドデシルメ ドーフォーメートである請求の範囲第23項に記載の組成物。 25．転写防止性であり、かつ皮膚に適用した場合に半艶消し仕上げ性である化粧 用スティック組成物の製造方法であって、該化粧用スティック組成物が、該組物 の全重量基準で、10-70%の揮発性溶媒と、0.1-40% の化粧品に許容されるワック スと、5-50% の粉末と、0.1-30% の油とを含有し、該方法が該組成物に0.1-40% の、少なくとも１つの親水性基と少なくとも１つの親油性基とをもつポリマー型 有機シロキサン乳化剤を添加する工程を含み、かつ該有機シロキサン乳化剤含有 組成物が、該有機シロキサン乳化剤を含まない同一の組成物と比較した場合に、 改善された転写防止性を呈する、ことを特徴とする、上記方法。 26．該ポリマー型有機シロキサン乳化剤が２〜18の範囲のHLB を有する、請求の 範囲第25項記載の方法。 27．該ポリマー型有機シロキサン乳化剤が２〜12の範囲のHLB を有する、請求の 範囲第26項記載の方法。