JPH10509658A - 溝付き工具を再研削するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、直線溝又は螺旋溝をもつ工具を、溝に係合し且つ進行方向において研削ディスクの前方に配置されたフィーラーピンを有する位置決めヘッドを用いて再研削するための方法およひ装置に関する。工具をその長さ全体にわたって再研削することができるようにするために、本発明により、２つのフィーラーピンを有する位置決めヘッドを使用し、研削ディスクを先導する第１のフィラーピンは、溝の出口に入る前に、或いは、溝が開放している場合には溝を出る前に、溝から収縮され、位置決めヘッドに強固に連結されている第２のフィラーピンは研削ディスクの後を追い、第１のフィラーピンを溝から解放した後に、工作物のスピンドルヘッドのスピンドルスリーブを案内することが提案されている。

Description

【発明の詳細な説明】 溝付き工具を再研削するための方法および装置 本発明は、直線溝又は螺旋溝をもつ工具を、溝に係合し且つ進行方向において 研削ディスクの前方に配置されたフィーラーピンを有する位置決めヘッドを用い て再研削するための方法および装置に関する。 周知のように、直線溝又は螺旋溝をもつ工具を研削するためには、基本的には ２つの方策がある。 第１の方策では、個々の軸線方向移動のために、数値制御装置を備えた機械が 使用される。この機械は、取得コストが比較的高く、多数のユニットに対しては 非常に適しているが、溝付き工具を再研削する前に、再研削しようとする工具の 正確な形状寸法を知得し或いはその形状寸法を測定してこれらの数値を制御シス テムに入力する必要がある。 第２の方策は、手動制御式の再研削機を使用することから成る。この方策は、 購入価格の点で有利であり、少数のユニットに対しても適している。例えば螺旋 溝付きの工具は、再研削の際、チャック、コレット、コニカルリテーナ、又は異 なるスピンドルスリーブによって、シャフトの一端がクランプされる。スピンド ルスリーブは、進行方向に手動でずらされる。研削しようとする工具の案内がフ ィーラーピンによって拘束されているので、螺旋の傾斜に関連した工具の形状寸 法を知る必要はない。研削処理の際、このフィーラーピンは、再研削しようとす る工具の螺旋溝に係合する。溝の傾斜は、再研削しようとする輪郭の傾斜に対応 している。研削工具（研削ディスク）が、研削しようとする帯域に入るとき、再 研削しようとする工具のところでフィーラーピンによって正確に案内されなけれ ばならないので、フィーラーピンは、進行方向において研削ディスクの前方の一 定距離に配置される。研削ディスクの中央の前方でのフィーラーピンのこの先導 により、フィーラーピンは、研削ディスクの前方の螺旋溝の出口領域にある。フ ィーラーピンが、完全に形成された溝形状の領域を出た途端、研削処理を停止し なければならず、さもなければ、再研削輪郭が歪められたり、再研削しようとす る工具が不適当に研削されて使用不能になったりする。同様なことは、フィーラ ーピンが溝を出て開放されるときに生ずる。この方法では、再研削しようとする 工具の外形を、その長さ全体にわたって再研削することができない。上述の型式 の方法又は装置は、請求の範囲第１項と第４項の導入部分に記されている。 本発明の目的は、手動制御式の再研削機において、再研削しようとする外形を その長さ全体にわたって高精度で再研削することができるように、公知の方法又 は公知の装置を更に発展させることである。 本発明によれば、この目的は、請求の範囲第１項の特徴部分に記載した方法、 そして請求の範囲第４項の特徴部分に記載した装置によって達成される。 研削ディスクを先導する収縮可能なフィーラーピンと、位置決めヘッドと強固 に連結され研削ディスクの後を追う第２のフィーラーピンとを使用することが非 常に重要である。このことは、溝の始点を研削するため第１の収縮可能なフィー ラーピンが案内し、引き続き、溝の一定長さにわたって両方のフィーラーピンが 同時に案内するという事実のため、可能になる。第２のフィーラーピンが再研削 しようとする工具の溝に入った後、第１のフィーラーピンを収縮させてもよい。 しかしながら、溝の出口に入る前に第１のフィーラーピンを収縮させなければな らない。溝の出口に入ったり溝を出て開放される前に第１のフィーラーピンが収 縮されると、第２のフィーラーピンは、工作物のスピンドルヘッドのスピンドル スリーブを案内する。その結果、例えば、再研削しようとする工具の溝の削り面 又は注型面を、その長さ全体にわたって再研削することができる。２つのフィー ラーピンは、異なる工具の形状寸法に合わせて容易に短時間で調整できなければ ならない。 何よりもまず、再研削しようとする工具の異なる溝形状、工具の寸法、溝の螺 旋角度について考慮しなければならない。２つのフィーラーピンを備えた位置決 めヘッドは、研削テーブルに取付けられたクランプホルダーに固定される。異な る研削作業に対して位置決めヘッドを出来るだけ簡単かつ迅速に変換するために 、クランプホルダーは、中央の係止ネジを手で緩め、調整した後、係止ネジで再 び締付けることができるように構成されている。 緩めた状態では、クランプホルダーの接合部は、位置決めヘッドを所望の位置 に合わせて調整することができるように、自由に移動可能である。所望の位置へ のこのような調整の後、係止ネジは手で締付けられ、接合部は強固になる。 請求の範囲第１項に記載の方法の有利な別の実施例が、請求の範囲第２項と第 ３項に記載されており、請求の範囲第４項に記載の装置の有利な別の実施例が、 請求の範囲第５項〜第８項に記載されている。 次に、以下の図面に示される例によって、本発明をより詳細に説明する。 第１図は、本発明によって構成される装置の概略正面図である。 第２図は、第１図に示される装置を第１図の表示と直交方向に見た部分断面側 面図である。 第３図は、２つのフィーラーピンを備えた位置決めヘッドの部分断面正面図で あって、第１のフィーラーピンが、伸長位置に示されている。 第４図は、第３図と同様な図面であって、第１のフィーラーピンが、収縮位置 に示されている。 第５図および第６図は、種々の作動例を示した図である。 第１図は、２つのフィーラーピン２、３を備えた位置決めヘッド１を示してい る。位置決め装置は、位置決めヘッド１と、係止ねじ５Ａによって任意の設定位 置に固定することができる、自由に移動可能な関節式アームの形態のクランプホ ルダー５と、クランプホルダー５を研削テーブル１１に固定するホルダー４とに よって構成されている。位置決め装置の自由に移動可能なクランプホルダー５は 、２つのフィーラーピン２、３を備えた位置決めヘッドを、再研削しようとする 工具６の進入しようとする溝に極めて迅速かつ正確に調節することができる可能 性を提供する。研削テーブル１１は、テーブルを長さ方向に移動させて調整する ことができるように、ガイドを備えている。ガイドは、再研削しようとする工具 を適当な長さ方向位置に運ぶようになっている。さらに、工具スピンドルヘッド が、研削テーブルに設けられ、極めて容易に軸線方向と半径方向に移動させるこ とができ研削の際に前進運動を行うスピンドルスリーブを収容する。スピンドル スリ ーブの前端部のところに、たとえば、再研削しようとする工具６を受け入れるコ レットチャック７が設けられている。しかしながら、再研削しようとする工具６ をクランプするのに、他のクランプ要素を使用することもできる。これは、再研 削しようとする工具６を受け入れる可能性で決まる。再研削は、研削ディスク８ によって行われる。研削ディスク８が再研削する工具６に入るときに工具６が軸 線方向において正確に案内されなければならないので、第１のフィーラーピン２ は、研削ディスク８を一定距離だけ案内し、第２のフィーラーピン３は、研削デ ィスク８の後に続く。研削ディスク８の前での第１のフィーラーピン２の先導は 、研削寸法と研削量によって決定され、Ｘで表される。 第２図は、工具６の面９を再研削する際の研削ディスク８の係合を示している 。フィーラーピン２、３を備えた位置決め装置は、隣接する溝１０に係合してお り、位置決め装置の傾斜は、再研削する溝の外形すなわち注型面の傾斜に対応し ている。 第３図および第４図に示されるように、研削ディスク８を先導するフィーラー ピン２をフィーラーピン３の中心線と平行な方向にずらすことができる。フィー ラーピン３は、位置決めヘッド１に強固に連結されているが、容易に交換するこ とができる。２つのフィーラーピン２、３は、ヘッド領域１２において同じ形状 寸法を有している。ヘッド領域１２の形体は、溝の形状および研削作業に応じて 設計される。 フィーラーピン２は、溝から自動的に収縮させることができるように構成され ている。図示した例では、位置決めヘッド１のフィーラーピン２は、空圧接合具 Ｐ１、Ｐ２によって空圧的に伸縮される。フィーラーピン２を移動させる別の案 は、フィーラーピンを圧縮バネによって伸長させ空圧的に収縮させることによっ て構成される。位置決めヘッド１において、収縮可能なフィーラーピン２は、穴 １３と後部の厚いシャフト部１５との間に隙間を生ずることなしに案内される。 穴１３は、位置決めヘッド１にねじ込まれたカバー１４によって閉鎖されている 。カバー１４は、フィーラーピン２が伸長する際の長さ方向ストップとして役立 つ。フィーラーピン２の後端部は、収縮の際、穴１３の底部１６に衝突する。 研削工具の再研削しようとする工具上での作用、並びに位置決め装置の係合に ついての幾つかの例が、第５図および第６図に示されている。 螺旋溝を備えた工具のみならず直線溝を備えた工具も、本発明の方法および装 置によって再研削することができることを指摘しておく。上述の位置決め装置は 、工具を再研削するための工具研削機に取付けることができる。 溝が１つの工具を再研削するときには、この方法および装置を使用する別の可 能性が存在する。その際には、一方のピンが進行方向において研削ディスクの前 方にあり、もう一方のピンが研削ディスクの後方にあるように、位置決めヘッド を設計しなければならない。その際、２つのフィーラーピンは、溝の研削ディス クの研削範囲内にはない箇所に配置される。他の点では、上述の例と同じ原理が 使用される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．直線溝又は螺旋溝をもつ工具を、溝に係合し且つ進行方向において研削ディ スクの前方に配置されたフィーラーピンを有する位置決めヘッドを用いて再研削 するための方法において、 ２つのフィーラーピン（２、３）を有する位置決めヘッド（１）を使用し、 研削ディスク（８）を先導する第１のフィラーピン（２）は、溝の出口に入 る前に、或いは、溝が開放している場合には溝を出る前に、溝から収縮され、 位置決めヘッド（１）に強固に連結されている第２のフィラーピン（３）は 、研削ディスク（８）の後を追い、第１のフィラーピン（２）を溝から解放した 後に、工作物のスピンドルヘッドのスピンドルスリーブを案内することを特徴と する方法。 ２．第１のフィラーピン（２）が自動的に収縮されることを特徴とする請求の範 囲第１項に記載の方法。 ３．２つのフィーラーピン（２、３）が、再研削しようとする溝に対応する溝（ １０）に係合することを特徴とする請求の範囲第１項又は第２項に記載の方法。 ４．位置決めヘッドとフィーラーピンを用いて、請求の範囲第１項〜第３項のい ずれか１項に記載の方法を実施するための装置において、 位置決めヘッド（１）が、２つのフィーラーピン（２、３）を備えており、 第１のフィーラーピン（２）が、位置決めヘッド（１）内に収縮可能に取付けら れ、第２のフィーラーピン（３）が、位置決めヘッド（１）と連結されているこ とを特徴とする装置。 ５．第１のフィーラーピン（２）が、空圧的に伸縮されることを特徴とする請求 の範囲第４項に記載の装置。 ６．第１のフィーラーピン（２）が、圧縮バネによって伸長され、空圧的に収縮 されることを特徴とする請求の範囲第４項に記載の装置。 ７．工具の形状寸法に応じて、フィーラーピン（２、３）を交換することができ ることを特徴とする請求の範囲第５項又は第６項に記載の装置。 ８．位置決めヘッド（１）が、位置決めヘッド（１）を調整した後に一定位置に 固定することができる、自由に移動するクランプホルダー（５）に取付けられて いることを特徴とする請求の範囲第４項〜第７項のいずれか１項に記載の装置。