【発明の詳細な説明】
重合プロセス 発明の分野
本発明は、触媒として嵩高な配位子の遷移金属化合物を使用するオレフィンの
重合用の連続式プロセスに関し、特に、連続式のスラリー又は気相重合プロセス
に関する。本発明は、特に、掃去剤成分の不存在下又は少量の掃去剤成分の存在
下に、流動床反応器中においてメタロセン触媒系の存在下に1種以上のオレフィ
ンを重合する気相重合プロセスに関する。発明の背景
メタロセン触媒としても知られている嵩高な配位子の遷移金属触媒を使用する
気相及びスラリー相重合プロセスを使用して広範な様々な用途及び生成物用の新
規なポリマーを製造することは広く知られている。これらのメタロセン触媒及び
触媒系が多くの液体、特に、一般的な重合プロセスにおいて使用される希釈剤又
は反応性成分中に極めて可溶性であることは本技術分野において公知である。さ
らに、メタロセン触媒は、商業的重合プロセスにおいて一般的に使用される種々
の成分によって化学的及び物理的に影響される可能性がある。メタロセン触媒成
分及び触媒系成分は、スラリー又は気相重合プロセスにおいて汚れ(fouling)及
び/又はシーティング(sheeting)を生じる傾向を有する。連続式スラリー法にお
いて、特に、熱移動面として機能する反応器の壁上の汚れは、重合プロセスにお
ける熱伝達の妨害を含む多くの問題をもたらす可能性がある。反応器の壁に付着
したポリマー粒子は重合を続け、お互いに融合して大きな塊を形成することも多
く、これは連続式プロセス、特に、流動床プロセスに対して有害である可能性が
ある。
連続式気相プロセスにおいては、連続的な再循環流れが使用される。再循環流
れは重合熱によって加熱され、そしてサイクルの別の部分において、反応器の外
側の冷却装置によって熱が除去される。
連続式気相プロセスにおける汚れは、様々な反応器の装置、例えば、気相流動
床重合プロセスにおいて使用されることが多い冷却装置、温度プローブ、及び
ディストリビュータプレート(distributor plate)の非効率的な運転をもたらす
可能性がある。
メタロセン触媒及び触媒を使用することに関連する反応器の操作上の問題の結
果として、汚れを生じる傾向の少ないメタロセン触媒系を支持するか又は製造す
るための様々な技術が開発された。例えば、米国特許第5,283,218号は、メタロ
セン触媒の予備重合に関する。米国特許第5,332,706号は、初期の含浸(incipent
impregnation)」により触媒を形成するための特別の技術に頼っている。
これらの可能な解決方法の全てが汚れ又はシーティングをある程度は減少させ
ているが、幾つかは使用するのに費用がかかり過ぎ、及び/又は連続式プロセス
、特に商業的又は大規模なプロセスを良好に運転するのに十分な水準まで汚れと
シーティングの両方を減少させることができない。
従って、改善された反応器の操作性を伴って連続的に商業的に操作することが
でき、同時に改善された物理的特性を有するポリマーを製造できる重合方法を有
することは非常に有利である。発明の概要
本発明は、嵩高な配位子の遷移金属触媒、例えば、メタロセン触媒又は触媒系
、を使用する1種以上のオレフィンを重合するための連続式のスラリー又は気相
重合方法に関する。
1つの態様において、本発明は、1種以上のオレフィンを、単独で又は組み合
わせて、メタロセン触媒系の存在下に重合する連続式の方法であって、掃去剤成
分(scavenging component)を排除するか又は減少させることを含む方法を提供す
る。
好ましい実施態様において、本発明の上記の方法はスラリー相重合方法であり
、好ましくは気相重合方法である。
もう1つの好ましい実施態様において、本発明の方法は凝縮形式(condensed m
ode)で運転される気相重合方法である。発明の詳細な説明 序文
本発明は、嵩高な配位子の遷移金属メタロセン触媒成分を使用して、改善され
た操作性を有し、改善されたポリマー生成物を製造できる連続式の重合プロセス
に関する。特にスラリーにおいてそしてさらに特に気相重合プロセスにおいて、
反応器の不純物を除去するために添加剤として一般的に使用される掃去剤成分の
使用は汚れとシーティングを増加させ、これらが反応器を停止させる可能性があ
ることが判明した。掃去剤成分は微粉(fines)の形成を増加させる可能性もある
。
一般に、これらの掃去剤成分は2つの機能を有する。それらは不純物を除去す
るだけでなく、活性剤又は助触媒としても機能し、特に従来的チーグラー−ナッ
タ触媒、例えば、チタニウム及びバナジウムのハロゲン化物用の活性剤又は助触
媒としても機能する。また、掃去剤成分の使用はゲルを含む劣ったポリマー生成
物をもたらす可能性がある。
さらに、多すぎる掃去剤は触媒活性を低下させ、オレフィンの低分子量オリゴ
マーをもたらす可能性がある。
従って、よく知られており広く使用されている成分である掃去剤を除去するか
又は減少させることによって、改善された反応器の操作性、改善された触媒活性
、及び実質的にゲルを含まないポリマー生成物をともなう本発明の方法が提供さ
れる。本発明の触媒成分及び触媒系
メタロセン触媒は、例えば、典型的には、式:
[L]mM[A]n
から誘導され得る嵩高な配位子の遷移金属化合物であり、式中、Lは嵩高の配位
子であり、Aは脱離基(leaving group)であり、Mは遷移金属であり、m及びn
は、総配位子原子価が遷移金属原子価に相当するようなものである。好ましくは
、触媒は、その化合物が1+の原子価状態にイオン化されるような4配位体(co-o
rdinate)である。
配位子L及びAは互いに架橋されていてもよく、2つの配位子L及び/又はA
が存在する場合、それらは架橋されてもよい。メタロセン化合物は、シクロペン
タジエニル配位子又はシクロペンタジエンから誘導された配位子でよい2つ以上
の配位子Lを有する完全サンドイッチ型(full-sandwich)化合物又は、シクロ
ペンタジエニル配位子又は誘導された配位子である1つの配位子Lを有する半
サンドイッチ型(half-sandwich)化合物でよい。
1つの実施態様において、少なくとも1つの配位子Lは、多種にわたる結合原
子、好ましくは炭素原子を含み、そして典型的には、置換又は未置換の、シクロ
ペンタジエニル配位子、又はシクロペンタジエニル誘導配位子、又は遷移金属原
子にη-5結合することができる他の配位子のような環式構造のものである。1つ
以上の嵩高の配位子が、遷移金属原子にπ-結合されてもよい。遷移金属原子は
、第4族、第5族、又は第6族遷移金属及び/又はランタニド及びアクチニド系
列からの金属でよい。脱離基のようなその他の基も遷移金属に結合でき、例えば
、ヒドロカルビル、水素、又はその他の一価のアニオン性配位子であるが、これ
らに限定されるものではない。メタロセン触媒及び触媒系の非限定例は、例えば
、米国特許第4,530,914号、第4,952,716号、第5,124,418号、第4,808,561号、第
4,897,455号、第5,278,264号、第5,278,119号、第5,304,614号に記載されており
、それらのすべてを引用によって本明細書に組み込む。また、欧州特許公開第0
129 368号、欧州特許公開第0 591 756号、欧州特許公開第0 520 732号、欧州特
許公開第0 420 436号、PCT国際公開WO91/04257号、WO92/00333号、W
O93/08221号、及びWO93/08199号の開示は全て完全に引用によって組み込ま
れる。
メタロセン型の触媒系の種々の形態が本発明の重合方法において使用できる。
エチレンの重合用の技術におけるメタロセン触媒の開発の例としては、米国特許
第4,871,705号、第4,937,299号、第5,324,800号、第5,017,714号、及び第5,120,
867号の開示があり、それら全てを引用によって本明細書に完全に組み込む。そ
れらの刊行物は、メタロセン触媒の構造を教示しており、助触媒としてアルモキ
サンを含む。アルモキサンを製造する種々の方法があり、その例は、米国特許第
4,665,208号、第4,952,540号、第5,091,352号、第5,206,199号、第5,204,419号
、第4,874,734号、第4,924,018号、第4,908,463号、第4,968,827号、第5,308,81
5号、第5,329,032号、第5,248,801号、第5,235,081号、第5,157,137号、第5,103
,031号、及び欧州特許公開第0 561 476号、欧州特許第0 279 586号、欧州特許公
開公報第0 594 218号、及びWO94/10180号に記載されており、これらは全て引
用によって本明細書に組み込む。
さらに、本発明のメタロセン触媒成分は、モノシクロペンタジエニルヘテロ原
子含有化合物でもよい。このヘテロ原子は、アルモキサン、イオン化活性剤、ル
イス酸、又はそれらの組み合わせによって活性化され、活性な重合触媒系を生成
する。これらのタイプの触媒系は、例えば、PCT国際公開WO92/00333号、
WO94/07928号、及びWO91/04257号、WO94/03506号、米国特許第5,057,4
75号、第5,096,867号、第5,055,438号、第5,198,401号、第5,227,440号、第5,26
4,405号、及び欧州特許公開第0 420 436号に開示されており、これらの全てを引
用によって本明細書中に完全に組み込む。その他に、本発明において有用なメタ
ロセン触媒は、非シクロペンタジエニル触媒成分、又は遷移金属と組み合わせた
ボロール(boroles)又はカルボライド(carbollides)のような補助配位子を含
むことができる。さらに、これらの触媒及び触媒系が、米国特許第5,064,802号
、第5,149,819号、第5,243,001号、第5,239,022号、第5,276,208号、第5,296,43
4号、第5,321,106号、第5,329,031号、及び第5,304,614号、及びPCT公開WO
93/08221及びWO93/08199、及び欧州特許公開第0 578 838号に記載されたも
のであることは本発明の範囲外ではなく、これらの全ては引用によって本明細書
に組み込まれている。
本発明の触媒系の好ましい遷移金属成分は、第4族のもの、特にジルコニウム
、チタニウム、及びハフニウムのものである。遷移金属はどのような酸化状態で
もよく、好ましくは+3又は+4又はそれらの混合物である。
本明細書では、「メタロセン」という用語は、1つ以上の未置換の又は置換さ
れたシクロペンタジエニル又はシクロペンタジエニル部分を遷移金属と共に含む
ものとして定義される。1つの態様においてメタロセン触媒成分は、一般式(C
p)mMRnR′p(式中、少なくとも1つのCpは未置換又は好ましくは置換さ
れたシクロペンタジエニル環であって対称的又は非対称的に置換されたものであ
り;Mは、第4族、第5族、又は第6族遷移金属であり;R及びR′は、独立し
て、ハロゲン、1乃至20の炭素原子を有するヒドロカルビル基又はヒドロカルボ
キシル基、又はそれらの組み合わせから選択され;m=1〜3であり、n=0〜
3であり、p=0〜3であり、そしてm+n+pの合計はMの酸化状態に等しく
、好ましくはm=2、n=1、及びp=1である)により表される。
もう1つの態様においては、メタロセン触媒成分は、式:
(C5R′m)pR″s(C5R′m)MQ3-p-x又は
R″s(C5R′m)2MQ′
[式中、Meは、第4族、第5族又は第6族遷移金属であり、少なくとも1つの
C5R′mは置換されたシクロペンタジエニルであり、各R′は、同一か又は異な
り、水素、1乃至20の炭素原子を有する、アルキル、アルケニル、アリール、ア
ルキルアリール、又はアリールアルキル基であるか、又は2つの炭素原子が一緒
になって4乃至20個の炭素原子を有する置換又は未置換の環の部分を形成し、R
″は、2つの(C5R′m)環を架橋するか又は1つの(C5R′m)環とMを架橋
する、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、燐、又は窒素原子含有基の1つ以上又は組
み合わせであり、pが0のときは、xが1であり、pが0以外のときはxは常に
0であり、各Qは、同じか又は異なり、1乃至20個の炭素原子を有するアリール
、アルキル、アルケニル、アルキルアリール又はアリールアルキル基、ハロゲン
、又はアルコキシドであり、Q′は、1乃至20個の炭素原子を有するアルキリデ
ン基であり、sは0又は1であり、sが0のときはmは5であり、pは0、1又
は2であり、sが1のときは、mは4であり、pは1である]で表される。
本明細書において、「助触媒」及び「活性剤」という用語は、互換的に用いら
れ、嵩高の配位子遷移金属化合物、又は先に定義したメタロセンを活性化するこ
とができる化合物又は成分であると定義される。アルモキサンの活性剤としての
使用、及び/又は中性のメタロセン化合物をイオン化する、トリス(n-ブチル)
アンモニウムテトラビス(ペンタフルオロフェニル)硼素又はトリスフルオロフ
ェニル硼素メタロイド先駆体のような、イオン化活性剤、中性又はイオン性の化
合物の使用も本発明の範囲内である。そのようなイオン化化合物は、活性プロト
ン、又はイオン化化合物の残存するイオンと会合しているが配位していないか又
はゆるく配位しているだけのある種の他のカチオンを含むことができる。そのよ
うな化合物は、欧州特許公開公報第0 570 982号、第0 520 732号、第0 495 375
号、第0 426 637号、第500 944号、第0 277 003号、及び第0 277 004号、及び米
国特許第5,153,157号、第5,198,401号、第5,066,741号、第5,206,197号、及び第
5,241,025号、及び1994年8月3日に出願された米国特許出
願番号08/285,380に記載されている。例えば、アルモキサンとイオン化活性剤の
組み合わせのような、活性剤の組み合わせも本発明の範囲内である。例えば、W
O94/07928を参照のこと。
本発明のもう1つの実施態様においては、本発明の触媒系中において2種以上
のメタロセン触媒成分を組み合わせることができる。例えば、混合触媒は、引用
によって本明細書中に組み入れられている米国特許第5,281,679号に記載されて
いる。また、本発明のもう1つの実施態様においては、少なくとも1種のメタロ
セン触媒を非メタロセン又は従来的チーグラー−ナッタ触媒又は触媒系と組み合
わせることができる。それらの非限定的な例は、米国特許第4,701,432号、第5,1
24,418号、第5,077,255号、及び第5,183,867号に記載されており、これらは全て
引用によって本明細書中に組み入れられている。
本明細書において、「担体」又は「支持体」という用語は互換的に用いられ、
例えば、タルク、無機酸化物、塩化マグネシウムのような無機塩化物、及びポリ
スチレン又はポリスチレンジビニルベンゼンポリオレフィン又は高分子化合物の
ような樹脂支持体物質又はその他の有機支持体物質など、及びそれらの混合物の
ようないずれかの支持体物質、好ましくは多孔質支持体物質でよい。
好ましい支持体物質は無機酸化物物質であり、元素の周期表の第2、3、4、
5、13又は14族の金属酸化物からの物質を含む。好ましい態様では、触媒支持体
物質には、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ及びそれらの混合物が含まれる
。単独で又はシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナと組み合わせて用いられ得る
他の無機酸化物はマグネシア、チタニア、ジルコニア等である。
本発明の触媒の担体は、約10乃至約700m2/gの表面積、約0.1乃至約4.0cc/
gの細孔容積(pore volume)、及び約10乃至約500μmの平均粒度を有するのが好
ましい。より好ましくは、表面積は約50乃至約500m2/gであり、細孔容積は約
0.5乃至約3.5cc/gであり、そして平均粒度は約20乃至約200μmである。最も
好ましくは、表面積は約100乃至約400m2/gであり、細孔容積は約0.8乃至約3.
0cc/gでありそして、平均粒度は約10乃至約100μmである。本発明の担体の細
孔の大きさは典型的には10乃至1000オングストロームの範囲内であり、好ましく
は50乃至500オングストロームの範囲内であり、最も好ましくは75乃至350オング
ストロームの範囲内である。
本発明の触媒系は前述したような様々な異なる方法で製造することができる。
1つの実施態様においては触媒は未担持である。引用によって本明細書中に組み
入れられている米国特許第5,317,036号及び欧州特許公開公報第0 593 083号を参
照のこと。好ましい実施態様においては、本発明の触媒系は担持される。本発明
において使用される触媒系を担持する例は、米国特許第4,937,217号、第4,912,0
75号、第4,935,397号、第4,937,301号、第4,914,253号、第5,008,228号、第5,08
6,025号、第5,147,949号、第4,808,561号、第4,897,455号、第4,701,432号、第5
,238,892号、第5,240,894号、第5,332,706号、及び1995年4月20日に公開された
WO95/10542、1995年3月3日に公開されたWO95/07939、1994年11月24日に
公開されたWO94/26793、及び1995年5月11日に公開されたWO95/12622に記
載されている。
本発明の方法の1つの実施態様においては、オレフィン、好ましくはC2〜C2 0
のアルファ−オレフィン、好ましくはエチレン又はプロピレン又はそれらの組
み合わせを、主重合の前に、本発明の触媒又は触媒系の存在下に予備重合する。
予備重合は、高圧を含む気相、溶液、又はスラリー相において回分式又は連続式
に行うことができる。予備重合は、任意のアルファ−オレフィンモノマー又はそ
の組み合わせ及び/又は水素のような分子量調節剤の存在下に行うことができる
。予備重合に関するさらに詳細な説明については、米国特許第4,923,833号、第5
,283,278号、及び第4,921,825号、及び欧州特許第0 279 863号を参照のこと、こ
れらの全ては引用によって本明細書に組み込まれている。
本発明のもう1つの実施態様において、本発明の担持触媒系は、米国特許第5,
283,278号(引用によって本明細書中に完全に組み入れられている)に記載され
ているような静電防止剤を含むことができる。静電防止剤の例には、アルコール
、チオール、シラノール、ジオール、エステル、ケトン、アルデヒド、酸、アミ
ン、及びエーテル化合物が含まれるがこれらに限定されるものではない。第三ア
ミン、エトキシル化アミン、及びポリエーテル化合物が好ましい。静電防止剤は
本発明の担持触媒系の形成のどの段階においても添加することができるが、スラ
リー又は乾燥状態の本発明の担持触媒系が形成した後に添加するのが好ましい。
本発明のもう1つの実施態様においては、本発明の担持触媒系はポリオレフィ
ンワックス又は粘着付与剤又は類似物を含む。
本発明の触媒を製造する好ましい方法を以下で説明するが、これは1994年6月
24日に出願された米国特許出願番号265,533及び1994年6月24日に出願された米
国特許出願番号265,532に見出だすことができ、これらはいずれも引用によって
本明細書中に完全に組み入れられている。好ましい実施態様において、メタロセ
ン触媒成分は一般に液体中においてスラリー化されてメタロセン溶液が形成され
、活性剤と液体を含む別個の溶液が形成される。液体は相溶性の溶媒又は少なく
とも1種のメタロセン触媒成分及び/又は少なくとも1種の活性剤と溶液又は類
似物を形成できるその他の液体でよい。好ましい実施態様において、液体は環式
脂肪族又は芳香族炭化水素であり、最も好ましくはトルエンである。メタロセン
溶液と活性剤溶液を好ましくは一緒に混合し、メタロセン溶液と活性剤溶液又は
メタロセンと活性剤の溶液の総体積が多孔質支持体の細孔容積の4倍未満、好ま
しくは3倍未満、より好ましくは2倍未満、さらに好ましくは1〜1.5倍乃至2.5
〜4倍、そして最も好ましくは1.5〜3倍になるように、多孔質支持体に添加す
る。さらに、好ましい実施態様においては、静電防止剤を触媒の調製に添加する
。
好ましい実施態様においては、実質的に均一な触媒系が好ましい。本明細書及
び請求の範囲中において、「実質的に均一な触媒」とは、触媒成分の遷移金属の
モル比が、好ましくは活性剤と共に、多孔質支持体全体に渡って均一に分布して
いるものを意味する。
多孔質支持体の全細孔容積を測定する方法は本技術分野において公知である。
このような方法の1つの詳細な説明は、Experimental Methods in Catalytic Re
search、第1巻(アカデミック・プレス(Academic Press,1968))に説明されて
いる(特に、67〜96頁を参照のこと)。この好ましい方法は、窒素吸着用の伝統
的BET装置の使用を含む。本技術分野で公知のもう1つの方法は、Inns、Tota
l porosity and Particle Density of Fluid Catalysts By Liquid Titration、
Analytical Chemistry、第28巻、第3号、332〜334(1956年3月)に記載されて
いる。
活性剤成分の金属のメタロセン成分の遷移金属に対するモル比は、0.3:1乃
至1000:1の比の範囲内であり、好ましくは20:1乃至800:1の比の範囲内で
あり、最も好ましくは50:1乃至500:1の比の範囲内である。活性剤が上述し
たようなイオン化活性剤である場合、活性剤成分の金属のメタロセン成分の遷移
金属成分に対するモル比は、0.3:1乃至3:1の比の範囲内である。本発明の重合方法
本発明の触媒及び触媒系は、いずれかの重合方法、即ち、気相又はスラリー相
において、モノマー及び所望によりコモノマーを重合するのに適しており、最も
好ましくは気相法が用いられる。
好ましい態様において、本発明は、2乃至20個の炭素原子、好ましくは2乃至
12の炭素原子を有する1種以上のα−オレフィンモノマーの重合に関するスラリ
ー相又は気相の重合又は共重合反応に向けられている。本発明は、特に、1種以
上のモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチ
ルペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、デセン-1のようなα−オレフィンモノ
マー、及びシクロペンテンのような環式オレフィン、及びスチレン、又はそれら
の組み合わせの重合を含む共重合反応に非常に適している。他のモノマーには、
極性ビニル、ジエン等のジオレフィン、ポリエン、ノルボルネン、ノルボルナジ
エン(norbornadiene)、アセチレン、及びアルデヒドモノマーが含まれる。好ま
しくは、エチレン又はプロピレンのコポリマーが製造される。好ましくは、コモ
ノマーは、3乃至15個の炭素原子、好ましくは4乃至12個の炭素原子そして最も
好ましくは4乃至10個の炭素原子を有するα−オレフィンである。他の態様では
、エチレン又はプロピレンを少なくとも2種のコモノマーと重合してターポリマ
ー等を生成し、好ましいコモノマーは3乃至10個の炭素原子、好ましくは4乃至
8個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンモノマーの組み合わせである。
他の態様では、エチレン又はプロピレンを少なくとも2種のコモノマーと重合
してターポリマー等を生成し、好ましいコモノマーは4乃至10個の炭素原子、好
ましくは3乃至8個の炭素原子を有するアルファ−オレフィンモノマーの組み合
わせ、及び所望により少なくとも1種のジエンモノマーである。好ましいターポ
リマーには、エチレン/ブテン-1/ヘキセン-1、エチレン/プロピレン/ブテン
-1、プロピレン/エチレン/ブテン-1、プロピレン/エチレン/ヘキセン-1、エ
チレン/プロピレン/ノルボルナジエンなどのような組み合わせが含まれる。
典型的には、気相重合法では、連続サイクルが用いられ、そこでは反応器のサ
イクルの一部において、再循環流れ又は流動媒体として知られている循環ガス流
が重合熱により反応器中で加熱される。この熱は、反応器の外部からの冷却系に
よりサイクルの他の部分において除去される。(例えば、米国特許第4,543,399
号、第4,588,790号、第5,028,670号、第5,352,749号、第5,405,922号、及び第5,
436,304号を参照されたい。これらは全て引用によって本明細書に完全に組み込
む。)
一般的に、モノマーからポリマーを生成するための気体流動床方法では、1種
以上のモノマーを含有するガス流れを反応性条件下に触媒の存在下で流動床を通
して連続的に循環させる。ガス流れは、流動床から取り出され、反応器にもどし
て再循環させる。同時に、ポリマー生成物を反応器から取り出し、新しい新鮮な
モノマーを添加し重合されたモノマーと置き換える。
スラリー重合法は、一般的に約1乃至約50気圧及びそれより大きい圧力及び0
℃乃至約200℃の温度を用いる。スラリー重合において、固体粒状ポリマーの懸
濁液が液体重合媒体中で生成され、その懸濁液に、触媒とともにエチレンとコモ
ノマーそしてしばしば水素が添加される。重合媒体において用いられる液体は、
アルカン又はシクロアルカン、又はトルエン、エチルベンセン、又はキシレンの
ような芳香族炭化水素でよい。用いられる媒体は、重合の条件下で液体でなくて
はならず、比較的に不活性でなくてはならない。好ましくは、ヘキサン又はイソ
ブタンが使用される。スラリー法の非限定的な例にはループ(loop)又は撹拌タン
ク法が含まれる。
1つの実施態様において、本発明において使用される反応器は、500 lbs/時(
227 Kg/時)から約200,000 lbs/時(90,900 Kg/時)或いはそれ以上のポリマー
を製造することができ、好ましくは1000 lbs/時(455 Kg/時)以上、より好ま
しくは10,000 lbs/時(4550 Kg/時)以上、さらに好ましくは25,000 lbs/時(1
1,300 Kg/時)以上、さらに好ましくは35,000 lbs/時(19,500 Kg/時)以
上、さらに好ましくは50,000 lbs/時(22,700 Kg/時)以上、最も好ましくは65
,000 lbs/時(29,000 Kg/時)以上から100,000 lbs/時(44,500 Kg/時)以上
のポリマーを製造することができる。
本明細書及び請求の範囲中において、掃去剤(scavenger)は、酸素及び/又は
水及び/又は極性化合物に対して反応性であり、触媒成分、例えば、メタロセン
触媒成分、活性剤、選択的な担体、又は触媒の調製中に使用され触媒中又は触媒
上に残っている成分、例えば、触媒の調製中に使用される有機金属化合物を含む
トルエンを包含しない、有機金属化合物である。掃去剤化合物の非限定的な例は
、一般式RnAで表されるものであり、式中、Aは第12又は13族の元素であり、
各々のRは同じでも異なっていてもよく、置換又は未置換の、直鎖又は枝分かれ
アルキル基、環式ヒドロカルビル、アルキルシクロヒドロカルビル基、芳香族基
、又はアルコキシド基であり、nは2又は3である。
別の態様において、掃去剤は、式AlR(3-a)Xaの炭化水素アルミニウム化合
物であり、式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヒドリド基で
ある。各々のアルキル基は、1乃至20の炭素原子、好ましくは1乃至10の炭素原
子を有する直鎖又は枝分かれ鎖でよい。Xはハロゲン又はヒドリドであり、例え
ば、塩素、臭素、又はヨウ素であり、塩素が好ましく、aは0、1又は2である
。
上記の式のそのような化合物の代表的ではあるが非限定的な例には、Mがアル
ミニウム(Al)であるとき、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-ブ
チルアルミニウム、トリ-sec-ブチルアルミニウム、トリ-t-ブチルアルミニウム
、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ペンチルアルミニウム、トリシクロペ
ンチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ(4-メチルペンチル
)アルミニウム、トリ(3-メチルペンチル)アルミニウム、トリシクロヘキシル
アルミニウムなどのようなトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウム、
メチルジエチルアルミニウム、エチルジメチルアルミニウム、ジメチル-n-プロ
ピルアルミニウム、メチルジ-n-プロピルアルミニウム、ジメチルイソプロピル
アルミニウム、ジメチルシクロヘキシルアルミニウム、メチルエチルプロピルア
ルミニウムなどのようなアルキルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ト
リ-
p-トリルアルミニウム、トリ-m-トリルアルミニウム、トリ-p-エチルアルミニウ
ムなどのようなアリール及びアルキル置換アルミニウムが含まれる。その他の典
型的な掃去剤の非限定的な例には、ジアルキルアルミニウムハリド、例えば、ジ
エチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、ブロミド、及び
ヨージド(iodides)及びジアルキルアルミニウムセスキクロリド、ブロミド、及
びヨージド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムイソプロポシキド
、メチルエチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウム4-メチルフェノ
キシド、ジメチルアルミニウム3-メチルフェノキシド、ジメチルアルミニウム2,
6-ジイソプロピルフェノキシド、ジメチルアルミニウム2,6-ジ-t-メチルフェノ
キシドなどのようなアルミニウムアルコキシドが含まれる。
Mが硼素である代表的第13族元素化合物の類似のリストも、トリアルキルボラ
ン、アルキルボラン、及びアルキルボランアルコキシドに関して作成できる。ま
た、ガリウムとインジウムについても類似の化合物について同様なリストを作成
することができる。それらのリストはアルミニウム種について既に示したものと
ほとんど同一であるので、ボラン同族体及びその他の第13族元素同族体のリスト
は完全な開示には必要ない。
一般的に好ましい掃去剤はMがアルミニウム又は硼素である上記の式中のもの
である。第13族元素化合物のアルミニウム種の中で、掃去剤として最もしばしば
使用されるのはトリアルキルアルミニウムであり、トリアルキルアルミニウムの
中で最も好ましいのはトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
及びトリメチルアルミニウムである。
その他の特定の掃去剤には、例えば、BX3(Xはハロゲン)、R1R2Mg、
エチルマグネシウム、R4CORMg、RCNR、ZnR2、CdR2、LiR、
SnR4(式中、Rは同じでも異なっていてもよいヒドロカルビル基)のような
有機金属化合物が含まれる。
掃去剤として有用なその他の有機金属化合物には、第1、2、3、及び4族有
機金属アルキル、アルコキシド、及びハリド化合物が含まれる。好ましい有機金
属化合物は、リチウムアルキル、マグネシウム又は亜鉛アルキル、マグネシウム
アルキルハリド、アルミニウムアルキル、珪素アルキル、珪素アルコキシド、及
び珪素アルキルハリドである。掃去剤として有用なより好ましい有機金属化合物
はアルミニウムアルキルとマグネシウムアルキルである。掃去剤として有用な最
も好ましい有機金属化合物は、アルミニウムアルキル、例えば、トリエチルアル
ミニウム(TEAL)、トリメチルアルミニウム(TMAL)、トリ−イソブチ
ルアルミニウム(TIBAL)、及びトリ-n-ヘキシルアルミニウム(TNHA
L)、及びジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)などである。TEALが
最も広く使用されている掃去剤である。
本発明の方法の1つの実施態様において、本発明の方法は本質的に掃去剤を含
まない。本明細書及び請求の範囲中において、「本質的に含まない(essentially
free)」という用語は、本発明の方法の実施中に、再循環流れの総重量に基づい
て10 ppm以下の掃去剤しか本発明の方法中のどの点においても存在しないことを
意味する。
本発明の方法の1つの実施態様において、本発明の方法は本質的に掃去剤を含
まない。本明細書及び請求の範囲中において、「本質的に含まない(essentially
free)」という用語は、本発明の方法中に、流動床の総重量に基づいて50 ppm以
下の掃去剤しか本発明の方法中のどの点においても存在しないこととして定義さ
れる。
1つの態様中において、不純物を除去し重合を開始させる始動期間中に、掃去
剤は、流動床の総床重量に基づいて、触媒を反応器に入れてから初めの12時間、
好ましくは6時間まで、より好ましくは3時間未満、さらに好ましくは2時間未
満、そして最も好ましくは1時間未満の間、300 ppm未満、好ましくは250 ppm未
満、より好ましくは200 ppm未満、さらに好ましくは150 ppm未満、さらに好まし
くは100 ppm未満、そして最も好ましくは50 ppm未満の量でしか存在せず、その
後は掃去剤の導入は停止される。
本発明の方法の別の実施態様において、本発明の触媒が触媒1g当たりポリマ
ー1000g以上の重量比基準の触媒生産性が達成されるまで、掃去剤が十分な量で
存在し、好ましくは触媒1g当たりポリマー約1500g以上、より好ましくは2000
g以上、さらに好ましくは2500g以上、そして最も好ましくは3000g以上の
重量比基準の触媒生産性が達成されるまで掃去剤が十分な量で存在する。
本発明の方法の別の実施態様において、始動期間中に、本発明の触媒が定常状
態の触媒生産性の40%に達するまで、好ましくは30%未満、より好ましくは20%
未満、そして好ましくは10%未満の触媒生産性に達するまで、掃去剤は十分な量
で存在する。本明細書及び請求の範囲において、「定常状態」とは生産速度、即
ち、1時間当たりに生産されるポリマーの重量である。
触媒又は触媒系の生産性は主モノマー(即ち、エチレン又はプロピレン)の分
圧によって影響される。モノマー、即ち、エチレン又はプロピレンの好ましいモ
ル%は約25乃至90モル%であり、そしてモノマー分圧は約75 pisa(517 kPa)乃
至約300 psia(2069 kPa)の範囲内であり、これは気相重合法において典型的な
条件である。
掃去剤が本発明の方法において使用されるとき、掃去剤を典型的には反応器に
直接導入することができ、或いは再循環流れに間接的に導入するか、又は掃去剤
を反応器に導入することができる外部手段に導入することができる。掃去剤は反
応器に直接入るのが好ましく、そして一般的な気相法においては、反応器の床が
流動状態になった後に、反応床に直接入るか又はディストリビュータープレート
の下に入るのが最も好ましい。1つの実施態様において、掃去剤は、1回だけ、
断続的に、又は連続して反応系に導入することができる。
本発明の方法において使用される掃去剤は、定常状態生産速度に基づいて10 p
pm乃至100 ppmに相当する速度で反応器に導入され、そのご掃去剤の導入は停止
される。
さらに別の実施態様においては、特に始動期間中に、掃去剤が使用される場合
には掃去剤が、1分間に重量基準で触媒1g当たり200gのホリマーの速度の触
媒生産性の増加のもたらすのに十分な速度で導入され、好ましくは300g、より
好ましくは400g、そして最も好ましくは500gのポリマーの速度の触媒生産性の
増加のもたらすのに十分な速度で導入される。
もう1つの実施態様においては、掃去剤の金属のメタロセン触媒成分の遷移金
属に対するモル比は、触媒1g当たりのポリマーのキログラム数で表される触媒
生産性を掛けた生産速度に基づく触媒のppmを約0.2に掛けたものにほぼ等しい。
モル比のこの範囲は約300乃至10である。アルキルアルミニウムが掃去剤として
使用される好ましい実施態様においては、このモル比はアルミニウム(Al)の
遷移金属、例えば、ジルコニウム、に対する比として表され、ここでAlのモル
数は使用される掃去剤の総量に基づく。
水素を掃去剤と同時に系に添加しないのも好ましい。担持されたメタロセン触
媒系が本発明の方法において使用されるときに使用される担体と別個の担体上に
掃去剤を導入することも本発明の範囲内である。
汚れは、主な揮発性低分子量オレフィン性オリゴマーの存在によって影響を受
けることが判明した。これらのオリゴマーは、一般に、1000未満の分子量を有し
、ポリマーの約1重量%以下を構成する偶数炭素数の分子である。約30個までの
炭素原子の炭化水素オリゴマーは、沸点キャピラリーカラム(boiling point cap
illary column)(DB-5)及びヒューレット・パッカード(Hewlett Packard)5970
集団選択検出器(mass selective detector)を備えたヒューレット・パッカード
5890 GCに接続された、ニュージャージー州、Ringoesのサイエンティフィック・
インストルメント・サービシーズ(Scientific Instrument Services)製の短ギャ
ップ熱脱着装置(short pass thermal desorption unit)モデルTD-2を使用して、
本技術分野において通常の技術によって測定できる。検出方法に関して、本技術
分野において公知の単一フラクション/重量%オレフィン測定方法(single frac
tion/wt.% olefin measurement procedure)を使用する。
1つの実施態様において、ポリマー生成物中において測定したオレフィンオリ
ゴマーの重量%の脂肪族オリゴマーの重量%に対する比率は、約0乃至約25であ
り、好ましくは約0乃至約20であり、より好ましくは約0乃至約10であり、そし
て最も好ましくは約0乃至約5である。
反応器、その外部の装置、及び配管を含む反応器環境中に導入される掃去剤の
量を減少させることによって、オレフィン性又は不飽和オリゴマーの総数が大幅
に減少し、脂肪族又は飽和オリゴマーの幾らかの減少をともなうことが判明した
。
本発明の1つの実施態様においては、プロセス、好ましくは気相プロセスが、
30以下の炭素原子を有するオレフィン性炭化水素オリゴマーの重量分率がポリマ
ー生成物中において0.06未満になるように運転される。
本発明の方法中に導入された掃去剤を循環流れから除去するための反応器の外
側の系を使用すること、又は流動化媒体を処理して掃去剤を除去することは本発
明の範囲内である。例えば、米国特許第4,460,755号を参照のこと。これは引用
によって本明細書中に組み入れられている。
もう1つの実施態様おいては、不飽和のC30以下、好ましくはC14乃至C18の
オリゴマーの総量がポリマー生成物中において50 ppm未満、好ましくは40 ppm又
は30 ppm未満、さらに好ましくは20 ppm未満、そして最も好ましくは10 ppm未満
になるのに十分な量で掃去剤が導入される。
本明細書及び請求の範囲において、微粉(fines)とは、125μ以下の大きさのポ
リマー粒子である。この大きさの微粉は、標準的120メッシュ単位シーブスクリ
ーンを使用して測定できる。好ましい実施態様においては、本発明のプロセス中
に与えられた任意の時点において反応器中に存在する掃去剤の量は、125μより
小さい微粉の濃度が10%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0.85%未満
乃至0.05%未満になるようなものである。
本発明のプロセスに導入された掃去剤を循環系から除去するための反応器の外
側の装置を使用することは本発明の範囲内である。これは掃去剤が再循環して反
応器に戻るのを防ぎ、掃去剤が反応器系中に蓄積するのを防ぐ。そのような装置
を循環流れライン中の熱交換器又はコンプレッサーの前に配置するのが好ましい
。そのような装置が再循環流れライン中の流動化媒体からの掃去剤を濃縮するこ
とも本発明の範囲内である。流動化媒体を処理して掃去剤を除去するのが好まし
い。例えば、米国特許第4,460,755号を参照のこと。これは引用によって本明細
書中に組み入れられている。
プロセス中に掃去剤を断続的に導入し、導入された全ての掃去剤の90%よりも
多く、好ましくは95%よりも多くを再循環流れから除去することも本発明の方法
の範囲内である。
本発明の触媒又は触媒系又はそれらの成分を始動時に掃去剤として使用するこ
とも本発明の範囲内であるが、これは費用のかかる方法である。
本発明の最も好ましい実施態様においては、プロセスは凝縮モード(condensed
mode)で運転される気相重合方法である。本明細書及び請求の範囲中において、
液体相及び気相を有する再循環流れを反応器に、再循環流れの総重量に基づいて
液体の重量%が約2.0重量%よりも多くなるように、意図的に導入する方法は、
気相重合方法を「凝縮モード」で運転しているものとして定義される。
本発明の方法の1つの実施態様においては、再循環流れの総重量に基づく再循
環流れ中の液体の重量%は約2乃至約50重量%であり、好ましくは10重量%より
大であり、さらに好ましくは15重量%より大であり、さらに好ましくは20重量%
より大であり、そして最も好ましくは約20乃至約40重量%の範囲内である。しか
しながら、所望の生産速度に応じて任意の凝縮の水準を使用できる。
本発明の方法の1つの実施態様においては、掃去剤が使用される場合の掃去剤
は、遷移金属掃去剤の金属のメタロセンの遷移金属に対するモル比に基づいて、
100未満、好ましくは50未満、より好ましくは25未満のモル比で使用され、ここ
で、掃去剤はアルミニウム含有有機金属化合物であり、メタロセンの遷移金属は
第4族金属であり、従って上述のモル比はアルミニウムのモル数の触媒の第4族
金属のモル数に対する比に基づくものである。
汚れ(fouling)は、反応器中の表面におけるポリマー付着物の堆積を表す用語
である。汚れは、反応器及びそれに関連する装置、ハードウェアー、その他を含
む重合プロセスの全ての部分に対して有害である。汚れは特に気体の流れ又は液
体の流れを制限する領域において混乱を生じる。主要な関心のある2つの大きな
領域は、熱交換器とディストリビュータープレートの汚れである。熱交換器は、
チューブの束の形態に配列された小直径のチューブの連続から成る。ディストリ
ビュータープレートは多数の小直径のオリフィスを含む固体のプレートであり、
再循環流れ中に含まれる気体は、反応領域に入る前、又は米国特許第4,933,149
号(引用によって本明細書中に組み入れられている)に記載されているような流
動床反応器中の固体ポリマーの床に分配される前に、前記オリフィスを通過する
。
汚れはそれ自身がプレート、冷却器、又はそれらの両方の前後における圧力降
下の増加によって示される。圧力降下が大きくなり過ぎると、気体又は液体はも
はやコンプレッサーによって効率的に循環することができず、反応器の停止がし
ばしば必要になる。反応器の清掃には数日かかることもあり、非常に時間とコス
トがかかる。汚れは再循環ガスパイプ及びコンプレッサー中においても生じる可
能性があるが、通常はプレートと冷却器の汚れをともなう。
汚れの速度を定量化するために、汚れファクターFを定義することが有用であ
る。Fは汚れが生じた穴の面積の割合である。F=0(0%)であるならば、汚
れはない。逆に、F=1(100%)であるならば、穴は完全に塞がっている。清
浄な装置の圧力降下ΔP0に関して、与えられた時間において、汚れを圧力降下
ΔPに関連させることが可能である。汚れが増加するに連れてΔPが増加し初期
の圧力降下ΔP0よりも大きくなる。Fは以下の式によって与えられる。
(I)プレートの汚れ
(II)冷却器の汚れ
一般に、Fが約0.3乃至約0.4(30〜40%)より大きいとき、反応器の停止は避
けられない。Fは40%未満であるのが好ましく、30%未満であるのがより好まし
く、20%未満であるのがさらに好ましく、15%未満であるのがさらに好ましく、
そして10%未満乃至0%であるのが最も好ましい。汚れの速度、即ち、時間の関
数としてのFの変化を汚れを定量化するのに使用できる。汚れが全く生じていな
い場合、汚れの速度は0である。商業的運転に関して汚れの最小の許容可能な速
度は、約12%/月又は0.4%/日であり、0.3%/日未満が好ましく、0.2%/日
未満がさらに好ましく、そして0.1%/日未満が最も好ましい。実施例
本発明の代表的な利点及び制限を含めて、本発明のより良好な理解を与えるた
めに、以下の実施例を示す。
ポリマーの特性は以下の試験方法によって測定した。
メルトインデックスは、ASTM-D-128-条件Eに従って測定する。
密度は、ASTM-D-1238に従って測定する。
嵩密度は以下のように測定する。樹脂を7/8インチの直径のロートを通して
400ccの固定された体積のシリンダーに入れる。シリンダー中の樹脂の重量を400
ccで割ることによってg/cc単位の値を得ることによって嵩密度を測定する。
粒度は以下のように決定する。一連の米国標準シーブ上で回収された物質の重
量を測定し、重量平均粒度を決定することによって粒度を決定する。
微粉は、120メッシュの標準シーブを通った全分布のパーセンテージとして定
義される。比較例1
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用する操作をこの例において記載する。この例は、
TEALを使用する商業的反応器の運転の汚れ効果を示す。この例は、メタロセ
ン触媒に基づく商業的反応器の始動からの情報を含む。触媒の調製
600℃で脱水したシリカからメタロセン触媒を調製した。触媒は、撹拌機を備
えた混合容器中で製造された商業的規模の触媒であった。1156ポンド(462kg)
のトルエンの初期投入量を混合器に入れた。この後、トルエン中30重量%のメチ
ルアルモキサンの925ポンド(421 kg)を混合した。この後、トルエン中20重量
%のビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドの100ポンド(46 kg)(20.4ポンド(9.3 kg)のメタロセンを含んだ)を添加
した。さらに144ポンド(66 kg)のトルエンを混合器に添加してメタロセン供給
シリンダーを濯ぎ、環境条件で30分間混合した。この後、5.3ポンド(2.4 kg)
のAS-990を含む、トルエン中のAS-990(表面改質剤溶液)の54.3ポンド(25kg)
を添加した。さらに100ポンド(46 kg)のトルエンで表面改質剤容器を濯ぎ混合
器に添加した。得られたスラリーを3.2 psia(70.6 kPa)及び175°F(79℃)
でさらさらの粉末まで減圧乾燥した。最終の触媒重量は1093ポンド(497 kg)で
あった。最終触媒は0.40%のジルコニウム装填量と12.0%のアルミニウム装填量
を有していた。重合
商業的規模の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。流動床はポリマー粒
子からなった。エチレン、水素の気体状供給物流れを反応床の下で再循環ガスラ
インに導入する。ヘキセンコモノマーを反応器の下で再循環ガスラインへの別の
ラインに導入する。イソペンタンのような不活性炭化水素も反応器へ再循環ガス
ラインにおいて導入される。イソペンタンは反応器の循環ガスに追加の熱容量を
与えるために添加される。エチレン、水素、及びコモノマーの個々の流量は、固
定された組成の目標を維持するように調節した。エチレン濃度を水素のエチレン
に対する比が一定になるように調節した。気体の濃度は、オンラインガスクロマ
トグラフによって測定して、再循環ガス流れ中の組成が比較的一定になるように
した。トリエチルアルミニウム(TEAL)をイソペンタンキャリヤー溶媒中20
重量%溶液として流動床のディストリビュータープレートの上で流動床に直接導
入した。
精製窒素を使用して固体触媒を流動床に直接的に注入した。触媒速度を一定の
生産速度を維持するように調節した。成長するポリマー粒子の反応床を、補給供
給物と反応領域を通る再循環ガスの連続流れによって流動化状態に維持する。反
応器は310 psig(2138 kPa)の全圧で運転した。一定の反応器温度を維持するた
めに、再循環ガスの温度を、重合による熱の発生の速度の変化に適応するように
上下に連続的に調節した。
粒状ポリマーの形成に等しい速度で床の一部を引き出すことによって流動床を
一定の高さに維持した。固定体積容器への一連のバルブを経由して生成物を半連
続的に除去する。これらの固定体積容器を排気して、反応器ガスを回収する再循
環ガスコンプレッサーを通して反応器に戻す。生成物をパージ容器に移し、取り
込まれた炭化水素を除去し、加湿窒素で処理して残留の触媒を失活化する。実験結果
商業的気相反応器中において汚れを示した反応条件を以下に示す。この実験は
反応のない状態から始動した反応器として行った。この実験に関しては、TEA
Lを連続的に反応器に供給した。反応器のディストリビュータープレートと冷却
器の汚れのために反応器を停止するまで試験は18時間続いた。
比較例2
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、上述の同じ触媒を使用する2つの異なる温度での運
転の汚れに対する影響を示す。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
連続式気相流動床反応器中で重合を行った。流動床はポリマー粒子からなった
。エチレンと水素の気体状供給物流れ及び液体コモノマーをT字配列において一
緒
に混合し、反応床の下で再循環ガスラインに導入した。ヘキセンをコモノマーと
して使用した。トリエチルアルミニウム(TEAL)をイソペンタンキャリヤー
溶媒中1重量%溶液として、この流れと混合した。エチレン、水素、及びコモノ
マーの個々の流量を、固定された組成の目標を維持するように調節した。エチレ
ン濃度を一定のエチレン分圧を維持するように調節した。水素のエチレンに対す
るモル比が一定になるように水素を調節した。全ての気体の濃度をオンラインガ
スクロマトグラフによって測定して、再循環ガス流れ中の組成が比較的一定にな
るようにした。
精製窒素をキャリヤーとして使用して固体触媒を流動床に直接的に注入した。
触媒速度を一定の生産速度を維持するように調節した。成長するポリマー粒子の
反応床を、補給供給物と反応領域を通る再循環ガスの連続流れによって流動化状
態に維持する。1〜3ft/秒の気体空塔速度(superficial gas velocity)を使用
してこれを達成した。反応器は300 psigの全圧で運転した。一定の反応器温度を
維持するために、再循環ガスの温度を、重合による熱の発生の速度の変化に適応
するように上下に連続的に調節した。
粒状ポリマーの形成に等しい速度で床の一部を引き出すことによって流動床を
一定の高さ維持した。固定体積容器への一連のバルブを経由して生成物を半連続
的に除去し、これを同時に排気して反応器に戻した。これは高効率の生成物の除
去を可能にし、同時に未反応のガスの大部分を反応器に戻す。生成物をパージし
て取り込まれた炭化水素を除去し、加湿窒素の少量の蒸気で処理して微量の残留
触媒を失活化する。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、冷却器とプレート上の汚れの速度が0.4%/日の最小許容可
能速度よりも遥かに高いことを示している。汚れの速度は温度が高い方が高い。比較例3
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、上述の同じ触媒を使用する2つの異なる温度での運
転の汚れに対する影響を示す。この例は例2と比較してより高いエチレン分圧で
運転する。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、冷却器とプレート上の汚れの速度が0.4%/日の最小許容可
能速度よりも遥かに高いことを示している。汚れの速度は温度が高い方が高い。
冷却器の汚れ速度はエチレン分圧によっては影響されないが、プレートの汚れ速
度は、例2と比較したとき、より高いエチレン分圧においてより高かった。実施例4
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、より低いTEAL濃度での運転の汚れに対する影響
を示す。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、例3と比較して、冷却器及びプレート上での汚れの速度が減
少したことを示している。しかしながら、それでも0.4%/日の最小許容可能速
度よりも遥かに高かった。実施例5
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、TEAL濃度が0での運転の汚れに対する影響を示
す。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、前の例と比較して、冷却器及びプレート上での汚れの速度が
最も低いことを示している。しかしながら、それでも0.4%/日の最小許容可能
速度よりも遥かに高かった。これは、例2〜5が全て同じ重合試験中に行われた
おいう事実によるものであった。アルキルアルミニウムが存在しない場合の結果
は、ひどく汚れた反応器上での試験のまさに最後に得られた。この結果は、かな
り厳しい制約下で、汚れの速度がかなり減少したことを示している。実施例6
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、TEAL濃度が0での運転の汚れに対する影響を示
す。反応器をTEALを使用して始動し、2〜3時間の運転後TEALを速やか
に除去した。反応器の条件を最も高い汚れの速度を有するものに適合するように
選択した(例3を参照のこと)。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、前の例の全てと比較して、冷却器及びプレート上での汚れの
速度が最も低いことを示している。汚れの速度は0.4%/日の最小許容可能速度
よりも十分に低かった。この試験の後反応器を開け検査した。裸の金属表面がプ
レートと冷却器の両方において観察された。これと対照的に、以前の例において
は冷却器とプレートの両方においてポリマーのかなりの蓄積を含むことが判明し
た。実施例7
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、反応器の始動中にアルキルアルミニウムを使用する
ことの重要性を示す。より揮発性で反応性のアルキルアルミニウムであるトリメ
チルアルミニウム(TMA)を使用した。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器を数時間圧力パージして微量の酸素と水分の全てを除去した。反応器の
条件を以下の表に示すように調節した。反応器を150重量ppmのTMAで前処理し
た。
TMAは反応器に供給しなかった。触媒の供給を開始した。触媒は速度を増加
させながら連続的に5時間供給した。この時点でイソペンタン中のTMA溶液を
150cc/時の速度で導入した。反応は60分後にかなり激しく制御不能の状態で開
始した。TMAの供給を止めると反応は低下した。TMAを再び導入すると反応
は制御不能の状態で再び始まった。反応がTMAなしにそれ自身で持続できるよ
うになるまで、TMAの「添加(spiking)」を続けた。実施例8
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、反応器の始動中にアルキルアルミニウムを使用する
ことの重要性を示す。この例は、また、触媒活性を維持しながらアルキルアルミ
ニウムの供給をうまく停止できることを示す。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器を数時間圧力パージして微量の酸素と水分の全てを除去した。反応器の
条件を以下の表に示すように調節した。反応器は掃去剤で前処理しなかった。
TEALをイソペンタン溶液として添加し、同時に供給物ガスを触媒と共に導
入して上述の濃度を達成した。触媒の導入後直ちに反応が認められた。予想され
た生産速度の25%が達成されるまでTEALの導入を続けた。TEALの供給を
停止し、完全な生産速度が得られるまで反応を続けた。TEALは触媒と共に95
分間のみ供給した。TEALの不存在下4時間後に十分な反応速度が達成された
。
この結果は、反応を開始させるために掃去剤(ここではアルキルアルミニウム
)が重要であることを示している。この結果はまた、TEALを除去していった
ん始まった反応を維持できることを示している。実施例9
実施例9Aから9Eは、回分式のスラリー重合反応器中において、TEAL濃
度のメタロセン触媒活性に対する影響を説明する。全ての重合は、各々の例につ
いて第1表に示すTEALの適量を使用して以下に記載するようにして行った。触媒の調製
2ガロンの反応器に、初めに1.1リットルのトルエンを添加し、その後アルバ
ーマール(Albermarle)から入手可能なトルエン中30重量%MAO溶液の0.93リッ
トルを添加し、その後20.1gのビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドをトルエン中の10%溶液として添加した。混合物を
室温で30分間撹拌し、その後350gのシリカ(600℃で脱水したダビソン(Davison
)MS948)を液体にゆっくりと撹拌しながら添加した。撹拌速度を約10分間増加さ
せてシリカの液体中への分散を確実にし、その後175gの追加のシリカを2回に
わけてゆっくりと撹拌しながら添加し、その後撹拌速度を増加させた。全てのシ
リカ(700g)を反応器に導入した後、0.6リットルのトルエンを添加して、シリ
カ1g当たり4ccのコンシステンシーを有する液体対固体のスラリーを調製した
。混合を120 rpmで15分間続け、その後5gの表面改質剤AS-990(テキサス州ヒ
ューストンのウィトコ・ケミカル・コーポレーション(witco Chemical Corporat
ion)から入手可能)を100ccのトルエンに溶解し、添加し、15分間撹拌した。そ
の後、減圧下、ある程度N2パージして175°F(79.4℃)で乾燥を開始した。触
媒がさらさらになったら冷却して窒素パージされた容器に入れた。ほぼ1.0 kの
収量の乾燥触媒が得られた。重合
窒素パージ下の2リットルのオートクレーブ中に、適当量のトリエチルアルミ
ニウム(TEAL)を入れ、その後60 ccのヘキセン-1コモノマーと800 ccのイ
ソブタン希釈剤を入れた。反応器の内容物を80℃まで加熱し、その後100 mgの触
媒をエチレンと同時に導入し、エチレンで反応器の全圧を325 psig(2241 kPag
)
にした。反応器温度を85℃に維持して重合を40分間進行させた。40分後、反応器
を冷却し、エチレンを排気し、ポリマーを乾燥させ秤量し収量を得た。第9表は
収量と活性データを示す。
掃去剤がTEALであり、メタロセンの遷移金属がジルコニウム(Zr)であ
るから、この表のモル比はAl:Zrとして表される。
上述の実施例9は、不純物を除去するために特定濃度の掃去剤(この例におい
てはTEAL)が重合反応器中において必要であったことを示している。特定濃
度を越えると、活性の低下によって分かるように、掃去剤は触媒毒として作用す
る。実施例10
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、TEALなしの本発明のプロセスの運転のフィルム
の品質に対する影響を示し、これは本発明のプロセスによって製造されたフィル
ム中のゲル含有率によって反映される。ゲルとは、フィルム中に小さいはっきり
と見える領域を含むことを意味し、一般にベースポリマーと比較してより高い分
子量及び/又はより高い密度を含む。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合(試験1A及び1B)を行った
。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
試験1Bのフィルムは実質的に吸蔵(occlusions)を含まなかったが、試験1A
のフィルムは多数の小さい吸蔵を含み、外観はサンドペーパー状であった。一般
に、職業的に有用なフィルムは微量のゲルしか含まない。この例において、反応
器中において掃去剤(TEAL)を使用して製造したポリマーからフィルムを製
造したが、反応器へのTEALの流れを停止すると、フィルムの外観は、商業的
に許容できないフィルムから優れた透明性を有するフィルム、特に延伸フィルム
において有用なフィルムまで、大幅に改善された。実施例11〜16 触媒の調製
600℃で脱水した800 lbs(364 kg)のシリカ(ダビソン948)からメタロセン
触媒を調製した。触媒は、撹拌機を備えた混合容器中で製造された商業的規模の
触媒であった。1156ポンド(525 kg)のトルエンの初期投入量を混合器に入れた
。この後、トルエン中30重量%のメチルアルモキサンの925ポンド(420 kg)を
混合した。この後、トルエン中20重量%のビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの100ポンド(46 kg)(20.4ポンド(9.
3 kg)のメタロセンを含んだ)を添加した。さらに144 ポンド(66 kg)のトル
エンを混合器に添加してメタロセン供給シリンダーを濯ぎ、環境条件で30分間混
合した。上述の混合物をシリカに添加し、その後、5.3ポンド(2.4 kg)のKemam
ineAS-990を含む、トルエン中のAS-990(表面改質剤溶液)の54.3ポンド(25kg
)を添加した。さらに100ポンド(46 kg)のトルエンで表面改質剤容器を濯ぎ混
合器に添加した。得られたスラリーを3.2 psia(70.6 kPa)及び175°F(79℃
)でさらさらの粉末まで減圧乾燥した。最終の触媒重量は1093ポンド(497 kg)
であった。最終触媒は0.40%のジルコニウム装填量と12.0%のアルミニウム装填
量を有していた。重合
連続式気相流動床反応器中で重合を行った。流動床はポリマー粒子からなった
。エチレンと水素の気体状供給物流れ及び液体コモノマーをT字配列において一
緒に混合し、反応床の下で再循環ガスラインに導入した。ヘキセンをコモノマー
として使用した。トリエチルアルミニウム(TEAL)をイソペンタンキャリヤ
ー溶媒中1重量%溶液として、この流れと混合した。エチレン、水素、及びコモ
ノマーの個々の流量を、固定された組成の目標を維持するように調節した。エチ
レン濃度を一定のエチレン分圧を維持するように調節した。水素のエチレンに対
するモル比が一定になるように水素を調節した。全ての気体の濃度をオンライン
ガスクロマトグラフによって測定して、再循環ガス流れ中の組成が比較的一定に
なるようにした。
精製窒素をキャリヤーとして使用して固体触媒を流動床に直接的に注入した。
触媒速度を一定の生産速度を維持するように調節した。成長するポリマー粒子の
反応床を、補給供給物と反応領域を通る再循環ガスの連続流れによって流動化状
態に維持する。1〜3ft/秒の気体空塔速度を使用してこれを達成した。反応器
は300 psigの全圧で運転した。一定の反応器温度を維持するために、再循環ガス
の温度を、重合による熱の発生の速度の変化に適応するように上下に連続的に調
節した。
粒状生成物の形成に等しい速度で床の一部を引き出すことによって流動床を一
定の高さに維持した。固定体積容器への一連のバルブを経由して生成物を半連続
的に除去し、これを同時に排気して反応器に戻した。これは高効率の生成物の除
去を可能にし、同時に未反応のガスの大部分を反応器に戻す。生成物をパージし
て取り込まれた炭化水素を除去し、加湿窒素の少量の蒸気で処理して微量の残留
触媒を失活化する。
本発明によって製造されたポリマーは広範囲の製品及び最終用途中において使
用することができる。ポリマーは典型的には0.900乃至0.970g/ccの範囲内の密
度を有し、好ましくは0.905乃至0.965g/ccの範囲内、より好ましくは0.910か
ら0.915g/cc乃至約0.935から0.940g/ccの範囲内であり、最も好ましくは0.9
15g/ccより大である。本発明の方法によって製造されたポリマーは、フィルム
、シート、及び繊維の押出し及び同時押出し、並びに吹込み成形、射出成形、及
び回転成形のような成形操作において有用である。フィルムには、単層のインフ
レートフイルム又はキャストフイルム、又は同時押出又は積層法により生成され
たフィルムが含まれる。そのようなフイルムは、食品接触及び非食品接触用途に
おいて、収縮性フイルム、粘着フイルム、ストレッチフイルム、封止フイルム、
配向フイルム、スナック菓子用包装、丈夫な袋、食品用包装、調理した及び冷凍
した食品の包装、医療用包装、工業用ライナー、膜等として有用である。繊維形
成操作には、溶融紡糸、溶液紡糸及び溶融ブローン繊維操作が含まれる。そのよ
うな繊維は、織られた又は不織の形態で、フイルター、オムツ用布、医療用衣類
、地盤用シート等に用いられる。押出物品には、医療用管材料、ワイヤー及びケ
ーブル被覆物、地盤用膜(geomembranes)及び貯水地用ライナー(pond liners
)が含まれる。成形品には、ビン、タンク、大中空品、堅い食品容器及び玩具等
の形態の単層の及び複層構造物が含まれる。
本発明をこれまで特定の実施態様を参照することによって記載し説明してきた
が、本明細書中には必ずしも説明されていない変更も可能であることは当業者に
は理解されるだろう。例えば、引用によって本明細書中に組み入れられている米
国特許第5,126,414号に記載されているような、再循環流れ中のオリゴマーを除
去するための装置を含めることは本発明の範囲内である。また、本発明の方法は
、単一の反応器中において又は連続する反応器中において又はさらに連続する反
応器であって1つがスラリー反応器でありその他が気相反応器である反応器中に
おいて使用することができる。また、連続する反応器系が使用される場合、従来
的なチーグラー−ナッタ触媒を1つの反応器中において前述した特許のいずれか
の方法で使用し、本発明の方法を第2の反応器中で使用することも本発明の範囲
内である。そのため、本発明の真の範囲を決定するためには、添付の請求の範囲
の
みが参照されなければならない。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年11月8日
【補正内容】
明細書翻訳文第2頁の訂正
ディストリビュータプレート(distributor plate)の非効率的な運転をもたらす
可能性がある。
メタロセン触媒及び触媒を使用することに関連する反応器の操作上の問題の結
果として、汚れを生じる傾向の少ないメタロセン触媒系を支持するか又は製造す
るための様々な技術が開発された。例えば、米国特許第5,283,218号は、メタロ
セン触媒の予備重合に関する。米国特許第5,332,706号は、初期の含浸(incipent
impregnation)」により触媒を形成するための特別の技術に頼っている。
これらの可能な解決方法の全てが汚れ又はシーティングをある程度は減少させ
ているが、幾つかは使用するのに費用がかかり過ぎ、及び/又は連続式プロセス
、特に商業的又は大規模なプロセスを良好に運転するのに十分な水準まで汚れと
シーティングの両方を減少させることができない。
従って、改善された反応器の操作性を伴って連続的に商業的に操作することが
でき、同時に改善された物理的特性を有するポリマーを製造できる重合方法を有
することは非常に有利である。発明の概要
本発明は、嵩高な配位子の遷移金属触媒、例えば、メタロセン触媒又は触媒系
、を使用する1種以上のオレフィンを重合するための連続式のスラリー又は気相
重合方法に関する。
1つの態様において、本発明は、1種以上のオレフィンを、単独で又は組み合
わせて、メタロセン触媒系の存在下に重合する連続式の方法であって、掃去剤成
分(scavenging component)を排除するか又は減少させることを含む方法を提供す
る。
好ましい実施態様において、本発明の上記の方法はスラリー相重合方法であり
、好ましくは気相重合方法である。
もう1つの好ましい実施態様において、本発明の方法は凝縮形式(condensed m
ode)で運転される気相重合方法である。
もう1つの態様において、本発明は、ポリマー生成物を製造するために流動
床反応器中において1種以上のモノマーを重合するための連続式の気相又はスラ
リー法であって、(a)モノマーを含む再循環流れを反応器に導入する工程、(b)メ
タロセン触媒系を反応器に導入する工程、(c)床の全重量に基づいて300 ppm未満
、好ましくは250 ppm未満の掃去剤を導入しその後掃去剤の導入を停止するか及
び/又はポリマー生成物が50重量ppm未満のC14〜C18オリゴマーしか含まない
ように床の全重量に基づく量の掃去剤を導入する工程、(d)反応器から再循環流
れを引き出す工程、(e)再循環流れを冷却する工程、(f)再循環流れに追加のモノ
マーを導入して重合したモノマーに置き換える工程、(g)再循環流れを反応器に
再導入する工程、及び(h)ポリマー生成物を反応器から引き出す工程、を含む
方法に関する。
さらに別の態様において、本発明は、メタロセン触媒成分の存在下に反応器中
において1種以上のオレフィンを重合するための連続式の気相又はスラリー法、
好ましくは連続式気相法、であって、前記方法は本質的に掃去剤を含まずに運転
される方法に関する。
1つの特定の態様において、担持メタロセン触媒系の存在下に1種以上のオレ
フィンを、単独で又は組み合わせて、重合するための連続式の気相又はスラリー
法であって、前記方法はトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム
、トリメチルアルミニウム、エチルマグネシウム、及びジエチル亜鉛、及びそれ
らの混合物から成る群から選択される掃去剤を本質的に含まずに運転される方法
に関する。発明の詳細な説明 序文
本発明は、嵩高な配位子の遷移金属メタロセン触媒成分を使用して、改善され
明細書翻訳文第12頁の訂正
上、さらに好ましくは50,000 lbs/時(22,700 kg/時)以上、最も好ましくは65
,000 lbs/時(29,000 kg/時)以上から100,000 lbs/時(44,500 kg/時)以上
のポリマーを製造することができる。
本発明の方法の1つの実施例において、本発明の方法は、1000 lbs/時(455 k
g/時)以上のポリマー生成物、好ましくは10,000 lbs/時(4550 kg/時)以上
のポリマー生成物、さらに好ましくは50,000 lbs/時(22,700 kg/時)以上のポ
リマー生成物を製造する。
本明細書及び請求の範囲中において、掃去剤(scavenger)は、酸素及び/又は
水及び/又は極性化合物に対して反応性であり、触媒成分、例えば、メタロセン
触媒成分、活性剤、選択的な担体、又は触媒の調製中に使用され触媒中又は触媒
上に残っている成分、例えば、触媒の調製中に使用される有機金属化合物を含む
トルエンを包含しない、有機金属化合物である。掃去剤化合物の非限定的な例は
、一般式RnAで表されるものであり、式中、Aは第12又は13族の元素であり、
各々のRは同じでも異なっていてもよく、置換又は未置換の、直鎖又は枝分かれ
アルキル基、環式ヒドロカルビル、アルキルシクロヒドロカルビル基、芳香族基
、又はアルコキシド基であり、nは2又は3である。
別の態様において、掃去剤は、式AlR(3-a)Xaの炭化水素アルミニウム化合
物であり、式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アリール、又はヒドリド基で
ある。各々のアルキル基は、1乃至20の炭素原子、好ましくは1乃至10の炭素原
子を有する直鎖又は枝分かれ鎖でよい。Xはハロゲン又はヒドリドであり、例え
ば、塩素、臭素、又はヨウ素であり、塩素が好ましく、aは0、1又は2である
。
上記の式のそのような化合物の代表的ではあるが非限定的な例には、Mがアル
ミニウム(Al)であるとき、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリ-n-プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-ブ
チルアルミニウム、トリ-sec-ブチルアルミニウム、トリ-t-ブチルアルミニウム
、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ペンチルアルミニウム、トリシクロペ
ンチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ(4-メチルペンチル
)ア
ルミニウム、トリ(3-メチルペンチル)アルミニウム、トリシクロヘキシルアル
ミニウムなどのようなトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウム、メチ
ルジエチルアルミニウム、エチルジメチルアルミニウム、ジメチル-n-プロピル
アルミニウム、メチルジ-n-プロピルアルミニウム、ジメチルイソプロピルアル
ミニウム、ジメチルシクロヘキシルアルミニウム、メチルエチルプロピルアルミ
ニウムなどのようなアルキルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-
明細書翻訳文第14頁の訂正
アルキルハリド、アルミニウムアルキル、珪素アルキル、珪素アルコキシド、及
び珪素アルキルハリドである。掃去剤として有用なより好ましい有機金属化合物
はアルミニウムアルキルとマグネシウムアルキルである。掃去剤として有用な最
も好ましい有機金属化合物は、アルミニウムアルキル、例えば、トリエチルアル
ミニウム(TEAL)、トリメチルアルミニウム(TMAL)、トリ−イソブチ
ルアルミニウム(TIBAL)、及びトリ-n-ヘキシルアルミニウム(TNHA
L)、及びジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)などである。TEALが
最も広く使用されている掃去剤である。
本発明の方法の1つの実施態様において、本発明の方法は本質的に掃去剤を含
まない。本明細書及び請求の範囲中において、「本質的に含まない(essentially
free)」という用語は、本発明の方法の実施中に、再循環流れの総重量に基づい
て10 ppm以下の掃去剤しか本発明の方法中のどの点においても存在しないことを
意味する。
本発明の方法の1つの実施態様において、本発明の方法は本質的に掃去剤を含
まない。本明細書及び請求の範囲中において、「本質的に含まない(essentially
free)」という用語は、本発明の方法中に、流動床の総重量に基づいて50 ppm以
下の掃去剤しか本発明の方法中のどの点においても存在しないこととして定義さ
れる。
本発明の方法の1つの実施例において、反応器内の掃去剤が30 ppm未満、好ま
しくは20 ppm未満、さらに好ましくは10 ppm未満、そして最も好ましくは0乃至
15 ppmの範囲内である。
1つの態様中において、不純物を除去し重合を開始させる始動期間中に、掃去
剤は、流動床の総床重量に基づいて、触媒を反応器に入れてから初めの12時間、
好ましくは6時間まで、より好ましくは3時間未満、さらに好ましくは2時間未
満、そして最も好ましくは1時間未満の間、300 ppm未満、好ましくは250 ppm未
満、より好ましくは200 ppm未満、さらに好ましくは150 ppm未満、さらに好まし
くは100 ppm未満、そして最も好ましくは50 ppm未満の量でしか存在せず、その
後は掃去剤の導入は停止される。
本発明の方法の別の実施態様において、本発明の触媒が触媒1g当たりポリマ
ー1000g以上の重量比基準の触媒生産性が達成されるまで、掃去剤が十分な量で
存在し、好ましくは触媒1g当たりポリマー約1500g以上、より好ましくは2000
g以上、さらに好ましくは2500g以上、そして最も好ましくは3000g以上の
明細書翻訳文第17頁の訂正
本発明の方法中に導入された掃去剤を循環流れから除去するための反応器の外
側の系を使用すること、又は流動化媒体を処理して掃去剤を除去することは本発
明の範囲内である。例えば、米国特許第4,460,755号を参照のこと。これは引用
によって本明細書中に組み入れられている。
もう1つの実施態様おいては、不飽和のC30以下、好ましくはC14乃至C18の
オリゴマーの総量がポリマー生成物中において50 ppm未満、好ましくは40 ppm又
は30 ppm未満、さらに好ましくは20 ppm未満、そして最も好ましくは10 ppm未満
になるのに十分な量で掃去剤が導入される。
本明細書及び請求の範囲において、微粉(fines)とは、125μ(0.0125cm)以下の
大きさのポリマー粒子である。この大きさの微粉は、標準的120メッシュ単位シ
ーブスクリーンを使用して測定できる。好ましい実施態様においては、本発明の
プロセス中に与えられた任意の時点において反応器中に存在する掃去剤の量は、
125μより小さい微粉の濃度が10%未満、好ましくは1%未満、より好ましくは0
.85%未満乃至0.05%未満になるようなものである。
本発明のプロセスに導入された掃去剤を循環系から除去するための反応器の外
側の装置を使用することは本発明の範囲内である。これは掃去剤が再循環して反
応器に戻るのを防ぎ、掃去剤が反応器系中に蓄積するのを防ぐ。そのような装置
を循環流れライン中の熱交換器又はコンプレッサーの前に配置するのが好ましい
。そのような装置が再循環流れライン中の流動化媒体からの掃去剤を濃縮するこ
とも本発明の範囲内である。流動化媒体を処理して掃去剤を除去するのが好まし
い。例えば、米国特許第4,460,755号を参照のこと。これは引用によって本明細
書中に組み入れられている。
プロセス中に掃去剤を断続的に導入し、導入された全ての掃去剤の90%よりも
多く、好ましくは95%よりも多くを再循環流れから除去することも本発明の方法
の範囲内である。
本発明の触媒又は触媒系又はそれらの成分を始動時に掃去剤として使用するこ
とも本発明の範囲内であるが、これは費用のかかる方法である。
本発明の最も好ましい実施態様においては、プロセスは凝縮モード(condensed
mode)で運転される気相重合方法である。本明細書及び請求の範囲中において、
明細書翻訳文第20頁の訂正
メルトインデックスは、ASTM-D-128-条件Eに従って測定する。
密度は、ASTM-D-1238に従って測定する。
嵩密度は以下のように測定する。樹脂を7/8インチ(2.2cm)の直径のロー
トを通して400ccの固定された体積のシリンダーに入れる。シリンダー中の樹脂
の重量を400ccで割ることによってg/cc単位の値を得ることによって嵩密度を
測定する。
粒度は以下のように決定する。一連の米国標準シーブ上で回収された物質の重
量を測定し、重量平均粒度を決定することによって粒度を決定する。
微粉は、120メッシュの標準シーブを通った全分布のパーセンテージとして定
義される。比較例1
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用する操作をこの例において記載する。この例は、
TEALを使用する商業的反応器の運転の汚れ効果を示す。この例は、メタロセ
ン触媒に基づく商業的反応器の始動からの情報を含む。触媒の調製
600℃で脱水したシリカからメタロセン触媒を調製した。触媒は、撹拌機を備
えた混合容器中で製造された商業的規模の触媒であった。1156ポンド(462 kg)
のトルエンの初期投入量を混合器に入れた。この後、トルエン中30重量%のメチ
ルアルモキサンの925ポンド(421 kg)を混合した。この後、トルエン中20重量
%のビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ドの100ポンド(46 kg)(20.4ポンド(9.3 kg)のメタロセンを含んだ)を添加
した。さらに144ポンド(66 kg)のトルエンを混合器に添加してメタロセン供給
シリンダーを濯ぎ、環境条件で30分間混合した。この後、5.3ポンド(2.4 kg)
のAS-990を含む、トルエン中のAS-990(表面改質剤溶液)の54.3ポンド(25kg)
を添加した。さらに100ポンド(46 kg)のトルエンで表面改質剤容器を濯ぎ混合
器に添加した。得られたスラリーを3.2 psia(70.6 kPa)及び175°F
(79℃)でさらさらの粉末まで減圧乾燥した。最終の触媒重量は1093ポンド(49
7 kg)であった。最終触媒は0.40%のジルコニウム装填量と12.0%のアルミニウ
ム装填量を有していた。
明細書翻訳文第22頁の訂正
比較例2
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、上述の同じ触媒を使用する2つの異なる温度での運
転の汚れに対する影響を示す。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
連続式気相流動床反応器中で重合を行った。流動床はポリマー粒子からなった
。エチレンと水素の気体状供給物流れ及び液体コモノマーをT字配列において一
緒
明細書翻訳文第24頁乃至第27頁の訂正
これらの結果は、冷却器とプレート上の汚れの速度が0.4%/日の最小許容可
能速度よりも遥かに高いことを示している。汚れの速度は温度が高い方が高い。比較例3
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、上述の同じ触媒を使用する2つの異なる温度での運
転の汚れに対する影響を示す。この例は例2と比較してより高いエチレン分圧で
運転する。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、冷却器とプレート上の汚れの速度が0.4%/日の最小許容可
能速度よりも遥かに高いことを示している。汚れの速度は温度が高い方が高い。
冷却器の汚れ速度はエチレン分圧によっては影響されないが、プレートの汚れ速
度は、例2と比較したとき、より高いエチレン分圧においてより高かった。実施例4
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、より低いTEAL濃度での運転の汚れに対する影響
を示す。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
これらの結果は、例3と比較して、冷却器及びプレート上での汚れの速度が減
少したことを示している。しかしながら、それでも0.4%/日の最小許容可能速
度よりも遥かに高かった。実施例5
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドに
基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例にお
いて記載する。この例は、TEAL濃度が0での運転の汚れに対する影響を示す
。触媒の調製
メタロセン触媒は例1のものと同一であった。重合
例2に記載の連続式気相流動床反応器中で重合を行った。結果
反応器は1のメルトインデックスと0.917の密度のエチレン/ヘキセンコポリ
マーを製造する定常状態であった。実験条件は以下の通りである。
明細書翻訳文第29頁の訂正
これらの結果は、前の例の全てと比較して、冷却器及びプレート上での汚れの
速度が最も低いことを示している。汚れの速度は0.4%/日の最小許容可能速度
よりも十分に低かった。この試験の後反応器を開け検査した。裸の金属表面がプ
レートと冷却器の両方において観察された。これと対照的に、以前の例において
は冷却器とプレートの両方においてポリマーのかなりの蓄積を含むことが判明し
た。実施例7
ビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド
に基づくメタロセン触媒を使用するパイロットプラント反応器の操作をこの例に
おいて記載する。この例は、反応器の始動中にアルキルアルミニウムを使用する
明細書翻訳文第32頁の訂正
この結果は、反応を開始させるために掃去剤(ここではアルキルアルミニウム
)が重要であることを示している。この結果はまた、TEALを除去していった
ん始まった反応を維持できることを示している。実施例9
実施例9Aから9Eは、回分式のスラリー重合反応器中において、TEAL濃
度のメタロセン触媒活性に対する影響を説明する。全ての重合は、各々の例につ
いて第1表に示すTEALの適量を使用して以下に記載するようにして行った。触媒の調製
2ガロンの反応器に、初めに1.1リットルのトルエンを添加し、その後アルバ
ーマール(Albermarle)から入手可能なトルエン中30重量%MAO溶液の0.93リッ
トルを添加し、その後20.1gのビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドをトルエン中の10%溶液として添加した。混合物を
室温で30分間撹拌し、その後350 gのシリカ(600℃で脱水したダビソン(Daviso
n)MS948)を液体にゆっくりと撹拌しながら添加した。撹拌速度を約10分間増加
させてシリカの液体中への分散を確実にし、その後175gの追加のシリカを2回
にわけてゆっくりと撹拌しながら添加し、その後撹拌速度を増加させた。全ての
シリカ(700g)を反応器に導入した後、0.6リットルのトルエンを添加して、シ
リカ1g当たり4ccのコンシステンシーを有する液体対固体のスラリーを調製し
た。混合を120 rpmで15分間続け、その後5gの表面改質剤AS-990(テキサス州
ヒューストンのウィトコ・ケミカル・コーポレーション(witco Chemical Corpo
ration)から入手可能)を100ccのトルエンに溶解し、添加し、15分間撹拌した。
その後、減圧下、ある程度N2パージして175°F(79.4℃)で乾燥を開始した。
触媒がさらさらになったら冷却して窒素パージされた容器に入れた。ほぼ1.0 kg
の収量の乾燥触媒が得られた。重合
窒素パージ下の2リットルのオートクレーブ中に、適当量のトリエチルアルミ
ニウム(TEAL)を入れ、その後60 ccのヘキセン-1コモノマーと800 ccのイ
ソブタン希釈剤を入れた。反応器の内容物を80℃まで加熱し、その後100 mgの触
媒をエチレンと同時に導入し、エチレンで反応器の全圧を325 psig(2241 kPag
)
明細書翻訳文第35頁乃至37頁の訂正
触媒を調製した。触媒は、撹拌機を備えた混合容器中で製造された商業的規模の
触媒であった。1156ポンド(525 kg)のトルエンの初期投入量を混合器に入れた
。この後、トルエン中30重量%のメチルアルモキサンの925ポンド(420 kg)を
混合した。この後、トルエン中20重量%のビス(1,3-メチル-n-ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの100ポンド(46 kg)(20.4ポンド(9.
3 kg)のメタロセンを含んだ)を添加した。さらに144 ポンド(66 kg)のトル
エンを混合器に添加してメタロセン供給シリンダーを濯ぎ、環境条件で30分間混
合した。上述の混合物をシリカに添加し、その後、5.3ポンド(2.4 kg)のKemam
ineAS-990を含む、トルエン中のAS-990(表面改質剤溶液)の54.3ポンド(25kg
)を添加した。さらに100ポンド(46 kg)のトルエンで表面改質剤容器を濯ぎ混
合器に添加した。得られたスラリーを3.2 psia(70.6 kPa)及び175°F(79℃
)でさらさらの粉末まで減圧乾燥した。最終の触媒重量は1093ポンド(497 kg)
であった。最終触媒は0.40%のジルコニウム装填量と12.0%のアルミニウム装填
量を有していた。重合
連続式気相流動床反応器中で重合を行った。流動床はポリマー粒子からなった
。エチレンと水素の気体状供給物流れ及び液体コモノマーをT字配列において一
緒に混合し、反応床の下で再循環ガスラインに導入した。ヘキセンをコモノマー
として使用した。トリエチルアルミニウム(TEAL)をイソペンタンキャリヤ
ー溶媒中1重量%溶液として、この流れと混合した。エチレン、水素、及びコモ
ノマーの個々の流量を、固定された組成の目標を維持するように調節した。エチ
レン濃度を一定のエチレン分圧を維持するように調節した。水素のエチレンに対
するモル比が一定になるように水素を調節した。全ての気体の濃度をオンライン
ガスクロマトグラフによって測定して、再循環ガス流れ中の組成が比較的一定に
なるようにした。
精製窒素をキャリヤーとして使用して固体触媒を流動床に直接的に注入した。
触媒速度を一定の生産速度を維持するように調節した。成長するポリマー粒子の
反応床を、補給供給物と反応領域を通る再循環ガスの連続流れによって流動化状
態に維持する。1〜3ft/秒(30.5〜91.4cm/秒)の気体空塔速度を使用してこ
れを達成した。反応器は300 psig(2069 kPa)の全圧で運転した。一定の反応器
温度を維持するために、再循環ガスの温度を、重合による熱の発生の速度の変化
に適応するように上下に連続的に調節した。
粒状生成物の形成に等しい速度で床の一部を引き出すことによって流動床を一
定の高さに維持した。固定体積容器への一連のバルブを経由して生成物を半連続
的に除去し、これを同時に排気して反応器に戻した。これは高効率の生成物の除
去を可能にし、同時に未反応のガスの大部分を反応器に戻す。生成物をパージし
て取り込まれた炭化水素を除去し、加湿窒素の少量の蒸気で処理して微量の残留
触媒を失活化する。
請求の範囲の訂正請求の範囲
1.メタロセン触媒系の存在下に500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時
(90,900 kg/時)又はそれ以上のポリマー生成物を製造できる反応器中におい
て1種以上のオレフィンを重合するための連続式の気相又はスラリー法であって
、前記方法は本質的に掃去剤を含まずに運転される、方法。
2.500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ
以上のポリマー生成物を製造できる流動床反応器中において、1種以上のモノマ
ーを重合するための連続式の気相又はスラリー法であって、
a) モノマーを含む再循環流れを反応器に導入する工程、
b) メタロセン触媒系を反応器に導入する工程、
c) 床の全重量に基づいて300 ppm未満、好ましくは250 ppm未満の掃去剤を導
入しその後掃去剤の導入を停止するか及び/又はポリマー生成物が50重量ppm未
満のC14〜C18オリゴマーしか含まないように床の全重量に基づく量の掃去剤を
導入する工程、
d) 反応器から再循環流れを引き出す工程、
e) 再循環流れを冷却する工程、
f) 再循環流れに追加のモノマーを導入して重合したモノマーに置き換える工
程、
g) 再循環流れを反応器に再導入する工程、及び
h) ポリマー生成物を反応器から引き出す工程、
を含む方法。
3.メタロセン触媒系の存在下にオレフィンを重合するための連続式の気相又は
スラリー重合方法であって、特定量の掃去剤を反応器に、好ましくはプロセスの
始動時に、1回、連続的に、又は断続的に導入する工程、及び掃去剤の少なくと
も95%を除去する工程を含み、反応器が500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000
lb/時(90,900 kg/時)又はそれ以上のポリマー生成物を製造でき
る方法。
4.気相法である、請求項1乃至3のいずれか1請求項の方法。
5.掃去剤が第12又は13族の有機金属化合物の少なくとも1種である、請求項1
乃至4のいずれか1請求項の方法。
6.掃去剤が、一般式RnA(式中、Aは第12又は13族の元素であり、各々のR
は同じでも異なっていてもよく、置換又は未置換の、直鎖又は枝分かれアルキル
基、環式ヒドロカルビル基、アルキルシクロヒドロカルビル基、芳香族基、又は
アルコキシド基であり、nは2又は3である)で表される少なくとも1種の化合
物から選択される、請求項1乃至5のいずれか1請求項の方法。
7.反応器内の掃去剤が30 ppm未満、好ましくは20 ppm未満、さらに好ましくは
10 ppm未満、そして最も好ましくは0乃至15 ppmの範囲内である、請求項1乃至
6のいずれか1請求項の方法。
8.モノマー/オレフィンがエチレン及び3乃至20個の炭素原子を有するアルフ
ァ−オレフィンである、請求項1乃至7のいずれか1請求項の方法。
9.掃去剤をメタロセン触媒系と共に導入するか、及び/又は掃去剤をメタロセ
ン触媒系が反応器に導入されてから最初の3時間中に導入するか及び/又は掃去
剤をメタロセン触媒系1g当たりポリマー1000gより大の触媒生産性が達成され
るまで導入するか、及び/又は掃去剤を125μ(0.0125 cm)未満の微粉の濃度が10
%未満になるように導入するか、好ましくは上記のものを組み合わせる、請求項
1乃至8のいずれか1請求項の方法。
10.1000 lbs/時(455 kg/時)以上のポリマー生成物、好ましくは10,000 lbs/
時(4550 kg/時)以上のポリマー生成物、さらに好ましくは50,000 lbs/時(22
,700 kg/時)以上のポリマー生成物を製造する、請求項1乃至9のいずれか1請
求項の方法。
11.メタロセン触媒成分の存在下に反応器中において1種以上のオレフィンを重
合するための連続式の気相又はスラリー法、好ましくは連続式気相法、であって
、前記方法は本質的に掃去剤を含まずに運転される、方法。
12.500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ
以上のポリマー生成物を製造できる反応器中において、担持メタロセン触媒系
の存在下に1種以上のオレフィンを、単独で又は組み合わせて、重合するための
連続式気相法であって、前記方法はトリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、トリメチルアルミニウム、エチルマグネシウム、及びジエチル亜鉛
、及びそれらの混合物から成る群から選択される掃去剤を本質的に含まず運転さ
れる、方法。
13.500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ
以上のポリマー生成物を製造できる反応器中において、少なくとも1種のメタロ
セン触媒成分及び活性剤の存在下に流動床反応器中において1種以上のオレフィ
ンを重合するための連続式の気相又はスラリー法であって、50 ppm未満のC14〜
C18オリゴマーしか製造されないように掃去剤を反応器に導入する、方法。
14.500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ
以上のポリマー生成物を製造できる反応器中において、ポリマー生成物を形成す
るためにメタロセン触媒系の存在下に1種以上のオレフィンを、単独で又は組み
合わせて、重合するための連続式気相法であって、30個以下の炭素原子を有する
オレフィン性炭化水素オリゴマーの重量分率がポリマー生成物中において0.06未
満になるように運転される方法。
15.ポリマー生成物中のC14〜C18炭化水素オリゴマーの総量が40重量ppm未満
になるように、好ましくはポリマー生成物中のC14〜C18炭化水素オリゴマーの
総量が20重量ppm未満になるように、より好ましくはポリマー生成物中のC14〜
C18炭化水素オリゴマーの総量が10重量ppm未満になるように掃去剤が導入され
る、請求項14の方法。
【手続補正書】
【提出日】1997年11月28日
【補正内容】
請求の範囲の欄を以下のように訂正する。
「請求の範囲
1.メタロセン触媒系の存在下に反応器中において1種以上のオレフィンを重
合するための連続式の気相又はスラリー重合法であって、前記方法は本質的に掃
去剤を含まずに運転され、500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,9
00 kg/時)又はそれ以上のポリマー生成物を製造する、方法。
2.流動床反応器中において、1種以上のモノマーを重合するための連続式の
気相又はスラリー重合法であって、
a) モノマーを含む再循環流れを反応器に導入する工程、
b) メタロセン触媒系を反応器に導入する工程、
c) 床の全重量に基づいて300 ppm未満、好ましくは250 ppm未満の掃去剤を
導入しその後掃去剤の導入を停止するか及び/又はポリマー生成物が50重量ppm
未満のC14〜C18オリゴマーしか含まないように床の全重量に基づく量の掃去剤
を導入する工程、
d) 反応器から再循環流れを引き出す工程、
e) 再循環流れを冷却する工程、
f) 再循環流れに追加のモノマーを導入して重合したモノマーに置き換える
工程、
g) 再循環流れを反応器に再導入する工程、及び
h) 500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又は
それ以上の速度でポリマー生成物を反応器から引き出す工程、
を含む方法。
3.メタロセン触媒系の存在下にオレフィンを重合するための連続式の気相又
はスラリー重合方法であって、特定量の掃去剤を反応器に、好ましくはプロセス
の始動時に、1回、連続的に、又は断続的に導入する工程、及び掃去剤の少なく
とも95%を除去する工程を含み、前記方法は500 lb/時(227 kg/時)乃至200,
000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ以上のポリマー生成物を製造する方法。
4.気相法である、請求項1乃至3のいずれか1請求項の方法。
5.掃去剤が第12又は13族の有機金属化合物の少なくとも1種である、請求項
1乃至4のいずれか1請求項の方法。
6.掃去剤が、一般式RnA(式中、Aは第12又は13族の元素であり、各々の
Rは同じでも異なっていてもよく、置換又は未置換の、直鎖又は枝分かれアキル
基、環式ヒドロカルビル基、アルキルシクロヒドロカルビル基、芳香族基、又は
アルコキシド基であり、nは2又は3である)で表される少なくとも1種の化合
物から選択される、請求項1乃至5のいずれか1請求項の方法。
7.反応器内の掃去剤が30 ppm未満、好ましくは20 ppm未満、さらに好ましく
は10 ppm未満、そして最も好ましくは0乃至15 ppmの範囲内である、請求項1乃
至6のいずれか1請求項の方法。
8.モノマー/オレフィンがエチレン及び3乃至20個の炭素原子を有するアル
ファ−オレフィンである、請求項1乃至7のいずれか1請求項の方法。
9.掃去剤をメタロセン触媒系と共に導入するか、及び/又は掃去剤をメタロ
セン触媒系が反応器に導入されてから最初の3時間中に導入するか及び/又は掃
去剤をメタロセン触媒系1g当たりポリマー1000gより大の触媒生産性が達成さ
れるまで導入するか、及び/又は掃去剤を125 μ(0.0125 cm)未満の微粉の濃度
が10%未満になるように導入するか、好ましくは上記のものを組み合わせる、請
求項1乃至8のいずれか1請求項の方法。
10.1000 lbs/時(455 kg/時)以上のポリマー生成物、好ましくは10,000 lb
s/時(4550 kg/時)以上のポリマー生成物、さらに好ましくは50,000 lbs/時(
22,700 kg/時)以上のポリマー生成物を製造する、請求項1乃至9のいずれか
1請求項の方法。
11.メタロセン触媒成分の存在下に反応器中において1種以上のオレフィンを
重合するための連続式の気相又はスラリー重合法、好ましくは連続式気相重合法
、であって、前記方法は掃去剤の不存在下に運転され、500 lb/時(227kg/時
)以上のポリマー生成物を製造する、方法。
12.反応器中において、担持メタロセン触媒系の存在下に1種以上のオレフィ
ンを、単独で又は組み合わせて、重合するための連続式気相重合法であって、前
記方法はトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリメチルア
ルミニウム、エチルマグネシウム、及びジエチル亜鉛、及びそれらの混合物から
成る群から選択される掃去剤を本質的に含まず運転され、500 lb/時(227 kg/
時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ以上のポリマー生成物を製
造する方法。
13.反応器中において、少なくとも1種のメタロセン触媒成分及び活性剤の存
在下に流動床反応器中において1種以上のオレフィンを重合するための連続式の
気相又はスラリー重合法であって、50 ppm未満のC14〜C18オリゴマーしか製造
されないように掃去剤を反応器に導入することを含み、500 lb/時(227 kg/
時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそれ以上のポリマー生成物を製
造する方法。
14.500 lb/時(227 kg/時)乃至200,000 lb/時(90,900 kg/時)又はそ
れ以上のポリマー生成物を製造する反応器中において、ポリマー生成物を形成す
るためにメタロセン触媒系の存在下に1種以上のオレフィンを、単独で又は組み
合わせて、重合するための連続式気相重合法であって、30個以下の炭素原子を有
するオレフィン系炭化水素オリゴマーの重量分率がポリマー生成物中において0.
06未満になるように運転される方法。
15.ポリマー生成物中のC14〜C18炭化水素オリゴマーの総量が40重量ppm 未
満になるように、好ましくはポリマー生成物中のC14〜C18炭化水素オリゴマー
の総量が20重量ppm未満になるように、より好ましくはポリマー生成物中のC14
〜C18炭化水素オリゴマーの総量が10重量ppm未満になるように掃去剤が導入さ
れる、請求項14の方法。」
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 レノラ、ゲイリー・トーマス
アメリカ合衆国、テキサス州 77586、シ
ーブルック、サープ・ドライブ 4530
(72)発明者 リッター、ドウェイン・リー
アメリカ合衆国、テキサス州 77521、ベ
イタウン、カントリー・クラブ・ビュー
4718
(72)発明者 ブラント、パトリック
アメリカ合衆国、テキサス州 77586、シ
ーブルック、ハーバークレスト 103