JPH10506118A - N−置換ピペリジニル二環式ベンゾエート誘導体 - Google Patents

N−置換ピペリジニル二環式ベンゾエート誘導体

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、R1がハロもしくはC1-6アルキルスルホニルアミノであり;Aが式:−CH2−CH2−(a)、−CH2−CH2−CH2(b)、−CH=CH−(c)の2価の基を示し;基(a)、(b)又は(c)において1つ又は2つの水素原子はC1-6アルキルにより置換されていることができ;R2が水素又はC1-6アルキルオキシであり;Lが式−Alk−R4(d)、−Alk−O−R5(e)、−Alk−NR67(f)の基であり、AlkはC1-12アルカンジイルであり;R4が水素;シアノ;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルオキシカルボニル:C3-7シクロアルキル;C1-6アルキルスルフィニル;C1-6アルキルスルホニル;フェニル又は、ハロ、C1-6アルキルもしくはC1-6アルキルオキシにより置換されたフェニル;テトラヒドロフラン;ジオキソラン;C1-6アルキルで置換されたジオキソラン;ジオキサン;C1-6アルキルで置換されたジオキサン;ピリジン;ハロもしくはC1-6アルキルで置換されたピリジン;ピリダジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つもしくは2つの置換基で置換されたピリダジン;あるいは場合により置換されていることができるベンズイミダゾロン又は場合により置換されていることができるイミダゾロンであり;R5が水素;C1-6アルキル;ヒドロキシC1-6アルキル;C1-6アルキルカルボニル;フェニルもしくはハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシから選ばれる最高3つの置換基で置換されたフェニルであり;R6が水素又はC1-6アルキルであり;R7が水素;C1-6アルキル;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルオキシカルボニル;ピリダジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つ又は2つの置換基で置換されたピリダジン;ピラジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つ又は2つの置換基で置換されたピラジンである式(I)を有する新規なベンゾエート誘導体、それらのN−オキシド体、塩及び立体化学的異性体に関する。該化合物を含む製薬学的組成物、化合物及び組成物の製造法、ならびに薬剤としての、特に結腸の運動性の低下を含む胃腸障害の処置のための利用が記載されている。

Description

【発明の詳細な説明】 N−置換ピペリジニル二環式ベンゾエート誘導体 本発明は新規なベンゾエート誘導体、該新規な化合物を含む製薬学的組成物、 化合物及び組成物の製造法、ならびに薬剤としての、特に結腸の運動性の低下を 含む状態の処置におけるそれらの利用に関する。 1990年9月26日公開の我々のEP−0,389,037−Aには、N− (3−ヒドロキシ−4−ヒペリジニル)(ジヒドロベンゾフランもしくはジヒド ロ−2H−ベンゾピラン)カルボキシアミド誘導体が胃腸運動性刺激性を有する として開示されている。1991年、9月11公開の我々のEP−0,445, 862−Aには、N−(4−ピペリジニル)(ジヒドロベンゾフランもしくはジ ヒドロ−2H−ベンゾピラン)カルボキシアミド誘導体が胃腸運動性刺激性も有 するとして開示されている。1993年3月4日公開のWO93/0.725( SmithKline Beecham)は、Xが置換されたフェニルであるこ とができ、Yが酸素であることができ、Zが置換されたピペリジン部分であるこ とができる一般式X−CO−Y−Zのエステルの5HT4レセプター拮抗薬とし ての利用を一般的に開示している。1994年4月28日公開のWO94/08 995(SmithKline Beecham)は、例えば置換7−ベンゾフ ランカルボキシレートも5HT4拮抗活性を有するとして一般的に開示している 。後者の2つの特許出願は過敏性大腸症候群(IBS)、特にIBSの下痢の側 面の処置における5HT4拮抗性化合物の利用につき記載している。 予期に反して我々は、本件新規な化合物が腸の前運動的(prokineti c)活性を示すことを見いだした。従って、今回開示される化合物は腸、特に結 腸の運動性の低下を含む状態の処置における用途を示す。 本発明は式 [式中、 R1はハロ又はC1-6アルキルスルホニルアミノであり; Aは式: −CH2−CH2− (a) −CH2−CH2−CH2− (b) −CH=CH− (c) の2価の基を示し; 基(a)、(b)又は(c)において1つ又は2つの水素原子はC1-6アルキル により置換されていることができ; R2は水素又はC1-6アルキルオキシであり; Lは式 −Alk−R4 (d) −Alk−O−R5 (e) −Alk−NR67 (f) の基であり; AlkはC1-12アルカンジイルであり; R4は水素;シアノ;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルオキシカルボニ ル;C3-7シクロアルキル;C1-6アルキルスルフィニル;C1-6アルキルスルホ ニル;フェニル又は、ハロ、C1-6アルキルもしくはC1-6アルキルオキシにより 置換されたフェニル;テトラヒドロフラン;ジオキソラン;C1-6アルキルで置 換されたジオキソラン;ジオキサン;C1-6アルキルで置換されたジオキサン; ピリジン;ハロもしくはC1-6アルキルで置換されたピリジン;ピリダジン;ハ ロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つもしくは2つの置換基で置換 されたピリダジン;あるいは式 の基であり ここでR8は水素又はC1-6アルキルであり; R5は水素;C1-6アルキル;ヒドロキシC1-6アルキル;C1-6アルキルカルボニ ル;フェニル又はハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシから選ばれる最高 3つの置換基で置換されたフェニルであり; R6は水素又はC1-6アルキルであり; R7は水素;C1-6アルキル;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルオキシカ ルボニル;ピリダジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つ又 は2つの置換基で置換されたピリダジン;ピラジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒ ドロキシから選ばれる1つ又は2つの置換基 で置換されたピラジンである] を有する新規なベンゾエート誘導体、それらのN−オキシド体(N−oxide form)、製薬学的に許容され得る酸付加塩及び立体化学的異性体に関する 。 前記の定義において用いる場合、ハロはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード を包括し;C1-4アルキルは炭素数が1〜4の直鎖状及び分枝鎖状飽和炭化水素 基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチ ルプロピルなどを定義し;C1-6アルキルはC1-4アルキル及び炭素数が5又は6 のそれらの高級同族体、例えば、2−メチルブチル、ペンチル、ヘキシルなどを 含むものとし;C3-7シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロ ペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを包括し;C1-12アルカンジイル は炭素数が1〜12の2価の直鎖状もしくは分枝鎖状炭化水素基、例えば、1, 2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5− ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイル、1,7−ヘプタンジイル、1,8− オクタンジイル、1,9−ノナンジイル、1,10−デカンジイル、1,11− ウンデカンジイル、1,12−ドデカンジイル及びそれらの分枝異性体を定義す る。 上記で言及した製薬学的に許容され得る酸付加塩は、式(I)の化合物が形成 することができる治療的に活性な無毒性の酸付加塩の形態を含むものとする。後 者は塩基の形態をそのような適した酸で処理することにより簡便に得ることがで きる。適した酸は、例えば、無機酸、例えば塩酸もしくは臭化水素酸などのハロ ゲン化水素酸;硫酸;硝酸;りん酸など;あるいは有機酸、例えば酢酸、プロパ ン酸、ヒドロキシ酢酸、乳 酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リン ゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスル ホン酸、p−トルエンスルホン酸、サイクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサ リチル酸、パモ酸などの酸を含む。上記で用いられた付加塩という用語は、式( I)の化合物及びそれらの塩を形成することができる溶媒和物も含む。そのよう な溶媒和物は例えば水和物、アルコレートなどである。逆に塩の形態をアルカリ で処理することにより遊離の塩基の形態に転化することができる。 前記で用いられた「立体化学的異性体」(stereochemically isomeric forms)という用語は、式(I)の化合物が有するこ とができるすべての可能な異性体を定義する。他に言及又は指示がなければ化合 物の化学的命名はすべての可能な立体化学的異性体の混合物を示し、該混合物は 基本的分子構造のすべてのジアステレオマー及びエナンチオマーを含有する。さ らに特定的に、立体中心はR−又はS−立体配置を有することができ;2価環状 (部分的)飽和基上の置換基はシス−又はトランス−立体配置のいずれかを有す ることができる。式(I)の化合物の立体化学的異性体は明らかに本発明の範囲 内に含まれるものとする。 式(I)の化合物のいくつかはそれらの互変異性体としても存在し得る。その ような形態は上記の式に明白に示されていないが本発明の範囲内に含まれるもの とする。例えばR4が3−もしくは6−ヒドロキシピリダジン又は式(g)もし くは(h)の基であり、ここでR8が水素である式(I)の化合物は、それらの 対応する互変異性体として存在し得る。 式(I)の化合物のN−オキシド体は、1つ又は数個の窒素原子がいわゆるN −オキシド、特にピペリジン−窒素がN−オキシド化されているN−オキシドに 酸化されている式(I)の化合物を含むものとする。 R1はハロであるのが興味深く、クロロが好ましく; R2は水素又はC1-4アルキルオキシであるのが興味深く、水素又はメトキシが好 ましく、 Aは式(a)又は(b)の2価の基であるのが興味深く、 Aが置換されている場合、メチル置換が好ましく、 Aが式(a)又は(b)の2価の基である場合、隣接ジメチル置換が好ましく、 酸素原子に隣接する炭素原子上が特に好ましく; Lが式(d)の基である場合、R4は水素、シアノ、C1-6アルキルカルボニル、 C1-6アルキルオキシカルボニル、C3-7シクロアルキル、C1-6アルキルスルホ ニル、テトラヒドロフラン、C1-6で置換されたジオキソラン、ピリジン、R8が C1-6アルキルである式(g)の基、ハロ及びヒドロキシで置換されたピリダジ ンであるのが好ましく; Lが式(e)の基である場合、R5は水素、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6ア ルキル、又はハロで置換されたフェニルであるのが好ましく; Lが式(f)の基である場合、R6は水素であり、R7は水素、又はC1-6アルキ ル、C1-6アルキルオキシカルボニルで置換されたピリダジンであるのが好まし い。 興味深い化合物は、R1がハロである式(I)の化合物である。 さらに興味深い化合物は、R2が水素又はメトキシである式(I)の化合物で ある。 もっと興味深い式(I)の化合物は、Aが式(a)又は(b)の2価 の基である興味深い化合物である。 式(I)の好ましい化合物は: 1−[(テトラヒドロ−2−フラニル)メチル]−4−ピペリジニル 4−アミ ノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート; 1−[(テトラヒドロ−2−フラニル)メチル]−4−ピペリジニル 5−アミ ノ−6−クロロ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベンゾピラ ン−8−カルボキシレート; 1−(3−メトキシプロピル)−4−ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ− 2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート; 1−[3−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プロピル]−4− ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラン カルボキシレート; 1−[3−(1−メチルエトキシ)プロピル]−4−ピペリジニル 4−アミノ −5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート; 1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−4−ピペリジニル 4−アミ ノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート; 1−[3−(3−クロロ−6−オキソ−1(6H)−ピリダジニル)プロピル] −4−ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾ フランカルボキシレート; 1−(4−オキソペンチル)−4−ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2 ,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート; エチル 4−[[(4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフ ラニル)カルボニル]オキシ]−1−ピペリジンブタノエート;ならびに 1−[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]−4−ピペリジニル4−ア ミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート; それらの可能な立体化学的異性体及びそれらの製薬学的に許容され得る酸付加塩 である。 式(I)の化合物、ならびにそれらのある出発材料及び中間体の構造的表示を 簡単にするために、基 を下記において記号Dで示す。 以下の製造において、反応生成物は当該技術分野において一般的に既知の方法 、例えば抽出、蒸留、結晶化、摩砕及びクロマトグラフィーに従って反応混合物 から単離することができ、必要ならさらに精製することができる。 式(I)の化合物は式(II)のピペリジンを式(III)の中間体を用いて N−アルキル化することにより製造することができ、ここでW1は適当な脱離基 、例えばハロ、例えばクロロ、ブロモ又はヨード、あるいはスルホニルオキシ基 、例えばメタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシなどの脱離基であ る。(III)を用いる(II)の N−アルキルキ化反応は、簡便には、当該技術分野において既知のアルキル化法 に従って行われる。 式(I)の化合物は式(V)のカルボン酸又はそれらの官能基誘導体、例えば アシルハライド、対称もしくは混合無水物又はエステル、好ましくは活性エステ ルを用いた、当該技術分野において既知の方法に従う式(IV)のアルコールの エステル生成によっても製造することができる。 反応の過程の間、アミノ又はヒドロキシ基、すなわち反応するヒドロキシ基以 外のヒドロキシ基を保護して望ましくない副反応を避けるのが良い。該アミノ又 はヒドロキシ保護基はエステル生成の完了後に除去される。適した保護基は容易 に除去できる基、例えばC1-4アルキルカルボニル、C1-4アルキルオキシカルボ ニル、フェニルメチルなどの保護基を含む。 式(I)の化合物は式(I)の化合物を互いの間で転化することによっても製 造することができる。 Lが式(f)の基であり、ここでR7が水素以外である式(I)の化合物は式 (I−f−2)により示され、式(I−f−1)により示されるR7が水素であ る式(I)の化合物を、W2が適当な脱離基、例えばハ ロ、例えばクロロ、ブロモもしくはヨード、又はスルホニルオキシ基、例えばメ タンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシなどの脱離基である式(VI )の試薬と、当該技術分野において既知の反応法に従って反応させることによっ て製造することができる。 Lが式(d)の基であり、Alkが1,2−エタンジイルであり、R4がシア ノである式(I)の化合物は、式(II)の中間体をアクリロニトリルと、当該 技術分野において既知の方法に従って反応させることにより製造することができ る。 Lが式(e)の基であり、Alkが1,2−エタンジイルであり、R5が水素 である式(I)の化合物は、式(II)の中間体をオキシランと、当該技術分野 において既知の反応法に従って反応させることにより製造することができる。 Lが式(f)の基であり、ここでAlkが1,3−プロパンジイルであり、R6 及びR7が水素である式(I)の化合物は、Lが式(d)の基であり、Alkが 1,2−エタンジイルであり、R4がシアノである式(I)の化合物の水素化に より製造することができる。 式(I)の化合物は、3価の窒素をそのN−オキシド体に転化するための当該 技術分野において既知の方法に従って、対応するN−オキシド形態に転化するこ ともできる。該N−オキシド化反応は一般に式(I) の出発材料を適した有機又は無機ペルオキシドと反応させることにより行うこと ができる。適した無機ペルオキシドは、例えば、過酸化水素、アルカリ金属もし くはアルカリ土類金属ペルオキシド類、例えばナトリウムペルオキシド、カリウ ムペルオキシドを含み;適当な有機ペルオキシドは過酸、例えば過安息香酸(b enzenecarboperoxoic acid)又はハロ置換過安息香酸 、例えば3−クロロ過安息香酸、ペルオキソアルカン酸類、例えばペルオキソ酢 酸、アルキルヒドロペルオキシド類、例えばtert−ブチルヒドロペルオキシ ドを含む。適した溶媒は例えば水、低級アルカノール類、例えばエタノールなど 、炭化水素、例えばメチルベンゼン、ケトン類、例えば2−ブタノン、ハロゲン 化炭化水素、例えばジクロロメタン、ならびにそのような溶媒の混合物である。 式(II)の中間体は適切に置換された式(VII)のピペリジンから、式( V)の中間体酸又はそれらの官能基誘導体を用い、当該技術分野において既知の エステル生成法に従って、及び続いて当該技術分野において既知の方法に従って 保護基Pを除去して誘導することができる。Pは容易に除去できる保護基、例え ばC1-4アルキルカルボニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、フェニルメチル などの保護基を示す。 式(V)の中間体酸の製造はEP−0,389,037−Aに開示されている 。 P1がP及び水素を示す式(VII’)の中間体は、当該技術分野において既 知の方法に従って式(VIII)の中間体を還元することにより製造することが できる。 式(VII’−a)に示されるR2がC1-6アルキルオキシであり、R2及び4 −ヒドロキシ基がシス−立体配置を有する式(VII’)の中間体は、置換ボロ ハイドライド類、例えばリチウムトリス−sec−ブチルボロハイドライド、カ リウムトリス−sec−ブチルボロハイドライド、置換アルミニウムハイドライ ド類、リチウム−トリ−tert−ブトキシアルミノハイドライドなどの還元剤 を用いて式(VIII−a)の中間体を還元することにより製造することができ る。立体化学的に純粋な試薬を用い、該還元を立体特異的に行うことができる。 式(I)の化合物又は他のいずれかの中間体のシス及びトランスジアステレオ マーのラセミ体を、当該技術分野において既知の方法を適用することによりそれ らの光学異性体、シス(+)、シス(−)、トランス(+)及びトランス(−) に分割することもできる。ジアステレオマーは選択的結晶化及びクロマトグラフ ィー法、例えば向流分配法などの物理的分離法により分離することができ、エナ ンチオマーはエナンチオマー的に純粋な酸又はそれらのエナンチオマー的に純粋 な誘導体とのそれ らのジアステレオマー塩の選択的結晶化により互いから分離することができる。 式(I)の化合物、ならびに式(II)の中間体、それらのN−オキシド体、 製薬学的に許容され得る塩及び立体異性体は好ましい腸運動性刺激性を有する。 特に、本発明の化合物は小腸及び大腸への有意な運動性強化効果を示す。後者の 性質は「モルモット回腸同軸刺激(Guinea Pig Ileum Coa xial Stimulation)」試験及び「覚醒犬における結腸運動性( Colon motility in conscious dog)」試験で 得られる結果により評価される。該試験の両方は下記において説明される。化合 物のいくつかは「犬におけるリダミジン試験」(Lidamidine tes t in dogs)においても活性を示す。 それらの有用な腸運動性強化性の観点から、本化合物を投与目的のための種々 の形態に調製することができる。 本発明の製薬学的組成物を製造するために、活性成分としての塩基又は酸付加 塩の形態の有効量の特定の化合物を、投与に望ましい調製の形態に依存して多様 な形態をとっていることができる製薬学的に許容され得る担体と合わせて緊密な 混合物とする。これらの製薬学的組成物は、好ましくは経口的、直腸内又は非経 口的注入による投与に適した単位投薬形態であるのが望ましい。例えば経口的投 薬形態における組成物の製造において、懸濁液、シロップ、エリキサー及び溶液 などの経口的液体調剤の場合、例えば水、グリコール類、油類、アルコール類な どのいずれの通常の製薬学的媒体も用いることができ;あるいは粉末、丸薬、カ プセル及び錠剤の場合、澱粉、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊 剤などの固体担体を用いることができる。投与における容易さの故に錠剤及びカ プセルが最も有利な経口的投薬単位形態を与え、その場合固体の製薬学的担体が 用いられることは明らかである。非経口的組成物の場合、担体は通常少なくとも 大部分において無菌の水を含むが、例えば溶解性を助けるための他の成分が含ま れることができる。例えば担体が食塩水、グルコース溶液又は食塩水とグルコー ス溶液の混合物を含む注射用溶液を調製することができる。注射用懸濁液も調製 することができ、その場合適した液体担体、懸濁剤などを用いることができる。 経皮的投与に適した組成物の場合、担体は場合により浸透増進剤及び/又は適し た湿潤剤を、場合により小さい割合のいずれかの性質の適した添加剤と組み合わ せて含むことができ、その添加剤は皮膚に有意な不利な影響を引き起こさないも のである。該添加剤は皮膚への投与を促進することができ、及び/又は所望の組 成物の調製のための助けとなることができる。これらの組成物は種々の方法で、 例えば経皮パッチとして、スポット−オンとして、軟膏として投与することがで きる。(I)又は(II)の酸付加塩は、対応する塩基の形態以上のそれらの向 上した水溶性の故に、水性組成物の製造においてより適していることは明らかで ある。前記の製薬学的組成物を投与の容易さ、及び投薬量の均一性のために投薬 単位形態で調製するのが特に有利である。明細書及び本明細書の請求の範囲にお いて用いられる投薬単位形態は、1回の投薬量として適した物理的に分離された 単位を言い、各単位は所望の治療効果を生むために計算されたあらかじめ決めら れた量の活性成分を必要な製薬学的担体と一緒に含有する。そのような投薬単位 形態の例は錠剤(刻み付き又はコーティング錠を含む)、カプセル、丸薬、粉末 包、ウェハース、注射用溶液又 は懸濁液、茶さじなど、ならびに分離されたそれらの倍量である。 腸系の運動性を刺激するそれらの能力、及び特に結腸の運動性を強化するそれ らの能力の観点から、本化合物は運動性の障害、例えば単独の、又は空胃の遅延 (delayed gastric emptying)と組み合わされた小腸 及び大腸の蠕動の低下に関連する症状に苦しむ患者における腸通過(intes tinal transit)を正常にする、又は向上させるために有用である 。本発明の化合物の有用性の観点から、腸系の運動性の障害、例えば便秘、偽性 −閉塞、腸無緊張症、術後腸無緊張症、過敏性大腸症候群(IBS)、薬物−誘 起遅延通過(drug−induced delayed transit)及 び特に結腸通過の障害に苦しむ温血動物の処置の方法を提供する。該方法は有効 腸刺激量の式(I)の化合物、それらのN−オキシド、製薬学的に許容され得る 酸付加塩又は可能な立体異性体の温血動物への全身的投与を含む。従って薬剤と しての式(I)の化合物の利用、特に結腸の運動性の低下を含む状態の処置のた めの薬剤の製造のための式(I)の化合物の利用を提供する。 一般に治療的有効量は体重1kg当たり約0.001mg〜約10mg、好ま しくは体重1kg当たり約0.02mg〜約5mgであると思われる。処置の方 法は1日当たり2〜4回の摂取の管理において活性成分を投与することも含む。 以下の実施例は例示を目的とし、そのすべての側面において本発明の範囲を制 限するものではない。下記において「THF」はテトラヒドロフランを意味し、 「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味する。実験の部 A.中間体の製造 実施例1 a)THF中の3−メトキシ−1−(フェニルメチル)−4−ピペリジノン(4 .4g)の溶液を−75℃に冷却した。リチウムトリス−sec−ブチルボロハ イドライドを滴下し、反応混合物を−70℃で2時間撹拌した。酢酸10%(1 00ml)を室温で滴下した。有機溶媒を蒸発させた。水性残留物をNH4OH でアルカリ性化し、次いでDIPEで2回抽出した。分離された有機層を水で洗 浄し、MgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲル 上の短カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 95/5 から98/2への上昇勾配)により精製し、1.3g(29.4%)のシス−3 −メトキシ−1−(フェニルメチル)−4−ピペリジノール(中間体1)を得た 。 b)中間体(1)(11.5g)及びメタノール(150ml)の混合物を2g のパラジウムカーボン触媒10%を用い、常圧及び室温において水素化した。計 算された量の水素が吸収された後、触媒を濾過し、濾液を蒸発させた。残留物を シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CHCl3/(CH3OH/ NH3) 85/15)により精製した。純粋な画分を集め、溶離剤を蒸発させ 、3.6g(53%)のシス−3−メトキシ−4−ピペリジノールを油状の残留 物として得た(中間体2)。 c)CHCl3(100ml)中のビス(1,1’−ジメチルエチル)ジカーボ ネート(65.5g)の溶液をCHCl3(350ml)中の中間体(2)(3 4g)の溶液に滴下し、反応混合物を室温で3時間撹 拌した。反応混合物を水及びアンモニア、次いで水で洗浄した。分離された有機 層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物(79g)をシ リカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/ NH3) 97/3、95/5に上昇勾配)により精製した。純粋な画分を集め 、溶媒を蒸発させ、58gの(±)−1,1−ジメチルエチルシス−4−ヒドロ キシ−3−メトキシ−1−ピペリジンカルボキシレート(96.4%粗残留物) を得た(中間体3)。 d)水素化ナトリウム(6.2g)をTHF(1000ml)中の中間体(3) (30g)の溶液に加えた。混合物を窒素流下で3時間撹拌し、還流させ、次い で冷却したた(溶液I)。1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(2 1g)をアセトニトリル(1000ml)中の4−アミノ−5−クロロ−2,3 −ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフランカルボン酸(31.4g)の 溶液に加え、この混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残留物を THF(1000ml)に溶解し、溶液IIを得た。室温で溶液(II)を溶液 (I)中に注ぎ、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残留 物をCH2Cl2及びH2Oに分配した。有機層を分離し、水層をCH2Cl2で2 回抽出した。分離された有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発さ せた。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2 /CH3OH 98/2)により精製した。所望の画分を集め、溶媒を蒸発させ 、50gの(±)−1,1−ジメチルエチルシス−4−[[(4−アミノ−5− クロロ−2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフラニル)−カルボ ニル]オキシ]−3−メトキシ−1−ピペリジンカルボキシレート(85%)を 得た(中間体4) 。 e)THF(600ml)中の中間体(4)(50g)と塩酸(60ml)の混 合物を30分間撹拌し、還流させた。反応混合物を冷却し、NH4OHでアルカ リ性化した。分離された水層をTHFで抽出した。抽出された層を蒸発させ、残 留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3 OH/MH3) 93/7)により精製した。純粋な画分を集め、溶媒を蒸発さ せた。残留物を煮沸DIPE中で撹拌した。混合物を冷却し、得られる沈澱を濾 過し、2−プロパノールに溶解し、エタン二酸(0.6g)を用いてエタン二酸 塩(1:1)に転化した。混合物を煮沸し、冷却し、得られる沈澱を濾過し、乾 燥し、16gの(±)−シス−3−メトキシ−4−ピペリジニル4−アミノ−5 −クロロ−2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフランカルボキシ レートエタン二酸(1:1)を得た;融点193.2℃(中間体5)。 類似の方法で: 4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチ ル−7−ベンゾフランカルボキシレート;融点161.0℃(中間体6) (±)−シス−3−メトキシ−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2, 3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフランカルボキシレート;(中間 体7) 4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラ ンカルボキシレート;融点161.0℃(中間体8) も製造した。B.最終化合物の製造 実施例2 ジクロロメタン(100ml)中の1−[3−(1−メチルエトキシ)プロピ ル]−4−ピペリジノール(2.5g)及びN,N−ジメチル−4−ピリジンア ミン(2g)の混合物を室温で撹拌した。4−(アセチルアミノ)−5−クロロ −2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボニルクロリド(2.7g)を加え 、反応混合物を室温で72時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲル 上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 95/5) により精製した。所望の画分を集め、溶媒を蒸発させた。残留物(3.2g)を THF(100ml)に溶解し、塩酸(10ml)で処理した。反応混合物を2 時間撹拌し、還流させた。混合物を冷却し、NH4OHでアルカリ性化した。有 機溶媒を蒸発させ、水性残留物をCH2Cl2で2回抽出した。分離された有機層 をMgSO4上で乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲル上の 短カラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 9 7/3)により精製した。所望の画分を集め、溶媒を蒸発させた。残留物(2. 9g)を高性能液体クロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/ NH3)/CH3OH 97/1/2)により精製した。純粋な画分を集め、溶媒 を蒸発させた。残留物を2−プロパノールに溶解し、HCl/2−プロパノール を用いて塩酸塩(1:1)に転化した。混合物を煮沸し、次いで冷却した。沈澱 を濾過し、乾燥し(真空;80℃)、0.50gの1−[3−(1−メチルエト キシ)プロピル]−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒド ロ−7−ベンゾフランカルボキシレート一塩 酸塩(12%)を得た;融点208.6℃(化合物4)。実施例3 4−メチル−2−ペンタノン(150ml)中の中間体(8)(3g)、2− (3−クロロプロピル)−2−メチル−1,3−ジオキソラン(2.5g)、炭 酸ナトリウム(2.1g)及びヨウ化カリウム(触媒量)の混合物を終夜撹拌し 、還流させた。混合物を冷却し、水で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、 溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤 :CH2Cl2、CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 97/3に上昇勾配)によ り精製した。純粋な画分を集め、溶媒を蒸発させた。残留物を煮沸DIPE中で 撹拌し、冷却し、撹拌し、濾過し、CH3CN/DIPEから再結晶した。沈澱 を濾過し、乾燥し、1.00gの1−[3−(2−メチル−1,3−ジオキソラ ン−2−イル)プロピル]−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3 −ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート(24%)を得た;融点128 .1℃(化合物6)。実施例4 2−プロパノール(150ml)中の中間体(5)(10g)及び2−プロペ ンニトリル(2ml)の混合物を終夜撹拌し、還流させた。追加の2−プロペン ニトリル(1ml)を加え、反応混合物を20時間撹拌し、還流させた。溶媒を 蒸発させた。残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:CH2 Cl2/(CH3OH/NH3) 97/3)により精製した。純粋な画分を集め 、溶媒を蒸発させた。残留物を煮沸DIPE中で撹拌し、冷却し、撹拌し、得ら れる沈澱を濾過し、乾燥し(真空;80℃)、10.7gの(±)−シス−1− (2−シア ノエチル)−3−メトキシ−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3 −ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾフランカルボキシレート(94%) を得た;融点180.3℃(化合物27)。実施例5 室温においてメタノール(80ml)中の中間体(6)(3.3g)の溶液を 通して、30℃以下の温度を保ちながらオキシラン(気体)を3時間泡立たせた 。溶媒を蒸発させ、残留物をシリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤 :CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 93/7)により精製した。純粋な画分 を集め、溶媒を蒸発させた。残留物を煮沸DIPE中で撹拌し、室温に冷却し、 沈澱を濾過し、乾燥し(真空;80℃)、1.66gの1−(2−ヒドロキシエ チル)−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2,2 −ジメチル−7−ベンゾフランカルボキシレート(45%)を得た;融点166 .3℃(化合物21)。実施例6 THF(50ml)中の化合物(6)(2g)及び塩酸(5ml)の混合物を 30分間撹拌し、還流させた。反応混合物を冷却し、NH4OHでアルカリ性化 した。分離された水層をTHFで抽出した。合わせた有機層を蒸発させ、残留物 をシリカゲル上のクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/N H3) 97/3)により精製した。純粋な画分を集め、溶媒を蒸発させた。残 留物を煮沸DIPE中で撹拌した。沈澱を濾過し、乾燥し、シリカゲル上のクロ マトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 90/10)に よりさらに精製した。純粋な画分を集め、溶媒を蒸発させ、0.90gの1−( 4 −オキソペンチル)−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒ ドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート(47%)を得た;融点104.8℃ (化合物8)。実施例7 THF(500ml)中の化合物(9)(8.5g)の混合物を触媒としてラ ネイニッケル触媒(触媒量)を用いて水素化した。H2(2当量)の吸収の後、 触媒を濾過し、濾液を蒸発させた。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー (溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 90/10)により精製した。 純粋な画分を集め、溶媒を蒸発させた。残留物を煮沸DIPE中で撹拌し、次い で冷却し、得られる沈澱を濾過し、乾燥し、5.2gの(±)−シス−1−(2 −アミノエチル)−3−メトキシ−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ− 2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレート(61%)を得た;融点 133.9℃(化合物11)。実施例8 化合物(11)(4g)、2−クロロ−3−メチルピラジン(2.8g)及び N,N−ジエチルエタナミン(2.8ml)の混合物を120℃において24時 間撹拌した。混合物を冷却し、CH2Cl2に溶解した。有機溶液をシリカゲル上 のクロマトグラフィー(溶離剤:CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 95/5 )により2回精製した。純粋な画分を集め、溶媒を蒸発させた。残留物を煮沸D IPE中で撹拌し、冷却し、得られる沈澱を濾過し、乾燥し0.53gの(±) −シス−3−メトキシ−1−[2−[(3−メチル−2−ピラジニル)アミノ] エチル]−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7− ベ ンゾフランカルボキシレート(11.5%)を得た;融点124.1℃(化合物 12)。実施例9 化合物(38)(4.5g)、2−クロロ−3−メチルピラジン(3.3g) 及びN,N−ジエチルエタナミン(2.1ml)の混合物を120℃において2 0時間撹拌した。反応混合物を冷却し、シリカゲル上のクロマトグラフィー(溶 離剤:CH2Cl2/(CH3OH/NH3) 95/5)により精製した。純粋な 画分を集め、溶媒を蒸発させた。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィー( 溶離剤:CH2Cl2/CH3OH 90/10)により精製した。純粋な画分を 集め、溶媒を蒸発させた。残留物を煮沸DIPE中で固化させた。沈澱を濾過し 、乾燥し、2.10gの1−[2−[(3−メチル−2−ピラジニル)アミノ] エチル]−4−ピペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7− ベンゾフランカルボキシレート(38%)を得た;融点108.6℃(化合物3 9)。 表1から3は上記で言及した実施例の1つにおけると類似の方法で製造された 化合物を挙げている。 C.薬理学的実施例 実施例10:モルモット回腸同軸刺激 両性のDunkin Hartleyモルモット(体重±500g)を断頭に より殺した。回腸を取り出し、加温して酸素化されたKrebs−Hensel eit溶液で浄化した。モルモットの4.5cmの長さの末端でない無損傷の回 腸切片を、95%O2及び5%CO2の混合物を通じた100mlのKrebs− Henseleit溶液(37.5℃)において1gの予備負荷を用いて垂直に 吊り下げた。回腸の内腔に通された陽極、浴溶液中の陰極の2つの白金電極を用 い、回腸切片の全長にわたって経壁興奮を与えた。プログラム可能な刺激物から 1回の矩形刺激[1ミリ秒;0.1Hz;最大下(submaximal)応答 (最大応答の80%に導く電流)で試料を興奮させた。収縮は等長的に測定した 。30分の安定化時間の間に、ストリップを2gの張力に繰り返して延伸し、1 gの定常状態張力を得た。電気刺激の開始の前に、ア セチルコリンの累積投薬量応答曲線を得た。単収縮応答の最大振幅を決定するた めに、電気刺激は過最大電流(supramaximal current)に おいて開始した。これらの応答が安定したら、最大応答の80%を得る最大下刺 激を、少なくとも15分間、単収縮応答が一定となるまで与え、その後単投薬量 の試験化合物を浴液に加えた。試験化合物の投与の5分後の単収縮応答の振幅を 、試験化合物の投与の前の振幅と比較する。1、4、6〜8、14〜16、32 〜36、39、46及び50の番号の化合物は3・10-9Mの濃度において単収 縮応答の振幅の5%より大きい増加を示した。実施例11:覚醒犬における結腸の運動性 体重が7〜17kgの雌のビーグル犬に、前身麻酔及び無菌条件下で等尺性力 変換器(isometric force transducer)を移植した 。結腸の運動性を研究するために、回盲弁から8、16、24及び32cmの距 離において結腸上に変換器を縫合した。犬に少なくとも2週間の回復期間を許し た。実験は±20時間の断食期間の後に開始し、断食期間に水は随意に飲ませた 。実験の間、遠隔測定(ワイアレス)系を用い、犬がその檻の中で動くのを自由 にした。檻は、1方向で光を通すガラスが設けられた特別な部屋に建てられ、す なわち観察者は犬を見ることができたが犬は観察者を見ることができなかった。 この系を介して挙動の変化に関して犬を観察することができ、排便事象を決定す ることができた。変換器からの情報は特別に建てられた小さい伝達箱により数値 化された形態で伝達された。この箱は犬が着たジャケット内に置かれた。信号は 各檻の上のマイクを介して受信され、中心コンピューターシステムに伝達された 。この試験におけるパラメーターの1 つは犬の排便である。試験化合物の投与後の最初の3時間の間、犬が観察され、 排便が起こったか否か、及びいつ起こったかが決定された。本発明の化合物はこ れらの最初の3時間の間に試験動物において排便を誘起した。D.組成物実施例 以下の調剤は本発明に従う温血動物への前身的又は局所的投与に適した投薬単 位形態における典型的製薬学的組成物を代表するものである。これらの実施例を 通じて用いられる「活性成分」(A.I.)は式(I)の化合物、それらのN− オキシド形態、製薬学的に許容され得る酸付加塩又は立体化学的異性体に関する 。実施例12:経口用溶液 9gのメチル4−ヒドロキシベンゾエート及び1gのプロピル4−ヒドロキシ ベンゾエートを4lの煮沸純水に溶解する。3lのこの溶液に最初に10gの2 ,3−ジヒドロキシブタン二酸を、その後20gのA.I.を溶解する。後者の 溶液を前者の溶液の残りの部分と合わせ、12lの1,2,3−プロパントリオ ール及び3lのソルビトール70%溶液をそこに加える。40gのナトリウムサ ッカリンを0.5lの水に溶解し、2mlのラズベリー及び2mlのグースベリ ーエッセンスを加える。後者の溶液を前者と合わせ、20lの容積となるまで水 を加え、茶さじ(5ml)当たり5mgのA.I.を含む経口用溶液を得る。得 られる溶液を適した容器に充填する。実施例13:カプセル 20gのA.I.、6gのラウリル硫酸ナトリウム、56gの澱粉、56gの ラクトース、0.8gのコロイド二酸化ケイ素及び1.2gの ステアリン酸マグネシウムを一緒に激しく撹拌する。得られる混合物を続いて1 000個の適した硬質ゼラチンカプセル中に充填し、それぞれ20mgのA.I .を含む。実施例14:フィルム−コーティング錠 錠剤芯の製造 100gのA.I.、570gのラクトース及び200gの澱粉の混合物を十 分に混合し、その後約200mlの水中の5gのドデシル硫酸ナトリウム及び1 0gのポリビニルピロリドンで加湿する。湿潤粉末混合物をふるい、乾燥し、再 度ふるう。次いで100gの微結晶セルロース及び15gの水添植物油を加える 。全体を十分に混合し、錠剤に圧縮し、それぞれ10mgの活性成分を含む10 .000個の錠剤を得る。コーティング 75mlの変性エタノール中の10gのメチルセルロースの溶液に、150m lのジクロロメタン中の5gのエチルセルロースの溶液を加える。次いで75m lのジクロロメタン及び2.5mlの1,2,3−プロパントリオールを加える 。10gのポリエチレングリコールを溶融し、75mlのジクロロメタンに溶解 する。後者の溶液を前者に加え、次いで2.5gのマグネシウムオクタデカノエ ート、5gのポリビニルピロリドン及び30mlの濃厚着色剤懸濁液を加え、全 体を均質化する。かくして得られる混合物を用い、コーティング装置において錠 剤芯をコーティングする。実施例15:注射用溶液 1.8gのメチル4−ヒドロキシベンゾエート及び0.2gのプロピル4−ヒ ドロキシベンゾエートを約0.5lの注射用沸騰水に溶解した。 約50℃に冷却した後、撹拌しながら4gの乳酸、0.05gのプロピレングリ コール及び4gのA.I.を加えた。溶液を室温に冷却し、1lの容積となるま で注射用水を補足し、4mg/mlのA.I.の溶液を得た。溶液を濾過により 滅菌し(U.S.P.XVII p.811)、無菌の容器に充填した。実施例16:座薬 3gのA.I.を25mlのポリエチレングリコール400中の3gの2,3 −ジヒドロキシブタン二酸の溶液に溶解した。12gの界面活性剤及び300g とする量のトリグリセリドを一緒に溶融した。後者の混合物を前者の溶液と十分 に混合した。かくして得られる混合物を37〜37℃において型中に注ぎ、それ ぞれ30mgの活性成分を含有する100個の座薬を形成した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E E,FI,HU,IS,JP,KE,KR,LT,LV ,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI, SK,TT,UA,UG,US,VN (72)発明者 バン・デン・ケイブス,フランス・マリ ア・アルフオンス ベルギー・ビー−2190エツセン・コルテス トラート16 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式 [式中、 R1はハロ又はC1-6アルキルスルホニルアミノであり; Aは式: −CH2−CH2− (a) −CH2−CH2−CH2− (b) −CH=CH− (c) の2価の基を示し; 基(a)、(b)又は(c)において1つ又は2つの水素原子はC1-6アルキル により置換されていることができ; R2は水素又はC1-6アルキルオキシであり; Lは式 −Alk−R4 (d) −Alk−O−R5 (e) −Alk−NR67 (f) の基であり; AlkはC1-12アルカンジイルであり; R4は水素;シアノ;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルオキシカルボニ ル;C3-7シクロアルキル;C1-6アルキルスルフィニル;C1- 6 アルキルスルホニル;フェニル又は、ハロ、C1-6アルキルもしくはC1-6アル キルオキシにより置換されたフェニル;テトラヒドロフラン;ジオキソラン;C1-6 アルキルで置換されたジオキソラン;ジオキサン;C1-6アルキルで置換され たジオキサン;ピリジン;ハロもしくはC1-6アルキルで置換されたピリジン; ピリダジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つもしくは2つ の置換基で置換されたピリダジン;あるいは式 の基であり ここでR8は水素又はC1-6アルキルであり; R5は水素;C1-6アルキル;ヒドロキシC1-6アルキル;C1-6アルキルカルボニ ル;フェニル又はハロ、C1-6アルキル、C1-6アルキルオキシから選ばれる最高 3つの置換基で置換されたフェニルであり; R6は水素又はC1-6アルキルであり; R7は水素;C1-6アルキル;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルオキシカ ルボニル;ピリダジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つ又 は2つの置換基で置換されたピリダジン;ピラジン;ハロ、C1-6アルキル、ヒ ドロキシから選ばれる1つ又は2つの置換基で置換されたピラジンである] の化合物、そのN−オキシド体、製薬学的に許容され得る酸付加塩又は立体化学 的異性体。 2.R4が水素;シアノ;C1-6アルキルカルボニル;C1-6アルキルスルフィニ ル;C1-6アルキルスルホニル;フェニル又はハロ、C1-6アルキルもしくはC1- 6 アルキルオキシで置換されたフェニル;テトラヒドロフラン;ジオキソラン; C1-6アルキルで置換されたジオキソラン;ジオキサン;C1-6アルキルで置換さ れたジオキサン;ピリジン;ハロもしくはC1-6アルキルで置換されたピリジン ;ピリダジン、ハロ、C1-6アルキル、ヒドロキシから選ばれる1つ又は2つの 置換基で置換されたピリダジン;式 の基であり、ここでR8は水素又はC1-6アルキルである請求の範囲第1項に記載 の化合物。 3.R1がクロロである請求の範囲第1項に記載の化合物。 4.R2が水素又はメトキシである請求の範囲第1項に記載の化合物。 5.化合物が1−[(テトラヒドロ−2−フラニル)メチル]−4−ピペリジニ ル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシ レート;1−[(テトラヒドロ−2−フラニル)メチル]−4−ピペリジニル 5−アミノ−6−クロロ−3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−1−ベ ンゾピラン−8−カルボキシレート;1−(3−メトキシプロピル)−4−ピペ リジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカル ボキシレート;1−[3−(2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル)プ ロピル] −4−ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾ フランカルボキシレート;1−[3−(1−メチルエトキシ)プロピル]−4− ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラン カルボキシレート;1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−4−ピペ リジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカル ボキシレート;1−[3−(3−クロロ−6−オキソ−1(6H)−ピリダジニ ル)プロピル]−4−ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒド ロ−7−ベンゾフランカルボキシレート;1−(4−オキソペンチル)−4−ピ ペリジニル4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカル ボキシレート;エチル4−[[(4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ− 7−ベンゾフラニル)カルボニル]オキシ]−1−ピペリジンブタノエート;な らびに1−[2−(テトラヒドロ−2−フラニル)エチル]−4−ピペリジニル 4−アミノ−5−クロロ−2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフランカルボキシレ ート;それらの立体化学的異性体又はそれらの製薬学的に許容され得る酸付加塩 から選ばれる請求の範囲第1項に記載の化合物。 6.治療的に有効量の請求の範囲第1項に記載の化合物及び製薬学的に許容され 得る担体を含む製薬学的組成物。 7.請求の範囲第1項に記載の化合物を製薬学的に許容され得る担体と緊密に混 合する請求の範囲第6項に記載の製薬学的組成物の製造法。 8.薬剤として用いるための請求の範囲第1項に記載の化合物。 9.結腸の運動性の低下を含む腸の障害の処置のための薬剤の製造のための請求 の範囲第1項に記載の化合物の利用。 10.式(VII’−a) [式中、R2はC1-6アルキルオキシであり、P1は水素又は容易に除去可能な保 護基、例えばC1-4アルキルカルボニル、C1-4アルキルオキシカルボニル、フェ ニルメチルなどの保護基であり、ここでR2およびヒドロキシ基はシス立体配置 を有する] の中間体及びそのエナンチオマー。 12.a)式(II)のピペリジンを式(III)の中間体でN−アルキル化し 、 ここで、Lは請求の範囲第1項において定義された通りであり、W1は適当な脱 離基であり、Dは式 の基であり、ここでR1、R2及びAは請求の範囲第1項におけると同義であり; b)式(IV)のアルコールを式(V)のカルボン酸又はそれらの官能基誘導 体、例えばアシルハライド、対称もしくは混合無水物又はエス テルと反応させ; ここで、R1、R2、L及びAは請求の範囲第1項におけると同義であり; そして場合により式(I)の化合物を官能基交換反応により互いに転化し;必要 に応じて、式(I)の化合物を治療的活性な無毒性酸付加塩に転化するか、又は 逆にアルカリを用いて酸付加塩を遊離の塩基の形態に転化し;及び/又はそれら の立体化学的異性体を製造する 請求の範囲第1項に記載の化合物の製造法。
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