JPH10505786A - 酸化セリウム及びマンガン、鉄又はプラセオジムの酸化物をベースにした触媒組成物、その製造方法並びに自動車アフターバーニング触媒作用におけるその使用 - Google Patents

酸化セリウム及びマンガン、鉄又はプラセオジムの酸化物をベースにした触媒組成物、その製造方法並びに自動車アフターバーニング触媒作用におけるその使用

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Abstract

(57)【要約】 発明は、酸化セリウム並びに鉄、マンガン及びプラセオジムの酸化物から選ぶ少なくとも一種の他の酸化物をベースにし、自動車アフターバーニングの触媒作用においてH2S排出を制御する触媒組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 酸化セリウム及びマンガン、鉄又はプラセオジムの酸化物をベースに した触媒組成物、その製造方法並びに自動車アフターバーニング触媒 作用におけるその使用 本発明は、酸化セリウム及びマンガン、鉄又はプラセオジムの酸化物をベース にした触媒組成物、その製造方法並びに自動車アフターバーニング触媒作用にお けるその使用に関する。 いわゆる多機能触媒は、現在内燃機関からの排出ガスを処理するために用いら れている(自動車アフターバーニング触媒作用)。多機能触媒とは、特に排出ガ ス中に存在する一酸化炭素や炭化水素の酸化を行うことができるだけでなく、ま た特にこれらのガス中に存在する窒素酸化物の還元も行うことができる触媒(「 スリー−ウエイ」触媒)を意味するものと理解されている。 このタイプの触媒用には、酸化セリウムが一般的に用いられる成分である。こ の酸化物は、アルミナのような担体上に存在するのが普通である。 燃料は硫黄を含有するので、酸化セリウムや担体は、硫酸化されるようになる 。触媒の雰囲気が還元性になる場合、例えばエンジンのパワー需要が突然に停止 する場合に、酸化物や担体に結合された硫酸塩が還元されてH2Sになり、これ はひどく嫌な感じの匂いを放出する原因になる。 実のところ、明らかな環境上の理由で、H2S排出量を減少させることが重要 である。 提案されている一つの解決策は、酸化ニッケルを触媒配合物に加えることであ る。しかし、いくつかの国、特にヨーロッパでは、ニッケルは、この技術分野に おいて施行される基準によって禁止されており、それでこの解決策は、適用され ることができない。 従って、H2S排出を制御することを可能にする自動車アフターバーニング触 媒作用において用いることができる触媒組成物についての真の要求が存在する。 この目的で、発明に従う触媒組成物は、酸化セリウム並びに鉄、マンガン及び プラセオジムの酸化物から選ぶ少なくとも一種の他の酸化物をベースにすること を特徴とする。 その上に、第一の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、下記の 段階を含むことを特徴とする: −セリウム化合物及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジム化合物 を含有する混合物を液状媒体中に調製し; −該混合物を加熱し; −このようにして得られる沈殿を回収し; −該沈殿を焼成する。 第二の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、下記の段階を含む ことを特徴とする: −セリウム化合物及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジム化合物 を含有する混合物を液状媒体中に調製し; −塩基性混合物を該混合物に加え、それにより混合物を沈殿させ; −このようにして得られる沈殿を回収し; −該沈殿を焼成する。 第三の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、下記の段階を含む ことを特徴とする: −セリウムゾル及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジムの化合物 を含有する混合物を液状媒体中に調製し; −このようにして得られた混合物をアトマイセイションによって乾燥させ; −乾燥させた生成物を焼成する。 最後に、第四の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、酸化セリ ウムに少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジムの化合物の溶液を含浸さ せ、含浸させた酸化セリウムを次いで焼成することを特徴とする。 発明のその他の特徴、詳細及び利点は、下記の記述並びに発明を例示する意図 の種々の具体的であるが制限するものでない例を読む際に更に一層完全に明らか になるものと思う。 上述した通りに、発明の触媒組成物は、セリウム並びに酸化鉄、酸化マンガン 及び酸化プラセオジムから選ぶ少なくとも一種のその他の酸化物をベースにする 。発明は、従ってこれらのエレメントの可能な組合せのすべてをベースにした組 成物に関する。一層特には、セリウム及びマンガンをベースにした組成物並びに セリウム、鉄及びプラセオジムをベースにした組成物が挙げられよう。 発明の特定の別の態様に従えば、組成物は、固溶体又は混成酸化物タイプの主 相を示す。更に別の代わりの態様に従えば、発明の組成物は、完全に固溶体の形 態で存在する。固溶体とは、これらの組成物のX線回折スペクトルが、実際、こ れらの組成物内に、識別可能な単相だけが存在する(検出可能な二次相が存在し ない)ことを示すことを意味するものと了解され、これは、単位セルパラメータ ーが純酸化第二セリウムに比べて幾分食い違わせられている、これよりマンガン 、鉄及び/又はプラセオジムが酸化セリウムの結晶格子に加入している、これよ り真の固溶体が造られていることを反映している立方晶系で結晶化された酸化第 二セリウムのものに相当する。 組成物中のマンガン、鉄及び/又はプラセオジムの量は、広い範囲内で変わる ことができる。この割合は、通常、酸化セリウムに対するこの又はこれらの元素 の酸化物として表わす質量比50%までの範囲にすることができる。それは、通 常少なくとも0.5%である。この割合は、これより1〜40%、特には1〜2 0%、一層特には1〜10%にすることができる。 発明の別の態様に従えば、組成物は、更にジルコニウムを含むことができる。 発明の組成物は、400℃で6時間か焼した後に、比表面積少なくとも10m2 /g、好ましくは少なくとも60m2/g、一層特には80m2/gを示す。比 表面積とは、雑誌「The Journal of the American Chemical Society、60、309(1938)」に記載され るブルナウアー−エメットーテラー法から規定されるASTM基準D 3663 −78に従う窒素吸収によって求めるB.E.T.比表面積を意味するものと了 解される。 発明の好適な実施態様に従えば、発明の組成物の別の特性は、それらの化学的 均質性である。実際、それらは、不均質性領域が10nm2よりも小さくなるよ うに化学的均質性を示す。これは、表面領域10nm2の間で発明の生成物の化 学的組成に差異がないことを意味する。 これらの均質特性は、TEM−EDS分析によって求める。一層特には、不均 質性領域は、透過電子鏡検法(TEM)電子プローブを使用することによってエ ネルギー分散分光学(EDS)によるマッピング法によって測定した。 発明の組成物の別の特性は、高い温度に暴露した後でさえ、それらの酸素を貯 蔵する能力である。すなわち、これらの組成物は、空気下で900℃で6時間仮 焼した後に、大概酸素貯蔵少なくとも1mlのO2/組成物1g、一層特には少 なくとも1.5mlのO2/gを示す。 発明の組成物について、異なる調製プロセスを用いることができる。 発明の第一の実施態様に従えば、下記の段階を含むことを特徴とするプロセス を用いる: −セリウム化合物及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジム化合物 を含有する混合物を液状媒体中に調製し; −該混合物を加熱し; −このようにして得られた沈殿を回収し; −該沈殿を焼成する。 発明に従うプロセスの第一段階は、従って、少なくとも一種のセリウム化合物 及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジム化合物を含有する混合物を 液状媒体、通常水性相で調製するに在る。これらの化合物は、可溶性化合物が好 ましい。混合物は、初めに固体状態の化合物を、次いで水容器ヒール中に導入す ることから或は代わりに直接これらの化合物の溶液を、次いで該溶液を任意の順 で混合することからのいずれかで区別なく得ることができる。 水溶性セリウム化合物として、特に、例えば硝酸塩のようなセリウム(IV) 塩又は硝酸第二セリウムアンモニウムを挙げることができ、これらは本例におい て特に良く適している。硝酸第二セリウムを用いるのが好ましい。セリウム(I V)塩の溶液は、第一セリウム状態のセリウムを不利なく含有することができる が、セリウム(IV)を少なくとも85%含有するのが望ましい。硝酸第二セリ ウム水溶液は、例えば、第一セリウム塩、例えば炭酸第一セリウムの溶液とアン モニア水溶液とを過酸化水素の存在において反応させることによって慣用的に造 る酸化第二セリウム水和物に硝酸を反応させることによって得ることができる。 また、好ましくは文献FR−A−2,570,087に記載されている通りにし て硝酸第一セリウム溶液を電解酸化するプロセスに従って得られる硝酸第二セリ ウム溶液を利用することもでき、これは、本例において選り抜きの出発原料を構 成する。 ここで、セリウム(IV)塩の水溶液は、初期遊離酸度、例えば0.1〜4N の範囲の規定度を示すことができることに留意されたい。本発明に従えば、上述 した通りの遊離酸度を有効に示すセリウム(IV)塩の初期溶液を、あらかじめ この酸度を限定するように、例えばアンモニア水溶液又は代わりにアルカリ金属 (ナトリウム、カリウム、等)水酸化物の溶液のような塩基、好ましくはアンモ ニア水溶液を加えることによって多かれ少なかれ完全に中和しておいた溶液とし て使用することが全く同様に可能である。その場合、後者の場合において、実際 上初期セリウム溶液の中和度を下記式によって規定することが可能である: 式中、n1は、中和した後に溶液中に存在するCe(IV)の全モル数を表わし ;n2は、セリウム(IV)塩水溶液によって導入される初期遊離酸度を中和す るのに有効に必要なOH-イオンのモル数を表わし;及びn3は、塩基を加えるこ とによって導入されるOH-イオンの全モル数を表わす。「中和」別態様を実施 する場合には、すべての場合において、水酸化物種Ce(OH)4(r=4)の 完全な沈殿を得るのに必要な塩基の量に比べて絶対的に少なくしなければならな い量の塩基を利用する。従って、実施において、制限を、1を越えない、好まし くは更に0.5を越えない中和度に置く。 発明のプロセスにおいて用いることができる鉄、マンガン又はプラセオジム化 合物として、例えば無機酸又は有機酸の塩、例えば硫酸塩、硝酸塩、塩素酸塩又 は酢酸塩タイプを挙げることができる。硝酸塩が特に良く適していることに留意 されたい。これらの化合物は、また、ゾルの形態で導入することもできる。これ らのゾルは、例えばこれらの化合物の塩の塩基で中和することによって得ること ができる。 混合物中に存在するセリウム、鉄、マンガン又はプラセオジムの量は、最終の 所望の組成を得るために要求される化学量論的な割合に一致しなければならない 。 このようにして初期混合物を得、それを、次いで発明に従うプロセスの第二段 階に従って加熱する。 この熱処理は、また熱加水分解としても知られ、この熱処理を行う温度は、8 0℃〜反応混合物の臨界温度、特に80°〜350℃、好ましくは90°〜20 0℃にすることができる。 この処理は、用いる温度条件に従い、標準大気圧で又は例えば熱処理の温度に 対応する飽和蒸気圧のような加圧下でのいずれかで行うことができる。処理温度 を反応混合物の還流温度よりも高く(すなわち、一般に100℃よりも高い)な るように選ぶ、例えば150°〜350℃の間で選ぶ際に、その場合に、作業を 、上述した種を含有する水性混合物を密閉した空間(密閉反応装置は、一層普通 にはオートクレーブとして知られている)中に導入し、次いで必要な圧力が、た だ反応混合物を加熱するだけで生じる(自生圧)ことによって行う。上に挙げた 温度条件下で、かつ水性媒体中で、これより例として、密閉反応装置内の圧力は 、1バール(105Pa)よりも大きい値〜165バール(165×105Pa) 、好ましくは5バール(5×105Pa)〜165バール(165×105Pa) の範囲であると述べることが可能である。また、外圧を働かせ、これを次いで加 熱から生じる圧力に加えることも可能であるのはもちろんである。 加熱は、空気雰囲気下で又は不活性ガス雰囲気、好ましくは窒素下のいずれか で行うことができる。 処理の期間は臨界的なものではなく、これより広い範囲内で、例えば1〜48 時間の間で、好ましくは2〜24時間の間で変えることができる。同様に、昇温 は、臨界的なものではない速度で行い、これより混合物を、例えば30分〜4時 間加熱することによって設定した反応温度に達することが可能であり、これらの 値は、もっぱら例として挙げる。 加熱段階の完了時に、固体沈殿を、例えばろ過、沈降、乾燥又は遠心分離のよ うな任意の慣用の固/液分離技術によって混合物から分離することができ、これ を回収する。 必要ならば、加熱段階の前及び/又は後に、例えばアンモニア水溶液のような 塩基を沈殿混合物中に導入することが可能である。これは、沈降種の回収収率を 増大させることを可能にする。 また、同じようにして、加熱段階の前及び/又は後に、過酸化水素を単独で又 はまた塩基と組み合わせて加えることも可能である。 上に規定した通りの加熱/沈殿段階を同一の又は非同一の方法で、一回又は何 回も繰り返し、次いで例えば加熱処理サイクルを実施することが可能であるのは もちろんであることに留意されたい。 回収されたままの生成物に、次いで周囲温度〜沸騰温度の間の温度の水及び/ 又はアンモニア水による洗浄を施すことができる。洗浄した生成物を、最終的に 、必要に応じて、残留水を除くために、例えば空気中で、80°〜300℃、好 ましくは100°〜150℃の範囲にすることができる温度において乾燥させる ことができ、乾燥は、一定の重量が得られるまで続ける。 プロセスの最後の段階で、回収した沈殿を、随意に洗浄及び/又は乾燥した後 に、次いで焼成する。このか焼は、温度200°〜1200℃で行うのが普通で あり、300°〜900℃で行うのが好ましい。このか焼温度は、プリカーサー を酸化物に転化させる程にしなければならず、それは、また、触媒組成物の続く 使用の温度の関数として選び、生成物の比表面積は、採用するか焼温度が高くな る程、小さくなることを考慮に入れなければならない。か焼の期間としては、広 い範囲内で、例えば1〜24時間の間で、好ましくは4〜10時間の間で変わる ことができる。か焼は、空気下で行うのが普通であるが、例えば不活性ガス下で 行うか焼を排除しないことは極めて明瞭である。 第二の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、下記の段階を含む ことを特徴とする: −セリウム化合物及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジム化合物 を含有する混合物を液状媒体中に調製し; −該混合物を塩基性化合物と一緒にし、それにより混合物を沈殿させ; −このようにして得られる沈殿を回収し; −該沈殿を焼成する。 液状媒体中で混合物を調製するための第一の実施態様の記述において上記した すべてのことが、またこの場合においても適用する。 しかし、セリウムゾルを使用することも可能であることをつけ加えておきたい 。 セリウムゾルは、任意の適した技術により、特に下記の特許出願:FR−A− 2,583,735、FR−A−2,583,736、FR−A−2,583, 737、FR−A−2,596,380、FR−A−2,596,382、FR −A−2,621,576及びFR−A−2,655,972(これらの特許出 願は、すべて本出願人たる会社によるものであり、これらの教示内容を本明細書 中に援用する)に記載されている方法に従って得ることができ、これらに限定さ れない。 本発明に従えば、平均サイズが、準弾性光散乱によって求めて、3〜100n m、好ましくは5〜50nmの範囲になることができるセリウムゾルを用いるこ とが可能である。 また、第一セリウム及びマンガン(II)又は鉄(III)塩の溶液から出発 することも可能であることに留意すべきである。この場合、過酸化水素のような 酸化剤を出発混合物に加える。 発明のこの第二の実施態様の第二段階で、該混合物を塩基性化合物と一緒にす る。水酸化物タイプの生成物を塩基又は塩基性化合物として用いることができる 。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を挙げることができる。また、 第二級、第三級又は第四級アミンを用いることも可能である。しかし、アミン及 びアンモニア水は、それらがアルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオンによる 汚染の危険を低減させる故に、好適になり得る。尿素もまた挙げることができる 。反応体は、任意の順序で導入することができ、塩基性化合物を混合物中に導入 する又はその逆も可能であり、或は代わりに反応体を同時に反応装置中に導入す ることが可能である。 添加は、全部を一度に、徐々に又は連続に行うことができ、撹拌しながら行う のが好ましい。この作業は、周囲温度(18°〜25℃)〜反応混合物の還流温 度の温度で行うことができ、後者は、例えば120℃に達することが可能である 。周囲温度で行うのが好ましい。 塩基性溶液の添加を終えて、沈殿を完全なものにするために、随意に反応混合 物をしばらくの間依然撹拌し続けることが可能である。 沈殿段階を完了する際に、固体沈殿のマスを任意の慣用の技術によって混合物 から分離することができ、これを回収する。 次いで、洗浄及びか焼段階を、第一の実施態様について記載したのと同じよう にして行う。 第三の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、下記の段階を含む ことを特徴とする: −セリウムゾル及び少なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジムの化合物 を含有する混合物を液状媒体中に調製し; −このようにして得られた混合物をアトマイゼイションによって乾燥させ; −乾燥させた生成物を焼成する。 発明のこの第三の実施態様の第一段階に関し、先の実施態様についてこの主題 に関して上記したすべてのことが、またこの場合にも適用する。セリウム以外の 元素を、また随意にゾル形態で導入することができることをつけ加えておきたい 。 この第三の実施態様のプロセスの第二段階は、アトマイゼイションによる、す なわち混合物を高温雰囲気中にスプレーすることによる乾燥(スプレー乾燥)で ある。アトマイゼイションは、それ自体知られている任意の噴霧機、例えばシャ ワーヘッド又はその他のタイプのスプレーノズルを有する噴霧機によって行うこ とができる。また、いわゆる回転式アトマイザーを使用することも可能である。 本プロセスにおいて用いることができる種々のスプレー技術に関し、特に、Ma stersによる「Spray Drying」(George Godwin −ロンドンによって1976年に出版された第2版)なる表題の定評のある研究 に言及することができる。 また、アトマイゼイション/乾燥作業を、例えば本出願人たる会社が開発し、 特に下記の特許出願:FR−A−2,257,326、FR−A−2,419, 754及びFR−A−2,431,321に記載されているタイプの「フラッシ ュ」反応装置によって実施することも可能であることに留意されたい。この場合 、処理用ガス(高温ガス)を、渦シンクにおいて螺旋運動及び流れで駆動させる 。乾燥させるべき混合物を、該ガスの螺旋経路の対照の軸と接続する経路に沿っ て注入し、これは、ガスの運動の量を処理すべき混合物に完全に移すことを可能 にする。ガスは、これより、実際、二重の機能を供する:一方で、スプレーする 、すなわち初期混合物を微細な滴に転化させかつ他方で、得られた滴を乾燥させ る。その上に、反応装置内での粒子の滞留時間が極めて短い(大概およそ1/1 0秒よりも短い)ことは、中でも、高温ガスとの接触が極めて長くなる結果、あ り得る過熱の危険を制限することの利点を有する。 「フラッシュ」反応装置におけるガスの流入温度は、ガス及び乾燥させるべき 混合物のそれぞれの流量に応じて、400°〜900℃、一層特には600°〜 800℃であり、乾燥させた固体の温度は、100°〜250℃、好ましくは1 25°〜200℃である。 この乾燥段階を完了する際に、乾燥生成物が得られ、これを随意に先の実施態 様について記載したのと同じようにして焼成することができる。 上記した3つの実施態様は、上記した高い化学的均質性を保有する発明の組成 物を得る好適なプロセスを構成する。 第四の実施態様に従えば、発明に従う組成物の調製方法は、酸化セリウムに少 なくとも一種の鉄、マンガン又はプラセオジム化合物の溶液を含浸させ、含浸さ せた酸化セリウムを次いで焼成することを特徴とする。 発明において用いることができる酸化第二セリウムは、それら自体すでに良く 知られた生成物であり、文献、特に多数の特許又は特許出願に広く記載されてい る。それらは、また市販されている。 それらは、特に、水酸化第二セリウム或は硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、蓚酸塩又 は酢酸塩のような所定の酸素含有塩を空気中で400°〜1000℃において加 熱することによって調製することができ(Paul Pascal、「Nouv eau Traite de Chimie Minerale 〔New T reatise on Inorganic Chemistry〕」、VII 巻、777頁(1959)を参照)、水酸化第二セリウムは、沈殿又はコロイド 状懸濁体の形態にすることが可能である。それらは、また、特に下記の特許出願 :FR−A−2,559,754、FR−A−2,640,954又はFR−A −300,852に記載されているような酸化セリウムを含むこともできる。 用いる酸化第二セリウムは、比表面積少なくとも10m2/gを示すのが好ま しく、一層特には80m2/gよりも大きい比表面積を示し、比表面積80〜3 00m2/gを示すのが更に一層有利である。 所定の用途では、それらの構成粒子を、例えば押出又は加圧によるペレット化 の良く知られた技術に従ってそれらを造形することが有利になり得る。 上述した通りに、次いで、酸化第二セリウムにマンガン、鉄及び/又はプラセ オジム化合物の溶液を含浸させることによって混合を行う。この又はこれらの化 合物は、熱分解して酸化物にすることができるものや簡略化した方法で酸化物プ リカーサーとして知られるものから選ぶ。 適した酸化物プリカーサーとして、例えば硝酸塩、塩化物、硫酸塩又は酢酸塩 のような有機酸又は無機酸の塩を挙げることができる。硝酸塩が好適なプリカー サーである。 発明に従うプロセスのこの第四の実施態様の好適な別の態様に従えば、含浸を 「ドライ」で行う、すなわち使用する溶液の全容積は、酸化第二セリウムによっ て発現される全細孔容積におよそ等しい。この細孔容積の測定に関しては、水銀 多孔度メーターによる知られた方法に従いさもなくばサンプルによって吸収され る水の量を測定することによって行うことができる。 しかし、また、担体を酸化物プリカーサーの溶液中に浸漬することによって担 体を含浸させかつ過剰の溶液を乾燥によって除くことも可能である。 第二段階で、含浸させた酸化第二セリウムを、水を除くために乾燥させ、こう して酸化物プリカーサーを、酸化第二セリウムの表面中に、又は表面に均質にか つ密接に分散させた形態で放置する。 乾燥は、空気中で、80°〜300℃の範囲にすることができる、好ましくは 100°〜150℃の間で選ぶ温度において行うのがもっともしばしばである。 乾燥は、一定の重量が得られるまで続ける。乾燥の期間は、大概1〜24時間で ある。 最後に、第三段階で、含浸させた酸化第二セリウムを上記したのと同じ条件下 で焼成する。 上記したプロセスにおいて得られた通りの発明の組成物は、粉末の形態で存在 するが、随意に、種々のサイズのグラニュール、球、シリンダー又はハニカムの 形態で存在させるために、造形することができる。これらの組成物は、例えばZ rO2、Al23、TiO2又はSiO2のような触媒作用の分野で一般に用いら れている任意の担体に適用することができる。組成物は、また、例えば金属又は セラミックモノリスタイプの支持体上にこれらの組成物をベースにしたコーティ ング(薄め塗膜)を含む触媒システムにおいて用いることもできる。コーティン グは、それ自体でまた、上述したもののタイプの担体を含有することもできる。 発明は、また、上記した通りの組成物又は触媒システムを自動車アフターバー ニング用の触媒の製造において使用することにも関する。 最後に、発明は、これらの組成物又はこれらの触媒システムを、特にH2S排 出を制御する目的で、自動車アフターバーニングの触媒反応において使用するこ とに関する。 発明は、これより、内燃機関、特に自動車エンジンからの排出ガスを、特にH2 S排出を制御する目的で処理するに、上記した通りの組成物を触媒として使用 することを特徴とする排出ガスの処理プロセスに及ぶ。 発明の組成物は、これらを触媒反応において使用する場合に、貴金属と組み合 わせて用いることができる。これらの金属の性質及びこれらの金属をこれらの組 成物に加入する技術は、当業者に良く知られている。例えば、金属は、白金、ロ ジウム、パラジウム、ルテニウム又はイリジウムにすることができ、含浸によっ て組成物に加入することができる。 今、例を挙げるが、これらは制限するものではない。例1 本例は、セリウム及びマンガンの酸化物を、重量によりCeO2 90%及び MnO2 10%の割合で合成することを例示する。 第一の硝酸マンガン溶液と、第二の硝酸第二セリウム溶液とを、上記の酸化物 を得るために必要とする化学量論的な割合で混合するに、硝酸第二セリウム溶液 の初期遊離酸度は、あらかじめアンモニア水を加えることにより、0.5に等し い中和度r(記述において前に規定した通り)が得られるまで中和しておいた。 このようにして得られた混合物を、次いで、150℃において4時間混合物を 絶えず機械的に撹拌しながら熱処理を施すためにオートクレーブに入れる。 この処理を完了する際に、アンモニア水溶液を得られた懸濁液中にpHを9に もたらすように導入し、混合物全体を均質にするために30分間撹拌する。 次いで、沈降させかつ母液を抜き出すことによって沈殿を回収し、次いで沈殿 を水に再懸濁させる。この懸濁液を、次いで100℃において1時間加熱する。 生成物を再びろ過し、次いで110℃におけるアトマイゼイションによって乾 燥させる。 乾燥させた生成物を、最後に空気下で400℃において6時間焼成する。得ら れた生成物の比表面積は95m2/gである。 生成物のX線回折線図は、極めて実質的にCeO2システムで結晶化された立 方相が存在することを示す。TEM−EDS分析は、不均質性が10nm2より も小さいことを示す。例2 本例は、セリウム、鉄及びプラセオジムの酸化物を、重量によりCeO2 8 0%、Fe23 10%及びPr611 10%の割合で合成することに関係す る。 鉄、プラセオジム及び硝酸第二セリウムの溶液を、最終の所望の組成を得るた めに必要とする割合で調製する。 第一段階で、硝酸鉄溶液を反応装置の中に導入する。この溶液を、次いでアン モニア水で予備中和してr=0.5にする。rは、ここで、セリウムについて上 に挙げたのと同じようにして鉄について定義する。これは、コロイド状酸化鉄溶 液を現場で形成することを可能にする。 次いで、初期遊離酸度を、あらかじめアンモニア水を加えることにより中和し てr=0にしておいた硝酸第二セリウム溶液を加え、次いで硝酸プラセオジム溶 液を加える。 このようにして得られた混合物を、次いで、オートクレーブに入れる。処理の 続行は、例1に記載するのと同じにする。生成物を、空気下で450℃において 6時間焼成し、これは比表面積105m2/gを示す。TEM−EDS分析は、 不均質性が10nm2よりも小さいことを示す。例3 本例は、セリウム及びマンガンの酸化物を、共沈により重量によりCeO2 90%及びMnO2 10%の割合で合成することを例示する。 硝酸第一セリウムと硝酸マンガンとの混合物を、最終の組成を得るために必要 とする割合で調製する。過酸化水素をこの混合物に、Ce(III)をCe(I V)にかつMn(II)をMn(IV)に確実に酸化させるように加える。過酸 化水素の量は、この酸化に必要な化学量論量に対して10%過剰にする。混合物 全体をアンモニア水容器ヒール中に機械的に撹拌しながら導入する。 次いで、沈殿をろ過によって回収し、これを、次いで過剰の水に再懸濁させ、 次いで再びろ過する。 生成物を、空気下で400℃において6時間焼成し、これは比表面積99m2 /gを示す。TEM−EDS分析は、不均質性が10nm2よりも小さいことを 示す。例4 本例は、セリウム及びプラセオジムの酸化物を、重量によりCeO2 95% 及びPr611 5%の割合で合成することを例示する。 調製は、例1の通りにして最終の所望の組成を得るために必要とする割合で行 う。 生成物は、空気下で400℃において6時間焼成した後に、比表面積149m2 /gを示す。例5 本例は、発明の組成物のH2S排出を制御する際の性質を例示する。触媒の調製 : 排出されるH2Sの量を計ることを可能にするテスト(下記に記載する)を実 施するために、サンプルに白金を含浸させなければならない。白金をセリウムベ ースの酸化物上に含浸させることは、下記のようにして行う: −あらかじめ空気下で500℃において6時間焼成した酸化物10gをビーカ ーに入れ; −次いで、3.74g/1のヘキサクロロ白金酸水溶液から白金0.1gを導 入する。 室温において3時間撹拌した後に、懸濁液を1500rev/分で15分間遠心 分離し、回収された固体を、次いで120℃で12時間乾燥させ、次いで空気下 で480℃において6時間焼成する。排出されるH2Sの量を計ることを可能にするテストの記述 上記した方法に従って白金めっきした酸化物0.1gのサンプルを、窒素中水 素5容積%の混合物により、昇温勾配10℃/分でスイープしながら、「現場で 」450℃に活性化する。全ガス流量は、30リットル/時であり、テストを大 気圧で行う。次いで、窒素パージを10分間行い、次いで触媒を、酸素、二酸化 硫黄及び窒素を含有するガス流に30分間暴露させる。混合物の容積による組成 は、下記の通りである: −O2: 4.5% −SO2: 54ppm −N2: 95.33% 硫酸化期間の後に、窒素パージ30 リットル/時を10分間行う。触媒を、 次いで、窒素中に水素2容積%を含有する混合物により、混合物の全流量30リ ットル/時で20分間スイープする。この還元期間中に排出されるH2Sの量を 、Hartmann及びBraun Radas 2 UVアナライザーを使用 して絶えず測定する。この硫酸化/還元サイクルを繰り返すことができる。 450℃で触媒から脱着されるH2Sの全量は、反応装置の出口ガス中のH2S 濃度=f(t)(tは時間である)のカーブを積算することによって求める。結 果を、テストに導入する白金めっきした酸化物1g当りの脱着されるH2Sのμ モルで表わす。酸素の貯蔵の量を計ることを可能にするテストの記述 酸素に関する組成物の緩衝力を、それが酸素を酸化媒体中で貯蔵しかつ酸素を 還元媒体中で戻す能力によって評価する。テストは、組成物が酸素のパルス、次 いで一酸化炭素のパルスを逐次に酸化する能力を評価する。採用する方法は、交 互法として知られている。 キャリヤーガスは、流量10リットル/時の純ヘリウムである。注入は、ガス 16mlを収容するループによって行う。COパルスは、CO5%をヘリウム中 に希釈させて含有するガス混合物を使用して生成し、O2パルスは、O22.5% をヘリウム中に希釈させて含有するガス混合物から生成する。ガスの分析は、熱 伝導率検出器を使用したクロマトグラフィーによって行う。 消費される酸素の量又は転化されるCOの割合は、酸素貯蔵容量を求めること を可能にする。酸素貯蔵力の特性を表示する値は、導入する生成物1グラム当り の酸素のmlで表わしかつそれは400℃において測定する。下記の表に挙げる 酸素貯蔵力の測定は、マッフル炉において空気下で900℃において6時間前処 理した生成物に関して行う。結果 テスト1の生成物は、セリウム(IV)塩の溶液を塩基の存在において熱加水 分解することによって調製した酸化物である。それは、600℃において6時間 焼成した後に、比表面積100m2/gを有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビシグリオ,バレリ フランス国 エフ75016 パリ,リュ ラ フォンテーヌ,32

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 本質的に酸化セリウム並びに加えて酸化鉄及び酸化プラセオジムを含み 、アルミナを何ら含有しない触媒組成物を用い、これらの元素の酸化物の内の鉄 及びプラセオジム含量は、酸化セリウムの重量を基準にして0.5〜50重量% である内燃機関からの排出ガスを処理する方法。 2. 酸素貯蔵少なくとも1mlのO2/組成物1g、一層特には少なくとも 1.5mlのO2/gを示す触媒組成物を用いる先の請求項の方法。 3. 担体上の前記触媒組成物を用いる先の請求項のいずれかの方法。 4. 下記の段階: −セリウム化合物、鉄化合物及びプラセオジム化合物を含有する混合物を液状媒 体中に調製し; −該混合物を加熱し; −このようにして得られた沈殿を回収し; −該沈殿を焼成する を含む調製プロセスによって得られる組成物を含む触媒組成物を用いる先の請求 項のいずれかの方法。 5. 下記の段階: −セリウム化合物、鉄化合物及びプラセオジム化合物を含有する混合物を液状媒 体中に調製し; −該混合物を塩基性化合物と一緒にし、それにより混合物を沈殿させ; −このようにして得られた沈殿を回収し; −該沈殿を焼成する を含む調製プロセスによって得られる組成物を含む触媒組成物を用いる請求項1 〜3の内の一の方法。 6. セリウム化合物がセリウムIVである請求項4又は5の方法。 7. 下記の段階: −セリウムゾル、鉄化合物及びプラセオジム化合物を含有する混合物を液状媒体 中に調製し; −このようにして得られた沈殿をアトマイゼイションによって乾燥させ; −乾燥させた生成物を焼成する を含む調製プロセスによって得られる組成物を含む触媒組成物を用いる請求項1 〜3の内の一の方法。 8. 酸化セリウムに鉄化合物及びプラセオジム化合物の溶液を含浸させ、含 浸させた酸化セリウムを焼成することによって得られる組成物を含む触媒組成物 を用いる請求項1〜3の内の一の方法。 9. 前記組成物をベースにしたコーティングを支持体上に含む先の請求項の いずれかの方法を用いる触媒システム。
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