JPH1041148A - トランスボビン端子の固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トランスの１次巻線又は２次巻線の何れかの
巻始め部位及び巻終り部位に結線したリード線をインシ
ュロックによる固定又はボードイン端子の取付けによる
固定等の別処理を要せずして、該リード線を回路基板に
容易に接続できるようにする。 【解決手段】 トランスボビン２の一側面に切離自在の
鍔部８を突設し、そして、該鍔部８の両端部に接続ピン
１０，１０を固設する。該接続ピン１０，１０はトラン
ス１の１次巻線又は２次巻線の何れかの巻始め部位及び
巻終り部位に結線して端子片Ｐ，Ｐが形成され、そし
て、該端子片Ｐ，Ｐにリード線７，７の先端部をからげ
て該リード線７，７が夫々機械的に固定されている。該
リード線７，７を回路基板に接続する際には該鍔部８を
切離し、前記２本の端子片Ｐ，Ｐを回路基板に設けたス
ルーホール又は穴に嵌挿してハンダリフローにて固定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はトランスボビン端
子の固定装置に関するものであり、特に、絶縁トランス
の１次巻線又は２次巻線の何れかに結線せられたリード
線を基板に接続するとき、該リード線の先端部分を機械
的に固定したトランスボビン端子の固定装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
絶縁トランスの１次巻線又は２次巻線の何れかに結線せ
られているリード線を回路基板に接続する際に於ては、
該リード線の先端部を機械的に固定しなければならない
ように規制せられている。そこで、従来は該リード線を
インシュロックと称する結束バンドで機械的に固定する
か、或いは該リード線の先端部にボードイン端子を取付
けることにより該リード線を機械的に固定している。従
って、該リード線のインシュロックによる固定又はボー
ドイン端子の取付けによる固定等は基板に該リード線を
接続する際に別処理を必要として該接続作業が面倒であ
る。

【０００３】そこで、このようなインシュロックによる
固定又はボードイン端子の取付けによる固定のための別
処理を要せずして該リード線を機械的に固定し、且つ、
該リード線の回路基板に対する接続作業も容易に行うこ
とができるようにするために解決せらるべき技術的課題
が生じてくるのであり、本発明は該課題を解決すること
を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案せられたものであり、トランスボビンで
あって、該ボビンの一側辺に切離自在に形成された樹脂
製から成る鍔部を突設し、更に、該鍔部には二本の接続
用ピンが突設されており、該接続用ピンに前記ボビンに
巻装されている１次巻線又は２次巻線何れかの巻始め部
位及び巻終り部位に接続せらるべき２本の各リード線を
夫々からげて機械的に固定してハンダ付けして成るトラ
ンスボビン端子の固定装置を提供するものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１乃至図３に従って詳述する。図に於て１は絶縁トラン
スである。該絶縁トランス１はボビン２に１次巻線及び
２次巻線が巻装され、その表面を絶縁テープ３にて被覆
され、そして、コアー４を嵌着して成るものである。

【０００６】而して、図示例に於ては、回路基板（図示
せず）に該絶縁トランス１を取付けるとき、前記１次巻
線又は２次巻線の何れかの巻始め部位と巻終り部位とに
結線せられた端子５，５…と脚片６，６を回路基板に設
けたスルーホール又は穴（図示せず）に嵌挿し、該端子
５，５…を回路基板の回路パターン（図示せず）にリフ
ロー又はディップハンダにてハンダ付けされて該絶縁ト
ランス１が回路基板に取付けられる。

【０００７】又、該端子５，５…の取付けと同時に１次
巻線又は２次巻線の何れかの巻始め部位又は巻終り部位
に結線せられているリード線７，７も該回路基板に接続
せられるのであるが、該リード線７，７は前記端子５，
５…及び脚片６，６と反対側に位置するボビン２の側面
に鍔部８を側方へ突設し、そして、該鍔部８に設けられ
た溝部９，９を隔てて突部８ａ，８ａ，８ａを設け、該
突部８ａ，８ａ，８ａに夫々接続ピン１０，１０，１０
を突設し、更に、之等接続ピン１０，１０，１０のうち
両側の接続ピン１０，１０に前記１次巻線又は２次巻線
の何れかの一方の巻始め部位及び巻終り部位を夫々から
げて機械的に固定し、そして、このからげ部をハンダ付
けして端子片Ｐ，Ｐが構成される。又、中央部の接続ピ
ン１０は該端子片Ｐ，Ｐを回路基板のスルーホールに嵌
挿してリフローにてハンダ付けされる際の仮止め用とし
て用いられる。

【０００８】而して、前記鍔部８はその基端部を前記ボ
ビン２の側面に切離自在に突設されている。詳しくは、
該鍔部８は該基端部の両端部８ｂ，８ｂを該ボビン２の
側面に一体的に合着し、任意且つ、容易に切離すことが
できるように該基端部の両端部８ｂ，８ｂを薄片状に形
成してある。更に、該鍔部８はボビン２の成形と同時に
一体成形しても良いが別途製作して一体的に合着しても
よい。

【０００９】そこで、絶縁トランス１の前記２本のリー
ド線７，７を回路基板に接続する際には、該リード線
７，７の先端部は予め前記接続ピン１０，１０にからげ
られて機械的に固定され、そして、このからげ部をハン
ダ付けして端子片Ｐ，Ｐを形成し、該端子片Ｐ，Ｐを固
設した鍔部８がボビン２の一側面に切離自在に突設され
ているので、先ず、該鍔部８をボビン２より切離し、そ
して、該鍔部８を把持し、該２本の端子片Ｐ，Ｐを回路
基板に開穿したスルーホール又は穴に嵌入し、該端子片
Ｐ，Ｐをリフロー又はディップハンダにて回路基板の回
路パターンにハンダ付けして接続することが可能とな
る。

【００１０】

【発明の効果】この発明は上記一実施の形態にて詳述せ
る如く、トランスの１次巻線又は２次巻線の何れかの巻
始め部位及び巻終り部位と結線した２本のリード線はそ
の先端部をボビンの一側面に切離自在に突設された鍔部
に固設した接続ピンにからげて機械的に固定し、更に、
該からげ部をハンダ付けして端子片が構成され、そし
て、該端子片は常時ボビン側面に一体的に連結されてい
る。そこで、該トランスの前記２本のリード線を回路基
板に接続する場合には、従来のように該リード線をイン
シュロックで固定したり、或いは該リード線の先端部に
ボードイン端子を取付けて固定する等の別処理を必要と
しない。

【００１１】更に、該２本の端子片を固設した鍔部はボ
ビンの側面より容易に切離できるので、該鍔部を該ボビ
ンの側面より切離し、そして、該鍔部を把持して２本の
端子片を回路基板に開穿したスルーホールに嵌入してハ
ンダリフローするだけで、該２本のリード線は該回路基
板に極めて容易且つ確実に接続される。即ち、従来のよ
うに、例えばボードイン端子を取付けたものは該ボード
イン端子の取付けの外に、該ボードイン端子を個々に回
路基板に嵌入しなければならないが、本発明に於ては２
本のリード線を同時に回路基板のスルーホールに挿通す
ることが可能となる為、該リード線を回路基板に接続す
る際の作業性が極めて向上し、更に、リード線は機械的
固定の規制にも適合し、且つ、コストダウンにも寄与す
る等、正に諸種の著大なる効果を奏する発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示し、トランスの正面
図。

【図２】図１の側面図。

【図３】図１の平面図。

【符号の説明】

１ 絶縁トランス ２ ボビン ５ 端子 ７ リード線 ８ 鍔部 １０ ピン Ｐ 端子片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トランスボビンであって、該ボビンの一
   側辺に切離自在に形成された樹脂製から成る鍔部を突設
   し、更に、該鍔部には二本の接続用ピンが突設されてお
   り、該接続用ピンに前記ボビンに巻装されている１次巻
   線又は２次巻線何れかの巻始め部位及び巻終り部位に接
   続せらるべき２本の各リード線を夫々からげて機械的に
   固定してハンダ付けして成るトランスボビン端子の固定
   装置。