JPH0514493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、回路基板に装着するために好適なリ
ードを有するコイル部品に関する。

［従来の技術］ 従来のトロイダル形コイル部品は、円環状磁心
と、巻線と、巻線の端末が接続されたリードと、
これ等の絶縁被覆体とから成る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、トロイダル形コイル部品の磁心は円
環状であるので、組立時に取扱いにくい。また、
巻線端末のリードに対する接続も面倒であつた。

そこで、本考案の目的は、円環状磁心が使用さ
れているにも拘らず製作が容易なコイル部品を提
供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するための本考案は、実施例を
示す図面の符号を参照して説明すると、円環状磁
心５と、この磁心５に巻装された巻線６と、金属
製の第１及び第２の板状リード端子２，３と、絶
縁被覆体４とから成り、前記第１及び第２の板状
リード端子２，３はそれぞれの主面が同一平面に
位置するような方向性を有して互いに平行に配置
され、前記第１及び第２の板状リード端子２，３
は外部接続用導出部分７，８とコイル載置部分
９，１０とコイル接続部分１１，１２とコイル位
置決め部分１３，１４，１５，１６とをそれぞれ
有し、前記磁心５の円環状に見える主面が前記第
１及び第２の板状リード端子２，３の主面に対し
て平行に配置され、前記コイル位置決め部分１
３，１４，１５，１６は前記コイル載置部分９，
１０における切り起こし部分から成り、前記磁心
５と前記巻線６とから成るコイル１は前記第１及
び第２の板状リード端子２，３の前記コイル載置
部分９，１０によつて両持支持されていると共に
前記コイル位置決め部分１３，１４，１５，１６
によつて所定位置に保たれ、前記巻線６の端末は
前記コイル接続部分１１，１２に形成された溝１
７，１８又は貫通孔２３，２４に係合され且つ導
電性接合材によつて前記コイル接続部分１１，１
２に接続され、前記コイル１と前記コイル載置部
分９，１０と前記コイル接続部分１１，１２と前
記コイル位置決め部分１３，１４，１５，１６が
前記絶縁被覆体４で被覆され、前記第１及び第２
の板状リード端子２，３の外部接続用導出部分
７，８は前記絶縁被覆体４から互いに平行に導出
されていることを特徴とするコイル部品に係わる
ものである。

［作用及び効果］ 本考案は次の作用効果を有する。

(イ) 円環状磁心５を使用し、且つ第１及び第２の
板状リード端子２，３を互いに平行に配置する
形式のコイル部品であるにも拘らず、第１及び
第２の板状リード端子２，３に設けたコイル載
置部分９，１０でコイル１を支持し、且つ位置
決め部分１３〜１６でコイル１を位置決めする
ので、コイル部品の組立てを容易に達成するこ
とができる。

(ロ) 第１及び第２の板状リード端子２，３にコイ
ル接続部分１１，１２を設け、ここに設けた溝
１７，１８又は貫通孔２３，２４に巻線６の端
末を係合させる構成であるので、巻線端末の接
続を容易に達成することができる。

(ハ) 第１及び第２の板状リード端子２，３の主面
と磁心５の円環状主面とが互いに平行になるよ
うに第１及び第２の板状リード端子２，３と磁
心５が配置されるので、トロイダル形のコイル
部品を薄く構成することができる。

［実施例］ 次に、本考案の実施例に係わるノイズ除去用ト
ロイダル形コイル部品を第１図及び第２図に基づ
いて説明する。コイル部品は、コイル１と、一対
の金属製板状リード端子２，３と、合成樹脂絶縁
被覆体４とから成る。

コイル１は、フエライトコアから成るトロイダ
ル形磁心５と、エナメル線から成る巻線６とで構
成され、所定のインダクタンスを有する。

一対のリード端子２，３は外部回路へ接続する
ための部分７，８と、コイル載置部分９，１０
と、コイル接続部分１１，１２と、コイル位置決
め部分１３，１４，１５，１６とを有する。リー
ド端子２，３の一端部であるコイル接続部分１
１，１２にはＶ字状溝１７，１８が設けられてい
る。このＶ字状溝１７，１８には、エナメルが除
去された巻線端末１９，２０が圧入されている。
巻線端末１９，２０はＶ字状溝１７，１８でＶ字
状又はＬ字状に折り曲げられ、リード端子２，３
の裏面に半田２１，２２によつて電気的及び機械
的に結合されている。

一対のコイル載置部分９，１０の相互間隔は磁
心５の直径よりも狭く設定され、コイル１が一対
のコイル載置部分９，１０で両持支持されてい
る。コイル位置決め部分１３，１４，１５，１６
は比較的幅広のコイル載置部分９，１０に設けた
切り起こし部分であつて、コイル１の外周面に沿
うように配置されている。

樹脂被覆体４は、コイル１、リード端子２，３
のコイル載置部分９，１０、コイル接続部分１
１，１２、及び位置決め部分１３〜１６を囲むよ
うに設けられている。

このコイル部品を作る時には、コイル１と、一
対のリード端子２，３を含むリードフレームを用
意する。リードフレームは、一対のリード端子
２，３のみでなく、図示されていない他のコイル
部品のためのリード端子も帯状連結部でくし歯状
に支持している。

次に、コイル１をリードフラームの対のリード
端子２，３のコイル載置部分９，１０の上に配置
し、端末１９，２０をＶ字状溝１７，１８に係合
し、クリーム半田をリード端子２，３のコイル接
続部分１１，１２に塗布し、溶融し、固化するこ
とによつて半田２１，２２で端末１９，２０を接
続し、端末１９，２０の不要部分をカツトし、し
かる後、樹脂被覆体４をモールド法で形成する。
最後に、リードフレームからリード２，３を切り
離すことによつて独立のコイル部品とする。

本実施例のコイル部品は次の利点を有する。

(1) 巻線端末１９，２０をリード等にからげるの
ではなく、Ｖ字状溝１７，１８に係合する構造
であるから、Ｖ字状溝１７，１８に端末１９，
２０を緩みの少ない状態に容易に仮固定するこ
とができる。また、自動組立装置によつて巻線
端末１９，２０の接続を容易に達成することが
できる。

(2) リード端子２，３が板状に形成されているの
で、半田２１，２２を十分に付着させることが
可能になり、端末１９，２０の信頼性の高い電
気的及び機械的結合を容易に達成することがで
きる。

(3) コイル位置決め部分１３〜１６を設けたの
で、リード端子２，３に対するコイル１の位置
を容易且つ正確に決めることができる。

(4) リード端子２，３にコイル載置部分９，１０
を設けたので、リード端子２，３に対してコイ
ル１が安定的に支持される。

(5) リードフレームを使用するため、一対のリー
ド端子２，３の相互の位置関係を一定に保つこ
とが可能になり、組立て及び樹脂モールドを容
易に行うことができる。

［変形例］ 本考案は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。

(1) コイル１は磁心５に導線を巻回することによ
つて構成せずに、磁心５に対して導体ペースト
を印刷し、焼成することによつて構成してもよ
い。この場合には、印刷導体から成る巻線に内
部リードを接続し、この内部リードをコイルの
端末としてＶ字状溝１７，１８又は貫通孔２
３，２４に係合する。

(2) Ｖ字状溝１７，１８の代わりにＬ字状即ちか
ぎ型溝を形成してもよい。

(3) 導電性接合材としてクリーム半田を使用する
代わりに溶融半田を使用し、これを導体層リー
ド端子２，３に付着させ、半田２１，２２によ
る電気的及び機械的接続を達成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係わるコイル部品の
樹脂被覆前の状態を示す正面図、第２図は第１図
のコイル部品の左側面図である。 １……コイル、２，３……リード端子、４……
被覆体、５……磁心、６……巻線、１７，１８…
…Ｖ字状溝、１９，２０……端末、２１，２２…
…半田。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 円環状磁心５と、この磁心５に巻装された巻線
   ６と、金属製の第１及び第２の板状リード端子
   ２，３と、絶縁被覆体４とから成り、 前記第１及び第２の板状リード端子２，３はそ
   れぞれの主面が同一平面に位置するような方向性
   を有して互いに平行に配置され、 前記第１及び第２の板状リード端子２，３は外
   部接続用導出部分７，８とコイル載置部分９，１
   ０とコイル接続部分１１，１２とコイル位置決め
   部分１３，１４，１５，１６とをそれぞれ有し、 前記磁心５の円環状に見える主面が前記第１及
   び第２の板状リード端子２，３の主面に対して平
   行に配置され、 前記コイル位置決め部分１３，１４，１５，１
   ６は前記コイル載置部分９，１０における切り起
   こし部分から成り、 前記磁心５と前記巻線６とから成るコイル１は
   前記第１及び第２の板状リード端子２，３の前記
   コイル載置部分９，１０によつて両持支持されて
   いると共に前記コイル位置決め部分１３，１４，
   １５，１６によつて所定位置に保たれ、 前記巻線６の端末は前記コイル接続部分１１，
   １２に形成された溝１７，１８又は貫通孔２３，
   ２４に係合され且つ導電性接合材によつて前記コ
   イル接続部分１１，１２に接続され、 前記コイル１と前記コイル載置部分９，１０と
   前記コイル接続部分１１，１２と前記コイル位置
   決め部分１３，１４，１５，１６が前記絶縁被覆
   体４で被覆され、 前記第１及び第２の板状リード端子２，３の外
   部接続用導出部分７，８は前記絶縁被覆体４から
   互いに平行に導出されていることを特徴とするコ
   イル部品。