JPH1039102A - 高屈折率プラスチックレンズ - Google Patents

高屈折率プラスチックレンズ

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JPH1039102A
JPH1039102A JP8196445A JP19644596A JPH1039102A JP H1039102 A JPH1039102 A JP H1039102A JP 8196445 A JP8196445 A JP 8196445A JP 19644596 A JP19644596 A JP 19644596A JP H1039102 A JPH1039102 A JP H1039102A
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diisocyanate
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lens
sulfur
plastic lens
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啓也 川内
Yoriyuki Suzuki
順行 鈴木
Seiichi Kobayashi
誠一 小林
Masao Imai
雅夫 今井
Kenichi Fujii
謙一 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ポリチオールとして式(1)で表される
化合物を用い、ポリイソシアナートとしてキシリレンジ
イソシアナートと芳香環を有しない脂肪族イソシアナー
トの混合物を用いて得られる屈折率が1.64以上で、
かつアッベ数が30以上の含硫プラスチックレンズ。 【効果】 高い屈折率、極めて優れた耐熱性を有し、研
磨等の加工時に臭気を発生しない含硫プラスチックレン
ズを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高屈折率含硫黄プ
ラスチックレンズに関するものである。更に詳しくは、
注型重合して得られた硫黄含有のレンズ用成型体におい
て、耐熱性に優れ、かつ、該成型体の切削研磨加工時
に、硫黄特有の異臭、悪臭を発生しないプラスチックレ
ンズに関するものである。本発明の含硫黄プラスチック
レンズは、眼鏡、光学素材等に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べ軽量で割れにくく、染色が可能なため、近年、眼鏡レ
ンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきて
いる。しかし、メガネレンズ用として光学用プラスチッ
クを考えると、その屈折率をいかに高めるかが重要な課
題であった。すなわち、無機レンズに比ベ屈折率が小さ
い光学用プラスチックを用いてメガネレンズを製造する
と、ガラスレンズと同等の光学物性を得るためには、レ
ンズの中心厚、コバ厚、及び曲率を大きくする必要があ
る。したがって、メガネレンズが全体的に肉厚になり、
極めてファッション性を重視する近年の市場動向に逆行
することが避けられない。このため、屈折率1.64を
越えるプラスチックメガネレンズが普及した現在です
ら、さらに屈折率の高いレンズ用樹脂の一刻も早い上市
がメガネレンズメーカーからは強く望まれ続けている。
【0003】樹脂の屈折率を高めるためには、ポリマー
分子への重金属原子、ハロゲン原子、硫黄原子、または
芳香族化合物の導入などの方法が知られている。なかで
も、硫黄原子を導入する方法は、樹脂の光学性能の重要
な指標であるアッベ数を高く保ち、耐候性に優れ、廃棄
物の環境への影響も少ない光学用樹脂を実現できるた
め、最も精力的に研究が行われてきた。その結果、例え
ば、ポリイソシアナートとポリチオールよりなる含硫ウ
レタン系樹脂(特開昭60−199016、特開昭62−267316、
特開昭63−46213 )、ポリチオ(メタ)アクリレート樹
脂(特開昭64−26613 、特開昭64−31759 、特開昭63−
188660)あるいは含硫ポリ(メタ)アクリレート樹脂
(特開昭62−283109、特開昭63−268707)等が提案され
ている。なかでも、ポリイソシアナートとポリチオール
よりなる含硫ウレタン系樹脂は屈折率1.64を越える
超高屈折眼鏡用レンズを提供できること、耐衝撃性にす
ぐれ安全な眼鏡を提供できること、等の理由から、市場
に広く普及している。
【0004】ところで、これらの樹脂において、屈折率
1.64以上で、かつアッベ数が30以上という優れた
物性を確保するためには、硫黄の含量がその分子量の半
分以上を占めるような、ポリチオール化合物を用いなく
てはならない。このような高含硫黄量のポリチオール化
合物を原料モノマーとして、高屈折率を実現したメガネ
レンズは、上市から5年以上を経過して、広く普及して
きたが、コバズリ加工における臭気、悪臭発生が問題に
なっている。すなわち、眼鏡が消費者に渡る前に、眼鏡
フレームにレンズの形を合わせるためのコバズリ加工が
必要とされるが、その際、レンズが高温に曝されるた
め、レンズ材料の一部が熱的に分解し、硫黄特有の異
臭、悪臭を発生することがある。この加工は眼鏡小売店
で行われることが多いため、顧客に不快な印象を与える
ことになる。また、コバズリ加工時の異臭、悪臭を除去
するために換気または消臭設備を導入すれば、小売店に
経済的な負担を強いることになる。このような事情か
ら、屈折率1.64以上で、かつアッベ数が30以上で
ある優れた物性を確保した高屈折率メガネレンズが広く
普及した現在、最高級グレード(屈折率1.64以上、
アッベ数30以上のクラス)を保ちつつ、しかも加工時
に臭気を発生しない超高屈折率メガネレンズの創出が急
務であった。
【0005】含硫黄プラスチックレンズについては、以
前から、切削、研磨時等に発生する異臭、悪臭を減少ま
たは消臭する加工法が望まれ、すでにいくつかの対策も
提案されている。例えば、ラジカル重合タイプで、屈折
率が1.50以上の架橋構造を有する高屈折率プラスチ
ックレンズの製造において、香気性付与化合物を0.0
5%〜1%含有した樹脂を用いることにより、レンズの
切削、研磨時の異臭、悪臭を緩和する技術が特公平2-56
641 に開示されている。しかしながら、含硫黄プラスチ
ックレンズについて、ここに開示されている香気牲付与
化合物を用いて検討を行った結果では、硫黄特有の異
臭、悪臭を減少または消臭させるには不十分であること
が既に知られている(特開平5-273401)。
【0006】また、含硫黄プラスチックレンズの加工時
に界面活性剤を添加して臭気を低減する方法(特開平4-
256558)、含硫黄プラスチックレンズの加工時に酸化剤
を添加した水を使用して臭気を低減する方法(特開平5-
228816)、含硫黄プラスチックレンズの加工時に金属酸
化物添着炭を使用して臭気を低減する方法(特開平5-25
3839)などが提案されている。確かに、これらの方法
で、刺激的な臭気を幾分かは低減はできるものの、狭い
店舗内で加工した場合に周囲に全く不快感を与えない程
度にまで硫黄臭を除去するためには、なお、簡易的な換
気設備との併用が必要であった。さらに、含硫黄プラス
チックレンズの製造時に、モノマー組成物中に香料を添
加して臭気を低減する方法(特開平5-273401、特開平5-
297201)なども提案されている。しかし、香料には個人
的な好みの問題がつきまとい万能の方法とは言い難い。
すなわち、折角硫黄臭を低減できても、そのマスクに使
用した香料の香りが万一顧客の好みに合わなければ効果
がないも同然の結果になってしまうからである。
【0007】また、プラスチック製メガネレンズはファ
ッション性がきわめて大きな要素となる商品である。す
なわち、高屈折率光学用樹脂を用いてコバ厚を薄くする
と同時に、顧客の好みに応じて染色できなくてはならな
い。プラスチックレンズの染色性は、ポリマーの耐熱性
(熱変形開始温度)と一般に相反することが知られてい
る。しかるに、近年の製造物の安全性を求める声の高ま
りは、メガネ用プラスチックレンズにもより高い耐衝撃
性や耐熱性を要求するようになってきている。このた
め、キャリヤーを用いる染色方法など、高い耐熱性を有
するプラスチックレンズをも染色する方法が開発されて
きた。すなわち、染色性のために樹脂の耐熱性を犠牲に
することが、必ずしも必須というわけではなくなってき
た。したがって、重合物のアッベ数を改良するために用
いるモノマーは、臭気のみならず、その重合物の耐熱性
をも維持向上するものが望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、含硫
黄プラスチックレンズについて、耐熱性に優れ、かつ、
その切削、研磨等の加工時に、硫黄特有の異臭、悪臭を
発生しない高屈折率の含硫黄プラスチックレンズを提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討を行った。現在市販されて
いる高屈折率(屈折率1.64以上)グレードの含硫黄
プラスチックレンズについて、メガネレンズ加工用のエ
ッジャーでコバズリ加工したときに発生するガスを採取
し、分析した結果、低分子量のエチル基など単純なアル
キル基を有するメルカプタン、スルフィド誘導体などが
極微量検出され、含硫プラスチックレンズの加工時に発
生する異臭、悪臭は、これらに由来するものと判断し
た。これらは、メガネレンズ樹脂を形成する分子構造の
うち、高い硫黄含有率のポリチオールモノマー由来の単
純なアルキリデンジチオ構造が加工時の高温で一部切断
されて生じたものと考えられる。そこで、ポリチオール
の分子構造を熱分解によってこれらのエチル基など単純
なアルキル基を有するメルカプタン、スルフィド誘導体
を生じないように変更し、同時に樹脂の耐熱性を大幅に
向上させ、根本的に熱加工時に分解を受け難くする分子
設計をポリチオール誘導体に取り入れることを目標に鋭
意検討を続けた結果、本発明を完成するに到った。
【0010】すなわち、本発明は、ポリチオールとポ
リイソシアナートを重合して得られる含硫ウレタン樹脂
からなるプラスチックレンズにおいて、ポリチオールと
して下記一般式(1)(化2)で表される化合物を、ポ
リイソシアナートとしてキシリレンジイソシアナートお
よび芳香環を有しない脂肪族ジイソシアナートを用いる
ことを特徴とする屈折率が1.64以上で、かつアッベ
数が30以上である高屈折率プラスチックレンズ、 ポリイソシアナートが、キシリレンジイソシアナート
を50〜80重量%、芳香環を有しない脂肪族ジイソシ
アナートを20〜50重量%含むものである記載の高
屈折率プラスチックレンズ、 芳香環を有しない脂肪族ジイソシアナートがノルボル
ネンジイソシアナートおよび/またはヘキサメチレンジ
イソシアナートであるまたは記載の高屈折率プラス
チックレンズ、 一般式(1)で表される化合物が、1,2,4−トリ
ス(メルカプトメチル)ベンゼンである〜のいずれ
かに記載の高屈折率プラスチックレンズ、に関するもの
である。
【0011】
【化2】 (式中、nは2〜4の整数を表す)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックレンズは、
ポリチオールとして前記一般式(1)で表される化合物
を用い、ポリイソシアナートとしてキシリレンジイソシ
アナートおよび芳香環を有しない脂肪族ジイソシアナー
トを用いることによって得られる、屈折率が1.64以
上で、かつアッベ数が30以上である高屈折率プラスチ
ックレンズであり、しかも、耐熱性に優れ、かつ、レン
ズの切削、研磨等の加工時に硫黄独特の悪臭や異臭を発
生することがないプラスチックレンズである。
【0013】本発明に用いられる一般式(1)で表され
るポリチオールとしては、o−キシリレンジチオール、
m−キシリレンジチオール、p−キシリレンジチオー
ル、1,2,4−トリスメルカプトメチルベンゼン、
1,3,5−トリスメルカプトメチルベンゼン、1,
2,3−トリスメルカプトメチルベンゼン、1,2,
3,4−テトラキスメルカプトメチルベンゼン、1,
2,4,5−テトラキスメルカプトメチルベンゼン等が
挙げられる。屈折率1.64以上を実現し、樹脂の耐熱
性を向上させ、しかも、モノマーの取り扱いが容易なよ
うに室温で液体状態を保つためには、メルカプトメチル
基はベンゼン環あたり3つが望ましい。したがって、本
発明に用いられる一般式(1)で表されるポリチオール
としては、トリスメルカプトメチルベンゼン誘導体がよ
り好ましく、重合して得られる樹脂の耐熱性の観点から
は、1,2,4−トリスメルカプトメチルベンゼンが特
に好ましい。
【0014】これらのポリチオールのうち、o−キシリ
レンジチオール、m−キシリレンジチオール、p−キシ
リレンジチオールは試薬として市販されており、その他
の化合物についても、公知の方法により製造できる。ま
た、それらの合成に必要な原料も入手が容易である。例
えば、1,2,4,5−テトラキスメルカプトメチルベ
ンゼンは、市販されているテトラキスブロモメチルベン
ゼンをチオ尿素と反応させた後、アルカリ水溶液中で加
水分解することによって得ることができる。対応するハ
ロメチルベンゼン誘導体が入手できないときは、メチル
ベンゼン誘導体を臭素やN−ブロムスクシンイミド(N
BS)により臭素化するか、ヒドロキシメチルベンゼン
誘導体をハロゲン化リンなどでハロゲン化するとよい。
【0015】本発明で用いられるポリイソシアネート
は、キシリレンジイソシアナートおよび芳香環を有しな
い脂肪族ジイソシアナートの混合物である。キシリレン
ジイソシアネートとしては、o−キシリレンジイソシア
ナート、m−キシリレンジイソシアナート、p−キシリ
レンジイソシアナート、テトラメチル−p−キシリレン
ジイソシアナート、テトラメチル−m−キシリレンジイ
ソシアナート等が挙げられる。また、芳香環を有しない
脂肪族ジイソシアナートとしては、エチレンジイソシア
ナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレ
ンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、オクタメチレンジイソシアナート、ノナメチレンジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ノルボ
ルネンジイソシアナート等が挙げられる。これらは単独
で用いても、また混合して用いてもよい。得られるレン
ズの屈折率や、入手の容易さなどを考慮すると、好まし
くは、ノルボルネンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、あるいはその混合物である。本発明
で用いられるポリイソシアネートは、キシリレンジイソ
シアナートを50〜80重量%、芳香環を有しない脂肪
族ジイソシアナートを20〜50重量%含むものが好ま
しく、芳香環を有しない脂肪族ジイソシアナートがノル
ボルネンジイソシアナートおよび/またはヘキサメチレ
ンジイソシアナートであるものがより好ましい。
【0016】本願発明の含硫黄ポリウレタンレンズは、
通常、注型重合により得られる。具体的には、モノマー
混合物と本願発明に用いる前述の化合物とをよく混合
し、この混合液を、必要に応じ、適当な方法で脱泡を行
った後、モールド中に注入し、加熱して重合させる。こ
の際、重合後の離型を容易にするため、モールドに公知
の離型処理を施しても差し支えない。また、所望の反応
速度に調節するために、公知の触媒を適宜添加してもよ
い。重合温度、重合時間は、使用するモノマーの組合せ
および添加する化合物の種類等により適宜決められ、例
えば、20〜200 ℃で 0.5〜100 時間を要して重合するこ
とができる。また、必要に応じて、公知の成型法におけ
ると同様に、内部離型剤、鎖延長剤、架橋剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油溶染料、充填剤など
の種々の物質を添加してもよい。また、本発明の含硫黄
プラスチックレンズは、必要に応じて、反射防止、高硬
度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、防曇牲付与ある
いはファッション性付与等の改良を行うため、表面研
磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処
理、染色処理、網光処理等の物理的あるいは化学的処理
を施すことが出来る。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に辞しく説
明するが、本発明はこれにより制限されるものではな
い。尚、実施例中に示す部は、重量部を示す。得られた
レンズの性能試験は以下の試験法により評価した。 ・屈折率、アッベ数:プルフリッヒ屈折計を用い、20℃
で測定した。 ・外 観:目視により観察した。 ・耐熱性:サーモメカニカルアナライザーTAS300
(理学電機製)を用い、試験片に5g加重し、2.5 ℃/
分で加熱して、その熱変形開始温度を測定した。 ・染色性:三井東圧染料(株)製のプラスチックレンズ
用分散染料であるML−Yellow、ML−Red、
ML−Blue、を各々5g/Lの水溶液に調製した染
色槽を使って、95℃で5分間浸漬し9mmの厚さの平
板を染色した。染色後、スペクトロフォトメーター、U
−2000(日立製作所製)を用いて400〜700n
mの透過率を測定した。総合評価として染色性が良好な
ものを(○)、染色性に劣るか、全く染色できないもの
を(×)とした。 ・吸水率:JIS−K−7209に基づいて、試験片を
作製し、室温で、水中に48時間浸漬し、その後の重量
変化から吸水率を測定した。 ・表面硬度:JIS−K−5401の塗膜用鉛筆引っ掻
き試験機を使用して、鉛筆硬度を測定した。
【0018】実施例1 m−キシリレンジイソシアナート9.1量部、ノルボル
ネンジイソシアナート8.2重量部、1,2,4−トリ
ス(メルカプトメチル)ベンゼン12.7重量部、ジメ
チルチンジクロライド0.01重量%(混合物の全量に
対して、以下同じ)を良く混合し、十分に脱泡した後、
この混合物を、離型処理したガラスモールド中に注入し
た。30℃から120 ℃まで22時間かけて徐々に昇温させ
ながら重合を行った。重合終了後、徐々に冷却し、重合
体をモールドより取り出した。得られたレンズは、無色
透明で耐衝撃性に優れ、屈折率1.65、アッベ数3
1、熱変形開始温度145℃であり、何ら臭気は感じら
れなかった。このレンズをキャリヤーとしてベンジルア
ルコール3%を用いて染色した。染色後の透過率は、M
L−Yellowで38%、ML−Redで41%、M
L−Blueで44%であり、染色性の総合評価は
(○)であった。このレンズを、眼鏡レンズ加工用のエ
ッジャーで切削、研磨したところ、硫黄特有の刺激的な
悪臭は全く発生せず、作業者が不快感を感じることはな
かった。
【0019】実施例2 m−キシリレンジイソシアナート21.6重量部、ノル
ボルネンジイソシアナート7.9重量部、1,2,4−
トリス(メルカプトメチル)ベンゼン22重量部、ジメ
チルチンジクロライド0.01重量%を良く混合し、十
分に脱泡した後、この混合物を、離型処理したガラスモ
ールド中に注入した。30℃から120 ℃まで22時間かけ
て徐々に昇温させながら重合を行った。重合終了後、徐
々に冷却し、重合体をモールドより取り出した。得られ
たレンズは、無色透明で耐衝撃性に優れ、屈折率1.6
5、アッベ数30、熱変形開始温度147℃であり、何
ら臭気は感じられなかった。このレンズを、キャリヤー
としてベンジルアルコール3%を用いて染色した。染色
後の透過率は、ML−Yellowで40%、ML−R
edで44%、ML−Blueで44%であり、染色性
の総合評価は(○)であった。このレンズを、眼鏡レン
ズ加工用のエッジャーで切削、研磨したところ、硫黄特
有の刺激的な悪臭は全く発生せず、作業者が不快感を感
じることはなかった。
【0020】実施例3 m−キシリレンジイソシアナート18.8重量部、ヘキ
サメチレンジイソシアナート10重量部、1,2,4−
トリス(メルカプトメチル)ベンゼン23重量部、ジメ
チルチンジクロライド0.01重量%を良く混合し、十
分に脱泡した後、この混合物を、離型処理したガラスモ
ールド中に注入した。30℃から120 ℃まで22時間かけ
て徐々に昇温させながら重合を行った。重合終了後、徐
々に冷却し、重合体をモールドより取り出した。得られ
たレンズは、無色透明で耐衝撃性に優れ、屈折率1.6
5、アッベ数30、熱変形開始温度137℃であり、何
ら臭気は感じられなかった。このレンズをキャリヤーと
してベンジルアルコール3%を用いて染色した。染色後
の透過率は、ML−Yellowで33%、ML−Re
dで37%、ML−Blueで41%であり染色性の総
合評価は(○)であった。このレンズを、眼鏡レンズ加
工用のエッジャーで切削、研磨したところ、硫黄特有の
刺激的な悪臭は全く発生せず、作業者が不快感を感じる
ことはなかった。
【0021】比較例1 m−キシリレンジイソシアナート39.1部、1,2,
4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン30.0部を
混合して均一液とし、十分に脱泡した後、離型処理を施
したガラスモールドとガスケットよりなるモールド型に
注入した。ついで、40℃から120 ℃まで徐々に昇温しな
がら、20時間かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐
々に冷却し、重合体をモールドより取り出した。得られ
た樹脂は、無色透明で、屈折率1.67であったが、ア
ッベ数は28と低かった。熱変形開始温度は132℃で
あった。この樹脂をキャリヤーとしてベンジルアルコー
ル3%を用いて染色した。染色後の透過率は、ML−Y
ellowで31%、ML−Redで34%、ML−B
lueで38%であり、染色性の総合評価は(○)であ
った。これを、眼鏡レンズ加工用のエッジャーで切削、
研磨したところ、硫黄特有の刺激的な悪臭は殆ど発生せ
ず、作業者が不快感を感じることはなかった。1,2,
4−トリスメルカプトメチルベンゼンとm−キシリレン
ジイソシアナートのみを1:1の官能基当量比で重合し
て得たこの樹脂は、アッベ数が28と低くかった。この
アッベ数はメガネレンズの色収差を示す指標の一つとし
てカタログ等に記載されているが、アッベ数が20台す
なわち30未満のレンズと、30台すなわち30以上の
レンズとでは顧客に与える印象上、商品的価値は全く別
物といって良いほどの大きな差を有するもので、いくら
屈折率が1.64を越える超高屈折率レンズ用樹脂とい
えど、アッベ数30以上を確保できなければ最高級グレ
ードのメガネレンズとは認められない。
【0022】比較例2 m−キシリレンジイソシアナート65.4部、1,2−
ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプ
トプロパン60.1部、ジブチルチンジラウレート0.
1重量%(混合物の全量に対して)を混合して均一液と
し、十分に脱泡した後、離型処理を施したガラスモール
ドとガスケットよりなるモールド型に注入した。つい
で、40℃から120 ℃まで徐々に昇温しながら、20時間
かけて加熱硬化させた。重合終了後、徐々に冷却し、重
合体をモールドより取り出した。得られた樹脂は、無色
透明で耐衝撃性に優れ、屈折率1.66、アッベ数33
であり、熱変形開始温度は84℃であった。染色後の透
過率は、ML−Yellowで24%、ML−Redで
31%、ML−Blueで40%であり、染色性の総合
評価は(○)であった。これを、眼鏡レンズ加工用のエ
ッジャーで切削、研磨したところ、硫黄特有の刺激的な
悪臭をはっきりと感じた。
【0023】
【発明の効果】本発明は、一般式(1)で表されるポリ
チオールと、キシリレンジイソシアナートおよび芳香環
を有しない脂肪族ジイソシアナートの混合物とを用いる
ことによって、得られる含硫プラスチックレンズの屈折
率およびアッベ数を好ましい範囲に維持しつつ、さら
に、耐熱性に優れ、かつ、切削、研磨等の加工時に臭気
を発しない極めて優れた性能を有するプラスチックレン
ズを提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 雅夫 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 藤井 謙一 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリチオールとポリイソシアナートを重
    合して得られる含硫ウレタン樹脂からなるプラスチック
    レンズにおいて、ポリチオールとして下記一般式(1)
    (化1)で表される化合物を、ポリイソシアナートとし
    てキシリレンジイソシアナートおよび芳香環を有しない
    脂肪族ジイソシアナートを用いることを特徴とする屈折
    率が1.64以上で、かつアッベ数が30以上である高
    屈折率プラスチックレンズ。 【化1】 (式中、nは2〜4の整数を表す)
  2. 【請求項2】 ポリイソシアナートが、キシリレンジイ
    ソシアナートを50〜80重量%、芳香環を有しない脂
    肪族ジイソシアナートを20〜50重量%含むものであ
    る請求項1記載の高屈折率プラスチックレンズ。
  3. 【請求項3】 芳香環を有しない脂肪族ジイソシアナー
    トがノルボルネンジイソシアナートおよび/またはヘキ
    サメチレンジイソシアナートである請求項1または2記
    載の高屈折率プラスチックレンズ。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される化合物が、1,
    2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼンである請
    求項1〜3のいずれかに記載の高屈折率プラスチックレ
    ンズ。
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