JPH1036157A - セメント混和剤およびセメント組成物 - Google Patents

セメント混和剤およびセメント組成物

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JPH1036157A
JPH1036157A JP19477096A JP19477096A JPH1036157A JP H1036157 A JPH1036157 A JP H1036157A JP 19477096 A JP19477096 A JP 19477096A JP 19477096 A JP19477096 A JP 19477096A JP H1036157 A JPH1036157 A JP H1036157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なアルキルアルコキシシランや乳化剤を
多量に使用することなく、セメント硬化物について、強
度劣化を伴わずに、充分な撥水性と吸水防止能とを長期
間維持して耐久性を高くすることである。 【解決手段】 セメント混和剤は、下記一般式(1)で
示されるシラン化合物(S)、その加水分解物およびそ
の重縮合物からなる群の中から選ばれる少なくとも1種
からなる有機ケイ素成分と、HLBが20を超え35以
下の値である乳化剤と、を含む。 【化1】 (但し、R4 は炭素数1〜20の1価炭化水素基、R5
は炭素数1〜6のアルキル基、pは1または2であ
る。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント混和剤お
よびセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、コンクリートあるいはモルタル等
の建築材料や、ALC等のセメント二次製品は、塩害、
炭酸ガスや酸性雨による中性化、凍害、鉄筋に発生する
錆、アルカリ骨材反応等の要因によって劣化が進行し、
そのため強度が低下するという耐久性の問題が指摘され
ている。
【0003】このような耐久性の低下は、前記建築材料
や前記セメント二次製品の内部への水分の浸透が主原因
であり、そのため、水分の浸入を抑制して前記劣化を防
止する方法が検討されている。たとえば、前記建築材料
や前記セメント二次製品の表面に、アルキルアルコキシ
シランを主成分とする浸透性吸水防止剤を塗布し、これ
により前記表面に吸水防止層を形成する方法(特開昭6
2−197369号公報等参照);アルキルアルコキシ
シランやオルガノポリシロキサン等の撥水性化合物をセ
メント中へ添加する方法(特開昭57−92561号公
報、特開平1−275454号公報、特開平2−124
751号公報、特開平2−199048号公報、特開平
3−5348号公報等参照)等が知られている。
【0004】しかしながら、浸透性吸水防止剤を塗布す
る前記方法では、塗布工程を必要とするため、前記建築
材料の施工期間が長くなったり、前記セメント二次製品
では工程が煩雑になったりし、不経済であるという問題
がある。一方、撥水性化合物をセメント中へ添加する前
記方法では、撥水性化合物を直接、セメント中へ添加す
ると、撥水性化合物の親水性が悪いため撥水性化合物を
セメント組成物中に均一に混練することが困難であり、
特に、アルキルアルコキシシランを撥水性化合物として
使用する場合には、添加と同時にアルキルアルコキシシ
ランの加水分解・重縮合反応が生じるため、アルキルア
ルコキシシランをセメント組成物中に均一に分散させる
ことがさらに困難になるので、高価なアルキルアルコキ
シシランを多量に使用する必要がある。そこで、アルキ
ルアルコキシシランやその加水分解・重縮合物と乳化剤
とを含むセメント混和剤をセメントに添加する方法が、
特表昭58−500061号公報、特開平6−3058
03号公報等に開示されている。しかし、この方法で
は、アルキルアルコキシシラン等の撥水性化合物を直接
添加する場合と比べてセメント中への分散性は確かに向
上するが、前記セメント混和剤をセメント中へ均一に分
散させようとすると、多量の乳化剤が必要となり、乳化
剤を多量に使用すると、各種劣化防止効果が実用上満足
するものでなくなる場合がある。劣化防止効果を十分に
付与させるためには、やはり、高価なアルキルアルコキ
シシラン等を多量に使用する必要があり、アルキルアル
コキシシランを多量に使用すると、コンクリート等の強
度低下が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高価
なアルキルアルコキシシランや乳化剤を多量に使用する
ことなく、セメント硬化物について、強度劣化を伴わず
に、充分な撥水性と吸水防止能とを長期間維持して耐久
性を高くすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、そこで、
高価なアルキルアルコキシシランを含むセメント混和剤
を少量使用して、劣化防止効果を長期にわたって得るた
めには、セメント硬化物において、アルキルアルコキシ
シラン濃度を表面近傍で高くし、その濃度を内部で低く
すれば、高価なアルキルアルコキシシランを多量に使用
しなくても上記課題を達成できると考えた。すなわち、
セメント混和剤を含んだセメント組成物中でのアルキル
アルコキシシランの加水分解・重縮合性を抑え、セメン
ト組成物が硬化する際に、水の蒸発と共に、アルキルア
ルコキシシランが表面近傍に移行する性質を有するセメ
ント混和剤について鋭意検討した結果、特定の乳化剤を
含有したセメント混和剤であれば、上記課題が解決され
ることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明にかかるセメント混和剤
は、下記一般式(1)で示されるシラン化合物(S)、
その加水分解物およびその重縮合物からなる群の中から
選ばれる少なくとも1種からなる有機ケイ素成分と、H
LBが20を超え35以下の値である乳化剤と、を含
む。
【0008】
【化2】
【0009】(但し、R4 は炭素数1〜20の1価炭化
水素基、R5 は炭素数1〜6のアルキル基、pは1また
は2である。) 本発明のセメント組成物は、セメントと、上記セメント
混和剤とを含む。本発明のセメント組成物の製造方法
は、セメントと、上記セメント混和剤を含む有機ケイ素
成分含有水分散液とを混合することを特徴とする。
【0010】本発明のセメント硬化物は、上記セメント
組成物を硬化したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】セメント混和剤 本発明のセメント混和剤は、有機ケイ素成分と、乳化剤
とを含む組成物であり、前記乳化剤のHLBは20を超
え35以下の値である。 〔有機ケイ素成分〕有機ケイ素成分は、上記一般式
(1)で示されるシラン化合物(S)、その加水分解物
およびその重縮合物からなる群の中から選ばれる少なく
とも1種からなり、撥水性および吸水防止性を有し、か
つセメントと結合したり、それ自身で加水分解・重縮合
して、後述のセメント組成物の硬化物に撥水層や吸水防
止層を生成することのできる成分である。また、有機ケ
イ素成分は、乳化剤とともにセメント混和剤に含まれ、
後述の有機ケイ素成分含有水分散液中に含まれる成分で
ある。
【0012】一般式(1)中、R4 は撥水性や吸水防止
性を示す基であり、炭素数1〜20の1価炭化水素基な
らば特に限定されないが、飽和アルキル基、アリール基
およびアラルキル基からなる群の中から選ばれる少なく
とも1種が好ましく、撥水性、吸水防止性、および耐久
性を著しく向上させれる点で炭素数4〜18のこれらの
基がより一層好ましい。中でも耐久性に優れる点で炭素
数4〜18の飽和アルキル基が最も好ましい。R4 が複
数である場合は、複数のR4 は互いに同一であっても良
く、異なっていても良い。
【0013】R4 の具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等の飽和ア
ルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベ
ンジル基等のアラルキル基;ビニル基、ヘキセニル基、
オクテニル基等のアルケニル基が挙げられる。
【0014】一般式(1)中、R5 は、セメントと結合
したり、それ自身で加水分解・重縮合できる基であり、
水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であれば特に
限定はなく、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が
挙げられる。中でも加水分解・重縮合性が高い点でメチ
ル基またはエチル基が好ましく、エチル基が最も好まし
い。メチル基では加水分解・重縮合性が高すぎるため、
本発明のセメント混和剤を含んだ有機ケイ素成分含有水
分散液では経時的に増粘・ゲル化等して、保存安定性に
支障をきたす場合がある。また、複数のR5 は互いに同
一であっても良く、異なっていても良い。pは1または
2であり、加水分解・重縮合性官能基を多く含有できる
点でpが1であるのが好ましい。
【0015】シラン化合物(S)の具体例としては、メ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリプロポキシシ
ラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリ
エトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソ
ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ
ン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキ
シシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリ
プロポキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシ
ルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラ
ン、テトラデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルト
リメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、
オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエ
トキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベ
ンジルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジ
メトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ヘキセニ
ルトリメトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン
が挙げられる。これらシラン化合物(S)は1種または
2種以上を使用しても良い。
【0016】一般式(1)において、R4 が炭素数4〜
18の飽和アルキル基、アリール基、アラルキル基から
なる群の中から選ばれる少なくとも1種、R5 がメチル
基またはエチル基、pが1であるトリアルコキシシラン
化合物が好ましい。特に、一般式(1)において、R4
が炭素数4〜18の飽和アルキル基、R5 がエチル基、
pが1であるトリアルコキシシラン化合物がさらに好ま
しい。これは、加水分解・重縮合性官能基を多く含有で
き、撥水性、吸水防止性および耐久性に優れたセメント
硬化物を与えるからである。
【0017】シラン化合物(S)の加水分解物およびそ
の重縮合物は、シラン化合物(S)を従来公知の方法
で、加水分解・重縮合することによって得られる。例え
ば、無溶媒中、または、シラン化合物(S)および水と
を溶解できるような有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒
としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セル
ソロブ類が挙げられる。水の量は、特に限定されない
が、水の量が多すぎると得られる重縮合物が高分子量体
となるため、セメント組成物中での有機ケイ素成分の分
散性が低下する場合がある。また、重縮合させる際に、
従来公知の酸触媒または塩基触媒を使用しても良い。
【0018】有機ケイ素成分の数平均分子量については
特に限定はないが、好ましくは5000以下、さらに好
ましくは2000以下、より一層好ましくは1000以
下である。前述の範囲を外れると、セメント組成物中で
の有機ケイ素成分の分散性が悪くなることがある。 〔乳化剤〕乳化剤のHLBは、20を超え35以下の値
であり、好ましくは21〜33、さらに好ましくは22
〜30の値である。乳化剤は、前記HLBの範囲内であ
れば特に限定されないが、通常、2種以上からなり、ノ
ニオン性乳化剤とイオン性乳化剤とを含んでいる。な
お、以下では、乳化剤が2種以上からなる場合は、その
HLBを混合HLBということがある。HLBが前記範
囲外であると、乳化性および乳化安定性が低下すると共
に、さらに、セメント組成物中での有機ケイ素成分の分
散性が低下し、さらに、セメント組成物の硬化物ではそ
の表面近傍の有機ケイ素成分濃度を高く、内部を低くす
ることが困難となり、セメント硬化物の吸水防止性、撥
水性および耐久性が低下する。なお、乳化剤を構成する
各成分のHLBおよび乳化剤の混合HLBの定義、およ
びその値は、後述した定義、算出方法によった。また、
乳化剤は、有機ケイ素成分とともにセメント混和剤に含
まれ、後述の有機ケイ素成分含有水分散液中に含まれる
成分である。
【0019】乳化剤のHLBが前記範囲内であれば、有
機ケイ素成分含有水分散液中の液滴の粒径が微細化する
ので、少量の乳化剤でも乳化安定性が向上するととも
に、セメント組成物中での有機ケイ素成分が良好に分散
し、セメント組成物の硬化物ではその表面近傍の有機ケ
イ素成分濃度を高く、内部を低くすることができるた
め、セメント硬化物の吸水防止性、耐久性等の物性が向
上する。
【0020】ノニオン性乳化剤の具体例としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステ
ル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル
類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン
脂肪酸エステル類、ジメチルシロキサンの側鎖や末端を
ポリアルキレンオキサイドで変性したジメチルシロキサ
ン共重合体類、セルロース類が挙げられる。
【0021】イオン性乳化剤は、通常、アニオン性乳化
剤とカチオン性乳化剤の2種類に分けられる。アニオン
性乳化剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン
酸塩類、高級アルコール硫酸エステル類、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸エステル類、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル類、アル
キルナフチル酸塩類等が挙げられる。
【0022】カチオン性乳化剤の具体例としては、アル
キルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等が挙げられ
る。乳化剤として2種以上が用いられ、その少なくとも
1種のHLBが40を超える値であると、少量の乳化剤
でも液滴の粒径がより微細化するので、有機ケイ素成分
含有水分散液の乳化安定性、セメント組成物中での有機
ケイ素成分の分散性が向上すると共に、セメント組成物
の硬化物ではその表面近傍の有機ケイ素成分濃度を高
く、内部を低くすることができ、セメント硬化物の吸水
防止性および耐久性がより向上するため好ましい。
【0023】乳化剤の少なくとも1種がイオン性部分お
よびノニオン性部分の両方を分子内に有し、ノニオン性
部分がエチレンオキシドの繰り返し単位からなり、繰り
返し単位の数が10以上であると、有機ケイ素成分含有
水分散液の乳化安定性、セメント組成物中での有機ケイ
素成分の分散性が向上すると共に、セメント組成物の硬
化物ではその表面近傍の有機ケイ素成分濃度を高く、内
部を低くすることができ、セメント硬化物の吸水防止性
および耐久性がさらに向上するため好ましい。このよう
な乳化剤の具体例としては、オキシエチレンの繰り返し
単位数が10以上であるポリオキシエチレンノニルフェ
ニルエーテル硫酸アンモニウム塩またはナトリウム塩、
オキシエチレンの繰り返し単位数10以上であるポリオ
キシエチレンジノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウ
ム塩またはナトリウム塩、オキシエチレンの繰り返し単
位数10以上であるポリオキシエチレンジスチリルフェ
ニルエーテル硫酸アンモニウム塩またはナトリウム塩、
オキシエチレンの繰り返し単位数10以上であるポリオ
キシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム塩また
はナトリウム塩等が挙げられる。なお、好ましいもの
は、オキシエチレンの繰り返し単位数が15以上である
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモ
ニウム塩またはそのナトリウム塩である。
【0024】HLBの算出方法については、Griff
in、川上、Davies、小田らによって種々のHL
B計算式が定義され、提案されている。本発明では、乳
化剤がノニオン性の場合はGriffinの式に従い、
イオン性またはイオン性とノニオン性との両方を有して
いる場合はDaviesの式に従った。その理由は、通
常これらの式に従ってHLBが計算されることが多いた
めである。
【0025】<Griffinの式> 親水部分がオキシエチレンにより成っているもの、
例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シ脂肪酸エステル等の場合 HLB=E/5 E:分子中のオキシエチレンの
重量% 親水部分がオキシエチレンと多価アルコールより成
っているもので、明瞭なケン化価が得にくい場合 HLB=(E+P)/5 E:分子中のオキシエチレンの重量% P:分子中の多価アルコールの重量% 脂肪酸の多価アルコールエステル、例えば(ポリオキ
シエチレン)ソルビタンの脂肪酸エステル、モノグリセ
リド等の場合 HLB=20(1−S/N) S:エステルのケン化価 N:エステルを構成する脂肪酸の中和価 <Daviesの式> HLB=7+ΣL+ΣH L:疎水基のHLB基数 H:親水基のHLB基数 DaviesのHLB基数は下記の表1に示す通り。
【0026】
【表1】
【0027】乳化剤の混合HLB値(混合HLB)は、
乳化剤が2種以上からなるため、以下の算出方法によっ
て計算される。 混合HLB値= Σ(Wi×HLBi)/100 Wi:1種の乳化剤の重量% HLBi:1種の乳化剤のHLB値 乳化剤がアルコキシシリル基を有する化合物を含むと、
アルコキシシリル基が加水分解可能で、セメントと結合
可能な反応性を有するようになり、乳化剤のブリードが
抑制され、セメント硬化物は、経時的な吸水防止性や撥
水性の低下が小さくなり、耐久性に優れたものとなるた
めに好ましい。
【0028】アルコキシシリル基を有する化合物の具体
例としては、下記一般式(2)で示されるアルコキシシ
ラン化合物(A)、下記一般式(3)〜(6)で示され
るアルコキシシリル基を有する化合物、骨格が炭素、ケ
イ素、酸素、窒素等からなり、疎水基(炭素数が8以上
のアルキル基等)、親水基(アルキレンオキシド基、ス
ルホン酸塩基、カルボン酸塩基、4級アンモニウム塩基
等)およびアルコキシシリル基を含有する化合物、ある
いは、これらの加水分解物およびその重縮合物からなる
群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。上記アル
コキシシリル基を有する化合物は1種または2種以上を
併用して使用しても良い。
【0029】
【化3】
【0030】但し、R1 :H、ハロゲン原子または炭素
数1〜20の炭化水素基 R2 :炭素数1〜10の炭化水素基 R3 :炭素数1〜10の置換してもよいアルキル基 A :炭素数2〜4の置換してもよいアルキレン基 B :H、SO3 NH4 、SO3 Na、CO2 NH4
たはCO2 Na m :1〜200の整数 n :0〜2の整数
【0031】
【化4】
【0032】但し、R6 :置換基を有していても良いア
ルキル基 R7 :炭素数1〜10の炭化水素基 R8 :炭素数1〜10の置換していても良いアルキル基 D:SO3 Na、SO3 NH4 、CO2 Na、CO2
4 または−N(R9 3 Y R9 :炭素数1〜10の炭化水素基 Y:ハロゲン原子 q:0〜2の整数
【0033】
【化5】
【0034】R6 :置換基を有していても良いアルキル
基 R7 :炭素数1〜10の炭化水素基 R8 :炭素数1〜10の置換していても良いアルキル基 E:SO3 Na、SO3 NH4 、CO2 Na、CO2
4 または−N(R9 3 Y R9 :炭素数1〜10の炭化水素基 Y:ハロゲン原子 r:0〜2の整数
【0035】
【化6】
【0036】R10:炭素数1〜10の炭化水素基 R11:炭素数1〜10の置換していても良いアルキル基 s:0〜2の整数 F:炭素数2〜4の置換していても良いアルキレン基 G:H、SO3 Na、SO3 NH4 、CO2 Naまたは
CO2 NH4 t:1〜200の整数 x:1以上の整数
【0037】
【化7】
【0038】R10:炭素数1〜10の炭化水素基 R11:炭素数1〜10の置換していても良いアルキル基 R12:置換基を有していても良い炭化水素基 u:0〜2の整数 v:1以上の整数 J:炭素数2〜4の置換していても良いアルキレン基 w:1〜200の整数 乳化剤が、上記一般式(2)で示されるアルコキシシラ
ン化合物(A)、その加水分解物およびその重縮合物か
らなる群より選ばれる少なくとも1種を含むと、加水分
解可能で、セメントと結合可能な反応性が大きくなり、
セメント組成物の硬化物の吸水防止性および耐久性が最
も向上するため好ましい。 〔セメント混和剤〕本発明のセメント混和剤は、前述し
たように、有機ケイ素成分と乳化剤とを含む。
【0039】セメント混和剤中に含まれる有機ケイ素成
分および乳化剤の配合割合については、特に限定はされ
ないが、たとえば、乳化剤の配合割合が有機ケイ素成分
に対して、好ましくは0.01〜5重量%、より好まし
くは0.05〜3重量%、さらに好ましくは0.1〜2
重量%、最も好ましくは0.2〜1重量%の範囲であ
る。乳化剤が少なすぎると、セメント混和剤を含んだセ
メント組成物中での有機ケイ素成分の分散性が低下する
場合があり、一方、多すぎると、セメント組成物の硬化
物の撥水性や吸水防止性が低下したり、耐久性が悪い場
合がある。 〔有機ケイ素成分含有水分散液〕有機ケイ素成分含有水
分散液は、前記セメント混和剤を含む水分散液である。
水分散液中のセメント混和剤の濃度は特に限定はされな
いが、濃度が低いとセメント組成物を製造する際にこれ
を多量に使用する必要があり、また、濃度が高いとセメ
ントへの分散性が低下するおそれがあるため、有機ケイ
素成分含有水分散液中に含まれる有機ケイ素成分の濃度
は、5〜60重量%が好ましく、10〜55重量%がさ
らに好ましく、15〜50重量%が最も好ましい。
【0040】有機ケイ素成分含有水分散液中には、従来
公知の増粘剤、pH緩衝剤、pH調整剤、シリカゾル、
アルミナゾル、セリアゾル、紫外線吸収剤、水溶性ポリ
マー、有機系乳化重合物、防カビ剤、防藻剤、防蟻剤等
を混合しても良く、これら添加剤に限定されない。有機
ケイ素成分含有水分散液を調製する方法としては、一般
の混合や乳化する方法が用いられ、特に限定はない。例
えば、スターラー、ホモミキサー、ウルトラディスパー
サー、高圧ホモジナイザー等で高速攪拌しながら、セメ
ント混和剤を構成する成分である有機ケイ素成分と乳化
剤とを、別々または混合した液を水に少しずつ添加した
り、乳化剤と水の混合液に有機ケイ素成分を少しずつ添
加したり、あるいはこれらの逆を行うことにより、セメ
ント混和剤を含んだ有機ケイ素成分含有水分散液が得ら
れる。セメント組成物およびその製造方法 本発明のセメント組成物は、前述したように、セメント
と前記セメント混和剤とを含む。その製造方法は、セメ
ントと前記有機ケイ素成分含有水分散液とを混合するこ
とを特徴とする。 〔セメント〕本発明で用いられるセメントとしては、特
に限定されないが、たとえば、普通ポルトランドセメン
ト、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセメン
トや、シリカセメント、フライアッシュセメント、高炉
セメント、アルミナセメント等が挙げられる。上記セメ
ントを2種類以上を混合して用いてもよい。中でも、ポ
ルトランドセメントが、通常よく使用される。 〔セメント組成物およびその製造方法〕本発明のセメン
ト組成物は、セメントとセメント混和剤とを含み、この
中に含まれるセメント混和剤の配合割合は、特に限定は
されないが、たとえば、セメント混和剤中の有機ケイ素
成分が、セメントに対して、好ましくは0.01〜1.
0重量%、より好ましくは0.02〜0.4重量%、さ
らに好ましくは0.03〜0.3重量%、最も好ましく
は0.05〜0.3重量%となるように配合される。セ
メントに対するセメント混和剤中の有機ケイ素成分が少
なすぎると、撥水性、吸水防止性、耐久性が悪くなる場
合がある。また、多すぎると、セメント硬化物の強度が
低下する場合がある。
【0041】セメント組成物中には水が含まれている。
この水は、もともと前述の有機ケイ素成分含有水分散液
に含まれていたものや、セメントと有機ケイ素成分含有
水分散液とを配合してセメント組成物を製造する際に必
要に応じて添加されたものである。セメント組成物中に
含まれる水の配合割合は、特に限定はされないが、たと
えば、セメントに対して、好ましくは15〜85重量
%、より好ましくは20〜80重量%、さらに好ましく
は30〜70重量%、最も好ましくは40〜70重量%
の範囲である。水が少なすぎると、各種成分の混合が不
十分となって、硬化物に成形できなかったり、強度が低
下したり、撥水性、吸水防止性が低下する場合がある。
また、多すぎると、セメントの硬化が遅くなったり、強
度が低下する場合がある。
【0042】本発明のセメント組成物には、必要に応じ
て、その他の材料が配合されていてもよい。その他の材
料としては、従来のセメント組成物と同様のものを用い
ることができ、特に限定はされないが、たとえば、セメ
ント組成物をモルタルに用いる場合には砂等の細骨材が
配合される。また、セメント組成物をコンクリートに用
いる場合には、砂利、砕石等の粗骨材等が配合される。
これら骨材に、鋼繊維、ガラス繊維等の繊維質を併用し
てもよい。
【0043】さらに、本発明のセメント組成物に、減水
剤、AE減水剤、流動化剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減
剤、膨張剤、防錆剤等の通常使用される各種添加剤を混
合してもよい。本発明のセメント組成物を製造する方法
としては、特に限定はされないが、従来のセメント組成
物と同様の方法、たとえば、セメントと水とその他の配
合材料とを混合する時に、あらかじめ調製した有機ケイ
素成分および乳化剤(セメント混和剤)を含む有機ケイ
素成分含有水分散液を配合して一緒に混合する方法;セ
メントと水とその他の配合材料とを予め混合し、得られ
た混合物に有機ケイ素成分含有水分散液を添加混合する
方法等が挙げられる。セメント硬化物 本発明のセメント硬化物は、前記セメント組成物を硬化
したものである。
【0044】本発明のセメント硬化物は、本発明のセメ
ント組成物を、たとえば、従来と同様の方法で硬化して
製造される。セメント硬化物として、たとえば、打放し
コンクリート、プレキャストコンクリート、軽量気泡コ
ンクリート(ALC)、軽量コンクリート、セメント
板、押出しセメント板、石綿セメント板、パルプセメン
ト板、木毛セメント板、ガラス繊維入りセメント板、カ
ーボン繊維入りセメント板、モルタル、目地モルタル、
ブロック等の、本発明のセメント組成物を硬化して得ら
れる土木建築材料を挙げることができる。
【0045】本発明のセメント混和物に含まれる有機ケ
イ素成分は、セメント組成物の硬化時に、さらに加水分
解・重縮合反応によりセメント硬化物の表面および内部
において強固に且つ優れた吸水防止層や撥水層を形成
し、雨水、汚水、酸性雨によるセメント硬化物の劣化や
汚れのしみこみ、海(塩)水による被害、寒冷地におけ
る凍結融解作用によるひび割れ、セメント硬化物からの
塩の溶出による白華等の解決に有用である。水蒸気を放
出する機能も有するため炭酸ガスによる中性化、骨材に
含まれるシリカとアルカリによるアルカリ骨材反応の防
止等にも優れている。また、セメント硬化物の表面近傍
に形成された吸水防止層や撥水層が厚いため、その耐久
性の向上が図れる。
【0046】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例および比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。「%」
は特に限定のない限り「重量%」を示す。まず、以下の
実施例A1〜A4によりセメント混和剤を含んだ有機ケ
イ素成分含有水分散液を、比較例A1〜A2により比較
用セメント混和剤を含んだ比較用有機ケイ素成分含有水
分散液をそれぞれ製造した。 〔実施例A1〕水49.8gにオキシエチレンの繰り返
し単位数22であるポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル硫酸ナトリウム塩(HLB45.8)0.08
gを溶解した混合液をホモミキサーを用いて高速攪拌し
ながら、この混合液に、ヘキシルトリエトキシシラン5
0gにソルビタンモノラウレート(HLB8.6)0.
12gを溶解した混合液を徐々に添加、混合して乳化を
行った(混合HLB23.5)。そのまま30分間高速
攪拌を続けてセメント混和剤を含んだ有機ケイ素成分含
有水分散液(1)を得た。 〔実施例A2〜A4〕実施例A1において、有機ケイ素
成分および乳化剤の各々の種類および量を表2に示すよ
うに変更した以外は、実施例A1と同様にしてセメント
混和剤を含んだ有機ケイ素成分含有水分散液(2)〜
(4)を得た。 〔比較例A1,A2〕実施例A1において、有機ケイ素
成分および乳化剤の各々の種類および量を表3に示すよ
うに変更した以外は、実施例A1と同様にして、比較用
セメント混和剤を含んだ比較用有機ケイ素成分含有水分
散液(11)、(12)を得た。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】〔実施例B1〕普通ポルトランドセメント
と豊浦標準砂とを重量比で1:2.5の割合でモルタル
ミキサーで混合後、合成例1で得られた有機ケイ素成分
含有水分散液(1)を有機ケイ素成分がセメントに対し
て0.07%となるように秤量して水で希釈したもの
(希釈に使用した水の量はモルタルの流動性がフロー値
で160±5mmとなるように調節)を添加し、モルタル
ミキサーで3分間混合することにより、セメント組成物
(1)を得た。
【0050】次いで、セメント組成物(1)を寸法40
×40×160mmに成形し、温度20℃、相対湿度90
%の条件下で24時間養生した後、脱型し、20℃の水
中で6日間、次いで20℃、相対湿度65%の条件下
で、さらに1週間養生して、セメント硬化物(1)を得
た。得られたセメント硬化物(1)について、吸水試
験、塩化物イオン浸入試験、圧縮強度試験、有機ケイ素
成分の分布状態の観察を、下記の方法に従って行った。
その結果を表4に示す。吸水試験 :得られたセメント硬化物を25℃の水中に7
2時間浸漬した後、その浸漬前後の重量変化により、下
式を用いて吸水率を求めた。
【0051】吸水率(%)=〔(浸漬後のセメント硬化
物重量)−(浸漬前のセメント硬化物重量)〕/(浸漬
前のセメント硬化物重量)×100 なお、有機ケイ素成分含有水分散液を用いないで作製し
たセメント硬化物の吸水率は9.5%であった。塩化物イオン浸入試験 :得られたセメント硬化物を3%
食塩水中に72時間浸漬した後、セメント硬化物を破断
し、その破断面に0.1%フルオレセインナトリウム溶
液および0.1N−AgNO3 水溶液を吹き付け、破断
面の色の変化により、Cl- の浸入の程度を観察した。
【0052】 ○:Cl- の浸入なし ×:断面の周囲にCl- 浸入 なお、有機ケイ素成分含有水分散液を用いないで作製し
たセメント硬化物では、破断面全体にCl- 浸入が認め
られた。圧縮強度試験 :JIS−R5201に準拠して圧縮強度
試験を行い、次式によって、相対圧縮強度比を求めた。
【0053】相対圧縮強度比=(有機ケイ素成分含有水
分散液使用時のセメント硬化物の圧縮強度)/(有機ケ
イ素成分含有水分散液未使用時のセメント硬化物の圧縮
強度)有機ケイ素成分の分布状態の観察 :得られたセメント硬
化物を2分割し、その分割面に水を吹き付け、表面近傍
(表面から3mm位の深さ範囲)と内部(表面近傍以外の
部分)の濡れ色状態を観察した。
【0054】 ○:全体的に強い撥水性を示す(濡れ色ならず) △:全体的に弱い撥水性を示す(わずかに濡れ色) ×:撥水性を示す部分と示さない部分が混在する。 〔実施例B2〜B4〕実施例B1において、有機ケイ素
成分含有水分散液(1)の代わりに、実施例A2〜A4
で得られた有機ケイ素成分含有水分散液(2)〜(4)
を用いたこと以外は実施例B1と同様にして、セメント
組成物(2)〜(4)を得た。さらに、それらのセメン
ト硬化物(2)〜(4)を得た。
【0055】得られたセメント硬化物(2)〜(4)に
ついて、実施例B1と同様の方法で各種試験および観察
を行った。その結果を表4に示す。 〔比較例B1、B2〕実施例B1において、有機ケイ素
成分含有水分散液(1)の代わりに、ヘキシルトリエト
キシシランをセメントに対してそれぞれ2.0%、0.
07%使用したこと以外は実施例B1と同様にして、比
較用セメント組成物(11)、(12)を得た。さら
に、それらの比較用セメント硬化物(11)、(12)
を得た。
【0056】得られた比較用セメント硬化物(11)、
(12)について、実施例B1と同様の方法で各種試験
および観察を行った。その結果を表4に示す。 〔比較例B3、B4〕実施例B1において、有機ケイ素
成分含有水分散液(1)の代わりに、比較例A1、A2
で得られた比較用有機ケイ素成分含有水分散液(1
1)、(12)を用いたこと以外は実施例B1と同様に
して、比較用セメント組成物(13)、(14)を得
た。さらに、それらの比較用セメント硬化物(13)、
(14)を得た。
【0057】得られた比較用セメント硬化物(13)、
(14)について、実施例B1と同様の方法で各種試験
および観察を行った。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】表4にみるように、比較例B1では強度が
低下した。これは、ヘキシルトリエトキシシランを多量
にしたためと思われる。また、比較例B2では有機ケイ
素成分が不均一であり、吸水率が大きく、Cl- の浸入
が認められた。比較例B3およびB4では、表面近傍で
の有機ケイ素成分濃度が低いため、吸水率が大きく、C
- の浸入が認められた。
【0060】
【発明の効果】本発明は、高価なアルキルアルコキシシ
ランや乳化剤を多量に使用することなく、セメント硬化
物について、強度劣化を伴わずに、充分な撥水性と吸水
防止能とを長期間維持して耐久性を高くすることが実現
できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で示されるシラン化合物
    (S)、その加水分解物およびその重縮合物からなる群
    の中から選ばれる少なくとも1種からなる有機ケイ素成
    分と、 HLBが20を超え35以下の値である乳化剤と、を含
    むセメント混和剤。 【化1】 (但し、R4 は炭素数1〜20の1価炭化水素基、R5
    は炭素数1〜6のアルキル基、pは1または2であ
    る。)
  2. 【請求項2】前記乳化剤としては2種以上が用いられ、
    その少なくとも1種のHLBが40を超える値である請
    求項1に記載のセメント混和剤。
  3. 【請求項3】前記乳化剤の少なくとも1種がイオン性部
    分およびノニオン性部分の両方を分子内に有し、前記ノ
    ニオン性部分がエチレンオキシドの繰り返し単位からな
    り、前記繰り返し単位の数が10以上である請求項1ま
    たは2に記載のセメント混和剤。
  4. 【請求項4】セメントと、請求項1〜3のいずれかに記
    載のセメント混和剤とを含むセメント組成物。
  5. 【請求項5】セメントと、請求項1〜3のいずれかに記
    載のセメント混和剤を含む有機ケイ素成分含有水分散液
    とを混合することを特徴とするセメント組成物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載のセメント組成物を硬化し
    てなるセメント硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007091541A (ja) * 2005-09-29 2007-04-12 Taiheiyo Cement Corp セメント系組成物用混和剤及びこれを含むセメント系組成物
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WO2021187520A1 (ja) 2020-03-17 2021-09-23 ダウ・東レ株式会社 プレキャストコンクリート成形体
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