JPH1036109A - メソポーラス無機高分子の製造方法 - Google Patents

メソポーラス無機高分子の製造方法

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JPH1036109A
JPH1036109A JP8192162A JP19216296A JPH1036109A JP H1036109 A JPH1036109 A JP H1036109A JP 8192162 A JP8192162 A JP 8192162A JP 19216296 A JP19216296 A JP 19216296A JP H1036109 A JPH1036109 A JP H1036109A
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mesoporous inorganic
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修一 鹿川
Yasutake Teraoka
靖剛 寺岡
Yukako Setoguchi
由加子 瀬戸口
Isamu Moriguchi
勇 森口
Nariyuki Tomonaga
成之 朝長
Jun Izumi
順 泉
Akinori Yasutake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミセルを形成する有機テンプレートを使用す
るメソポーラス無機化合物の製造方法において、安価な
原料を用いて低温で合成でき、しかも有機テンプレート
の除去が容易で回収再使用することができるメソポーラ
ス無機化合物の製造方法を提供すること。 【解決手段】 無機のSi化合物からなるシリカ源の水
溶液と有機物の水溶液又は無機のSi化合物からなるシ
リカ源とアルミナ源との混合物の水溶液と有機物の水溶
液を温度20〜100℃の条件下で混合し、シリカ源の
みの場合はpH0〜12、シリカ源とアルミナ源の場合
はpH6〜12、温度20〜100℃の条件下でかき混
ぜて晶析反応を行わせた後、固形物をろ過水洗、乾燥
し、得られた有機物を含有する珪酸高分子又はアルミノ
珪酸高分子から有機物を除去することを特徴とするメソ
ポーラス無機高分子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は触媒や吸着剤等とし
て有用なメソポーラスシリケートやメソポーラスアルミ
ノシリケートなどのメソポーラス無機高分子を安価に製
造することができるメソポーラス無機高分子の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】MCM−41等のメソポーラスシリケー
トは約10オングストローム以上の内径の中空を有する
柱状構造物の集合体であり、その表面積は最大1500
2 /gに達する多孔質体である。この多孔質体はモー
ビル社の国際公開WO第91/11390号(特開平5
−503499号公報参照)で最初に公開されたもので
あり、シリカゾルに、水酸化ナトリウム水溶液に溶解し
たn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド及び硫
酸を少量ずつ交互に加えた後、pHを13.5程度に調
整してゲル化し、これを室温で2時間攪拌した後、オー
トクレーブ中で140℃、48時間静置して水熱合成を
行い生成物をろ過水洗、乾燥した後、550℃で数時間
焼成して残留する有機物を除去することによって得られ
る。該刊行物によるとpHを13.5程度に調整された
ゲルの中ではn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロ
リドが棒状のミセルを形成し、その表面に珪酸が配位
し、140℃の温度条件下で表面の珪酸が脱水、縮重合
してSi−O−Siのネットワークが形成するとされて
いる。形成されたn−ドデシルトリメチルアンモニウム
クロリドのミセルは550℃の昇温に伴い焼成除去され
て外表面に配位し水熱合成で形成されたシリカネットワ
ークはそのまま残るため約10オングストローム以上の
中空を有するシリカ多孔質体が得られることとなる。こ
の多孔質体はn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロ
リドのような形状決定剤(有機テンプレートとも呼ぶ)
の大きさを調整することによりその中空の内径を変更す
ることも可能である。
【0003】このメソポーラス物質の製造方法には80
℃以上、好ましくは140℃の高温高圧での水熱合成が
必要であり、このための反応設備が本物質のコストの上
昇の要因の一つとなっている。これに対してシリカ源と
してテトラエトキシシラン(TEOS)を使用し、pH
を0程度の酸性条件で、ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウムブロミド等の有機テンプレートと反応させること
により得られる物質は、室温で脱水縮合が進行してMC
M−41と類似の柱状で表面積が1000m2/g以上
の多孔質体を生成することが報告されている( Stucky
等 : Chem.Mater,1994,6,1176-1191 )。この方法では
高温の水熱合成が省略されるため、高温高圧容器を使用
する必要がなく、100℃以下での反応のため大気圧で
の本物質の製造が可能となり、設備費、加熱用熱量の低
減効果はかなり大きい。しかしこのようなコスト低減効
果はあるものの、従来のMCM−41ではシリカ源とし
て安価なシリカゾルを用いたのに対し、低温酸性でのこ
の方法ではシリカゾルに比べて高価なTEOSを用いる
ため、原料費が上昇することから全コストとしては必ず
しも安価な製造方法とはなっていない。
【0004】従来無機系の多孔質体としてはA、X、
Y、ペンタシル等のゼオライトがよく知られているが、
これらゼオライト系の多孔質体では細孔内比表面積は6
00m 2 /g程度であり、活性炭系の吸着剤の1500
−2000m2 /gに対し1/3程度に留まり、これら
が活性炭に比べて吸着剤として性能の差異につながる場
合が多かった。この点でMCM−41及び低温酸性で合
成されるメソポーラスシリケートでは活性炭に匹敵する
比表面積を有し、かつ珪素の酸化物から構成されるた
め、活性炭系の多孔質体に比べて化学的に極めて安定と
考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、こ
れらのメソポーラスシリケートは極めて優れた吸着能を
有する無機高分子として各分野での利用が期待される
が、なお次のような課題がある。
【0006】1)低温酸性メソポーラスシリケートの製
造方法では室温での製造が実現されるものの、シリカ源
としては高価なTEOSの使用が必要なこと、pHを保
つために塩酸の使用量が多く、また、廃液処理に手間が
かかることなどからトータルコストとしては必ずしも低
減されない。 2)MCM−41及び低温酸性で合成されるメソポーラ
スシリケートの製造においては、有機テンプレートとし
て使用するn−ドデシルトリメチルアンモニウムクロリ
ド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等の
原料は非常に高価であり、このため、製造されるメソポ
ーラス無機高分子の価格は先述したA,X,Y型ゼオラ
イトに比較して10倍程度のコストが予想され、そのコ
ストの60〜80%以上を有機テンプレートが占めてい
る。しかも、従来の方法では、この有機テンプレートの
ミセルの表面にシリカが配位し脱水縮合によりSi−O
−Siのネットワークの形成が進行してメソポーラスシ
リケートが生成すると考えられているため原理的に有機
テンプレートの使用量を大幅に削減することは難しく、
また、化学構造から考えて近い将来コストを低減し得る
とも考えにくい。このためこのような有機テンプレート
を使用する限り、これらのメソポーラスシリケートの触
媒、吸着剤等の工業用素材としての採用には経済的な制
約が加わることとなる。
【0007】3)ミセルを形成する有機テンプレートの
除去には現在550℃程度での焼成が必要であるが、ミ
セルの表面に生成したシリカのネットワークは不安定で
あり、過度な焼成では生成した中空のシリカネットワー
クが破壊され、また焼成が不十分な場合にはテンプレー
トが中空の中に残存して細孔容積の減少をきたすと共
に、熱分解生成物が残存する場合には、内表面の吸着活
性点が減少してメソポーラスな多孔質体としての機能は
期待できないこととなる。工業的には大量の素材を対象
として精度の高い均一な熱処理条件でシリカ多孔質体の
中空から有機テンプレートを除去することは難しく、シ
リカネットワークが破壊されない効率的な有機テンプレ
ートの除去については高度な熱処理の管理が必要とな
る。
【0008】本発明は上記従来技術における問題点を解
決し、ミセルを形成する有機テンプレートを使用するメ
ソポーラス無機高分子の製造方法において、低温でシリ
カネットワークを形成することができ、しかもシリカネ
ットワークの破壊を起こすことなく、容易に有機テンプ
レートの除去が可能で、さらに除去した有機テンプレー
トを回収再使用することにより、有機テンプレートの使
用量を削減することができるメソポーラス無機高分子の
製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】メソポーラス無機高分子
の工業規模での製造においては、シリカ源としてTEO
Sに代わる安価な原料の使用、ヘキサデシルピリジニウ
ムクロリド等の有機テンプレートの使用量の削減とメソ
ポーラスな中空を得るためのこれら有機テンプレートの
Si−O−Si、Si−O−Al等のネットワークを破
壊しない効率的な除去が必要である。本発明者らは前記
課題を解決すべくメソポーラス無機高分子の低温合成方
法について種々検討の結果、特定の状態のSiを含むシ
リカ源を使用すれば、従来のTEOSなどに比較して安
価なシリカ源を使用してメソポーラス無機高分子が合成
できることを見出した。また、有機物を含むメソポーラ
ス無機高分子の前駆体からの有機物の除去方法としては
従来行われている高温焼成でもよいが、溶剤を使用して
抽出除去することにより有機テンプレートの回収、再使
用が可能となり、さらに有機テンプレートの除去後の熱
処理も不要か、従来に比較して緩やかな条件での熱処理
で充分であり、高温焼成の際のシリカネットワークの損
傷を低減できる利点がある。
【0010】すなわち、本発明は次の(1)〜(20)
の構成を採るものである。 (1)無機のSi化合物からなるシリカ源の水溶液と有
機物の水溶液を温度20〜100℃の条件下で混合し、
pH0〜12、温度20〜100℃の条件下でかき混ぜ
て晶析反応を行わせた後、固形物をろ過水洗、乾燥し、
得られた有機物を含有する珪酸高分子から有機物を除去
することを特徴とするメソポーラス無機高分子の製造方
法。
【0011】(2)前記シリカ源として少なくともQ0
〜Q3 状態のSiを含有する無機のSi化合物を使用す
ることを特徴とする前記(1) のメソポーラス無機高分子
の製造方法。 (3)前記シリカ源としてQ0 〜Q3 状態のSiを含有
する珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾルからなる
群から選ばれる1種以上の無機のSi化合物を使用する
ことを特徴とする前記(2) のメソポーラス無機高分子の
製造方法。
【0012】(4)前記シリカ源としてQ4 状態のSi
を含有しない無機のSi化合物を使用することを特徴と
する前記(1) のメソポーラス無機高分子の製造方法。 (5)前記シリカ源としてQ4 状態のSiを含有しない
珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾルからなる群か
ら選ばれる1種以上の無機のSi化合物を使用すること
を特徴とする前記(4) のメソポーラス無機高分子の製造
方法。
【0013】(6)前記有機物を除去する方法が熱処理
であることを特徴とする前記 (1)〜(5) のいずれかのメ
ソポーラス無機高分子の製造方法。 (7)前記有機物を除去する方法が溶剤による抽出であ
ることを特徴とする前記(1)〜(5) のいずれかのメソポ
ーラス無機高分子の製造方法。 (8)前記有機物の抽出に使用する溶剤がアルコールで
あることを特徴とする前記 (7)のメソポーラス無機高分
子の製造方法。 (9)前記有機物の抽出に使用する溶剤が超臨界条件の
流体であることを特徴とする前記(7) のメソポーラス無
機高分子の製造方法。
【0014】(10)無機のSi化合物からなるシリカ
源とアルミナ源との混合物の水溶液と有機物の水溶液を
温度20〜100℃の条件下で混合し、pH6〜12、
温度20〜100℃の条件下でかき混ぜて晶析反応を行
わせた後、固形物をろ過水洗、乾燥し、得られた有機物
を含有するアルミノ珪酸高分子から有機物を除去するこ
とを特徴とするメソポーラス無機高分子の製造方法。
【0015】(11)前記シリカ源として少なくともQ
0 〜Q3 状態のSiを含有する無機のSi化合物を使用
することを特徴とする前記(10)のメソポーラス無機高分
子の製造方法。 (12)前記シリカ源としてQ0 〜Q3 状態のSiを含
有する珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾルからな
る群から選ばれる1種以上の無機のSi化合物を使用す
ることを特徴とする前記(11)のメソポーラス無機高分子
の製造方法。
【0016】(13)前記シリカ源としてQ4 状態のS
iを含有しない無機のSi化合物を使用することを特徴
とする前記(10)のメソポーラス無機高分子の製造方法。 (14)前記シリカ源としてQ4 状態のSiを含有しな
い珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾルからなる群
から選ばれる1種以上の無機のSi化合物を使用するこ
とを特徴とする前記(13)のメソポーラス無機高分子の製
造方法。
【0017】(15)前記有機物を除去する方法が熱処
理であることを特徴とする前記(10)〜(14)のいずれかの
メソポーラス無機高分子の製造方法。 (16)前記有機物を除去する方法が溶剤による抽出で
あることを特徴とする前記(10)〜(14)のメソポーラス無
機高分子の製造方法。 (17)前記有機物の抽出に使用する溶剤がアルコール
であることを特徴とする前記(16)のメソポーラス無機高
分子の製造方法。 (18)前記有機物の抽出に使用する溶剤が超臨界条件
の流体であることを特徴とする前記(16)のメソポーラス
無機高分子の製造方法。
【0018】(19)晶析反応後の有機物を含むメソポ
ーラス無機高分子を溶剤と接触させて有機物を抽出除去
した後、さらに残留する微量の有機物を高温焼成で除去
することを特徴とする前記 (7)、(8) 、(9) 、(16)、(1
7)又は(18)のいずれかのメソポーラス無機高分子の製造
方法。 (20)前記溶剤で抽出された有機物をメソポーラス無
機高分子の原料として再利用することを特徴とする前記
(7)、(8) 、(9) 、(16)、(17)、(18)又は(19)のいずれ
かのメソポーラス無機高分子の製造方法。
【0019】本発明に係るメソポーラス無機高分子と
は、格子定数が18〜200Åの無機高分子でメソ孔
(約10Å〜約200Å)を有するメソポーラスシリケ
ートあるいはメソポーラスアルミノシリケートである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の方法によるメソポーラス
無機高分子の製造は例えば次のようにして行うことがで
きる。ヘキサデシルピリジニウムクロリドなどの有機物
の水溶液に酸を加えて酸性とし、これに珪酸ナトリウム
等のシリカ源の水溶液又は珪酸ナトリウム等のシリカ源
と硫酸アルミニウムなどのアルミナ源を混合した水溶液
を温度20〜100℃の条件下で少量ずつ添加する。こ
の混合液をシリカ源のみの場合はpH0〜12、シリカ
源とアルミナ源の混合物の場合にはpH6〜12の範囲
で、温度20〜100℃の条件下でかき混ぜ、晶析反応
を行わせる。反応が充分に進行し沈殿の析出がほとんど
なくなった時点で反応を終わり、得られた沈殿物をろ
過、水洗、乾燥することによって有機物を含有する珪酸
高分子あるいはアルミノ珪酸高分子が得られる。なお、
アルミナ源を使用する場合にpH範囲が6〜12と狭く
なるのは、pHが6未満ではメソポーラスシリケートの
骨格中にAlが入りにくいためである。
【0021】このようにして得られた有機物を含有する
メソポーラス無機高分子の前駆体から有機物を除去する
ことによって、メソポーラス無機高分子を得ることがで
きる。有機物の除去方法としては、従来のように550
℃程度の温度で焼成する方法を採ることもできる。この
場合は、従来の方法に比較して安価なシリカ源を使用で
きる利点はあるが、有機物の使用量を削減する効果は得
られない。この有機物を含有する前駆体から有機物を除
去する好ましい方法として、この前駆体をアルコール類
や超臨界状態の流体等の溶剤と接触させてヘキサデシル
ピリジニウムクロリドなどの有機物を抽出除去する方法
がある。溶剤抽出により前駆体中の有機物の大部分は抽
出され、蒸留などの手段によって溶剤を除去し、回収す
ることができる。また、使用した有機物の20%程度は
晶析反応の母液中に溶解しているので、n−ヘキサンな
どの溶剤を用いて液液抽出などにより分離回収すること
ができる。
【0022】本発明の方法において、シリカ源としては
珪酸ナトリウム、水ガラス、コロイダルシリカ等のシリ
カゾルなどが使用でき、アルミナ源としてはアルミナゾ
ル、アルミン酸ソーダ、硫酸アルミニウムなどの水溶性
アルミニウム化合物が使用できる。
【0023】なお、本発明の方法において使用するシリ
カ源は、有機テンプレートの水溶液と混合する前の水溶
液の段階において、Q0 〜Q3 状態のSiを含有する必
要がある。このSiの状態については29Si−NMRに
よって容易に測定できる。Siは4価の元素であり4つ
の腕を持ち−O−Si−O−Si−O−の形で酸素を介
して結合している。Siの結合状態には図11に示すよ
うにSiの周りが全て−OH基である場合(Q0 )か
ら、全てが−O−Si−O−の形である(Q 4 )までの
5種類があり、水溶液中では各状態のものが混在してお
り、pHが高くなるとQ0 状態が増加しQ4 状態が消失
する。
【0024】図10に各種シリカ源について29SiNM
Rの測定を行った結果を示す。図10のグラフの横軸は
電磁波の吸収周波数であり、標準物質テトラメチルシラ
ンからの信号を0とし、その周波数からのシフトを現し
ている。ピークが一つのサンプルは吸収周波数が一つで
あり、Siの状態が一つしかないことを示している(例
えばTEOS)。図10の(d)に示すようにコロイダ
ルシリカを水に溶解した状態ではQ4 状態のSiのみが
検出され、このまま本発明の方法における原料として使
用してもメソポーラス無機高分子を得ることはできない
が、これに水酸化ナトリウム等のアルカリを添加するこ
とにより図10の(e)に示すようにQ 4 状態が消失し
0 〜Q3 状態が出現し、この状態のものを使用すれば
メソポーラス無機高分子を得ることができる。また、図
10の(c)に示す水ガラス3号はQ0 〜Q3 状態のS
iとQ4 状態のSiを含み、混合前にSiの縮重合が進
んでいたため、得られたメソポーラス無機高分子は十分
な性能を示さなかったが、図10(b)の水ガラス1号
はQ4 状態のSiを含まなのでメソポーラス無機高分子
を得ることができた。なお、図10(f)のTEOSは
Siの周りは酸素を介して四つのエチル基が結合してお
り、他のSiとは異なるシフト値を示している。
【0025】本発明の方法において、有機テンプレート
として使用する有機物としては直線的な構造を有しミセ
ルを形成する化合物が好ましく、その例としては、ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメ
チルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルア
ンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニ
ウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムク
ロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミ
ド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリ
ド、ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムブロミ
ド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オ
クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデ
シルピリジニウムクロリド、ヘキサデシルピリジニウム
ブロミド、メシチレンなどが挙げられる。
【0026】また、本発明の方法において有機物(有機
テンプレート)を含有する珪酸高分子あるいはアルミノ
珪酸高分子である有機物を含むメソポーラス無機高分子
の前駆体から有機物を抽出除去するための溶剤は、使用
する有機テンプレートに対し溶解力を有する溶剤であれ
ばよく、各種アルコール類や超臨界状態の流体が使用で
きるが、取扱が容易で溶解力の大きいアルコール類が好
ましい。
【0027】有機物(有機テンプレート)の抽出に使用
するアルコール類としては炭素数5程度までの低級脂肪
族アルコールが好ましく、炭素数の少ないメタノール及
びエタノールが特に好ましい。これらのアルコール類へ
の溶解度は有機テンプレートの種類により異なるが、例
えばヘキサデシルピリジニウムクロリドの場合の場合の
溶解度は表1に示すとおりであり、優れた溶解力を有し
ていることがわかる。
【0028】
【表1】
【0029】有機物(有機テンプレート)の抽出に使用
する超臨界状態の流体としては、超臨界状態のCO2
あるいはR−22、R−123等の各種フロン類などが
使用できるが、特にCO2 が好ましい。
【0030】前記のようにして有機物を含むメソポーラ
ス無機高分子の前駆体から抽出回収された有機物や晶析
反応の母液から回収された有機物をメソポーラス無機高
分子の合成原料として再利用することにより有機物(有
機テンプレート)の使用量を従来の1/3〜1/5に低
減させることができる。
【0031】有機物を含むメソポーラス無機高分子の前
駆体から溶剤抽出により有機物を除去することによりメ
ソポーラス無機高分子を得ることができる。溶剤抽出後
のメソポーラス無機高分子には微量の有機物が残留して
いるので、有機物がほぼ完全に除去されたメソポーラス
無機高分子を得るためにはさらに焼成することが必要で
ある。溶剤抽出後のメソポーラス無機高分子に残留する
有機物は微量であり、長時間の精密な熱処理は必要な
く、また、従来の550℃よりも低温側の300〜40
0℃の範囲で焼成すればよいので、従来の製造方法にお
いて問題となっていた焼成時のシリカネットワークの破
壊が最低限に抑制できる。
【0032】また、代表的なメソポーラスシリケートで
あるMCM−41の場合と同様に有機テンプレートの側
鎖長を変更することにより、メソポアの径の制御が可能
であり、本発明者らの実験によれば10〜200オング
ストロームの間でメソポアの径を制御できることが確認
された。
【0033】以上のように、本発明の採用により有機テ
ンプレートの使用量が1/3−1/5に低減できるの
で、メソポーラス無機高分子のコストを従来の1/3程
度に低減できる。また、熱処理温度を従来と同一の55
0℃とすれば従来の焼成時間6時間に対し1時間程度で
有機テンプレートの除去が達成でき、従来と同一の6時
間であれば焼成温度は従来の550℃よりかなり低い4
00℃で有機テンプレートの完全な除去が達成できる。
なお、このメソポーラス無機高分子を吸着剤として使用
する場合には、有機テンプレートの残存は若干の吸着量
の低下につながる程度である。超臨界圧抽出後の熱処理
を行っていないメソポーラス無機高分子の吸着量を熱処
理を行ったものと比較したところ、シクロヘキサノン5
000ppmの室温での吸着において吸着量の低下は2
0%程度に留まり、敢えて熱処理を行わなくとも実用に
供せられることがわかった。
【0034】
【実施例】本発明の有効性を実証するため実施例1〜1
0では、珪酸ナトリウムをシリカ源、硫酸アルミニウム
をアルミナ源とし、低温でのメソポーラス無機高分子の
合成を行い、有機テンプレートを含有するメソポーラス
無機高分子の前駆物質にアルコール又は超臨界状態のC
2 を接触させて有機テンプレートを除去し、除去後の
メソポーラス無機高分子の性状及び吸着性能を評価し、
また、抽出した有機テンプレートを再利用してメソポー
ラス無機高分子を製造し、この方法で得られたメソポー
ラス無機高分子の評価を行った。また、実施例11〜1
3ではシリカ源及び使用する有機テンプレートを変えて
合成試験を行ったものである。なお、これらの実施例に
おいてシリカ源として使用した珪酸ナトリウム、水ガラ
ス及びシリカゾル(コロイダルシリカ)は、特に断らな
い限りいずれも有機テンプレートと混合する前の溶液状
態においてQ0 〜Q3 状態のSiを含有するものであ
る。
【0035】(実施例1)精製水50ミリリットルにヘ
キサデシルピリジニウムクロリド1gを溶解させたのち
濃塩酸10ミリリットルを添加して酸性の溶液とした
(溶液A)。次に精製水5ミリリットルに珪酸ナトリウ
ム2.85gを25〜35℃で溶解させて溶液Bとし
た。溶液Aに溶液Bを添加し、これを室温で3時間半攪
拌した。この間のpHは1以下であった。生成した沈殿
物をろ過水洗し、ヘキサデシルピリジニウムクロリドを
含有するメソポーラスシリケートの前駆体3.0gを得
た。この前駆体から、メタノールを用いてヘキサデシル
ピリジニウムクロリド抽出回収を行った。図2にこの抽
出回収に用いた装置の概略構成を示す。
【0036】前記メソポーラスシリケートの前駆体を図
2に示すカラム21に充填し、加熱器22で温度約50
℃に加熱したメタノールを上流側から100ミリリット
ル/分の流量で1時間流過した。メタノールは有機物に
対して非常に大きな溶解度を示すので、前駆体に含有さ
れているヘキサデシルピリジニウムクロリドは効率よく
除去され、1時間の流過で含有されたヘキサデシルピリ
ジニウムクロリドの95%以上がメタノール相に移動し
た。この後、メタノールは流路24からテンプレート回
収ドラム26に入りメタノールに溶解したヘキサデシル
ピリジニウムクロリドが析出する。流路27から回収さ
れたヘキサデシルピリジニウムクロリドをFTIR、N
MR、ガスクロマトグラフでフレッシュ品と比較したが
熱変質及びメタノールへの溶解に伴う変質等の劣化は認
められなかった。
【0037】また、ヘキサデシルピリジニウムクロリド
の20%程度は前駆体合成時にミセルを形成すること無
く液相に溶解しているが、これはシリカゾル又はゲルを
含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤として液/
液抽出で回収した。ヘキサデシルピリジニウムクロリド
を回収したあとのメタノールは流路28を経て混合器2
9からポンプ30を経てカラム21に供給される。な
お、符号31はアルコールタンクであり抽出に伴い回収
有機テンプレートへの随伴による系外への流出、リーク
等で不足するメタノールを補充するためのものである。
【0038】この未焼成物(メタノール抽出後)を45
0℃で焼成し残留するヘキサデシルピリジニウムクロリ
ドを除去して有機物質がほぼ完全に除去されたメソポー
ラスシリケートを得た。ここでX線回折により未焼成物
と焼成後のメソポーラスシリケートの構造の差異を比較
したがX線回折パターンはいずれも図3に示すとおりで
あり、焼成前後で大きな差異は認められなかった。この
ことからメタノール抽出後にはメソポーラスシリケート
特有の構造は形成されており、その後の熱処理では大き
な変化のないことを示している。なお、得られたメソポ
ーラスシリケートの格子定数(d100)は35.58
Å、窒素吸着BET法による比表面積は1300m2
g、細孔径(メソ孔径)は23.4Åであった。
【0039】この後、メタノール抽出で得られたヘキサ
デシルピリジニウムクロリド及び前駆体合成時の母液に
溶解し液一液抽出で回収したヘキサデシルピリジニウム
クロリドを原料の一部として、これに不足のヘキサデシ
ルピリジニウムクロリド及びシリカ源となる珪酸ナトリ
ウム、pH調製剤となる塩酸を使用して、前記の操作に
よりメソポーラスシリケートを作製した。得られたメソ
ポーラスシリケートについても同じくX線回折パターン
を計測して比較したが1回目に得られたメソポーラスシ
リケートと大きな差異は認められなかった。
【0040】上記の操作で得られたメソポーラスシリケ
ートとして次のa-1)〜f-1)の6サンプルについて、
シクロヘキサノンを5000ppm含有する空気と接触
させて25℃での平衡吸着量を比較した。結果を表2に
示す。 a-1)従来法である550℃焼成で得られたMCM−4
1。 b-1)本発明の方法により低温酸性条件で合成され、5
50℃の熱処理(焼成)でヘキサデシルピリジニウムク
ロリドを除去したメソポーラスシリケート。 c-1)本発明の方法により低温酸性条件で合成され、メ
タノールでヘキサデシルピリジニウムクロリドを抽出
し、熱処理を行わないままのメソポーラスシリケート。 d-1)本発明の方法により低温酸性条件で合成され、メ
タノールでヘキサデシルピリジニウムクロリドを抽出
し、その後400℃、6時間熱処理を行って得られたメ
ソポーラスシリケート。 e-1)本発明の方法でメタノール抽出により得られたヘ
キサデシルピリジニウムクロリドを原料の1部として再
利用して低温酸性条件で合成してメタノール抽出し、熱
処理を行わないままのメソポーラスシリケート。 f-1)本発明の方法でメタノール抽出により得られたヘ
キサデシルピリジニウムクロリドを原料の1部として再
利用して低温酸性条件で合成してメタノール抽出し、そ
の後400℃、6時間熱処理を行ったメソポーラスシリ
ケート。
【0041】
【表2】
【0042】表2に示すように、水熱合成で得られるM
CM−41と本発明の低温酸性条件下で合成されたメソ
ポーラスシリケートとの間には吸着性能に大きな差はな
いことがわかる。また、ヘキサデシルピリジニウムクロ
リドを再利用してもX−線回折パターンの比較からある
程度予想されていたことだが、得られるメソポーラスシ
リケートの吸着性能に差異はないことがわかる。また、
メタノール抽出後、従来通り熱処理を行った場合と熱処
理を行わない場合とを比較すると吸着量に関して熱処理
を行った場合の方が20%程度大きい。これはメソポー
ラス内に残留するヘキサデシルピリジニウムクロリドに
より細孔容量が減少しているためと思われる。しかし、
実用的には微妙な熱処理工程を実施して20%吸着量の
大きな吸着剤を得るのと熱処理を行わずに使用する場合
の得失は僅かであると思われた。
【0043】(実施例2)実施例1と同様にして、ヘキ
サデシルピリジニウムクロリドを含有するメソポーラス
シリケートの前駆体を合成し、得られたろ過直後の乾燥
前の前駆体からメタノール抽出によりヘキサデシルピリ
ジニウムクロリドを除去したものについてX線回折パタ
ーンを計測したところ図4に示すとおりであり、結晶性
は認められず、また、メソ孔も認められなかった。この
ことから実施例1のように合成後乾燥し抽出したもので
はメソポーラスシリケート特有の構造が形成されている
が、乾燥前ではメソポーラスシリケートはSi−O−S
i−Oのネットワーク構造は形成されていないことがわ
かる。
【0044】(実施例3)実施例1の溶液Aにおけるヘ
キサデシルピリジニウムクロリド1gの代わりにヘキサ
デシルトリメチルアンモニウムブロミド1gを溶解させ
た溶液(溶液A−2)を使用したほかは実施例1と同様
に操作し、有機テンプレートとしてヘキサデシルトリメ
チルアンモニウムブロミドを含有するメソポーラスシリ
ケート前駆体を得た。なお、反応時のpHは1以下であ
った。これを乾燥後、メタノール抽出して有機テンプレ
ートを除去し、メソポーラスシリケートを得た。このも
ののX線回折像を図5に示すが、その格子定数(d10
0)は31.45Å程度と計測された。また、窒素吸着
BET法の結果によると吸着表面積1400m2 /g、
細孔径は20Åであり、MCM−41と同程度の多孔体
であることがわかった。
【0045】(実施例4)実施例1の溶液Aにおけるヘ
キサデシルピリジニウムクロリド1gの代わりにテトラ
デシルトリメチルアンモニウムクロリド1gを溶解させ
た溶液(溶液A−3)を使用したほかは実施例1と同様
に操作し、有機テンプレートとしてテトラデシルトリメ
チルアンモニウムクロリドを含有するメソポーラスシリ
ケート前駆体を得た。これを乾燥後、メタノール抽出し
て有機テンプレートを除去し、メソポーラスシリケート
を得た。このもののX線回折像を図6に示すが、その格
子定数(d100)は31.839Å程度と計測され
た。また、窒素吸着BETの結果によると吸着表面積1
400m2 /g、細孔径は18Åであり、MCM−41
と同程度の多孔体であることがわかった。
【0046】(実施例5)精製水50ミリリットルにヘ
キサデシルピリジニウムクロリド1gを溶解させたのち
濃塩酸10ミリリットルを添加した溶液Aの代わりに、
濃塩酸の添加量を2ミリリットルとした液(溶液A−
4)を使用したほかは実施例1と同様に操作し、有機テ
ンプレートとしてヘキサデシルピリジニウムクロリドを
含有するメソポーラスシリケート前駆体を得た。反応時
のpHは約7.7であった。この前駆体を乾燥後、メタ
ノール抽出して有機テンプレートを除去し、メソポーラ
スシリケートを得た。このもののX線回折像を図7に示
すが、その格子定数(d100)は34.4Å程度と計
測され、窒素吸着BET法による比表面積は1300m
2 /g、細孔径(メソ孔径)は24Åであり、MCM−
41と同程度の多孔体であることがわかった。なお、実
施例1、3〜5において抽出用アルコールとしてメタノ
ールを使用した例を示したが、メタノールの代わりにエ
タノールを使用してもほぼ同様の結果が得られた。
【0047】(実施例6)精製水52ミリリットルにヘ
キサデシルピリジニウムクロリド1.0738gを溶解
させたのち濃塩酸1.35ミリリットルを添加して酸性
の溶液とした(溶液A−5)。次に精製水5ミリリット
ルに珪酸ナトリウム2.7874gを溶解して溶液B−
2とした。さらに精製水3ミリリットルに硫酸アルミニ
ウム0.1588gと1Nの水酸化ナトリウム水溶液2
ミリリットルを添加し溶液Cとした。溶液B−2と溶液
Cを混合した混合液を少量ずつ溶液A−5に滴下して混
合したのち、これを室温で3時間半攪拌した。この間の
pHは約10であった。
【0048】固体生成物をろ過水洗し、110℃で3時
間乾燥しヘキサデシルピリジニウムクロリドを含有する
メソポーラスアルミノシリケートの前駆体3gを得た。
この前駆体を室温で乾燥した後、図2の装置により実施
例1と同様にしてメタノールを用いてヘキサデシルピリ
ジニウムクロリドを抽出回収した。流路7から回収され
たヘキサデシルピリジニウムクロリドをFTIR、NM
R、ガスクロマトグラフでフレッシュ品と比較したが高
温による熱変質及びメタノールへの溶解に伴う変質等の
劣化は認められなかった。また、反応母液に溶解してい
るヘキサデシルピリジニウムクロリドはn−ヘキサンを
抽出溶剤として液/液抽出で回収した。
【0049】メタノール抽出後のメソポーラスアルミノ
シリケートの前駆体を400℃で焼成し残留するヘキサ
デシルピリジニウムクロリドを除去して有機物質がほぼ
完全に除去されたメソポーラスアルミノシリケートを得
た。ここでX線回折により未焼成物と焼成後のメソポー
ラスアルモノシリケートの構造の差異を比較したがX線
回折パターンはいずれも図3のもとほぼ同様であり、焼
成前後で大きな差異は認められなかった。このことから
抽出後にはメソポーラスアルミノシリケート特有の構造
は形成されており、その後の熱処理では大きな変化のな
いことを示している。なお、得られたメソポーラスアル
ミノシリケートの格子定数(d100)は35.58Å
程度であり、窒素吸着BET法による比表面積は130
0m2 /g、細孔径(メソ孔径)は29Åであった。
【0050】この後、メタノール抽出で得られたヘキサ
デシルピリジニウムクロリド及び前駆体合成時の母液に
溶解し液一液抽出で回収したヘキサデシルピリジニウム
クロリドを原料の一部として、これに不足のヘキサデシ
ルピリジニウムクロリド及びシリカ源となる珪酸ナトリ
ウム、アルミナ源となる硫酸アルミニウム、pH調製剤
となる塩酸を使用して、前記の操作によりメソポーラス
アルミノシリケートを作製した。得られたメソポーラス
アルミノシリケートについても同じくX線回折パターン
を計測して比較したが1回目に得られたメソポーラスア
ルミノシリケートと大きな差異は認められなかった。
【0051】上記の操作で得られたメソポーラスアルミ
ノシリケートとして次のa-2)〜f-2)の6サンプルに
ついて、MEK(メチルエチルケトン)を1000pp
m含有する空気と接触させて25℃での平衡吸着量を比
較した。結果を表3に示す。 a-2)従来法である550℃焼成で得られたMCM−4
1。 b-2)本発明の方法により低温酸性条件で合成され、5
50℃の熱処理(焼成)でヘキサデシルピリジニウムク
ロリドを除去したメソポーラスアルミノシリケート。 c-2)本発明の方法により低温酸性条件で合成され、メ
タノールでヘキサデシルピリジニウムクロリドを抽出
し、熱処理を行わないままのメソポーラスアルミノシリ
ケート。 d-2)本発明の方法により低温酸性条件で合成され、メ
タノールでヘキサデシルピリジニウムクロリドを抽出
し、その後400℃、6時間熱処理を行って得られたメ
ソポーラスアルミノシリケート。 e-2)本発明の方法でメタノール抽出により得られたヘ
キサデシルピリジニウムクロリドを原料の1部として再
利用して低温酸性条件で合成してメタノール抽出し、熱
処理を行わないままのメソポーラスアルミノシリケー
ト。 f-2)本発明の方法でメタノール抽出により得られたヘ
キサデシルピリジニウムクロリドを原料の1部として再
利用して低温酸性条件で合成してメタノール抽出し、そ
の後400℃、6時間熱処理を行ったメソポーラスアル
ミノシリケート。
【0052】
【表3】
【0053】表3に示すように、水熱合成で得られるM
CM−41と本発明の低温酸性条件下で合成されたメソ
ポーラスアルミノシリケートとの間には吸着性能に大き
な差はないことがわかる。また、ヘキサデシルピリジニ
ウムクロリドを再利用してもX−線回折パターンの比較
からある程度予想されていたことだが、得られるメソポ
ーラスアルミノシリケートの吸着性能に差異はないこと
がわかる。また、メタノール抽出後、従来通り熱処理を
行った場合と熱処理を行わない場合とを比較すると吸着
量に関して熱処理を行った場合の方が20%程度大き
い。これはメソポーラス内に残留するヘキサデシルピリ
ジニウムクロリドにより細孔容量が減少しているためと
思われる。しかし、実用的には微妙な熱処理工程を実施
して20%吸着量の大きな吸着剤を得るのと熱処理を行
わずに使用する場合の得失は僅かであると思われた。な
お、実施例6において抽出用アルコールとしてメタノー
ルを使用した例を示したが、メタノールの代わりにエタ
ノールを使用してもほぼ同様の結果が得られた。
【0054】(実施例7)実施例6と同様にして、ヘキ
サデシルピリジニウムクロリドを含有するメソポーラス
アルミノシリケートの前駆体を合成し、得られたろ過直
後の乾燥前の前駆体からメタノール抽出によりヘキサデ
シルピリジニウムクロリドを除去したものについてにつ
いてX線回折パターンを計測したところ図4とほぼ同様
のパターンを示し、結晶性は認められず、また、メソ孔
も認められなかった。このことから実施例6のように合
成後乾燥し抽出したものではメソポーラスアルミノシリ
ケート特有の構造が形成されているが、乾燥前ではメソ
ポーラスアルミノシリケートのSi−O−Si−Oのネ
ットワーク構造は形成されていないことがわかる。
【0055】(実施例8)実施例1と同様にしてヘキサ
デシルピリジニウムクロリドを含有するメソポーラスシ
リケートの前駆体を作製した。この前駆体から超臨界状
態のCO2 を用いてヘキサデシルピリジニウムクロリド
抽出回収を行った。図1にこの抽出回収に用いた装置の
概略構成を示す。
【0056】前記メソポーラスシリケートの前駆体を図
1に示すカラム1に充填し、400atmのCO2 を加
熱器2で温度約80℃に加熱し、上流の流路3から10
0ミリリットルN/分の流量で1時間流過した。CO2
は31℃、73atmが臨界点なので80℃、400a
tmは超臨界条件であり、この条件ではCO2 は有機物
に対して非常に大きな溶解度を示すので、前駆体に含有
されているヘキサデシルピリジニウムクロリドは効率よ
く除去され、1時間の流過で含有されたヘキサデシルピ
リジニウムクロリドの95%以上が超臨界圧CO2 相に
移動する。この後、超臨界圧のCO2 は流路4から減圧
弁5を経てフラッシュドラム6に入りCO2 に溶解した
ヘキサデシルピリジニウムクロリドは再凝縮する。流路
7から回収されたヘキサデシルピリジニウムクロリドを
FTIR、NMR、ガスクロマトグラフでフレッシュ品
と比較したが高温での熱変質及びCO2 への溶解に伴う
変質等の劣化は認められなかった。
【0057】また、ヘキサデシルピリジニウムクロリド
の20%程度は水熱合成時にミセルを形成すること無く
液相に溶解しているが、これはシリカゾル又はゲルを含
有する水溶液からn−ヘキサンを抽出溶剤として液/液
抽出で回収した。ヘキサデシルピリジニウムクロリドを
放出したあとのCO2 は流路8を経て混合槽9から圧縮
機10で再び400atmまで加圧されてカラム1に供
給される。なお、符号11はCO2 のリザーバータンク
であり超臨界抽出に伴い回収有機テンプレートへの随伴
による系外への流出、リーク等で不足するCO2 を補充
するためのものである。
【0058】この未焼成物(CO2 抽出後)を450℃
で1時間焼成し残留するヘキサデシルピリジニウムクロ
リドを除去して有機物質がほぼ完全に除去されたメソポ
ーラスシリケートを得た。ここでX線回折により未焼成
物と焼成後のメソポーラスシリケートの構造の差異を比
較したがX線回折パターンはいずれも図3に示すパター
ンと略同一であり、焼成前後で大きな差異は認められな
かった。このことからCO2 抽出後にはメソポーラスシ
リケート特有の構造は形成されており、その後の熱処理
では大きな変化のないことを示している。なお、得られ
たメソポーラスシリケートの格子定数(d100)、窒
素吸着BET法による比表面積、細孔径(メソ孔径)と
もに実施例1で得られたものと同等であった。
【0059】この後、CO2 抽出で得られたヘキサデシ
ルピリジニウムクロリド及び前駆体合成時の母液に溶解
し液一液抽出で回収したヘキサデシルピリジニウムクロ
リドを原料の一部として、これに不足のヘキサデシルピ
リジニウムクロリド及びシリカ源となる珪酸ナトリウ
ム、pH調製剤となる塩酸を使用して、前記の操作によ
りメソポーラスシリケートを作製した。得られたメソポ
ーラスシリケートについても同じくX線回折パターンを
計測して比較したが1回目に得られたメソポーラスシリ
ケートと大きな差異は認められなかった。
【0060】(実施例9)実施例6と同様にしてヘキサ
デシルピリジニウムクロリドを含有するメソポーラスア
ルミノシリケートの前駆体を作製した。この前駆体から
実施例8と同様にして超臨界状態のCO2 を用いてヘキ
サデシルピリジニウムクロリド抽出回収を行った。得ら
れたメソポーラスアルミノシリケート及び回収したヘキ
サデシルピリジニウムクロリドの性状、回収したヘキサ
デシルピリジニウムクロリドを使用したメソポーラスア
ルミノシリケートの作製結果はいずれも実施例6と同様
であった。
【0061】(実施例10)精製水50ミリリットルに
ヘキサデシルピリジニウムクロリド1.0738gを溶
解し、水酸化ナトリウム0.5862gを添加した。次
に精製水5ミリリットルに珪酸ナトリウム2.8456
gを溶解し、この溶液を前記ヘキサデシルピリジニウム
クロリドの溶液に少量ずつ滴下した。混合液のpHは約
10.0であった。この混合液を25℃付近で3時間攪
拌した後、固体生成物をろ過、水洗し、110℃で3時
間乾燥しヘキサデシルピリジニウムクロリドを含有する
メソポーラスシリケートの前駆体を作製した。この前駆
体からメタノール抽出により有機テンプレートを除去
し、メソポーラスシリケートを得た。このものの窒素吸
着BET法による比表面積は1178m2 /g、細孔径
(メソ孔径)は22.2Åであり、XRD分析から得ら
れるd100ピークの面間隔はは33.68Å程度であ
りメソポーラスシリケートであることが確認された。
【0062】(実施例11) (1) アルカリ条件下での水熱合成 精製水5.11ミリリットルにSiO2 濃度20%のコ
ロイダルシリカ13.09gを溶解させた。次に精製水
21.27ミリリットルに水酸化ナトリウム1.15g
を溶解し、これにヘキサデシルアンモニウムブロミド
8.29gを溶解させた。前記シリカゾルの溶液に、ヘ
キサデシルアンモニウムブロミドの溶液及び濃硫酸0.
6gを精製水10ミリリットルに溶解した液を少量ずつ
交互に加え、混合液のpHを12〜13.5に調整し、
25℃付近で2時間攪拌した後、オートクレーブ中で1
40℃で48時間保持して水熱合成を行わせた。得られ
た生成物をろ過、水洗し、110℃で6時間乾燥後、5
50℃で6時間焼成し約1.5gのメソポーラスシリケ
ートを得た。
【0063】(2) TEOSをシリカ源とする低温合成 精製水1.2リットルにヘキサデシルピリジニウムクロ
リド321.4885gを加えて攪拌溶解させ、これに
濃塩酸215ミリリットルを添加した。この溶液にテト
ラエトキシシラン(比重0.93)112ミリリットル
を2〜3分を要して少量ずつ添加した。これを25℃付
近で3時間攪拌し、固体生成物をろ過、水洗し、110
℃で3時間乾燥後、550℃で6時間焼成しメソポーラ
スシリケートを得た。
【0064】(3) 珪酸ナトリウムをシリカ源とする低温
合成 精製水50ミリリットルにヘキサデシルピリジニウムク
ロリド1.0738gを溶解し濃塩酸10.8ミリリッ
トルを添加した。次に精製水5ミリリットルに珪酸ナト
リウム2.8456gを溶解し、この溶液を前記ヘキサ
デシルピリジニウムクロリドの溶液に少量ずつ滴下し
た。混合液のpHは1以下であった。この混合液を25
℃付近で3時間攪拌した後、固体生成物をろ過、水洗
し、110℃で3時間乾燥後、110℃/hrの速度で
550℃まで昇温し、6時間焼成してメソポーラスシリ
ケートを得た。
【0065】(4) コロイダルシリカをシリカ源とする低
温合成 精製水50ミリリットルにヘキサデシルピリジニウムク
ロリド1.0738gを溶解し濃塩酸10.8ミリリッ
トルを添加した。この溶液にコロイダルシリカ7.5g
を少量ずつ滴下した。この混合液をpH1以下、25℃
付近の条件で3時間攪拌した後、固体生成物をろ過、水
洗し、110℃で3時間乾燥後、100℃/hrの速度
で550℃まで昇温し、6時間焼成した。得られた生成
物の比表面積は231m2 /gと小さく、XRDの分析
にはピークは観測されず、非晶質のものが得られた。こ
のコロイダルシリカの29Si−NMRの分析ではブロー
ドなQ4 状態のSiに帰属するもののみ観測された。こ
のコロイダルシリカをシリカ源とした場合、今回の試験
ではメソポーラスシリケートの合成は上手く行かなかっ
たが、これは有機テンプレートミセル上でシリカが架橋
構造をとる以前にシリカ自身で不定形の架橋構造をとっ
ていたためと考えられる。このことからシリカ源として
4 状態のSiはシリカ源の縮重合度を表す重要な指標
になると思われる。したがって、この合成機構を考える
と、Q4 状態のSiがある場合は得られたメソポーラス
シリケートの性能が若干低下するものと考えられる。
【0066】(5) コロイダルシリカをシリカ源とする低
温合成 精製水50ミリリットルにヘキサデシルピリジニウムク
ロリド1.0738gを溶解し濃塩酸10.8ミリリッ
トルを添加した。この溶液にコロイダルシリカ7.5g
に水酸化ナトリウム1gを溶解させたものを少量ずつ滴
下した。この混合液をpH1以下、25℃付近の条件で
3時間攪拌した後、固体生成物をろ過、水洗し、110
℃で3時間乾燥後、100℃/hrの速度で550℃ま
で昇温し、6時間焼成してメソポーラスシリケートを得
た。
【0067】実施例11で得られた物質の比表面積、格
子定数及び使用したシリカ源の29SiNMRの測定結果
の概要を表4に、合成例 (1)〜(3) の試料についてのX
RDスペクトルを図8に、これらの物質の細孔径の分布
状態を図9に示す。これによりQ4 状態のSiが認めら
れるコロイダルシリカをシリカ源とした試料(4) 以外は
メソポーラスシリケートが得られていることが確認され
た。
【0068】
【表4】
【0069】(実施例12) (1) Q4 状態のSiを含まない水ガラスを用いた合成例 精製水50ミリリットルにヘキサデシルピリジニウムク
ロリド1.0738gを溶解し濃塩酸10.8ミリリッ
トルを添加した。この溶液に水ガラス1号(重量%でN
2 O/SiO2 /H2 O=19/37/44、29Si
NMRは図10の (b)に相当)5ミリリットルを少量ず
つ滴下した。この混合液をpH1以下、25℃付近の条
件で3時間攪拌した後、固体生成物をろ過、水洗し、1
10℃で3時間乾燥後、100℃/hrの速度で550
℃まで昇温し、6時間焼成してメソポーラスシリケート
を得た。得られたメソポーラスシリケートの性状は実施
例11の (5)で得られたものとほぼ同等であった。
【0070】(2) Q4 状態のSiを含む水ガラスを用い
た合成例 精製水50ミリリットルにヘキサデシルピリジニウムク
ロリド1.0738gを溶解し濃塩酸10.8ミリリッ
トルを添加した。この溶液に水ガラス3号(重量%でN
2 O/SiO2 /H2 O=10/30/60、29Si
NMRは図10の (c)に相当)5ミリリットルを少量ず
つ滴下した。この混合液をpH1以下、25℃付近の条
件で3時間攪拌した後、固体生成物をろ過、水洗し、1
10℃で3時間乾燥後、100℃/hrの速度で550
℃まで昇温し、6時間焼成した。得られた生成物の比表
面積は640m2 /gと小さく、XRDの分析にはピー
クは観測されず、非晶質のものが得られた。Q4 状態の
Siはそれ自身で縮重合が進んでいるため、混合時に有
機テンプレートとの縮合が不可能であり、メソポーラス
無機高分子野合成に寄与しない。このため生成物はメソ
ポーラス無機高分子を含有していても単位重量当たりの
比表面積は小さく、XRDの分析では観測できなかった
ものと考えられる。
【0071】(実施例13)精製水50ミリリットルに
有機テンプレートを溶解し、濃塩酸10.8ミリリット
ルを加えて溶液Aとした。次に精製水5ミリリットルに
珪酸ナトリウム2.8456gを溶解し溶液Bとした。
溶液Bを溶液Aに少量ずつ滴下し、混合液をpH1以
下、25℃付近で3時間攪拌した後、固体生成物をろ
過、水洗し、110℃で3時間乾燥した。得られた有機
テンプレートを含むメソポーラスシリケート前駆体を1
00℃/hrの速度で550℃まで昇温し、6時間焼成
してメソポーラスシリケートを得た。有機テンプレート
の種類を変えて合成した結果を表5及び表6に示す。な
お、有機テンプレートの使用量は、モル比で有機テンプ
レート/HCl/SiO2 =0.12/4.88/1と
なるようにした。
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ミセルを形
成する有機テンプレートを使用するメソポーラス無機高
分子の製造方法において、特定の条件を満たすシリカ源
であれば、TEOSのような高価なシリカ源を使用する
ことなく、低温合成法によりメソポーラス無機高分子を
得ることができる。さらに、メソポーラス無機高分子の
骨格形成後の有機テンプレートの除去方法としてアルコ
ールや超臨界状態の流体により抽出する方法を採ること
により、シリカネットワークの破壊を起こすことなく、
容易に有機テンプレートの除去を行うことができ、品質
の安定した性能のよいメソポーラス無機高分子を再現性
よく得ることができる。しかも除去した有機テンプレー
トは回収再使用することができるので、有機テンプレー
トの使用量を削減することができる。これにより触媒、
吸着剤として優れた品質のメソポーラス無機高分子を安
価に製造することができるので、その工業的価値は大き
いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した超臨界圧CO2 抽出を行う装
置の概略構成図。
【図2】実施例で使用したメタノール抽出を行う装置の
概略構成図。
【図3】実施例1で得られたメタノール抽出後の未焼成
メソポーラスシリケートのX−線回折パターンを示す
図。
【図4】実施例2で得られたメタノール抽出後の未焼成
メソポーラスシリケートのX−線回折パターンを示す
図。
【図5】実施例3で得られたメタノール抽出後の未焼成
メソポーラスシリケートのX−線回折パターンを示す
図。
【図6】実施例4で得られたメタノール抽出後の未焼成
メソポーラスシリケートのX−線回折パターンを示す
図。
【図7】実施例5で得られたメタノール抽出後の未焼成
メソポーラスシリケートのX−線回折パターンを示す
図。
【図8】実施例11の合成例 (1)〜(3) の試料について
のXRDスペクトル。
【図9】実施例11の合成例 (1)〜(3) の試料の細孔径
の分布状態を示す図。
【図10】各種シリカ源について29SiNMRの概要を
示す図。
【図11】Siの結合状態を説明する図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森口 勇 長崎県西彼杵郡長与町三根郷53−127 公 務員宿舎1−15 (72)発明者 朝長 成之 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 泉 順 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 安武 昭典 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機のSi化合物からなるシリカ源の水
    溶液と有機物の水溶液を温度20〜100℃の条件下で
    混合し、pH0〜12、温度20〜100℃の条件下で
    かき混ぜて晶析反応を行わせた後、固形物をろ過水洗、
    乾燥し、得られた有機物を含有する珪酸高分子から有機
    物を除去することを特徴とするメソポーラス無機高分子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリカ源として少なくともQ0 〜Q
    3 状態のSiを含有する無機のSi化合物を使用するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のメソポーラス無機高分
    子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記シリカ源としてQ0 〜Q3 状態のS
    iを含有する珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾル
    からなる群から選ばれる1種以上の無機のSi化合物を
    使用することを特徴とする請求項2に記載のメソポーラ
    ス無機高分子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記シリカ源としてQ4 状態のSiを含
    有しない無機のSi化合物を使用することを特徴とする
    請求項1に記載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリカ源としてQ4 状態のSiを含
    有しない珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾルから
    なる群から選ばれる1種以上の無機のSi化合物を使用
    することを特徴とする請求項4に記載のメソポーラス無
    機高分子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記有機物を除去する方法が熱処理であ
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のメ
    ソポーラス無機高分子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記有機物を除去する方法が溶剤による
    抽出であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記有機物の抽出に使用する溶剤がアル
    コールであることを特徴とする請求項7に記載のメソポ
    ーラス無機高分子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記有機物の抽出に使用する溶剤が超臨
    界条件の流体であることを特徴とする請求項7に記載の
    メソポーラス無機高分子の製造方法。
  10. 【請求項10】 無機のSi化合物からなるシリカ源と
    アルミナ源との混合物の水溶液と有機物の水溶液を温度
    20〜100℃の条件下で混合し、pH6〜12、温度
    20〜100℃の条件下でかき混ぜて晶析反応を行わせ
    た後、固形物をろ過水洗、乾燥し、得られた有機物を含
    有するアルミノ珪酸高分子から有機物を除去することを
    特徴とするメソポーラス無機高分子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記シリカ源として少なくともQ0
    3 状態のSiを含有する無機のSi化合物を使用する
    ことを特徴とする請求項10に記載のメソポーラス無機
    高分子の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記シリカ源としてQ0 〜Q3 状態の
    Siを含有する珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾ
    ルからなる群から選ばれる1種以上の無機のSi化合物
    を使用することを特徴とする請求項11に記載のメソポ
    ーラス無機高分子の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記シリカ源としてQ4 状態のSiを
    含有しない無機のSi化合物を使用することを特徴とす
    る請求項10に記載のメソポーラス無機高分子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記シリカ源としてQ4 状態のSiを
    含有しない珪酸ナトリウム、水ガラス及びシリカゾルか
    らなる群から選ばれる1種以上の無機のSi化合物を使
    用することを特徴とする請求項13に記載のメソポーラ
    ス無機高分子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記有機物を除去する方法が熱処理で
    あることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記
    載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記有機物を除去する方法が溶剤によ
    る抽出であることを特徴とする請求項10〜14のいず
    れかに記載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記有機物の抽出に使用する溶剤がア
    ルコールであることを特徴とする請求項16に記載のメ
    ソポーラス無機高分子の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記有機物の抽出に使用する溶剤が超
    臨界条件の流体であることを特徴とする請求項16に記
    載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
  19. 【請求項19】 晶析反応後の有機物を含むメソポーラ
    ス無機高分子を溶剤と接触させて有機物を抽出除去した
    後、さらに残留する微量の有機物を高温焼成で除去する
    ことを特徴とする請求項7、8、9、16、17又は1
    8のいずれかに記載のメソポーラス無機高分子の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記溶剤で抽出された有機物をメソポ
    ーラス無機高分子の原料として再利用することを特徴と
    する請求項7、8、9、16、17、18又は19のい
    ずれかに記載のメソポーラス無機高分子の製造方法。
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