JP3524686B2 - ペンタシルゼオライトの製造方法 - Google Patents
ペンタシルゼオライトの製造方法Info
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Description
て有用なペンタシルゼオライトを安価に製造することの
できるペンタシルゼオライトの製造方法に関する。
ルゼオライトは酸素5員環を含む−Si−O−Si−O
−(Siの一部がAlで置換されている場合を含む)の
ネットワークで構成される無機の結晶であり、外部とは
約6オングストロームの窓と称するミクロ孔で結ばれそ
の細孔表面積は600m2 /g程度の多孔質体である。
この多孔質体はモービル社の特公昭46−10064号
公報で最初に公開されたものであり、希硫酸に硫酸アル
ミニウム、テトラプロピルアンモニウム化合物(TP
A)を加えた溶液及びシリカゾルを食塩水に加えた後p
Hを9以下に維持して2〜3時間程度、室温で攪拌した
後、水酸化ナトリウムでpHを10.2〜10.4に調
整した後、オートクレーブで150℃、20時間、攪拌
条件下で水熱合成を行い生成物を得て、これを濾過水
洗、乾燥した後550℃で数時間焼成して残留する有機
物を除去して得られる。本刊行物によるとpHを10.
5程度に調整されたゲルの中でTPAが珪素とアルミニ
ウムをペンタシルゼオライトの構造に導く有機テンプレ
ートとしての役割を果たすものとして説明されている。
類似の製造法によるものであって、SiO2 /Al2 O
3 比は400〜1000程度のものが得られており、特
開昭54−72795号公報によればSiO2 /Al2
O3 比20〜1000程度の広範な条件での製造が可能
である。低SiO2 /Al2 O3 比側のZSM−5はメ
タノールからガソリンへの転換の触媒能のあることから
工業的な重要性が認められており、吸着剤としてはSO
x、NOx、揮発性有機物(VOC)等の強吸着成分の
分離への有効性が知られている。
ペンタシルゼオライトは極めて触媒能、吸着能に優れた
高シリカゼオライトであるが、次のような課題を有して
いる。 1)有機テンプレートとして使用するTPAは非常に高
価であり、このため、製造されるZSM−5、シリカラ
イト等の高シリカゼオライトの価格はA、X、Y型ゼオ
ライトに比較して10倍程度のコストが予想され、その
コストの80%以上が有機テンプレートである。水熱合
成の中間過程でアルミノシリケートと結合して本ゼオラ
イトの形成の必須要件となる有機テンプレートの使用量
を大幅に削減をすることは継続的に試みられているがS
iO2 /Al2 O3 比20程度の低SiO2 /Al2 O
3 比領域で成功しているのみであり、広範なSiO2 /
Al2 O3 比で本ペンタシルゼオライトを得ることは難
しい。また、有機テンプレートの化学構造から考えて近
い将来コストを低減し得るとも考えにくい。このためこ
のような有機テンプレートを使用する限り、これらのペ
ンタシルゼオライトの触媒、吸着剤等の工業用素材とし
ての採用はかなり限定されたものとなる。
で結晶に吸蔵された有機テンプレートの除去には現在5
50℃程度での焼成が必要であるが、過度な焼成では生
成したアルミノシリケートのネットワークが破壊され、
また、焼成が不十分な場合にはテンプレートが結晶の中
に残存して細孔容積の減少をきたすと共に、熱分解生成
物が残存する場合には内表面の吸着活性点を減少してゼ
オライトの多孔質体としての機能は期待できないことと
なる。工業的には大量の素材を対象として精度の高い均
一な熱処理条件でペンタシルゼオライトから有機テンプ
レートを除去することは難しく、アルミノシリケートの
ネットワークが破壊されない効率的な有機テンプレート
の除去が必要となる。
決し、有機テンプレートを使用するペンタシルゼオライ
トの製造方法において、−Si−O−Si−O−やSi
の一部がAlで置換されたアルミノシリケートのネット
ワークを破壊することなく、容易に有機テンプレートの
除去が可能で、しかも除去した有機テンプレートを回収
再使用することにより、有機テンプレートの使用量を削
減することができるペンタシルゼオライトの製造方法を
提供しようとするものである。
するため、次の(1)〜(3)の構成を採るものであ
る。 (1)ゾル状態のシリカ源又はシリカ源とアルミナ源の
混合物に有機物を添加した混合物から水熱合成でペンタ
シルゼオライトを製造する方法において、水熱合成後の
有機物を含むペンタシルゼオライト前駆物質を超臨界条
件の流体と接触させて有機物を抽出除去することを特徴
とするペンタシルゼオライトの製造方法。
ルゼオライト前駆物質を超臨界条件の流体と接触させて
有機物を抽出除去した後、さらに残留する微量の有機物
を高温焼成で除去することを特徴とする前記(1)のペ
ンタシルゼオライトの製造方法。 (3)前記超臨界条件の流体で抽出された有機物をペン
タシルゼオライトの原料として再利用することを特徴と
する前記(1)又は(2)のペンタシルゼオライトの製
造方法。
ゼオライトは−Si−O−Si−の10員環の窓を有す
るテクト珪酸塩又はテクトアルミノ珪酸塩で、それぞれ
SiO2 又はSiO2 とAl2 O3 を主成分とするゼオ
ライトである。
としてはシリカゾル、珪酸ソーダ、水ガラスなどが、ア
ルミナ源としてはアルミナゾル、アルミン酸ソーダが好
適に使用できる。
に使用する超臨界状態の流体(超臨界条件の流体)とし
ては、超臨界状態のCO2 、あるいはR−22、R−1
23等の各種フロン類などが使用できるが、特にCO2
が好ましい。
として使用する有機物の好ましい例としては、4面体構
造を有するテトラプロピルアンモニウムブロミド、テト
ラプロピルアンモニウムヒドロキサイド、ヘキサメチレ
ンジアミンなどが挙げられる。
においては、TPAなどの有機テンプレートの使用量の
削減と、ペンタシルゼオライトの水熱合成後、不必要と
なったTPAを、アルミノシリケートのネットワークを
破壊することなく効率的に除去することが必要である。
本発明者等はペンタシルゼオライトの製造コストの大幅
な低減を検討する中で、有機テンプレートの除去に超臨
界状態の流体の使用が極めて効果的であることを見出し
た。
オライトであるZSM−5を例として説明する。希硫酸
に硫酸アルミニウム、テトラプロピルアンモニウムブロ
ミド(TPAブロミド)を加えた溶液及びシリカゾルを
食塩水に加えた後、pHを9以下に維持して2〜3時間
程度室温で攪拌する。次いで、水酸化ナトリウムでpH
を10.2〜10.4に調整した後、オートクレーブで
150℃、20時間、攪拌条件下で水熱合成を行う。そ
の後、従来の方法では、生成物を濾過水洗、乾燥した
後、550℃で数時間焼成して残留する有機物を除去
し、ペンタシルゼオライトを得ていたが、本発明の方法
では、150℃の水熱合成で得られたゲル状物質を濾過
水洗し、必要により乾燥した後、超臨界状態の流体を用
いて有機物を抽出除去する。
を使用する場合には、有機物を含むペンタシルゼオライ
ト前駆物質を高圧容器に装架し高圧、高温の超臨界圧C
O2 を供給してTPAブロミドを包蔵するZSM−5の
結晶と接触させる。これによりTPAブロミドの大部分
は超臨界圧のCO2 によって抽出される。この後、抽出
したTPAブロミドを含有するCO2 を低温低圧状態に
導くと超臨界圧のCO2 に溶解したTPAブロミドは液
相として再析出し、回収される。
質から超臨界状態の流体により抽出回収したTPAブロ
ミド及び水熱合成の母液中に残存するTPAブロミドを
液液抽出などにより回収したTPAブロミドを、ペンタ
シルゼオライト製造の際の原料として再利用することに
よりTPAブロミドの使用量を従来方法の1/4から1
/5に低減することができる。
りZSM−5前駆物質に含有されるTPAの大部分が超
臨界流体相に移行するので、その後の熱処理としては長
時間の精密な熱処理は必要無く、また、従来の550℃
の温度よりも低温側(400℃程度以上)での熱処理で
よいため、加熱の際のアルミノシリケートのネットワー
クの破壊が最低限に抑制される。
ンプレートの使用量が1/4〜1/5に低減することが
できる。これにより、ペンタシルゼオライトのコストを
従来の1/3程度に低減することができる。また、熱処
理温度を従来と同一の550℃とすれば従来の焼成時間
3時間に対し30分程度で有機テンプレートの除去が達
成でき、従来と同一の3時間であれば焼成温度は従来の
550℃よりかなり低い400℃でテンプレートの完全
な除去が達成できる。なお、この溶剤抽出後のペンタシ
ルゼオライトを吸着剤として使用する場合には、テンプ
レートの残存の影響は少なく、若干の吸着量の低下につ
ながる程度である。超臨界流体抽出後の熱処理を行って
いないペンタシルゼオライトの吸着量を熱処理を行った
ものと比較したところ、塩化メチレン5000ppmの
室温での吸着において吸着量の低下は20%程度に留ま
り、敢えて熱処理を行わなくとも実用に供せられること
がわかった。
オライトの前駆物質に超臨界状態のCO2 を接触させて
有機テンプレートを除去し、除去後のペンタシルゼオラ
イトの性状及び吸着性能を評価し、また、超臨界状態の
CO2 で抽出した有機テンプレートを再利用してペンタ
シルゼオライトを製造し、この方法で得られたゼオライ
トを評価して、有機テンプレートの使用量の削減の妥当
性を実証した。
液185gと純水118gを混合した溶液(溶液A)及
び硫酸アルミニウム5.5g、TPAブロミド21g、
濃硫酸12gを純水155gに混合した溶液(溶液B)
を調整した。溶液A及び溶液Bを、塩化ナトリウム70
gを純水270gに溶解した溶液に加えた後、pHを9
以下に維持して室温で2時間攪拌した。次いで、水酸化
ナトリウムでpHを10.3に再設定し、オートクレー
ブで130rpmの攪拌条件で70℃/時間の昇温速度
で150℃まで昇温した後、150℃、130rpmの
攪拌条件下で20時間反応させて水熱合成を行い生成物
を濾過水洗し、TPAブロミドを含有するZSM−5前
駆物質15gを得た。この前駆物質から超臨界状態のC
O2 を用いてTPAブロミドの抽出回収を行った。図1
はこの抽出回収に用いた装置の概略構成図である。
圧のカラム1に充填して上流から400atmのCO2
を加熱器2で温度80℃に加熱し流路3から100ml
N/分の流量で30分流過した。CO2 は25℃、25
atmが臨界点なので80℃、400atmは超臨界条
件であり、この条件ではCO2 は有機物に対して非常に
大きな溶解度を示す。そのため、ZSM−5の前駆物質
に含有されているTPAブロミドは効率よく除去されて
1時間の流過で含有されたTPAブロミドの95%以上
が超臨界圧CO2 相に移動した。この後超臨界状態のC
O2 は流路4から減圧弁5を経てフラッシュドラム6に
入り、CO2 に溶解したTPAブロミドは再凝縮する。
流路7から回収されたTPAブロミドをFTIR、NM
R、ガスクロマトグラフでフレッシュ品と比較したが高
温による熱変質及びCO2 への溶解に伴う変質等の劣化
は認められなかった。
合成時に液相に未反応物として溶解しているが、これは
シリカゾル、アルミナゾル又はゲルを含有する水溶液か
らn−ヘキサンを抽出溶剤として液/液抽出で回収し
た。TPAブロミドを放出したCO2 は流路8を経て混
合槽9から圧縮機10で再び400atmまて加圧され
て高圧カラム1に供給される。なお、符号11はCO2
のリザーバータンクであり超臨界抽出に伴い回収有機テ
ンプレートへの随伴による系外への流出、リーク等で不
足するCO2 を補充するためのものである。
抽出後の生成物をX−線回折で計測した結果、典型的な
ZSM−5のX線回折パターンが得られ、ZSM−5が
得られていることがわかった。この後、この未焼成ZS
M−5を450℃で焼成し、僅かに残留するTPAブロ
ミドを除去して有機物が完全に除去された吸着、触媒活
性の高いZSM−5を得た。ここで再びX−線回折によ
り熱処理前のZSM−5との構造の差異を比較したがX
−線回折パターンには大きな差異は認められなかった。
このことから超臨界抽出直後にZSM−5の結晶型は維
持されており、その後の熱処理では大きな変化のないこ
とを示している。
ブロミド及び水熱合成時の母液に溶解し液一液抽出で回
収したTPAブロミドを原料の一部として、これに不足
のTPAブロミド及び他の原料のシリカゾル、硫酸等を
加えて上記の本発明の方法でZSM−5の製造を行っ
た。得られた熱処理前及び熱処理後のZSM−5につい
ても同じくX−線回折パターンを計測して比較したが1
回目に得られたZSM−5と大きな差異は認められなか
った。
のa)〜e)の5サンプルについて、塩化メチレンを5
000ppm含有する空気と接触させて25℃での平衡
吸着量を比較した。結果を表1に示す。 a)従来法である550℃焼成で得られたZSM−5。 b)本発明の方法により、CO2 超臨界圧抽出でTPA
ブロミドを抽出し、熱処理を行わないままのZSM−
5。 c)本発明の方法により、CO2 超臨界圧抽出でTPA
ブロミドを抽出し、その後400℃、3時間熱処理を行
って得られたZSM−5。 d)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られた
TPAブロミドを原料の1部として再利用して水熱合成
を行い、熱処理を行わないままのZSM−5。 e)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られた
TPAブロミドを原料の1部として再利用して水熱合成
を行い、その後400℃、3時間熱処理を行なったZS
M−5。
85gと純水118gを混合した溶液(溶液A)の代わ
りに、SiO2 換算で30重量%を含有する水ガラス3
号125gと純水118gを混合した溶液(溶液A−
2)を使用したほかは実施例1と同様に操作しZSM−
5のサンプルを得た。実施例1の場合と同様に、流路7
から回収されたTPAブロミドをFTIR、NMR、ガ
スクロマトグラフでフレッシュ品と比較したが高温によ
る熱変質及びCO2 への溶解に伴う変質等の劣化は認め
られなかった。また、TPAブロミドの20%程度は水
熱合成時に液相に未反応物として溶解しているが、これ
はシリカゾル、アルミナゾル又はゲルを含有する水溶液
からn−ヘキサンを抽出溶剤として液/液抽出で回収し
た。
をX−線回折で計測した結果、典型的なZSM−5のX
線回折パターンを得た。この熱処理前のZSM−5を4
50℃で焼成し、僅かに残留するTPAブロミドを除去
して有機物が完全に除去された吸着、触媒活性の高いZ
SM−5を得た。ここで再びX−線回折により熱処理前
の未焼成ZSM−5との構造の差異を比較したがX−線
回折パターンには大きな差異は認められなかった。さら
に、回収したTPAブロミドを用いて作製したサンプル
についても同様のX−線回折パターンが得られた。
サンプル(a-2〜e-2)について、塩化メチレンを50
00ppm含有する空気と接触させて25℃での平衡吸
着量を比較した。結果を表2に示す。 a-2)従来法である550℃焼成で得られたZSM−
5。 b-2)本発明の方法により、CO2 超臨界圧抽出でTP
Aブロミドを抽出し、熱処理を行わないままのZSM−
5。 c-2)本発明の方法により、CO2 超臨界圧抽出でTP
Aブロミドを抽出し、その後400℃、3時間熱処理を
行って得られたZSM−5。 d-2)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られ
たTPAブロミドを原料の1部として再利用して水熱合
成を行い、熱処理を行わないままのZSM−5。e-2)
本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られたTP
Aブロミドを原料の1部として再利用して水熱合成を行
い、その後400℃、3時間熱処理を行なったZSM−
5。
0gと純水150gを混合した溶液(溶液A−3)及び
炭酸ナトリウム12.2g、TPAブロミド18.4
g、濃硫酸30gを純水100gに混合した溶液(溶液
B−3)を調整した。溶液A−3を溶液B−3に加えた
後、pHを9以下に維持して室温で12時間攪拌した。
次いで、水酸化ナトリウムでpHを10.3に再設定
し、オートクレーブで130rpmの攪拌条件で70℃
/時間の昇温速度で150℃まで昇温した後、150
℃、130rpmの攪拌条件下で20時間反応させて水
熱合成を行い生成物を濾過水洗し、TPAブロミドを含
有するシリカライト前駆物質8gを得た。
ト前駆物質から、実施例1と同様な方法により超臨界状
態のCO2 を用いてTPAブロミドを抽出除去した。実
施例1の場合と同様に、流路7から回収されたTPAブ
ロミドをFTIR、NMR、ガスクロマトグラフでフレ
ッシュ品と比較したが高温による熱変質及びCO2 への
溶解に伴う変質等の劣化は認められなかった。また、T
PAブロミドの20%程度は水熱合成時に液相に未反応
物として溶解しているが、これはシリカゾル、アルミナ
ゾル又はゲルを含有する水溶液からn−ヘキサンを抽出
溶剤として液/液抽出で回収した。
ミドを抽出後の生成物をX−線回折で計測した結果、典
型的なシリカライトのX線回折パターンを得た。この熱
処理前のシリカライトを450℃で焼成し、僅かに残留
するTPAブロミドを除去して有機物が完全に除去され
た吸着、触媒活性の高いシリカライトを得た。ここで再
びX−線回折により熱処理前の未焼成シリカライトとの
構造の差異を比較したがX−線回折パターンには大きな
差異は認められなかった。さらに、回収したTPAブロ
ミドを用いて作製したサンプルについても同様のX−線
回折パターンが得られた。
ル(a-3〜e-3)について、塩化メチレンを5000p
pm含有する空気と接触させて25℃での平衡吸着量を
比較した。結果を表3に示す。 a-3)従来法である550℃焼成で得られたシリカライ
ト。 b-3)本発明の方法により、CO2 超臨界圧抽出でTP
Aブロミドを抽出し、熱処理を行わないままのシリカラ
イト。 c-3)本発明の方法により、CO2 超臨界圧抽出でTP
Aブロミドを抽出し、その後400℃、3時間熱処理を
行って得られたシリカライト。 d-3)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られ
たTPAブロミドを原料の1部として再利用して水熱合
成を行い、熱処理を行わないままのシリカライト。 e-3)本発明の方法でCO2 超臨界圧抽出により得られ
たTPAブロミドを原料の1部として再利用して水熱合
成を行い、その後400℃、3時間熱処理を行なったシ
リカライト。
を再利用してもX−線回折パターンの比較からある程度
予想されていたことだが、得られたZSM−5又はシリ
カライトの吸着性能に差異はないことがわかる。また、
CO2 超臨界抽出後、従来通り熱処理を行った場合と熱
処理を行わない場合とを比較すると、吸着量に関して熱
処理を行った場合の方が20%程度大きい。これは結晶
内に残留するTPAブロミドのために細孔容量が減少し
ているためと思われた。しかし実用的には微妙な熱処理
工程を実施して20%吸着量の大きな吸着剤を得るのと
熱処理を行わずに使用する場合の得失は僅かであると思
われた。
レートを使用するぺンタシルゼオライトの製造方法にお
いて、アルミノシリケートのネットワークの破壊を来す
ことなく、容易に有機テンプレートの除去を行うことが
でき、品質の安定したぺンタシルゼオライトを得ること
ができる。しかも、除去した有機テンプレートは回収し
て再使用することができるので、有機テンプレートの使
用量を削減することができる。これにより触媒、吸着剤
として優れた性能を有するペンタシルゼオライトを安価
に製造することができるので、その工業的価値は大きい
ものがある。
の概略構成図。
Claims (3)
- 【請求項1】 ゾル状態のシリカ源又はシリカ源とアル
ミナ源の混合物に有機物を添加した混合物から水熱合成
でペンタシルゼオライトを製造する方法において、水熱
合成後の有機物を含むペンタシルゼオライト前駆物質を
超臨界条件の流体と接触させて有機物を抽出除去するこ
とを特徴とするペンタシルゼオライトの製造方法。 - 【請求項2】 水熱合成後の有機物を含むペンタシルゼ
オライト前駆物質を超臨界条件の流体と接触させて有機
物を抽出除去した後、さらに残留する微量の有機物を高
温焼成で除去することを特徴とする請求項1に記載のペ
ンタシルゼオライトの製造方法。 - 【請求項3】 前記超臨界条件の流体で抽出された有機
物をペンタシルゼオライトの原料として再利用すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のペンタシルゼオラ
イトの製造方法。
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