JPH1034824A - 印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 - Google Patents
印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板Info
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- JPH1034824A JPH1034824A JP21530796A JP21530796A JPH1034824A JP H1034824 A JPH1034824 A JP H1034824A JP 21530796 A JP21530796 A JP 21530796A JP 21530796 A JP21530796 A JP 21530796A JP H1034824 A JPH1034824 A JP H1034824A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板における
印刷柄に沿って形成される凹凸を解消して、鮮映性の優
れたラミネート鋼板を安価に提供する。 【解決手段】 鋼板表面に接着剤層を介して印刷ポリエ
チレンテレフタレートフィルムを積層してなるラミネー
ト鋼板において、印刷ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムと、柄印刷インキ層、次いでベタ印刷インキ層を設
けてなる印刷インキ層との間に、透明印刷インキ層を設
け、かつ、透明印刷インキ層の厚みが柄印刷インキ層の
最大厚さ部の１．５倍以上とする。 【効果】 顔料を含まないため軟質の透明印刷インキ層
が、柄印刷インキ層の乾燥に伴う収縮やその凹凸に対し
緩衝作用を有し平滑化する。
印刷柄に沿って形成される凹凸を解消して、鮮映性の優
れたラミネート鋼板を安価に提供する。 【解決手段】 鋼板表面に接着剤層を介して印刷ポリエ
チレンテレフタレートフィルムを積層してなるラミネー
ト鋼板において、印刷ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムと、柄印刷インキ層、次いでベタ印刷インキ層を設
けてなる印刷インキ層との間に、透明印刷インキ層を設
け、かつ、透明印刷インキ層の厚みが柄印刷インキ層の
最大厚さ部の１．５倍以上とする。 【効果】 顔料を含まないため軟質の透明印刷インキ層
が、柄印刷インキ層の乾燥に伴う収縮やその凹凸に対し
緩衝作用を有し平滑化する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷柄を表現した意匠
鋼板として使用される印刷ポリエチレンテレフタレート
フィルムラミネート鋼板に関する。
鋼板として使用される印刷ポリエチレンテレフタレート
フィルムラミネート鋼板に関する。
【０００２】
【従来の技術】家電製品の外板などのほか、家具や調度
品、更にエレベータ内壁や内装建材などにも鋼板が使用
される機会が多くなっているが、これらの鋼板では、そ
の使用途に応じて、周囲の環境に調和した色、柄や色調
の外観を有するものが望まれる。このため、このような
要望に応えるものとして、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート（ＰＥＴ）／印刷／可塑化ポリ塩化ビニル（Ｐ
ＶＣ）複合フィルムを鋼板に積層したＰＥＴ／ＰＶＣフ
ィルムラミネート鋼板が広く使用されている。しかし、
このＰＥＴ／ＰＶＣフィルムラミネート鋼板は、（ＰＥ
Ｔ）／印刷／可塑化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）複合フィ
ルム自体が高価である。また、下層のＰＶＣを凹凸緩衝
層として作用させ、ＰＥＴ表面を平滑にするため、フィ
ルム積層後に加熱鏡面金属ロールで圧下するなどの煩雑
な製造工程を経て製造される。その結果、製造コストも
高く、勢い積層製品が高価なものとなる。
品、更にエレベータ内壁や内装建材などにも鋼板が使用
される機会が多くなっているが、これらの鋼板では、そ
の使用途に応じて、周囲の環境に調和した色、柄や色調
の外観を有するものが望まれる。このため、このような
要望に応えるものとして、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート（ＰＥＴ）／印刷／可塑化ポリ塩化ビニル（Ｐ
ＶＣ）複合フィルムを鋼板に積層したＰＥＴ／ＰＶＣフ
ィルムラミネート鋼板が広く使用されている。しかし、
このＰＥＴ／ＰＶＣフィルムラミネート鋼板は、（ＰＥ
Ｔ）／印刷／可塑化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）複合フィ
ルム自体が高価である。また、下層のＰＶＣを凹凸緩衝
層として作用させ、ＰＥＴ表面を平滑にするため、フィ
ルム積層後に加熱鏡面金属ロールで圧下するなどの煩雑
な製造工程を経て製造される。その結果、製造コストも
高く、勢い積層製品が高価なものとなる。
【０００３】このため、印刷ＰＥＴフィルムを鋼板表面
に接着剤を介して積層したラミネート鋼板が家電製品や
暖房機器などの外装部、内装建材或いは調度品などに使
用されるようになってきた。この印刷ＰＥＴラミネート
鋼板は、顔料を配合した着色接着剤層を鋼板表面に設
け、印刷面が接着剤層側になるように印刷ＰＥＴフィル
ムを接着剤層上に積層することにより製造される。接着
剤層に配合した顔料は、下地層として鋼板の地肌が外観
に現れることを防止すると共に、印刷外観の背景として
の色調を形成する。これら印刷ＰＥＴラミネート鋼板
は、ＰＥＴ／ＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比較して
フィルム単価が安く、かつフィルム積層後に加熱鏡面金
属ロールで圧下するなどの煩雑な製造工程を必要としな
いため、低コスト型の意匠鋼板として扱われている。
に接着剤を介して積層したラミネート鋼板が家電製品や
暖房機器などの外装部、内装建材或いは調度品などに使
用されるようになってきた。この印刷ＰＥＴラミネート
鋼板は、顔料を配合した着色接着剤層を鋼板表面に設
け、印刷面が接着剤層側になるように印刷ＰＥＴフィル
ムを接着剤層上に積層することにより製造される。接着
剤層に配合した顔料は、下地層として鋼板の地肌が外観
に現れることを防止すると共に、印刷外観の背景として
の色調を形成する。これら印刷ＰＥＴラミネート鋼板
は、ＰＥＴ／ＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比較して
フィルム単価が安く、かつフィルム積層後に加熱鏡面金
属ロールで圧下するなどの煩雑な製造工程を必要としな
いため、低コスト型の意匠鋼板として扱われている。
【０００４】印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板は、ラ
ミネート鋼板の最外層をなす印刷ＰＥＴフィルムの表面
が平滑であればあるほど鮮映性が高く、優れた外観を呈
する。そこで、鋼板、プライマー層、接着剤層の各表面
を極力平滑化する方法が採用されている。しかしなが
ら、印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板表面には、印刷
柄に沿った凹凸が認められ、ＰＥＴ／ＰＶＣ／フィルム
ラミネート鋼板に比較して外観が劣ることは避けられな
い。
ミネート鋼板の最外層をなす印刷ＰＥＴフィルムの表面
が平滑であればあるほど鮮映性が高く、優れた外観を呈
する。そこで、鋼板、プライマー層、接着剤層の各表面
を極力平滑化する方法が採用されている。しかしなが
ら、印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板表面には、印刷
柄に沿った凹凸が認められ、ＰＥＴ／ＰＶＣ／フィルム
ラミネート鋼板に比較して外観が劣ることは避けられな
い。
【０００５】本発明者らは、この印刷柄に沿った凹凸が
発生する原因について鋭意検討・調査した結果、次のこ
とが判明した。印刷ＰＥＴラミネート鋼板に使用されて
いる従来の印刷ＰＥＴフィルムは、ＰＥＴフィルム表面
に、まず、柄印刷インキ層を設け、次いでベース色を形
成するために、ベタ印刷インキ層を設けた構成となって
いる。この印刷ＰＥＴフィルムの構成において、ＰＥＴ
フィルムに隣接する柄印刷インキ層を設ける際に、溶剤
蒸発、インキ乾燥に伴って柄印刷インキが体積収縮し、
このためＰＥＴフィルムは柄印刷部がその周辺部に対し
て厚みが増大する。すなわち、柄印刷インキの体積収縮
に伴ってＰＥＴフィルムがその印刷面に沿って収縮し、
その分厚みの増大を来す結果となっていた。
発生する原因について鋭意検討・調査した結果、次のこ
とが判明した。印刷ＰＥＴラミネート鋼板に使用されて
いる従来の印刷ＰＥＴフィルムは、ＰＥＴフィルム表面
に、まず、柄印刷インキ層を設け、次いでベース色を形
成するために、ベタ印刷インキ層を設けた構成となって
いる。この印刷ＰＥＴフィルムの構成において、ＰＥＴ
フィルムに隣接する柄印刷インキ層を設ける際に、溶剤
蒸発、インキ乾燥に伴って柄印刷インキが体積収縮し、
このためＰＥＴフィルムは柄印刷部がその周辺部に対し
て厚みが増大する。すなわち、柄印刷インキの体積収縮
に伴ってＰＥＴフィルムがその印刷面に沿って収縮し、
その分厚みの増大を来す結果となっていた。
【０００６】また、柄印刷インキ層を設けた上にベタ印
刷インキ層を設けても、柄印刷部では、インキ層の全体
の厚みが柄印刷されていない部分に比べて厚くなる。従
って、この印刷ＰＥＴフィルムを鋼板に積層すると、積
層されたＰＥＴフィルムにその凹凸が現れることが、印
刷柄に沿った凹凸が発生する原因であることが判った。
その結果、印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板は、印刷
柄に沿った凹凸を有する外観の劣ったものとなる。
刷インキ層を設けても、柄印刷部では、インキ層の全体
の厚みが柄印刷されていない部分に比べて厚くなる。従
って、この印刷ＰＥＴフィルムを鋼板に積層すると、積
層されたＰＥＴフィルムにその凹凸が現れることが、印
刷柄に沿った凹凸が発生する原因であることが判った。
その結果、印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板は、印刷
柄に沿った凹凸を有する外観の劣ったものとなる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決すべく案出されたものであり、ＰＥＴフィ
ルムラミネート鋼板において、凹凸緩衝層であるＰＶＣ
をＰＥＴフィルムの下に設けなくとも、更にフィルム積
層後の加熱金属ロールで圧下するなどの複雑な製造工程
を必要とすることなく、平滑で鮮映な外観を有する印刷
ＰＥＴフィルムラミネート鋼板を安価に提供することを
目的とする。
問題点を解決すべく案出されたものであり、ＰＥＴフィ
ルムラミネート鋼板において、凹凸緩衝層であるＰＶＣ
をＰＥＴフィルムの下に設けなくとも、更にフィルム積
層後の加熱金属ロールで圧下するなどの複雑な製造工程
を必要とすることなく、平滑で鮮映な外観を有する印刷
ＰＥＴフィルムラミネート鋼板を安価に提供することを
目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、鋼板表面に接着剤層を介して印刷ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを積層してなるラミネート
鋼板において、印刷ポリエチレンテレフタレートフィル
ムと、柄印刷インキ層、次いでベタ印刷インキ層を設け
てなる印刷インキ層との間に、透明印刷インキ層を設
け、かつ、透明印刷インキ層の厚みが柄印刷インキ層の
最大厚さ部の１．５倍以上であることを特徴とする。
成するため、鋼板表面に接着剤層を介して印刷ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを積層してなるラミネート
鋼板において、印刷ポリエチレンテレフタレートフィル
ムと、柄印刷インキ層、次いでベタ印刷インキ層を設け
てなる印刷インキ層との間に、透明印刷インキ層を設
け、かつ、透明印刷インキ層の厚みが柄印刷インキ層の
最大厚さ部の１．５倍以上であることを特徴とする。
【０００９】
【作用】本発明は、前記構成により、印刷ポリエチレン
テレフタレートフィルムの印刷層形成前に、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに透明印刷インキ層を設け、
柄印刷層及びベース印刷層となるベタ印刷層との間に介
装させてなるものであって、この透明印刷インキ層によ
って印刷柄に沿って発生する凹凸を消失させるものであ
る。すなわち、本発明者らは、この印刷柄に沿った凹凸
を解消させる機構について鋭意検討した結果、透明印刷
インキが顔料を含まないため柔軟性があって柄印刷イン
キ層などの体積収縮に対して変形し易く、かつ透明であ
ることから柄印刷インキ層との間に介在してもその外観
を損なうことがないことに着目して本発明に至ったもの
である。その機構は、まず、ＰＥＴフィルムと柄印刷イ
ンキ層との間に透明印刷インキ層を設けることによって
柄印刷インキ層の乾燥に伴う体積収縮による内部応力を
透明印刷インキ層が吸収し、ＰＥＴフィルムに収縮応力
の及ぶことを防止する。
テレフタレートフィルムの印刷層形成前に、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムに透明印刷インキ層を設け、
柄印刷層及びベース印刷層となるベタ印刷層との間に介
装させてなるものであって、この透明印刷インキ層によ
って印刷柄に沿って発生する凹凸を消失させるものであ
る。すなわち、本発明者らは、この印刷柄に沿った凹凸
を解消させる機構について鋭意検討した結果、透明印刷
インキが顔料を含まないため柔軟性があって柄印刷イン
キ層などの体積収縮に対して変形し易く、かつ透明であ
ることから柄印刷インキ層との間に介在してもその外観
を損なうことがないことに着目して本発明に至ったもの
である。その機構は、まず、ＰＥＴフィルムと柄印刷イ
ンキ層との間に透明印刷インキ層を設けることによって
柄印刷インキ層の乾燥に伴う体積収縮による内部応力を
透明印刷インキ層が吸収し、ＰＥＴフィルムに収縮応力
の及ぶことを防止する。
【００１０】更に、柄印刷インキは、顔料を含まないた
め変形し易い透明印刷インキ層の上に印刷されると、そ
の印刷の際のグラビアロールの圧下によって柔らかい透
明印刷インキ層中に押し込まれ、また、柄印刷インキ中
に含まれる溶剤により透明印刷インキの部分的な溶解を
生ずるなどして、柄印刷インキ層は一部透明印刷インキ
層中に潜り込んだ形態を取る。加えてこの透明印刷イン
キ層は顔料を含まないため、鋼板への積層時の加熱によ
ってより一層軟化、変形し易くなって前記のＰＥＴ／Ｐ
ＶＣフィルムラミネート鋼板の場合の凹凸緩衝層と同様
の機能を果たし、印刷ＰＥＴフィルムの変形による凹凸
の形成を防止して、この結果、印刷柄に沿った凹凸の発
生が防止されて平滑な表面となるものと考えられる。こ
れらの柄印刷インキ層の乾燥に伴う内部応力の緩和、柄
印刷インキ層設置時の潜り込み、更に、鋼板への積層時
の凹凸緩和効果を果たすためには、透明印刷インキ層の
厚みは柄印刷インキ層の最大インキ厚さ部の１．５倍以
上である必要がある。
め変形し易い透明印刷インキ層の上に印刷されると、そ
の印刷の際のグラビアロールの圧下によって柔らかい透
明印刷インキ層中に押し込まれ、また、柄印刷インキ中
に含まれる溶剤により透明印刷インキの部分的な溶解を
生ずるなどして、柄印刷インキ層は一部透明印刷インキ
層中に潜り込んだ形態を取る。加えてこの透明印刷イン
キ層は顔料を含まないため、鋼板への積層時の加熱によ
ってより一層軟化、変形し易くなって前記のＰＥＴ／Ｐ
ＶＣフィルムラミネート鋼板の場合の凹凸緩衝層と同様
の機能を果たし、印刷ＰＥＴフィルムの変形による凹凸
の形成を防止して、この結果、印刷柄に沿った凹凸の発
生が防止されて平滑な表面となるものと考えられる。こ
れらの柄印刷インキ層の乾燥に伴う内部応力の緩和、柄
印刷インキ層設置時の潜り込み、更に、鋼板への積層時
の凹凸緩和効果を果たすためには、透明印刷インキ層の
厚みは柄印刷インキ層の最大インキ厚さ部の１．５倍以
上である必要がある。
【００１１】
【発明の実施の態様】本発明において使用するＰＥＴフ
ィルムは、一般的な２軸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムでよく、酸性分としてテレフタル酸とイ
ソフタル酸の共重合体樹脂フィルムを用いてもよい。フ
ィルムラミネートを容易にするためには１０〜５０μｍ
の厚みをもつものが好適である。膜厚が１０μｍ未満の
フィルムでは、ラミネートが困難である。逆に、５０μ
ｍを超える膜厚では、応力が大きくなり、曲げなどの成
形加工時にフィルムが剥離し易くなる。また、ＰＥＴフ
ィルムにはコロナ放電処理、或いはアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂等によるＰＥＴフィルム表面へのコーティ
ングなどの易接着処理を施すことが好ましい。
ィルムは、一般的な２軸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムでよく、酸性分としてテレフタル酸とイ
ソフタル酸の共重合体樹脂フィルムを用いてもよい。フ
ィルムラミネートを容易にするためには１０〜５０μｍ
の厚みをもつものが好適である。膜厚が１０μｍ未満の
フィルムでは、ラミネートが困難である。逆に、５０μ
ｍを超える膜厚では、応力が大きくなり、曲げなどの成
形加工時にフィルムが剥離し易くなる。また、ＰＥＴフ
ィルムにはコロナ放電処理、或いはアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂等によるＰＥＴフィルム表面へのコーティ
ングなどの易接着処理を施すことが好ましい。
【００１２】印刷インキのベース樹脂には、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂などが使用される。透明印刷イン
キにはこれらのベース樹脂に種々の添加剤を配合したも
のが使用される。また、柄印刷インキ並びにベタ印刷イ
ンキには、前記ベース樹脂に顔料及び種々の添加剤を配
合したものが使用される。印刷ＰＥＴフィルムは、ＰＥ
Ｔフィルムに透明印刷インキ層、次いで柄印刷インキ層
そしてベタ印刷インキ層を各々グラビア印刷、乾燥する
工程を繰り返して積層して得ることができる。そして、
透明印刷インキ層の厚みは柄印刷インキ層の最大厚み部
の１．５倍以上必要であり、１．５倍未満では柄に沿っ
て形成されるた凹凸を十分に解消することはできない。
−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂などが使用される。透明印刷イン
キにはこれらのベース樹脂に種々の添加剤を配合したも
のが使用される。また、柄印刷インキ並びにベタ印刷イ
ンキには、前記ベース樹脂に顔料及び種々の添加剤を配
合したものが使用される。印刷ＰＥＴフィルムは、ＰＥ
Ｔフィルムに透明印刷インキ層、次いで柄印刷インキ層
そしてベタ印刷インキ層を各々グラビア印刷、乾燥する
工程を繰り返して積層して得ることができる。そして、
透明印刷インキ層の厚みは柄印刷インキ層の最大厚み部
の１．５倍以上必要であり、１．５倍未満では柄に沿っ
て形成されるた凹凸を十分に解消することはできない。
【００１３】本発明において、印刷ＰＥＴフィルムは、
接着剤層を介して鋼板に積層されるが、鋼板表面には熱
硬化型プライマーを設けることができる。この熱硬化型
プライマーとしては、熱硬化型フェノキシ樹脂系プライ
マー、熱硬化型ポリエステル樹脂系プライマー、熱硬化
型高分子ポリエステル樹脂系プライマー等が挙げられ
る。熱硬化型プライマー中には必要に応じて、着色顔
料、防錆顔料、体質顔料などを添加してもよい。また、
熱硬化型プライマー層は、乾燥塗膜厚さで２〜２０μｍ
にすることが好ましい。印刷ＰＥＴフィルムを鋼板に積
層するときに使用される接着剤としては、１液型又は２
液型ポリエステル樹脂系接着剤、ポリウレタン樹脂系接
着剤などが用いられる。この接着剤にも、必要に応じて
着色顔料、防錆顔料、体質顔料などを添加することがで
きる。接着剤層は、乾燥塗膜厚さが２〜２０μｍになる
ように鋼板表面に塗布することが好ましい。
接着剤層を介して鋼板に積層されるが、鋼板表面には熱
硬化型プライマーを設けることができる。この熱硬化型
プライマーとしては、熱硬化型フェノキシ樹脂系プライ
マー、熱硬化型ポリエステル樹脂系プライマー、熱硬化
型高分子ポリエステル樹脂系プライマー等が挙げられ
る。熱硬化型プライマー中には必要に応じて、着色顔
料、防錆顔料、体質顔料などを添加してもよい。また、
熱硬化型プライマー層は、乾燥塗膜厚さで２〜２０μｍ
にすることが好ましい。印刷ＰＥＴフィルムを鋼板に積
層するときに使用される接着剤としては、１液型又は２
液型ポリエステル樹脂系接着剤、ポリウレタン樹脂系接
着剤などが用いられる。この接着剤にも、必要に応じて
着色顔料、防錆顔料、体質顔料などを添加することがで
きる。接着剤層は、乾燥塗膜厚さが２〜２０μｍになる
ように鋼板表面に塗布することが好ましい。
【００１４】本発明で使用される下地の鋼板としては、
めっき鋼板、ステンレス鋼板などがある。これらの鋼板
にクロメート処理や燐酸塩処理などの前処理を施し、ロ
ールコート法、カーテンコート法、スプレー法などで熱
硬化型プライマー層を形成した後、焼付乾燥して、その
上に接着剤をプライマー層と同様の方法で形成する。そ
して、接着剤層が溶融状態にあり、透明印刷インキ層が
軟化状態にあるとき、印刷ＰＥＴフィルムを積層してラ
ミネートする。
めっき鋼板、ステンレス鋼板などがある。これらの鋼板
にクロメート処理や燐酸塩処理などの前処理を施し、ロ
ールコート法、カーテンコート法、スプレー法などで熱
硬化型プライマー層を形成した後、焼付乾燥して、その
上に接着剤をプライマー層と同様の方法で形成する。そ
して、接着剤層が溶融状態にあり、透明印刷インキ層が
軟化状態にあるとき、印刷ＰＥＴフィルムを積層してラ
ミネートする。
【００１５】実施例１：鋼板厚み０．５ｍｍ、片面当り
亜鉛目付量４５ｇ／ｍ2 の溶融亜鉛めっき鋼板に塗布型
クロメート処理を施し、次いでイソシアネートを硬化剤
とし、酸化チタンを配合した２液型ポリウレタン樹脂系
白色接着剤を乾燥膜厚が１０μｍとなるように塗布し、
２１０℃×６０秒乾燥し、直ちに表１に示す厚さ２５μ
ｍの印刷ＰＥＴフィルムを印刷面が接着剤層側になるよ
うに積層した。なお、印刷インキは塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体系インキを用い、グラビア印刷法により印
刷した。また、透明印刷インキ層は、ベタ印刷ロール版
深並びに印刷回数で膜厚を調整し、柄印刷は石目調の抽
象柄ロールで黒色インキを印刷し、ベタ印刷は白色イン
キをベタ印刷ロールで印刷、乾燥を２回繰り返して５μ
ｍ厚に印刷した。
亜鉛目付量４５ｇ／ｍ2 の溶融亜鉛めっき鋼板に塗布型
クロメート処理を施し、次いでイソシアネートを硬化剤
とし、酸化チタンを配合した２液型ポリウレタン樹脂系
白色接着剤を乾燥膜厚が１０μｍとなるように塗布し、
２１０℃×６０秒乾燥し、直ちに表１に示す厚さ２５μ
ｍの印刷ＰＥＴフィルムを印刷面が接着剤層側になるよ
うに積層した。なお、印刷インキは塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体系インキを用い、グラビア印刷法により印
刷した。また、透明印刷インキ層は、ベタ印刷ロール版
深並びに印刷回数で膜厚を調整し、柄印刷は石目調の抽
象柄ロールで黒色インキを印刷し、ベタ印刷は白色イン
キをベタ印刷ロールで印刷、乾燥を２回繰り返して５μ
ｍ厚に印刷した。
【００１６】実施例２：また、前記した溶融亜鉛めっき
鋼板に塗布型クロメート処理を施し、次いで熱硬化型フ
ェノキシ樹脂系白色プライマーを乾燥膜厚で１０μｍと
なるように塗布し、２１５℃×４５秒焼き付けた。その
上面にイソシアネートを硬化剤とするポリウレタン樹脂
系接着剤を乾燥膜厚が７μｍになるように塗布し、２１
０℃×６０秒乾燥して、直ちに表２に示す厚さ２５μｍ
の印刷ＰＥＴフィルムを印刷面が接着剤層側になるよう
に積層した。なお、表２に示した印刷ＰＥＴフィルムで
は、印刷インキにポリウレタン樹脂系インキを用い、前
記同様にグラビア印刷法により印刷した。また、透明印
刷インキ層はベタ印刷ロールで版深並びに印刷回数で膜
厚を調整し、柄印刷は和紙調の抽象柄ロールで白色イン
キを印刷し、ベタ印刷はベージュ色インキをベタ印刷ロ
ールで印刷、乾燥を２回繰り返して４μｍ厚に印刷し
た。
鋼板に塗布型クロメート処理を施し、次いで熱硬化型フ
ェノキシ樹脂系白色プライマーを乾燥膜厚で１０μｍと
なるように塗布し、２１５℃×４５秒焼き付けた。その
上面にイソシアネートを硬化剤とするポリウレタン樹脂
系接着剤を乾燥膜厚が７μｍになるように塗布し、２１
０℃×６０秒乾燥して、直ちに表２に示す厚さ２５μｍ
の印刷ＰＥＴフィルムを印刷面が接着剤層側になるよう
に積層した。なお、表２に示した印刷ＰＥＴフィルムで
は、印刷インキにポリウレタン樹脂系インキを用い、前
記同様にグラビア印刷法により印刷した。また、透明印
刷インキ層はベタ印刷ロールで版深並びに印刷回数で膜
厚を調整し、柄印刷は和紙調の抽象柄ロールで白色イン
キを印刷し、ベタ印刷はベージュ色インキをベタ印刷ロ
ールで印刷、乾燥を２回繰り返して４μｍ厚に印刷し
た。
【００１７】得られたラミネート鋼板について、鮮明度
光沢度計ＰＧＤ−４型で光沢度指数Ｇｄを測定した。ま
た、外観に関して印刷柄に沿った凹凸の有無を目視で確
認した。結果を、表１及び表２に示す。光沢度指数Ｇｄ
値が大きいほど表面が平滑で鮮映性が高い。なかでも、
光沢度指数が０．５以上になると、表面が平滑で高品質
のラミネート鋼板として扱われる。この点、本発明に従
ったラミネート鋼板は、何れも高い光沢度指数Ｇｄを示
しており、また、印刷柄に沿った凹凸も見られず、良好
な外観をもっていることが判る。これに対し、透明印刷
インキ層を設けることのない印刷ＰＥＴフィルムを積層
したものでは、表１及び表２に見られるように何れも光
沢度指数Ｇｄが低く、印刷柄に沿った凹凸が見られた。
光沢度計ＰＧＤ−４型で光沢度指数Ｇｄを測定した。ま
た、外観に関して印刷柄に沿った凹凸の有無を目視で確
認した。結果を、表１及び表２に示す。光沢度指数Ｇｄ
値が大きいほど表面が平滑で鮮映性が高い。なかでも、
光沢度指数が０．５以上になると、表面が平滑で高品質
のラミネート鋼板として扱われる。この点、本発明に従
ったラミネート鋼板は、何れも高い光沢度指数Ｇｄを示
しており、また、印刷柄に沿った凹凸も見られず、良好
な外観をもっていることが判る。これに対し、透明印刷
インキ層を設けることのない印刷ＰＥＴフィルムを積層
したものでは、表１及び表２に見られるように何れも光
沢度指数Ｇｄが低く、印刷柄に沿った凹凸が見られた。
【００１８】
【００１９】
【００２０】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の印刷Ｐ
ＥＴフィルムラミネート鋼板は、透明印刷インキ層をＰ
ＥＴフィルムと柄印刷インキ層との間に設けることによ
り、印刷柄に沿って形成される凹凸を解消し、鮮映性に
優れた外観を呈するラミネート鋼板を提供することがで
きる。また、製造工程においても、ＰＶＣフィルムの積
層工程及びフィルム積層後の加熱鏡面金属ロールによる
平滑化工程を必要とせず、透明印刷インキ層の印刷工程
で足りるため、安価に製造することができる。
ＥＴフィルムラミネート鋼板は、透明印刷インキ層をＰ
ＥＴフィルムと柄印刷インキ層との間に設けることによ
り、印刷柄に沿って形成される凹凸を解消し、鮮映性に
優れた外観を呈するラミネート鋼板を提供することがで
きる。また、製造工程においても、ＰＶＣフィルムの積
層工程及びフィルム積層後の加熱鏡面金属ロールによる
平滑化工程を必要とせず、透明印刷インキ層の印刷工程
で足りるため、安価に製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼板表面に接着剤層を介して印刷ポリエ
チレンテレフタレートフィルムを積層してなるラミネー
ト鋼板において、印刷ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムと、柄印刷インキ層、次いでベタ印刷インキ層を設
けてなる印刷インキ層との間に、透明印刷インキ層を設
けてなり、かつ、透明印刷インキ層の厚みが柄印刷イン
キ層の最大厚さ部の１．５倍以上であることを特徴とす
る印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート
鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21530796A JPH1034824A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21530796A JPH1034824A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1034824A true JPH1034824A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16670161
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21530796A Pending JPH1034824A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1034824A (ja) |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP21530796A patent/JPH1034824A/ja active Pending
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20020730 |