JPH1034822A - エンボス外観を有する印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 - Google Patents
エンボス外観を有する印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板Info
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- JPH1034822A JPH1034822A JP21530896A JP21530896A JPH1034822A JP H1034822 A JPH1034822 A JP H1034822A JP 21530896 A JP21530896 A JP 21530896A JP 21530896 A JP21530896 A JP 21530896A JP H1034822 A JPH1034822 A JP H1034822A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンボス外観の優れた印刷ＰＥＴフィルムラ
ミネート鋼板の提供。 【解決手段】 鋼板表面に接着剤層を介して印刷ＰＥＴ
フィルムを積層してなる印刷ＰＥＴフィルムラミネート
鋼板において、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面が前記
接着剤層側にあって、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面
の表面性状が柄印刷有無の境界部の高さ変動が幅１μｍ
当たり１０μｍ以上の傾斜をなし、かつ柄のない背景部
に対する柄印刷部の高さが３μｍ以上であり、更に、印
刷ＰＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度５００Ｐａ・秒
以上とする。 【効果】 印刷ＰＥＴフィルムにおける前記の柄印刷面
性状を向上し、フィルム積層時の押し込み現象の防止し
て、エンボス外観を著しく向上した。
ミネート鋼板の提供。 【解決手段】 鋼板表面に接着剤層を介して印刷ＰＥＴ
フィルムを積層してなる印刷ＰＥＴフィルムラミネート
鋼板において、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面が前記
接着剤層側にあって、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面
の表面性状が柄印刷有無の境界部の高さ変動が幅１μｍ
当たり１０μｍ以上の傾斜をなし、かつ柄のない背景部
に対する柄印刷部の高さが３μｍ以上であり、更に、印
刷ＰＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度５００Ｐａ・秒
以上とする。 【効果】 印刷ＰＥＴフィルムにおける前記の柄印刷面
性状を向上し、フィルム積層時の押し込み現象の防止し
て、エンボス外観を著しく向上した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムの印刷柄によってエンボス加工状の外観
を呈するラミネート鋼板に関する。
レートフィルムの印刷柄によってエンボス加工状の外観
を呈するラミネート鋼板に関する。
【０００２】
【従来の技術】家電製品の外板などのほか、家具や調度
品、更にエレベータ内壁や内装建材などにも鋼板が使用
される機会が多くなっているが、これらの鋼板では、そ
の使用途に応じて、周囲の環境に調和した色、柄や色調
の外観を有するものが望まれる。このため、このような
要望にこたえるものとして、エンボス加工の外観を呈す
る、或いは更にエンボス外観と意匠性を合わせ持つ意匠
部材が使用されている。この種の意匠部材として、エン
ボス外観を有する可塑化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）フィ
ルムを鋼板に積層したＰＶＣフィルムラミネート鋼板が
広く使用されている。しかしながら、このＰＶＣフィル
ムラミネート鋼板は汚れ易く、ＰＶＣフィルムの硬度が
低いために傷が付き易く、また、ラミネート鋼板の製造
時のコイル捲取りに際して、捲取り圧力並びにコイル自
重による加圧によってエンボスが潰れる「プレッシャー
マーク」現象が発生し易いという問題がある。
品、更にエレベータ内壁や内装建材などにも鋼板が使用
される機会が多くなっているが、これらの鋼板では、そ
の使用途に応じて、周囲の環境に調和した色、柄や色調
の外観を有するものが望まれる。このため、このような
要望にこたえるものとして、エンボス加工の外観を呈す
る、或いは更にエンボス外観と意匠性を合わせ持つ意匠
部材が使用されている。この種の意匠部材として、エン
ボス外観を有する可塑化ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）フィ
ルムを鋼板に積層したＰＶＣフィルムラミネート鋼板が
広く使用されている。しかしながら、このＰＶＣフィル
ムラミネート鋼板は汚れ易く、ＰＶＣフィルムの硬度が
低いために傷が付き易く、また、ラミネート鋼板の製造
時のコイル捲取りに際して、捲取り圧力並びにコイル自
重による加圧によってエンボスが潰れる「プレッシャー
マーク」現象が発生し易いという問題がある。
【０００３】そこで、ＰＶＣフィルムに代わって、ポリ
エチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の印刷フィルムを鋼
板表面に接着剤を介して積層したラミネート鋼板がこれ
らの家電製品や暖房機器などの外装部、調度品や建材な
どに使用されるようになってきた。この印刷ＰＥＴフィ
ルムラミネート鋼板は、顔料を配合した着色接着剤層を
鋼板表面に形成し、印刷面がこの接着剤層側になるよう
印刷ＰＥＴフィルムを接着剤層上に積層することにより
製造される。接着剤に配合した顔料は、下地層となって
鋼板の金属地肌が外観に現れることを防止するととも
に、印刷柄の背景を構成して使用環境に適した色調をな
す。印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板は、ＰＥＴフィ
ルムが化学的に安定で有機溶剤等に溶解しにくく、硬度
が高いため、ＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比較する
と汚れが除き易く、傷が付きにくい、また、前記のよう
な「プレッシャーマーク」現象が発生し難いという特徴
があり、低コストの意匠鋼板として用いられている。
エチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の印刷フィルムを鋼
板表面に接着剤を介して積層したラミネート鋼板がこれ
らの家電製品や暖房機器などの外装部、調度品や建材な
どに使用されるようになってきた。この印刷ＰＥＴフィ
ルムラミネート鋼板は、顔料を配合した着色接着剤層を
鋼板表面に形成し、印刷面がこの接着剤層側になるよう
印刷ＰＥＴフィルムを接着剤層上に積層することにより
製造される。接着剤に配合した顔料は、下地層となって
鋼板の金属地肌が外観に現れることを防止するととも
に、印刷柄の背景を構成して使用環境に適した色調をな
す。印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板は、ＰＥＴフィ
ルムが化学的に安定で有機溶剤等に溶解しにくく、硬度
が高いため、ＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比較する
と汚れが除き易く、傷が付きにくい、また、前記のよう
な「プレッシャーマーク」現象が発生し難いという特徴
があり、低コストの意匠鋼板として用いられている。
【０００４】ところで、印刷ＰＥＴフィルムラミネート
鋼板では、印刷柄に沿って形成される凹凸が、積層され
たＰＥＴフィルム表面上に表れて「印刷模様同調エンボ
ス」に類似した外観を呈する。しかし、本来厚みのある
ＰＶＣフィルムにエンボス加工を施したＰＶＣフィルム
ラミネート鋼板に比較すると、ＰＥＴフィルムの場合は
その凹凸の大きさが、印刷柄の印刷層の厚み変化に依存
するために小さく、ＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比
較してエンボス外観が劣ることは避けられなかった。本
発明者らは、この印刷柄に沿って形成される凹凸の効果
について詳細に検討した結果、以下の点を突き止めた。
ＰＶＣフィルムラミネート鋼板のエンボス深さは数十μ
ｍに及ぶのに対して、印刷ＰＥＴフィルムラミネートの
場合フィルム自体の厚みが数十μｍであって、高屈折率
で高光沢のＰＥＴフィルムとの組み合わせで凹凸が強調
されてエンボス外観を呈するが、印刷面の性状につい
て、柄印刷の境界部が明確に形成されていないため、Ｐ
ＲＴフィルム表面に形成される凹凸のシャープさが失わ
れてエンボス外観の効果を弱めている。すなわち、印刷
ＰＥＴフィルムラミネート鋼板に使用されている従来の
印刷ＰＥＴフィルムは、その印刷性状において、印刷柄
の輪郭をなす境界部の段差が低く、シャープに形成され
ていないため、この印刷柄に沿って凹凸が形成されるＰ
ＥＴフィルムのエンボス外観をもたらす効果が十分に発
揮できないことが判った。ちなみに、従来の印刷ＰＥＴ
フィルムラミネート鋼板に使用されている印刷ＰＥＴフ
ィルムの印刷面の表面形状は、柄印刷有無の境界部の傾
斜が１μｍ当たり５μｍ程度の勾配であり、かつ、柄の
背景部に対する柄印刷部の高さの差は１〜２μｍ程度で
あった。
鋼板では、印刷柄に沿って形成される凹凸が、積層され
たＰＥＴフィルム表面上に表れて「印刷模様同調エンボ
ス」に類似した外観を呈する。しかし、本来厚みのある
ＰＶＣフィルムにエンボス加工を施したＰＶＣフィルム
ラミネート鋼板に比較すると、ＰＥＴフィルムの場合は
その凹凸の大きさが、印刷柄の印刷層の厚み変化に依存
するために小さく、ＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比
較してエンボス外観が劣ることは避けられなかった。本
発明者らは、この印刷柄に沿って形成される凹凸の効果
について詳細に検討した結果、以下の点を突き止めた。
ＰＶＣフィルムラミネート鋼板のエンボス深さは数十μ
ｍに及ぶのに対して、印刷ＰＥＴフィルムラミネートの
場合フィルム自体の厚みが数十μｍであって、高屈折率
で高光沢のＰＥＴフィルムとの組み合わせで凹凸が強調
されてエンボス外観を呈するが、印刷面の性状につい
て、柄印刷の境界部が明確に形成されていないため、Ｐ
ＲＴフィルム表面に形成される凹凸のシャープさが失わ
れてエンボス外観の効果を弱めている。すなわち、印刷
ＰＥＴフィルムラミネート鋼板に使用されている従来の
印刷ＰＥＴフィルムは、その印刷性状において、印刷柄
の輪郭をなす境界部の段差が低く、シャープに形成され
ていないため、この印刷柄に沿って凹凸が形成されるＰ
ＥＴフィルムのエンボス外観をもたらす効果が十分に発
揮できないことが判った。ちなみに、従来の印刷ＰＥＴ
フィルムラミネート鋼板に使用されている印刷ＰＥＴフ
ィルムの印刷面の表面形状は、柄印刷有無の境界部の傾
斜が１μｍ当たり５μｍ程度の勾配であり、かつ、柄の
背景部に対する柄印刷部の高さの差は１〜２μｍ程度で
あった。
【０００５】また、印刷ＰＥＴフィルムを鋼板表面に接
着剤層を介して積層する際に、接着剤層は溶融状態或い
はその構造が一部橋掛け状態であっても溶融状態に近い
状態にあり（一般的に、２００〜３００Ｐａ・秒）、こ
のため、ラミネートロールによる圧下によって、柄印刷
部がこの軟化した接着剤層中に押し込まれて段差がなく
なるために柄印刷有無の境界部が更に不明瞭になり、こ
れによって凹凸が形成されるＰＥＴフィルム表面が平坦
化され、エンボス外観の効果を低下させることとなって
いた。このようなことから、印刷ＰＥＴフィルムラミネ
ート鋼板のエンボス外観は、ＰＶＣフィルムラミネート
鋼板に比較して効果の劣るものとなり、意匠鋼板として
の要望に充分に応えることができなかった。
着剤層を介して積層する際に、接着剤層は溶融状態或い
はその構造が一部橋掛け状態であっても溶融状態に近い
状態にあり（一般的に、２００〜３００Ｐａ・秒）、こ
のため、ラミネートロールによる圧下によって、柄印刷
部がこの軟化した接着剤層中に押し込まれて段差がなく
なるために柄印刷有無の境界部が更に不明瞭になり、こ
れによって凹凸が形成されるＰＥＴフィルム表面が平坦
化され、エンボス外観の効果を低下させることとなって
いた。このようなことから、印刷ＰＥＴフィルムラミネ
ート鋼板のエンボス外観は、ＰＶＣフィルムラミネート
鋼板に比較して効果の劣るものとなり、意匠鋼板として
の要望に充分に応えることができなかった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解消すべく案出されたものであり、印刷ＰＥＴフ
ィルムにおける前記の柄印刷面性状の向上及びフィルム
積層時の印刷層の接着剤層への押し込み現象の防止を達
成することにより、印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板
のＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比較して汚れにく
く、フィルムの硬度が高く傷が付きにくい、また「プレ
ッシャーマーク」現象が発生しにくいという特性を生か
しつつ、エンボス外観の優れた印刷ＰＥＴフィルムラミ
ネート鋼板を提供することを目的とする。
問題を解消すべく案出されたものであり、印刷ＰＥＴフ
ィルムにおける前記の柄印刷面性状の向上及びフィルム
積層時の印刷層の接着剤層への押し込み現象の防止を達
成することにより、印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼板
のＰＶＣフィルムラミネート鋼板に比較して汚れにく
く、フィルムの硬度が高く傷が付きにくい、また「プレ
ッシャーマーク」現象が発生しにくいという特性を生か
しつつ、エンボス外観の優れた印刷ＰＥＴフィルムラミ
ネート鋼板を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は、その目的を達
成するため、鋼板表面に接着剤層を介して印刷ＰＥＴフ
ィルムを積層してなる印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼
板において、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面が前記接
着剤層側にあって、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面の
表面性状が柄印刷有無の境界部の高さ変動が幅１μｍ当
たり１０μｍ以上の傾斜をなし、かつ柄のない背景部に
対する柄印刷部の高さが３μｍ以上であり、更に、印刷
ＰＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度が５００Ｐａ・秒
以上であることを特徴とする。
成するため、鋼板表面に接着剤層を介して印刷ＰＥＴフ
ィルムを積層してなる印刷ＰＥＴフィルムラミネート鋼
板において、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面が前記接
着剤層側にあって、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面の
表面性状が柄印刷有無の境界部の高さ変動が幅１μｍ当
たり１０μｍ以上の傾斜をなし、かつ柄のない背景部に
対する柄印刷部の高さが３μｍ以上であり、更に、印刷
ＰＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度が５００Ｐａ・秒
以上であることを特徴とする。
【０００８】
【作用】本発明者らは、前記印刷表面の柄印刷部の境界
部の性状と接着剤層に対するこの印刷境界部の押し込み
現象の防止に着目して、種々検討を重ねた結果本発明に
至ったものであって、前記の印刷面の表面性状を柄印刷
の境界部の高さ変動が幅１μｍ当たり１０μｍ以上の傾
斜をなし、かつ柄のない背景部に対する柄印刷部の高さ
が３μｍ以上とすることにより、エンボスの「立ち上げ
部」を明瞭に形成すると共に、印刷ＰＥＴフィルム積層
時の接着剤の粘度を５００Ｐａ・秒以上とすることによ
り、このように形成された柄印刷境界部の「立ち上げ
部」の接着剤層中への押し込みを防止するものであり、
更に、これらの要件が相俟つて本発明の目的とする優れ
たエンボス外観を発現するものである。
部の性状と接着剤層に対するこの印刷境界部の押し込み
現象の防止に着目して、種々検討を重ねた結果本発明に
至ったものであって、前記の印刷面の表面性状を柄印刷
の境界部の高さ変動が幅１μｍ当たり１０μｍ以上の傾
斜をなし、かつ柄のない背景部に対する柄印刷部の高さ
が３μｍ以上とすることにより、エンボスの「立ち上げ
部」を明瞭に形成すると共に、印刷ＰＥＴフィルム積層
時の接着剤の粘度を５００Ｐａ・秒以上とすることによ
り、このように形成された柄印刷境界部の「立ち上げ
部」の接着剤層中への押し込みを防止するものであり、
更に、これらの要件が相俟つて本発明の目的とする優れ
たエンボス外観を発現するものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明において使用するＰＥＴフ
ィルムは、一般的な２軸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムでよく、酸性分としてテレフタル酸とイ
ソフタル酸の共重合体樹脂フィルムを用いてもよい。フ
ィルムラミネートを容易にするためには１０〜５０μｍ
の厚みをもつものが好適である。膜厚が１０μｍ未満の
フィルムでは、ラミネートが困難である。逆に、５０μ
ｍを超える膜厚では、応力が大きくなり、曲げなどの成
形加工時にフィルムが剥離し易くなる。また、ＰＥＴフ
ィルムにはコロナ放電処理、或いはアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂等によるＰＥＴフィルム表面へのコーティ
ングなどの易接着処理を施すことが好ましい。なお、印
刷ＰＥＴフィルムラミネートによりエンボス外観を呈す
る場合、ＰＥＴフィルム表面に艶消し処理などを施す
と、エンボス外観が目立ちにくくなり、効果を劣化させ
るので好ましくない。
ィルムは、一般的な２軸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂フィルムでよく、酸性分としてテレフタル酸とイ
ソフタル酸の共重合体樹脂フィルムを用いてもよい。フ
ィルムラミネートを容易にするためには１０〜５０μｍ
の厚みをもつものが好適である。膜厚が１０μｍ未満の
フィルムでは、ラミネートが困難である。逆に、５０μ
ｍを超える膜厚では、応力が大きくなり、曲げなどの成
形加工時にフィルムが剥離し易くなる。また、ＰＥＴフ
ィルムにはコロナ放電処理、或いはアクリル樹脂、ポリ
エステル樹脂等によるＰＥＴフィルム表面へのコーティ
ングなどの易接着処理を施すことが好ましい。なお、印
刷ＰＥＴフィルムラミネートによりエンボス外観を呈す
る場合、ＰＥＴフィルム表面に艶消し処理などを施す
と、エンボス外観が目立ちにくくなり、効果を劣化させ
るので好ましくない。
【００１０】印刷インキには、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂などのベース樹脂に顔料や種々の添加剤を配合
したものが使用される。印刷ＰＥＴフィルムは、ＰＥＴ
フィルムに柄印刷インキ層を形成したもの、及び次いで
ベタ印刷インキ層を形成したものが使用され、各々グラ
ビア印刷、乾燥を繰り返して積層して得ることができ
る。このグラビア印刷法は、凹版印刷であって、インキ
を柄部分に盛り上げてその境界部を明確に形成する印刷
法として適している。本発明において、印刷ＰＥＴフィ
ルムは、接着剤層を介して鋼板に積層されるが、鋼板表
面には熱硬化型プライマーを設けることができる。この
熱硬化型プライマーとしては、熱硬化型フェノキシ樹脂
系プライマー、熱硬化型ポリエステル樹脂系プライマ
ー、熱硬化型高分子ポリエステル樹脂系プライマー等が
挙げられる。熱硬化型プライマー中には必要に応じて、
着色顔料、防錆顔料、体質顔料などを添加してもよい。
また、熱硬化型プライマー層は、乾燥塗膜厚さで２〜２
０μｍにすることが好ましい。
共重合体、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂などのベース樹脂に顔料や種々の添加剤を配合
したものが使用される。印刷ＰＥＴフィルムは、ＰＥＴ
フィルムに柄印刷インキ層を形成したもの、及び次いで
ベタ印刷インキ層を形成したものが使用され、各々グラ
ビア印刷、乾燥を繰り返して積層して得ることができ
る。このグラビア印刷法は、凹版印刷であって、インキ
を柄部分に盛り上げてその境界部を明確に形成する印刷
法として適している。本発明において、印刷ＰＥＴフィ
ルムは、接着剤層を介して鋼板に積層されるが、鋼板表
面には熱硬化型プライマーを設けることができる。この
熱硬化型プライマーとしては、熱硬化型フェノキシ樹脂
系プライマー、熱硬化型ポリエステル樹脂系プライマ
ー、熱硬化型高分子ポリエステル樹脂系プライマー等が
挙げられる。熱硬化型プライマー中には必要に応じて、
着色顔料、防錆顔料、体質顔料などを添加してもよい。
また、熱硬化型プライマー層は、乾燥塗膜厚さで２〜２
０μｍにすることが好ましい。
【００１１】印刷ＰＥＴフィルムを鋼板に積層するとき
に使用される接着剤としては、１液型又は２液型ポリエ
ステル樹脂系接着剤、ポリウレタン樹脂系接着剤などが
用いられる。この接着剤にも、必要に応じて着色顔料、
防錆顔料、体質顔料などを添加することができる。接着
剤に関して、印刷ＰＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度
は５００Ｐａ・秒以上に限定される。印刷ＰＥＴフィル
ム積層時の接着剤の粘度が５００Ｐａ・秒未満である
と、柄印刷有無の境界部の「立ち上げ部」が接着剤層中
に押し込まれ、目的とするエンボス外観が得られない。
接着剤層は、乾燥塗膜厚さが２〜２０μｍになるように
鋼板表面に塗布することが好ましい。本発明で使用され
る下地の鋼板としては、めっき鋼板、ステンレス鋼板な
どがある。これらの鋼板にクロメート処理や燐酸塩処理
などの前処理を施し、ロールコート法、カーテンコート
法、スプレー法などで熱硬化型プライマー層を形成した
後、焼付乾燥して、その上に接着剤をプライマー層と同
様の方法で形成する。そして、接着剤層が溶融状態にあ
るとき、印刷ＰＥＴフィルムを積層してラミネートす
る。
に使用される接着剤としては、１液型又は２液型ポリエ
ステル樹脂系接着剤、ポリウレタン樹脂系接着剤などが
用いられる。この接着剤にも、必要に応じて着色顔料、
防錆顔料、体質顔料などを添加することができる。接着
剤に関して、印刷ＰＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度
は５００Ｐａ・秒以上に限定される。印刷ＰＥＴフィル
ム積層時の接着剤の粘度が５００Ｐａ・秒未満である
と、柄印刷有無の境界部の「立ち上げ部」が接着剤層中
に押し込まれ、目的とするエンボス外観が得られない。
接着剤層は、乾燥塗膜厚さが２〜２０μｍになるように
鋼板表面に塗布することが好ましい。本発明で使用され
る下地の鋼板としては、めっき鋼板、ステンレス鋼板な
どがある。これらの鋼板にクロメート処理や燐酸塩処理
などの前処理を施し、ロールコート法、カーテンコート
法、スプレー法などで熱硬化型プライマー層を形成した
後、焼付乾燥して、その上に接着剤をプライマー層と同
様の方法で形成する。そして、接着剤層が溶融状態にあ
るとき、印刷ＰＥＴフィルムを積層してラミネートす
る。
【００１２】実施例 鋼板厚み０．５ｍｍ、片面当り亜鉛目付量４５ｇ／ｍ2
の溶融亜鉛めっき鋼板に塗布型クロメート処理を施し、
次いで表１に示すグレー色接着剤を乾燥膜厚が１０μｍ
となるように塗布し、２１０℃×６０秒乾燥し、直ちに
表１に示す厚さ２５μｍの印刷ＰＥＴフィルムを印刷面
が接着剤層側になるように積層した。なお、印刷インキ
はポリエステル樹脂系インキをグラビア印刷した。柄印
刷は亀甲調の抽象柄ロールで白色インキを印刷し、表１
に示すように一部はグレー色インキをベタ印刷ロールで
印刷した。
の溶融亜鉛めっき鋼板に塗布型クロメート処理を施し、
次いで表１に示すグレー色接着剤を乾燥膜厚が１０μｍ
となるように塗布し、２１０℃×６０秒乾燥し、直ちに
表１に示す厚さ２５μｍの印刷ＰＥＴフィルムを印刷面
が接着剤層側になるように積層した。なお、印刷インキ
はポリエステル樹脂系インキをグラビア印刷した。柄印
刷は亀甲調の抽象柄ロールで白色インキを印刷し、表１
に示すように一部はグレー色インキをベタ印刷ロールで
印刷した。
【００１３】
【００１４】また、前記した溶融亜鉛めっき鋼板に塗布
型クロメート処理を施し、次いで熱硬化型フェノキシ樹
脂系赤色プライマーを乾燥膜厚で１２μｍとなるように
塗布し、２１５℃×４５秒焼きつけた。その上面に表２
に示す透明接着剤を乾燥膜厚が５μｍになるように塗布
し、２１０℃×６０秒乾燥して、直ちに表２に示す厚さ
２５μｍの印刷ＰＥＴフィルムを印刷面が接着剤層側に
なるように積層した。なお、印刷インキは、ポリエステ
ル樹脂−ポリウレタン樹脂系インキをグラビア印刷し
た。柄印刷は、和紙調の抽象柄ロールで黄色インキを印
刷し、表２に示すように一部は赤色インキをベタ印刷ロ
ールで印刷した。
型クロメート処理を施し、次いで熱硬化型フェノキシ樹
脂系赤色プライマーを乾燥膜厚で１２μｍとなるように
塗布し、２１５℃×４５秒焼きつけた。その上面に表２
に示す透明接着剤を乾燥膜厚が５μｍになるように塗布
し、２１０℃×６０秒乾燥して、直ちに表２に示す厚さ
２５μｍの印刷ＰＥＴフィルムを印刷面が接着剤層側に
なるように積層した。なお、印刷インキは、ポリエステ
ル樹脂−ポリウレタン樹脂系インキをグラビア印刷し
た。柄印刷は、和紙調の抽象柄ロールで黄色インキを印
刷し、表２に示すように一部は赤色インキをベタ印刷ロ
ールで印刷した。
【００１５】
【００１６】得られたラミネート鋼板について、エンボ
ス外観を目視で確認した。印刷ＰＥＴフィルムの印刷面
の表面形状はＳｌｏａｎ製Ｄｅｋｔａｋ３０３０で測定
し、接着剤の２１０℃での粘度はレオロジ（株）製レオ
ロメーターＭＲ−５００で測定した。結果を表１及び表
２に示す。また、エンボス外観に優れるものを○、やや
優れるものを△、劣るものを×とした。○であるものに
ついては、エンボス外観に優れた高品質のラミネート鋼
板として扱われるものであった。この点、本発明に従っ
たラミネート鋼板は、いずれも高品質なエンボス外観を
もっていることが判る。これに対し、柄印刷有無の境界
部及び柄印刷高さ、更にフィルム積層時の接着剤の粘度
について本発明の範囲に調整されていないものでは表１
及び表２に見られるようにいずれもエンボス外観に劣る
ものとなった。なお、表１及び表２のいずれに関して
も、鉛筆硬度はＨ（ＰＶＣフィルムの場合：３Ｂ、以下
括弧内はＰＶＣフィルムの場合）、市販の赤の油性イン
キを表面に塗布し、２４時間後エタノールで拭き取り可
能（一部インキ残り）、コイル捲取りを想定した、４０
℃×３０ｋｇ／ｃｍ2 ×２４時間プレス試験での表面外
観変化なし（エンボス潰れ）であった。
ス外観を目視で確認した。印刷ＰＥＴフィルムの印刷面
の表面形状はＳｌｏａｎ製Ｄｅｋｔａｋ３０３０で測定
し、接着剤の２１０℃での粘度はレオロジ（株）製レオ
ロメーターＭＲ−５００で測定した。結果を表１及び表
２に示す。また、エンボス外観に優れるものを○、やや
優れるものを△、劣るものを×とした。○であるものに
ついては、エンボス外観に優れた高品質のラミネート鋼
板として扱われるものであった。この点、本発明に従っ
たラミネート鋼板は、いずれも高品質なエンボス外観を
もっていることが判る。これに対し、柄印刷有無の境界
部及び柄印刷高さ、更にフィルム積層時の接着剤の粘度
について本発明の範囲に調整されていないものでは表１
及び表２に見られるようにいずれもエンボス外観に劣る
ものとなった。なお、表１及び表２のいずれに関して
も、鉛筆硬度はＨ（ＰＶＣフィルムの場合：３Ｂ、以下
括弧内はＰＶＣフィルムの場合）、市販の赤の油性イン
キを表面に塗布し、２４時間後エタノールで拭き取り可
能（一部インキ残り）、コイル捲取りを想定した、４０
℃×３０ｋｇ／ｃｍ2 ×２４時間プレス試験での表面外
観変化なし（エンボス潰れ）であった。
【００１７】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のラミネ
ート鋼板は、柄印刷有無の境界部及び柄印刷高さ、更に
フィルム積層時の接着剤の粘度について調整することに
より、印刷柄に沿った凹凸が高品質なエンボス外観を呈
する。そのために、広範囲な分野で各種の表装材として
優れた特性を発揮することができる。
ート鋼板は、柄印刷有無の境界部及び柄印刷高さ、更に
フィルム積層時の接着剤の粘度について調整することに
より、印刷柄に沿った凹凸が高品質なエンボス外観を呈
する。そのために、広範囲な分野で各種の表装材として
優れた特性を発揮することができる。
Claims (1)
- 【請求項１】 鋼板表面に接着剤層を介して印刷ＰＥＴ
フィルムを積層してなる印刷ＰＥＴフィルムラミネート
鋼板において、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面が前記
接着剤層側にあって、前記印刷ＰＥＴフィルムの印刷面
の表面性状が柄印刷の境界部の高さ変動が幅１μｍ当た
り１０μｍ以上の傾斜をなし、かつ柄のない背景部に対
する柄印刷部の高さが３μｍ以上であり、更に、印刷Ｐ
ＥＴフィルム積層時の接着剤の粘度が５００Ｐａ・秒以
上であることを特徴とする印刷ＰＥＴフィルムラミネー
ト鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21530896A JPH1034822A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | エンボス外観を有する印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21530896A JPH1034822A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | エンボス外観を有する印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1034822A true JPH1034822A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16670176
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21530896A Withdrawn JPH1034822A (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | エンボス外観を有する印刷ポリエチレンテレフタレートフィルムラミネート鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1034822A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102350828A (zh) * | 2011-08-26 | 2012-02-15 | 苏州潮盛印花制版实业有限公司 | 一种印花冰箱钢板 |
| CN102910026A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-06 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种具有立体图案金属效果的基材 |
| CN102922807A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种覆膜塑料异型材 |
| CN102922827A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种无界玻璃 |
| CN102922841A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种无界玻璃用复合膜 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP21530896A patent/JPH1034822A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102350828A (zh) * | 2011-08-26 | 2012-02-15 | 苏州潮盛印花制版实业有限公司 | 一种印花冰箱钢板 |
| CN102910026A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-06 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种具有立体图案金属效果的基材 |
| CN102922807A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种覆膜塑料异型材 |
| CN102922827A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种无界玻璃 |
| CN102922841A (zh) * | 2012-11-14 | 2013-02-13 | 江苏欧邦塑胶有限公司 | 一种无界玻璃用复合膜 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031007 |