JPH10316428A - 微細ウィスカー及びその製造法 - Google Patents
微細ウィスカー及びその製造法Info
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- JPH10316428A JPH10316428A JP14084197A JP14084197A JPH10316428A JP H10316428 A JPH10316428 A JP H10316428A JP 14084197 A JP14084197 A JP 14084197A JP 14084197 A JP14084197 A JP 14084197A JP H10316428 A JPH10316428 A JP H10316428A
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Abstract
く、その組成が単一相からなり、しかも繊維長及び繊維
径のバラツキが殆どない、ほぼ均一な微細ウィスカーを
提供する。 【解決手段】 一般式 mK2O・nTiO2・xH2O [式中、mは0又は1を示し、nは1、4、6又は8を
示す。xは0又は1〜10の整数を示す。但し、mが0
の時nは1を示し、mが1の時nは4、6又は8を示
す。]で表される、単一組成からなり、平均繊維長5μ
m以下、平均繊維径0.3μm以下且つアスペクト比10
以上である微細ウィスカー。
Description
びその製造法に関する。より詳しくは、本発明は、平均
繊維長が5μm以下、平均繊維径0.3μm以下且つアス
ペクト比が10以上である微細なチタン酸カリウムウィ
スカー及び二酸化チタンウィスカー、並びにこれらの製
造法に関する。
K2O・aTiO2・xH2O[式中、aは1〜10の整数
を示し、xは0又は1〜10の整数を示す。]で表され
る組成を有する無機質ウィスカーである。前記一般式に
おいてa=6である6チタン酸カリウムウィスカー及び
a=8である8チタン酸カリウムウィスカーは、それぞ
れa=4である4チタン酸カリウムウィスカーを原料に
して製造されるものであり、例えば、強化性、補強性、
耐摩擦性、断熱性、耐熱性、絶縁性等の諸特性に優れて
いる。これら2種のチタン酸カリウムウィスカーは高い
安全性をも有し、更に8チタン酸カリウムウィスカーは
より高い安全性が確認されている。また、チタン酸カリ
ウムウィスカーからカリウム分を溶出させて得られる二
酸化チタンウィスカーも、6チタン酸カリウムウィスカ
ーや8チタン酸カリウムウィスカーと同様の好ましい諸
特性を有している。これらのウィスカーの用途として
は、例えば、合成樹脂や塗料等の補強材、エンジン用オ
イルフィルターの材料等を挙げることができる。より具
体的には、チタン酸カリウムウィスカーや二酸化チタン
ウィスカーを含む合成樹脂は、例えば、乗用車用のブレ
ーキパッド、OA機器のキーボード部品、時計用の歯車
等に成形されて広く利用されている。
6チタン酸カリウムウィスカー、8チタン酸カリウムウ
ィスカー及び二酸化チタンウィスカーは平均繊維長10
〜20μmであるため、これらを含む合成樹脂を用い
て、フィルム、繊維、糸、フィラメント、IC被膜等の
微細成形品又は薄肉成形品を製造すると、該成形品の表
面に凹凸を生じさせたり、或いはウィスカーが該成形品
の表面に露出したりするので好ましくない。一方、二酸
化チタン、酸化カリウム等の主原料及びハロゲン化カリ
ウム等のフラックスを混合焼成するとチタン酸カリウム
ウィスカーが得られることは、多数の文献により公知で
ある(例えば、特公昭42―27264号公報、特開昭
61−21000号公報、特開平4−202099号公
報等)。また、ハロゲン化カリウムをフラックスとする
前記のチタン酸カリウムウィスカーの製造法において、
焼成温度を600〜850℃程度にすると繊維径0.0
1〜0.1μm程度、平均繊維長1〜2μm程度の微小サ
イズのウィスカーが得られることも、特公昭42―27
264号公報に記載されている。しかしながら、この方
法により得られる微細ウィスカーは、4チタン酸カリウ
ムと2チタン酸カリウム及び/又は6チタン酸カリウム
とが混在したものであり、8チタン酸カリウムの原料と
しては不適当である。
−209455号公報には、チタン酸カリウムウィスカ
ーを製造するに際し、アルミナ、シリカ、酸化第二鉄等
の金属酸化物を含む二酸化チタンを用いることが開示さ
れている。しかしながら、これらの公報に記載の方法は
焼成温度が1000℃以上と高く、しかも得られるウィ
スカーは平均繊維長10μm以上のものである。更に、
特開昭61−210000号公報によれば、アルミナ、
二酸化珪素、水酸化マグネシウム等の金属化合物を含有
する二酸化チタンと酸化カリウムを加熱溶融するに際
し、その系内にハロゲン化アルカリ金属を存在させるチ
タン酸カリウムウィスカーの製造法が開示されている。
しかしながら、この方法において金属化合物を含有する
二酸化チタンを用いるのは、製造コストを下げるためで
ある。しかも、この方法においても加熱溶融温度は11
50〜1200℃であり、得られるウィスカーは60μ
m〜2mm程度と長繊維である。
ウムを焼成してチタン酸カリウムウィスカーを製造する
際に、ハロゲン化アルカリ金属及び金属酸化物を存在さ
せることは知られている。また、焼成温度を下げること
により、平均繊維長の短いウィスカーが得られることも
公知である。しかしながら、平均繊維長が5μm以下で
あり、且つその組成が単一相からなる微細ウィスカー
は、従来の方法では製造することができなかった。本発
明の課題は平均繊維長や平均繊維径が小さいだけでな
く、その組成が単一相からなり、しかも繊維長及び繊維
径のバラツキが殆どない、ほぼ均一な微細ウィスカーを
提供することにある。
示す。xは0又は1〜10の整数を示す。但し、mが0
の時nは1を示し、mが1の時nは4、6又は8を示
す。]で表される、単一組成からなり、平均繊維長5μ
m以下、平均繊維径0.3μm以下且つアスペクト比10
以上である微細ウィスカー、及びその製造法に係る。
を焼成してチタン酸カリウムウィスカーを製造するに際
し、その系にハロゲン化アルカリ金属及び金属酸化物を
存在させ、且つ焼成温度を従来の焼成温度(1100℃
前後)より低い特定の温度域に設定することにより、単
に平均繊維長や平均繊維径が小さいだけでなく、その組
成が単一相からなる微細ウィスカーが得られることを見
出し本発明を完成した。本発明によれば、平均繊維長5
μm以下、平均繊維径0.3μm以下且つアスペクト比が
10以上である、4チタン酸カリウムウィスカー、6チ
タン酸カリウムウィスカー、8チタン酸カリウムウィス
カー及び二酸化チタンウィスカーが提供される。
維、糸、フィラメント、IC被膜等の微細成形品又は薄
肉成形品に添加しても、成形品の表面に凹凸を生じさせ
たり、或いは該成形品の表面に露出することがなく、好
ましい諸特性を発揮し得る。本発明の製造法によれば、
繊維長及び繊維径のバラツキが殆どない、ほぼ均一な微
細ウィスカーが提供される。また、従来の平均繊維長1
0〜20μmの6、8チタン酸カリウムウィスカーを収
率よく製造するには、少なくとも1050℃以上に焼成
する必要があったが、本発明の方法によれば、それより
も100〜200℃程度低い温度で製造し得る。また焼
成時間も従来の半分以下で可能という工業的に好ましい
利点がある。
式 mK2O・nTiO2・xH2O (1) [式中m、n及びxは上記に同じ。]で表される単一組
成を有し、平均繊維長5μm以下、好ましくは1〜5μ
m、平均繊維径0.3μm以下、好ましくは0.1〜0.2
μm且つアスペクト比10以上であるウィスカーであ
る。ここで単一組成とは、例えば4チタン酸カリウムウ
ィスカーであれば実質的に全て4チタン酸カリウムウィ
スカーからなるという意味である。
ウィスカーの中、m=1且つn=4である微細4チタン
酸カリウムウィスカーは、例えば、加熱により二酸化チ
タンを生成するチタン化合物、加熱により酸化カリウム
を生成するカリウム化合物、ハロゲン化カリウム、並び
に金属酸化物及び加熱により金属酸化物を生成する金属
含有化合物[但し、前記金属はMg、Al、Si、Fe、N
i及びMnから選ばれる少なくとも1種である。]から選
ばれる少なくとも1種を混合し、870〜970℃で焼
成することにより製造できる。焼成温度が870℃を下
回ると、本発明微細ウィスカーと同程度の平均繊維長を
有するウィスカーが得られるが、該ウィスカーの組成が
単一相にならないという欠点がある。一方、焼成温度が
970℃を越えると、従来のものと同様の平均繊維長が
10μm以上のウィスカーが得られるので、好ましくな
い。
るチタン化合物(以下特に断らない限り単に「チタン化
合物」という)としては特に制限されないが、アナター
ゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、単斜晶系二
酸化チタン等の二酸化チタンそのもの、含水酸化チタ
ン、ルチル鉱、水酸化チタン、塩化チタン等を挙げるこ
とができる。これらの中でも、アナターゼ型二酸化チタ
ン、ルチル型二酸化チタン等を好ましく使用できる。チ
タン化合物は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用
できる。加熱により酸化カリウムを生成するカリウム化
合物(以下特に断らない限り単に「カリウム化合物」と
いう)としても特に制限されず、酸化カリウムそのも
の、水酸化カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム等を
挙げることができる。これらの中でも、炭酸カリウム等
を好ましく使用できる。カリウム化合物は1種を単独で
使用でき又は2種以上を併用できる。チタン化合物とカ
リウム化合物との混合割合は特に制限されず広い範囲か
ら適宜選択できるが、加熱により生成するTiO2と加熱
により生成するK2Oとのモル比(TiO2/K2O)が、
通常1〜10程度、好ましくは2〜6程度になるように
両者を混合すればよい。
使用でき、例えば、塩化カリウム、フッ化カリウム、臭
化カリウム、沃化カリウム等を挙げることができる。ハ
ロゲン化カリウムは1種を単独で使用でき又は2種以上
を併用できる。ハロゲン化カリウムの使用量は特に制限
されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常二酸化チ
タン100重量部に対して5〜80重量部程度、好まし
くは10〜50重量部程度とすればよい。
e、Ni及びMnの酸化物がいずれも使用でき、例えば、
MgO、Al2O3、SiO2、FeO、Fe2O3、NiO、Mn
O、MnO2等を挙げることができる。また、加熱により
金属酸化物を生成する金属含有化合物[但し、前記金属
はMg、Al、Si、Fe、Ni及びMnから選ばれる少なく
とも1種である。]としては公知のものを使用でき、例
えばMg(OH)2、Al(OH)3、Si(OH)4、Fe
(OH)2、Fe(OH)3、Ni(OH)2、Mn(OH)
2等の水酸化物、MgCl2、AlCl3、FeCl2、FeC
l3、NiCl2等の塩化物、MgSO4、Al2(SO4)3、
FeSO4等の硫酸塩、NaAlO2、Na4SiO4、K2Si4
O9等を挙げることができる。これらの中でも、Mg、A
l、Si及びNiから選ばれる少なくとも1種を含む金属
酸化物及び金属含有化合物が好ましく、Mgの酸化物及
びMg含有化合物、例えば、MgO、Mg(OH)2、Mg
Cl2、MgSO4が特に好ましい。金属酸化物及び加熱に
より金属酸化物を生成する金属含有化合物は、1種を単
独で使用でき又は2種以上を併用できる。金属酸化物及
び加熱により金属酸化物を生成する金属含有化合物の使
用量は、特に制限されず金属種に応じて広い範囲から適
宜選択できるが、通常二酸化チタン100重量部に対し
て0.01〜40重量部程度とすればよい。尚、40重
量部を越える量を添加してもその効果はほぼ変わらない
ので、不経済である。
化合物においては、MgO換算で、二酸化チタン100
重量部に対して0.01〜5重量部程度、好ましくは0.
05〜2重量部程度、Alを含有する化合物において
は、Al2O3換算で、二酸化チタン100重量部に対し
て0.05〜40重量部程度、好ましくは0.1〜5重量
部程度、Siを含有する化合物においては、SiO2換算
で、二酸化チタン100重量部に対して0.05〜40
重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程度とすれば
よい。
は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、粒
子径の小さいものを用いた方がより微細なウィスカーを
得ることができる。上記4種の成分を混合(好ましくは
湿式混合)した後、好ましくはこの混合物を所望の形状
に加圧成形し、焼成することにより、微細4チタン酸カ
リウムウィスカーの集合体を得ることができる。この集
合体を公知の方法に従って、例えば水中又は温水中にて
解繊し、濾取し、乾燥することにより、微細4チタン酸
カリウムウィスカーを得ることができる。加圧成形は、
50〜1000kgf/cm2程度の広い範囲の圧力下に行う
ことができるが、より微細なウィスカーを得るという観
点からは、高圧力下に行うのが好ましい。焼成は、87
0〜970℃、好ましくは900〜950℃の温度下に
行なわれ、1〜10時間程度行えばよい。
=6である微細6チタン酸カリウムウィスカー、m=1
且つn=8である微細8チタン酸カリウムウィスカー及
びm=0且つn=1である微細二酸化チタンウィスカー
は、例えば、上記で得られる微細4チタン酸カリウムウ
ィスカー又はその集合体に公知の方法に従って脱カリウ
ム処理を施し、適当な温度で焼成することにより製造で
きる。例えば、微細4チタン酸カリウムウィスカーを水
若しくは温水に加えるか又は集合体を水若しくは温水に
浸して、微細4チタン酸カリウムウィスカーの水性スラ
リーを得、脱カリウム処理を行えばよい。脱カリウム処
理は公知の方法に従って行うことができ、例えば、酸を
添加してpH調整を行えばよい。酸としては公知のもの
を使用でき、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無
機酸類、シュウ酸、酢酸等の有機酸類等を挙げることが
でき、これらの中でも、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸類
を好ましく使用できる。酸は1種を単独で使用でき又は
2種以上を併用できる。微細8チタン酸カリウムウィス
カーを得るには、pHを6〜8程度に調整した後、ウィ
スカーを濾取及び乾燥し、約500〜700℃で焼成す
ればよい。微細6チタン酸カリウムウィスカーを得るに
は、pHを8〜10程度に調整した後、ウィスカーを濾
取及び乾燥し、約700〜1100℃で焼成すればよ
い。微細二酸化チタンウィスカーを得るには、pHを7
以下に調整した後、ウィスカーを濾取及び乾燥し、焼成
すればよい。500〜600℃程度で焼成すると微細単
斜晶二酸化チタンウィスカーが、約700℃で焼成する
と微細アナターゼ型二酸化チタンウィスカーが、約11
00℃で焼成すると微細ルチル型二酸化チタンウィスカ
ーがそれぞれ得られる。
スカーは、その表面に所望の金属酸化物を被覆すること
もできる。これにより、該微細ウィスカーの比表面積が
増大する。金属化合物の被覆は、例えば、該微細ウィス
カーを水に分散させて水性スラリーを得、必要に応じて
アルカリを加えて該水性スラリーのpHをアルカリ域、
好ましくは強アルカリ域(pH10以上)に調整し、こ
れに水溶性金属塩又はその水溶液を加えて混合し、更に
pHを中性付近(通常6〜8程度、好ましくは7程度)
に調整し、固形物を分取し、50〜200℃程度で1〜
10時間程度乾燥し、次いで500〜700℃程度で1
0分〜2時間程度焼成することにより行なわれる。水溶
性金属塩としては特に制限はなく、公知のものを使用で
きるが、水酸化物を形成し得るものが好ましい。該水溶
性金属塩は、水溶性金属のハロゲン化物、酸化物、硝酸
塩、硫化物、硫酸塩、水酸化物等であり、より具体的に
は、例えば、AlCl3、CoCl2、ZrCl4、SnCl2、S
nCl4、TiCl3、TiCl4、FeCl2、FeCl3、CuC
l2、NiCl2、MoCl5、MgCl2、CaCl2、SrCl2、
BaCl2等の塩化物、Al2(SO4)3、CoSO4、CuS
O4、FeSO4等の硫酸塩、Na4SiO4、K2Si4O9等
の珪酸塩、ZrCl2O、NaAlO2等を挙げることができ
る。pH調整に使用するアルカリとしては公知のものを
使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、アンモニア等を挙げることがで
きる。pH調整に使用する酸としては、既に例示のもの
と同様のものを使用できる。
て、マトリックスへの分散性をより一層向上させるため
に、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン等のシランカップリング剤、チタネート系カップリ
ング剤、シリコーン系カップリング剤等の公知の表面処
理剤により更に表面処理を施してもよい。
有機系バインダーを添加し、通常30μm〜3mm程度の
適当な大きさの顆粒としてもよい。本発明の微細ウィス
カーは、用途に応じ、その効果を損なわない範囲で、平
均繊維長が10μm以上のチタン酸カリウムウィスカー
や二酸化チタンウィスカー、それ以外の公知のウィスカ
ー、ガラス繊維、炭素繊維、岩綿繊維等の無機繊維、タ
ルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ等の粉末状
無機材料等と併用することもできる。
スカーが使用されてきた実質的に全ての分野において用
いることができるが、特に、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹
脂に添加混合して各種形状の成形品とするのが好まし
い。該成形品の中でも、IC被膜、フィルム、繊維、
糸、フィラメント等の薄肉成形品又は微細成形品に用い
るのが好ましい。また、金属や紙等に添加することもで
きる。更に、本発明の微細ウィスカーは、各種触媒の担
体としても使用できる。
体的に説明する。 実施例1〜5 ルチル型二酸化チタン5.0g、炭酸カリウム2.5g、表
1に示す配合量の塩化カリウム及び金属酸化物を混合し
た。この混合物を表1に示す成形圧で筒状に成形し、こ
れを焼成炉に入れ、50℃から3時間かけて950℃ま
で昇温し、該焼成温度を1時間保持した後、1時間を要
して600℃まで冷却し、次いで生成した焼結体を焼結
炉から取り出して室温まで冷却した。この焼結体を温水
中に投入して解きほぐし、濾取、乾燥して、チタン酸カ
リウム繊維を製造した。
チル型二酸化チタン5.0g、炭酸カリウム2.5g及び表
1に示す配合量の塩化カリウムを混合し、以下実施例1
と同様に操作し、チタン酸カリウム繊維を製造した。実
施例1〜5及び比較例1で得られたチタン酸カリウム繊
維を走査型電子顕微鏡(倍率:10000倍)で観察し
て平均繊維長と平均繊維径を求めた。結果を表1に示
す。
ン酸カリウム繊維をX線回折により分析したところ、実
施例1〜5のチタン酸カリウム繊維は4チタン酸カリウ
ムの単一相からなっていたのに対し、比較例1のチタン
酸カリウム繊維は4チタン酸カリウムと2チタン酸カリ
ウムと6チタン酸カリウムとの混合相からなっていた。
尚、比較例1のウィスカーの平均繊維長が、特公昭42
―27264号公報の開示よりも長い(10μm)の
は、焼成温度が該公報のそれよりも約100℃高いため
であると考えられる。
化カリウム1.0g及びMgO 5.0mgを混合した。この
混合物に100mlの水を加えて更に混合した後、エバポ
レーターで3時間減圧濃縮し、100kgf/cm2の成形圧
で筒状に成形した。以下実施例1と同様に操作し、平均
繊維径0.07μm、平均繊維長1μmの微細ウィスカー
を製造した。この微細ウィスカーは、X線回折の結果、
4チタン酸カリウムの単一相から構成されていることが
確認された。 実施例7 実施例1の微細ウィスカーを水中に分散させ、スラリー
化した。これに硫酸を添加してpH7に調整し、得られ
た結晶を約600℃で1時間焼成し、8チタン酸カリウ
ムウィスカーを製造した。得られたウィスカーの平均繊
維径は0.13μm、平均繊維長は3μmであった。
化した。これに硫酸を添加してpH9に調整し、得られ
た結晶を約900℃で1時間焼成し6チタン酸カリウム
ウィスカーを製造した。得られたウィスカーの平均繊維
径は0.13μm、平均繊維長は3μmであった。 実施例9 実施例1の微細ウィスカーを、1N−硫酸溶液100ml
に対して5gの割合で投入し、約3時間撹拌しながらカ
リウムの抽出を行った後水洗し、チタニア水和物を得
た。得られたチタニア水和物を550℃で2時間焼成し
単斜晶チタニアウィスカーを製造した。得られたウィス
カーの平均繊維径は0.13μm、平均繊維長は3μmで
あった。
焼成しアナターゼ型チタニアウィスカーを製造した。得
られたウィスカーの平均繊維径は0.13μm、平均繊維
長は3μmであった。 実施例11 実施例9で得られたチタニア水和物を1100℃で2時
間焼成しルチル型チタニアウィスカーを製造した。得ら
れたウィスカーの平均繊維径は0.13μm、平均繊維長
は3μmであった。
径が小さいだけでなく、その組成が単一相からなり、し
かも繊維長及び繊維径のバラツキが殆どない、ほぼ均一
な微細ウィスカーを得ることができる。また、従来の平
均繊維長10〜20μmの6、8チタン酸カリウムウィ
スカーを収率よく製造するには、少なくとも1050℃
以上に焼成する必要があったが、本発明の方法によれ
ば、それよりも100〜200℃程度低い温度で製造し
得る。また焼成時間も従来の半分以下で可能という工業
的に好ましい利点がある。本発明の微細ウィスカーは、
フィルム、繊維、糸、フィラメント、IC被膜等の微細
成形品又は薄肉成形品に添加しても、成形品の表面に凹
凸を生じさせたり、或いは該成形品の表面に露出するこ
とがなく、好ましい諸特性を発揮し得る。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式 mK2O・nTiO2・xH2O [式中、mは0又は1を示し、nは1、4、6又は8を
示す。xは0又は1〜10の整数を示す。但し、mが0
の時nは1を示し、mが1の時nは4、6又は8を示
す。]で表される、単一組成からなり、平均繊維長5μ
m以下、平均繊維径0.3μm以下且つアスペクト比10
以上である微細ウィスカー。 - 【請求項2】 mが1、nが4、6又は8である請求項
1記載の微細ウィスカー。 - 【請求項3】 加熱により二酸化チタンを生成するチタ
ン化合物、加熱により酸化カリウムを生成するカリウム
化合物、ハロゲン化カリウム並びに、金属酸化物及び加
熱により金属酸化物を生成する金属含有化合物[但し、
前記金属はMg、Al、Si、Fe、Ni及びMnから選ばれ
る少なくとも1種である。]から選ばれる少なくとも1
種を混合し、870〜970℃で焼成することを特徴と
する、式K2O・4TiO2・xH2O[式中xは上記に同
じ。]で表される、単一組成からなり、平均繊維長5μ
m以下、平均繊維径0.3μm以下且つアスペクト比が1
0以上である微細ウィスカーの製造法。 - 【請求項4】 請求項3で得られる微細ウィスカーを脱
カリウム処理及び焼成することを特徴とする、式:mK
2O・n'TiO2・xH2O[式中、m及びxは上記に同
じ。n'は1、6又は8を示す。但し、mが0の時n'は
1を示し、mが1の時n'は6又は8を示す。]で表さ
れる、単一組成からなり、平均繊維長5μm以下、平均
繊維径0.3μm以下且つアスペクト比が10以上である
微細ウィスカーの製造法。
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---|---|---|---|
JP14084197A JP3240272B2 (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 微細ウィスカー及びその製造法 |
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JPH10316428A true JPH10316428A (ja) | 1998-12-02 |
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