JPH10315143A - 回転研削工具用研削板 - Google Patents

回転研削工具用研削板

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JPH10315143A
JPH10315143A JP13348997A JP13348997A JPH10315143A JP H10315143 A JPH10315143 A JP H10315143A JP 13348997 A JP13348997 A JP 13348997A JP 13348997 A JP13348997 A JP 13348997A JP H10315143 A JPH10315143 A JP H10315143A
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JP
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grinding
plate
grinding plate
ground
burrs
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JP13348997A
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Ryohei Ishii
良平 石井
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Ishii Sangyo KK
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Ishii Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】研削面に砥粒を用いない研削板を提供する。 【解決手段】研削板1は円形の金属板をプレス加工によ
り打ち抜いた複数の研削用の穴2と空気吸引穴3を有す
るものである。打ち抜き穴2は周辺にバリ5を有してお
り、これは鋭利な研削刃として作用する。このバリ5を
平面研削等によりエッジを形成することにより研削効果
を高められ、適当な表面硬化処理を行うことにより耐久
性を向上できる。また、空気吸引穴3からは空気を取り
入れ、研削板1を回転させることにより遠心力による気
流が発生し、被研削物の削り屑を除去すると共に、被研
削面の摩擦熱を冷却して緩和する。また、研削板1の中
央は凸形状部1aを形成し、研削機への取付部としての
みならず、皿バネとして作用して被研削物と研削板1と
の密着性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転研削工具用研
削板(以下、「研削板」という)に係わり、特に研削面
に砥粒を必要としない研削板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の機械研削加工は、砥粒を焼結或い
は接着剤等により結着固化することにより得られた砥石
や、砥粒を布に樹脂或いは接着剤で付着させたものを用
い、研削板の研削面に露出された砥粒により被研削物を
削り取ることによりなされている。このような研削、研
磨のために使用される砥粒としてダイヤモンド、エメリ
ー、溶融アルミナ、炭化珪素等の研削材や、粘土類、酸
化鉄、アルミナ(焼結微粉)、ガラス微粉等の琢磨材が
知られており、必要とする研削の程度(粗さ)によって
砥粒の大きさを決めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように砥粒による研削を行う場合には、研削板の構造
上、被研削物の削り屑が目詰まりし易いという問題があ
る。このため従来の研削加工では、被研削物の削り屑の
排出が円滑に行えないため、削り屑と研削板又は削り屑
と被研削物との間に摩擦が生じ、摩擦熱による被研削材
料の軟化、溶融によって被研削物の脆性が低下し、研削
効果が低下することがある。また、被研削物が摩擦熱で
熱分解することにより劣化、発煙、有害ガスが発生する
こともあり、更に、剥落した研削材料の砥粒が摩擦熱で
軟化し、溶融した被研削物の表面に食い込み研削面を汚
すこともある。
【0004】一方、工業用のゴム製ベルトコンベアをエ
ンドレス接着するための接着面の研削、制振材の接着面
の研削、木製材の研削などは必ずしも精度を必要としな
い粗い研削で十分であり、それを効率よく行うことが必
要とされる。従って、このような粗面研削に適した簡易
な研削板の開発が望まれている。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するために、
砥粒を用いることなく研削を可能とする研削板を提供す
ることにあり、更に被研削物の削り屑を効率よく排除で
きる研削板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の研削板は、研削
板の研削面に露出した砥粒によるのではなく、金属板を
打ち抜いて生じたいわゆる”バリ”を研削刃として用い
ることにより被研削物を削り取るようにしたものであ
る。
【0007】即ち本発明の研削板は、円形の金属板に複
数の打ち抜き穴を設けた研削板であって、研削面には打
ち抜きにより打ち抜き穴の周辺に形成された金属板の一
部からなる突出部を有するものである。
【0008】好ましくは、金属板を打ち抜き後、研削面
に表面硬化処理を施したものであり、これにより研削板
としての耐久性を向上させることができる。
【0009】また、金属板は、中心部分が凸形状をな
し、その凸形状の中心に研削の回転軸に取付けるための
取付穴を備えたものが好適である。このような研削板
は、取付に便宜なばかりでなく、研削板の全面を被研削
物に接触させて研削する場合に、この凸形状をなす部分
がいわゆる皿バネとして作用するため、被研削物と研削
板との密着性を向上させ円滑な研削を助ける。
【0010】更に好適には、空気吸引用の穴を凸形状の
部分、即ち取付穴の周辺部分及び立上がり部分、及び/
又は平面部分、特にその中央付近に備えたものであり、
この穴から流入した空気は研削板の回転によって被研削
物の削り屑を除去するための気流として作用するため、
被研削物を傷つけることなく研削ができる。空気吸引用
の穴は、研削板の全面を被研削物に接触させて研削する
場合に特に有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明の研削板について詳細
に説明する。
【0012】図1は、本発明の研削板の一実施例を半分
を図示したもので、この研削板1は円形の金属板を打ち
抜いたものからなり、図1(a)の平面図を示すよう
に、プレス加工により打ち抜かれた多数の研削用の穴2
及び空気吸引用の穴(空気吸引穴)3が形成されてい
る。また研削板1の中心には、研削機の回転軸に取り付
けるための取付穴4が設けられている。研削板1は、図
1(b)にその断面図を示すように、この取付穴4を中
心として研削板1の中心部が上に凸の凸形状部1aを形
成している。
【0013】このような研削板1を構成する金属は特に
限定されることはないが、例えば、表面窒化鋼のSAC
M645、ステンレス鋼のSUS420、SUS43
0、工具鋼のSK5、SK6、ばね鋼のSUP3等の鋼
板が好適に使用でき、被研削物や研削条件に応じて適宜
選択する。例えば、アルミニウム、銅の研削には、SA
CM645、SK5、SK6鋼板等が適しており、ベル
トコンベアのようなゴム製品の研削には、SUS42
0、SUS430鋼板等が適しており、木材の研削には
SK5、SK6、SUP3等が適している。
【0014】このような金属板を打抜くことによって形
成された穴2は、その詳細を図1(c)に示すように、
打ち抜き方向表面では穴2の周辺はプレス雄型による押
圧のためわずかに凹型になっており、逆に打ち抜き方向
裏面(研削面)では鋭いバリ5(突出部)が形成され
る。本発明の研削板は、このようにプレス加工により穴
周辺に生じたバリ5を研削に利用する。
【0015】バリ5は、打抜きによって自然発生的に生
じたものを利用することも可能であるが、研削したい対
象、研削板1の材質等により適当な量となる調整するこ
とが好ましい。一般にバリは、プレスされる研削板を構
成する金属が柔らかく塑性に富むものであればバリの発
生量は多くなり、その逆に硬い金属を用いればバリは少
なくなる。また、雄型と雌型とのなす寸法差(クリアラ
ンス)が大きいとバリは多くなり、小さければバリも少
なくなる。更に、金属板が雄型と雌型との寸法差に比較
して薄いとバリの発生量は多くなる。従って用いる金属
板の材料、厚さ、雄型と雌型とのクリアランスを調整す
ることにより、バリの量を適当な量となるように調整す
ることができる。例えば、アルミニウムのような材料を
研削する場合にはバリの量は少なくすることが好まし
い。
【0016】このバリ5はプレスにより打ち抜いたその
ままでも研削刃として十分利用することができるが、よ
り効果的にはバリ5のある研削板1の研削面を平面研削
盤等のような適当な研磨手段で平面研磨することにより
バリ5の高さを揃えることが好ましい。このようにする
ことにより、一様で滑らかな研削が可能になると共に、
バリ5の研削刃としての能力を向上させることができ
る。図2はこのように平面研磨した場合のバリ5の部分
を拡大した断面図を示したもので、図2(a)に示すよ
うに平面状のバリ5の先端面5aと、バリ5の側面5b
とが鋭利なエッジを形成しており、このエッジにより研
削が効果的に行える。このエッジは研削を行うことによ
り摩耗し、図2(b)に示すようにエッジがとれてバリ
5’の形状は鈍くなり、研削能力が低下する。このよう
な場合は研削板1の裏面を適当な研磨手段で研磨するこ
とにより、再び図2(a)に示すような鋭利なエッジが
よみがえる。
【0017】また、プレス加工による穴の打ち抜きは、
金属に剪断力を加えて切断加工するものであるため、打
ち抜き穴の周辺には局部的に大きな応力が働いており、
特に変形量の大きいバリの部分には材質にもよるが加工
硬化により硬度が増加する。従って、このままでも十分
軟質材料の研削に用いることができるが、更にバリを多
くしたり、耐久性を増加させるためには、研削板の裏面
に対して熱間加工するか、或いは焼き鈍した塑性に富む
材料を使用してプレス加工し、その後、焼き入れ又は窒
素化処理、チタンコーティング等の表面硬化処理を施す
ことにより硬度を増加するのが望ましい。
【0018】バリ5が形成される穴2の数、大きさは、
要求される研削精度によって異なるが、ゴム製ベルトコ
ンベアや制振材の研削の場合、直径100mmの金属板
に対し、穴2の数を8〜80、特に15〜40程度とす
ることが望ましい。
【0019】穴2の形状は図示したように円形の打ち抜
きに限らず、三角形や四角形等の多角形のものでも、図
3のような長円形や、図4のような半円形の打ち抜きに
よる変形型のものでもよい。形状が回転方向に対し非対
称の場合には、回転方向の後方となる部分のみにバリを
形成するようにしてもよい。例えば図4に示す半円形の
穴2では、図中矢印方向(時計方向)に回転するものと
し、その直径部分にのみバリ5を形成している。このよ
うにすることにより、研削板1を回転させるときに穴2
から削り屑が効率的に除去される。
【0020】穴2の配列の仕方は、研削板が回転したと
きに外周側の処理速度と内周側の処理速度とがほぼ均一
になるようにすることが好ましく、このため半径方向に
ついて平均して均一に配置し、円周方向については外周
側から内周側に向かって密に配置するようにする。ま
た、図5に示すように穴2と穴2’とを研削板1の径方
向に対して互いに隙間を補うように分布させるようにす
れば、研削時に生じやすい削り跡を生じさせることなく
一様で滑らかな研削ができる。更にゴム製品やアスファ
ルト合成ゴム系の住宅用遮音板のように研削速度が速い
と研削効率が上がる材料用の研削板では、内周から外周
に向って穴の数を逓減することによって均一な研削を行
うことができる。尚、穴の形状によって方向性がある場
合、即ち研削方向の違いで研削効率に差が生じる場合に
は、研削板の回転方向を考慮して配列の仕方を定める必
要がある。例えば図3に示す研削板1の場合には図中に
矢印で示すように半時計回りにする必要がある。
【0021】被研削材料及び要求される研削精度に応じ
てこれら穴2の数、大きさ、形状、配置等の組合せの最
適なものを選択することが好ましく、これにより操作性
及び研削効率を高めることができる。例えば、金属研削
用には図1のようなタイプが、ベルトコンベア用ゴムに
は図3のようなタイプが、木材研削用には図4のような
タイプが好ましい。
【0022】一方、空気を取り入れるための空気吸引穴
3は、研削板1の回転に伴い空気を取り込んで気流を生
じさせ、削り屑を除去するためのもので、特に本発明の
研削板の全面を被研削物に当てて研削するような研削の
場合に設けることが有効である。空気吸引穴3は、上述
したバリを有する穴2と同様に形成することができる
が、後述するように研削板と被研削物との隙間に吸引し
た空気を流すためにはバリを有しないか或いは少ないこ
とが好ましい。この空気吸引穴3の作用を、図6を用い
て説明する。
【0023】研削板1を回転させると被研削面Sは、バ
リ5により削り取られ、図6(a)に示すように、削り
屑6、7が発生する。この場合、穴2の内側で生じた削
り屑6はバリ5により研削板1の下側に出ていくことが
妨げられるためそのまま穴2から外に除去される。一
方、穴2の外部で生じた削り屑7は、容易には外に除去
されないために研削時に被研削面Sを傷つける原因や、
被研削面Sとの摩擦熱を発生する原因ともなる。
【0024】本発明の研削板では、実施例に示すように
空気吸引穴3を有しているため、ここから空気が取り込
まれ、研削板1の回転による遠心力で気流8が生じる。
この気流8は図6(b)において矢印で示すように流
れ、削り屑7を研削板1の外側へ除去する作用をする。
このような削り屑7の除去により、被研削面Sの傷を防
止するばかりでなく、摩擦熱の発生を軽減させることが
できる。このため、その分だけ研削板の回転力は有効に
研削に用いられ、動力に対する負担を軽減できると共
に、作業者にとっても反動的な動きが少ないので労力の
軽減及び作業の安全性の向上が図れる。
【0025】また、この空気の流れにより被研削物も冷
却されるため、被研削物の溶融、軟化による脆性の低下
を防止することができる。このため、プラスチック類、
ゴム類等のように発生する摩擦熱が大きく、この熱によ
る溶融、軟化が問題となる材料の研削に対しては特に効
果が大きく、また高速回転するアルミニウム、銅、鉛等
の金属を研削する際にみられる焼き付きの現象も起こり
にくくなる。
【0026】このような空気を取り入れるための穴3
は、上述したような作用を持つため、研削用の穴2より
も研削板1の回転軸付近に形成されていることが好まし
いが、更に図中、空気吸引穴3’として示すように、研
削板1の凸形状部1aの立ち上がり面(側面)に設ける
ことができる。これにより空気を豊富に取り入れること
が可能となり気流8の流量も増加し、削り屑除去及び摩
擦熱の冷却の働きを向上させることができる。
【0027】研削板1の中心に設けられた取付穴4は、
研削機の回転軸を固定するためのもので、凸形状部1a
の中心に形成される。回転軸は、取付穴4を貫通させて
その先端をナット等の取付け具で固定するが、取付穴4
を中心として設けられた凸形状部1aの裏面の空間が、
これらナット等の取付スペースとなり、回転軸やナット
等が被研削物や作業者に直接接触するのを防ぐ。
【0028】この研削板1の凸形状部は、更に研削板1
の皿バネとしても作用する。即ち、図7に示すように、
研削板1の研削面を被研削物に当接したときに、研削板
1の研削面と被研削物との間に隙間が生じても、凸形状
部がバネとして作用し回転軸を傾けることを許容し、こ
れにより被研削物と研削板とを密着させることができ、
円滑な研削を行う助けとなる。このように皿バネとして
作用するためにはこの凸形状部1aは、研削板の厚さ、
材質によって多少の差はあるが、100mmの研削板に
対して、直径25〜50mm、高さ10〜20mm程度
であることが望ましい。
【0029】更に、比較的薄型の研削板1を焼き入れ等
の処理をした場合、研削板1に捩れや曲がりを生じやす
いが、研削板1の凸形状部1aは、このような部分的収
縮或いは伸びを吸収する働きも果たす。
【0030】凸形状部1aは、穴2及び空気吸引穴3を
プレス加工により打ち抜いた後に、プレス加工等により
打ち出すことにより形成することができる。
【0031】このように構成される研削板1は通常の研
削機やハンドグラインダーに取り付けて使用することが
できる。例えば、図8に示すようにハンドグラインダー
10に取り付けても操作性よく使用することができ、ま
た固定型の双頭グラインダーに取り付けて高速回転させ
ても好適に使用できる。
【0032】尚、以上の実施例においては、研削刃(突
出部)としてプレスにより生じたバリを用いたものを示
したが、研削刃として図9に示すように2段階プレス加
工により作成したものを用いてもよい。この2段階プレ
スによる研削刃は、まず、図9(a)のように研削板の
母材である金属円板を穴の内側に多数の突起を有する星
形形状に打ち抜き(1段階目)、その後図9(b)のよ
うにこの突起だけが針状に立つように折り曲げる(2段
階目)ことにより得ることができる。このようにして得
た研削刃はバリよりも鋭利なものとすることができ、粗
い被研削面の粗面研削に特に適している。
【0033】また、以上の実施例では研削板の凸型形状
部分以外の部分は平面状の円板であるが、この部分につ
いては、図10に断面図を示すように、研削板1’の内
周から外周に向かって上向きの勾配を付けてもよい。研
削板の形状をこのようにすると、研削板の研削面が被研
削物に広い面積で密着することがなく、摩擦熱を軽減す
ることができる。また、図11に示すように、このよう
な研削板1’をハンドグラインダー10に取り付けて使
用した場合には、小面積を重点的に研削するときに特に
操作性を向上させることができる。更に、このような勾
配のある研削板1’の外周先端部には、図10に示すよ
うに、上方向にリブ11を設けてもよく、これにより研
削板の補強をすることができ、破損等による危険を防止
できる。
【0034】
【実施例】
実施例1 直径10cm、板厚1.25mmのSACM645鋼板
を加熱プレス加工して多数の円形の穴を打ち抜き、この
打ち抜き穴の周辺に0.5mm程度の高さのバリを生じ
させた。またプレス加工により複数の空気吸引穴を研削
板の中央部付近に形成し、更に凸形状部をプレス加工に
より形成した。これを酸で洗浄し、バリの生じている面
を研磨してバリの高さを揃えると共に、鋭利なエッジを
形成した。次いで研磨した面を窒素化処理して表面を硬
化させ、図1に示すような研削板を製作した。
【0035】これをハンドグラインダーに取り付けて大
型アルミサッシの組立時にアルミニウム押し出し成型品
の断面の修正をするために研削した。
【0036】この結果、この研削板は切れ味に優れ、発
熱も少なかった。特に鋭角に研削したときにも角の捲れ
がほとんどなく、また長時間使用しても切れ味の低下は
感じられなかった。
【0037】更に、アルミニウムばかりでなく、鉛、銅
についても同様に満足な結果が得られた。 実施例2 直径10cm、板厚0.75mmのSUS430鋼板を
プレス成型して多数の長円状の穴を直径に対して適当な
角度で打ち抜き、この打ち抜き穴の周辺に0.7mm程
度の高さのバリを生じさせ、またプレス加工により複数
の空気吸引穴を研削板の中央部付近に形成して図3に示
すような研削板を製作した。
【0038】これをハンドグラインダーに取り付けてベ
ルトコンベア用ゴムベルトの接着面を滑らかにするため
研削した。
【0039】従来の繊維入り結着砥石ではゴムの一部が
焼けて煙が発生し、ゴムの強度が低下したが、本実施例
では煙の発生はなく、約半分の時間で作業を終了でき、
処理面の接着強度も十分な耐久性を示した。 実施例3 直径15cm、板厚3mmのSK3鋼板を焼き鈍し、プ
レス加工して多数の円形の穴を打ち抜き、この打ち抜き
穴の周辺に0.5mm程度の高さのバリを生じさせた。
この後焼き入れをして表面を硬化させ、これを酸で洗浄
し、バリの生じている面を研磨してバリの高さを揃える
と共に、鋭利なエッジを形成し、図5に示すような研削
板を製作した。
【0040】これを固定型の双頭グラインダーに取り付
け、2400rpmで回転させ銅材切断面を研削した。
【0041】双頭グラインダーの場合には、垂直な研削
板の一部に銅材切断面を当てて研削するので、空気孔を
設けなくても空気が脇から自由に出入りすることがで
き、その結果、目詰まり、焼き付けがなく負荷は小さ
く、研削面の仕上がりは良好であった。また研削速度は
通常の焼結砥石の約2倍であった。
【0042】更に、研削によりバリのエッジが摩耗して
研削速度が低下した際、研削板裏面を再研磨してバリの
エッジを再び鋭利なものとすることにより研削速度は復
活した。
【0043】尚、バリを生じさせた後、焼き入れをする
前に、プレス加工により複数の空気吸引穴を研削板の中
央部付近に形成した場合にも同様な結果が得られた。 実施例4 直径10cm、板厚1.2mmのSUP3鋼板をプレス
加工して多数の半円形の穴を打ち抜き、この打ち抜き穴
の周辺に0.7mm程度の高さのバリを生じさせた。ま
たプレス加工により複数の空気吸引穴を研削板の中央部
付近に形成した。これを焼き入れして表面を硬化した
後、酸で洗浄し、バリの生じている面を研磨してバリの
高さを揃えると共に、鋭利なエッジを形成し、図4に示
すような研削板を製作した。
【0044】これをハンドグラインダーに取り付けて木
材を研削した。
【0045】この結果、粉末の付着や発熱、焦げ付きが
なく研削性は長時間良好に保持された。
【0046】また、研削によりバリのエッジが摩耗して
研削速度が低下した際、研削板裏面を再研磨してバリの
エッジを再び鋭利なものとすることにより研削速度は復
活した。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明の研削板によ
れば、研削板に砥粒を用いていないため、砥粒による目
詰まりを生じることなく粗面研削を効率よく行うことが
でき、また脱離した砥粒により研削面を傷つけることも
ない。
【0048】また、空気吸引用の穴を設けたことによ
り、研削時に発生する削り屑を効率よく除去することが
できることに加えて、研削板と被研削物との間に発生す
る摩擦熱を効率よく冷却することもできるため、被研削
物の溶融、軟化などによる悪影響を防止することができ
る。
【0049】このような本発明の研削板には一般的な金
属の円板を使用することから、廃材とされた金属板をも
利用することができ、しかも一般的なプレス加工により
簡易に作成できるのでコスト的にも安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研削板の1実施例を示す図で、(a)
は平面図、(b)は断面図であり、(c)は打ち抜き穴
周辺のバリを説明する断面図である。
【図2】打ち抜き穴周辺のバリを平面研磨する効果を説
明する図である。
【図3】本発明の研削板の第2の実施例を示す平面図で
ある。
【図4】本発明の研削板の第3の実施例を示す平面図で
ある。
【図5】本発明の研削板の第4の実施例を示す平面図で
ある。
【図6】空気取り入れ用の穴から取り入れられた空気の
働きを説明する図である。
【図7】本発明の研削板中央部に設けられた凸形状部分
の働きを説明する図である。
【図8】本発明の研削板をハンドグラインダーに取り付
けた使用態様を示す図である。
【図9】2段階プレスを説明する図で、(a)は1段階
目、(b)は2段階目を示す図である。
【図10】本発明の研削板の研削面に勾配をもたせた実
施例の断面図である。
【図11】勾配のある研削面を有する研削板をハンドグ
ラインダーに取り付けた使用態様を示す図である。
【符号の説明】
1・・・・・・研削板 1a・・・・・・凸形状部 2・・・・・・穴(突出部(バリ)を有する穴) 3、3’・・・・・・空気吸引穴 4・・・・・・取付穴 5・・・・・・バリ(突出部)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円形の金属板に複数の打ち抜き穴を設けた
    研削板であって、研削面に、前記打ち抜き穴の周辺に打
    ち抜きにより形成された前記金属板の一部からなる突出
    部を有することを特徴とする回転研削工具用研削板。
  2. 【請求項2】前記金属板を打ち抜き後、前記研削面に表
    面硬化処理を施したことを特徴とする請求項1記載の回
    転研削工具用研削板。
  3. 【請求項3】前記金属板は、中心部分が凸形状をなし、
    その凸形状の中心に取付穴を備えたことを特徴とする請
    求項1又は2記載の回転研削工具用研削板。
  4. 【請求項4】空気吸引用の穴を前記凸形状の部分及び/
    又は平面部分に備えたことを特徴とする請求項1乃至3
    いずれか1項記載の回転研削工具用研削板。
JP13348997A 1997-05-23 1997-05-23 回転研削工具用研削板 Pending JPH10315143A (ja)

Priority Applications (1)

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JP13348997A JPH10315143A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 回転研削工具用研削板

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JP13348997A JPH10315143A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 回転研削工具用研削板

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JPH10315143A true JPH10315143A (ja) 1998-12-02

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