JPH10312803A - 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池 - Google Patents
非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池Info
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- JPH10312803A JPH10312803A JP9121306A JP12130697A JPH10312803A JP H10312803 A JPH10312803 A JP H10312803A JP 9121306 A JP9121306 A JP 9121306A JP 12130697 A JP12130697 A JP 12130697A JP H10312803 A JPH10312803 A JP H10312803A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来よりも不可逆容量が小さく且つ高い充放
電容量の非水電解液二次電池用負極活物質を得る 【解決手段】 酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子
化合物で被覆することにより、不可逆容量が小さく且つ
充放電容量の大きな非水電解液二次電池用負極活物質が
得られる。
電容量の非水電解液二次電池用負極活物質を得る 【解決手段】 酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子
化合物で被覆することにより、不可逆容量が小さく且つ
充放電容量の大きな非水電解液二次電池用負極活物質が
得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化錫を基本成分
とする非水電解液二次電池用負極活物質及び該負極活物
質を用いた非水電解液二次電池に関する。
とする非水電解液二次電池用負極活物質及び該負極活物
質を用いた非水電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、急速に普及する携帯電話、携帯用
端末、ビデオカメラなどの携帯用機器の電源として、あ
るいは電気自動車用電源として、小型、軽量でエネルギ
ー密度の高い二次電池に対する社会的要求が益々強くな
っている。
端末、ビデオカメラなどの携帯用機器の電源として、あ
るいは電気自動車用電源として、小型、軽量でエネルギ
ー密度の高い二次電池に対する社会的要求が益々強くな
っている。
【0003】充電可能で繰り返し使用できる二次電池の
うち、水溶液系電解質を用いる鉛蓄電池、ニッケル−カ
ドミウム電池、ニッケル−水素電池などの二次電池で
は、過電圧の高い鉛蓄電池を除いては水の分解電圧を超
える高い電池電圧を得ることはできない。これに対し非
水電解液二次電池は電解液に非水溶媒を用いるため、水
溶液系電解質を用いる上述の二次電池よりも高い電池電
圧を得ることができる。そのため、非水電解液二次電池
はエネルギー密度が高く小型化及び軽量化が可能であ
り、携帯用機器の電源として急速に需要が伸びている
が、更にこれら電子機器の長時間稼働を実現させるため
に、電池性能、即ち充放電容量の更なる向上が求められ
ている。
うち、水溶液系電解質を用いる鉛蓄電池、ニッケル−カ
ドミウム電池、ニッケル−水素電池などの二次電池で
は、過電圧の高い鉛蓄電池を除いては水の分解電圧を超
える高い電池電圧を得ることはできない。これに対し非
水電解液二次電池は電解液に非水溶媒を用いるため、水
溶液系電解質を用いる上述の二次電池よりも高い電池電
圧を得ることができる。そのため、非水電解液二次電池
はエネルギー密度が高く小型化及び軽量化が可能であ
り、携帯用機器の電源として急速に需要が伸びている
が、更にこれら電子機器の長時間稼働を実現させるため
に、電池性能、即ち充放電容量の更なる向上が求められ
ている。
【0004】非水電解液二次電池は、リチウムを吸蔵、
放出することが可能な正極活物質と集電体などからなる
正極と、リチウムを吸蔵、放出することが可能な負極活
物質と集電体などからなる負極、さらにはリチウム塩を
非水溶媒に溶解してなる電解液、及びセパレータ、電池
容器などから構成される。このような二次電池におい
て、充電時には正極活物質中から放出されたリチウムは
負極活物質中に吸蔵され、また放電時にはリチウムは逆
に負極活物質中から放出され、正極活物質中に吸蔵され
る。
放出することが可能な正極活物質と集電体などからなる
正極と、リチウムを吸蔵、放出することが可能な負極活
物質と集電体などからなる負極、さらにはリチウム塩を
非水溶媒に溶解してなる電解液、及びセパレータ、電池
容器などから構成される。このような二次電池におい
て、充電時には正極活物質中から放出されたリチウムは
負極活物質中に吸蔵され、また放電時にはリチウムは逆
に負極活物質中から放出され、正極活物質中に吸蔵され
る。
【0005】充放電容量の高い非水電解液二次電池に適
した負極活物質としては、エネルギー密度にのみ着目す
れば、単位重量当たりに含まれるリチウム量が最も多い
金属リチウムを用いることが望ましい。しかし、負極活
物質に金属リチウムを用いると、充電時にリチウムが負
極表面に均一に析出せずに樹枝状に析出し、これがセパ
レータを貫通して負極と正極が短絡し、発熱や発火する
危険性がある。また樹枝状に析出した金属リチウムが負
極から脱落して充放電サイクル寿命が短くなるという問
題がある。これらの問題のために、金属リチウムは電池
反応に関与する理論的リチウム容量が最も高いにも関わ
らず、負極活物質として実用化されるに至っていない。
した負極活物質としては、エネルギー密度にのみ着目す
れば、単位重量当たりに含まれるリチウム量が最も多い
金属リチウムを用いることが望ましい。しかし、負極活
物質に金属リチウムを用いると、充電時にリチウムが負
極表面に均一に析出せずに樹枝状に析出し、これがセパ
レータを貫通して負極と正極が短絡し、発熱や発火する
危険性がある。また樹枝状に析出した金属リチウムが負
極から脱落して充放電サイクル寿命が短くなるという問
題がある。これらの問題のために、金属リチウムは電池
反応に関与する理論的リチウム容量が最も高いにも関わ
らず、負極活物質として実用化されるに至っていない。
【0006】現在、市販の非水電解液二次電池の負極活
物質としては、黒鉛に代表される比較的結晶化度の高い
炭素材料(以下、黒鉛材料ともいう)、あるいは難黒鉛
化炭素などと称される比較的結晶化度の低い炭素材料
(以下、難黒鉛化炭素材料ともいう)などが用いられて
いる。
物質としては、黒鉛に代表される比較的結晶化度の高い
炭素材料(以下、黒鉛材料ともいう)、あるいは難黒鉛
化炭素などと称される比較的結晶化度の低い炭素材料
(以下、難黒鉛化炭素材料ともいう)などが用いられて
いる。
【0007】黒鉛材料を非水電解液二次電池の負極活物
質(以下、負極活物質ともいう)として使用すると、放
電初期から末期に至るまで負極電位はほぼ一定の値で安
定するため、放電末期まで安定した電池電圧を確保する
ことができる。しかしながら、黒鉛材料の充放電容量は
理論値で最高372mAh/g、現実には280〜33
0mAh/g程度である。従って、よりエネルギー密度
の高い非水電解液二次電池を作製するためにはさらに高
い充放電容量を有する負極活物質が望まれている。
質(以下、負極活物質ともいう)として使用すると、放
電初期から末期に至るまで負極電位はほぼ一定の値で安
定するため、放電末期まで安定した電池電圧を確保する
ことができる。しかしながら、黒鉛材料の充放電容量は
理論値で最高372mAh/g、現実には280〜33
0mAh/g程度である。従って、よりエネルギー密度
の高い非水電解液二次電池を作製するためにはさらに高
い充放電容量を有する負極活物質が望まれている。
【0008】一方、難黒鉛化炭素材料は、充放電容量は
400〜700mAh/gであり、この点では黒鉛材料
よりも優れた特性を有している。しかし、難黒鉛化炭素
材料では、放電初期から負極電位が上昇し続けるため、
非水電解液二次電池に用いると放電に伴って電池電圧が
低下し続ける。そのため、負極活物質である難黒鉛化炭
素には、未だ放出可能なリチウムが十分に残存している
にも関わらず、それ以上の放電は低い電圧下で起こるた
めに電源として利用できないという問題点がある。その
結果、実質的に利用できる充放電容量は、黒鉛材料とほ
ぼ同等の300mAh/g程度にすぎない場合がある。
400〜700mAh/gであり、この点では黒鉛材料
よりも優れた特性を有している。しかし、難黒鉛化炭素
材料では、放電初期から負極電位が上昇し続けるため、
非水電解液二次電池に用いると放電に伴って電池電圧が
低下し続ける。そのため、負極活物質である難黒鉛化炭
素には、未だ放出可能なリチウムが十分に残存している
にも関わらず、それ以上の放電は低い電圧下で起こるた
めに電源として利用できないという問題点がある。その
結果、実質的に利用できる充放電容量は、黒鉛材料とほ
ぼ同等の300mAh/g程度にすぎない場合がある。
【0009】このような炭素材料に対して、最近、酸化
錫系材料が高い充放電容量を有する材料として注目され
ている。酸化錫系材料では、最初SnOあるいはSnO
2において500〜600mAh/gといった放電容量
が見いだされた(特開平6−275268、特開平7−
122274など)。その後、Sn−Li−O系材料
(特開平7−201318)、Sn−Si−O系材料
(特開平7−230800)、あるいはSn−M−O系
材料(Mはアルカリ土類金属、周期律表13、14、1
5族元素又は亜鉛、特開平7−288123)といった
組成の酸化錫系材料が提案されている。
錫系材料が高い充放電容量を有する材料として注目され
ている。酸化錫系材料では、最初SnOあるいはSnO
2において500〜600mAh/gといった放電容量
が見いだされた(特開平6−275268、特開平7−
122274など)。その後、Sn−Li−O系材料
(特開平7−201318)、Sn−Si−O系材料
(特開平7−230800)、あるいはSn−M−O系
材料(Mはアルカリ土類金属、周期律表13、14、1
5族元素又は亜鉛、特開平7−288123)といった
組成の酸化錫系材料が提案されている。
【0010】しかしながらこれらの酸化錫系材料におい
ては、初回の充電容量と放電容量の差(以下、不可逆容
量ともいう)が比較的大きく、該不可逆容量を更に小さ
くすることが望まれていた。
ては、初回の充電容量と放電容量の差(以下、不可逆容
量ともいう)が比較的大きく、該不可逆容量を更に小さ
くすることが望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、不可逆容量が
小さく且つ高容量の酸化錫系材料の開発が望まれてい
た。
小さく且つ高容量の酸化錫系材料の開発が望まれてい
た。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子化
合物で被覆すると不可逆容量が低減することを見い出
し、ここに本発明を完成させるに至った。
重ねた結果、酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子化
合物で被覆すると不可逆容量が低減することを見い出
し、ここに本発明を完成させるに至った。
【0013】即ち、本発明は、酸化錫または複合酸化錫
の表面に高分子化合物が被覆されてなることを特徴とす
る酸化錫系非水電解液二次電池用負極活物質であり、他
の発明は、該負極活物質を集電体に接合してなる負極と
チウムイオンを吸蔵、放出することが可能な材料からな
る正極活物質を集電体に接合してなる正極とが、セパレ
ータを介して非水電解液と共に電池容器内に収納されて
いることを特徴とする非水電解液二次電池である。
の表面に高分子化合物が被覆されてなることを特徴とす
る酸化錫系非水電解液二次電池用負極活物質であり、他
の発明は、該負極活物質を集電体に接合してなる負極と
チウムイオンを吸蔵、放出することが可能な材料からな
る正極活物質を集電体に接合してなる正極とが、セパレ
ータを介して非水電解液と共に電池容器内に収納されて
いることを特徴とする非水電解液二次電池である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0015】本発明で使用される酸化錫は、後述する元
素等を含むこともできるが基本的に周期律表14族(新
IUPAC方式による、以下同様)第5周期の錫と16
族第2周期の酸素からなる化合物であればよく、その組
成(SnとOの組成比)および構造は特に限定されな
い。
素等を含むこともできるが基本的に周期律表14族(新
IUPAC方式による、以下同様)第5周期の錫と16
族第2周期の酸素からなる化合物であればよく、その組
成(SnとOの組成比)および構造は特に限定されな
い。
【0016】組成の観点から上記酸化錫を例示すると、
代表的には二酸化錫、三酸化二錫、四酸化三錫、一酸化
錫などの組成を有する酸化錫であり、また、これらの組
成を有する酸化錫が任意の割合で混合されたものでもか
まわない。
代表的には二酸化錫、三酸化二錫、四酸化三錫、一酸化
錫などの組成を有する酸化錫であり、また、これらの組
成を有する酸化錫が任意の割合で混合されたものでもか
まわない。
【0017】又、上記酸化錫は、構造的には結晶質酸化
錫あるいは非晶質酸化錫の何れの構造を取っていても構
わない。
錫あるいは非晶質酸化錫の何れの構造を取っていても構
わない。
【0018】上記酸化錫が結晶質である場合において
は、その結晶構造は特に限定されない。例えば、酸化錫
が二酸化錫の場合には、JCPDSカード21−125
0記載の正方晶二酸化錫、同29−1484記載の斜方
晶二酸化錫、同33−1374記載の立方晶二酸化錫な
どの結晶構造をとることができ、また、これらの結晶構
造を有する二種類以上の二酸化錫が任意の割合で含まれ
ていてもよい。また、三酸化二錫の場合には、JCPD
Sカード25−1259記載の結晶構造を有する三酸化
二錫などの結晶構造をとることができる。四酸化三錫の
場合にはJCPDSカード20−1293記載の結晶構
造を有する四酸化三錫などの結晶構造をとることができ
る。また、一酸化錫の場合には、JCPDSカード6−
395記載の正方晶一酸化錫、同7−195記載の結晶
構造を有する一酸化錫、同24−1342記載の斜方晶
一酸化錫などの結晶構造をとることができ、また、これ
らの結晶構造を有する二種類以上の一酸化錫が任意の割
合で含まれていてもよい。
は、その結晶構造は特に限定されない。例えば、酸化錫
が二酸化錫の場合には、JCPDSカード21−125
0記載の正方晶二酸化錫、同29−1484記載の斜方
晶二酸化錫、同33−1374記載の立方晶二酸化錫な
どの結晶構造をとることができ、また、これらの結晶構
造を有する二種類以上の二酸化錫が任意の割合で含まれ
ていてもよい。また、三酸化二錫の場合には、JCPD
Sカード25−1259記載の結晶構造を有する三酸化
二錫などの結晶構造をとることができる。四酸化三錫の
場合にはJCPDSカード20−1293記載の結晶構
造を有する四酸化三錫などの結晶構造をとることができ
る。また、一酸化錫の場合には、JCPDSカード6−
395記載の正方晶一酸化錫、同7−195記載の結晶
構造を有する一酸化錫、同24−1342記載の斜方晶
一酸化錫などの結晶構造をとることができ、また、これ
らの結晶構造を有する二種類以上の一酸化錫が任意の割
合で含まれていてもよい。
【0019】本発明で使用する複合酸化錫は、サイクル
特性等を改善するために、アルカリ土類金属、希土類元
素、遷移元素、周期律表13族元素、周期律表14族元
素(錫を除く)、周期律表15族元素およびカルコゲン
元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素(以
下、第2成分元素ともいう)を含有せしめたものであ
る。
特性等を改善するために、アルカリ土類金属、希土類元
素、遷移元素、周期律表13族元素、周期律表14族元
素(錫を除く)、周期律表15族元素およびカルコゲン
元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素(以
下、第2成分元素ともいう)を含有せしめたものであ
る。
【0020】アルカリ土類金属としては、元素記号C
a、Sr、Ba、MgおよびRaの各元素を挙げること
ができる。希土類元素としては、元素記号La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、またはAcなどのアクチ
ノイドの各元素を挙げることができる。遷移元素として
は、元素記号Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、
Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、R
e、Os、Ir、Pt、AuおよびHgの各元素を挙げ
ることができる。周期律表13族元素としては、元素記
号B、Al、Ga、In、Tlの各元素が挙げられ、周
期律表14族元素としては、C、Si、Ge、Pbの各
元素が挙げられ、周期律表15族元素としては、元素記
号N、P、As、SbおよびBiの各元素を挙げること
ができる。さらに、カルコゲン元素としては、元素記号
S、SeおよびTeの各元素を挙げることができる。
a、Sr、Ba、MgおよびRaの各元素を挙げること
ができる。希土類元素としては、元素記号La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、またはAcなどのアクチ
ノイドの各元素を挙げることができる。遷移元素として
は、元素記号Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、
Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、R
e、Os、Ir、Pt、AuおよびHgの各元素を挙げ
ることができる。周期律表13族元素としては、元素記
号B、Al、Ga、In、Tlの各元素が挙げられ、周
期律表14族元素としては、C、Si、Ge、Pbの各
元素が挙げられ、周期律表15族元素としては、元素記
号N、P、As、SbおよびBiの各元素を挙げること
ができる。さらに、カルコゲン元素としては、元素記号
S、SeおよびTeの各元素を挙げることができる。
【0021】前記複合酸化錫に含まれる第2成分元素の
添加量は特に限定されないが、その量が多すぎるとリチ
ウムイオン吸蔵能のある酸化錫の割合が減少し、非水電
解液二次電池用負極活物質として用いた場合充放電容量
が低下するので好ましくない。逆に、第2成分元素の添
加量が少なすぎるとサイクル特性等を改善できない場合
もある。第2成分元素の好ましい含有量は錫と第2成分
元素の合計量に対して0.01〜50mol%であり、
さらに好ましくは0.1〜30mol%の範囲である。
添加量は特に限定されないが、その量が多すぎるとリチ
ウムイオン吸蔵能のある酸化錫の割合が減少し、非水電
解液二次電池用負極活物質として用いた場合充放電容量
が低下するので好ましくない。逆に、第2成分元素の添
加量が少なすぎるとサイクル特性等を改善できない場合
もある。第2成分元素の好ましい含有量は錫と第2成分
元素の合計量に対して0.01〜50mol%であり、
さらに好ましくは0.1〜30mol%の範囲である。
【0022】酸化錫等中に含まれる元素の種類および含
有量は、化学分析や蛍光エックス線分析などにより同
定、定量することができる。
有量は、化学分析や蛍光エックス線分析などにより同
定、定量することができる。
【0023】バナジウム等の周期律表5族元素、あるい
はアンチモン等の周期律表15族元素などの公知の元素
は、前記酸化錫の電気導電性を向上させ、負極活物質と
して用いた場合の分極を低減させる効果がある(以下、
導電性付与元素ともいう)。
はアンチモン等の周期律表15族元素などの公知の元素
は、前記酸化錫の電気導電性を向上させ、負極活物質と
して用いた場合の分極を低減させる効果がある(以下、
導電性付与元素ともいう)。
【0024】この場合、アセチレンブラック等の導電性
付与剤の添加量を少なくでき、電池の充放電容量の低下
を防ぐことができる。
付与剤の添加量を少なくでき、電池の充放電容量の低下
を防ぐことができる。
【0025】前記酸化錫または複合酸化錫の形状は、特
に限定されず、粉末状、繊維状、板状、膜状等を用いる
ことができる。
に限定されず、粉末状、繊維状、板状、膜状等を用いる
ことができる。
【0026】本発明で使用する酸化錫及び複合酸化錫の
製造方法は特に限定されないが、代表的には以下のよう
にして作製することができる。
製造方法は特に限定されないが、代表的には以下のよう
にして作製することができる。
【0027】酸化錫を製造する場合には、先ず有機溶媒
可溶性錫化合物および/または金属錫を有機溶媒に溶解
させた溶液(以下、前駆体溶液ともいう)を調製する。
また、複合酸化錫を製造する場合には上記前駆体溶液に
第2成分元素となる有機溶媒可溶性アルカリ土類金属化
合物、有機溶媒可溶性希土類元素化合物、有機溶媒可溶
性遷移元素化合物、有機溶媒可溶性周期律表13族元素
化合物、有機溶媒可溶性周期律表14族元素化合物(有
機溶媒可溶性錫化合物を除く)、並びに有機溶媒可溶性
周期律表15族元素化合物および有機溶媒可溶性カルコ
ゲン元素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種
の可溶性化合物(以下、第2成分元素の有機溶媒可溶性
化合物ともいう)を溶解させた溶液を前駆体溶液とし、
該前駆体溶液を濃縮し、焼成する。
可溶性錫化合物および/または金属錫を有機溶媒に溶解
させた溶液(以下、前駆体溶液ともいう)を調製する。
また、複合酸化錫を製造する場合には上記前駆体溶液に
第2成分元素となる有機溶媒可溶性アルカリ土類金属化
合物、有機溶媒可溶性希土類元素化合物、有機溶媒可溶
性遷移元素化合物、有機溶媒可溶性周期律表13族元素
化合物、有機溶媒可溶性周期律表14族元素化合物(有
機溶媒可溶性錫化合物を除く)、並びに有機溶媒可溶性
周期律表15族元素化合物および有機溶媒可溶性カルコ
ゲン元素化合物からなる群より選ばれた少なくとも一種
の可溶性化合物(以下、第2成分元素の有機溶媒可溶性
化合物ともいう)を溶解させた溶液を前駆体溶液とし、
該前駆体溶液を濃縮し、焼成する。
【0028】上記製造方法において前駆体溶液の調製に
用いる有機溶媒は、後述の有機溶媒可溶性錫化合物、第
2成分元素の有機溶媒可溶性化合物、有機溶媒可溶性の
導電性付与元素化合物(以下、これらを総称して有機溶
媒可溶性化合物ともいう)を溶解するものであれば何ら
制限されない。これらには、アルコール、アセトン、ア
セトニトリル等、あるいはこれらの混合物が挙げられる
が、通常アルコールを主にすることが多い。アルコール
を一般式ROHで表わすと、Rはメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、オクチル基などの非置換アルキ
ル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、
2−ヒドロキシエチル基、1−メトキシ−2−プロピル
基、メトキシエトキシエチル基、2−フェニルエチル
基、フェニルメチル基などの置換アルキル基、アリル基
などの非置換アルケニル基、2−メチル−2−プロペニ
ル基、3−メチル−3−ブテニル基などの置換アルケニ
ル基などが挙げられる。
用いる有機溶媒は、後述の有機溶媒可溶性錫化合物、第
2成分元素の有機溶媒可溶性化合物、有機溶媒可溶性の
導電性付与元素化合物(以下、これらを総称して有機溶
媒可溶性化合物ともいう)を溶解するものであれば何ら
制限されない。これらには、アルコール、アセトン、ア
セトニトリル等、あるいはこれらの混合物が挙げられる
が、通常アルコールを主にすることが多い。アルコール
を一般式ROHで表わすと、Rはメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、オクチル基などの非置換アルキ
ル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、
2−ヒドロキシエチル基、1−メトキシ−2−プロピル
基、メトキシエトキシエチル基、2−フェニルエチル
基、フェニルメチル基などの置換アルキル基、アリル基
などの非置換アルケニル基、2−メチル−2−プロペニ
ル基、3−メチル−3−ブテニル基などの置換アルケニ
ル基などが挙げられる。
【0029】上記の置換アルキル基、置換アルケニル基
または置換アリール基における置換基の具体例として
は、上記したRの具体例に見られるメトキシ基、エトキ
シ基などのアルコキシル基、ヒドロキシル基、フェニル
基などのアリール基、メチル基、エチル基などのアルキ
ル基の他に、アミノ基、シアノ基、Cl原子、Br原
子、I原子、F原子などのハロゲンなどが挙げられる。
または置換アリール基における置換基の具体例として
は、上記したRの具体例に見られるメトキシ基、エトキ
シ基などのアルコキシル基、ヒドロキシル基、フェニル
基などのアリール基、メチル基、エチル基などのアルキ
ル基の他に、アミノ基、シアノ基、Cl原子、Br原
子、I原子、F原子などのハロゲンなどが挙げられる。
【0030】これらアルコールの具体例として、メタノ
ール(メチルアルコールともいう)、エタノール(エチ
ルアルコールともいう)、プロパノール(プロピルアル
コールともいう)、ブタノール(ブチルアルコールとも
いう)、オクタノール(オクチルアルコール)、2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレン
グリコール、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、
メトキシエトキシエタノール、2−フェニルエチルアル
コール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、2−
メチル−2−プロペン−1−オール、3−メチル−3−
ブテン−1−オールなどを挙げることができる。中でも
メタノール、エタノールは、有機溶媒可溶性化合物の溶
解度が高いため、好ましく、特にメタノールは安価で手
に入りやすいという理由もあり、より好ましい。上記ア
ルコールは通常単独で用いられるが、有機溶媒可溶性化
合物との反応性や溶解性などを制御するために2種類以
上のアルコールの混合物を用いることもできる。
ール(メチルアルコールともいう)、エタノール(エチ
ルアルコールともいう)、プロパノール(プロピルアル
コールともいう)、ブタノール(ブチルアルコールとも
いう)、オクタノール(オクチルアルコール)、2−メ
トキシエタノール、2−エトキシエタノール、エチレン
グリコール、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、
メトキシエトキシエタノール、2−フェニルエチルアル
コール、ベンジルアルコール、アリルアルコール、2−
メチル−2−プロペン−1−オール、3−メチル−3−
ブテン−1−オールなどを挙げることができる。中でも
メタノール、エタノールは、有機溶媒可溶性化合物の溶
解度が高いため、好ましく、特にメタノールは安価で手
に入りやすいという理由もあり、より好ましい。上記ア
ルコールは通常単独で用いられるが、有機溶媒可溶性化
合物との反応性や溶解性などを制御するために2種類以
上のアルコールの混合物を用いることもできる。
【0031】前記製造方法で用いる有機溶媒可溶性錫化
合物(以下可溶性錫化合物ともいう)としては、ハロゲ
ン化錫、有機錫、錫のアルコキシドなどが挙げられる。
ハロゲン化錫のハロゲンは、Cl、Br、I、F原子で
ある。また水和物でも構わない。ハロゲン化錫のなかで
も、塩化錫、臭化錫が価格、安定性の点から好ましい。
具体的には、SnCl2、SnCl2・2H20、SnB
r2、SnI2、SnF2などが挙げられ、特に、SnC
l2、SnBr2、SnCl2・2H2Oが好ましく用いら
れる。また該ハロゲン化錫化合物において有機化合物で
修飾したもの、例えばSn(CH3)2Cl2なども使用で
きる。有機錫化合物としては、(CH3)2Sn、(C2H5)2
Sn、(C3H7)4Snなどが溶解する範囲で使用また
は添加することができる。錫のアルコキシドとしては、
Sn(OC2H5)4、Sn(OC3H7)4、Sn(OC4
H9)4などを挙げることができる。また上記可溶性錫化
合物は2種類以上の混合物を用いることもできる。
合物(以下可溶性錫化合物ともいう)としては、ハロゲ
ン化錫、有機錫、錫のアルコキシドなどが挙げられる。
ハロゲン化錫のハロゲンは、Cl、Br、I、F原子で
ある。また水和物でも構わない。ハロゲン化錫のなかで
も、塩化錫、臭化錫が価格、安定性の点から好ましい。
具体的には、SnCl2、SnCl2・2H20、SnB
r2、SnI2、SnF2などが挙げられ、特に、SnC
l2、SnBr2、SnCl2・2H2Oが好ましく用いら
れる。また該ハロゲン化錫化合物において有機化合物で
修飾したもの、例えばSn(CH3)2Cl2なども使用で
きる。有機錫化合物としては、(CH3)2Sn、(C2H5)2
Sn、(C3H7)4Snなどが溶解する範囲で使用また
は添加することができる。錫のアルコキシドとしては、
Sn(OC2H5)4、Sn(OC3H7)4、Sn(OC4
H9)4などを挙げることができる。また上記可溶性錫化
合物は2種類以上の混合物を用いることもできる。
【0032】前記製造方法で用いる金属錫の形状は特に
限定されず、板状、棒状、シート状、粒状、粉末状、砂
状、花状、塊状のものなどが挙げられ、溶解のしやすさ
の点からは粒状、粉末状、砂状のものが好ましい。純度
は高い方が好ましいが、電池反応、ひいては電池性能に
影響しない範囲であれば特に制限されない。
限定されず、板状、棒状、シート状、粒状、粉末状、砂
状、花状、塊状のものなどが挙げられ、溶解のしやすさ
の点からは粒状、粉末状、砂状のものが好ましい。純度
は高い方が好ましいが、電池反応、ひいては電池性能に
影響しない範囲であれば特に制限されない。
【0033】前駆体溶液を調製する際の有機溶媒と可溶
性錫化合物及び/または金属錫との割合は、可溶性錫化
合物及び/または金属錫が有機溶媒に均一に溶解する範
囲であれば、特に制限されない。但し、あまりに有機溶
媒が少ないと、可溶性錫化合物及び/または金属錫が完
全に溶解せずに不溶物が残り均一な前駆体溶液が得られ
ない。またあまりに有機溶媒が多いと、可溶性錫化合物
及び/または金属錫の溶解速度は高まるが、後の濃縮に
おいて時間がかかってしまう。したがって、使用する有
機溶媒や可溶性錫化合物及び/または金属錫の種類によ
っても異なるが、元素換算で錫に対して有機溶媒の量が
モル比で2〜1000倍となるような割合が好ましく、
さらには5〜500倍となるような割合が望ましい。ま
た錫源として金属錫のみを用いるときは、塩化水素など
のハロゲン化水素ガスや塩酸などを添加すると、有機溶
媒への金属錫の溶解速度が高まるため、好ましい。
性錫化合物及び/または金属錫との割合は、可溶性錫化
合物及び/または金属錫が有機溶媒に均一に溶解する範
囲であれば、特に制限されない。但し、あまりに有機溶
媒が少ないと、可溶性錫化合物及び/または金属錫が完
全に溶解せずに不溶物が残り均一な前駆体溶液が得られ
ない。またあまりに有機溶媒が多いと、可溶性錫化合物
及び/または金属錫の溶解速度は高まるが、後の濃縮に
おいて時間がかかってしまう。したがって、使用する有
機溶媒や可溶性錫化合物及び/または金属錫の種類によ
っても異なるが、元素換算で錫に対して有機溶媒の量が
モル比で2〜1000倍となるような割合が好ましく、
さらには5〜500倍となるような割合が望ましい。ま
た錫源として金属錫のみを用いるときは、塩化水素など
のハロゲン化水素ガスや塩酸などを添加すると、有機溶
媒への金属錫の溶解速度が高まるため、好ましい。
【0034】可溶性錫化合物と金属錫を併用する場合に
おいて、金属錫の量は各仕込組成において溶解する範囲
であれば特に制限されない。但し、金属錫の量が多すぎ
ると溶解に時間がかかったり、溶けないで残る場合があ
るので、可溶性錫化合物途金属錫との量比は、溶解する
金属錫と可溶性錫化合物の錫の合計量に対する可溶性錫
化合物に含まれる錫の原子数百分率が10%以上100
%以下となるように金属錫の溶解量を決めるのが好まし
い。特に、可溶性錫化合物にハロゲン化錫化合物を用い
た場合には、溶解する金属錫とハロゲン化錫化合物のハ
ロゲンと錫の原子数比が0.60以上1.80未満とな
るように金属錫の溶解量を決めるのが好ましい。
おいて、金属錫の量は各仕込組成において溶解する範囲
であれば特に制限されない。但し、金属錫の量が多すぎ
ると溶解に時間がかかったり、溶けないで残る場合があ
るので、可溶性錫化合物途金属錫との量比は、溶解する
金属錫と可溶性錫化合物の錫の合計量に対する可溶性錫
化合物に含まれる錫の原子数百分率が10%以上100
%以下となるように金属錫の溶解量を決めるのが好まし
い。特に、可溶性錫化合物にハロゲン化錫化合物を用い
た場合には、溶解する金属錫とハロゲン化錫化合物のハ
ロゲンと錫の原子数比が0.60以上1.80未満とな
るように金属錫の溶解量を決めるのが好ましい。
【0035】第2成分元素の有機溶媒可溶性化合物とし
ては、第2成分元素を含有するアルコキシド、ハロゲン
化物、オキシ塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、あるい
はアンモニウム塩などの有機溶媒に可溶性の化合物から
特に限定することなく用いることができる。
ては、第2成分元素を含有するアルコキシド、ハロゲン
化物、オキシ塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、あるい
はアンモニウム塩などの有機溶媒に可溶性の化合物から
特に限定することなく用いることができる。
【0036】第2成分元素がアルカリ土類金属である場
合には、アルカリ土類金属のハロゲン化物およびその水
和物、硝酸塩およびその水和物、アルコキシドなどよ
り、特に制限されることなく用いることができる。具体
的な化合物として、CaCl2、CaBr2、CaI2、
CaCl2・6H2O、CaBr2・6H2O、CaI2・
6H2O、Ca(NO3)2・4H2O、Ca(NO3)2・
xH2O、Ca(OCH3)2、Ca(OC2H5)2、Ca
(OC3H7)2、Ca(OC4H9)2、SrCl2、Sr
Br2、SrI2、SrCl2・6H2O、SrBr2・6
H2O、SrI2・6H2O、Sr(NO3)2、Sr(O
CH3)2、Sr(OC2H5)2、Sr(OC3H7)2、S
r(OC4H9)2、BaCl2、BaBr2、BaI2、B
aCl2・2H2O、BaBr2・2H2O、BaI2・2
H2O、Ba(NO3)2、Ba(OCH3)2、Ba(O
C2H5)2、Ba(OC3H7)2、Ba(OC4H9)2、
などを例示することができる。
合には、アルカリ土類金属のハロゲン化物およびその水
和物、硝酸塩およびその水和物、アルコキシドなどよ
り、特に制限されることなく用いることができる。具体
的な化合物として、CaCl2、CaBr2、CaI2、
CaCl2・6H2O、CaBr2・6H2O、CaI2・
6H2O、Ca(NO3)2・4H2O、Ca(NO3)2・
xH2O、Ca(OCH3)2、Ca(OC2H5)2、Ca
(OC3H7)2、Ca(OC4H9)2、SrCl2、Sr
Br2、SrI2、SrCl2・6H2O、SrBr2・6
H2O、SrI2・6H2O、Sr(NO3)2、Sr(O
CH3)2、Sr(OC2H5)2、Sr(OC3H7)2、S
r(OC4H9)2、BaCl2、BaBr2、BaI2、B
aCl2・2H2O、BaBr2・2H2O、BaI2・2
H2O、Ba(NO3)2、Ba(OCH3)2、Ba(O
C2H5)2、Ba(OC3H7)2、Ba(OC4H9)2、
などを例示することができる。
【0037】第2成分元素が希土類元素である場合に
は、希土類元素のハロゲン化物およびその水和物、硝酸
塩およびその水和物、アルコキシドなどより、特に制限
されることなく用いることができる。具体的な化合物と
して、LaCl3、LaBr3、LaI3、LaCl3・7
H2O、La(NO3)3・6H2O、La(OCH3)3、
La(OC2H5)3、La(OC3H7)3、CeCl3、
CeBr3、CeI3、CeCl3・6H2O、Ce(NO
3)3・6H2O、PrCl3、PrCl3・7H2O、Pr
(NO3)3・6H2O、Pr(OC3H7)3、NdC
l3、NdBr3、NdCl3・6H2O、Nd(NO3)3
・5H2O、SmCl3・xH2O、Sm(NO3)3・xH
2O、Sm(OC3H7)3、EuCl3・6H2O、Eu
(NO3)3・6H2O、GdCl3、GdCl3・6H
2O、Gd(NO3)3・5H2O、TbCl3、TbCl3
・xH2O、Tb(NO3)3・xH2O、DyCl3、D
yCl3・xH2O、Dy(NO3)3・5H2O、Dy
(OC3H7)3、HoCl3、HoCl3・6H2O、Ho
(NO3)3・5H2O、ErCl3・6H2O、Er(N
O3)3・5H2O、Er(OC3H7)3、TmCl3・6
H2O、Tm(NO3)3・5H2O、YbBr3、Yb
I3、YbCl3・6H2O、Yb(NO3)3・xH2O、
LuCl3、Lu(NO3)3・xH2Oなどを例示するこ
とができる。
は、希土類元素のハロゲン化物およびその水和物、硝酸
塩およびその水和物、アルコキシドなどより、特に制限
されることなく用いることができる。具体的な化合物と
して、LaCl3、LaBr3、LaI3、LaCl3・7
H2O、La(NO3)3・6H2O、La(OCH3)3、
La(OC2H5)3、La(OC3H7)3、CeCl3、
CeBr3、CeI3、CeCl3・6H2O、Ce(NO
3)3・6H2O、PrCl3、PrCl3・7H2O、Pr
(NO3)3・6H2O、Pr(OC3H7)3、NdC
l3、NdBr3、NdCl3・6H2O、Nd(NO3)3
・5H2O、SmCl3・xH2O、Sm(NO3)3・xH
2O、Sm(OC3H7)3、EuCl3・6H2O、Eu
(NO3)3・6H2O、GdCl3、GdCl3・6H
2O、Gd(NO3)3・5H2O、TbCl3、TbCl3
・xH2O、Tb(NO3)3・xH2O、DyCl3、D
yCl3・xH2O、Dy(NO3)3・5H2O、Dy
(OC3H7)3、HoCl3、HoCl3・6H2O、Ho
(NO3)3・5H2O、ErCl3・6H2O、Er(N
O3)3・5H2O、Er(OC3H7)3、TmCl3・6
H2O、Tm(NO3)3・5H2O、YbBr3、Yb
I3、YbCl3・6H2O、Yb(NO3)3・xH2O、
LuCl3、Lu(NO3)3・xH2Oなどを例示するこ
とができる。
【0038】第2成分元素が遷移元素である場合には、
遷移元素のハロゲン化物およびその水和物、オキシハロ
ゲン化物、酢酸塩、硝酸塩およびその水和物、硫酸塩お
よびその水和物、アンモニウム塩、遷移元素のアルコキ
シドなどより、特に制限されることなく用いることがで
きる。具体的な化合物として、ScCl3、ScCl3・
xH2O、Sc(NO3)3・xH2O、TiCl4、Ti
Br4、Ti(OCH3)2、Ti(OC2H5)2、Ti
(OC3H7)2、Ti(OC4H9)2、VOCl3、VO
(OCH3)3、VO(OC2H5)3、VO(OC
3H7)3、VO(OC4H9)3、CrCl3、CrBr3、
CrCl3・xH2O、CrBr3・6H2O、CrI3・
xH2O、Cr(CH3COO)3・xH2O、MnC
l2、MnBr2、MnI2、MnCl2・4H2O、Mn
Br2・4H2O、MnI2・4H2O、Mn(NO3)2・
6H2O、Mn(OC3H7)2、Mn(OC2H5)2、F
eBr2、Fe2Br・6H2O、FeBr3、FeBr3
・6H2O、Fe(OH)(CH3COO)2、FeCl
2、FeCl3・6H2O、FeCl3、FeI2、Fe
(NO3)3・9H2O、(NH4)2Fe(SO4)2・x
H2O、(NH4)Fe(SO4)2・xH2O、Fe(O
CH3)3、Fe(OC2H5)3、Fe(OC3H7)3、F
e(OC4H9)3、CoBr2、CoBr2・6H2O、C
o(C2H3O2)2・4H2O、CoCl2、CoCl2・
6H2O、CoI2、Co(NO3)2・6H2O、Co
(OC3H7)2、NiBr2、NiBr2・xH2O、Ni
(CH3COO)2・xH2O、NiCl2、NiCl2・
6H2O、NiI2、NiI2・6H2O、Ni(NO3)2
・6H2O、CuBr、CuBr2、Cu(CH3CO
O)2、CuCl、CuCl2、CuCl2・2H2O、C
u(NO3)2・3H2O、ZnBr2、Zn(CH3CO
O)2・2H2O、ZnCl2、ZnI2、Zn(NO3)2
・6H2O,Zn(OCH3)2、Zn(OC2H5)2、Z
n(OC3H7)2、Zn(OC4H9)2、YBr3、YC
l3・6H2O、YCl3、Y(NO3)3・6H2O、Y
(OCH3)3、Y(OC2H5)3、Y(OC3H7)3、Z
rBr4、ZrCl4、ZrI4、ZrO(CH3COO)
2、ZrOCl2・8H2O、ZrI2・xH2O、ZrO
(NO3)2・2H2O、Zr(SO4)2・4H2O、Zr
(OCH3)4、Zr(OC2H5)4、Zr(OC
3H7)4、Zr(OC4H9)4、NbCl5、NbOC
l3、NbBr5、Nb(OCH3)5、Nb(OC2H5)
5、Nb(OC3H7)5、Nb(OC4H9)5、MoB
r2、MoBr3、MoCl5、(NH4)6Mo7O24・4
H2O、Mo(OC2H5)5、RuCl3・H2O、PdC
l2・2H2O、AgNO3、CdBr2・4H2O、Cd
Br2、CdCl2・5/2H2O、CdCl2、Cd
F2、CdI2、Cd(NO3)2・4H2O、HfCl4、
HfOCl2・8H2O、Hf(OCH3)4、Hf(OC
2H5)4、Hf(OC3H7)4、Hf(OC4H9)4、T
aCl5、TaBr5、Ta(OCH3)5、Ta(OC2
H5)5、Ta(OC3H7)5、Ta(OC4H9)5、WC
l5、WCl6、WBr6、W(OC2H5)5、W(OC3
H7)5、ReCl3、ReCl5、OsCl3、IrCl3
・3H2O、IrCl3、IrCl4、PtCl4・5H2
O、H2PtCl6・nH2O、AuBr3・xH2O、A
uCl3・xH2O、AuHCl4・4H2O、Hg2B
r2、HgCl2、Hg(NO3)2・2H2O、HgSO4
などを例示することができる。
遷移元素のハロゲン化物およびその水和物、オキシハロ
ゲン化物、酢酸塩、硝酸塩およびその水和物、硫酸塩お
よびその水和物、アンモニウム塩、遷移元素のアルコキ
シドなどより、特に制限されることなく用いることがで
きる。具体的な化合物として、ScCl3、ScCl3・
xH2O、Sc(NO3)3・xH2O、TiCl4、Ti
Br4、Ti(OCH3)2、Ti(OC2H5)2、Ti
(OC3H7)2、Ti(OC4H9)2、VOCl3、VO
(OCH3)3、VO(OC2H5)3、VO(OC
3H7)3、VO(OC4H9)3、CrCl3、CrBr3、
CrCl3・xH2O、CrBr3・6H2O、CrI3・
xH2O、Cr(CH3COO)3・xH2O、MnC
l2、MnBr2、MnI2、MnCl2・4H2O、Mn
Br2・4H2O、MnI2・4H2O、Mn(NO3)2・
6H2O、Mn(OC3H7)2、Mn(OC2H5)2、F
eBr2、Fe2Br・6H2O、FeBr3、FeBr3
・6H2O、Fe(OH)(CH3COO)2、FeCl
2、FeCl3・6H2O、FeCl3、FeI2、Fe
(NO3)3・9H2O、(NH4)2Fe(SO4)2・x
H2O、(NH4)Fe(SO4)2・xH2O、Fe(O
CH3)3、Fe(OC2H5)3、Fe(OC3H7)3、F
e(OC4H9)3、CoBr2、CoBr2・6H2O、C
o(C2H3O2)2・4H2O、CoCl2、CoCl2・
6H2O、CoI2、Co(NO3)2・6H2O、Co
(OC3H7)2、NiBr2、NiBr2・xH2O、Ni
(CH3COO)2・xH2O、NiCl2、NiCl2・
6H2O、NiI2、NiI2・6H2O、Ni(NO3)2
・6H2O、CuBr、CuBr2、Cu(CH3CO
O)2、CuCl、CuCl2、CuCl2・2H2O、C
u(NO3)2・3H2O、ZnBr2、Zn(CH3CO
O)2・2H2O、ZnCl2、ZnI2、Zn(NO3)2
・6H2O,Zn(OCH3)2、Zn(OC2H5)2、Z
n(OC3H7)2、Zn(OC4H9)2、YBr3、YC
l3・6H2O、YCl3、Y(NO3)3・6H2O、Y
(OCH3)3、Y(OC2H5)3、Y(OC3H7)3、Z
rBr4、ZrCl4、ZrI4、ZrO(CH3COO)
2、ZrOCl2・8H2O、ZrI2・xH2O、ZrO
(NO3)2・2H2O、Zr(SO4)2・4H2O、Zr
(OCH3)4、Zr(OC2H5)4、Zr(OC
3H7)4、Zr(OC4H9)4、NbCl5、NbOC
l3、NbBr5、Nb(OCH3)5、Nb(OC2H5)
5、Nb(OC3H7)5、Nb(OC4H9)5、MoB
r2、MoBr3、MoCl5、(NH4)6Mo7O24・4
H2O、Mo(OC2H5)5、RuCl3・H2O、PdC
l2・2H2O、AgNO3、CdBr2・4H2O、Cd
Br2、CdCl2・5/2H2O、CdCl2、Cd
F2、CdI2、Cd(NO3)2・4H2O、HfCl4、
HfOCl2・8H2O、Hf(OCH3)4、Hf(OC
2H5)4、Hf(OC3H7)4、Hf(OC4H9)4、T
aCl5、TaBr5、Ta(OCH3)5、Ta(OC2
H5)5、Ta(OC3H7)5、Ta(OC4H9)5、WC
l5、WCl6、WBr6、W(OC2H5)5、W(OC3
H7)5、ReCl3、ReCl5、OsCl3、IrCl3
・3H2O、IrCl3、IrCl4、PtCl4・5H2
O、H2PtCl6・nH2O、AuBr3・xH2O、A
uCl3・xH2O、AuHCl4・4H2O、Hg2B
r2、HgCl2、Hg(NO3)2・2H2O、HgSO4
などを例示することができる。
【0039】第2成分元素が周期律表13族元素である
場合には、周期律表13族元素のハロゲン化物およびそ
の水和物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドなどより、特に制限されることなく用いることが
できる。具体的な化合物として、B2O3、(NH4)2O
・5B2O3・8H2O、BCl3、BBr3、BI3、H3
BO3、B(OCH3)3、B(OC2H5)3、B(OC3
H7)3、B(OC4H9)3、AlBr3、AlCl3・6
H2O、AlCl3、AlI3、Al(NO3)3・9H
2O、Al2(SO4)3、Al2(SO4)3・xH2O、A
l(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al(OC
3H7)3、Al(OC4H9)3、GaBr3、GaCl 3、
GaI3、Ga(NO3)3・xH2O、Ga2(S
O4)3、Ga2(SO4)3・xH2O、Ga(OC
H3)3、Ga(OC2H5)3、Ga(OC3H7)3、Ga
(OC4H9)3、InBr3、InCl3、InCl3・x
H2O、InI3、In(NO3)3・xH2O、In2(S
O4)3、In2(SO4)3・xH2O、In(OC
H3)3、In(OC2H5)3、In(OC3H7)3、In
(OC4H9)3、CH2(COOTl)2、TlOOCH
などを例示することができる。
場合には、周期律表13族元素のハロゲン化物およびそ
の水和物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドなどより、特に制限されることなく用いることが
できる。具体的な化合物として、B2O3、(NH4)2O
・5B2O3・8H2O、BCl3、BBr3、BI3、H3
BO3、B(OCH3)3、B(OC2H5)3、B(OC3
H7)3、B(OC4H9)3、AlBr3、AlCl3・6
H2O、AlCl3、AlI3、Al(NO3)3・9H
2O、Al2(SO4)3、Al2(SO4)3・xH2O、A
l(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al(OC
3H7)3、Al(OC4H9)3、GaBr3、GaCl 3、
GaI3、Ga(NO3)3・xH2O、Ga2(S
O4)3、Ga2(SO4)3・xH2O、Ga(OC
H3)3、Ga(OC2H5)3、Ga(OC3H7)3、Ga
(OC4H9)3、InBr3、InCl3、InCl3・x
H2O、InI3、In(NO3)3・xH2O、In2(S
O4)3、In2(SO4)3・xH2O、In(OC
H3)3、In(OC2H5)3、In(OC3H7)3、In
(OC4H9)3、CH2(COOTl)2、TlOOCH
などを例示することができる。
【0040】第2成分元素が周期律表14族元素である
場合には、周期律表14族元素のハロゲン化物およびそ
の水和物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドなどより、特に制限されることなく用いることが
できる。具体的な化合物として、GeBr4、GeC
l4、GeI4、Ge(OCH3)4、Ge(OC
2H5)4、Ge(OC3H7)4、Ge(OC4H9)4など
を例示することができる。また、第2成分元素として珪
素を添加する場合には、珪素アルコキシド、ハロゲン化
珪素などが挙げられる。珪素アルコキシドとしては、一
般式Si(ORA)4、RBSi(ORA)3、RBRCSi
(ORA)2で表される珪素アルコキシドが用いられる。
ここで、RA、RB、RCは、各々、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの直鎖状ま
たは分岐状アルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブ
テニル基、ペンテニル基などの直鎖状または分岐状アル
ケニル基、フェニル基などのアリール基を示す。珪素ア
ルコキシドを具体的に例示すると、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキ
シルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、アミルトリエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n
−オクタデシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリ
エトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルト
リブトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキ
シシラン、エチルメチルジエトキシシランなどが挙げら
れる。ハロゲン化珪素としては、SiCl4、SiHC
l3、SiH2Cl2などが挙げられる。
場合には、周期律表14族元素のハロゲン化物およびそ
の水和物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドなどより、特に制限されることなく用いることが
できる。具体的な化合物として、GeBr4、GeC
l4、GeI4、Ge(OCH3)4、Ge(OC
2H5)4、Ge(OC3H7)4、Ge(OC4H9)4など
を例示することができる。また、第2成分元素として珪
素を添加する場合には、珪素アルコキシド、ハロゲン化
珪素などが挙げられる。珪素アルコキシドとしては、一
般式Si(ORA)4、RBSi(ORA)3、RBRCSi
(ORA)2で表される珪素アルコキシドが用いられる。
ここで、RA、RB、RCは、各々、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などの直鎖状ま
たは分岐状アルキル基;エテニル基、プロペニル基、ブ
テニル基、ペンテニル基などの直鎖状または分岐状アル
ケニル基、フェニル基などのアリール基を示す。珪素ア
ルコキシドを具体的に例示すると、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキ
シルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、アミルトリエトキシシラン、フェニルトリ
エトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n
−オクタデシルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリ
エトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルト
リブトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキ
シシラン、エチルメチルジエトキシシランなどが挙げら
れる。ハロゲン化珪素としては、SiCl4、SiHC
l3、SiH2Cl2などが挙げられる。
【0041】第2成分元素が周期律表15族元素である
場合には、周期律表15族元素のハロゲン化物およびそ
の水和物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドなどより、特に制限されることなく用いることが
できる。具体的な化合物として、P2O5、PBr3、P
Cl3、POBr3、POCl3、PO(OCH3)3、P
O(OC2H5)3、PO(OC3H7)3、PO(OC
4H9)3、P(OCH3)3、P(OC2H5)3、AsBr
3、AsCl3、AsI3、As(OCH3)3、As(O
C2H5)3、As(OC3H7)3、SbBr3、SbC
l3、SbCl5、SbOCl,Sb2(SO4)3、Sb
(OCH3)3、Sb(OC2H5)3、Sb(OC
3H7)3、Sb(OC4H9)3、BiBr3、BiCl3、
BiI3、Bi(NO3)3・xH2O、BiOCl、Bi
(OC3H7)3などを例示することができる。
場合には、周期律表15族元素のハロゲン化物およびそ
の水和物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコ
キシドなどより、特に制限されることなく用いることが
できる。具体的な化合物として、P2O5、PBr3、P
Cl3、POBr3、POCl3、PO(OCH3)3、P
O(OC2H5)3、PO(OC3H7)3、PO(OC
4H9)3、P(OCH3)3、P(OC2H5)3、AsBr
3、AsCl3、AsI3、As(OCH3)3、As(O
C2H5)3、As(OC3H7)3、SbBr3、SbC
l3、SbCl5、SbOCl,Sb2(SO4)3、Sb
(OCH3)3、Sb(OC2H5)3、Sb(OC
3H7)3、Sb(OC4H9)3、BiBr3、BiCl3、
BiI3、Bi(NO3)3・xH2O、BiOCl、Bi
(OC3H7)3などを例示することができる。
【0042】第2成分元素がカルコゲン元素である場合
には、カルコゲン元素のハロゲン化物およびその水和
物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコキシド
などより、特に制限されることなく用いることができ
る。具体的な化合物として、S2Cl2、SCl2、Se
O2、SeBr4、SeCl4、SeI4、TeBr4、T
eCl4、TeO4H2・xH2Oなどを例示することがで
きる。
には、カルコゲン元素のハロゲン化物およびその水和
物、アンモニウム塩、硫酸塩、有機酸塩、アルコキシド
などより、特に制限されることなく用いることができ
る。具体的な化合物として、S2Cl2、SCl2、Se
O2、SeBr4、SeCl4、SeI4、TeBr4、T
eCl4、TeO4H2・xH2Oなどを例示することがで
きる。
【0043】前記酸化錫または複合酸化錫の導電性を高
める目的で添加する周期律表5族元素、あるいは周期律
表15族元素などの導電性付与元素の化合物(導電性付
与元素化合物ともいう)としては、バナジウム化合物、
ニオブ化合物、タンタル化合物、アンチモン化合物、あ
るいはビスマス化合物等が挙げられる。具体的には、バ
ナジウム化合物として、VBr3、VCl2、VCl3、
VCl4、VOBr2、VOBr3、VOCl3、VF3、
VF4、VF5、VI36H2O、バナジウムのアルコキシ
ドが挙げられ、ニオブ化合物として、NbCl5、Nb
Br5、NbF5、NbOCl3、ニオブのアルコキシド
が挙げられ、タンタル化合物として、TaBr5、Ta
Cl5、タンタルのアルコキシドが、アンチモン化合物
として、SbCl3、SbCl5、SbBr3、オキシ塩
化アンチモン、あるいはアンチモンのアルコキシドが、
また、ビスマス化合物としては、BiCl3、BiI3、
ビスマスのアルコキシド等が挙げられる。
める目的で添加する周期律表5族元素、あるいは周期律
表15族元素などの導電性付与元素の化合物(導電性付
与元素化合物ともいう)としては、バナジウム化合物、
ニオブ化合物、タンタル化合物、アンチモン化合物、あ
るいはビスマス化合物等が挙げられる。具体的には、バ
ナジウム化合物として、VBr3、VCl2、VCl3、
VCl4、VOBr2、VOBr3、VOCl3、VF3、
VF4、VF5、VI36H2O、バナジウムのアルコキシ
ドが挙げられ、ニオブ化合物として、NbCl5、Nb
Br5、NbF5、NbOCl3、ニオブのアルコキシド
が挙げられ、タンタル化合物として、TaBr5、Ta
Cl5、タンタルのアルコキシドが、アンチモン化合物
として、SbCl3、SbCl5、SbBr3、オキシ塩
化アンチモン、あるいはアンチモンのアルコキシドが、
また、ビスマス化合物としては、BiCl3、BiI3、
ビスマスのアルコキシド等が挙げられる。
【0044】有機溶媒中への可溶性錫化合物、金属錫、
導電性付与元素化合物、第2成分元素有機溶媒可溶性化
合物の溶解方法は、特に限定されない。例えば、撹拌
下、これら化合物に有機溶媒を滴下する方法、あるいは
撹拌下、有機溶媒にこれら化合物を同時に、または別々
に溶解させる方法などを用いることができる。また、金
属錫の溶解を促進するために、有機溶媒をリフラックス
させて金属錫を溶解させることも効果的である。
導電性付与元素化合物、第2成分元素有機溶媒可溶性化
合物の溶解方法は、特に限定されない。例えば、撹拌
下、これら化合物に有機溶媒を滴下する方法、あるいは
撹拌下、有機溶媒にこれら化合物を同時に、または別々
に溶解させる方法などを用いることができる。また、金
属錫の溶解を促進するために、有機溶媒をリフラックス
させて金属錫を溶解させることも効果的である。
【0045】さらに、有機溶媒可溶性化合物の加水分解
反応、重合及び縮合反応を促進させるために、若干の水
を添加してもよい。この水の添加は、特にアルコキシド
などの有機溶媒可溶性化合物を用いて前駆体溶液を調製
する際に、加水分解、重合及び縮合反応を十分に進行さ
せるなどの効果がある。但し、添加する水の量があまり
に多いと、沈殿が生じたり、急激にゲル化したりして、
組成等の均質性にばらつきが生じる場合がある。有機溶
媒可溶性化合物の種類などによっても異なるが、添加す
る水の量は有機溶媒可溶性化合物に対してモル換算で
0.01〜10倍が好ましい。
反応、重合及び縮合反応を促進させるために、若干の水
を添加してもよい。この水の添加は、特にアルコキシド
などの有機溶媒可溶性化合物を用いて前駆体溶液を調製
する際に、加水分解、重合及び縮合反応を十分に進行さ
せるなどの効果がある。但し、添加する水の量があまり
に多いと、沈殿が生じたり、急激にゲル化したりして、
組成等の均質性にばらつきが生じる場合がある。有機溶
媒可溶性化合物の種類などによっても異なるが、添加す
る水の量は有機溶媒可溶性化合物に対してモル換算で
0.01〜10倍が好ましい。
【0046】上記のように作製した前駆体溶液は、前駆
体溶液中に含まれる有機溶媒などの揮発成分を蒸発させ
て濃縮する。濃縮は前駆体溶液中の余分な有機溶媒を除
去する他に、重合及び縮合反応を促進する効果もある。
最終的には、よりミクロなレベルで均一な組成の酸化錫
を得るために濃縮後に重合及び縮合反応を充分に起こさ
せてゲル化させるのが好ましい。
体溶液中に含まれる有機溶媒などの揮発成分を蒸発させ
て濃縮する。濃縮は前駆体溶液中の余分な有機溶媒を除
去する他に、重合及び縮合反応を促進する効果もある。
最終的には、よりミクロなレベルで均一な組成の酸化錫
を得るために濃縮後に重合及び縮合反応を充分に起こさ
せてゲル化させるのが好ましい。
【0047】上記方法は具体的には、充分反応させた均
一な前駆体溶液を入れた容器を直接加熱したり、真空ポ
ンプなどの減圧装置を付属した濃縮装置(例えばロータ
リーエバポレーターなど)などを用いたりして行われ
る。濃縮した前駆体溶液を以下、前駆体と称する。
一な前駆体溶液を入れた容器を直接加熱したり、真空ポ
ンプなどの減圧装置を付属した濃縮装置(例えばロータ
リーエバポレーターなど)などを用いたりして行われ
る。濃縮した前駆体溶液を以下、前駆体と称する。
【0048】また、前述の前駆体溶液に、前駆体溶液を
作製するのに用いた有機溶媒と相溶し、且つ前駆体溶液
中の有機溶媒可溶性化合物の貧溶媒である有機溶媒(以
下、懸濁化溶媒ともいう)を加える。前駆体溶液に懸濁
化溶液を加えることにより、この混合溶媒中での有機溶
媒可溶性化合物の溶解度が低下し、溶液中に有機溶媒可
溶性化合物が球状に析出し、懸濁液状になる。次いで析
出した球状の可溶性化合物を加水分解によりゲル化して
形状を固定化し、次いでこの球状ゲルを焼成することに
より球状酸化錫が得られる。
作製するのに用いた有機溶媒と相溶し、且つ前駆体溶液
中の有機溶媒可溶性化合物の貧溶媒である有機溶媒(以
下、懸濁化溶媒ともいう)を加える。前駆体溶液に懸濁
化溶液を加えることにより、この混合溶媒中での有機溶
媒可溶性化合物の溶解度が低下し、溶液中に有機溶媒可
溶性化合物が球状に析出し、懸濁液状になる。次いで析
出した球状の可溶性化合物を加水分解によりゲル化して
形状を固定化し、次いでこの球状ゲルを焼成することに
より球状酸化錫が得られる。
【0049】このとき用いる有機溶媒および有機溶媒可
溶性化合物は、酸化錫あるいは複合酸化錫を製造するの
に好適な前述の有機溶媒および有機溶媒可溶性化合物よ
り、特に限定されることなく用いることができ、前駆体
溶液は前述の方法と同様にして作製することができる。
又、懸濁化溶媒としては、有機溶媒および有機溶媒可溶
性化合物にもよるが、代表的にはポリプロピレンカーボ
ネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニ
トリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
などの溶媒を用いることができる。懸濁化溶媒の好まし
い添加量は、有機溶媒および有機溶媒可溶性化合物にも
よるが、前駆体溶液の0.1〜300vol%とするこ
とが好ましい。懸濁化溶媒を添加して析出する有機溶媒
可溶性化合物を安定化させる目的で、この懸濁液にヒド
ロキシプロピルセルロース等の界面活性剤を添加するこ
とも好ましい。界面活性剤の添加量は、例えばヒドロキ
シプロピルセルロース用いる場合には、懸濁化溶媒を加
えた前駆体溶液に対して0.01〜1g/lであること
が好ましい。
溶性化合物は、酸化錫あるいは複合酸化錫を製造するの
に好適な前述の有機溶媒および有機溶媒可溶性化合物よ
り、特に限定されることなく用いることができ、前駆体
溶液は前述の方法と同様にして作製することができる。
又、懸濁化溶媒としては、有機溶媒および有機溶媒可溶
性化合物にもよるが、代表的にはポリプロピレンカーボ
ネート、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニ
トリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
などの溶媒を用いることができる。懸濁化溶媒の好まし
い添加量は、有機溶媒および有機溶媒可溶性化合物にも
よるが、前駆体溶液の0.1〜300vol%とするこ
とが好ましい。懸濁化溶媒を添加して析出する有機溶媒
可溶性化合物を安定化させる目的で、この懸濁液にヒド
ロキシプロピルセルロース等の界面活性剤を添加するこ
とも好ましい。界面活性剤の添加量は、例えばヒドロキ
シプロピルセルロース用いる場合には、懸濁化溶媒を加
えた前駆体溶液に対して0.01〜1g/lであること
が好ましい。
【0050】懸濁化溶媒の添加により球状に析出した有
機溶媒可溶性化合物を加水分解によりゲル化させた球状
ゲルを得るためには、懸濁化溶媒を添加した前駆体溶液
に、水(アンモニア水の場合もある)、前駆体溶液の有
機溶媒と水(アンモニア水の場合もある)の混合溶液、
又は懸濁化溶媒と水(アンモニア水の場合もある)の混
合溶液(以下、これらを総称してゲル化水溶液という)
を添加すれば良い。球状に析出した有機溶媒可溶性化合
物をゲル化させるために懸濁化溶媒を添加した前駆体溶
液に加えるゲル化水溶液の量は、有機溶媒可溶性化合物
に対して水がモル換算で0.01〜10倍であることが
好ましい。
機溶媒可溶性化合物を加水分解によりゲル化させた球状
ゲルを得るためには、懸濁化溶媒を添加した前駆体溶液
に、水(アンモニア水の場合もある)、前駆体溶液の有
機溶媒と水(アンモニア水の場合もある)の混合溶液、
又は懸濁化溶媒と水(アンモニア水の場合もある)の混
合溶液(以下、これらを総称してゲル化水溶液という)
を添加すれば良い。球状に析出した有機溶媒可溶性化合
物をゲル化させるために懸濁化溶媒を添加した前駆体溶
液に加えるゲル化水溶液の量は、有機溶媒可溶性化合物
に対して水がモル換算で0.01〜10倍であることが
好ましい。
【0051】この時の、粒子径や単分散性は、有機溶媒
可溶性化合物の濃度やヒドロキシプロピルセルロースの
量、有機溶媒と懸濁化溶媒の混合比率、ゲル化水溶液の
濃度と添加量、反応温度、及び反応時間等に依存し、こ
れらの要因を制御することにより、得られる球状酸化錫
の粒子系や単分散性を制御することができる。
可溶性化合物の濃度やヒドロキシプロピルセルロースの
量、有機溶媒と懸濁化溶媒の混合比率、ゲル化水溶液の
濃度と添加量、反応温度、及び反応時間等に依存し、こ
れらの要因を制御することにより、得られる球状酸化錫
の粒子系や単分散性を制御することができる。
【0052】また、酸化錫または複合酸化錫の粒子形状
を球状にするためには、前駆体溶液、またはアルカリ性
水溶液により前駆体溶液を加水分解してゲルを生成させ
た懸濁液を、噴霧して球状粒子からなるゲルを形成し、
ついでこの球状粒子からなるゲルを焼成することも好ま
しい。
を球状にするためには、前駆体溶液、またはアルカリ性
水溶液により前駆体溶液を加水分解してゲルを生成させ
た懸濁液を、噴霧して球状粒子からなるゲルを形成し、
ついでこの球状粒子からなるゲルを焼成することも好ま
しい。
【0053】繊維状の形態を有する酸化錫または複合酸
化錫は、上述の前駆体溶液を濃縮した後、公知の方法に
より紡糸し、得られたゲル繊維を焼成することにより製
造することができる。尚、この方法において、ゲル繊維
を粉砕した後焼成するか、ゲル繊維を焼成した後粉砕す
れば、粉末状の酸化錫または複合酸化錫を製造すること
ができる。この方法により製造される粉末状の酸化錫ま
たは複合酸化錫は、その粒子径がほぼ繊維径と一致して
均一であるため、均一な粒子径を有する粉末状の酸化錫
又は複合酸化錫を製造するためには好ましい方法であ
る。繊維の直径は1〜200μmの範囲で容易に制御で
きるので、ほぼこの範囲の粒子径を有する酸化錫または
複合酸化錫を製造することができる。
化錫は、上述の前駆体溶液を濃縮した後、公知の方法に
より紡糸し、得られたゲル繊維を焼成することにより製
造することができる。尚、この方法において、ゲル繊維
を粉砕した後焼成するか、ゲル繊維を焼成した後粉砕す
れば、粉末状の酸化錫または複合酸化錫を製造すること
ができる。この方法により製造される粉末状の酸化錫ま
たは複合酸化錫は、その粒子径がほぼ繊維径と一致して
均一であるため、均一な粒子径を有する粉末状の酸化錫
又は複合酸化錫を製造するためには好ましい方法であ
る。繊維の直径は1〜200μmの範囲で容易に制御で
きるので、ほぼこの範囲の粒子径を有する酸化錫または
複合酸化錫を製造することができる。
【0054】膜状の形態を有する酸化錫または複合酸化
錫は、化学蒸着法、物理蒸着法あるいはスパッタリング
法など公知の方法を用いて、任意の基板上に作製するこ
とができる。また、上述の前駆体溶液を基板上に塗布し
た後、次いで焼成することにより膜状の形態を有する酸
化錫または複合酸化錫を製造することも好ましい。塗布
する方法はスピンコート、刷毛塗り、スクリーン印刷、
基板引き上げ法等の公知の方法を制限なく採用すること
ができ、前駆体溶液の粘度、スピンコートの場合は回転
数、基板引き上げ法の場合は引き上げ速度等によって塗
布厚みを制御することができる。基板が、後述する集電
体であればそれを直接負極として使用することができ、
電池の生産性が向上する。また、その場合、前駆体溶液
中にアセチレンブラック等の導電付与剤、ポリフッ化ビ
ニリデン等のバインダー等を分散添加しておくこともで
きる。
錫は、化学蒸着法、物理蒸着法あるいはスパッタリング
法など公知の方法を用いて、任意の基板上に作製するこ
とができる。また、上述の前駆体溶液を基板上に塗布し
た後、次いで焼成することにより膜状の形態を有する酸
化錫または複合酸化錫を製造することも好ましい。塗布
する方法はスピンコート、刷毛塗り、スクリーン印刷、
基板引き上げ法等の公知の方法を制限なく採用すること
ができ、前駆体溶液の粘度、スピンコートの場合は回転
数、基板引き上げ法の場合は引き上げ速度等によって塗
布厚みを制御することができる。基板が、後述する集電
体であればそれを直接負極として使用することができ、
電池の生産性が向上する。また、その場合、前駆体溶液
中にアセチレンブラック等の導電付与剤、ポリフッ化ビ
ニリデン等のバインダー等を分散添加しておくこともで
きる。
【0055】上述したゲルを焼成することにより酸化錫
また複合酸化錫が製造される。前駆体あるいは球状ゲル
の焼成温度は、結晶子サイズ、比表面積、平均細孔半径
などに影響を及ぼすが、用いる原料の種類、量などによ
っても異なるので一概には言えない。焼成温度の目安と
しては、250〜1200℃の範囲が好ましく、更に好
適には500〜1000℃の温度が好ましい。焼成温度
があまりにも低い場合には、Sn−O−Sn結合が充分
に形成されなかったり、表面水酸基、あるいは有機物等
が残存したりする場合があるので好ましくない。一方、
焼成温度が高すぎると効果は飽和し、エネルギーの無駄
にもなる。
また複合酸化錫が製造される。前駆体あるいは球状ゲル
の焼成温度は、結晶子サイズ、比表面積、平均細孔半径
などに影響を及ぼすが、用いる原料の種類、量などによ
っても異なるので一概には言えない。焼成温度の目安と
しては、250〜1200℃の範囲が好ましく、更に好
適には500〜1000℃の温度が好ましい。焼成温度
があまりにも低い場合には、Sn−O−Sn結合が充分
に形成されなかったり、表面水酸基、あるいは有機物等
が残存したりする場合があるので好ましくない。一方、
焼成温度が高すぎると効果は飽和し、エネルギーの無駄
にもなる。
【0056】焼成時間は、焼成温度、雰囲気などによっ
ても異なるが、0.03〜24時間であることが好まし
い。焼成時の昇温速度は特に制限されないが、0.1〜
100℃/分であることが好ましい。
ても異なるが、0.03〜24時間であることが好まし
い。焼成時の昇温速度は特に制限されないが、0.1〜
100℃/分であることが好ましい。
【0057】焼成時の雰囲気は特に限定されない。例え
ば、空気、酸素、水蒸気などの酸化性ガス、またはこれ
らの混合ガスなどで満たされた雰囲気、あるいはヘリウ
ム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガス、窒素、あるい
は水素、一酸化炭素などの還元性ガス雰囲気などが挙げ
られる。しかし、不活性ガスあるいは還元性ガス雰囲気
の場合には、酸化錫以外に還元されて多量の金属錫が生
成したり有機物が多く残存してサイクル特性が低下した
りする場合があるので、好ましい焼成雰囲気は酸化性ガ
ス雰囲気であり、その中でも酸素雰囲気が特に好まし
い。また、サイクル特性を改善するなどのために、一度
酸化性ガス雰囲気中で酸化錫を作製した後、還元性雰囲
気中で錫の価数を0〜4の範囲で調整する等酸化性ガス
雰囲気焼成と還元性ガス雰囲気焼成を組み合わせること
もできる。
ば、空気、酸素、水蒸気などの酸化性ガス、またはこれ
らの混合ガスなどで満たされた雰囲気、あるいはヘリウ
ム、ネオン、アルゴンなどの不活性ガス、窒素、あるい
は水素、一酸化炭素などの還元性ガス雰囲気などが挙げ
られる。しかし、不活性ガスあるいは還元性ガス雰囲気
の場合には、酸化錫以外に還元されて多量の金属錫が生
成したり有機物が多く残存してサイクル特性が低下した
りする場合があるので、好ましい焼成雰囲気は酸化性ガ
ス雰囲気であり、その中でも酸素雰囲気が特に好まし
い。また、サイクル特性を改善するなどのために、一度
酸化性ガス雰囲気中で酸化錫を作製した後、還元性雰囲
気中で錫の価数を0〜4の範囲で調整する等酸化性ガス
雰囲気焼成と還元性ガス雰囲気焼成を組み合わせること
もできる。
【0058】また、酸化錫と第2成分元素や珪素を(主
として単体、あるいは酸化物の形態で)所定の割合に混
合し、メカニカルアロイング法により本発明の酸化錫あ
るいは複合酸化錫を合成することもできる。
として単体、あるいは酸化物の形態で)所定の割合に混
合し、メカニカルアロイング法により本発明の酸化錫あ
るいは複合酸化錫を合成することもできる。
【0059】本発明の非水電解液二次電池用負極活物質
において、上記酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子
化合物で被覆することが重要である。高分子化合物で被
覆しないと上記酸化錫または複合酸化錫を非水電解液二
次電池用負極活物質として用いた場合、不可逆容量を小
さくすることができない。この理由については、本発明
者らもまだ充分に説明できないが、酸化錫または複合酸
化錫の表面を高分子化合物で被覆することにより、初回
の充電時に電解液が負極活物質上で分解することが抑制
されるためではないかと推察している。
において、上記酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子
化合物で被覆することが重要である。高分子化合物で被
覆しないと上記酸化錫または複合酸化錫を非水電解液二
次電池用負極活物質として用いた場合、不可逆容量を小
さくすることができない。この理由については、本発明
者らもまだ充分に説明できないが、酸化錫または複合酸
化錫の表面を高分子化合物で被覆することにより、初回
の充電時に電解液が負極活物質上で分解することが抑制
されるためではないかと推察している。
【0060】また、酸化錫または複合酸化錫を高分子化
合物で被覆する場合、表面全体を覆う方が不可逆容量低
減の効果は当然大きくなるが、必ずしも全面でなくて
も、電解液と接触する面だけを被覆しても不可逆容量低
減効果は得られ、この方が負極活物質として用いた場合
の電子導電性を低下させないという利点もある。また、
高分子化合物を被覆していない酸化錫または複合酸化錫
と、被覆した酸化錫または複合酸化錫を混合して用いる
と、被覆していない酸化錫または複合酸化錫の混合割合
が高いほど不可逆容量低減効果は低減するが、電解液と
直接接触する部分には高分子化合物を被覆した酸化錫ま
たは複合酸化錫が配置されるようにするなどして、効果
が低減しないように工夫することもできる。
合物で被覆する場合、表面全体を覆う方が不可逆容量低
減の効果は当然大きくなるが、必ずしも全面でなくて
も、電解液と接触する面だけを被覆しても不可逆容量低
減効果は得られ、この方が負極活物質として用いた場合
の電子導電性を低下させないという利点もある。また、
高分子化合物を被覆していない酸化錫または複合酸化錫
と、被覆した酸化錫または複合酸化錫を混合して用いる
と、被覆していない酸化錫または複合酸化錫の混合割合
が高いほど不可逆容量低減効果は低減するが、電解液と
直接接触する部分には高分子化合物を被覆した酸化錫ま
たは複合酸化錫が配置されるようにするなどして、効果
が低減しないように工夫することもできる。
【0061】被覆厚みは、0.0001μmから20μ
m、好ましくは0.001μmから5μmである。被覆
厚みが小さいと不可逆容量の低減効果が小さくなり、余
りに厚くなると非水電解液から負極活物質への、あるい
は負極活物質から非水電解液へのリチウムイオンの移動
が妨げられたり、負極活物質の電子導電性が低下するる
傾向がある。
m、好ましくは0.001μmから5μmである。被覆
厚みが小さいと不可逆容量の低減効果が小さくなり、余
りに厚くなると非水電解液から負極活物質への、あるい
は負極活物質から非水電解液へのリチウムイオンの移動
が妨げられたり、負極活物質の電子導電性が低下するる
傾向がある。
【0062】高分子化合物としては、初回の充電時に酸
化錫または複合酸化錫表面で電解液が分解するのを抑制
するものであれば特に制限されないが、高分子化合物が
リチウムイオン導電性である方が、非水電解液から負極
活物質への、あるいは負極活物質から非水電解液へのリ
チウムイオンの出入りがスムーズに起こり易く、電極反
応がスムーズに起こるので好ましい。
化錫または複合酸化錫表面で電解液が分解するのを抑制
するものであれば特に制限されないが、高分子化合物が
リチウムイオン導電性である方が、非水電解液から負極
活物質への、あるいは負極活物質から非水電解液へのリ
チウムイオンの出入りがスムーズに起こり易く、電極反
応がスムーズに起こるので好ましい。
【0063】リチウムイオン導電性高分子化合物とは、
リチウムイオンが移動しやすい高分子化合物であり、リ
チウムリチウムイオンの導電率が1x10-8S・cm-1
以上の高分子化合物をいう。一般にはポリエチレングリ
コールユニットを有する高分子化合物が高いリチウムイ
オン導電性を有する。
リチウムイオンが移動しやすい高分子化合物であり、リ
チウムリチウムイオンの導電率が1x10-8S・cm-1
以上の高分子化合物をいう。一般にはポリエチレングリ
コールユニットを有する高分子化合物が高いリチウムイ
オン導電性を有する。
【0064】本発明で使用される高分子化合物の一例を
挙げると、ポリエチレングリコールユニットを有する高
分子化合物が好ましく、ポリエチレンオキシドやポリプ
ロピレンオキシドに代表されるポリアルキレンオキシド
等のポリエーテル類、あるいはポリアルキレンオキシド
基を分子中に有するモノマーと2−(2−メトキシエト
キシエチル)グリシジルエーテルとの共重合体、ポリエ
チレンサクシネートやポリ−β−プロピオラクトン等の
ポリエステル、ポリエチレンイミンやN−アルキルポリ
エチレンイミン等のポリアミン、ポリアルキレンスルフ
ィド等のポリスルフィド、及びポリフォスファゼンのポ
リエチレングリコールエステル、側鎖にポリエチレング
リコールユニットを有するポリシロキサン、ポリメタク
リル酸のポリエチレングリコールエステル、ポリエチレ
ングリコールリン酸エステルを側鎖に有するポリメタク
リル酸エステル、側鎖にポリエチレングリコールユニッ
トを有するポリスチレン、側鎖にポリエチレングリコー
ルユニットを有するポリビニルエーテル、ポリメチレン
オキシド単位を含むポリエチレングリコール、ジメチル
シロキサンのポリエチレングリコールエステル、ジフェ
ニルシロキサンのポリエチレングリコールエステル、メ
チルフェニルシロキサンのポリエチレングリコールエス
テル等のポリエーテルセグメントを含む高分子化合物、
末端水酸基のポリエーテルオリゴマーのポリウレタンあ
るいはエステル架橋体、ポリエーテルシロキサン架橋
体、ポリエチレンオキシドセグメントを導入したスチレ
ン−ブタジエン−スチレンのABA型ブロック共重合
体、側鎖にポリエチレンオキシドセグメントを有するポ
リ−α−アミノ酸等のポリエーテル架橋体及びポリエー
テルセグメントを含むブロック(グラフト)共重合体等
が挙げられる。
挙げると、ポリエチレングリコールユニットを有する高
分子化合物が好ましく、ポリエチレンオキシドやポリプ
ロピレンオキシドに代表されるポリアルキレンオキシド
等のポリエーテル類、あるいはポリアルキレンオキシド
基を分子中に有するモノマーと2−(2−メトキシエト
キシエチル)グリシジルエーテルとの共重合体、ポリエ
チレンサクシネートやポリ−β−プロピオラクトン等の
ポリエステル、ポリエチレンイミンやN−アルキルポリ
エチレンイミン等のポリアミン、ポリアルキレンスルフ
ィド等のポリスルフィド、及びポリフォスファゼンのポ
リエチレングリコールエステル、側鎖にポリエチレング
リコールユニットを有するポリシロキサン、ポリメタク
リル酸のポリエチレングリコールエステル、ポリエチレ
ングリコールリン酸エステルを側鎖に有するポリメタク
リル酸エステル、側鎖にポリエチレングリコールユニッ
トを有するポリスチレン、側鎖にポリエチレングリコー
ルユニットを有するポリビニルエーテル、ポリメチレン
オキシド単位を含むポリエチレングリコール、ジメチル
シロキサンのポリエチレングリコールエステル、ジフェ
ニルシロキサンのポリエチレングリコールエステル、メ
チルフェニルシロキサンのポリエチレングリコールエス
テル等のポリエーテルセグメントを含む高分子化合物、
末端水酸基のポリエーテルオリゴマーのポリウレタンあ
るいはエステル架橋体、ポリエーテルシロキサン架橋
体、ポリエチレンオキシドセグメントを導入したスチレ
ン−ブタジエン−スチレンのABA型ブロック共重合
体、側鎖にポリエチレンオキシドセグメントを有するポ
リ−α−アミノ酸等のポリエーテル架橋体及びポリエー
テルセグメントを含むブロック(グラフト)共重合体等
が挙げられる。
【0065】上記高分子化合物を被覆する方法は、特に
制限されずに公知の方法を採用することができる。一例
を挙げると、電解重合により、あるいは上記高分子の原
料モノマーを酸化錫または複合酸化錫の表面に噴霧し
て、あるいは原料モノマー中に酸化錫または複合酸化錫
を浸漬してコーティングした後取り出し、熱や光によっ
て重合させる方法を採用することができる。上記高分子
化合物を溶媒に溶解させたものを上記酸化錫または複合
酸化錫にコーティングした後溶媒を蒸発させるだけでも
被覆できるが、後述する非水電解液中での安定性を考慮
すると、上記高分子の原料モノマーをコーティング後重
合させる方が好ましい。
制限されずに公知の方法を採用することができる。一例
を挙げると、電解重合により、あるいは上記高分子の原
料モノマーを酸化錫または複合酸化錫の表面に噴霧し
て、あるいは原料モノマー中に酸化錫または複合酸化錫
を浸漬してコーティングした後取り出し、熱や光によっ
て重合させる方法を採用することができる。上記高分子
化合物を溶媒に溶解させたものを上記酸化錫または複合
酸化錫にコーティングした後溶媒を蒸発させるだけでも
被覆できるが、後述する非水電解液中での安定性を考慮
すると、上記高分子の原料モノマーをコーティング後重
合させる方が好ましい。
【0066】また、その際にLiPF6、LiClO4、
LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム塩を上記高分
子化合物と複合化しておくことも好ましい。
LiBF4、LiCF3SO3等のリチウム塩を上記高分
子化合物と複合化しておくことも好ましい。
【0067】上述の、非水電解液二次電池用負極活物質
を用いた非水電解液二次電池の構成は、本発明によって
得られる非水電解液二次電池負極活物質を集電体に接合
してなる負極と、リチウムイオンを吸蔵、放出すること
が可能な材料からなる正極活物質を集電体に接合してな
る正極とが、セパレータを介して非水電解液と共に電池
容器内に収納されてなる。正極、集電体、非水電解液、
セパレータなどは、従来の非水電解液二次電池に用いら
れている材料が何ら問題なく使用される。
を用いた非水電解液二次電池の構成は、本発明によって
得られる非水電解液二次電池負極活物質を集電体に接合
してなる負極と、リチウムイオンを吸蔵、放出すること
が可能な材料からなる正極活物質を集電体に接合してな
る正極とが、セパレータを介して非水電解液と共に電池
容器内に収納されてなる。正極、集電体、非水電解液、
セパレータなどは、従来の非水電解液二次電池に用いら
れている材料が何ら問題なく使用される。
【0068】正極活物質としては、TiS2、MoS2、
FeS2などの硫化物、NbSe3などのセレン化物など
のカルコゲン化合物、あるいはCr2O5、Cr3O8、V
3O8、V2O5、V6O13などの遷移金属の酸化物、Li
Mn2O4、LiMnO2、LiV3O5、LiNiO2、L
iCoO2などのリチウムと遷移金属との複合酸化物な
ど、あるいはポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラ
フェニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、
ポリチオフェンなどの共役系高分子、ジスルフィド結合
を有する架橋高分子などのリチウムを吸蔵、放出するこ
とが可能な材料を使用することができる。
FeS2などの硫化物、NbSe3などのセレン化物など
のカルコゲン化合物、あるいはCr2O5、Cr3O8、V
3O8、V2O5、V6O13などの遷移金属の酸化物、Li
Mn2O4、LiMnO2、LiV3O5、LiNiO2、L
iCoO2などのリチウムと遷移金属との複合酸化物な
ど、あるいはポリアニリン、ポリアセチレン、ポリパラ
フェニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリピロール、
ポリチオフェンなどの共役系高分子、ジスルフィド結合
を有する架橋高分子などのリチウムを吸蔵、放出するこ
とが可能な材料を使用することができる。
【0069】集電体としては、銅、アルミニウムなどか
らなる帯形状の薄板あるいはメッシュなどを用いること
ができる。
らなる帯形状の薄板あるいはメッシュなどを用いること
ができる。
【0070】非水電解液としては、プロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチ
ル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホ
ラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニ
トリルなどの単独あるいは2種類以上の混合非水溶媒
に、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiB
F4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH3
SO3Li、CF3SO3Liなどのリチウム塩が溶解し
てなる非水電解液がいずれの組合せにおいても使用可能
である。
ート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチ
ル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホ
ラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニ
トリルなどの単独あるいは2種類以上の混合非水溶媒
に、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiB
F4、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、CH3
SO3Li、CF3SO3Liなどのリチウム塩が溶解し
てなる非水電解液がいずれの組合せにおいても使用可能
である。
【0071】セパレータとしては、イオンの移動に対し
て低抵抗であり、かつ溶液保持性に優れたものを用いれ
ばよい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリフロンなどからなる高分子ポアフィルタ
ー、ガラス繊維フィルター、不織布、あるいはガラス繊
維とこれらの上記高分子からなる不織布が使用可能であ
る。更に、電池内部が高温になったとき、溶融して細孔
をふさぎ、正極及び負極のショートを防ぐ材料が好まし
い。
て低抵抗であり、かつ溶液保持性に優れたものを用いれ
ばよい。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
エステル、ポリフロンなどからなる高分子ポアフィルタ
ー、ガラス繊維フィルター、不織布、あるいはガラス繊
維とこれらの上記高分子からなる不織布が使用可能であ
る。更に、電池内部が高温になったとき、溶融して細孔
をふさぎ、正極及び負極のショートを防ぐ材料が好まし
い。
【0072】また、その製造は何等制限されることなく
公知の方法で実施することができる。代表的な作製方法
を以下に示す。
公知の方法で実施することができる。代表的な作製方法
を以下に示す。
【0073】まず混練機、混合機などを用いて、高分子
化合物が被覆された酸化錫および/または複合酸化錫を
N−メチルピロリドンなどの溶媒と混練し、ペーストを
製造する。このとき黒鉛やアセチレンブラックなどの導
電性付与剤、あるいはポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフッ化ビニリデンなどの結着剤を適宜添加しても構わ
ない。
化合物が被覆された酸化錫および/または複合酸化錫を
N−メチルピロリドンなどの溶媒と混練し、ペーストを
製造する。このとき黒鉛やアセチレンブラックなどの導
電性付与剤、あるいはポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフッ化ビニリデンなどの結着剤を適宜添加しても構わ
ない。
【0074】ペースト製造後、集電体にペーストを塗
布、充填あるいは含浸させ、溶媒を乾燥、除去した後、
加圧、切断などを行って所望の形状に加工して負極とす
る。該負極と、同様にして製造した正極をセパレータを
介して帯状に重ね、円筒型非水電解液二次電池であれば
円柱状に巻回し、また角形非水電解液二次電池であれば
折り重ねて、電極部分を製造する。その後、この電極部
分を所望の電池容器に挿入し、非水電解液を注入後、安
全装置などを挿入し、封缶する。
布、充填あるいは含浸させ、溶媒を乾燥、除去した後、
加圧、切断などを行って所望の形状に加工して負極とす
る。該負極と、同様にして製造した正極をセパレータを
介して帯状に重ね、円筒型非水電解液二次電池であれば
円柱状に巻回し、また角形非水電解液二次電池であれば
折り重ねて、電極部分を製造する。その後、この電極部
分を所望の電池容器に挿入し、非水電解液を注入後、安
全装置などを挿入し、封缶する。
【0075】
【発明の効果】酸化錫または複合酸化錫の表面を高分子
化合物で被覆することにより、不可逆容量が小さく且つ
充放電容量が大きい非水電解液二次電池用負極活物質が
得られる。この負極活物質を用いることにより非水電解
液二次電池のエネルギ−密度を大きく向上させることが
可能となる。
化合物で被覆することにより、不可逆容量が小さく且つ
充放電容量が大きい非水電解液二次電池用負極活物質が
得られる。この負極活物質を用いることにより非水電解
液二次電池のエネルギ−密度を大きく向上させることが
可能となる。
【0076】本発明を以下、実施例によって具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
【0077】以下の実施例及び比較例に示す酸化錫の放
電容量の測定は、以下のようにして行った。
電容量の測定は、以下のようにして行った。
【0078】酸化錫、ポリフッ化ビニリデン(結着剤)
およびアセチレンブラック(導電性付与剤)を80/5
/15(重量比)の割合で混合し、この混合物500m
gに対し、N−メチルピロリドン1mlを添加して混練
し、ペーストを作製した。このペーストを100℃の真
空乾燥器にて24時間乾燥した。乾燥したペースト6m
gをニッケル網に塗布して負極とした。非水電解液に
は、LiCl04(1モル/リットルの濃度)をエチレ
ンカーボネートとジエチルカーボネートの等体積混合溶
媒に溶解したものを使用した。また電池容器にはガラス
製の円筒容器を使用し、負極1個の両側に正極(リチウ
ムを使用)2個、また負極の近傍に参照電極(リチウム
を使用)1個を配置するように、上部蓋からクリップ付
きのニッケル線(ガラス管被覆)で吊り下げて簡易型電
池セルを構成した。
およびアセチレンブラック(導電性付与剤)を80/5
/15(重量比)の割合で混合し、この混合物500m
gに対し、N−メチルピロリドン1mlを添加して混練
し、ペーストを作製した。このペーストを100℃の真
空乾燥器にて24時間乾燥した。乾燥したペースト6m
gをニッケル網に塗布して負極とした。非水電解液に
は、LiCl04(1モル/リットルの濃度)をエチレ
ンカーボネートとジエチルカーボネートの等体積混合溶
媒に溶解したものを使用した。また電池容器にはガラス
製の円筒容器を使用し、負極1個の両側に正極(リチウ
ムを使用)2個、また負極の近傍に参照電極(リチウム
を使用)1個を配置するように、上部蓋からクリップ付
きのニッケル線(ガラス管被覆)で吊り下げて簡易型電
池セルを構成した。
【0079】充放電装置(北斗電工製)を用いて、上記
簡易型電池セルの充放電サイクル試験を行い、負極活物
質の充放電容量を測定した。充放電サイクル試験は、3
0mA/gに相当する電流値(一定)で行った。負極活
物質の放電容量は、放電時間t(単位;時間)を測定す
ることによって、 容量=30×t (単位;mAh/g) から計算した。また充放電は参照電極に対して、0〜
1.99Vの範囲内で行った。なお、実施例及び比較例
に示した充電及び放電容量は、初回の充電時の充電容
量、及び初回の放電時の放電容量を示す。
簡易型電池セルの充放電サイクル試験を行い、負極活物
質の充放電容量を測定した。充放電サイクル試験は、3
0mA/gに相当する電流値(一定)で行った。負極活
物質の放電容量は、放電時間t(単位;時間)を測定す
ることによって、 容量=30×t (単位;mAh/g) から計算した。また充放電は参照電極に対して、0〜
1.99Vの範囲内で行った。なお、実施例及び比較例
に示した充電及び放電容量は、初回の充電時の充電容
量、及び初回の放電時の放電容量を示す。
【0080】実施例1 メタノール38.5g(1.20モル)に、塩化第一錫
(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属錫
4.75g(0.04モル)を還流しながら順次溶解さ
せ、均一で透明な前駆体溶液を調製した。この前駆体溶
液を濃縮して得られた前駆体を、電気炉を用いて空気中
280℃で1時間焼成して粉末状の酸化錫を得た。ま
た、粉末エックス線回折の結果、得られた酸化錫は非晶
質であった。
(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属錫
4.75g(0.04モル)を還流しながら順次溶解さ
せ、均一で透明な前駆体溶液を調製した。この前駆体溶
液を濃縮して得られた前駆体を、電気炉を用いて空気中
280℃で1時間焼成して粉末状の酸化錫を得た。ま
た、粉末エックス線回折の結果、得られた酸化錫は非晶
質であった。
【0081】重量平均分子量が10万で、側鎖のエチレ
ングリコール基の平均繰り返し数が両方とも12の直鎖
状ポリホスファゼン化合物100重量部に過塩素酸リチ
ウム8重量部配合し、120℃で40分間攪拌し加熱し
た。次に、重合性化合物として、ジペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート(商品名 NKエステルADP−
6 新中村化学工業(株))43重量部と得られた酸化
錫を混合し、更に重合開始剤として2−クロロチオキサ
ンソンを3.5重量部混合した後、酸化錫を取り出して
表面を重合・硬化させた後、軽く乳鉢で粉砕した。被覆
厚みは平均0.01μmであり、ほぼ全面が被覆されて
いた。
ングリコール基の平均繰り返し数が両方とも12の直鎖
状ポリホスファゼン化合物100重量部に過塩素酸リチ
ウム8重量部配合し、120℃で40分間攪拌し加熱し
た。次に、重合性化合物として、ジペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート(商品名 NKエステルADP−
6 新中村化学工業(株))43重量部と得られた酸化
錫を混合し、更に重合開始剤として2−クロロチオキサ
ンソンを3.5重量部混合した後、酸化錫を取り出して
表面を重合・硬化させた後、軽く乳鉢で粉砕した。被覆
厚みは平均0.01μmであり、ほぼ全面が被覆されて
いた。
【0082】この酸化錫を用いて前記簡易型電池セルを
作製し、充放電サイクル試験を行ったところ、充電容量
は900mAh/gで放電容量は695mAh/gであ
った。
作製し、充放電サイクル試験を行ったところ、充電容量
は900mAh/gで放電容量は695mAh/gであ
った。
【0083】実施例2 メタノール38.5g(1.20モル)に、塩化第一錫
(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属錫
4.75g(0.04モル)を還流しながら順次溶解さ
せた後、テトラエトキシシラン(Si(0C2H5)4)
7.1g(0.034モル)を添加し、均一で透明な前
駆体溶液を調製した。この前駆体溶液を濃縮して得られ
た前駆体を、電気炉を用いて酸素中700℃で2時間焼
成して粉末状の複合酸化錫を得た。粉末エックス線回折
の結果、得られた酸化錫はルチル構造を有する結晶質酸
化錫であった。
(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属錫
4.75g(0.04モル)を還流しながら順次溶解さ
せた後、テトラエトキシシラン(Si(0C2H5)4)
7.1g(0.034モル)を添加し、均一で透明な前
駆体溶液を調製した。この前駆体溶液を濃縮して得られ
た前駆体を、電気炉を用いて酸素中700℃で2時間焼
成して粉末状の複合酸化錫を得た。粉末エックス線回折
の結果、得られた酸化錫はルチル構造を有する結晶質酸
化錫であった。
【0084】重量平均分子量が10万で、側鎖のエチレ
ングリコール基の平均繰り返し数が両方とも12の直鎖
状ポリホスファゼン化合物100重量部に過塩素酸リチ
ウム8重量部配合し、120℃で40分間攪拌し加熱し
た。次に、重合性化合物としてジペンタエリスリトール
テトラアクリレート(商品名 NKエステルADP−6
新中村化学工業〓)43重量部と得られた複合酸化錫
を混合し、更に重合開始剤として2−クロロチオキサン
ソンを3.5重量部混合した後、複合酸化錫を取り出し
て表面を重合・硬化させた後、軽く乳鉢で粉砕した。被
覆厚みは平均0.01μmであり、ほぼ全面が被覆され
ていた。
ングリコール基の平均繰り返し数が両方とも12の直鎖
状ポリホスファゼン化合物100重量部に過塩素酸リチ
ウム8重量部配合し、120℃で40分間攪拌し加熱し
た。次に、重合性化合物としてジペンタエリスリトール
テトラアクリレート(商品名 NKエステルADP−6
新中村化学工業〓)43重量部と得られた複合酸化錫
を混合し、更に重合開始剤として2−クロロチオキサン
ソンを3.5重量部混合した後、複合酸化錫を取り出し
て表面を重合・硬化させた後、軽く乳鉢で粉砕した。被
覆厚みは平均0.01μmであり、ほぼ全面が被覆され
ていた。
【0085】この複合酸化錫を用い前記簡易型電池セル
を作製し、充放電サイクル試験を行ったところ充電容量
は930mAhで放電容量は730mAh/gであっ
た。
を作製し、充放電サイクル試験を行ったところ充電容量
は930mAhで放電容量は730mAh/gであっ
た。
【0086】実施例3 メタノール40.5g(1.26モル)に、塩化第一錫
(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属錫
4.75g(0.04モル)、トリメトキシボロン(B
(OCH3)3)1.76g(0.017モル)、および
トリエトキシホスホリル(PO(OEt)3)3.1g
(0.017モル)を還流しながら順次溶解させ、均一
で透明な前駆体溶液を調製した。この前駆体溶液を濃縮
して得られた前駆体を、電気炉を用いて空気中280℃
で1時間焼成して粉末状の複合酸化錫を得た。また、粉
末エックス線回折の結果、得られた酸化錫は非晶質であ
った。
(SnCl2)7.58g(0.04モル)、金属錫
4.75g(0.04モル)、トリメトキシボロン(B
(OCH3)3)1.76g(0.017モル)、および
トリエトキシホスホリル(PO(OEt)3)3.1g
(0.017モル)を還流しながら順次溶解させ、均一
で透明な前駆体溶液を調製した。この前駆体溶液を濃縮
して得られた前駆体を、電気炉を用いて空気中280℃
で1時間焼成して粉末状の複合酸化錫を得た。また、粉
末エックス線回折の結果、得られた酸化錫は非晶質であ
った。
【0087】蛍光エックス線分析によると、複合酸化錫
中の錫とほう素の比率、および錫と燐の比率は、仕込み
比とほぼ一致していた。
中の錫とほう素の比率、および錫と燐の比率は、仕込み
比とほぼ一致していた。
【0088】重量平均分子量が10万で、側鎖のエチレ
ングリコール基の平均繰り返し数が両方とも12の直鎖
状ポリホスファゼン化合物100重量部に過塩素酸リチ
ウム8重量部配合し、120℃で40分間攪拌し加熱し
た。次に、重合性化合物としてジペンタエリスリトール
テトラアクリレート(商品名 NKエステルADP−6
新中村化学工業〓)43重量部と得られた複合酸化錫
を混合し、更に重合開始剤として2−クロロチオキサン
ソンを3.5重量部混合した後、複合酸化錫を取り出し
て表面を重合・硬化させた後、軽く乳鉢で粉砕した。被
覆厚みは平均0.01μmであり、ほぼ全面が被覆され
ていた。
ングリコール基の平均繰り返し数が両方とも12の直鎖
状ポリホスファゼン化合物100重量部に過塩素酸リチ
ウム8重量部配合し、120℃で40分間攪拌し加熱し
た。次に、重合性化合物としてジペンタエリスリトール
テトラアクリレート(商品名 NKエステルADP−6
新中村化学工業〓)43重量部と得られた複合酸化錫
を混合し、更に重合開始剤として2−クロロチオキサン
ソンを3.5重量部混合した後、複合酸化錫を取り出し
て表面を重合・硬化させた後、軽く乳鉢で粉砕した。被
覆厚みは平均0.01μmであり、ほぼ全面が被覆され
ていた。
【0089】この複合酸化錫を用いて前記簡易型電池セ
ルを作製し、充放電サイクル試験を行ったところ充電容
量は910mAh/gで放電容量は710mAh/gで
あった。
ルを作製し、充放電サイクル試験を行ったところ充電容
量は910mAh/gで放電容量は710mAh/gで
あった。
【0090】比較例1 ポリホスファゼンを被覆しないこと以外は実施例1と同
様に行ったところ、充電容量は1100mAh/gで放
電容量は695mAh/gであった。
様に行ったところ、充電容量は1100mAh/gで放
電容量は695mAh/gであった。
【0091】比較例2 ポリホスファゼンを被覆しないこと以外は実施例2と同
様に行ったところ、充電容量は1100mAh/gで放
電容量は730mAh/gであった。
様に行ったところ、充電容量は1100mAh/gで放
電容量は730mAh/gであった。
【0092】比較例3 ポリホスファゼンンを被覆しないこと以外は実施例3と
同様に行ったところ、充電容量は1080mAh/gで
放電容量は710mAh/gであった。
同様に行ったところ、充電容量は1080mAh/gで
放電容量は710mAh/gであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01M 10/40 Z
Claims (5)
- 【請求項1】 酸化錫または複合酸化錫の表面に高分子
化合物が被覆されてなることを特徴とする酸化錫系非水
電解液二次電池用負極活物質。 - 【請求項2】 高分子化合物がリチウムイオン導電性高
分子化合物である請求項1記載の酸化錫系非水電解液二
次電池用負極活物質。 - 【請求項3】 リチウムイオン導電性高分子化合物が、
ポリエチレングリコールユニットを有する高分子化合物
である請求項2記載の酸化錫系非水電解液二次電池用負
極活物質。 - 【請求項4】 複合酸化錫が、酸化錫、およびアルカリ
土類金属、希土類元素、遷移元素、周期律表13族元
素、周期律表14族元素(錫を除く)、周期律表15族
元素およびカルコゲン元素からなる群より選ばれた少な
くとも1種の元素から構成される請求項1、2、または
3記載の酸化錫系非水電解液二次電池用負極活物質。 - 【請求項5】 請求項1、2、3、または4記載の非水
電解液二次電池用負極活物質を集電体に接合してなる負
極と、リチウムイオンを吸蔵、放出することが可能な材
料からなる正極活物質を集電体に接合してなる正極と
が、セパレータを介して非水電解液と共に電池容器内に
収納されていることを特徴とする非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9121306A JPH10312803A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9121306A JPH10312803A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10312803A true JPH10312803A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14807993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9121306A Pending JPH10312803A (ja) | 1997-05-12 | 1997-05-12 | 非水電解液二次電池用負極活物質および非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10312803A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US9214677B2 (en) | 2011-05-12 | 2015-12-15 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Lithium ion secondary battery electrode, manufacturing process for the same, and lithium ion secondary battery using the electrode |
US9306220B2 (en) | 2011-05-23 | 2016-04-05 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Lithium ion secondary battery electrode, manufacturing process for the same, and lithium ion secondary battery using the electrode |
US9337477B2 (en) | 2011-05-23 | 2016-05-10 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Lithium secondary battery electrode including coated layer having acrylic copolymer chemically bonded to binder of active material layer and manufacturing process for the same |
-
1997
- 1997-05-12 JP JP9121306A patent/JPH10312803A/ja active Pending
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