JPH10310614A - 感熱応答材料用高分子組成物 - Google Patents
感熱応答材料用高分子組成物Info
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- JPH10310614A JPH10310614A JP9306911A JP30691197A JPH10310614A JP H10310614 A JPH10310614 A JP H10310614A JP 9306911 A JP9306911 A JP 9306911A JP 30691197 A JP30691197 A JP 30691197A JP H10310614 A JPH10310614 A JP H10310614A
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Abstract
得るのが容易な高分子化合物を含む感熱応答材料を提供
する。また、加水分解等により、熱可逆性を保ったま
ま、該高分子化合物の反応性を利用して別の官能基を導
入し、さらに新しい機能を容易に付与することが可能で
あるので、更なる機能化ができる感熱応答材料を提供す
る。 【解決手段】 主たる構成ユニットが、N−ビニルホル
ムアミドユニットおよび疎水性ビニルモノマーユニット
とからなる熱可逆性高分子を含むことを特徴とする感熱
応答材料用高分子組成物。この組成物はゲルを形成して
いても良い。
Description
逆的相転移を示す熱可逆性の高分子材料に関する。さら
に詳しくは、メカノケミカル材料、温度センサー、分離
膜、吸着剤、薬物放出剤、吸水剤、保水剤、遮光体、デ
ィスプレイ、玩具などに利用されうる感熱応答材料用高
分子組成物に関する。
る温度以下では均一に溶解した状態にあるが、ある温度
以上では組成の異なる2相に相分離を起こすことが知ら
れている。たとえばトリエチルアミンの40%水溶液
は、18.5℃以下では均一に溶解しているが、該温度
以上では2相に分離する。このような相転移現象は可逆
であり、温度を相転移温度以下にすると再び均一な溶液
を形成する。
を示すものがある。このような高分子化合物を一般に熱
可逆性高分子化合物と総称している。さらにこのような
高分子化合物を架橋し、ゲル化させることにより、相転
移温度以下で膨潤し、相転移温度以上で媒体を放出して
急激に体積収縮するような物質を作ることができる。こ
のような物質は感温性薬物放出剤や、温度センサー等の
材料としての応用が期待され、現在、活発な研究が行わ
れている。
としては、ポリメチルビニルエーテル、メチルセルロー
ス、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルオキサ
ゾリジノンなどの化合物が知られている。しかしこれら
の化合物は重合やゲルの作成が困難だったり、ゲルの性
能が不十分であるなどの理由から、応用研究はほとんど
行われていない。
ミド)に代表されるポリアクリルアミドの誘導体も、相
転移現象を示すことが知られている。ポリ(N−アルキ
ルアクリルアミド)は重合性もよく、また架橋剤の存在
下に重合を行うことにより容易にゲルが調製できる。し
かしモノマーであるN−アルキルアクリルアミドは、臭
気が強いうえに神経毒性を有しているため、応用範囲が
限られるという問題点があった。また、ポリ(N−アル
キルアクリルアミド)はその転移温度の制御範囲が狭い
という欠点を有している。たとえば、N−イソプロピル
アクリルアミドの単独重合体は32℃に転移温度を示す
が、共重合によって転移温度を変化させてもその範囲は
高々±10℃の範囲であり、また応答性が鈍くなる。
ド)に代表されるポリ(N−ビニルアルキル酸アミ
ド)、およびその共重合体がこのような相転移現象を示
すことが見いだされた。例えば特開平7−62038号
公報には、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)が相転
移を示すことが開示されている。
N−ビニルイソブチルアミド−ビニルアミン塩酸塩共重
合体(94.5:5.5(モル比))が相転移を示すこ
とが開示されている。しかし、該物質は、一旦ポリビニ
ルアミンを合成してから、高分子反応によってアルキル
化を行って合成するため、副反応の存在などにより反応
条件が制限されたり、不純物を取り除く工程が必要とな
るなどの不都合を生じやすい。また、相転移挙動が鋭敏
ではないという欠点も有している。
は、N−ビニルイソブチルアミド−N−ビニルアセトア
ミド共重合体が相転移を示すことが開示されている。該
化合物は、N−ビニルアセトアミドユニットの比率が増
えるに従い、相転移温度が高くなり、相転移温度を広い
範囲で制御することが可能である。しかし該化合物は、
昇温過程と降温過程で相転移温度が最大8℃も異なって
おり、いわゆる過冷却現象を示しており、しかも相転移
現象が鋭敏であるとは言いがたい。
ド)に、疎水性部分を導入した、N−ビニルアセトアミ
ド−酢酸ビニル共重合体が相転移現象を示すことが見い
だされた(高分子学会予稿集、45(8),1962
(1996))。該化合物は、その共重合組成によって
広い範囲で相転移温度を制御することが可能であり、ま
たその転移挙動も鋭敏である。
化合物を感熱応答材料、たとえば、メカノケミカル材
料、温度センサー、分離膜、吸着剤、薬物放出剤などに
利用するためには、そのままでも良いが、さまざまな官
能基を導入することによる更なる機能化が必須であり、
容易に機能化できる新しい熱可逆性高分子化合物の開発
が望まれていた。
酸アミド)は、この機能化などのため、加水分解によっ
て一級ポリアミンであるポリビニルアミンユニットを有
する高分子材料に誘導することが可能である。しかし、
たとえば、ポリ(N−ビニルアセトアミド)ユニット
や、ポリ(N−ビニルイソブチルアミド)ユニットを持
つ熱可逆性高分子は、加水分解に対して比較的安定であ
り、通常、90℃以上のような高い反応温度を必要とす
る。しかも、このN−ビニルアセトアミドやN−ビニル
イソブチルアミドから誘導された熱可逆性高分子化合物
は、このような高温条件下では水に溶解しなくなるた
め、加水分解反応条件はさらに厳しくなり、反応時間も
長くなる。従って、これらの高分子化合物の場合は、加
水分解反応において、N−ビニルアセトアミドユニット
以外の共重合ユニットや、主鎖構造も同時に分解を受け
ることなどの高分子の劣化が避けがたい。たとえば、N
−ビニルアセトアミド−酢酸ビニル共重合体を、部分加
水分解してポリビニルアミンユニットを導入しようとす
ると、酢酸ビニルユニットの加水分解が進行し、所望の
ポリビニルアミンユニットが導入できないばかりか、熱
可逆性まで失われてしまうという問題がある。
行った結果、上記の問題点を解決する手段を見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は、主たるN−ビニ
ルホルムアミドユニットおよび疎水性ビニルモノマーユ
ニットとからなる熱可逆性高分子化合物を含むことを特
徴とする、感熱応答材料用高分子組成物に関するもので
ある。
する。本発明において、熱刺激に対する可逆的相転移と
は、連続均一相を形成している水溶液が、ある温度以上
で相分離現象を示し、その変化が該温度を境に可逆的で
あることをいう。相転移温度は昇温過程と降温過程では
後者の方が通常数℃低い値を示す。これは降温過程での
相転移が厳密な平衡を保ちながら行うことができず、通
常の操作では過冷却になるためである。しかしこのよう
な過程を複数のサイクル繰り返しても再現性を示すの
で、この相転移は可逆的であると結論できる。
ド)自体は、このような相転移現象を示さない。これ
は、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の親水性が強す
ぎ、相転移温度が水の沸点である100℃以上になって
いるためであると推定される。実際、ポリ(N−ビニル
ホルムアミド)よりはるかに疎水性の強いポリ(N−ビ
ニルイソブチルアミド)は室温付近で相転移現象を示す
ことが知られている。しかし親水性の強すぎる高分子
に、共重合などにより疎水性を付与しても、相転移現象
を示さない。たとえば、ポリビニルアルコール−ポリ酢
酸ビニル共重合体は、その組成により、水に対して溶解
するが、相転移は示さないか、あるいは相転移を示す以
前に、まったく水に溶解しないかのいずれかである。
高分子化合物として知られている構成ユニットとしての
N−ビニルアルキル酸アミドに変えて、驚くべきことに
きわめて親水性の強いポリマーである、ポリ(N−ビニ
ルホルムアミド)に疎水性ビニルモノマーを組み合わせ
ることにより、適切な疎水性を付与し、熱可逆性高分子
化合物が得られることを見出した。また、該疎水性を適
切に制御することにより、任意の相転移温度が得られる
ことを見出したものである。
ドユニットは、下記構造式(1)
法としては、N−ビニルホルムアミドと、疎水性ビニル
モノマーとで共重合を行わせてもよく、また、疎水性ビ
ニルモノマーユニットからなる高分子材料へのブロック
共重合ないしはグラフト共重合によってもよい。また、
下記構造式(2)のユニットを有し、
ルミル化反応によってもよい。
ブロック、グラフト共重合のモノマーとして用いる場合
には、重合を妨げない他の不純物を含んでいてもよい。
ユニットとは、該疎水性ビニルモノマーから誘導される
もので、該モノマーは、少なくとも1個の重合性ビニル
基を含み、実質的に水と自由に混和しないモノマーおよ
びそれらの混合物を指す。このような性質を有する限
り、これらのモノマーは、気体であっても液体であって
も固体であってもよく、また重合を妨げない他の不純物
を含んでいてもよい。このようなモノマーの例として
は、エチレン、プロピレン、1−オレフィン、ブタジエ
ン、スチレン、α−メチルスチレン、脂肪酸ビニルエス
テル、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、アルキルビニルエーテル、アクリロニト
リル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、N−ビニルアルキ
ルアミド(アシル基の炭素数が3〜22、好ましくは4
〜18)などが例示される。なかでも特に酢酸ビニルは
入手しやすく、またN−ビニルホルムアミドとの共重合
性も良好で、得られる共重合体の相転移温度制御も容易
であるので好ましい。この疎水性ビニルモノマーとし
て、N−ビニルアルキルアミドのうち、アシル基のアル
キル基の部分の長さが短かすぎるものは親水性が強すぎ
て、相転移を示さない。また、アルキル基が長すぎるも
のは、合成原料が入手し難く実用的ではない。
ビニルモノマーユニットの高分子中の量比は、高分子が
熱可逆性を示す組成であれば特に制限はなく、通常、N
−ビニルホルムアミド/疎水性ビニルモノマー=1/9
9ないし99/1の範囲で用いられる。ポリマー中のN
−ビニルホルムアミドの比率が多すぎる場合には、相転
移温度が溶媒である水の沸点を超えるため、相転移を観
測することができない。また疎水性ビニルモノマーの比
率が多すぎる場合には、逆に相転移温度が水の融点を下
回り、相転移を観測できないか、あるいは疎水性が強く
なりすぎるため、水に溶解しなくなる。また、疎水性モ
ノマーの種類によって熱可逆性を示す量比の範囲が存在
する。たとえば、酢酸ビニルの場合には、N−ビニルホ
ルムアミド/酢酸ビニル=20/80ないし60/40
である。
逆性高分子材料に導入する方法としては、疎水性モノマ
ーを一成分としてN−ビニルホルムアミドとの共重合を
おこなってもよく、また、N−ビニルホルムアミドユニ
ットを含む高分子材料へのブロック共重合ないしはグラ
フト共重合によってもよい。また、別の親水性材料から
の高分子反応によってもよい。たとえば、酢酸ビニルユ
ニットならば、ポリビニルアルコールユニットのエステ
ル化によって導入することができる。
得る際には、その形式はいかなるものであってもよく、
たとえば、塊状重合、沈殿重合、溶液重合、乳化重合、
懸濁重合、気相重合などの形式が取られうる。中でも反
応の制御が容易な溶液重合が好ましい。
であり、モノマーを溶解する溶媒であれば特に限定され
ないが、水、アルコール類、ジメチルフォルムアミドな
どが挙げられる。重合温度、重合時間は、用いる重合開
始剤により異なるが、通常−10〜80℃、1時間〜2
0時間の範囲で行うのが良い。
よい。この重合開始剤については何ら制限はないが、N
−ビニルホルムアミドの重合において高分子量が得やす
いラジカル重合開始剤が好ましい。開始剤の種類として
は過酸化物、レドックス触媒、アゾ系触媒いずれを用い
てもよい。特に有用な開始剤は、アゾビスイソブチロニ
トリルや2,2’−アゾビス−2−アミジノプロパン塩
酸塩である。この重合開始剤の使用量は、モノマーに対
して0.0001〜10モル%の範囲、好ましくは0.
01〜1モル%の範囲であるのがよい。
子量は、1000〜50万、好ましくは1万〜30万で
あるのが良い。本発明で得られる高分子材料はゲルを形
成していても良い。ゲルを形成することによって特異な
性質を持つ物質が得られる。すなわち、転移温度以下で
は自重の数倍から数百倍の水を吸収するが、転移温度以
上では急激に収縮してほぼ全ての水を放出するような、
感熱応答性のゲルを作成することができる。
ニルホルムアミド−酢酸ビニル共重合体ゲルは、N−ビ
ニルホルムアミドの代わりにN−ビニルアセトアミドを
用いて得られたゲルに比較しても、3倍もの高い膨潤比
変化を示す。このことから、本発明で得られる化合物は
感熱応答材料としての実用性に非常に優れていると言え
る。
方法があるが、一般的には2官能性以上の重合性基をも
つ架橋剤の存在下に重合反応を行わせることで達成可能
である。架橋剤としてはモノマーと共重合しうるもので
あればいかなるものであってもよい。例えばN,N−メ
チレンビスアクリルアミド、N,N−ブチレンビス−N
−ビニルアセトアミドなどである。この際、該架橋剤の
使用量は、通常、モノマーに対して0.1〜10モル%
の範囲であるのがよい。
体を得たあとで高分子反応によってこれを架橋する方法
をとることもできる。その場合はあらかじめ重合性基を
有する共重合体を合成し、それをさらに反応させる方法
などがある。このようなゲルを作成する場合、機能化の
ために種々の添加剤を共存させてもよい。例えば、熱安
定剤、無機粒子などをはじめとする性能改良剤や、キレ
ート剤をはじめとする反応性残基を導入することが可能
である。
は、それ単独で感熱応答性材料として用いることができ
るが、多くの場合、それ以外の化合物との組成物として
用いる。たとえば、ポリオレフィンや、ポリスチレンな
どの他の高分子化合物とブレンドして、その機能を高め
たり、水などの溶媒とともに用いることができる。この
ような組成物を得る際には、ブレンドや混練などの機械
的手段や、表面グラフトなどの化学的手段を用いること
ができる。このような性質を利用して温度センサー、薬
物放出剤、吸水剤、保水剤、メカノケミカル材料などへ
の応用が可能である。
と疎水性ビニルモノマーユニットを持つ熱可逆性材料
は、相転移温度以下の温和な条件で、N−ビニルホルム
アミドユニットを速やかに加水分解し、熱可逆性を保っ
たままポリビニルアミンユニットを導入することが可能
である。さらにこの1級アミンの持つ反応性を利用して
別の官能基を導入することも可能である。この反応で生
成する不純物は容易に除去することができるため、工業
的に有利である。また高分子反応によって合成したもの
に比べても、相転移挙動が鋭敏となるので好ましい。こ
のように本発明で得られた熱可逆性高分子化合物は、そ
れ自身が熱可逆性という機能を持つばかりか、さらに新
しい機能を容易に付与することも可能であり、感熱応答
材料の機能化ができ、極めて有用である。
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の
実施例によって何ら限定されるものではない。 [実施例1〜3] (共重合体の合成)モノマーとして、N−ビニルホルム
アミド(NVF)と酢酸ビニル(VAc)を用いて重合
を行った。用いたモノマー量は合計24mmolであっ
た。溶媒としてメタノール5ml、開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリルをモノマーに対して1mol%使
用して一緒にガラス管に仕込み、窒素置換した。このガ
ラス管を60℃に加温し、重合を行った。30分後、ガ
ラス管の内容物を大量のジエチルエーテルに沈殿させて
反応の停止および重合体の回収を行った。得られた重合
体を、溶媒を重水(D2O)、測定温度50℃で、1H
−NMR(400MHz)を用いて分析し、組成比を得
た。結果を表1に示した。
水溶液を調製し、UV/VIS分光光度計(JASC0
製品、商品名:V−550)を用いて波長500nmで
の透過率を測定した。試料を1℃/分で昇降温し、それ
に伴う透過率の変化をしらべた。実施例2、3で得られ
た試料の相転移挙動を図1に示した。また、昇温時、透
過率が50%を示す温度を相転移温度として表1に示し
た。表1から明らかなように、共重合体中のN−ビニル
ホルムアミドユニットが多くなるほど、高い相転移温度
を示した。
1.75mmolと酢酸ビニル8.25mmol、架橋
剤として、N,N’−ブチレンビス−N−ビニルアセト
アミド0.05mmol、溶媒としてメタノール1m
l、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルをモノマ
ーに対して1mol%使用して、原料溶液を得た。この
溶液を脱酸素後、1mmの間隔を有する2枚のガラス板
の間に封入して液膜とした。このまま60℃に2時間加
温して重合を行い、ゲル薄膜を得た。ゲルを純水で洗浄
して、未反応モノマーと溶媒を除去後、凍結乾燥して精
製した。収率は14%であった。
℃水中に保持し、膨潤させた。膨潤ゲルを取り出して重
量を測定し、乾燥時の重量との比を膨潤比として求め
た。膨潤ゲルを80℃水中に保持すると、ゲルは感熱収
縮した。感熱収縮したゲルを20℃水中に保持すると、
再度吸水、膨潤した。12時間おきに保持温度を変えた
ときの膨潤比の変化を図2に示す。図2から感熱膨潤−
感熱収縮が熱可逆的に起きたことが明らかである。
ホルムアミドの代わりにN−ビニルアセトアミドを用い
た以外は実施例4と同様の操作を行って精製乾燥ゲルを
得た。収率は30%であった。実施例4と同様にして膨
潤−収縮挙動を測定した。結果を図2に示す。感熱膨潤
−感熱収縮は熱可逆的に起こったが、膨潤比は最大でも
実施例4の約3分の1にすぎなかった。
ド)に、疎水性ビニルモノマーを組み合わせ、適切な疎
水性を付与することにより、良好な熱可逆性高分子化合
物が得られ、該疎水性を適切に制御することにより、任
意の相転移温度が得られる高分子化合物を有する感熱応
答材料を見出したものである。また、該熱可逆性高分子
化合物は、それ単独で感熱応答性材料として用いること
もできるが、それ以外の化合物との組成物としてもよ
い。このような性質を利用して温度センサー、薬物放出
剤、吸水剤、保水剤、メカノケミカル材料などへの応用
が可能である。また該熱可逆性高分子化合物を含むゲル
は、熱変化に対して可逆的に膨潤−収縮させることがで
き、その膨潤比は非常に高いので、高性能の感熱応答材
料を設計することが可能である。本発明のN−ビニルホ
ルムアミドユニットと疎水性ビニルモノマーユニットを
持つ熱可逆性材料は、N−ビニルホルムアミドユニット
を速やかに加水分解し、熱可逆性を保ったままポリビニ
ルアミンユニットを導入することが可能であり、さらに
この1級アミンの持つ反応性を利用して別の官能基を導
入して、さらに新しい機能を容易に付与することも可能
であり、感熱応答材料の更なる機能化ができ、極めて有
用である。
グラフである。
2時間おきに20℃と80℃に保持したときの膨潤比の
変化を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 主たる構成ユニットが、N−ビニルホル
ムアミドユニットおよび疎水性ビニルモノマーユニット
とからなる熱可逆性高分子を含むことを特徴とする感熱
応答材料用高分子組成物。 - 【請求項2】 疎水性ビニルモノマーが、エチレン、プ
ロピレン、1−オレフィン、ブタジエン、スチレン、α
−メチルスチレン、脂肪酸ビニルエステル、アクリル酸
アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ア
ルキルビニルエーテル、アクリロニトリル、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、N−ビニルアルキルアミドのいず
れかあるいはそれらの混合物からなることを特徴とする
請求項1に記載の感熱応答材料用高分子組成物。 - 【請求項3】 疎水性ビニルモノマーが、酢酸ビニルで
あることを特徴とする請求項1または2に記載の感熱応
答材料用高分子組成物。 - 【請求項4】 熱可逆性高分子がN−ビニルホルムアミ
ドユニットを1〜99モル%の範囲で含有し、及び疎水
性ビニルモノマーユニットを1〜99モル%の範囲で含
有する共重合体であることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれかに記載の感熱応答材料用高分子組成物。 - 【請求項5】 架橋構造によってゲルを形成している熱
可逆性高分子を含むことを特徴とする請求項1ないし4
のいずれかに記載の感熱応答材料用高分子組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30691197A JP3823489B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-11-10 | 感熱応答材料用高分子組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-54604 | 1997-03-10 | ||
JP5460497 | 1997-03-10 | ||
JP30691197A JP3823489B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-11-10 | 感熱応答材料用高分子組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10310614A true JPH10310614A (ja) | 1998-11-24 |
JP3823489B2 JP3823489B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=26395381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30691197A Expired - Lifetime JP3823489B2 (ja) | 1997-03-10 | 1997-11-10 | 感熱応答材料用高分子組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3823489B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126490A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Univ Of Tokushima | アミド基含有高分子化合物およびその製造方法 |
JP2013518311A (ja) * | 2010-01-26 | 2013-05-20 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ファイバー光ケーブルアセンブリの製造方法 |
-
1997
- 1997-11-10 JP JP30691197A patent/JP3823489B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007126490A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Univ Of Tokushima | アミド基含有高分子化合物およびその製造方法 |
JP2013518311A (ja) * | 2010-01-26 | 2013-05-20 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ファイバー光ケーブルアセンブリの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3823489B2 (ja) | 2006-09-20 |
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