JP2002020724A - 温度応答性材料 - Google Patents

温度応答性材料

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JP2002020724A JP2000204822A JP2000204822A JP2002020724A JP 2002020724 A JP2002020724 A JP 2002020724A JP 2000204822 A JP2000204822 A JP 2000204822A JP 2000204822 A JP2000204822 A JP 2000204822A JP 2002020724 A JP2002020724 A JP 2002020724A
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真樹 上
Masaya Adachi
眞哉 足立
Masahiro Henmi
昌弘 辺見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化により光の透過率を可逆的に変化さ
せることができる温度応答性を有し、かつ温度応答性を
長期間、持続できるとともに製造の容易さ、および加工
性に優れた温度応答性材料を提供する。 【解決手段】 温度応答性を有する架橋された重合体を
ハイドロゲルに混合したことを特徴とする温度応答性材

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は温度応答性材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】N−アルキル置換アクリルアミド類が水
の存在下、ある温度で相転移現象が生じることはよく知
られている。例えばポリ(N−イソプロピルアクリルア
ミド)の希薄水溶液において、低温ではポリマー鎖が広
がったコイル構造をとるのに対して、相転移温度以上で
はコンパクトな球状に変化する。現在のところ、この相
転移現象は次のように説明されている。すなわち低温時
はN−アルキル基の水分子による疎水性水和が生じるこ
とからポリマーは親水性を示し、コイル構造をとるが、
温度が上昇するにつれ水分子の運動性が高められること
から、疎水性水和が崩壊し、疎水基同士の相互作用によ
りコンパクトな球状構造をとる。
【0003】このようなポリアクリルアミド類の温度応
答性を機能材料へ応用する試みは非常に精力的に行われ
ている。例えば特開平9−169850号公報では薬物
の放出を温度で制御できる薬物担体として、N−アルキ
ル置換アクリルアミドポリマーブロックと疎水性ポリマ
ーブロックからなる共重合体を用いた例がある。
【0004】また、アクリルアミド系高分子材料が転移
温度以上の高温では水に不溶のゲル状態となり不透明、
すなわち可視光線の透過率が低下するが、転移温度以下
では親水性を示しすことから、水に溶解あるいは高度に
膨潤することでゾル化し、可視光線を透過可能な透明状
態になる。この現象を利用して調光材料、遮光材料への
応用についても検討されている(例えば特公昭61−7
948号公報、特公平1−38841号公報、特開平5
−181169号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の例では温度応答性発現には水が必須であることが、材
料設計において大きな障害となっている。前述の薬物担
体として用いた例では、一度乾燥させてしまうと、担体
同士の凝集、融着が生じてしまい、再度水に分散させよ
うとしても、分散できなかったり、当初の温度応答性を
維持することができず、薬物担体としての機能が大幅に
低下してしまうという問題点がある。さらに前述の調光
材料、遮光材料においては、完全な透明/不透明の温度
応答性を発現させ、かつ、その応答性を長期間にわたっ
て維持させるためには、アクリルアミド系ポリマー自身
が水系中に存在しているか、アクリルアミド系ポリマー
が高度に水に膨潤、あるいはハイドロゲルとして存在し
ていなければならないという制約がある。このため、応
答性発現に必須である水を系中に保持させるために高度
なポリマーの分子設計、および繊細な材料設計が必要で
あることから、実用化されるには至っていない。
【0006】そこで本発明は、上記の課題を解決するこ
とを目的とし、温度応答性を長期間、持続できるととも
に製造の容易さ、および加工性に優れた温度応答性材料
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は以下の構成を有する。 (1)温度応答性を有する架橋された重合体とハイドロ
ゲルを含有することを特徴とする温度応答性材料。 (2)温度応答が光の透過率変化であることを特徴とす
る(1)記載の温度応答性材料。 (3)温度応答性を有する架橋された重合体がN−アル
キル置換(メタ)アクリルアミド単量体、N−ビニル置
換アミド単量体、およびビニルエーテル単量体のうちの
いずれか1種の単量体と分子内に該単量体と重合可能な
官能基を2個以上有する単量体から得られた重合体であ
ることを特徴とする(1)記載の温度応答性材料。 (4)N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド単量体
がN−イソプロピルアクリルアミドであることを特徴と
する(3)記載の温度応答性材料。 (5)ハイドロゲルがポリビニルアルコールを主成分と
することを特徴とする(1)記載の温度応答性材料。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の詳細について具体的
に説明していく。
【0009】本発明において、温度応答性とは温度の変
化により物性が可逆的に変化することをいい、特に温度
変化に対して光の透過率が可逆的に変化することをい
う。
【0010】温度応答性を有する重合体とは、ある温
度、あるいはある温度域を境に例えばゾル/ゲル転移な
どの相転移現象を示すものであり、その結果、媒体中で
可溶化/不溶化、疎水化/親水化、良分散/凝集、体積
膨張/体積収縮などの物理的、化学的可逆変化を示すも
のである。このような温度応答性を示す重合体を例示す
ると、(メタ)アクリルアミド(共)重合体や、N−ビ
ニルアミド(共)重合体、ビニルエーテル共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル/ポリビニルアルコール共
重合体、およびポリエチレングリコールなどのポリエー
テルおよびその共重合体などがあげられる。本発明に用
いられる温度応答性を有する重合体としては、水媒体
中、あるいは水の存在下における温度応答性のレスポン
スが良好であり、かつ、共重合成分を変化させること
で、応答性の発現する温度を目的に応じて制御可能であ
る(メタ)アクリルアミド(共)重合体や、N−ビニル
アミド(共)重合体、ビニルエーテル共重合体が、特に
好ましい。
【0011】これらの温度応答性を有する重合体は、相
当する単量体を公知の方法で単独重合、あるいは共重合
させることで合成できるが、ラジカル重合性単量体を用
いてラジカル重合させることが好ましい。
【0012】かかるラジカル重合性単量体を例示する
と、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−ノルマルプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アク
リロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリ
ジン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等のN置換
(メタ)アクリルアミド類や、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオン酸
アミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリ
ジノン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルこはく酸イ
ミド、N−ビニルモルホリノン、N−ビニルブチロラク
タム、N−ビニルバレロラクタム、N−ビニルカプロラ
クタムなどのN−ビニル置換アミド類、およびメチルビ
ニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビ
ニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、などの
ビニルエーテル類である。本発明の温度応答性重合体
は、これらのN置換(メタ)アクリルアミド類や、N−
ビニル置換アミド類、ビニルエーテル類を主成分として
重合させることによって合成できるが、単一の単量体の
みで重合を行い、ホモポリマーとしてもよいし、複数の
単量体を用いて重合させた共重合体としてもよい。
【0013】本発明の温度応答性重合体においては、上
述の単量体以外に該単量体と重合可能な官能基を分子内
に2個以上有する単量体を架橋成分として用いることが
重要である。本発明においては温度応答性重合体をハイ
ドロゲルに混合させたことを特徴とするが、架橋成分を
用いない温度応答性重合体を用いると後述の実施例で示
すとおり、温度応答性が効果的に発現しない、あるいは
温度応答性を示しても、応答を繰り返す過程で応答性が
低下する、あるいは消失するなどの性能低下が生じてし
まう。架橋成分として用いる、上述の単量体と重合可能
な官能基を分子内に2個以上有する単量体とは、具体的
には(メタ)アクリロイル基、ビニル基などのラジカル
重合性官能基のいずれか一種、または2種以上を分子内
に2個以上有するもので、例示すると、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート(エチレンオキサイド
ユニット数:1〜20)、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート(プロピレンオキサイドユニット
数:1〜20)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジビニル
ベンゼン、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
トなどである。これらの架橋成分は温度応答性重合体を
構成する上述の単量体と任意の割合で混合させることが
できるが、好ましくは全単量体中に占めるモル比が10
モル%以下である。モル比が5モル%以下であればさら
に好ましい。
【0014】さらに温度応答性重合体の応答温度(転移
温度)を変化させたり、転移温度前後での物理的、化学
的変化を差をより効果的に発現させる目的で、上記以外
のラジカル重合性単量体を共重合させることもできる。
かかる共重合可能な単量体を例示すると、(メタ)アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸や、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート−2−ヒドロキシ
エチル等の(メタ)アクリル酸エステル類全般、および
スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル化合物な
どであるが、これらに限定されるものではない。これら
の共重合成分は温度応答性を損なわない程度であれば任
意の割合で混合させることができるが、好ましくは全単
量体中に占めるモル比が50モル%以下である。モル比
が20モル%以下であればさらに好ましい。
【0015】用いるラジカル重合法としてはバルク重
合、溶液重合、乳化重合など公知の方法を用いることが
でき、有機過酸化物系開始剤、およびアゾ系開始剤な
ど、ごく一般に用いられるラジカル重合開始剤を用いる
ことができる。
【0016】ラジカル重合における溶媒としては、例え
ば水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒を単独、あ
るいは混合溶媒として用いることができるが、これらに
限定されるものではない。
【0017】次に本発明に用いられるハイドロゲルにつ
いて述べる。本発明に用いられるハイドロゲルは上述の
水媒体中で温度応答性を有する重合体が応答性を発現
し、かつ持続できるように水を保持できるものであれば
よい。具体的にはハイドロゲルの含水率が50重量%〜
200重量%のものが好ましい。さらに好ましくは60
重量%から150重量%である。
【0018】ここでいう含水率とは、下記式(1)で規
定されるものである。
【0019】 含水率(重量%)=(Wa−Wb)/Wb (式1) ここで、Waは飽和含水状態のハイドロゲルの表面の水
を濾紙により除去した後の重量(g)であり、Wbはハ
イドロゲルを温風乾燥器で80℃、6時間加熱乾燥した
後の重量(g)である。
【0020】ハイドロゲルの含水率が50重量%を下回
ると、温度応答性が発現しない、あるいは発現したとし
てもその効果が不十分であったり、繰り返し応答させた
場合に、応答性が消失してしまう等の不都合が生じてし
まう。逆に含水率が95重量%を越えると、材料として
の形態が保持できなくなり、ハンドリング性や材料とし
ての加工性に問題が生じてしまう。以上の含水率条件を
満たすハイドロゲルであれば、その化学組成について特
に限定されるものではない。かかるハイドロゲルを例示
すると、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポ
リオキシエチレン、カルボキシメチルセルロースなどを
主成分とするものがあげられる。特に好ましいのはポリ
ビニルアルコールを主成分とするハイドロゲルである。
【0021】ハイドロゲルの作成については公知の作成
方法を利用できる。ポリビニルアルコールを例にする
と、ポリビニルアルコールを硼酸や硼砂、ジアルデヒド
で部分架橋させてハイドロゲルを得る方法や、同じくポ
リビニルアルコールを電子線架橋させる方法などであ
る。様々なポリビニルアルコールのハイドロゲルについ
て鋭意検討した結果、ポリビニルアルコールをジメチル
スルホキシドと水の混合溶媒中で加熱した後、冷却、水
で溶媒置換する方法(Poymer Bulleti
n,22,119−122(1989))は、極めて透
明性の高いハイドロゲルが得られることから、本発明の
温度応答性材料として最適であることがわかった。上記
文献記載の方法でハイドロゲルを作成する場合、用いる
ポリビニルアルコールのケン化度は90モル%以上であ
ればよい。90モル%を下回った場合は、生成するハイ
ドロゲルが脆弱であったり、透明性が悪化する等の問題
が生じてしまうため不適である。より好ましくは95モ
ル%以上のケン化度のものがよい。さらに用いるポリビ
ニルアルコールの重合度については粘度平均重合度が5
00以上のものであり、より好ましくは2000以上の
ものである。重合度が500を下回る場合、ハイドロゲ
ルが脆弱、あるいは水に溶解してしまうという不都合が
生じてしまう。ハイドロゲルの作成については一種のポ
リビニルアルコールを単独で用いても良いし、上述の条
件に合う複数のポリビニルアルコールを混合して用いて
も良い。さらに本発明のハイドロゲルに求められる物性
を損なわない範囲で他の添加成分、例えば界面活性剤、
可塑剤、塩、溶媒、あるいは他のハイドロゲル構成成分
などを混合して用いることも可能である。
【0022】次に本発明の温度応答性材料について述べ
る。本発明の温度応答性材料は、上述の水媒体中で温度
応答性を有する重合体をハイドロゲルに混合したもので
ある。
【0023】混合の仕方については、温度応答性を有す
る重合体をあらかじめ、水媒体中に溶解、あるいは分散
させておき、ハイドロゲル作成時に添加することが好ま
しい。温度応答性重合体を水媒体中に溶解、あるいは分
散させる場合、水以外に水と混合可能な助溶媒を添加し
ても良いし、塩類、界面活性剤、分散剤などの添加剤を
加えてもよい。
【0024】ハイドロゲルと温度応答性重合体の混合比
率については、特に明記されるものではないが、好まし
くはハイドロゲルの乾燥固形分量に対して温度応答性重
合体の乾燥固形分量が0.1重量%〜10重量%であ
る。温度応答性重合体の添加量が0.1重量%未満では
十分な応答性の発現が困難となり、10重量%を超える
と、やはり応答性発現に問題が生じるだけでなく、ハイ
ドロゲルの形態を保持できなかったり、透明性が損なわ
れるといった外観不良の問題が生じてしまう。
【0025】このようにして作成された温度応答性材料
は、温度によって光の透過率が可逆的に変化することか
ら、調光材料、温度センサーなどの用途に利用できる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の具体的実施例を示す。なお、
本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0027】(温度応答性評価)得られた温度応答性材
料の温度応答性については、(1)加熱前の室温(25
℃)の場合、続いて(2)熱風恒温器で80℃、10分間
加熱した場合、さらにその後、(3)室温で30分間放置
した場合(25℃)の3点において、それぞれの条件で
試料が透明/不透明のいずれの状態であるかを外観目視
評価し、温度応答性の有無を判断した。さらに透明性の
変化が認められた試料については、室温での試料のヘー
ズ値(Ha)と80℃、10分間加熱後の試料のヘーズ
値(Hb)をスガ試験機(株)製“直読ヘーズコンピュ
ーターHGM−2DP”にて測定し、加熱前の試料のヘ
ーズ値に対するヘーズ増大率(H)を算出することで、
試料間の透明/不透明変化の程度の差を評価した(式
2)。 H(%)=(Hb−Ha)/Ha (式2) 温度応答性評価結果については表1にまとめた。
【0028】(温度応答性重合体(A)の合成)テフロ
ン撹拌羽根、ジムロートコンデンサー、窒素導入管を装
着した4つ口フラスコ・ N−イソプロピルアクリルア
ミド 4.9gとメチレンビスアクリルアミド0.1g
と純水 190mlを入れ、70℃に加熱した。窒素を
水溶液中にバブリングさせながら30分加熱撹拌し、溶
液中の溶存酸素を追い出した後、窒素雰囲気下で過硫酸
カリウム0.2gを純水10mlに溶解させた水溶液を
5分かけて滴下した。滴下終了後、70℃で6時間反応
させた後、室温で冷却し、固形分比2.3%の温度応答
性重合体(A)の白色水分散液を得た。
【0029】(温度応答性重合体(B)の合成)モノマ
ーとしてメチレンビスアクリルアミドのかわりにエチレ
ングリコールジアクリレート0.1gを用いた以外は温
度応答性重合体(A)と同様に反応を行い、室温で冷却
し、固形分比2.6%の温度応答性重合体(B)の白色
水分散液を得た。
【0030】(温度応答性重合体(C)の合成)モノマ
ーとしてN−イソプロピルアクリルアミド 5gのみを
用いた以外は温度応答性重合体(A)と同様に反応を行
い、室温で冷却し、固形分比2.7%の温度応答性重合
体(C)の透明水溶液を得た。
【0031】実施例1 コンデンサー付き4つ口フラスコにメチルスルホキシド
/純水の80:20(重量比)混合溶媒100gと温度
応答性重合体(A)の水分散液4.6g加え、撹拌しな
がらポリビニルアルコール“ゴーセノールNH−26”
(日本合成化学社製、ケン化度:99.4モル%以上、
分子量:約11500)11gを加えた。窒素雰囲気
下、オイルバスで140℃、2時間加熱した後、オイル
バスをはずし、約90℃になるまで反応溶液を冷却し
た。次に反応溶液を直径5cmのガラスシャーレーに厚
さ約5mmになるように流し込み、静置して室温まで冷
却し、さらに−20℃で一晩冷却した。固化したハイド
ロゲルサンプルを純水中に浸漬し、水を交換、浸漬の操
作を繰り返してジメチルスルホキシドを完全に水に置換
し、温度応答性材料を得た。
【0032】実施例2 ポリビニルアルコールをAldrich社製試薬グレー
ドのポリビニルアルコール(ケン化度:99モル%以
上、分子量:85000〜146000)に変更した以
外は実施例1記載の方法で温度応答性材料を得た。
【0033】実施例3 温度応答性重合体(A)の水分散液のかわりに温度応答
性重合体(B)の水分散液を用いた以外は実施例1記載
の方法で温度応答性材料を得た。
【0034】実施例4 ポリビニルアルコールを“ゴーセノールGH−20”
(日本合成化学社製、ケン化度:86.5〜89モル
%、分子量:約11500)に変更した以外は実施例1
記載の方法で材料を得た。
【0035】実施例5 ポリビニルアルコールを“ゴーセノールNL−05”
(日本合成化学社製、ケン化度:98.5モル%以上、
分子量:約22000)22gに変更した以外は実施例
1記載の方法で材料を得た。
【0036】比較例1 温度応答性重合体(A)を添加しない以外は実施例1記
載の方法で材料を得た。
【0037】比較例2 温度応答性重合体(A)を温度応答性重合体(C)に変
更した以外は実施例1記載の方法で材料を得た。実施
例、比較例で得られた結果を表1に示す。表1に示すと
おり、架橋された温度応答性重合体をハイドロゲルに混
合させた場合は、温度変化により可逆的な透過率変化が
生じることが判る。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明は、温度変化により光の透過率を
可逆的に変化させることができる温度応答性を有し、温
度応答性を長期間持続できるとともに製造の容易さ、お
よび加工性に優れた温度応答性材料を提供することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 101/14 101/14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度応答性を有する架橋された重合体と
    ハイドロゲルを含有することを特徴とする温度応答性材
    料。
  2. 【請求項2】 温度応答が光の透過率変化であることを
    特徴とする請求項1記載の温度応答性材料。
  3. 【請求項3】 温度応答性を有する架橋された重合体が
    N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド単量体、N−
    ビニル置換アミド単量体、およびビニルエーテル単量体
    のうちのいずれか1種の単量体と分子内に該単量体と重
    合可能な官能基を2個以上有する単量体から得られた重
    合体であることを特徴とする請求項1記載の温度応答性
    材料。
  4. 【請求項4】 N−アルキル置換(メタ)アクリルアミ
    ド単量体がN−イソプロピルアクリルアミドであること
    を特徴とする請求項3記載の温度応答性材料。
  5. 【請求項5】 ハイドロゲルがポリビニルアルコールを
    主成分とすることを特徴とする請求項1記載の温度応答
    性材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007231265A (ja) * 2006-02-06 2007-09-13 Mitsubishi Chemicals Corp 温度応答性高分子組成物

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