JPH10309881A - 書 籍 - Google Patents

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JPH10309881A
JPH10309881A JP13618997A JP13618997A JPH10309881A JP H10309881 A JPH10309881 A JP H10309881A JP 13618997 A JP13618997 A JP 13618997A JP 13618997 A JP13618997 A JP 13618997A JP H10309881 A JPH10309881 A JP H10309881A
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JP
Japan
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film
resin layer
sensitive adhesive
print
adhesive resin
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Application number
JP13618997A
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English (en)
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Hiroyuki Tanaka
田中裕之
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Gunze Ltd
Original Assignee
Gunze Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有機溶剤を用いずに印刷面の保護、耐ブロッキ
ング性、耐水性、耐油性の付与、美麗化等がなされた表
紙を有する、開けやすい書籍を提供すること。 【解決手段】書籍の表紙の構成要素を、印刷紙に基材フ
ィルム層と感熱接着性樹脂層の少なくとも二層からなる
プリントラミネート用フィルムが熱圧着されたプリント
ラミネート体とし、形態を、該プリントラミネート用フ
ィルムの上からけい線加工が施されたものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は熱圧着により印刷紙とラ
ミネートされたプリントラミネート用フィルムが表面に
ある、けい線加工が施された書籍に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷紙は、その印刷面の保護、耐ブロッ
キング性、耐水性、耐油性の付与、美麗化等の目的のた
め、その表面にプラスチックフィルムをラミネートして
使用される場合が多い。ラミネート方法としては、従来
は有機溶剤に溶解させた接着剤を用いてラミネートす
る、いわゆるドライラミが採用されていた。しかしなが
らこの方法では有機溶剤に起因する弊害、即ち火災の危
険性、作業者の健康面への影響、大気の汚染等の問題が
不可避であった。
【0003】そこで例えば特公平2−2411号公報の
ように、プラスチックフィルムを特定の複合ポリプロピ
レン系フィルムとし、熱圧着を特定の条件下で行うこと
により、有機溶剤や接着剤を用いずにラミネート体を得
る方法が提案された。
【0004】しかし、この方法で得られたラミネート体
を書籍の表紙としプリントラミネート用フィルムの上か
らけい線加工を施すと、印刷紙からフィルムが浮き上が
る現象が発生し、良好な製品とはならなかった。
【0005】また前記ラミネート体の保管温度が低温や
高温になった場合、プリントラミネート用フィルムのポ
リプロピレン系フィルム層と感熱接着性樹脂層との層間
剥離強度や、感熱接着性樹脂層と印刷紙との剥離強度が
不足するという問題もあった。そしてこのため、後加工
工程において問題が発生する場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題の一つは、有機溶剤を用いずに印刷面の保護、
耐ブロッキング性、耐水性、耐油性の付与、美麗化等が
なされた、開けやすい書籍を提供することにある。
【0007】もう一つの課題は、保管温度によらず層間
剥離強度と剥離強度に優れたプリントラミネート体を表
紙の構成要素とする、けい線加工が施された書籍を提供
することにある。
【0008】さらにもう一つの課題は、書籍の表紙を構
成する好適なプリントラミネート用フィルムを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する手
段として本発明は、書籍の表紙の構成要素を、印刷紙に
基材フィルム層と感熱接着性樹脂層の少なくとも二層か
らなるプリントラミネート用フィルムが熱圧着されたプ
リントラミネート体とし、該プリントラミネート用フィ
ルムの上からけい線加工が施された書籍であることを特
徴とする。
【0010】そして、前記プリントラミネート用フィル
ムの基材フィルム層と感熱接着性樹脂層との層間剥離強
度、及び感熱接着性樹脂層と印刷紙との剥離強度が10
〜50℃の温度範囲において共に100g/cm以上あ
ることを特徴とし、プリントラミネート用フィルムが、
感熱接着性樹脂層の厚みaとフィルムの総厚みbが数1
で示される範囲にあり、感熱接着性樹脂層を形成する樹
脂のねじり剛性率が15〜300Kgf/cm2の範囲
にあるフィルムであることを特徴とする。
【0011】
【数1】
【0012】さらに、プリントラミネート用フィルムの
基材フィルム層が二軸延伸ポリプロピレン系フィルム層
であることを特徴とし、プリントラミネート用フィルム
の感熱接着性樹脂層がエチレンを主成分とする共重合体
からなる層であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に詳述
する。
【0014】請求項1の発明は、書籍の表紙の構成要素
とその形態に関するものである。表紙の構成要素を、印
刷紙に基材フィルム層と感熱接着性樹脂層の少なくとも
二層からなるプリントラミネート用フィルムが熱圧着さ
れたプリントラミネート体とし、形態を、該プリントラ
ミネート用フィルムの上からけい線加工が施されたもの
とする。
【0015】プリントラミネート用フィルムは前記の少
なくとも二層からなるものであり、該二層の間にアンカ
ーコート層、接着剤層やその他の一層以上の中間層を設
けたもの、あるいは基材層の上に艶消し層や高光沢度樹
脂層等を設けたものも本発明のフィルム構成の範囲に入
る。
【0016】プリントラミネート用フィルムの基材フィ
ルム層は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、その他の熱
可塑性重合体からなるものであって、感熱接着性樹脂層
を形成する重合体より高融点の延伸もしくは無延伸フィ
ルム層であれば特に限定するものではない。基材フィル
ム層の厚みは特に制限はないが、通常10〜50ミクロ
ン厚程度のものが好んで用いられる。基材フィルム層表
面は、平滑で光沢を有する面であっても梨地で艶消し状
の面であってもよい。また基材フィルム層表面は必要に
応じコロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。
【0017】基材フィルム層に積層される感熱接着性樹
脂層は、熱圧着により印刷紙と積層するものものであれ
ば特に限定するものではない。例えば、エチレンを主成
分とする共重合体からなる層や、二塩基酸成分がテレフ
タル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等、グ
リコール成分がエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメ
タノール等のポリエステル樹脂からなる層が例示でき
る。感熱接着性樹脂層を基材フィルム層に積層する方法
は公知のいかなる方法を用いてもよい。
【0018】感熱接着性樹脂層表面は必要に応じ表面処
理を施してもよい。表面処理方法としては公知のいかな
る方法を用いてもよいが、とりわけ空気、窒素ガス、炭
酸ガス、アルゴン等の不活性ガスあるいはこれらの混合
ガス雰囲気下で行うコロナ放電処理が印刷紙との剥離強
度を高める上で有効である。
【0019】印刷紙とは、アート紙、コート紙、上質
紙、ボール紙等の表面に印刷が施されたものをいう。
【0020】印刷紙とプリントラミネート用フィルムと
からプリントラミネート体を得るための熱圧着方法は公
知のいかなる方法を用いてもよいが、加熱金属ロールと
ゴムロールとからなるピンチロールを用いる方法が簡便
でよい。
【0021】得られたプリントラミネート体はボール紙
等の補強紙と糊で合紙され表紙として製本される。そし
て高級書籍や絵本等、補強紙が分厚い場合にはプリント
ラミネート体の上からけい線加工が施される。けい線加
工とは図1に示したように書籍を開けやすくするために
表紙にくびれ部を設ける加工のことをいい、図2に示し
たようにテフロン加工を施した金型で加熱加圧すること
によりなされる。けい線加工は銀杏絞め加工あるいは溝
付け加工と呼ばれることもある。
【0022】書籍の表紙の構成要素とその形態を前記の
ようにすることにより、有機溶剤を用いずに表紙の印刷
面の保護、耐ブロッキング性、耐水性、耐油性の付与、
美麗化等がなされた、開けやすい書籍が得られる。
【0023】請求項2の発明は、基材フィルム層と感熱
接着性樹脂層との層間剥離強度及び感熱接着性樹脂層と
印刷紙との剥離強度に関するものである。連続したプリ
ントラミネート用フィルムと枚葉の印刷紙は熱圧着に引
き続き、ロータリーカッターでプリントラミネート用フ
ィルムの一端に切れ目を入れ次いで周速差のあるピンチ
ロール間で張力をかけることにより、もしくはカッター
で、自動的に1枚ずつ切り離され、ラミネート体粗製品
として架台に積み重ねられる。この際、基材フィルム層
と感熱接着性樹脂層との層間剥離強度や感熱接着性樹脂
層と印刷紙との剥離強度が弱いと所定の位置で切り離さ
れず、フィルム片が印刷紙からはみ出た状態になる。書
籍の表紙の場合、次工程で数百枚をきれいに揃えて積み
重ね所定の位置で断裁されるが、前記の如くフィルム片
がはみ出ていればはみ出たフィルム同士が折れ重なり滑
りが悪くなって端部がきれいに揃わないため、断裁の位
置が狂うという問題が発生する。また層間剥離強度や剥
離強度が弱いと、断裁部でフィルムが印刷紙から剥離し
たりフィルムの層間で剥離するという問題も発生する。
【0024】次いで1枚の印刷紙に二冊分以上の製品の
印刷が施されている場合はそれぞれに断裁される。次い
でボール紙等の補強紙と糊で合紙された後、表紙として
製本される。そしてけい線加工され最終製品となる。層
間剥離強度や剥離強度が弱いと各工程で問題が発生す
る。
【0025】加工時間上の制約や納期の点から、各工程
間で一晩から長い場合は数週間に渡って倉庫に半製品と
して積み重ねて保管され、その温度は冬場は0℃以下、
夏場は60℃以上になることもある。そしてその半製品
は作業場の室温に戻らないうちに次工程の加工をされる
ため、前記層間剥離強度や剥離強度は常温のみならず低
温域から高温域まで必要となる。必要とされる強度は、
好ましくは0〜60℃の温度範囲、通常10〜50℃の
温度範囲において、両者共100g/cm以上、好まし
くは170g/cm以上、さらに好ましくは250g/
cm以上である。
【0026】このような層間剥離強度、及び剥離強度に
することにより、冬場夏場に関係なく、けい線加工も含
め各工程において問題なく加工することができる。
【0027】請求項3の発明は、好ましいプリントラミ
ネート用フィルムに関するものである。プリントラミネ
ート用フィルムの感熱接着性樹脂層の厚みaとフィルム
の総厚みbとは数1で示される範囲にあることが望まし
い。0.20未満では基材フィルム層の硬さのためプリ
ントラミネート用フィルムも硬くなり、印刷紙と熱圧着
すると感熱接着性樹脂層が印刷紙表面の凹凸に充分食い
込めず、剥離強度が弱くなる傾向にあり、けい線加工に
おいても問題が発生しやすい傾向にある。0.75を超
える場合には感熱接着性樹脂層の柔らかさのためプリン
トラミネート用フィルムも軟らかくなりすぎて、プリン
トラミネート用フィルムの製造工程において紙管に巻き
上げる際に皺が入りやすい傾向にある。従って0.20
〜0.75、好ましくは0.25〜0.70、さらに好
ましくは0.30〜0.65の範囲にあることが望まし
い。
【0028】感熱接着性樹脂層は、ねじり剛性率が15
〜300Kgf/cm2の範囲にある樹脂からなる層で
あることが望ましい。15Kgf/cm2未満では感熱
接着性樹脂層が軟らかすぎるため、プリントラミネート
体の保管温度が高温の場合層間剥離強度や剥離強度が弱
くなる傾向にあり、けい線加工においても問題が発生し
やすい傾向にある。また表面の活性が悪いため該プリン
トラミネート用フィルムの製造工程において紙管に巻き
上げるときに皺が入りやすい傾向にある。300Kgf
/cm2 を超える場合は感熱接着性樹脂層が硬すぎる
ため、印刷紙と熱圧着すると感熱接着性樹脂層が印刷紙
表面の凹凸に充分食い込めず、剥離強度が弱くなる傾向
にある。またプリントラミネート体の保管温度が低温の
場合層間剥離強度や剥離強度がさらに弱くなる傾向にあ
る。
【0029】プリントラミネート用フィルムの製造上で
の制約と、層間剥離強度や剥離強度に優れ、けい線加工
等各加工性に優れたプリントラミネート体を得るという
両者を満足するためには、感熱接着性樹脂層を形成する
樹脂のねじり剛性率が15〜300Kgf/cm2 、
好ましくは25〜250Kgf/cm2 、さらに好ま
しくは30〜200Kgf/cm2 の範囲にあること
が望ましい。
【0030】感熱接着性樹脂層のねじり剛性率は、例え
ばエチレンを主成分とする共重合体の場合では、共重合
される単量体のモル分率(単量体が二種類以上の場合は
その合計のモル分率)や平均分子量にも依存するがそれ
だけではなく、ランダム性、分子量分布、分岐度、さら
には低分子量高単量体成分や高分子量低単量体成分の含
有量、組成比等にも大きく依存する。従って重合条件に
依るところが大きい。ポリエステル樹脂の場合では、二
塩基酸成分、グリコール成分、平均分子量、分子量分布
等に依存する。
【0031】請求項4の発明は、プリントラミネート用
フィルムの好ましい基材フィルム層に関するものであ
る。基材フィルム層を二軸延伸ポリプロピレン系フィル
ム層とすることにより、その優れた透明性、適度な腰、
優れた耐熱性のため、印刷紙の印刷が鮮明に見え、プリ
ントラミネート用フィルムが印刷紙の表面の凹凸に充分
食い込んだ、カールがないプリントラミネート体が容易
に得られる。
【0032】二軸延伸ポリプロピレン系フィルムの表面
が平滑な場合は光沢度が130以上、通常140以上あ
り光沢感に優れたプリントラミネート体が、また表面が
艶消し状の場合は光沢度が70以下、通常50以下でし
っとりと落ち着いた感じのするプリントラミネート体が
得られる。
【0033】請求項5の発明は、プリントラミネート用
フィルムの好ましい感熱接着性樹脂層に関するものであ
る。感熱接着性樹脂層を、エチレンを主成分とする共重
合体からなる層とすることにより、感熱接着性樹脂層が
印刷紙の表面の凹凸に充分食い込んだ、剥離強度に優れ
たプリントラミネート体が容易に得られる。
【0034】ここでいうエチレンを主成分とする共重合
体とは二元共重合体もしくはそれ以上の単量体を含む共
重合体のことである。エチレンと共重合される単量体と
しては、例えばプロピレン、ブテンー1、ヘキセンー1
等のαーオレフィン類、酢酸ビニル、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、アクリル酸等のビニル化合
物類や無水マレイン酸等をグラフト重合させたものが例
示できる。
【0035】
【実施例】次に本発明の代表的な実施例を挙げて説明す
る。
【0036】本発明において使用した物性値の測定方法
及び評価方法は次の通りである。
【0037】層間剥離強度は以下の方法により測定し
た。即ち書籍からプリントラミネート用フィルムを剥離
し、該フィルムの感熱接着性樹脂層面同士を130℃で
2Kg/cm2 ×1秒間ヒートシールした後引っ張っ
て基材フィルム層と感熱接着性樹脂層とに一部剥離する
ことにより掴み代を設ける。次いで基材フィルム層と感
熱接着性樹脂層とを引っ張り速度200mm/分で18
0度方向に剥離したときの強度を層間剥離強度とした。
値が大きいほどよく接着している。
【0038】剥離強度は、書籍の白地部分の紙とプリン
トラミネート用フィルムとを引っ張り速度200mm/
分で180度方向に剥離したときの強度である。値が大
きいほどよく接着している。
【0039】光沢度はJIS Z8741により入射角
度75度、受光角度75度で、書籍のプリントラミネー
ト体の白地部分を測定した。値が大きいほど光沢がよ
い。
【0040】けい線加工性の評価は、20冊の書籍をけ
い線加工し、全てが良好だったものを○、そうでないも
のを×とした。
【0041】ねじり剛性率はJIS K6730に準拠
して測定した。値が小さいほど軟らかい。
【0042】(実施例1)ポリプロピレンとねじり剛性
率が80Kgf/cm2 のエチレンー酢酸ビニル共重
合体の共押出しフィルム(厚みはポリプロピレン層が7
50ミクロン、エチレンー酢酸ビニル共重合体層が50
ミクロン)を135℃でロール延伸機にて縦方向に5倍
延伸し、160℃でテンターにて横方向に10倍延伸し
てフィルムを得た。次いでこのフィルム上に前記と同じ
エチレンー酢酸ビニル共重合体を厚みが15ミクロンに
なるように押出しラミし、ラミ面を空気中でコロナ放電
処理した。次いでこのフィルムをスリッター機で幅78
0mmに切断し紙管に巻き上げた。かくして得られたプ
リントラミネート用フィルムの総厚みは31ミクロン
で、このうち感熱接着性樹脂層(エチレンー酢酸ビニル
共重合体層)の厚みは16ミクロンであった。
【0043】(実施例2)実施例1で得たプリントラミ
ネート用フィルムと給紙機より連続的に繰り出された4
丁取りの図柄が印刷された枚葉のアート紙とを、該フィ
ルムをハードクロムメッキを施した表面が鏡面の径45
0Φ、温度125℃の加熱金属ロール側に配し、アート
紙を径320Φのゴムロール側に配し、該フィルムの感
熱接着性樹脂層面とアート紙の印刷面とが合わさるよう
にして、圧力60Kg/cm 、速度35m/分で熱圧
着し、引き続いてロータリーカッターでフィルムの一端
に切れ目を入れ、周速差のあるピンチロール間で張力を
かけることにより一枚ずつ切り離してプリントラミネー
ト体粗製品を得た。アート紙からはみ出たフィルムの長
さは全て0.5mm以内であった。
【0044】この粗製品500枚を揃えて積み重ね所定
の位置で断裁し、プリントラミネート体を得た。
【0045】(実施例3)実施例2で得たプリントラミ
ネート体を用いて、20冊分を補強紙と合紙し、製本
し、温度100℃、速度40m/分でテフロン加工を施
した鉄製の金型により幅3mm深さ2mmのけい線加工
を行ったところ、20冊全てが異常なく加工できた。こ
の書籍の物性値及び評価結果を表1に示す。
【0046】(比較例1)ねじり剛性率が10Kgf/
cm2 のエチレンー酢酸ビニル共重合体を用いた以
外、実施例1、実施例2、実施例3と同様にして書籍を
得た。物性値及び評価結果を表1に示す。表1(表2も
同様)において「フィルムの皺」とは、プリントラミネ
ート用フィルムをスリッター機で所定の幅に切断し紙管
に巻き上げたときの皺をいう。比較例1、比較例3はこ
の皺が熱圧着時にそのままプリントラミネート体に入
り、不良品となった。けい線加工性の評価が×とあるの
は、20冊の全てにアート紙からフィルムが浮き上がっ
た箇所が認められたからである。
【0047】(比較例2)ねじり剛性率が360Kgf
/cm2 のエチレンー酢酸ビニル共重合体を用いた以
外、実施例1、実施例2、実施例3と同様にして書籍を
得た。物性値及び評価結果を表1に示す。表1(表2も
同様)において「印刷紙からはみ出たフィルムの長さ」
とは、熱圧着後印刷紙を一枚ずつ切り離したときに印刷
紙からはみ出たフィルム片の長さをいう。比較例2はフ
ィルム片のはみ出しが長いため、きれいに揃えて積み重
ねることができなくて、所定の位置で断裁することがで
きなかった。そのため比較例2における断裁は一枚ずつ
行った。けい線加工性の評価が×とあるのは、20冊の
うち3冊にアート紙からフィルムが浮き上がった箇所が
認められたからである。
【0048】(実施例4)ポリプロピレンの押出しフィ
ルム(厚み750ミクロン)を135℃でロール延伸機
にて縦方向に5倍延伸し、該一軸延伸フィルム上に感熱
接着性樹脂層としてねじり剛性率が100Kgf/cm
2 のエチレンーアクリル酸メチル共重合体を厚み15
0ミクロンになるように押出しラミし、しかる後160
℃でテンターにて横方向に10倍延伸してフィルムを得
た。次いで感熱接着性樹脂層面を窒素ガス99.5vo
l%、酸素ガス0.5vol%の雰囲気下でコロナ放電
処理した。次いで、このフィルムをスリッター機で幅7
80mmに切断し紙管に巻き上げた。かくして得られた
プリントラミネート用フィルムの総厚みは30ミクロン
で、このうち感熱接着性樹脂層の厚みは15ミクロンで
あった。
【0049】このフィルムを用いて実施例2、実施例3
と同様にして書籍を得た。但し印刷紙として、印刷され
たコート紙を用いた。物性値及び評価結果を表2に示
す。
【0050】(比較例3)プリントラミネート用フィル
ムの感熱接着性樹脂層の厚みが55ミクロンになるよう
にした以外、実施例4と同様にして書籍を得た。物性値
及び評価結果を表2に示す。
【0051】(比較例4)プリントラミネート用フィル
ムの感熱接着性樹脂層の厚みが3ミクロンになるように
した以外、実施例4と同様にして書籍を得た。物性値及
び評価結果を表2に示す。けい線加工性の評価が×とあ
るのは、20冊のうち9冊にアート紙からフィルムが浮
き上がった箇所が認められたからである。層間剥離強度
が測定不能とあるのは、感熱接着性樹脂層の厚みが薄す
ぎて基材フィルム層と感熱接着性樹脂層とに剥離できな
かったためである。
【0052】
【実施例5】プロピレンーエチレンーブテンー1三元共
重合体とポリプロピレンとねじり剛性率が60Kgf/
cm2 のエチレンー酢酸ビニル共重合体がこの順序に
積層された三層共押出しフィルム(厚みはプロピレンー
エチレンーブテンー1共重合体層が250ミクロン、ポ
リプロピレン層が750ミクロン、エチレンー酢酸ビニ
ル共重合体層が750ミクロン)を135℃でロール延
伸機にて縦方向に5倍延伸し、160℃でテンターにて
横方向に10倍延伸して表面が艶消し状のフィルムを得
た。次いでエチレンー酢酸ビニル共重合体層面を窒素ガ
ス99.0vol%、酸素ガス0.5vol%、炭酸ガ
ス0.5vol%の雰囲気下でコロナ放電処理した。次
いでこのフィルムをスリッター機で幅780mmに切断
し紙管に巻き上げた。
【0053】かくして得られた表面が艶消し状のプリン
トラミネート用フィルムを用いて実施例2、実施例3と
同様にして書籍を得た。物性値及び評価結果を表2に示
す。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏す。
【0055】書籍の表紙の構成要素を、印刷紙に基材フ
ィルム層と感熱接着性樹脂層の少なくとも二層からなる
プリントラミネート用フィルムが熱圧着されたプリント
ラミネート体とし、形態を、該プリントラミネート用フ
ィルムの上からけい線加工が施されたものとすることに
より、印刷面の保護、耐ブロッキング性、耐水性、耐油
性の付与、美麗化等がなされた、開けやすい書籍が得ら
れる。
【0056】プリントラミネート体の基材フィルム層と
感熱接着性樹脂層との層間剥離強度、及び感熱接着性樹
脂層と印刷紙との剥離強度を共に10〜50℃の温度範
囲において100g/cm以上とすることにより、冬場
夏場に関係なく、けい線加工も含め各工程において問題
なく加工することができる。
【0057】プリントラミネート用フィルムの感熱接着
性樹脂層の厚みaとフィルムの総厚みbを数1で示され
る範囲とし、感熱接着性樹脂層を形成する樹脂のねじり
剛性率を15〜300Kgf/cm2 の範囲とするこ
とにより、プリントラミネート用フィルムを問題無く製
造することができ、層間剥離強度や剥離強度に優れ、け
い線加工等各加工性に優れたプリントラミネート体を得
ることができる。
【0058】プリントラミネート用フィルムの基材フィ
ルム層を二軸延伸ポリプロピレン系フィルム層とするこ
とにより、光沢度が130以上、通常140以上ある光
沢感に優れたプリントラミネート体、あるいは光沢度が
70以下、通常50以下のしっとりと落ち着いた感じの
するプリントラミネート体が容易に得られる。
【0059】プリントラミネート用フィルムの感熱接着
性樹脂層をエチレンを主成分とする共重合体からなる層
とすることにより、感熱接着性樹脂層が印刷紙の表面の
凹凸に充分食い込んだ、剥離強度に優れたプリントラミ
ネート体が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】けい線加工された書籍の斜視図である。
【図2】けい線加工の説明図である。
【符号の説明】
1 けい線加工部 2 書籍 3 けい線加工の金型
【表1】
【表2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】書籍の表紙の構成要素が、印刷紙に基材フ
    ィルム層と感熱接着性樹脂層の少なくとも二層からなる
    プリントラミネート用フィルムが熱圧着されたプリント
    ラミネート体であり、該プリントラミネート用フィルム
    の上からけい線加工が施されたことを特徴とする書籍。
  2. 【請求項2】プリントラミネート体が、基材フィルム層
    と感熱接着性樹脂層との層間剥離強度、及び感熱接着性
    樹脂層と印刷紙との剥離強度が共に10〜50℃の温度
    範囲において100g/cm以上のラミネート体である
    請求項1に記載の書籍。
  3. 【請求項3】プリントラミネート用フィルムが、感熱接
    着性樹脂層の厚みaとフィルムの総厚みbが数1で示さ
    れる範囲にあり、感熱接着性樹脂層を形成する樹脂のね
    じり剛性率が15〜300Kgf/cm2の範囲にある
    フィルムである請求項1に記載の書籍。 【数1】 0.20≦a/b≦0.75
  4. 【請求項4】プリントラミネート用フィルムの基材層が
    二軸延伸ポリプロピレン系フィルム層である請求項1に
    記載の書籍。
  5. 【請求項5】プリントラミネート用フィルムの感熱接着
    性樹脂層がエチレンを主成分とする共重合体からなる層
    である請求項1に記載の書籍。
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