JP2005306031A - 艶消し調のプリントラミネート体および艶消し調プリントラミネート体用積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】美麗さを損なわずに新しい艶消し調のプリントラミネート体を提供すること。
【解決手段】基材フィルムと印刷体が、接着剤又は熱接着性樹脂層を介し該印刷体の印刷面と向かい合わせで積層され、該基材フィルム面の60°−60°の光沢度が10〜30で、かつ20°−20°の光沢度が1.5〜5であることを特徴とする艶消し調のプリントラミネート体とすること。
【選択図】図1
【解決手段】基材フィルムと印刷体が、接着剤又は熱接着性樹脂層を介し該印刷体の印刷面と向かい合わせで積層され、該基材フィルム面の60°−60°の光沢度が10〜30で、かつ20°−20°の光沢度が1.5〜5であることを特徴とする艶消し調のプリントラミネート体とすること。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリントラミネート用フィルムおよびプリントラミネート体に関するものである。印刷を施した紙等の印刷物は、表面の保護、耐水・耐油性の付与、光沢感、マット感を与えて美麗化するなどの目的で印刷物等にフィルムを熱圧着または接着剤(溶剤貼りと称される)でラミネートしたものが多く、この用途に使われるフィルムを一般にプリントラミネート用フィルムと称し印刷物に該フィルムを貼り合わせたものをプリントラミネート体と称している。
プリントラミネート体を得る方法としては、接着剤を用いて紙と貼り合わせる溶剤貼りと熱可塑性樹脂フィルム層の上にアンカーコート剤を塗布しこのアンカーコート剤面にエチレン−酢酸ビニル共重合体などからなる熱接着性樹脂層を押出しラミネートし、ついでこのエチレン−酢酸ビニル共重合体などの接着性樹脂層の表面を酸化処理した後、この押出しラミネートされ酸化処理された熱接着層面と紙とを熱圧着し貼り合わせる熱プリントラミネート(例えば、特許文献1)とがあるが、近年環境問題への取り組みから熱プリントラミネート方式が増加しつつある。
また、これらのプリントラミネート体を大別すると光沢タイプ(例えば、特許文献2)とマットあるいは艶消しタイプ(例えば、特許文献3、4)の2つに分けられる。通常、光沢タイプと称されるプリントラミネート体の60°−60°の光沢度は70以上であり、マットタイプの60°−60°の光沢度は10未満である。光沢タイプの光沢度が70を下回ると美麗さが損なわれる。反対に艶消しタイプの光沢度が10以上になると外観ムラを発生しやすくなり、美麗な艶消し調が得られない問題がある。
実公平7−45551号公報(登録請求の範囲)
特公平5−28976号公報(第1頁第2欄第16〜22行目)
特公平3−28316号公報(第2頁第3欄第29〜37行目)
特公平3−54049号公報(第2頁第3欄第43〜第4欄第16行目)
本発明の目的は、上記従来の光沢タイプおよび艶消しタイプに加え、美麗さを損なわずに新しい艶消し調のプリントラミネート体及び艶消し調プリントラミネート体用ポリプロピレンフィルムを提供せんとするものである。
本発明は、基材フィルムと印刷体が、
(1)メルトフローレートが15〜80g/10分のエチレン系熱接着性樹脂層を介し印刷体の印刷面と向かい合わせで積層され、直交する2つの方向(方向1,2)から測定される該基材フィルム面の60°−60°の光沢度(光沢度1,2)がそれぞれ10〜30の範囲にあり、該光沢度1,2から下記(式1)により算出される光沢度差が20%以内であって、かつ、20°−20°の光沢度が1.5〜5であることを特徴とする艶消し調のプリントラミネート体
光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)・・・(式1)。
(1)メルトフローレートが15〜80g/10分のエチレン系熱接着性樹脂層を介し印刷体の印刷面と向かい合わせで積層され、直交する2つの方向(方向1,2)から測定される該基材フィルム面の60°−60°の光沢度(光沢度1,2)がそれぞれ10〜30の範囲にあり、該光沢度1,2から下記(式1)により算出される光沢度差が20%以内であって、かつ、20°−20°の光沢度が1.5〜5であることを特徴とする艶消し調のプリントラミネート体
光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)・・・(式1)。
(2)基材フィルムが少なくとも2層からなり、艶消し調の表面を形成する層がランダム状エチレンプロピレンコポリマー、ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー、ポリエチレン、ブロックコポリマーからなる群から選ばれた少なくとも2種以上を混合または共重合して得られたポリオレフィン系樹脂からなる層(I)であり、かつ、他の1層として、ポリプロピレンを主体とした層(II)を含んでなることを特徴とする(2)に記載の艶消し調のプリントラミネート体。
(3)層(II)を介して層(I)と反対側に、低融点ポリプロピレン系樹脂からなるバインデイング層(III)を層(II)と接触させるように設け、さらに層(III)を介して層(II)と反対側に、バインデイング層(III)と接触させるように熱接着性樹脂を押し出しラミネートした後、印刷体と貼り合わせることを特徴とする(1)または(2)に記載の艶消し調のプリントラミネート体。
(4)基材フイルムと熱接着性樹脂層とが積層されてなる、(1)〜(3)のいずれかに記載の艶消し調プリントラミネート体用積層体。
により達成される。
により達成される。
本発明は新規な光沢性を有するプリントラミネート体を提供するものであり、特に、光沢度の均一性が優れるためにブックカバー、ショッピングバッグ等に好適である。
基材フィルムに用いられる樹脂に特に制限はないが、耐折れ皺性、風合いの点でポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。基材フイルムの構成としては、ポリオレフインフイルムの単層フイルムであっても良いし、2層以上のポリオレフインフイルムであっても良いが、単層構成、あるいは多層構成の場合の主層はポリプロピレンであることが、耐熱性、機械特性の点で好ましい。
本発明において、該基材フイルムの表面は、直交する二つの方向(方向1,2)から観測される該基材面の60°−60°の光沢度1,2が10〜30であり、更に好ましくは15〜25である。また、該光沢度1,2の差が20%以内であることが必要であり、更に好ましくは15%以内である。ここで、前記光沢度の差(光沢度差:%)は次式によって表す。
・光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)。
・光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)。
光沢度、および光沢度差がこの範囲であると、光沢タイプのように印刷物の絵柄等の深み・色映えを維持しながら、艶消しタイプの様に光の強い反射を抑制した優しい外観を付与することができる。
ここで、前述の通り該フイルム面の光沢度60°−60°は、直交する二つの方向(方向1,2)から観測したものであるが、例えば印刷紙であれば長手方向と幅方向の直交する2つの方向である。特に、印刷紙の場合には、紙目、すなわち、抄紙した際に形成される紙の繊維が配向した方向と該方向に直交する二つの方向から観測することが好ましい。これは、この紙目と直交する方向では紙の地合がラミネートされた基材フイルムに影響を与えやすく、外観の異方性が出やすいためである。ことに60°−60°の光沢度が10〜30の範囲は地合、製造条件に敏感であり、予め形成された基材フイルムの均一性が高くとも光沢度のばらつきが大きくなり、外観が悪化するため、2つの互いに直交する方向から測定する光沢度差が20%以内とする必要があるのである。
更に、該表面の20°−20°の光沢度が1.5〜5であり、好ましくは2〜4である。該光沢度が低すぎても高すぎても印刷パターンが映えず、外観が悪化する。更に好ましくは同様の理由で2つの直交する2つの方向から測定される該20°−20°の光沢度差も20%以内であることが好ましい。
このような艶消し表面を形成するためには、ポリプロピレンフイルム表面をサンドブラスト処理したり、溶融成型時にサンドブラスト処理された冷却ロール上に押圧することで、該サンドブラストパターンを転写したりすることが可能であるが、より好ましい方法としては、基材フィルムの構成に用いられるポリオレフィン系樹脂からなる層(I)としてランダム状エチレンプロピレンコポリマー、プロピレン、エチレンプロピレンラバー、エチレン、ゴム成分からなる群から選ばれた少なくとも2種以上を混合または共重合して得られたポリオレフィン系樹脂をポリプロピレンを主体とした層(II)に積層し、2軸延伸することが好ましい。
かかる構成とすることにより、本発明のこれにより、目的とする60゜−60゜の光沢度が10〜30で、かつ20゜−20゜の光沢度が1.5〜5となる艶消し調表面を効果的に得ることができる。
層(I)を構成する樹脂としては、より詳しくは、ポリエチレン15〜35重量%、エチレンプロピレンラバー3〜10重量%、ブロックコポリマー1〜5重量%、ランダム状エチレンプロピレンコポリマー60〜90重量%を混合したものやポリプロピレン60〜90重量%、ゴム成分10〜40重量%を共重合させたブロックコポリマーが好ましく、特に好ましくは、エチレンプロピレンブロック共重合体が優れている。具体的にはサンアロマー社製PC684S、三井化学製ノーブレン(登録商標)F224Vが例示される。特に本発明の光沢度を得るためには、層(I)の厚みは1〜5μmの範囲であることが好ましく、更に好ましくは2〜4μmである。
基材フィルムの内ポリプロピレンを主体とした層(II)は、融点が155〜164℃、更に好ましくは157〜162℃の範囲であると、ラミネート時の耐熱性とフイルムの成形性に優れるので好ましく、更にテトラリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜2.5dl/g、更に好ましくは1.5〜2.0dl/gの範囲のものが機械特性と熱収縮性のバランスが良いので好ましい。
該層(II)はポリプロピレン樹脂以外の第2成分、例えばプロピレンを主体としてエチレン、ブテン、ヘキセン、ペンテン等をランダムおよび/またはブロック状に共重合した樹脂を含んでいても良く、このような共重合樹脂を3〜15重量%程度含んでいるとポリプロピレン固有の球晶生成が抑制されて、層(II)のクリアー感を増すことができ、より艶消し調の深みを増すことができるので好ましい。
上述の基材フイルムは熱接着層を介して印刷体の印刷面と貼り合わされる。前述の様に、従来の接着剤貼りの方式では接着剤を塗布するために有機溶媒を用いるため環境への影響が問題となる。一方、熱接着方式ではこうした問題を解決することができる。
また、従来該熱接着性樹脂層を基材フイルムと接着させるためにイソシアネート系樹脂等のいわゆるアンカーコート層を設ける方法が標準的であるが、同様に該アンカーコート層を塗布するために有機溶媒を使用する必要があるため環境問題への影響がある。このため、該熱接着層と基材フィルムとを接着させるために、低融点ポリプロピレン系樹脂からなるバインデイング層(III)を該基材フイルムの艶消し表面の反対側に設けておくことで、アンカーコート層が不要となるので好ましい。該層(III)は熱接着性樹脂との接着を良好とする上で、融点が120〜145℃、好ましくは125〜140℃のポリプロピレン樹脂層であることが好ましい。バインデイング層(III)を設けた場合もそれらを含めて基材フィルムと表す。
こうした低融点のポリプロピレン系樹脂としては、具体的にはプロピレンを主体とし、エチレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のαオレフィンから選ばれたコモノマーを共重合した樹脂が好ましく、特に好ましくは、エチレン、ブテン、プロピレンの三元共重合体樹脂が好ましく、具体的には住友化学製”ノーブレン”WF345V等が例示される。
また、本発明に用いられる基材フィルムには、公知の添加剤、例えば結晶核剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤などが添加されていても良い。更に、プリントラミネート体とした後、箔押しなどの2次加工がある場合に備えてポリオレフィン系樹脂からなる層(I)の表面を酸化処理(コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理など)するのが好ましい。
本発明における基材フィルムの厚みは、10〜40μmが好ましく、より好ましくは12〜35μmである。
次いで、基材フィルムのポリオレフィン系樹脂からなる層(I)と反対側に、ポリプロピレンを主体とした層(II)の上にアンカーコート剤を塗布、またはバインデイング層(III)樹脂を押し出し積層した面に熱接着性樹脂を押し出しラミネートし、この積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)と印刷体を貼り合わせることを特徴としているが、アンカーコート層は溶剤を使わないバインデイング層樹脂を用いるのが環境の上で好ましい。
さらに、艶消し調のプリントラミネート体を得る方法として、基材フィルムのポリプロピレンを主体とした層(II)に接着剤を塗布する接着剤貼り方式もあるが、環境への影響から熱接着方式が好ましい。一方、熱接着性樹脂層を基材フィルムに積層する方法は、バインデイング層(III)を設けた、アンカーコート剤を使わない方式が環境の上で特に好ましい。バインデイング層(III)と熱接着性樹脂層(V)の接着力を強固にするため層間樹脂層(IV)をバインデイング層(III)と熱接着性樹脂層(V)の間に設けることが好ましい。
なお、層間樹脂はエチレン系共重合体樹脂であることが層間接着力を強くする上で好ましく、メルトフローレートが熱接着性樹脂と同様な15〜80g/10分範囲にあるランダム状エチレンプロピレンコポリマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体が押し出しラミ加工を安定させる上で特に好ましい。
また、熱接着性樹脂はエチレン系共重合体樹脂であることが接着力性を良好とする上で必要であり、そのメルトフローレートは15〜80g/10分であり、好ましくは20〜60g/10分である。メルトフローレートが低すぎるとラミネートした際に印刷体との接着界面に微細な空隙が生じて外観不良をもたらしたり、あるいは空隙を無くすためにラミネート時の圧力を上げた場合に艶消し調の外観が損なわれてしまう。一方、メルトフローレートが高すぎると成形性が悪化する。この結果、前記の直交する2方向から観測される60°−60°光沢度1,2が20%以内とすることができなくなる。
このようなエチレン系共重合体樹脂としては、具体的にはエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。その融点は70〜100℃であることが好ましく、より好ましくは75〜90℃であると接着性、取り扱い性が良好となるので好ましい。該熱接着性樹脂層には公知の添加剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、ブロッキング防止剤などが添加されていても良く、更に、接着力を上げるために熱接着性樹脂面を酸化処理するのが好ましく、該表面の濡れ張力は38mN/m以上になるように表面処理するのが好ましい。
基材フィルムと印刷体を貼り合わせる温度が90℃から140℃の範囲であることが、艶消し調のプリントラミネート体を得る上で好ましい。
貼り合わせる温度を90℃未満とした場合、プリントラミネート体として重要な基材フィルムと印刷体との接着力が劣り剥がれが生じる恐れがある。また、貼り合わせる温度が140℃を超えるとプリントラミネート体が光沢感を増し、目的とする艶消し調が得ることが困難になる。
なお、基材フィルムの層(II)または、バインデイング層(III)に熱接着性樹脂および/または層間樹脂を積層する方法は、特に限定されるものではないが、押出しラミネート機から熱接着性樹脂層を押出しする押出しラミネート法が、延伸により結晶化が進み融点が上昇するのを防ぐのに好ましい。この時、熱接着性樹脂層の表面を凹凸状、表面粗さとしてRzが1〜6μmにするのが、すべり性、対ブロッキング性、シワ発生防止の点で好ましい。
表面粗さRzを1μm未満とした場合、すべり性、対ブロッキング性が悪化し、6μmを越えると艶消し調プリントラミネート用ポリプロピレンフィルムとして巻き取る時にシワが発生する可能性が高くなる。
以下に本発明の艶消し調のプリントラミネート体の製造方法について述べるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
ポリプロピレンを主体とした層(II)を構成するポリプロピレン系樹脂を押出機Aに、ランダム状エチレンプロピレンコポリマー、ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー、ポリエチレン、ブロックコポリマーからなる群から選ばれた少なくとも2種以上を混合または共重合して得られた樹脂を押出機Bに、バインデイング層として低融点ポリプロピレン系樹脂を押出機Cにそれぞれ供給し、溶融ポリマを口金内で積層し、隙間より吐出し、20〜60℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シートを得る。該シートを120〜160℃に加熱されたオーブン中に導き予熱後、3〜6倍長手方向に延伸後冷却し、一軸延伸フィルムとし、次いで140〜170℃に加熱されたテンターに導き、幅方向に7〜12倍に延伸し、さらに140〜165℃で数%リラックスさせながら熱処理する。次いで端部をカット除去後巻き取り、ロール状のポリプロピレン系二軸延伸フィルムを得る。
次に、熱接着性樹脂を構成する樹脂として、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン系共重合体樹脂を準備して、押出機Dから押出し、前記フィルムのバインデイング層(III)(低融点ポリプロピレン系樹脂層)と該共重合体が接する様に冷却ドラム上で貼り合わせ冷却される。この際に該熱接着性樹脂層を形成する樹脂を冷却ドラム上で直接冷却すると同時に該ドラムに予め形成したエンボスパターンあるいはサンドブラストパターンを転写させ、該樹脂層表面に凹凸を形成するのが後工程のハンドリング性を向上させることが出来るので好ましい。次いで、両端エッジ部分をカットした後、熱接着性樹脂層表面にコロナ放電処理、オゾン処理またはフレーム処理等を施した後にロール状に巻き取る。
この様にして得られた積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)は、専用のプリントラミネート機で金属ロール温度90〜140℃、金属ロールとゴムロール間の線圧15〜150kg/cm、速度15〜50m/分の条件下で印刷紙と貼り合わされ、プリントラミネート体となる。
次に、本発明で使用した用語定義及び測定方法を以下に述べる。
(1)融点
走査型差動熱量計(DSC:セイコー社製 RDC220)を用いて、窒素雰囲気下で10mgの試料を10℃/分の速度で30℃から280℃まで昇温させたときの得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度(℃)。
走査型差動熱量計(DSC:セイコー社製 RDC220)を用いて、窒素雰囲気下で10mgの試料を10℃/分の速度で30℃から280℃まで昇温させたときの得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度(℃)。
(2)エチレンの濃度
ランダム状エチレンプロピレンコポリマーのエチレン濃度は、試料をプレスシート化し、赤外分光光度計を使用してエチレンの吸光度を求め、予め作成した標準シートの吸光度と比較してエチレンの濃度を求める。
ランダム状エチレンプロピレンコポリマーのエチレン濃度は、試料をプレスシート化し、赤外分光光度計を使用してエチレンの吸光度を求め、予め作成した標準シートの吸光度と比較してエチレンの濃度を求める。
(3)極限粘度[η]
ASTM D 1601に従って、テトラリン中で測定したもので、dl/g単位で表す。
ASTM D 1601に従って、テトラリン中で測定したもので、dl/g単位で表す。
(4)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210の条件にしたがって測定する。但し、
ポリプロピレン系樹脂 230℃ 2.16kgf
ポリエチレン系樹脂 190℃ 2.16kgf
とする。
JIS K 7210の条件にしたがって測定する。但し、
ポリプロピレン系樹脂 230℃ 2.16kgf
ポリエチレン系樹脂 190℃ 2.16kgf
とする。
(5)表面粗さRz(十点平均粗さ)
JIS B−0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「三次元微細形状測定器(ET−30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA−11)」を用いて測定した。
JIS B−0601(1982)により、株式会社小坂研究所製「三次元微細形状測定器(ET−30HK)」及び「三次元粗さ分析装置(MODEL SPA−11)」を用いて測定した。
詳細条件は以下の通り。
測定長:1mm
横倍率:200倍
縦倍率:5000倍
カットオフ:0.25mm
横方向送り速度:0.1mm/秒
長さ方向送りピッチ:10μm
長さ方向送り数:30回
測定方向:フィルムの幅方向
(6)濡れ張力
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液によるJIS K 6768に規定された測定方法に基づいて測定する。
横倍率:200倍
縦倍率:5000倍
カットオフ:0.25mm
横方向送り速度:0.1mm/秒
長さ方向送りピッチ:10μm
長さ方向送り数:30回
測定方向:フィルムの幅方向
(6)濡れ張力
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液によるJIS K 6768に規定された測定方法に基づいて測定する。
(7)光沢度
スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角20°受光角20°および入射角60°受光角60°の2点を測定する。
スガ試験機株式会社製 デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて入射角20°受光角20°および入射角60°受光角60°の2点を測定する。
また、光沢度差の測定については、図3に示すようにラミネート体(7)面に2つ の直交する2つの測定方向(13,14)を設定して、それぞれの軸について入射角60°、受光角60°で測定し、式1に基づいて算出する。
・光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)・・・(式1)。
・光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)・・・(式1)。
尚、直交する2つの軸の一方は紙目に一致させるが、紙目が判定できないときは、任意軸を設定した後に30°ずつ測定軸を面内で回転させて3回測定し、式1に基づいて得られた値の最大値を採用する。
(8)プリントラミネート特性
熱圧着プリントラミネート用フィルムとなる積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)とブックカバー用に印刷された印刷紙面とを100℃に加熱した金属鏡面ロール(300mmφ)で線圧30kg/cm、30m/分の速度で熱圧着ラミネートし、プリントラミネート体を得る。
熱圧着プリントラミネート用フィルムとなる積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)とブックカバー用に印刷された印刷紙面とを100℃に加熱した金属鏡面ロール(300mmφ)で線圧30kg/cm、30m/分の速度で熱圧着ラミネートし、プリントラミネート体を得る。
イ 接着力
得られたラミネート体を熱圧着ラミネート後、温度25℃、湿度50%RHの雰囲気で1日間エージングする。
得られたラミネート体を熱圧着ラミネート後、温度25℃、湿度50%RHの雰囲気で1日間エージングする。
その後、フィルムと印刷紙面との層間接着力を引っ張り試験機を用い200mm/分の速度でフィルムが折りたためられる角度(0°)で剥離し、その剥離強度をg/15mmで表す。
ロ 外観
得られたプリントラミネート体の外観を直ちに目視にて評価した結果を以下の用にランク分けした。
○:マットムラや未溶融物、残存エアーが無く印刷色が鮮明に見える。
△:マットムラは無いものの、細かい残存エアーが見える。印刷色は、ほぼ鮮明に見える。
×:マットムラがあったり、マット観が完全に消滅している。
得られたプリントラミネート体の外観を直ちに目視にて評価した結果を以下の用にランク分けした。
○:マットムラや未溶融物、残存エアーが無く印刷色が鮮明に見える。
△:マットムラは無いものの、細かい残存エアーが見える。印刷色は、ほぼ鮮明に見える。
×:マットムラがあったり、マット観が完全に消滅している。
ハ 直交する2つの方向の光沢度
印刷紙の紙目と平行な方向から測定する光沢度1と該方向と直交する光沢度2を前述の光沢度の測定方法によって測定した。
印刷紙の紙目と平行な方向から測定する光沢度1と該方向と直交する光沢度2を前述の光沢度の測定方法によって測定した。
以下に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
基材フィルムのポリプロピレンを主体とした層(II)として、極限粘度[η]が2.1dl/g、MFRが2.2g/10分、ポリプロピレン樹脂を押出機Aに、ポリオレフィン系樹脂からなる層(I)としてMFRが6.0g/10分のブロック状エチレンプロピレン共重合体(bEPC:サンアロマー社製PC684S)を押出機Bに、バインデイング層(III)として、極限粘度[η]が1.6dl/g、MFRが8.0g/10分のエチレン成分3.5重量%、ブテン成分4.0重量%のエチレンプロピレンブテン3元共重合体(EPBC)樹脂(住友化学製ノーブレン(登録商標)WF345S、融点:136℃)を押出機Cに供給し、それぞれ240〜280℃で溶融押出し、T型口金内で積層後、該口金の隙間より吐出し、30℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シートを得た。
基材フィルムのポリプロピレンを主体とした層(II)として、極限粘度[η]が2.1dl/g、MFRが2.2g/10分、ポリプロピレン樹脂を押出機Aに、ポリオレフィン系樹脂からなる層(I)としてMFRが6.0g/10分のブロック状エチレンプロピレン共重合体(bEPC:サンアロマー社製PC684S)を押出機Bに、バインデイング層(III)として、極限粘度[η]が1.6dl/g、MFRが8.0g/10分のエチレン成分3.5重量%、ブテン成分4.0重量%のエチレンプロピレンブテン3元共重合体(EPBC)樹脂(住友化学製ノーブレン(登録商標)WF345S、融点:136℃)を押出機Cに供給し、それぞれ240〜280℃で溶融押出し、T型口金内で積層後、該口金の隙間より吐出し、30℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シートを得た。
該シ−トを145℃に加熱されたオーブン中に導き予熱後、135℃で5倍長手方向に延伸後し一軸延伸フィルムとした。次いで165℃に加熱されたテンタ−に導き、幅方向に10倍に延伸し、さらに155℃で5%リラックスを許しながら熱処理した。次いで冷却ロール上で冷却し端部をカット除去後巻き取り、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP1)を得た。該フィルムの全厚みは15μmであり、ポリオレフィン系樹脂からなる層(I)とポリプロピレンを主体とした層(II)とバインデイング層(III)の層構成は、3μm/11μm/1μmである。
次いで、熱接着性樹脂として酢酸ビニル共重合量25重量%、MFR15g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を押し出し機Dに供給し、240℃にてTダイよりシート状に溶融押出し、先に得られたOPP1層と共に25℃に保たれた冷却ドラム上にニップロールで抑えながら冷却し、OPP1層とEVAとが一体となった積層フィルムとした。冷却ドラムはサンドブラスト表面加工が施されて折り、ニップロールの押し付け圧力により該EVA樹脂層には最大3〜4μmの表面凹凸が形成された。該積層フィルムは、更に、エッジ部分をカットした後コロナ放電処理をしてロール状に巻き取った。
こうして得られた積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)の二軸延伸ポリプロピレンフィルムとEVA層の厚み構成は、15μm/13μmであり、EVA層面の濡れ張力は43mN/mであった。
該積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)を浜松製作所製の専用プリントラミネーター機に装着し、他方から印刷紙を挿入し該基材フィルムのEVA層面と印刷紙を金属ロールとゴムロール間で熱圧着し貼り合わせた。この時、金属ロールの温度は110℃で、貼り合わせ速度は25m/分、金属ロールとゴムロール間の線圧は65kg/cmであった。得られたプリントラミネート体を図1に示す。
得られたプリントラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は18,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は16で、かつ20°−20°の光沢度1は3、光沢度2は2と良好な艶消し調のプリントラミネート体であった。
また、基材フィルムと印刷紙間の接着力は420g/15mmと問題なく、外観も良好であった。
(実施例2)
実施例1において、熱接着性樹脂としてエチルアクリレート共重合量25重量%、MFR41g/10分のエチレン−エチルアクリレート樹脂を使用し、とした以外は実施例1と同様にして積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)を得た。
実施例1において、熱接着性樹脂としてエチルアクリレート共重合量25重量%、MFR41g/10分のエチレン−エチルアクリレート樹脂を使用し、とした以外は実施例1と同様にして積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)を得た。
実施例1と同様のラミネート条件で印刷紙と貼り合わせプリントラミネート体を得た。得られたプリントラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は18,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は17で、かつ20°−20°の光沢度1は3、光沢度2は3と良好な艶消し調のプリントラミネート体であった。
また、基材フィルムと印刷紙間の接着力は620g/15mmと優れており、外観も良好であった。
(実施例3)
実施例1において、バインデイング層(III)の無い層構成としてポリオレフィン系樹脂からなる層(I)とポリプロピレンを主体とした層(II)とし、層(II)にコロナ放電処理を施した以外は実施例1と同様にして二軸延伸プロピレンフィルム(OPP2)を得た。なお、厚み構成は、3μm/12μmである。
実施例1において、バインデイング層(III)の無い層構成としてポリオレフィン系樹脂からなる層(I)とポリプロピレンを主体とした層(II)とし、層(II)にコロナ放電処理を施した以外は実施例1と同様にして二軸延伸プロピレンフィルム(OPP2)を得た。なお、厚み構成は、3μm/12μmである。
次いで、熱接着性樹脂として酢酸ビニル共重合量25重量%、MFR15g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を押し出し機Dに供給し、240℃にてTダイよりシート状に溶融押出し、先に得られたOPP2の(II)層面にアンカーコート剤を塗布した後、アンカーコート層面とEVA面を共に25℃に保たれた冷却ドラム上にニップロールで抑えながら冷却し、OPP2層とEVAとが一体となった積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)とした。
次いで、実施例1と同様の条件でプリントラミネートした。得られたプリントラミネート体を図2に示す。得られたプリントラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は20,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は17で、かつ20°−20°の光沢度1は4、光沢度2は3と良好な艶消し調であり、剥離強度、外観も同様なものであった。
(比較例1)
実施例1において、熱接着性樹脂層として、酢酸ビニル共重合量25重量%、MFR8g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を用いた同様にしてプリントラミネート体を得た。こうして得られたラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は25,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は19であり、外観に斑があった。また、接着力は100g/15mmと低かった。
実施例1において、熱接着性樹脂層として、酢酸ビニル共重合量25重量%、MFR8g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を用いた同様にしてプリントラミネート体を得た。こうして得られたラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は25,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は19であり、外観に斑があった。また、接着力は100g/15mmと低かった。
(比較例2)
実施例1において、熱接着性樹脂層として、酢酸ビニル共重合量20重量%、MFR100g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を用いた以外は同様にしえプリントラミネート体を得た。この樹脂をもちいた場合は、積層体(基材フイルムと熱接着性樹脂層との積層体)に押出ラミネートする際に厚み斑を生じやすく、結果として得られたプリントラミネート体も光沢斑が多く観察された。
実施例1において、熱接着性樹脂層として、酢酸ビニル共重合量20重量%、MFR100g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を用いた以外は同様にしえプリントラミネート体を得た。この樹脂をもちいた場合は、積層体(基材フイルムと熱接着性樹脂層との積層体)に押出ラミネートする際に厚み斑を生じやすく、結果として得られたプリントラミネート体も光沢斑が多く観察された。
(実施例4)
基材フィルムのポリプロピレンを主体とした層(II)として、極限粘度[η]が2.1dl/g、MFRが2.2g/10分、ポリプロピレン樹脂を押出機Aに、ポリオレフィン系樹脂からなる層(I)としてMFRが6.0g/10分のブロック状エチレンプロピレン共重合体(bEPC:サンアロマー社製PC684S)を押出機Bに、バインデイング層(III)として、極限粘度[η]が1.6dl/g、MFRが8.0g/10分のエチレン成分3.5重量%、ブテン成分4.0重量%のエチレンプロピレンブテン3元共重合体(EPBC)樹脂(住友化学製ノーブレン(登録商標)WF345S、融点:136℃)を押出機Cに供給し、それぞれ240〜280℃で溶融押出し、T型口金内で積層後、該口金の隙間より吐出し、30℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シートを得た。
基材フィルムのポリプロピレンを主体とした層(II)として、極限粘度[η]が2.1dl/g、MFRが2.2g/10分、ポリプロピレン樹脂を押出機Aに、ポリオレフィン系樹脂からなる層(I)としてMFRが6.0g/10分のブロック状エチレンプロピレン共重合体(bEPC:サンアロマー社製PC684S)を押出機Bに、バインデイング層(III)として、極限粘度[η]が1.6dl/g、MFRが8.0g/10分のエチレン成分3.5重量%、ブテン成分4.0重量%のエチレンプロピレンブテン3元共重合体(EPBC)樹脂(住友化学製ノーブレン(登録商標)WF345S、融点:136℃)を押出機Cに供給し、それぞれ240〜280℃で溶融押出し、T型口金内で積層後、該口金の隙間より吐出し、30℃に保たれたキャスティングドラム上に巻付けて冷却固化して、未延伸シートを得た。
該シ−トを145℃に加熱されたオーブン中に導き予熱後、135℃で5倍長手方向に延伸後し一軸延伸フィルムとした。次いで165℃に加熱されたテンタ−に導き、幅方向に10倍に延伸し、さらに155℃で5%リラックスを許しながら熱処理した。次いで冷却ロール上で冷却し端部をカット除去後巻き取り、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP1)を得た。該フィルムの全厚みは15μmであり、ポリオレフィン系樹脂からなる層(I)とポリプロピレンを主体とした層(II)とバインデイング層(III)の層構成は、3μm/11μm/1μmである。
次いで、層間樹脂と熱接着性樹脂として酢酸ビニル共重合量25重量%、MFR15g/10分のエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を押し出し機DとEに供給し、240℃にてTダイよりシート状に溶融押出し、先に得られたOPP1層と共に25℃に保たれた冷却ドラム上にニップロールで抑えながら冷却し、OPP1層とEVAとが一体となった積層フィルムとした。冷却ドラムはサンドブラスト表面加工が施されて折り、ニップロールの押し付け圧力により該EVA樹脂層には最大3〜4μmの表面凹凸が形成された。該積層フィルムは、更に、エッジ部分をカットした後コロナ放電処理をしてロール状に巻き取った。
こうして得られた積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)の二軸延伸ポリプロピレンフィルムとEVA層の厚み構成は、15μm/13μmであり、EVA層面の濡れ張力は43mN/mであった。
該積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)を浜松製作所製の専用プリントラミネーター機に装着し、他方から印刷紙を挿入し該積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)のEVA層面と印刷紙を金属ロールとゴムロール間で熱圧着し貼り合わせた。この時、金属ロールの温度は110℃で、貼り合わせ速度は25m/分、金属ロールとゴムロール間の線圧は65kg/cmであった。
得られたプリントラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は18,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は16で、かつ20°−20°の光沢度1は3、光沢度2は2と良好な艶消し調のプリントラミネート体であった。
また、基材フィルムと印刷紙間の接着力は420g/15mmと問題なく、外観も良好であった。
(実施例5)
実施例1において、熱接着性樹脂としてエチルアクリレート共重合量25重量%、MFR41g/10分のエチレン−エチルアクリレート樹脂(EEA)を使用し、二軸延伸プロピレンフィルムと層間樹脂EVA層とEEA層の厚み構成を、15μm/1μm/12μmとした以外は実施例1と同様にして積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)を得た。
実施例1において、熱接着性樹脂としてエチルアクリレート共重合量25重量%、MFR41g/10分のエチレン−エチルアクリレート樹脂(EEA)を使用し、二軸延伸プロピレンフィルムと層間樹脂EVA層とEEA層の厚み構成を、15μm/1μm/12μmとした以外は実施例1と同様にして積層体(基材フィルムと熱接着性樹脂層との積層体)を得た。
実施例1と同様のラミネート条件で印刷紙と貼り合わせプリントラミネート体を得た。得られたプリントラミネート体を図4に示す。得られたプリントラミネート体の基材フィルム面の60°−60°の光沢度は紙目に平行な方向から測定されたもの(光沢度1)は18,該方向に直交する方向の光沢度(光沢度2)は17で、かつ20°−20°の光沢度1は3、光沢度2は3と良好な艶消し調のプリントラミネート体であった。
また、基材フィルムと印刷紙間の接着力は620g/15mmと優れており、外観も良好であった。
1:ポリオレフィン系樹脂層(I)
2:ポリプロピレンを主体とした層(II)
3:バインデイング層(低融点ポリプロピレン系樹脂層)(III)
4:熱接着性樹脂層(V)
5:印刷層
6:印刷紙
7:プリントラミネート体
8:基材フィルム
9:印刷体
10:接着剤
11:印刷面
12:基材フィルム面
13:光沢度の測定方向1
14:測定方向1に直交する光沢度の測定方向2
15:測定方向1に平行でプリントラミネート体面に垂直な面
16:入射角(面15の面内)
17:測定角(面15の面内)
18:プリントラミネート体7に垂直な軸
19:層間樹脂層(IV)
2:ポリプロピレンを主体とした層(II)
3:バインデイング層(低融点ポリプロピレン系樹脂層)(III)
4:熱接着性樹脂層(V)
5:印刷層
6:印刷紙
7:プリントラミネート体
8:基材フィルム
9:印刷体
10:接着剤
11:印刷面
12:基材フィルム面
13:光沢度の測定方向1
14:測定方向1に直交する光沢度の測定方向2
15:測定方向1に平行でプリントラミネート体面に垂直な面
16:入射角(面15の面内)
17:測定角(面15の面内)
18:プリントラミネート体7に垂直な軸
19:層間樹脂層(IV)
Claims (4)
- 基材フィルムと印刷体が、メルトフローレートが15〜80g/10分のエチレン系熱接着性樹脂層を介し印刷体の印刷面と向かい合わせで積層され、直交する2つの方向(方向1,2)から測定される該基材フィルム面の60°−60°の光沢度(光沢度1,2)がそれぞれ10〜30の範囲にあり、該光沢度1,2から下記(式1)により算出される光沢度差が20%以内であって、かつ、20°−20°の光沢度が1.5〜5であることを特徴とする艶消し調のプリントラミネート体。
光沢度差=[|光沢度1−光沢度2|/(光沢度1+光沢度2)]×200(%)・・・(式1) - 基材フィルムが少なくとも2層からなり、艶消し調の表面を形成する層がランダム状エチレンプロピレンコポリマー、ポリプロピレン、エチレンプロピレンラバー、ポリエチレン、ブロックコポリマーからなる群から選ばれた少なくとも2種以上を混合または共重合して得られたポリオレフィン系樹脂からなる層(I)であり、かつ、他の1層として、ポリプロピレンを主体とした層(II)を含んでなることを特徴とする請求項1記載の艶消し調のプリントラミネート体。
- 層(II)を介して層(I)と反対側に、低融点ポリプロピレン系樹脂からなるバインデイング層(III)を層(II)と接触させるように設け、さらに層(III)を介して層(II)と反対側に、バインデイング層(III)と接触させるように熱接着性樹脂を押し出しラミネートした後、印刷体と貼り合わせることを特徴とする請求項1または2に記載の艶消し調のプリントラミネート体。
- 基材フィルムと熱接着性樹脂層とが積層されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の艶消し調プリントラミネート体用積層体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005091132A JP2005306031A (ja) | 2004-03-26 | 2005-03-28 | 艶消し調のプリントラミネート体および艶消し調プリントラミネート体用積層体 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009241375A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Toray Ind Inc | 熱プリントラミネーション用ポリプロピレンフィルム |
JP2015208581A (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-24 | 賢三 有山 | ジグソーパズルの製造方法およびジグソーパズル用袋 |
JP2018134878A (ja) * | 2018-05-25 | 2018-08-30 | 大日本印刷株式会社 | 積層フィルムの製造方法 |
JP2018535123A (ja) * | 2015-11-02 | 2018-11-29 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 低光沢度積層物品 |
-
2005
- 2005-03-28 JP JP2005091132A patent/JP2005306031A/ja active Pending
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JP2015208581A (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-24 | 賢三 有山 | ジグソーパズルの製造方法およびジグソーパズル用袋 |
JP2018535123A (ja) * | 2015-11-02 | 2018-11-29 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 低光沢度積層物品 |
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