JP2018134878A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

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哲也 小尻
Tetsuya Ojiri
哲也 小尻
伊藤 剛
Takeshi Ito
伊藤  剛
岸田 広史
Koji Kishida
広史 岸田
純一 千代永
Junichi Chiyonaga
純一 千代永
俊至 九内
Shunji Kunai
俊至 九内
悟 平田
Satoru Hirata
悟 平田
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Abstract

【課題】皺が少なく、樹脂層の表面粗さを所望の大きさに設定された積層フィルムの巻取体を提供する。【解決手段】少なくとも、支持体と、樹脂により形成された樹脂層とが積層された積層フィルムの巻取体であって、前記樹脂層の端面から斜め方向に形成された皺の長さXが、前記樹脂層の幅Yの25%以下である、積層フィルムの巻取体。【選択図】なし

Description

本発明は、皺の少ない積層フィルム、その巻取体、及びこれらの製造方法に関する。
従来、基材層や金属層などの支持体の上に樹脂層が積層された積層フィルムが、例えば包装材料などの様々な分野で広く使用されている。このような積層フィルムは、一般に、支持体の上に樹脂を積層させて製造される。支持体の上に樹脂を積層する方法としては、例えば、エクストルージョン塗布方法などが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
エクストクルージョン塗布方法は、帯状の支持体を連続的に搬送しながら、支持体の上に、加熱により軟化した樹脂を吐出して、支持体の上に均一な厚みの樹脂層を形成する方法である。例えば、エクストクルージョン塗布方法によって、支持体上に樹脂層を形成して積層体を得る場合、通常、支持体の幅よりも樹脂層の幅が大きくなるようにして、加熱により軟化した樹脂が吐出される。加熱軟化した樹脂が吐出されて形成された直後の樹脂層は、高温であるため、通常、樹脂層を冷却ロールに圧接することによって冷却される。高温の樹脂層を冷却ロールに圧接すると、冷却ロールと樹脂層とが密着するため、剥離ローラなどを用いて冷却ロールから積層体を剥離して、積層フィルムが得られる。
特開2013−193021号公報
ところが、上記のようにして形成された支持体と樹脂層とが積層された積層体を冷却ロールから剥離する際に、積層フィルムの端部から斜め方向に皺が形成されるという問題がある。このような皺が形成される要因としては、次のような要因が考えられる。すなわち、支持体上に樹脂層が形成された積層体において、樹脂層の両端部の支持体からはみ出した部分と、支持体と積層されている部分とでは、積層体の剛性が異なるため、これらの部分では、樹脂層を冷却ロールから剥離する際に必要な力の大きさが異なる。上記のように、高温の樹脂層を冷却ロールに圧接することにより、樹脂層は冷却ロールに密着しているため、樹脂層を冷却ロールから剥離する際に、樹脂層の両端部の支持体からはみ出した部分が、支持体と積層されている部分よりも剥離されにくく、樹脂層の支持体と積層されている部分の端部付近に、斜め方向に皺が形成されるものと考えられる。
さらに、樹脂層の両端部の支持体からはみ出した部分を切断して、積層フィルムを巻き取った巻取体を製品とする場合、皺の形成された積層フィルムを巻き取る際に、皺の長さが、より長くなりやすいという問題がある。さらに、後述の通り、本発明者らが検討したところ、樹脂層の表面に皺の少ない積層フィルムを得ようとすると、従来の方法では、樹脂層の表面粗さを所望の大きさに設定することが困難であることが見出された。
本発明は、これらの問題に鑑みなされた発明である。すなわち、本発明は、皺が少なく、樹脂層の表面粗さが所望の大きさに設定された積層フィルム、その巻取体、及びこれらの製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、次のような知見を得た。すなわち、本発明者らは、冷却ロールからの樹脂層の剥離性を高めるために、樹脂層との密着性の低い冷却ロールを用いることを検討した。具体的には、例えば特開2013−82469号公報に開示されているような、外周面の十点平均粗さRzの大きな冷却ロールを用いることにより、樹脂層の冷却ロールからの剥離性を高めることを検討した。その結果、樹脂層の冷却ロールからの剥離性が向上し、皺の少ないフィルムが得られた。
しかしながら、冷却ロールには高温の樹脂層を圧接するため、外周面の十点平均粗さRzの大きな冷却ロールを用いると、樹脂層の表面に冷却ロールの表面形状が転写され、樹脂層の表面粗さは冷却ロールの表面粗さに対応した大きさに制限される。このため、この方法によると、冷却ロールの外周面の十点平均粗さRzに対応した、表面粗さの大きな樹脂層を備える積層フィルムしか製造できないという問題が生じた。
そして、本発明者らがさらに検討を重ねたところ、少なくとも、支持体と、樹脂により形成された樹脂層とが積層された積層フィルムの製造方法において、特定の冷却ロールを用いて積層フィルムに形成された樹脂層を冷却することにより、皺が少なく、樹脂層の表面粗さが所望の大きさに設定された積層フィルムが得られることを見出した。そして、このような積層フィルムにおいては、樹脂層の端面から斜め方向に形成された皺の長さXが、樹脂層の幅Yの25%以下となることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、支持体と、樹脂により形成された樹脂層とが積層された積層フィルムの製造方法であって、
加熱により軟化した前記樹脂を、前記樹脂層の両端部が、それぞれ前記支持体の両端部からはみ出すようにして、前記支持体の上に積層し、前記支持体と前記樹脂層との積層体を得る積層工程と、
前記積層体の前記樹脂層側を冷却ロールに圧接させながら前記積層体を冷却する冷却工程と、
前記冷却ロールから前記積層体を剥離する剥離工程と、
を備え、
前記冷却ロールとして、外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが、中央領域Bの十点平均粗さRzBよりも大きい冷却ロールを用い、
前記樹脂層の前記支持体からはみ出した部分と前記冷却ロールの両端領域Aとが圧接し、かつ、前記樹脂層の前記支持体が積層された部分と前記冷却ロールの中央領域Bとが圧接するようにして、前記冷却工程を行う、積層フィルムの製造方法。
項2. 前記冷却ロールとして、前記外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが、前記中央領域Bの十点平均粗さRzBよりも5μm以上大きい冷却ロールを用いる、項1に記載の積層フィルムの製造方法。
項3. 前記冷却ロールとして、前記外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが5.2μm以上であり、前記中央領域Bの十点平均粗さRzBが0.2μm以上である冷却ロールを用いる、項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
項4. 前記樹脂層を構成する樹脂は、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が2〜20(g/10分)である、項1〜3のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
項5. 前記支持体が、基材層と金属層とを有し、
前記積層工程において、前記基材層と前記金属層とを積層した後、加熱により軟化した前記樹脂を、前記樹脂層の両端部が、それぞれ前記金属層の両端部からはみ出すようにして、前記金属層の上に積層し、支持体と樹脂層との積層体を得る、項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
項6. 前記樹脂層よりも曲げ弾性率の大きい前記支持体を用いる、項1〜5のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
項7. 前記剥離工程の後、前記樹脂層の前記支持体からはみ出した部分を切断する切断工程を備える、項1〜6のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
項8. 前記切断工程の後、前記積層フィルムを巻き取り、前記積層フィルムの巻取体を得る巻取工程を備える、項7に記載の積層フィルムの製造方法。
項9. 少なくとも、支持体と、樹脂により形成された樹脂層とが積層された積層フィルムの巻取体であって、
前記樹脂層の端面から斜め方向に形成された皺の長さXが、前記樹脂層の幅Yの25%以下である、積層フィルムの巻取体。
項10. 前記樹脂層の表面の十点平均粗さRzが、0.5〜10μmである、項9に記載の積層フィルムの巻取体。
項11. 前記樹脂層を構成する樹脂は、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が2〜20(g/10分)である、項9または10に記載の積層フィルムの巻取体。
項12. 前記積層フィルムにおいて、前記支持体は、少なくとも、基材層と金属層とを有し、
前記金属層の前記基材層とは反対側に前記樹脂層が積層されている、項9〜11のいずれかに記載の積層フィルムの巻取体。
項13. 前記巻取体は、前記積層フィルムの長さが200m以上、円形断面の直径が90mm以上の円筒形である、項9〜12のいずれかに記載の積層フィルムの巻取体。
本発明によれば、皺が少なく、樹脂層の表面粗さが所望の大きさに設定された積層フィルム、その巻取体、及びこれらの製造方法を提供することができる。
本発明に係る積層フィルムの製造方法における積層工程と、冷却工程と、剥離工程を説明するための模式的側面図である。 本発明に係る積層フィルムの製造方法における、樹脂層と支持体とが積層された積層体の模式的平面図である。 本発明に係る積層フィルムの製造方法で使用する冷却ロールの模式的平面図である。 樹脂層の支持体からはみ出した部分を切断した後における、本発明の積層フィルムの模式的平面図である。 本発明の積層フィルムの積層構造を示す模式的断面図である。
1.積層フィルムの製造方法
本発明の製造方法は、少なくとも、支持体と、樹脂により形成された樹脂層とが積層された積層フィルムの製造方法である。本発明の積層フィルムの製造方法は、加熱により軟化した樹脂を、樹脂層の両端部が、それぞれ支持体の両端部からはみ出すようにして、支持体の上に積層し、支持体と樹脂層との積層体を得る積層工程と、積層体の樹脂層側を冷却ロールに圧接させながら積層体を冷却する冷却工程と、冷却ロールから積層体を剥離する剥離工程とを備えている。さらに、本発明の製造方法においては、冷却ロールとして、外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが、外周面の中央領域Bの十点平均粗さRzBよりも大きい冷却ロールを用い、樹脂層の支持体からはみ出した部分と冷却ロールの両端領域Aとが圧接し、樹脂層の支持体が積層された部分と冷却ロールの中央領域Bとが圧接するようにして、冷却工程を行うことを特徴とする。以下、図1〜図4を参照しながら、本発明の積層フィルムの製造方法について詳述する。
積層工程
本発明の積層フィルムの製造方法は、加熱により軟化した樹脂(樹脂層1を形成する樹脂)を、樹脂層1の両端部1a,1bが、それぞれ支持体2の両端部2a,2bからはみ出すようにして、支持体2の上に積層し、支持体2と樹脂層1との積層体を得る積層工程を備えている。すなわち、積層工程においては、加熱軟化した樹脂を用い、樹脂層1の幅が、支持体2の幅よりも大きくなるようにして、樹脂層1と支持体2とを積層する。
(支持体2)
積層工程において使用される支持体2を構成する層としては、例えば、基材層21、金属層22などが挙げられる。支持体2は、1層のみにより構成されていてもよいし、複数の層により構成されていてもよい。支持体2が基材層21及び金属層22を有する場合、積層フィルム10の層構成が、基材層21、金属層22、及び樹脂層1の順となるように積層することが好ましい。支持体2が基材層21及び金属層22を有する場合、基材層21と金属層22との接着性を高めることなどを目的として、これらの層の間に、必要に応じて接着層23を設けてもよい。また、支持体2と樹脂層1との接着性を高めることなどを目的として、これらの層の間(例えば、基材層21と樹脂層1との間、金属層22と樹脂層1との間など)に、必要に応じて接着層24を設けてもよい。本発明の製造方法において、支持体2を構成し得る基材層21、金属層22、接着層23、及び接着層24の層構成、組成などについては、後述の「2.積層フィルムの巻取体」の項目において詳述する。
積層工程においては、図2の模式的平面図に示されるように、加熱により軟化した樹脂を、樹脂層1の両端部1a,1bが、それぞれ支持体2の両端部2a,2bからはみ出すようにして、支持体2の上に積層し、積層体を得る。このとき、例えば、支持体2が基材層21により構成されている場合には、基材層21の上に樹脂層1を積層する。また、支持体2が金属層22により構成されている場合には、金属層22の上に樹脂層1を積層する。上述の通り、支持体2が基材層21と金属層22とを備えている場合には、金属層22の上に樹脂層1を積層する層構成が好ましい。すなわち、積層工程において、基材層21と金属層22とを積層した後、加熱により軟化した樹脂を、樹脂層1の両端部が、それぞれ金属層22の両端部からはみ出すようにして、金属層22の上に積層し、支持体2と樹脂層1との積層体を得ることが好ましい。また、金属層22と樹脂層1との密着性を高めることなどを目的として、金属層の22の上に接着層24を積層し、その上に樹脂層1を積層してもよい。
樹脂層1の両端部1a,1bが、支持体2の両端部2a,2bからはみ出す長さ(即ち、図2に示される樹脂層1の幅方向xにおいて、端部1aと端部2aとの最短距離a、及び端部1bと端部2bとの最短距離b)としては、特に制限されないが、通常、それぞれの端部において、樹脂層1の幅方向xの長さの1〜10%程度が挙げられる。
支持体2の幅(幅方向xにおける長さ)としては、積層フィルム10の用途等に応じて適宜設定すればよく、通常、100〜1500mm程度、好ましくは200〜1200mm程度が挙げられる。また、樹脂層1の幅(幅方向xにおける長さ)としては、積層フィルム10の用途等に応じて適宜設定すればよく、通常、101〜1650mm程度、好ましくは105〜1600mm程度が挙げられる。
支持体2の厚み(積層方向zにおける長さ)としては、積層フィルム10の用途等に応じて適宜設定すればよく、通常、5〜120μm程度、好ましくは12〜100μm程度が挙げられる。
樹脂層1を形成する樹脂を積層させる際における、当該樹脂の加熱温度としては、樹脂の種類に応じて適宜設定することができ、樹脂が軟化(溶融)して支持体2の上に均一な厚みの樹脂層を形成できれば特に制限されない。当該加熱温度としては、例えば150〜320℃程度、好ましくは170〜300℃程度が挙げられる。
加熱により軟化した樹脂を支持体2の上に積層する方法としては、支持体2の上に均一な厚みの樹脂層1を形成できれば特に制限されないが、好ましくはエクストルージョン塗布方法が挙げられる。エクストルージョン塗布方法においては、エクストルージョン塗布装置の塗布ヘッド5から加熱軟化した樹脂が吐出されて、支持体2の上に均一な厚みの樹脂層1を形成することができる。エクストルージョン塗布方法には、公知のエクストルージョン塗布装置を用いることができる(例えば、特許文献1などを参照)。
支持体2の上に形成される樹脂層1の厚みとしては、積層フィルム10の用途などに応じて適宜設定することができる。樹脂層1の厚みとしては、通常5〜100μm程度が挙げられ、より皺1Cが少なく、樹脂層1の表面粗さがより好適に設定された積層フィルム10を製造する観点からは、好ましくは10〜100μm程度、より好ましくは15〜100μm程度が挙げられる。
本発明の積層フィルム10の製造工程において、後述の通り、冷却ロール3から樹脂層1を好適に剥離する観点から、支持体2の曲げ弾性率は、樹脂層1の曲げ弾性率よりも大きいことが望ましい。支持体2の曲げ弾性率としては、通常1.5〜250GPa程度、好ましくは2〜200GPa程度が挙げられる。なお、本発明において、支持体及び樹脂層の曲げ弾性率は、それぞれ、JIS K7171の規定に準拠した方法によって測定した値である。
樹脂層1を形成する樹脂のメルトフローレート(MFR)としては、積層フィルム10の用途などに応じて適宜設定することができる。樹脂層1のMFRとしては、より皺1Cが少なく、樹脂層1の表面粗さがより好適に設定された積層フィルム10を製造する観点からは、好ましくは2〜20(g/10分)程度、より好ましくは2〜15(g/10分)程度、さらに好ましくは3〜13(g/10分)程度が挙げられる。本発明において、樹脂層1を形成する樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定した値である。
また、樹脂層1の曲げ弾性率としては、積層フィルム10の用途などに応じて適宜設定することができる。上記の通り、冷却ロール3から樹脂層1を好適に剥離し、より皺1Cを少なくする観点から、樹脂層1の曲げ弾性率は、支持体2の曲げ弾性率よりも小さいことが望ましい。樹脂層1の曲げ弾性率としては、通常0.1〜2.0GPa程度、好ましくは0.5〜1.5GPa程度が挙げられる。
冷却工程
本発明の積層フィルムの製造方法においては、積層工程で得られた積層体の樹脂層1側を冷却ロール3に圧接させながら積層体を冷却する冷却工程を行う。本発明においては、図3に示されるように、冷却ロール3として、外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが、中央領域Bの十点平均粗さRzBよりも大きいものを用いる。そして、冷却工程において、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分1Aと冷却ロール3の両端領域Aとが圧接し、かつ、樹脂層1の支持体2が積層された部分と冷却ロール3の中央領域Bとが圧接するようにして、冷却工程を行う。本発明においては、このような構成を採用することにより、皺1Cが少なく、樹脂層1の表面粗さが所望の大きさに設定された積層フィルム10を製造することが可能となる。
上記のとおり、支持体上に樹脂層が形成された積層体において、樹脂層の両端部の支持体からはみ出した部分と、支持体と積層されている部分とでは、積層体の剛性が異なる。このため、これらの部分では、樹脂層を冷却ロールから剥離する際に必要な力の大きさが異なる。加熱軟化された樹脂によって形成された高温の樹脂層を冷却ロールに圧接することにより、樹脂層は冷却ロールに密着する。樹脂層を冷却ロールから剥離する際、樹脂層の両端部の支持体からはみ出した部分は、支持体と積層されている部分よりも剥離されにくく、樹脂層の支持体と積層されている部分の端部付近において、斜め方向に皺が形成される。そこで、本発明者らは、冷却ロールからの剥離性を高めるために、樹脂層との密着性の低い冷却ロールを用いることを検討した。具体的には、例えば特開2013−82469号公報に開示されているような、外周面の十点平均粗さRzの大きな冷却ロールを用いることにより、樹脂層の冷却ロールからの剥離性を高めることを検討した。しかしながら、冷却ロールには高温の樹脂層を圧接するため、外周面の十点平均粗さRzの大きな冷却ロールを用いると、樹脂層の表面に冷却ロールの表面形状が転写され、樹脂層の表面粗さが冷却ロールの表面粗さに対応した大きさに制限された。このため、冷却ロールの外周面の十点平均粗さRzに対応した、表面粗さの大きな樹脂層を備える積層フィルムしか製造できないという問題が生じた。
これに対して、本発明の積層フィルムの製造方法によれば、冷却ロール3として、外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが、外周面の中央領域Bの十点平均粗さRzBよりも大きい特定の冷却ロール3を用い、かつ、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分1Aと、冷却ロール3の十点平均粗さRzAの大きな両端領域Aとが圧接するようにして冷却するため、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分1Aの剥離性が効果的に高められている。このはみ出した部分は、積層フィルム10が製品となる前に切断して除去されるため、当該部分の表面粗さは、製品の表面粗さには反映されない。さらに、樹脂層1の支持体2が積層された部分については、剥離に必要な力が相対的に小さいため、両端領域Aの十点平均粗さRzAよりも小さいものを用いることができ、製品となる部分の表面粗さを小さくすることができる。
本発明において、より皺1Cが少なく、樹脂層1の表面粗さがより好適に設定された積層フィルム10を製造する観点からは、冷却ロール3としては、外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが、中央領域Bの十点平均粗さRzBよりも5μm以上大きいものが好ましく、10μm以上大きいものがより好ましく、15μm以上大きいものがさらに好ましい。同様の観点から、冷却ロール3としては、外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが5.2μm以上であり、中央領域Bの十点平均粗さRzBが0.2μm以上であるものを用いることが好ましく、両端領域Aの十点平均粗さRzAが5.2〜20μmであり、中央領域Bの十点平均粗さRzBが0.2〜15μmであるものを用いることがより好ましい。
冷却ロールの長さ方向xにおいて、両端領域Aの幅としては、冷却に供される積層体の設計に応じて適宜設定することができる。すなわち、冷却ロール3の長さ方向xにおいて、両端領域Aのそれぞれの幅は、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分1Aと、冷却ロール3の十点平均粗さRzAの大きな両端領域Aとが圧接され、かつ、樹脂層1の支持体2と積層された部分1Bと、冷却ロール3の十点平均粗さRzBの小さな中央領域Bとが圧接されるように設定されていれば、特に制限されない。
冷却ロールの円形断面の直径としては、冷却に供される積層体の設計に応じて適宜設定することができ、通常90〜1000mm程度である。
剥離工程
本発明の積層フィルムの製造方法においては、冷却工程で冷却された上記の積層体を、冷却ロールから剥離する剥離工程を行う。剥離工程において、冷却ロール3から上記の積層体が剥離できれば、剥離方法しては特に制限されない。例えば、冷却ロールの回転方向から積層体の進行方向を変化させる剥離ロール4などを用いることにより、皺1Cが少なく、樹脂層1の表面粗さが好適に設定された積層フィルム10を製造することができる。
剥離工程において得られた積層フィルムにおける各層の接着性を高めるために、エージング処理などを行ってもよい。エージング処理は、例えば、積層フィルム10を30〜100℃程度の温度下に1〜200時間加熱することにより行うことができる。さらに、得られた積層フィルム10における各層の接着性をさらに高めるために、得られた積層フィルム10を樹脂層1の融点以上の温度で加熱してもよい。このときの温度は、樹脂層1の融点+5℃以上、融点+100℃以下であることが好ましく、融点+10℃以上、融点+80℃以下であることがより好ましい。なお、本発明において、樹脂層の融点とは、樹脂層を構成する樹脂成分の示差走査熱量測定における吸熱ピーク温度をいう。エージング処理での加熱及び樹脂層の融点以上での加熱は、それぞれ、例えば、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外線式などの方式により行うことができる。
以上の工程により、積層フィルム10を製造することができる。本発明において製造される積層フィルム10の長さは、特に制限されない。積層フィルム10は、例えば200m以上、好ましくは200〜5000m程度の帯状として製造され、用途に応じて所望の大きさに切断して使用される。
切断工程
本発明の積層フィルムの製造方法においては、剥離工程によって得られた積層フィルム10を、さらに、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分1Aを長さ方向yに切断する切断工程を行うことができる。切断工程を行うことにより、支持体2からはみ出した部分を除去することができ、冷却ロール3の端部領域Aの大きな表面粗さが転写された部分を製品となる積層フィルム10から除去することができる。切断工程においては、積層フィルム10の支持体2の端面2a,2bに沿って、積層フィルム10を長さ方向yにカッターなどで切断すればよい。
巻取工程
本発明の積層フィルムの製造方法においては、切断工程によって得られた、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分1Aが切断除去された積層フィルム10を巻き取り、積層フィルム10の巻取体とすることができる。上記のとおり、樹脂層の両端部の支持体からはみ出した部分を切断して、積層フィルムを巻き取った巻取体を製品とする場合、皺1Cの形成された積層フィルムを巻き取る際に、皺1Cの長さが、より長くなりやすいという問題がある。これに対して、本発明の積層フィルムの製造方法によれば、上記のとおり、剥離工程によって形成される樹脂層1の皺1Cが少ない(長さXも短い)ため、積層フィルム10を巻き取った場合にも、皺1Cの少ない(長さXも短い)巻取体とすることができる。具体的には、本発明の製造方法によって得られる積層フィルムの巻取体は、後述の通り、樹脂層1の端面2a,2bから斜め方向に形成された皺1Cの長さX(端面2a,2bから皺1Cの先端までの直線距離Xが、樹脂層1の幅Yの25%以下、さらに好ましくは10%以下の積層フィルムにより構成することができる。
巻取体において、積層フィルム10の幅方向xとは垂直方向における円形断面の直径としては、好ましくは90mm以上、より好ましくは150mm以上が挙げられる。なお、当該円形断面の直径の上限値は、通常、1000mm程度である。
2.積層フィルムの巻取体
本発明の積層フィルムの巻取体は、少なくとも、支持体2と、樹脂により形成された樹脂層1とが積層された積層フィルム10の巻取体である。本発明の積層フィルムの巻取体においては、図4に示されるように、それぞれ、樹脂層1の端面2a,2bから斜め方向に形成された皺1Cの長さX(端面2a,2bから皺1Cの先端までの直線距離X)が、樹脂層1の幅Yの25%以下である積層フィルム10により構成されていることを特徴とする。上述の通り、従来の積層フィルムの製造方法においては、冷却ロールからの剥離工程において、樹脂層1の端面2a,2bから斜め方向に大きな皺1Cが形成されるため、皺1Cの形成された積層フィルム10を巻き取る際に、皺1Cの長さが、より長くなりやすいという問題がある。これに対して、本発明の積層フィルムの巻取体においては、樹脂層1の端面2a,2bから斜め方向に形成された皺1Cの長さX(端面2a,2bから皺1Cの先端までの直線距離X)が、樹脂層の幅Yの25%以下、さらに好ましくは10%以下である。このような皺1Cの少ない本発明の積層フィルムの巻取体は、例えば、上記の本発明の積層フィルムの製造方法によって好適に製造することができる。
本発明の積層フィルムの巻取体において、樹脂層1の幅Yに対する皺1Cの長さXの割合(%)は、次のようにして測定した値である。まず、積層フィルムの巻取体から積層フィルムを巻き出し、積層フィルムの長さ方向yの中央部において、長さ1mの中で、積層フィルムの端面2a、2bから斜め方向に伸びる最も長い皺1Cを選定する。次に、当該皺1Cについて、図4に示すように、端面2aから当該皺1Cの先端までの直線距離Xを、積層フィルムの幅方向の長さYで除して得られる割合(%)を測定する。なお、同一の巻取体においては、樹脂層1の幅Yに対する皺1Cの長さXの割合(%)のばらつきは少ないため、長さ1mの中で、上記割合を測定することにより、実質的に、巻取体全体の上記割合と考えることができる。
次に、図5を参照しながら、本発明の巻取体を構成する積層フィルムの層構成及び各層の組成などについて詳述する。
積層フィルムの積層構造
本発明の積層フィルムの巻取体において、巻取体を構成する積層フィルム10は、例えば図5に示されるように、支持体2と、樹脂層1が積層されてなる。樹脂層1は、1層のみにより構成されていてもよいし、複数の層により構成されていてもよい。
また、支持体2を構成する層としては、例えば、基材層21、金属層22などが挙げられる。支持体2は、1層のみにより構成されていてもよいし、複数の層により構成されていてもよい。また、支持体2が基材層21及び金属層22を有する場合、本発明の積層フィルムは、図5に示されるように、基材層21、金属層22、及び樹脂層1の順に積層されていることが好ましい。支持体2が基材層21及び金属層22を有する場合、基材層21と金属層22との接着性を高めることなどを目的として、これらの層の間に、必要に応じて接着層23を設けてもよい。また、支持体2と樹脂層1との接着性を高めることなどを目的として、これらの層の間(例えば、基材層21と樹脂層1との間、金属層22と樹脂層1との間など)に、必要に応じて接着層24を設けてもよい。
積層フィルム10の長さは、特に制限されない。上記のとおり、積層フィルム10は、通常、例えば200m以上、好ましくは200〜5000m程度の帯状として製造される。積層フィルム10の幅としては、例えば0.01〜1.5m程度、好ましくは0.1〜1.5m程度が挙げられる。積層フィルム10の厚みとしては、例えば200μm以下、好ましくは20〜200μm程度、より好ましくは50〜150μm程度が挙げられる。なお、積層フィルムの巻取体において、積層フィルム10の幅方向とは垂直方向における円形断面の直径としては、上記のとおりである。
積層フィルムの各層の構成
[樹脂層1]
積層フィルム10において、樹脂層1は、樹脂により形成されており、支持体2の上に積層されている。後述のように、本発明の製造方法によって得られる積層フィルム10を包装材料などとして用いる場合、樹脂層1をシーラント層とすることができる。シーラント層は、包装材料によって内容物を密封する際に、包装材料の最内層を構成する層である。内容物を密閉する際に、シーラント層1の表面同士を互いに接触させ、接触した部分を熱融着して内容物を密封することができる。
樹脂層1を構成する樹脂としては,特に制限されないが、例えば積層フィルム10を包装材料などとして用いる場合、樹脂層1は、熱可塑性樹脂により形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などの結晶性または非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。
環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体である。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、環状アルケンが好ましく、ノルボルネンがさらに好ましい。
カルボン酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸で変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物をブロック重合またはグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンは、上記の環状ポリオレフィンと同様とすることができる。また、変性に使用されるカルボン酸としては、上記の酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に用いられるものと同様とすることができる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは結晶性または非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種類以上のブレンドポリマーが挙げられる。
樹脂層1は、1種類の樹脂成分のみから形成されていてもよく、2種類以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーから形成されていてもよい。さらに、樹脂層1は、上記のとおり、第1樹脂層11の1層のみで形成されていてもよく、同一または異なる樹脂成分によって2層以上により形成されていてもよい。
樹脂層1を形成する樹脂のメルトフローレート(MFR)としては、上記のとおりである。また、樹脂層1の厚み及び曲げ弾性率についても、上記のとおりである。
上記のような製造方法により積層フィルム10を製造する場合、樹脂層1には、冷却ロール3の表面形状が転写され、樹脂層1の表面粗さは冷却ロールの表面粗さに対応する。樹脂層1の表面粗さは、冷却ロール3の中央領域Bの十点平均粗さRzBに応じて適宜設定することができ、好ましくは0.5〜10μm程度、より好ましくは0.5〜5μmが挙げられる。
[支持体2]
上記のとおり、支持体2を構成する層としては、基材層21、金属層22などが挙げられる。また、接着層23、接着層24などを有していてもよい。以下、これらの層について詳述する。
(基材層21)
積層フィルム10において、支持体2として含まれ得る基材層21は、必要に応じて設けられ、積層フィルム10の基材となる層である。上記のとおり、支持体2の曲げ弾性率は、樹脂層1の曲げ弾性率よりも大きいことが望ましい。したがって、支持体2が基材層21のみによって形成されている場合、基材層21の曲げ弾性率は、樹脂層1の曲げ弾性率よりも大きいことが好ましい。冷却ロール3から樹脂層1を好適に剥離し、より皺1Cを少なくする観点から、基材層21の曲げ弾性率としては、好ましくは1.5〜10GPa程度、より好ましくは1.5〜8GPa程度が挙げられる。なお、基材層21の曲げ弾性率の測定方法は、上記と同様である。
基材層21を形成する素材については、特に制限されない。基材層21を形成する素材の具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等の樹脂が挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層21の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層21の形成素材として好適に使用される。
基材層21は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層21として好適に使用される。
これらの中でも、基材層21を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
基材層21は、積層フィルム10の耐ピンホール性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層21を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。また、接着剤を介して接着させる場合、使用する接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、UVやEBなどの電子線硬化型等のいずれであってもよい。接着剤の成分としてポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂が挙げられる。
基材層21の厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm〜50μm程度、好ましくは12μm〜30μm程度とすることができる。
(金属層22)
積層フィルム10において、支持体2として含まれ得る金属層22は、必要に応じて設けられる層である。例えば積層フィルム10を包装材料などとして用いる場合には、強度向上の他、積層フィルム10によって密封された内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する。金属層22を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層22は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。積層フィルム10の製造時に、金属層22に皺やピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
金属層22の厚みは、特に制限されないが、例えば、10μm〜200μm程度、好ましくは20μm〜100μm程度とすることができる。
支持体2が金属層22のみによって形成されている場合、基材層21の曲げ弾性率は、樹脂層1の曲げ弾性率よりも大きいことが好ましい。このような観点から、金属層22の曲げ弾性率としては、好ましくは100〜250GPa程度、より好ましくは100〜200GPa程度が挙げられる。なお、金属層22の曲げ弾性率の測定方法は、上記と同様である。
また、金属層22は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層22に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層22の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層22の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層22の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
(接着層23)
積層フィルム10において、支持体2に含まれ得る接着層23は、基材層21と金属層22との接着強度を高めることを目的として、必要に応じて設けられる層である。
接着層23は、基材層21と金属層22とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層23の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層23の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層23の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂;ふっ化エチレンプロピレン共重合体等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の接着剤成分の組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、その接着剤成分として、ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドとポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、展延性、高湿度条件下における耐久性や応変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用等が優れ、基材層21と金属層22との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着層23は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着層23を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層21と金属層22とのラミネーション強度を向上させるという観点から、基材層21側に配される接着剤成分を基材層21との接着性に優れる樹脂を選択し、金属層22側に配される接着剤成分を金属層22との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着層23は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、金属層22側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂等が挙げられる。
接着層23の厚さについては、例えば、2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
(接着層24)
積層フィルム10においては、支持体2と樹脂層1とを強固に接着させることなどを目的として、支持体2(例えば、基材層21、金属層22など)と樹脂層1との間に接着層24をさらに設けてもよい。
接着層24は、支持体2として含まれ得る基材層21、金属層22などと樹脂層1とを接着可能な接着剤成分によって形成される。接着層24の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層24の形成に使用される接着剤成分の接着機構についても、特に限定されず、例えば、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などが挙げられる。
接着層24の形成に使用できる接着剤成分の具体的としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着剤成分は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
接着層24の厚みは、特に制限されないが、例えば、1μm〜40μm程度とすることが好ましく、2μm〜30μm程度とすることがより好ましい。
なお、積層フィルム10を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性などを向上または安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理などの表面活性化処理が施されていてもよい。
3.積層フィルムの用途
本発明の積層フィルムの巻取体を構成する積層フィルム10は、上記のとおり、通常、帯状の積層フィルムとして製造され、適当な大きさに切断することにより、種々の用途に使用される。積層フィルム10の用途としては、特に制限されないが、例えば、包装材料などが挙げられる。例えば、積層フィルム10を包装材料として用いる場合、当該包装材料は、薬品、化粧品、食品、電解液などの様々な内容物の包装に利用することができる。すなわち、本発明の包装材料は、薬品用包装材料、化粧品用包装材料、食品用包装材料、電池用包装材料などとして好適に使用される。また、包装材料は、内容物の形状に合わせて変形され、内容物を収容する包装体とすることもできる。
以下に、実施例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。なお、実施例において、積層フィルムの樹脂層表面及び冷却ロールの外周面の十点平均粗さは、それぞれ、JIS B0601−2001に記載の方法に準拠した方法により測定した値である。また、基材層及び樹脂層の弾性率は、それぞれ、JIS K7171の規定に準拠した方法によって測定した値である。樹脂層を形成する樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210−1995に規定された方法に従い、温度230℃、荷重2.16kgの条件で、A法により測定した値である。
[積層フィルムの製造]
実施例1〜6、8、9及び比較例1の積層フィルム10を次の手順により製造した。まず、表1に記載の弾性率を有する延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm、幅800mm)からなる基材層21の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm、幅800mm)からなる金属層22をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート系化合物)を塗布し、金属層22上に接着層23(厚さ4μm)を形成した。次いで、金属層22上の接着層23と基材層21を加圧加熱貼合した後、40℃で24時間のエージング処理を実施することにより、基材層21/接着層23/金属層22が順に積層された積層体Aを調製した。なお、金属層22として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔
の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
次いで、図1に示すように、エクストルージョン塗布装置の塗布ヘッド5から、樹脂層1を形成する溶融状態(250℃)の樹脂(ポリプロピレン樹脂、MFRは表1の通り。)を、長さ方向に搬送された支持体2の金属層22の上に吐出することにより、金属層22の上に樹脂層1(厚さ45μm、幅880mm、弾性率は表1に記載の通り)を形成した。このとき、溶融状態の樹脂は、樹脂層1の両端部1a、1bが、それぞれ支持体の両端部2a,2bからはみ出すようにして、支持体2の上に積層して積層体Bを得た。積層体Bにおいて、樹脂層1の支持体2の両端部2a,2bからはみ出した部分の幅方向の長さ(両端部1a,1bから両端部1a,1bまでの最短距離)は、それぞれ40mmであった。
また、実施例7では、金属層22を設けず、基材層21の直上に、樹脂層1をエクストルージョン法で塗布したこと以外は、実施例1と同様の方法で積層フィルム10を作製した。
次いで、表1に記載の冷却ロールA〜Fを用い、積層体Bの樹脂層1の表面を冷却ロール3の外周面に圧接しながら、積層体Bを冷却ロールにより冷却した。このとき、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分と冷却ロールの両端領域Aとが圧接し、樹脂層1の支持体2が積層された部分と冷却ロールの中央領域Bとが圧接するようにした。次に、剥離ロール4を用いて冷却された積層体Bを冷却ロールから剥離して、積層フィルム10を得た。得られた積層フィルム10について、樹脂層1の支持体2からはみ出した部分の表面と、樹脂層1の支持体が積層された部分の表面の十点平均粗さRzを測定したところ、それぞれ表1に記載の通りであった。
各積層フィルムの製造例で使用した冷却ロールの十点平均粗さRzは、それぞれ以下の通りである。
・冷却ロールA:外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが10μm、中央領域Bの十点平均粗さRzBが5μm。
・冷却ロールB:外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが15μm、中央領域Bの十点平均粗さRzBが5μm。
・冷却ロールC:外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが20μm、中央領域Bの十点平均粗さRzBが5μm。
・冷却ロールD:外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが15μm、中央領域Bの十点平均粗さRzBが10μm。
・冷却ロールE:外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが5.5μm、中央領域Bの十点平均粗さRzBが0.5μm。
・冷却ロールF:外周面の両端領域Aの十点平均粗さRzAが5μm、中央領域Bの十点平均粗さRzBが5μm。
[皺の長さの評価]
次に、樹脂層1の支持体2の両端部2a,2bからはみ出した部分を切断し、基材層21/接着層23/金属層22/樹脂層1が順に積層された帯状の積層フィルム10(厚さ85μm、幅780mm、長さ2000mm)を得た(実施例7については、基材層21/樹脂層1が順に積層された帯状の積層フィルム10(厚さ50μm、幅780mm、長さ2000mm))。次に、市販の巻取機を用いて、得られた帯状の積層フィルムを円形状に巻き取り、巻取体を得た(円形断面の直径は500mm、実施例7については、円形断面の直径は370mm)。
次に、巻取体から積層フィルム10を巻き出し、積層フィルム10の長さ方向の中央部において、長さ1mの中で、積層フィルム10の端面2a、2bから斜め方向に伸びる最も長い皺1Cを選定した。次に、当該皺1Cについて、図4に示すように、端面2aから当該皺1Cの先端までの直線距離Xを、積層フィルム10の幅方向の長さYで除して得られる割合(%)を測定した。結果を表1に示す。
1…樹脂層
1A…樹脂層の支持体からはみ出した部分
1B…樹脂層の支持体と積層されている部分
1C…樹脂層の端面から斜め方向に形成された皺
1a、1b…樹脂層の両端部
10…積層フィルム
2…支持体
2a、2b…支持体の両端部
21…基材層
22…金属層
23…接着層
24…接着層
3…冷却ロール
4…剥離ロール
5…塗布ヘッド
A…冷却ロールの両端領域
B…冷却ロールの中央領域
X…皺の長さ
Y…樹脂層の幅
a,b…樹脂層の支持体からはみ出した部分の長さ

Claims (5)

  1. 少なくとも、支持体と、樹脂により形成された樹脂層とが積層された積層フィルムの巻取体であって、
    前記樹脂層の端面から斜め方向に形成された皺の長さXが、前記樹脂層の幅Yの25%以下である、積層フィルムの巻取体。
  2. 前記樹脂層の表面の十点平均粗さRzが、0.5〜10μmである、請求項1に記載の積層フィルムの巻取体。
  3. 前記樹脂層を構成する樹脂は、温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が2〜20(g/10分)である、請求項1または2に記載の積層フィルムの巻取体。
  4. 前記積層フィルムにおいて、前記支持体は、少なくとも、基材層と金属層とを有し、
    前記金属層の前記基材層とは反対側に前記樹脂層が積層されている、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルムの巻取体。
  5. 前記巻取体は、前記積層フィルムの長さが200m以上、円形断面の直径が90mm以上の円筒形である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルムの巻取体。
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