JP2005145029A - ラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびこれからなるラミネート体 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材との接着性に優れ、エンボス加工性に優れるラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびそれからなるラミネート体を提供すること。
【解決手段】二層以上の層により構成されたラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、該ラミネート用ポリプロピレンフィルムを構成する二軸配向ポリプロピレン層(A)の、フィルム面内に任意に設定された少なくとも一つの基準軸S0と、該基準軸とそれぞれ45度,90度,135度の角度を成す軸(S45,S90,S135)に平行に切り出された4つの切片が有する2%の伸張時応力(F2値)の最大値と最小値の比が1〜1.7、かつ、破断伸度が60〜300%であることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
【選択図】図1
【解決手段】二層以上の層により構成されたラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、該ラミネート用ポリプロピレンフィルムを構成する二軸配向ポリプロピレン層(A)の、フィルム面内に任意に設定された少なくとも一つの基準軸S0と、該基準軸とそれぞれ45度,90度,135度の角度を成す軸(S45,S90,S135)に平行に切り出された4つの切片が有する2%の伸張時応力(F2値)の最大値と最小値の比が1〜1.7、かつ、破断伸度が60〜300%であることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
【選択図】図1
Description
本発明は、布帛、金属箔、発泡シート、印刷紙等のシート状物の表面に貼り合わせ、光沢感、意匠性、耐食性、耐久性、防汚性等を付与するラミネート用ポリプロピレンフィルムに関するものであり、特に好ましくはラミネート体の意匠性を高めるために施されるエンボス性が良好なポリプロピレンフィルム及びそれからなるラミネート体に関するものである。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムはその優れた機械特性と優れた質感から、従来より、印刷紙等と貼り合わせ、ブックカバー、ショッピングバック等に用いられ、意匠性、耐久性を付与する目的で使用されてきた(以下、本用途を「プリントラミネート用途」という)。また、ポリプロピレンフィルムの特徴としてその構造に極性基有さず酸・アルカリに対する耐久性、撥水性から、金属シート類と貼り合わせ耐食性を付与する目的で使用されている(以下、本用途を「金属箔ラミネート用途」という)。これ以外にも二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、布帛、発泡シート等と貼り合わせ使用されるラミネート用として幅広く使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
これらのラミネート体に更なる意匠性や機能性を付与するために、該ポリプロピレンフィルムや該ラミネート体にエンボス加工を施す場合がある。ここでエンボス加工とは目的物の表層または全体に褶曲状のパターンを付与する加工であって、通常はシート状物を少なくとも一方に目的の凹凸パターンを形成した金属ロールを具備した一対の加圧ロール間で加熱・加圧することで該凹凸パターンをシート状物に転写する方法により達成される。
このような構成体として引っ張り弾性率を0.2〜3.5GPaに規定したポリプロピレンフイルム等ポリオレフインフイルムを用いると表面傷つき性、施工性が良好なるとの
記載がみられる(例えば、特許文献4参照)。
記載がみられる(例えば、特許文献4参照)。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムの場合、引っ張り弾性率が1〜5GPaの範囲にあり、確かに表面傷つき性、施工性は良好な特性を示すものの、通常得られる逐次二軸延伸フイルムの場合その異方性から、エンボスパターンの転写が難しく、エンボス適性を改善するために該ポリプロピレン層の厚みを薄い範囲に制限したり、エンボス時の温度・圧力をアップする等の工夫が必要であった。
しかしながら、この様にフィルム厚みを薄くすると、エンボス時にクラック等を生じて、ラミネート体の耐久性を損ねたり、エンボス温度アップするとフィルムの収縮が大きくなったり、平面性が悪化するという問題があった。
特許第2882406号公報([0002]〜[0007]段落)
特許第2983814号公報([0002]〜[0013]段落)
特許第3098731号公報([0002]〜[0013]段落)
特開2003−200513号公報([0011]〜[0012]、[0020]段落)
本発明はポリプロピレンフィルムの機械特性を最適化し、エンボス性を改良することでエンボス加工後の仕上がりを良くするだけでなく、耐久性も向上させることを目的とするものである。
かかる課題を解決するために、本発明は以下の構成からなる。すなわち、
(1)共押出法によって得られる少なくとも一層が二軸配向ポリプロピレン層(A)からなる二層以上の層により構成されたラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、該ラミネート用ポリプロピレンフィルムの、フィルム面内に任意に設定された少なくとも一つの基準軸S0と、該基準軸とそれぞれ45度,90度,135度の角度を成す軸(S45,S90,S135)に平行に切り出された4つの切片が有する2%の伸張時応力(F2値)の最大値と最小値の比が1〜1.6、かつ、破断伸度が60〜300%であることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
(1)共押出法によって得られる少なくとも一層が二軸配向ポリプロピレン層(A)からなる二層以上の層により構成されたラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、該ラミネート用ポリプロピレンフィルムの、フィルム面内に任意に設定された少なくとも一つの基準軸S0と、該基準軸とそれぞれ45度,90度,135度の角度を成す軸(S45,S90,S135)に平行に切り出された4つの切片が有する2%の伸張時応力(F2値)の最大値と最小値の比が1〜1.6、かつ、破断伸度が60〜300%であることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
(2)(1)に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムが層(A)と融点55〜145℃のポリオレフィン系樹脂層(B)とからなることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム
(3)(1)または(2)に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムに、さらに融点55〜100℃、厚み3〜15μmのポリエチレン系樹脂層(C)が積層されてなるラミネート用ポリプロピレンフィルム。
(3)(1)または(2)に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムに、さらに融点55〜100℃、厚み3〜15μmのポリエチレン系樹脂層(C)が積層されてなるラミネート用ポリプロピレンフィルム。
(4)請求項2に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムに層(B)を介して融点55〜100℃、厚み3〜15μmのポリエチレン系樹脂層(C)が積層されてなるラミネート用ポリプロピレンフィルム。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のラミネート用ポリプロピレンフィルムにエンボス加工を施してなることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムとシート状物とが貼り合わされてなることを特徴とするラミネート体。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載のラミネート用ポリプロピレンフィルムと、エンボス加工を施したシート状物とが貼り合わされてなることを特徴とするラミネート体。
により構成される。
により構成される。
本発明のラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびそれからなるラミネート体は、基材として用いる二軸配向ポリプロピレン層にエンボス加工を施した際の付型性に優れ、プリントラミネート用途、金属箔ラミネート用途、布帛、発泡シート等と貼り合わせ使用されるラミネート用途に好適である。
本発明は、共押出法によって得られる少なくとも一層が二軸配向ポリプロピレン層(A)からなる二層以上の層により構成されたラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、該ラミネート用ポリプロピレンフィルムの、フィルム面内に任意に設定された少なくとも一つの基準軸S0と、該基準軸とそれぞれ45度,90度,135度の角度を成す軸(S45,S90,S135)に平行に切り出された4つの切片が有する2%の伸張時応力(F2値)の最大値と最小値の比が1〜1.6、かつ、破断伸度が60〜300%であることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルムである。
ここで、F2値はフイルムを2%伸張させるために必要な力とも言い換えることができるが、この力が方向によって大きく異なっていると(すなわち異方性が強いと)均一なエンボスをかけることが困難になるばかりか、場合によってはエンボス加工時にクラックが入ったり、できあがったエンボス加工品の耐久性が悪化することがある。従って、該F2max/minは1〜1.6であることが必要であり、より好ましくは1〜1.5である。また、各4つの切片が有する破断伸度はいずれも60〜300%であることが必要であり、より好ましくは70〜250%である。破断伸度が小さすぎるとエンボス時にクラックが入ったり、耐久性が悪化する恐れがある。一方、破断伸度が大きすぎるとエンボス時の附型性が悪化する可能性がある。
ここで、エンボスパターンの附型性とは、エンボスロールの表面形状(凹凸)の転写性であって、エンボス後にフィルムに形成された凹凸形状がエンボスロールの形状に近いものほど良いと定義される。
このような二軸配向ポリプロピレン層(A)を得る方法としては特に限定されるものでは無いが、特に好ましい方法として、ポリプロピレン樹脂を溶融しシート状に成型した後に、該シートを縦方向と横方向に同時に延伸する同時二軸延伸法、あるいは、チューブ状に成型した後、空気圧で膨張させるチューブラー法二軸延伸法等によって得られるものが例示される。この中でも特に好ましい方法としては、シート状に成形した後に、該シートを縦方向と横方向とに同時に延伸することが可能な延伸装置(例えば、同時二軸延伸ステンター等)に導き、縦方向に5〜9倍、横方向に5〜9倍同時延伸する同時二軸延伸法によって得られるフィルムが、厚み斑や品質特性に均一性に優れているので好ましい。特にF2max/minと破断伸度を必要な範囲に設定するためには、縦:横の延伸倍率比を1.7:1〜1:1.7の範囲とし、最大延伸倍率を9倍以下、好ましくは6.5〜8.5倍としておくことである。
更に、該(A)層を構成するポリプロピレン樹脂は、アイソタクチックインデックス(II)が90〜99%、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が1.0〜4.0dl/gのものが耐久性が良好となるため好ましく、さらに好ましくは、(II)が93〜97%である。また、該樹脂層を構成するモノマーとしてはプロピレン以外の成分として、エチレン、及びブテン、ペンテン、ヘキセン等のα−オレフィンを少量(3モル%以下)含有することが可能である。
また、該ポリプロピレン樹脂には、ガラス転移温度が60〜120℃、好ましくは70〜110℃のノルボルネン系、ジシクロペンタジエン系等の脂環族ポリオレフィン類を添加することが可能である。この場合、該樹脂中に3〜30重量%、更に好ましくは7〜20重量%の範囲であると、ラミネート適性を維持しながら、エンボス性が良好となるので好ましい。
該(A)層には本目的に反しない範囲で、酸化防止剤等の安定剤、塩素捕獲剤、帯電防止剤、滑り剤等を含有することができる。安定剤としては、ヒンダードフエノール系、ヒンダードアミン系、フォスファイト系化合物、あるいはトコフェロール類、ラクトン類が例示される。更に塩素捕獲剤としては、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示される。また、帯電防止剤としては、アルキルメチルジベタイン、アルキルアミンジエタノール及び/又はアルキルアミンエタノールエステル及び/又はアルキルアミンジエタノールジエステル、滑り剤としては、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等脂肪族アミド、ラウリル酸ジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、脂肪族モノグリセライド、脂肪族ジグリセライド等、また、シリカ系、アルミナ系等の無機系粒子、あるいはシリコーン系粒子、架橋ポリメチルメタアクリレート系粒子、架橋ポリスチレン系粒子等の有機粒子が使用可能である。
次いで、本発明のラミネート用ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面はその用途に応じて、高光沢用途と艶消し用途の2つの用途に好ましく用いられるため、表面グロスを以下の2つの範囲としておくと意匠性の点で優れるので好ましい。
高光沢用途:表面グロスが100〜170%、更に好ましくは110〜160%である。この範囲であると光沢性を出したい用途に好ましく用いられる。
艶消し用途:表面グロスが1〜40%、更に好ましくは2〜30%である。この範囲であると艶消し状の概観となり、基材に印刷されたパターンや図柄を際だたせる用途に好ましく用いられる。
このように、表面グロスをコントロールする手段としては、層(A)をコア層の(A0)と表層に層(A’)とからなる多層構成として、該(A0)層には前記ポリプロピレン樹脂を適宜選択した上で、該層(A’)にもちいる樹脂を適宜選択することが可能である。すなわち、高光沢用途に表面状態をコントロールしたいときに用いる該層(A’)を層(A1)と表現した場合、該層(A1)としては、ポリプロピレンホモポリマーないしは融点が155℃以上のポリプロピレン系ランダムコポリマーを用いることが好ましい。
この場合、フィルム表面が平滑になりすぎると滑り係数が上昇し加工上の問題を生じたり、耐久性が悪化する恐れがあるために、滑り性を付与し耐ブロッキング特性を付与する目的で、粒子を該樹脂に練り込んでおくことが好ましい。この様な粒子としては、平均粒径が0.5〜10μmであると、滑り性とフィルムからの脱落を小さくできるので好ましく、更に好ましくは1〜5μmである。また、該粒子は、シリカ、アルミナ、ゼオライト等の無機系粒子、架橋シリコーン系粒子、架橋ポリスチレン系粒子、架橋アクリル系粒子等の有機系粒子から適宜選択される。粒子の含有量は滑り性を良好とし、表面グロスを損なわないために、500〜6000ppmが好ましく、より好ましくは1000〜4000ppmである。また、このような樹脂からなる該(A1)層の厚みは0.5〜3μmが好ましく、より好ましくは0.7〜2μmであると耐久性、光沢性、滑り性が良好となるので好ましい。
また、艶消し用途に用いる層(A’)を層(A2)と表現した場合、該層(A2)としてはポリプロピレン系樹脂を主体にポリエチレン、ポリ4メチルペンテン1,ポリスチレン等の該ポリプロピレン系樹脂と非相溶のオレフィン系ポリマーをブレンドする方法、エチレンプロピレンブロック共重合体を用いる方法等が例示されるが、特にブロック共重合体を用いると均一性が良好となるので好ましい。該層(A2)はブレンド構成にせよ、ブロック共重合体にせよ、加工時の安定性を付与する上で、該樹脂層中にDSCで観測される融点として150℃以上、更に好ましくは153〜165℃のピークを有することが好ましい。ここで加工時の安定性とは、該層(A2)は艶消しの外観を有するが、ラミネートあるいはエンボス等の加工時の温度・圧力で平滑化し外観・ヘイズの変化が小さいことを意味する。
表面粗さ、表面グロスのコントロールは、ブレンドする方法であれば、非相溶ポリマーの添加量、該(A2)層の厚み等を制御することで可能であり、また、ブロックポリマーについてはブロックポリマー組成、該(A2)層の厚み、延伸条件等により制御することができる。
該(A)層(層(A0)と層(A’)からなる多層構成の場合は層(A0)と層(A’)の合計)の厚みは、耐久性、加工性を良好とする上で、9〜25μmであることが好ましい。
次いで、本発明のラミネート用ポリプロピレンフイルムは共押出法によって得られる、層(A)と他の樹脂層の少なくとも二層からなることを特徴とする。共押出法とは少なくとも2台の押出機を用いてそれぞれより樹脂を溶融押出して、ポリマー管より合流装置に導いて2層以上の複層のシート状あるいは円筒状に押出す技術であるが、このようにすると2種類の樹脂の密着性が高まる。ラミネート技術等を用いて多層積層する技術ももちろんあるがこの様な場合、密着性を付与するために特定のアンカーコートが必要になったり、樹脂の組み合わせを厳しく制限する必要が出たりするので設計の自由度が小さくなる。
こうして得られる多層積層フイルムは偏向顕微鏡等による断面観察により積層状態を観測することができるが、積層する樹脂の組み合わせにもよるが通常両者を剥離するのは困難である。このように層(A)と積層される他の樹脂層としては、はシート状物と貼り合わせる目的で、融点55〜145℃のポリオレフィン系樹脂層(B)が積層されていることが好ましい。ここで、層(A)が前記層(A0)と層(A’)との複合構成から成るときは、層(B)は層(A0)に接する様に設けることが望ましい。こうするとラミネート体を構成するときに層(B)を接着層としてシート状物と貼り合わせ、層(A’)がラミネート体の最表層とすることで意匠性・外観を良好することができる。
こうして得られる多層積層フイルムは偏向顕微鏡等による断面観察により積層状態を観測することができるが、積層する樹脂の組み合わせにもよるが通常両者を剥離するのは困難である。このように層(A)と積層される他の樹脂層としては、はシート状物と貼り合わせる目的で、融点55〜145℃のポリオレフィン系樹脂層(B)が積層されていることが好ましい。ここで、層(A)が前記層(A0)と層(A’)との複合構成から成るときは、層(B)は層(A0)に接する様に設けることが望ましい。こうするとラミネート体を構成するときに層(B)を接着層としてシート状物と貼り合わせ、層(A’)がラミネート体の最表層とすることで意匠性・外観を良好することができる。
ここで、層(B)を構成するポリオレフィン系樹脂とは、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ブテン系樹脂から選ばれた少なくとも1種から構成されていると、基材との接着性が良好となるの好ましい。
エチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状ポリエチレン系共重合体、エチレンエチルアクリレート系樹脂、エチレンビニルアセテート系樹脂等が例示される。
この内直鎖状エチレン系共重合体としては、メタロセン化合物を触媒としてエチレンとα−オレフィンとを共重合して得られる直鎖状エチレン系共重合体(以下「メタロセンポリエチレン」という)を含有することが好ましい。
この内直鎖状エチレン系共重合体としては、メタロセン化合物を触媒としてエチレンとα−オレフィンとを共重合して得られる直鎖状エチレン系共重合体(以下「メタロセンポリエチレン」という)を含有することが好ましい。
ここでメタロセンポリエチレンとは、例えば、「機能性・環境対応型包装材料の新技術」,シーエムシー出版,2003年4月11日 第1刷、P.20に記載された、日本ポリケム(株)製の「カーネル」グレードのメタロセンポリエチレン群から最適なものを選定することが可能であるが、これに限定されるものでは無い。本発明において、該メタロセンポリエチレンの好ましい例としては、エチレン70〜99重量%、より好ましくは80〜93重量%と、炭素数が3〜12のα−オレフィン30〜1重量%、より好ましくは20〜7重量%とを、メタロセン化合物の存在下に、高圧イオン重合、気相重合、溶液重合法により製造される密度(JIS K7112、A法)が0.870〜0.905g/cm3、より好ましくは0.880〜0.903g/cm3のものである。エチレンと共重合される炭素数が3〜12のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1,4−メチルヘキセン−1,4,4−ジメチルペンテン−1、オクタデセン等が挙げられる。これらの中でも1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1が好ましい。
このようなエチレン系樹脂の融点は、好ましくは55〜95℃、更に好ましくは60〜85℃にその融解ピークを有するものであると好ましい。または、MFR(JIS K7210、条件4)が2〜150g/10分、より好ましくは5〜100g/10分の範囲であると基材シートとの接着性が良好となるので好ましい。
また、プロピレン系樹脂としては、具体的にはプロピレンを主体とし、エチレン、及びブテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンから選ばれたコモノマーを共重合した樹脂が好ましく、特に好ましくは、エチレン及び/または1−ブテンであり、ランダム及び/またはブロックエチレンプロピレン共重合体、プロピレンブテン共重合体、エチレンプロピレンブテン共重合体等が例示される。これらの好ましい融点としては、接着性の観点から、100〜145℃であり、更に好ましくは110〜130℃である。また、MFRは同様な観点から1〜30g/10分、更に好ましくは2〜20g/10分である。
層(B)は上述の樹脂から選ばれた1種からなる単独の層として構成されても良いし、2種以上の樹脂をブレンドした樹脂層とすることも可能である。更に上述の樹脂からなる2層以上の多層構成とすることも可能である。
更に、該(B)層には加工性を向上する目的で、無機あるいは有機の粒子あるいは添加剤を含有することが可能であり、シリカ系、アルミナ系、ゼオライト系等の無機系粒子、あるいはシリコーン系粒子、架橋ポリメチルメタアクリレート系粒子、架橋ポリスチレン系等粒子の有機粒子等、有機の添加剤としてはステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪族アミド類が例示され、含有量としては6000ppm以下が好ましく、より好ましくは5000ppm以下である。更に、該(B)層を構成する樹脂には樹脂層形成時の安定性を向上する目的で酸化防止剤等の安定剤を含有することが可能であり、ヒンダードフエノール類、フォスファイト系化合物等が例示される。
本発明ラミネート用ポリプロピレンフィルムの加熱収縮率は−2〜5%であるとラミネート体を形成した際のカール等の平面性の問題が軽減できるので好ましい。
ここで本発明ラミネートフィルムを、特に印刷紙等の多孔質材料と貼り合わせる目的で使用される場合には、上述のフイルムに更に層(C)として融点55〜100℃、特に好ましくは、65〜80℃、厚み3〜15μm、特に好ましくは5〜12μmのポリエチレン系樹脂層から構成されていることが接着性や印刷物の光沢性や色映えが良好となるので好ましい。
当該(C)表面の粗さは滑り性を良好とし、加工性を向上するために粗面化されていることが好ましく、その中心面平均粗さ(SRa)は30nm以上、より好ましくは50〜800nmである。更に、該(B)層の表面は、コロナ放電処理、フレーム処理、オゾン酸化処理等により、表面の濡れ張力を向上しておくことが好ましく、濡れ張力は38〜54mN/mであることが必要であり好ましくは40〜48mN/mである。
本発明ラミネート用ポリプロピレンフィルムはその優れたエンボス加工適性から、エンボス加工を施して使用されることが好ましい。この場合、エンボス加工のみ施し使用しても良いし、エンボス加工を施したラミネート体としても良い。この様なラミネート体として使用する際には、本発明フィルムにあらかじめエンボス加工を施した後にラミネートすることもできるし、ラミネート時に熱圧着ロールの少なくとも一方を彫刻ロールとして貼り合わせることで、ラミネートと同時にエンボス加工が可能となる。もちろん、貼り合わせ後にエンボス加工をすることも可能である。
また、本発明フィルムとラミネートする対象物としては、シート状物であれば特に限定されるものでは無いが、印刷紙、プラスチックフィルム、布帛、発泡シート、金属箔等が例示される。これら基材と本発明フィルムとを貼り合わせるためには、反応型の接着剤の溶剤希釈物をを少なくとも一方に塗布した後にオーブンで乾燥し、該フィルムとシート状物を貼り合わせることもできるが、上述層(B)及び/または層(C)を介して該フィルムとシート状物を熱ロール間で貼り合わせる方法がコスト面、環境面で優れている。
以下に本発明の耐蝕性金属被覆用フィルムの製造方法について述べるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
二軸配向ポリプロピレン層(A)のコア層を構成するポリプロピレン系樹脂を押出機Iに、表面を形成する樹脂層を構成するポリプロピレン樹脂を押出機IIに、必要に応じて熱接着層として機能する層(B)としてポリオレフイン系樹脂を押出機IIIのそれぞれ供給して、溶融ポリマーをポリマー管内あるいは口金内で合流させ、Tダイよりシート状に溶融押出し、10〜90℃に保たれたキャステイングドラム上で冷却固化し、未延伸シートを得る。該シートを120℃〜160℃に予熱後、同時二軸延伸装置に導いて長手方向には3〜10倍、幅方向にも3〜10倍に長手方向・幅方向に同時に延伸し、更に、少なくとも一方向にはリラックスを許しながら熱固定して巻き取る。特に好ましい延伸倍率条件としては前述の通り、縦:横の延伸倍率比が1.7:1〜1:1.7、最大延伸倍率を9倍以下、好ましくは6.5〜8.5倍である。
尚、フィルムを巻き取る前に、必要に応じてコロナ放電処理、フレーム処理、常温プラズマ処理を施しておくことが可能である。
また、このようにして得られたラミネート用ポリプロピレンフィルムの上に、押出ラミネート法により融点55〜100℃のポリエチレン系樹脂層(C)を積層することも可能である。この場合、特に好ましい方法としては、前記(B)層を有するラミネート用ポリプロピレンフイルムロールからフィルムを巻きだして、押出機IVよりシート状に押出した樹脂層(C)と該層(B)とが接する様に冷却ドラム上でラミネートし冷却させる。この際に該熱接着樹脂層を形成する樹脂を冷却ドラム上で直接冷却すると同時に該ドラムに予め形成したエンボスパターンあるいはサンドブラストパターンを転写させ、該樹脂層表面に凹凸を形成しておくと後工程のハンドリング性を向上させることができるので好ましい。次いで、両端エッジ部分をトリミングした後、熱接着性樹脂層表面にコロナ放電処理、オゾン処理またはフレーム処理等を施した後にロール状に巻き取る。
この結果、層(A)/(B)/(C)からなるラミネート用ポリプロピレンフィルムを得る。
このようにして得られたラミネート用ポリプロピレンフィルムは、予めエンボス加工を施した後にシート状物貼り合わせても良い。この様に予めエンボス加工をしてから貼り合わせる場合には、熱圧着ロール等で貼り合わせるとエンボスパターンが消失する可能性があり、アンカーコート剤等を塗布して溶剤を乾燥した後にシート状物と貼り合わせるいわゆるドライラミネーションによる方法が好ましい。また、貼り合わせ時にエンボス加工を施しても良い。特に、層(B)及び/または層(C)を有する本発明フイルムの場合は、加圧金属ロールの表面にエンボス状パターンを設けて、対向ロールのゴムロール間で該フイルムとシート状物を加圧ラミネートすることで一挙にエンボス加工品ができるので経済的である。この際に用いるエンボスロール状に形成されたパターンの深さは通常3mm以下であり、更に好ましくは2mm以下であると、エンボス時の仕上がりが綺麗にできる。またラミネート温度は該金属ロールの温度として80〜140℃であり、更に好ましくは90〜130℃である。また、ラミネート圧力はロール幅あたり、5〜100kg/cm、更に好ましくは10〜80kg/cmである。また、同様に貼り合わせる際に金属ロールとして鏡面ロールを用いて、エンボス加工をせずにラミネートすることも可能である。こうして得られたラミネート体は優れたエンボス性を有しているため、更にエンボス加工を施すことで綺麗なエンボスラミネート体を得ることができる。
本発明の実施例で使用した測定方法、評価方法は以下の通りである。
(1)各層の分離方法
A.各層の厚み
シート状物と貼り合わされたサンプルの場合はそのままの状態で、ミクロトームで薄膜切片として、偏向顕微鏡及びまたは透過型電子顕微鏡で観察して層構成を確認する。透過型電子顕微鏡ではオスミック酸染色法を用いることで各層の組成に応じて染色度が変わることを利用して層構成を区分することができる。こうして、各層の厚み比率を確認する。
A.各層の厚み
シート状物と貼り合わされたサンプルの場合はそのままの状態で、ミクロトームで薄膜切片として、偏向顕微鏡及びまたは透過型電子顕微鏡で観察して層構成を確認する。透過型電子顕微鏡ではオスミック酸染色法を用いることで各層の組成に応じて染色度が変わることを利用して層構成を区分することができる。こうして、各層の厚み比率を確認する。
次いで本発明フイルムにシート状物が貼り合わせている時は四塩化メチレン等の有機溶媒を用いてシート状物を剥離して、50℃×24時間の熱風オーブン中で該剥離フイルムを乾燥後、前記ダイアルゲージでフイルム厚みを測定して、トータル厚み(μm)とする。こうして得られたトータル厚みと各層の厚み比率から、各層の厚みを得る。
B.各層の区分
前記層構成を確認後順次表面から所定の厚みを削りだして、各層を露出させて、FT−IRにより組成を確認する。尚、層(B)は共押出法により形成されているため層(A)と類似の配向特性を保有していることから層(C)とは区分される。
前記層構成を確認後順次表面から所定の厚みを削りだして、各層を露出させて、FT−IRにより組成を確認する。尚、層(B)は共押出法により形成されているため層(A)と類似の配向特性を保有していることから層(C)とは区分される。
C.層(C)の剥離
層(C)が積層されている場合は、前記A項と同様に四塩化メチレン等の有機溶媒を適宜選択して、溶媒を層間に含浸させながらゆっくり剥離する。層(C)を剥離した層(A)を含むフイルム層を50℃×24時間熱風オーブン中で乾燥させ、必要な評価を行う。
層(C)が積層されている場合は、前記A項と同様に四塩化メチレン等の有機溶媒を適宜選択して、溶媒を層間に含浸させながらゆっくり剥離する。層(C)を剥離した層(A)を含むフイルム層を50℃×24時間熱風オーブン中で乾燥させ、必要な評価を行う。
(2)F2値、破断伸度
試験片として幅10×長さ200mmを切り出す。この際に、サンプルの長軸がS0,S45,S90,S135の軸に平行になるように切り出す(但し、S0はフイルムの面内に任意に設定されたある基準軸,S45はS0を時計回りに面内に回転させた際に得られる軸(すなわちS0と45度の角度を成す軸),S90はS0を同様に90度回転させた際に得られる軸,S135は同様に135度回転して得られる軸)。また、試料はシート状物あるいは層(C)が積層されている場合には、前記方法によってシート状物、層(C)を除去後測定する。
試験片として幅10×長さ200mmを切り出す。この際に、サンプルの長軸がS0,S45,S90,S135の軸に平行になるように切り出す(但し、S0はフイルムの面内に任意に設定されたある基準軸,S45はS0を時計回りに面内に回転させた際に得られる軸(すなわちS0と45度の角度を成す軸),S90はS0を同様に90度回転させた際に得られる軸,S135は同様に135度回転して得られる軸)。また、試料はシート状物あるいは層(C)が積層されている場合には、前記方法によってシート状物、層(C)を除去後測定する。
ダイアルゲージを用いて各試験片毎に試長に相当する部分(100mm)の3カ所の厚みを測定し平均値を求める。
F2値は該サンプルを引っ張り試験機(ORIENTEC製、AMF(RTC−1210A))にセットし、試長100mm、引っ張り速度300mm/minで引張り、2%伸張した際の応力Fを測定して次式で求める。
F2値(MPa)=F(N)/(厚み(mm)×幅(mm))
また、300mm/minで引っ張り続けた際にフイルムが破断した長さ(L)を測定して、次式で求める。
伸度(%)=(L(mm)-100(mm))/100(mm)×100。
F2値(MPa)=F(N)/(厚み(mm)×幅(mm))
また、300mm/minで引っ張り続けた際にフイルムが破断した長さ(L)を測定して、次式で求める。
伸度(%)=(L(mm)-100(mm))/100(mm)×100。
(3)融点
走査型差動熱量計(DSC)(PERKIN−ELMER製、DSC−1B)を用いて、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で昇温させたときに得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度(℃)で定義される。サンプルは前記各層を削りだして5mgをサンプリングする。
走査型差動熱量計(DSC)(PERKIN−ELMER製、DSC−1B)を用いて、窒素雰囲気下で5mgの試料を10℃/分の速度で昇温させたときに得られる結晶の融解にともなう吸熱カーブのピーク温度(℃)で定義される。サンプルは前記各層を削りだして5mgをサンプリングする。
(4)極限粘度[η]
ASTM D 1601に従って、テトラリン中で測定したもの(dl/g)。
ASTM D 1601に従って、テトラリン中で測定したもの(dl/g)。
(5)表面グロス
JISK7105に準拠して測定する。スガ試験機株式会社製 デジタル光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°、受光角60°の条件で測定する。
JISK7105に準拠して測定する。スガ試験機株式会社製 デジタル光沢計UGV−5Dを用いて入射角60°、受光角60°の条件で測定する。
(6)メルトフローレート(MFR)
JIS K 7210の条件に従って測定する。
JIS K 7210の条件に従って測定する。
ポリエチレン系樹脂は条件4、ポリプロピレン系樹脂は条件14を用いる。
(7)濡れ張力
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液によるJIS K 676に規定された測定方法に基づいて測定する。単位はmN/mで表す。
ホルムアミドとエチレングリコールモノエチルエーテルとの混合液によるJIS K 676に規定された測定方法に基づいて測定する。単位はmN/mで表す。
(8)加熱収縮率
JIS K1712に準じて測定する。
JIS K1712に準じて測定する。
(9)ラミネート強度、エンボス特性
得られたラミネート用ポリプロピレンフイルムと印刷紙とを加熱金属ロールとゴムロール間で加熱圧着してフイルム/印刷紙からなるラミネートフイルムを作成した。
得られたラミネート用ポリプロピレンフイルムと印刷紙とを加熱金属ロールとゴムロール間で加熱圧着してフイルム/印刷紙からなるラミネートフイルムを作成した。
この際加熱ロールとしては、鏡面ロールとエンボスロール(絹目パターン、エンボス深さ500μm)の2種類を用意した(何れも径は200mmφ)。
ラミネート条件は何れも線圧60kg/cm、速度25m/分、金属ロール表面温度120℃とした。
ラミネート強度:ラミネートフイルムのフイルムと印刷紙面との層間接着力を引っ張り試験機にて200mm/分の速度で剥離した際の剥離強度をg/15mmで表す。
エンボス率:エンボスロールのエンボス深さD1(500μm)に対して、ラミネート体に形成された絞り深さ(フイルム表面から測定される絞り深さ)を任意の20点測定して、その平均値D2を求め以下の式でエンボス率を求める。
エンボス率=D2/D1×100(%)。
(実施例1、2)
層(A)としてポリプロピレン樹脂(住友化学製FS2016)、層(A2)としてエチレンプロピレンブロック共重合体(三井化学(株)製F224V)、層(B)として、エチレンプロピレンブテン3元共重合体(住友化学製エクセレンWSW5054K3)をそれぞれ別な押出機にて溶融押出し、口金内でA2/A/Bの構成からなるシート状に押出し、20℃に設定された冷却ドラム上にエアナイフにて密着させ冷却固化させた。次いで該シートをラジエーションヒーター予熱後、同時二軸延伸装置に導いて、長手方向に7倍、幅方向に8倍の延伸倍率にて同時に延伸を行い、エッジ除去した後に巻き取った。
層(A)としてポリプロピレン樹脂(住友化学製FS2016)、層(A2)としてエチレンプロピレンブロック共重合体(三井化学(株)製F224V)、層(B)として、エチレンプロピレンブテン3元共重合体(住友化学製エクセレンWSW5054K3)をそれぞれ別な押出機にて溶融押出し、口金内でA2/A/Bの構成からなるシート状に押出し、20℃に設定された冷却ドラム上にエアナイフにて密着させ冷却固化させた。次いで該シートをラジエーションヒーター予熱後、同時二軸延伸装置に導いて、長手方向に7倍、幅方向に8倍の延伸倍率にて同時に延伸を行い、エッジ除去した後に巻き取った。
こうして得られたフィルムの厚み構成は層(A)(層(A2)含む)が13μm、層(B)が1μm、層(B)表面の濡れ張力が43mN/m、層(A)表面グロスが5%であった。
こうして得られたフイルムの該層(B)上に、押出ラミネータを用いて、エチレン酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー(株)製EVRN100)を溶融押出し、6μmの樹脂層を形成し、コロナ放電処理を行い巻き取った。
こうして得られたフイルムをエンボスロールとゴムロール間で印刷紙と貼り合わせながらエンボスを行った結果、表1に示すように優れたエンボス加工性を示した(実施例1)。また、エンボスロールの代わりに鏡面ロールを用いて該フイルムと発泡オレフインシートとを貼り合わせた後にエンボスロールを用いてエンボス加工を施したが同様にエンボス附型性は良好であった(実施例2)。
(比較例1、2)
実施例1において、冷却固化したA2/A/Bからなる未延伸シートをロール延伸装置を用いて縦方向に135℃で4.5倍に延伸した後、横延伸装置に導いてクリップで両端を把持しながら、155℃で9倍に横方向に延伸し、厚み14μm(内層(B)が1μm)の二軸配向フイルムを得た。実施例1同様に押出ラミネータを用いて、エチレン酢酸ビニル共重合体をラミネートしたフイルムを得て、ラミネートエンボス加工(比較例1)及びラミネート後エンボス加工(比較例2)を試みたがいずれもエンボス加工性は劣っていた。
実施例1において、冷却固化したA2/A/Bからなる未延伸シートをロール延伸装置を用いて縦方向に135℃で4.5倍に延伸した後、横延伸装置に導いてクリップで両端を把持しながら、155℃で9倍に横方向に延伸し、厚み14μm(内層(B)が1μm)の二軸配向フイルムを得た。実施例1同様に押出ラミネータを用いて、エチレン酢酸ビニル共重合体をラミネートしたフイルムを得て、ラミネートエンボス加工(比較例1)及びラミネート後エンボス加工(比較例2)を試みたがいずれもエンボス加工性は劣っていた。
(実施例3、4)
実施例1において層(B)としてExxon Mobil製直鎖状低密度ポリエチレンEXACT8203(融点73℃)を用い、同様にして二軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。トータルのフイルム厚みが20μmでこの内層(B)は7μm、層(B)の反対面のグロスは2%であった。こうして得られたフイルムを実施例1、2同様にラミネートエンボス、ラミネート後エンボスを行ったがいずれも優れたエンボス性を有するラミネート体を得ることができた。
実施例1において層(B)としてExxon Mobil製直鎖状低密度ポリエチレンEXACT8203(融点73℃)を用い、同様にして二軸配向ポリプロピレンフイルムを得た。トータルのフイルム厚みが20μmでこの内層(B)は7μm、層(B)の反対面のグロスは2%であった。こうして得られたフイルムを実施例1、2同様にラミネートエンボス、ラミネート後エンボスを行ったがいずれも優れたエンボス性を有するラミネート体を得ることができた。
本発明は、上記の通り特にシート状物と貼り合わせエンボスされるプリントラミネート用途、金属箔ラミネート用途に用いられ、特に壁材、床材等の内装材に好適に用いられるが、その応用範囲がこれらに限定されるものではない。
1 二軸配向ポリプロピレン層(A)(好ましい態様として、層(A’)+層(A0))
2 ポリオレフイン系樹脂層(B)
3 ポリエチレン系樹脂層(C)
4 ラミネート用ポリプロピレンフィルム
5 印刷紙
6 ラミネート体
2 ポリオレフイン系樹脂層(B)
3 ポリエチレン系樹脂層(C)
4 ラミネート用ポリプロピレンフィルム
5 印刷紙
6 ラミネート体
Claims (7)
- 共押出法によって得られる少なくとも一層が二軸配向ポリプロピレン層(A)からなる二層以上の層により構成されたラミネート用ポリプロピレンフィルムであって、該ラミネート用ポリプロピレンフィルムの、フィルム面内に任意に設定された少なくとも一つの基準軸S0と、該基準軸とそれぞれ45度,90度,135度の角度を成す軸(S45,S90,S135)に平行に切り出された4つの切片が有する2%の伸張時応力(F2値)の最大値と最小値の比が1〜1.6、かつ、破断伸度が60〜300%であることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムが、層(A)と融点55〜145℃のポリオレフィン系樹脂層(B)とからなることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム
- 請求項1または2に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムに、さらに融点55〜100℃、厚み3〜15μmのポリエチレン系樹脂層(C)が積層されてなるラミネート用ポリプロピレンフィルム。
- 請求項2に記載のラミネート用ポリプロピレンフイルムに層(B)を介して融点55〜100℃、厚み3〜15μmのポリエチレン系樹脂層(C)が積層されてなるラミネート用ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のラミネート用ポリプロピレンフィルムにエンボス加工を施してなることを特徴とするラミネート用ポリプロピレンフィルム。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムとシート状物とが貼り合わされてなることを特徴とするラミネート体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のラミネート用ポリプロピレンフィルムと、エンボス加工を施したシート状物とが貼り合わされてなることを特徴とするラミネート体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003390293A JP2005145029A (ja) | 2003-11-20 | 2003-11-20 | ラミネート用ポリプロピレンフィルムおよびこれからなるラミネート体 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2009119720A (ja) * | 2007-11-15 | 2009-06-04 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 化粧板及び化粧板の製造方法 |
JP5385484B2 (ja) * | 2011-03-29 | 2014-01-08 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 成形用包装材および電池用ケース |
-
2003
- 2003-11-20 JP JP2003390293A patent/JP2005145029A/ja active Pending
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