JP4471989B2 - プリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体 - Google Patents

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Description

本発明は、プリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体に関し、印刷が施された紙状物の印刷面に熱可塑性樹脂を熱ラミネートしたプリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体に関する。更に詳しくは、印刷紙をラミネート用熱可塑性樹脂フィルムによって被覆することによって、表面が保護され、また、印刷紙の光沢や質感など見た目の意匠性が向上されたプリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体に関する。
近年、雑誌、ラベル、広告等の印刷面に、熱可塑性樹脂フィルムを積層することによって、光沢を与えると共に、耐水性や耐油性を付与し、印刷面を保護する方法が広く採用されている。このような処理を当業界では、一般に光沢加工と呼ばれている。
これらの光沢加工には、紫外線硬化性の液状樹脂を印刷面に塗工して表面に光沢を付与するコート法と、表面に熱接着性を発現する接合層を有する熱可塑性樹脂フィルムを熱圧着するプリントラミネート法とがある。
このような熱可塑性樹脂フィルムは、一般に、保護性に優れたフィルムと、そのフィルムに接合層となる熱可塑性樹脂を押出して押出ラミネートすることによって積層されたラミネート用熱可塑性樹脂フィルムとし、これを、接合層側を印刷紙に熱ラミネートして保護層を形成する方法がとられている。
これらのラミネート用熱可塑性樹脂フィルムの基層としては、平滑性で光沢に優れることから二軸延伸ポリプロピレン(OPP)が広く使用されている。
しかしながら、コート法では光沢は付与できるが、保護層として印刷物を守る効果は得られない欠点があり、一方、プリントラミネート法は耐水性や耐油性を付与し、印刷物を保護することができるが、例えば、このような二軸延伸ポリプロピレンを使用するときは、印刷紙に積層する際、加熱による収縮のために二軸延伸ポリプロピレンの光沢が失われてしまい、折角の綺麗な印刷内容がぼやけ、その価値を損なってしまうという欠点がある。
この欠点を解消するために、スメクチック結晶構造を有するポリプロピレン樹脂フィルムを用いることが提案されている(特許文献1)。しかし、スメクチック構造のポリプロピレンは、一般に、当業界で用いる製造設備では製造できず、工業的な技術であるとはいえない。
また、印刷紙にラミネートを施す際には、一般に、加熱金属ロールによって押圧される。この際、表層となるポリプロピレン層に金属ロールによる傷が転写されやすく、このためポリプロピレンフィルムに接合層としての熱融着性樹脂を積層し、屈折率を特別な範囲に調整して透明性に優れたプリントラミネート体を得る試みが提案されている(特許文献2)。しかし、この場合もプリントラミネートした製品の光沢度は満足できるものではなかった。
平滑性の高い基層を用いたラミネート用熱可塑性樹脂フィルムを使用した場合にも、紙の繊維の凹凸や印刷インキの凹凸のために、印刷紙自体の表面が完全な平滑ではないことから、熱ラミネートされた熱可塑性樹脂フィルムの表面も下地の凹凸やうねりに呼応した凹凸が形成されてしまうので、完全な平滑にすることはできず、得られる光沢にも限度があった。
特開平7−156350号公報 特開平6−126914号公報
本発明の課題は、上記従来技術に鑑み、表面にある程度の凹凸やうねりが存在する印刷紙であっても、平滑な表面として、今までにない光沢度を有する、優れたプリントラミネート体を製造することのできるプリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体を提供することにある。
本発明は、かかる問題に鑑み鋭意検討した結果なされたもので、未延伸または延伸倍率が1.2倍以下で融点が110〜156℃のプロピレンランダム共重合体からなる熱可塑性樹脂層(A)を、接合層(C)を介して印刷が施された印刷紙(D)に熱圧着して積層体とした後、熱可塑性樹脂層(A)面を平滑化するための平滑化操作を行うことを特徴とするプリントラミネート体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記平滑化操作が、ロール、ベルト又は平板に接触させることによって行われることを特徴とする上記のプリントラミネート体の製造方法、前記接合層(C)は、融点が53〜100℃のエチレン系重合体を主成分とすることを特徴とする上記のプリントラミネート体の製造方法、前記熱可塑性樹脂層(A)と前記接合層(C)との間に、熱可塑性樹脂からなる中間層(B)を介装することを特徴とする上記のプリントラミネート体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、印刷が施された印刷紙層(D)に、未延伸または延伸倍率が1.2倍以下の熱可塑性樹脂層(A)が接合層(C)を介して積層されてなる積層体であって、熱可塑性樹脂層(A)が、融点が110〜156℃のプロピレンランダム共重合体からなることを特徴とするプリントラミネート体、前記接合層(C)が、融点が53〜100℃のエチレン系共重合体を主成分とすることを特徴とする上記のプリントラミネート体、前記接合層(C)が、融点が53〜100℃のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とすることを特徴とする上記のプリントラミネート体、前記熱可塑性樹脂層(A)と前記接合層(C)との間に熱可塑性樹脂からなる中間層(B)が介装されてなる上記のプリントラミネート体、前記熱可塑性樹脂層(A)、前記接合層(C)、及び前記中間層(B)が、インフレーション成形法によって一体に積層したフィルムにより形成されてなることを特徴とする上記のプリントラミネート体を提供するものである。
本発明によれば、最表層の平滑性に優れ、光沢が高く、見た目に質感の高い印刷紙を得ることのできるプリントラミネート体の製造方法、プリントラミネート機及びプリントラミネート体を得ることができる。
本発明のプリントラミネート体の製造方法は、未延伸または延伸倍率が1.2倍以下の熱可塑性樹脂層(A)を、接合層(C)を介して印刷が施された印刷紙層(D)に熱圧着して積層体とした後、熱可塑性樹脂層(A)面を平滑化することによって、光沢の優れたプリントラミネート体を得ることにある。その詳細につき、以下に具体的に説明する。
熱可塑性樹脂層(A)は印刷紙の表面に積層されるが、一般には、図1に示すように、熱可塑性樹脂層(A)には、融点が低く熱接着性に優れた熱可塑性樹脂からなる接合層(C)と、必要に応じて、成形を安定化し得る中間層(B)が積層される。熱接着性に優れた接合層(C)を設けることによって、ぼけがなく美麗なプリントラミネート体を容易に製造することができる。
熱可塑性樹脂層(A)をプリントラミネートする方法は、熱可塑性樹脂層(A)に熱接着性を有する樹脂の接合層(C)を押出ラミネート加工によって積層せしめ、しかる後、印刷紙に熱ラミネート加工せしめる方法や、熱可塑性樹脂未延伸フィルム又は延伸倍率が1.2倍以下の熱可塑性樹脂延伸フィルム(A)を押し出し成形法により製膜する際に、共押出成形方法により、熱接着性を有する樹脂からなる接合層(C)を有する熱可塑性樹脂の多層フィルムを調製し、しかる後、印刷が施された紙に熱ラミネート加工せしめる方法など、公知の技術により、印刷紙に積層することができる。
(熱可塑性樹脂層(A)の成形方法)
本発明では、熱可塑性樹脂層(A)の熱可塑性樹脂として、融点が110〜156℃の
プロピレンランダム共重合体が使用され、未延伸または延伸倍率が1.2倍以下とされる。
融点が110〜156℃のプロピレンランダム共重合体を使用することによってラミネ
ート性が向上し、また、未延伸または延伸倍率を1.2倍以下とすることによって、光沢が向上し、特に、熱可塑性樹脂層(A)の表面に鏡面、あるいは平滑性の高い素材と熱をかけた状態で接触させることで光沢を更に上げることが可能となる。
熱可塑性樹脂未延伸フィルムあるいは1.2倍以下の熱可塑性樹脂延伸フィルムであれば、配向がかからず、あるいは配向のかかりが弱いので、分子の再配列が容易で、接触せしめる鏡面あるいは平滑性の高い素材の表面状態を転写し、平滑性の高い表面状態に変形させることが容易となる。
これらを満たす製膜方法として、例えば、インフレーション製膜方法やTダイ製膜方法を選ぶことが出来る。
一般に、インフレーション成形方法では、環状のダイスの円周長より、得られるチューブ状のフィルムの円周長を数倍程度になるように設定し、この比をブロー比と呼んで、加工安定性や偏肉精度や物性の制御に用いている。これも広義での延伸に含まれるが、溶融状態に近い状態での処理となり、本発明の効果には影響を及ぼさないため、本発明ではブロー比の制限はない。ただし、一般的な延伸ポリプロピレンを得るような延伸倍率が1.2倍以上になる延伸工程を施す成形方法は選ぶことができない。
熱可塑性樹脂層(A)と接合層(C)との積層方法は特に限定されず、共押しインフレーション法、共押しTダイ法、押出ラミネート法などの公知の方法を採用することができるが、共押しインフレーション法が経済的で好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂層(A)と接合層(C)との積層フィルムは、複数の押出機と共押出多層環状ダイを用いてインフレーション成形で得ることができる。
熱可塑性樹脂層(A)と接合層(C)の2層、あるいは好ましくはインフレ成形時の安定性を高めるため中間層(B)を介して3層として、それぞれ押出機で溶融せしめ、共押出多層環状ダイよりチューブ状にして押出し、ブロアーなどから供給される空気を空冷リングから溶融チューブに吹き付けて冷却固化させた後、ガイド板を経てピンチロールにて折り畳み、引取機にて引き取る方法によって得ることができる。
熱可塑性樹脂層(A)、中間層(B)及び接合層(C)の積層フィルムは、いずれの側をチューブの外側として成形することができるが、接合層(C)を外側とするのが好ましい。また、肉厚比は、保護層(A):中間層(B):接合層(C)=5〜15:5〜15:5〜15、好ましくは10〜15:5〜10:5〜10の範囲とするのが一般的である。
この成形方法で使用できる成形機、冷却リング、ブロアー、ガイド板、ピンチロール及びフィルムの引取機などは、一般に使用されているものを使用することができる。
本発明におけるラミネート用の積層熱可塑性樹脂フィルムを成形する条件としては、本発明で特定する特性が得られる限り特に限定しないが、成形温度は170〜250℃、好ましくは170〜200℃、成形速度は5〜50m/分、好ましくは10〜40m/分が好適である。また、接合層(C)面にはコロナ処理を施すと特に好ましい。
[1]熱可塑性樹脂層(A)の素材
本発明における、熱可塑性樹脂層(A)を構成する熱可塑性樹脂としては、プロピレンランダム共重合体が挙げられる。以下プロピレンランダム共重合体について説明する。
(1)モノマー構成
本発明に使用されるプロピレンランダム共重合体としては、プロピレンから誘導される構成単位を主成分としたプロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体が望ましい。
コモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくはエチレンまたは炭素数4〜18のα−オレフィンである。α−オレフィンは1種又は2種以上の組合せであってもよい。
具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができ、このうち、エチレンがもっとも好ましい。
プロピレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの単位の量は、通常0.5〜12重量%、好ましくは1〜10重量%である。α−オレフィン単位が多い場合、フィルムの剛性が低下し、傷が付きやすくなり、少なすぎる場合は、しなやかさ、透明性が損なわれる。プロピレン単位及びα−オレフィン単位は、13C−NMR法によって計測することができる。
(2)樹脂特性
本発明で用いるプロピレンランダム共重合体は次の特性を有するものが望ましい。
(イ)メルトフローレート(MFR)
プロピレンランダム共重合体のMFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜20g/10分、好ましくは2〜20g/10分であることが好ましい。MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(230℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
(ロ)融解ピーク温度(Tm)
本発明で用いるプロピレンランダム共重合体は、示差走査熱量計(DSC)による融解ピーク温度(Tm)が110〜156℃、好ましくは110〜145℃、より好ましくは120〜140℃、さらに好ましくは125〜135℃が望ましい。融点をこのような範囲とすることで、透明性に優れ、後の工程で、鏡面あるいは平滑性の高い素材によって熱をかけた状態で押圧して最表面を平滑にする際に耐熱性や転写性に優れる。
融解ピーク温度が上記範囲未満の場合には剛性が低下し、好適な耐ブロッキング性が得られず、また、上記範囲を超える場合にはしなやかさが損なわれる。
融解ピーク温度が比較的高い場合には、平滑化工程で高い温度が必要とされる場合があるが、一方、高い温度で平滑化工程がなされると、印刷紙層(D)との接着強度が向上する利点がある。特に融解ピーク温度が145℃〜156℃の範囲において顕著である。
(ハ)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比
本発明で用いるプロピレンランダム共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜3.5であることが好ましく、1.8〜3.3であることがより好ましい。Mw/Mnの測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で行うことができる。
(3)重合触媒
本発明に用いられるプロピレンランダム共重合体を製造するための重合触媒は、特に制限されるものではないが、シングルサイト触媒が好ましい。かかる触媒によって得られるプロピレンランダム共重合体は、透明性に優れ、インフレーション成形も可能な溶融特性を有している。
シングルサイト触媒とは、実質的に、均質な重合活性点によって構成された触媒を指称し、具体的には、メタロセン系遷移金属化合物(いわゆるカミンスキー触媒)、あるいは、非メタロセン系遷移金属化合物(ブルックハルト系触媒、フェノキシイミン系錯体等)と、助触媒(メチルアルミノキサンや硼素化合物等)から構成される重合触媒などをいう。
最も好ましいシングルサイト触媒としては、メタロセン系遷移金属化合物と、助触媒から構成される重合触媒である。
(4)かかるプロピレンランダム重合体は、メタロセン系触媒によるプロピレン共重合体として市販されているものから選択し使用することもできる。市販品としては、日本ポリプロ株式会社製のプロピレン−エチレンランダム共重合体、商品名「ウィンテック」等が挙げられる。
(5)添加剤
(イ)核剤
本発明のプロピレンランダム共重合体には、上記成分にジベンジリデンソルビトール誘導体、有機リン酸金属塩、有機カルボン酸金属塩、高密度ポリエチレン等の核剤を添加してもよく、核剤を配合することによって透明性を向上することができる。添加量は、0〜5重量%、好ましくは0〜3重量%程度が望ましい。高密度ポリエチレンの添加によって、同時に加工安定性を改良することができる。
(ロ)その他の成分
本発明のプロピレンランダム共重合体には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、着色剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
(6)樹脂組成物の調製
添加剤の配合は、樹脂組成物を調製する任意の段階で必要に応じて配合される。溶融混練は、例えば粉末状、ペレット状等の形状の各成分を一軸又は二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ブラベンダープラストグラフ、小型バッチミキサー、連続ミキサー、ミキシングロール等の混練機を使用して行なわれる。混練温度は、一般に180〜270℃である。
[2]中間層(B)
本発明で、共押出成形方法により、熱接着性を有する樹脂からなる層を有する熱可塑性樹脂層(A)のフィルムを得るには、必須ではないが、成形性を改良する機能を付与するために中間層(B)を設けることが好ましい。
本発明では、熱可塑性樹脂層(A)と後述する接合層(C)との間に、好ましい態様として、中間層(B)を介装することができる。中間層(B)を設けることにより、フィルム成形時の成形性を向上させる機能を付与することができる。
中間層(B)は、インフレーション製膜の安定性を付与するためのもので、ポリエチレンが特に好ましく、ポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体を使用することができる。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数3〜12程度のオレフィン共重合体を用いることができ、共重合量は、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%程度である。また、後述する(c1)のシングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体も好ましい材料である。ただし、後述する接合層(C)の(c1)エチレン・α−オレフィン共重合体よりもα−オレフィンの含量の少ないものが用いられる。
中間層(B)として特に好ましいものは、高圧ラジカル重合法低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体、あるいはこれらの混合物である。
さらに、本発明の中間層(B)は、過半量とならない範囲において他の熱可塑性樹脂を添加することができる。
[3]接合層(C)
本発明で、熱接着性に優れた熱可塑性樹脂層(A)を得るためには、熱接着性を有する樹脂からなる接合層(C)を積層する。
これは後の工程で印刷紙に熱ラミネート手法により積層せしめることを可能とさせる。
接合層(C)を構成する材料としては、融点が53〜100℃のエチレン系重合体が好ましく、融点が60〜100℃のエチレン系重合体がより好ましい。
エチレン系重合体としては、具体的には、(c1)シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体、もしくは、(c2)エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。特に、融点が53〜100℃、好ましくは60〜100℃のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とする樹脂を積層することが望ましい。
(c1)シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体
本発明のラミネート用熱可塑性樹脂フィルムの接合層(C)を構成する(c1)エチレン・α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒を用いて重合されたエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である。下記(i)〜(ii)の特性を有し、さらに(iii)〜(iv)の特性を有する共重合体が望ましい。
シングルサイト触媒は前述の通りであるが、メタロセン触媒として、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、あるいは、その置換体等の非架橋型メタロセン触媒を使用することもできる。
(イ)モノマー構成
本発明に使用されるエチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーとして用いられるα−オレフィンは、好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィンである。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等を挙げることができる。α−オレフィンは1種又は2種以上の組合せであってもよい。
エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンの含有量は、5〜40重量%が好ましく、より好ましくは7〜35重量%である。α−オレフィンの含有量が少ない場合、フィルムの衝撃強度、及び、低温ヒートシール性が得られず、多すぎる場合は、耐ブロッキング性が損なわれる。α−オレフィン含有量は、13C−NMR法によって計測される。
(ロ)メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体
メタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体は、メタロセン系ポリエチレンとして市販されているものの中から適宜選択し使用することもできる。市販品としては、日本ポリエチレン社製「カーネル」や「ハーモレックス」、デュポンダウ社製「アフィニティー」等が挙げられる。エチレン・α−オレフィン共重合体は、1種又は2種以上混合して使用することもでき、また、他のポリエチレン、特には高圧法低密度ポリエチレンをブレンドすることも好ましい態様である。
(ハ)特性
(i)メルトフローレート
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体のMFR(190℃、21.18N荷重)は、0.1〜60g/10分であり、好ましくは1〜45g/10分である。MFRが0.1g/10分未満では後の工程で印刷紙に熱ラミネート手法により積層せしめる際に、印刷紙の表面凹凸に呼応して変形し、均一な密着が不十分になり、60g/10分を超えると成形性が不良になる。なお、MFRの測定は、JIS−K6921−2:1997付属書(190℃、21.18N荷重)に準拠して行う。
(ii)密度
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.870〜0.910g/cmであり、好ましくは0.890〜0.905g/cmである。密度が0.870g/cm未満ではフィルムにベタツキが発生し、0.910g/cmを超えると紙基材等への接着強度等の接着適性が悪くなるため好ましくない。なお、密度は、JIS−K6922−2:1997付属書の低密度ポリエチレンの場合に準拠して測定する(23℃)。
(iii)平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比
本発明で用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めたZ平均分子量(Mz)と数平均分子量(Mn)との比(Mz/Mn)は、8.0以下が好ましく、より好ましくは5.0以下である。Mz/Mnが8.0を超えると透明性が悪化する。
(ニ)添加剤
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体を構成する樹脂成分には、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、他の付加的任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、通常のポリオレフィン樹脂材料に使用される酸化防止剤、結晶核剤、透明化剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、金属不活性剤、蛍光増白剤等を挙げることができる。
(c2)エチレン・酢酸ビニル共重合体
本発明ラミネート用熱可塑性樹脂フィルム1の接合層(C)は、エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いることもでき、エチレン・酢酸ビニル共重合体は、チューブラー方式によるものであってもオートクレーブ方式によるものであってもよい。
エチレン・酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は、3〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは10〜20重量%程度とされる。酢酸ビニル含量がこれを上回るときは、べたつきが発生し易く、下回るときは紙との接着が不良となり易く、好ましくない。
MFR(230℃、21.18N荷重)は、1〜20g/10分、好ましくは2〜20g/10分程度である。MFRがこれを上回るときは、成形時のバブルの安定性が悪くなり、下回るときは、紙との接着が悪くなり、好ましくない。
本発明のプリントラミネート体を構成する印刷紙としては、アート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成紙等があげられる。これらの印刷紙は単層体、積層体のいずれでも良い。
印刷紙への印刷方式は、リトグラフ、オフセット等の平版印刷、フレキソ印刷、活版印刷等の凸版印刷、エッチング、グラビア印刷等の凹版印刷、シルクスクリーン印刷、ステンシル等の孔版印刷等の従来公知の方法が採用される。
(プリントラミネート体の作製と表面平滑化)
本発明では、印刷が施された印刷紙層の表面に、延伸倍率が1.2倍以下の熱可塑性樹脂延伸フィルム、すなわち、熱可塑性樹脂未延伸フィルム又は延伸倍率が1.2倍以下の熱可塑性樹脂延伸フィルムからなる熱可塑性樹脂層(A)と接合層(C)の積層体が積層される。積層方法としては、図2に示すような、熱ロール1とニップロール2とで構成されたプリントラミネート機を用いて行うことができる。プリントラミネート機には特に制限は無く、GBCフィルムグループ・アジア社製サイクロンや、松本機械製作社製熱ラミネーター、株式会社ハママツ社製熱ラミネーターなど、一般的なプリントラミネート機を用いることもできる。
熱可塑性樹脂層(A)を積層した後、熱可塑性樹脂層(A)と表面が平坦な部材とを接触せしめることによって、その表面を平滑化させ、見た目の質感の著しく高い光沢を発現させることができる。表面が平坦な部材としては、ロール、ベルト又は平板が挙げられる。
平滑化の適正な条件は、対象とする印刷紙の種類や印刷紙表面の凹凸の程度にも依存し、個々に異なるので一概には規定できないが、好適な例をいくつか説明する。
図3は、積層および平滑化の好適な手法の一例を示しており、熱圧着と平滑化させるための2つの目的を持つプリントラミネート機である。このプリントラミネート機は、熱ロール5と送りロール6とが平行に配設され、これらに亘って、鏡面あるいは平滑性の高い押圧部材としてのエンドレス状のステンレス板7が架け渡されている。
熱ロール5には、該熱ロール5との間で前記ステンレス板7を介して、積層すべき熱可塑性樹脂層(A)、必要に応じて積層される中間層(B)、接合層(C)及び印刷紙層(D)からなる被ラミネート体を熱圧着させるためのニップロール8が配置されている。また、熱ロール5と送りロール6との間のステンレス板7の内側には、テンションロール10、10が配置され、エンドレス状のステンレス板7に所定の張力を付与している。
送りロール6には、熱圧着後の被ラミネート体をステンレス板7の表面に接した状態で所定距離保持した後、該ステンレス板7から送り出すための送り出しロール11が配置されている。このため、熱ロール5とニップロール8との間でステンレス板7を介して熱圧着された被ラミネート体は、ニップロール8と送り出しロール11との間でステンレス板7の表面に接したまま図示右方向に搬送される。この過程で、熱可塑性樹脂層(A)の表面に、ステンレス板7の平滑性が転写されて平滑化される。
ステンレス板7の内側には、平滑化完了時に被ラミネート体の温度を下げるための冷却部9を有している。冷却部9における具体的な冷却方法としては、ステンレス板7の内側から流水をかける方法が好ましい。
このようなプリントラミネート機を用いた積層工程において、熱ロールの温度は、フィルムと印刷紙Dの接着強度を高く得ることができるので高い方が好ましく、具体的には90℃以上が好ましく、100℃以上であればより好ましく、120℃以上であれば接着強度を充分に得ることができるので特に好ましい。また、紙の変形など悪影響を抑制できるので、ある程度は低いほうが好ましく、具体的には、180℃以下が好ましく、160℃以下であればより好ましく、140℃以下であれば印刷紙のカールなどの不具合を抑制できるので特に好ましい。
温度調整の手法には特に制限は無く、熱電対で測定しつつ、バンドヒーターで加熱するなど公知の手法で調整できる。
熱圧着時のニップ圧は、熱ロールの温度や印刷紙の状態のバランスになるので一概には規定できないが、ある程度は高いほうが好ましく、具体的には1kgf/cm以上が好ましく、3kgf/cm以上であればより好ましく、10kgf/cm以上であればさらに好ましく、30kgf/cm以上であれば充分な接着強度を得ることができるので特に好ましい。
図3に示すプリントラミネート機においては、熱ロールを出た後、積層されたプリントラミネート体は熱可塑性樹脂層(A)が鏡面あるいは平滑性の高い押圧部材としてのエンドレス状のステンレス板7に接したまま保持され、この時に表面の平滑性が転写され、抜群の光沢感を付与することになる。この時のステンレス板の温度は、温度は高いほうが良好に平滑性の転写が進行できるので好ましい。
具体的には積層工程の熱ロールと同じ温度が好ましい。図3の装置を用いれば、ステンレス板7は熱ロール5を離れた後、放熱で数℃温度が低下してしまう程度でステンレス板7を保持できるので好適である。熱圧着してから冷却部9によって冷却されるまでの時間は、当該部間の長さと加工速度の比で決まるが、長く維持したほうが平滑化が進むので長い方が好ましく、具体的には0.1s以上が好ましく、0.5s以上であればより好ましく、1s以上であればさらに好ましく、2s以上維持できれば充分な平滑化を進め得るので特に好ましい。
また、この手法では、圧力をかける時間が短く、圧力フリーの状態でより長い時間をかけることにより平滑化を得るので、特に長い時間をかけることが好ましくなる。ニップ部から冷却部9までの長さは長い方が加工速度を上げても上記の維持時間を長く取れるので好ましく、具体的には50cm以上が好ましく、100cm以上の設計とすればより好ましく、150cm以上確保できれば、加工速度を上げる余地が高くなるので特に好ましい。
また、平滑化の別な例としては、図4に示すように、印刷紙層(D)の表面に熱可塑性樹脂層(A)をラミネートするための熱ロール1、ニップロール2のロール対と、平滑化のための押圧ロール3及びニップロール4の対を直列に配設された装置を用い、印刷紙層(D)へ熱可塑性樹脂層(A)を積層し、さらに平滑化工程としてロール押圧工程を経る方式とすることができる。
本発明のプリントラミネート体の表面グロスは、96%以上であることが好ましい。光沢度は、JIS K8741に準拠して、角度が20度で測定する。
以下、実施例に従って、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例における押出ラミネート加工性、積層フィルムの特性、プリントラミネート体の特性評価方法および実施例で使用した樹脂は以下の通りである。
1)プリントラミネート体の特性
(1)光沢度(グロス):プリントラミネート体の印刷部の光沢度(入射光および反射光の角度が20度での光沢度)を、スガ試験機社製の光沢度測定装置UGV−5DP(商品名)で、JIS K8741に準拠して測定した値を示した。
(2)光沢度(目視):7人の試験者が比較例1のプリントラミネート体を○として以下の基準で相対評価し、中央値を求めた。
○ :元の印刷紙に対し、光沢感が付与されている
○+ :元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与されている
◎ :元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与され表面にギラつきが見られる
◎+ :元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与され表面にギラつきが見られ、印刷色を際立たせている
◎++ :元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与され表面にギラつきが見られ、印刷色を際立たせ、奥行きを感じさせる
◎+++:元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与され表面にギラつきが見られ、印刷色を際立たせ、奥行きを強く感じさせる
(3)接着強度:プリントラミネート体製品を、幅25mm、長さ100mmの試験片に切断し、長さ方向50mmを手で剥離した後、島津製作所引張試験機で180度方向に300mm/分の引張速度で剥離した引張強度の値を示した。
2)使用樹脂・成形機
(1)樹脂
・ WMB3:日本ポリプロ社製シングルサイト触媒によるプロピレンランダム共重合体 MFR=8g/10分,融点=142℃ Mw/Mn=2.8
・ WFX6:日本ポリプロ社製シングルサイト触媒によるプロピレンランダム共重合体 MFR=2g/10分,融点=125℃ Mw/Mn=2.8
・ WXK1250:日本ポリプロ社製シングルサイト触媒によるプロピレンランダム共 重合体 MFR=7g/10分,融点=135℃ Mw/Mn=2.8
・ WEG7T:日本ポリプロ社製シングルサイト触媒によるプロピレンランダム共重合
体 MFR=1.4g/10分,融点=154℃ Mw/Mn=2.8
・ LF280:日本ポリエチレン社製の高圧法方低密度ポリエチレン MFR=0.6
g/10分,密度=0.928g/cm3 融点=115℃
・ KF290:日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オレ フィン共重合体 MFR=2g/10分,密度=0.925g/cm 融点=
120℃
・ KF360T:日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オ レフィン共重合体 MFR=2g/10分,密度=0.903g/cm 融点=
90℃
・ XM138:日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オレ フィン共重合体 MFR=40g/10分,密度=0.895g/cm 融点=
70℃
・ KS340T:日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オ
レフィン共重合体 MFR=3.5g/10分,密度=0.880g/cm 融点
=60℃
・ KC650T:日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オ
レフィン共重合体 MFR=20g/10分,密度=0.888g/cm 融点=
55℃
・ LV570:日本ポリエチレン社製のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
MFR=15g/10分,酢酸ビニル(VA)含有量20重量% 融点=83℃
・ KMB32F:アンチブロッキング剤入りポリエチレンマスターバッチ
(2)インフレ3層共押出成形機
住重モダンマシナリー社製 3種3層共押出成形機
押出機径 φ65mm
ダイス口径 350mm
押出機設定温度 180℃
ダイス設定温度 190℃
(3)Tダイ3層共押出成形機
三菱重工社製 3種3層共押出成形機
押出機径 φ65mm(C層側)/φ115mm(B層部)/φ65mm(A層部)
ダイス巾 2400mm
押出機設定温度 220℃
ダイス設定温度 220℃
(4)押出ラミネート成形機
住重モダンマシナリー社製 1種1層単層押出成形機
押出機径 φ65mm
実施例1
表1の通り、(A層)をプロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製WMB3)の5μm、(B層)に線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製LF280)を50重量部と線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製KF290)を50重量部の15μm、(C層)を線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製KF360T)にアンチブロッキング剤を配合して5μmとし、A層を内層側、C層を外層側としてインフレ共押出成形機で製膜した。
押出速度100kg/H、チューブ巾800mmで、上記の層比で、総厚25μmとなるべく調整し、インラインでC層面にコロナ処理を施し、インラインスリットで耳を切り落として最終製品780mm巾のフィルム製品を得た。このインフレーション成形時には延伸工程を経ていないので、熱可塑性樹脂未延伸フィルムを得たことになる。
次に、図2に示す方式の装置で、得られた積層フィルムのC層面とオフセット印刷したアート紙をロール温度が100℃、ニップ圧を線圧2kgf/cm、熱ラミネートせしめた。
しかる後、熱ラミネート品をA4サイズに切り取り、A4サイズで10mm厚のステンレス板からなる土台の上にフィルム面を上側にして置き、さらに上に100℃に調整したA4サイズで10mm厚の鏡面に磨き上げたステンレス板を上にのせ、さらに総荷重200kgfのおもりをのせて加圧させ、10秒保持した。その後、おもりを除去し、ステンレス板に水をかけて60℃まで冷却し、ステンレス板をどけて、プリントラミネート体を得た。表に示す通り、外観光沢性に優れ、印刷したアート紙との接着強度も充分に高く、実用性に優れた品質を有していることが確認できた。
実施例2
実施例1と同様にしてインフレーションフィルム製品を得た。
次いで、得られた積層フィルムのC層面とオフセット印刷したアート紙に重ね合わせて、図4に示す方式の装置で加工した。
熱圧着を目的とする第一の熱ロール条件をロール温度が100℃、ニップ圧を線圧2kgf/cm、平滑化を目的とする第二の熱ロール条件をロール温度が100℃、ニップ圧を線圧2.0kgf/cmとし、速度が30m/分にて、熱ラミネートと表面平滑化を行ない、プリントラミネート体を得た。得られたプリントラミネート体は表に示す通り、外観光沢性に優れ、印刷したアート紙との接着強度も充分に高く、実用性に優れた品質を有していることが確認できた。
実施例3
図4に示す方式の装置を用い、平滑化を目的とする第二の熱ロール条件をロール温度が100℃、ニップ圧を線圧2.2kgf/cmとした以外は実施例2と同様にしてプリントラミネート体を得た。評価結果を表に示す。
線圧を第一の熱ロールの1.1倍の高い条件にしたことにより、平滑化が進行し、プリントラミネート体の外観の光沢感を増すことができた。
実施例4
実施例1と同様にしてインフレーションフィルム製品を得た。
次に、図3に示す方式の装置で、得られた積層フィルムのC層面とオフセット印刷したアート紙をロール温度が100℃、ニップ圧を2kgf/cm、ニップ部から冷却部までの長さが80cm、速度が30m/分にて、熱ラミネートと表面平滑化を行ない、プリントラミネート体を得ることができた。
得られたプリントラミネート体は表に示す通り、外観光沢性に優れ、印刷したアート紙との接着強度も充分に高く、実用性に優れた品質を有していることが確認できた。
実施例5
熱ロール温度及びステンレス板温度を130℃としたこと以外は、実施例4と同様にして、プリントラミネート体温度を上げたことで、平滑化が進行し、プリントラミネート体の外観の光沢感を増すことができた。
実施例6
ニップ部から冷却部までの長さを200cmとしたこと以外は、実施例4と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表1に示す。ニップ部から冷却部までの長さを長くしたことで接触時間が長くなり、平滑化が進行し、プリントラミラミネート体の外観の光沢感を増すことができた。
実施例7
表2の通り、(A層)のプロピレンランダム共重合体を日本ポリプロ(株)製WXK1250としたことと、ロール温度及びステンレス板温度を95℃としたこと以外は、実施例4と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表2に示す。
(A層)に融点の低いプロピレンランダム共重合体を用いたことで、低いロール温度でも、実施例4同様、元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与され表面にギラつきが見られ、印刷色を際立たせている効果を得た。
実施例8
表2の通り、(A層)のプロピレンランダム共重合体を日本ポリプロ(株)製WFX6
としたことと、ロール温度及びステンレス板温度を90℃としたこと以外は、実施例4と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表2に示す。
(A層)により、融点の低いプロピレンランダム共重合体を用いたことで、実施例4、7より低いロール温度でも、元の印刷紙に対し、光沢感が強く付与され表面にギラつきが見られ、印刷色を際立たせている効果を得た。
実施例9
表1の通り、(C層)に日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体XM138を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表に示す。
(C層)に、より融点の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を用いたことで、実施例4より高い接着強度を得ることができた。
比較例1
基材として、市販の二軸延伸製膜加工したポリプロピレンフィルム(二村化学工業社製 PB260(商品名)厚さ15μm、幅840mm)を使用し、(C層)を線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製XM138)として、押出機に装着したTダイから、樹脂温度240℃、実効ダイス巾1100mm、肉厚が15μmにて、溶融押出しした。
次いで、押出ラミネート装置の基材の繰出部より二軸延伸ポリプロピレンフィルムを繰り出し、この片面にアンカーコート剤を塗布し、乾燥後塗布面と、Tダイからフィルム状に溶融押出しした樹脂層との間をオゾン処理し、表面をマット仕上げした冷却ロールと圧縮ゴムロールで圧着ラミネートし、インラインスリットで耳部を切り落として800巾とし、さらに積層されたフィルムの樹脂層の表面にコロナ放電処理を施し、積層フィルムを得た。
これの総厚30μm程度の薄肉となるラミネート成形機の巻き姿では端部の揃いが悪く、耳高や荷扱い時の耳折れが生じるので、スリッターで二次スリットをかけて、端部を切除して780mm巾の積層フィルム製品とした。
次に、図2に示す方式の熱ラミネーターで得られた積層フィルムのコロナ放電処理面とオフセット印刷したアート紙をロール温度が100℃、ニップ圧を2kgf/cm、速度が30m/分の条件で、プリントラミネート体を得た。評価結果を表2に示す。
こうして従来の技術でプリントラミネート体を得たが、実施例に示したほどの好適な光沢は得られなかった。これは、平滑化工程を経ていないためと考えられる。
比較例2
実施例1で使用したインフレ共押出成形機で製膜したフィルムの替わりに、比較例1と同様の2軸延伸ポリプロピレンを基材とする押出ラミネートフィルムとしたこと以外、実施例4と同様にしてプリントラミネート体を得た。光沢度は比較例より若干ながら悪くなった。
これは、用意した平滑化の工程を経ても、延伸フィルムを用いたため、表面の変形の自由度が小さく、平滑な条件まで変形し得なかったためと考えられる。
比較例1も従来の技術での工業化製品として実用上評価を得ているが、実施例1〜6は目視評価では個々の例ごとに差は生じたが試験者全員が比較例1に比し抜群に光沢が発現しているとの評価を下した。
実施例10
表3の通り、(A層)のプロピレンランダム共重合体を日本ポリプロ(株)社製WEG7Tとしたことと、ロール温度及びステンレス板温度を140℃としたこと以外は、実施例5と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表3に示す。
(A層)により、融点の高いプロピレンランダム共重合体を用いたことで耐熱性が高まり、実施例5より高いロール温度でもフィルムが溶融切断することなく加工することができた。
また、高いロール温度で加工したことにより、高い接着強度を得ることができた。
実施例11
表3の通り、(C層)に日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体KS340Tを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表3に示す。
(C層)に、より融点の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を用いたことで、熱圧着の温度が90℃であっても、実施例8より高い接着強度を得ることができた。
実施例12
表3の通り、(C層)に日本ポリエチレン社製のシングルサイト触媒によるエチレン・α−オレフィン共重合体KC650Tを用いたこと以外は、実施例8と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表3に示す。
(C層)に、より融点の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を用いたことで、熱圧着の温度が90℃であっても、実施例8や実施例11より高い接着強度を得ることができた。
実施例13
表3の通り、(C層)に日本ポリエチレン社製のエチレン・酢酸ビニル共重合体LV570としたこと以外は、実施例4と同様にして、プリントラミネート体を得た。評価結果を表3に示す。エチレン・酢酸ビニル共重合体を用いても良好な製品を得ることができた。
実施例14
表3の通り、(A層)をプロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製WMB3)の5μm、(B層)に線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製LF280)を50重量部と線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製KF290)を50重量部の15μm、(C層)を線状低密度エチレン(日本ポリエチレン(株)製KF360T)にアンチブロッキング剤を配合して5μmとし、Tダイ共押出成形機で製膜した。
押出速度250kg/h、で、上記の層比で、総厚25μmとなるべく調整し、インラインでC層面にコロナ処理を施し、インラインスリットで取り耳を切り落とし、且つ、780mm巾×2丁に切り分け、最終製品のフィルム製品を得た。このTダイ成形時には延伸工程を経ていないので、熱可塑性樹脂未延伸フィルムを得たことになる。
次に、図3に示す方式の装置で、得られた積層フィルムのC層面とオフセット印刷したアート紙をロール温度が100℃、ニップ圧を2kgf/cm、ニップ部から冷却部までの長さが80cm、速度が30m/分にて、熱ラミネートと表面平滑化を行ない、プリントラミネート体を得ることができた。評価結果を表3に示す。実施例4同様に良好なプリントラミネート体を得ることが出来た。
Figure 0004471989
Figure 0004471989
Figure 0004471989
本発明プリントラミネート体の例を示す側面図 本発明プリントラミネート体を得るための装置の例を示す側面図 本発明プリントラミネート体を得るための装置の他の例示す側面図 本発明プリントラミネート体を得るための装置の他の例示す側面図
符号の説明
A:熱可塑性樹脂層
B:中間層
C:接合層
D:印刷紙層
1:熱ロール
2:ニップロール
3:押圧ロール
4:ニップロール
5:熱ロール
6:送りロール
7:ステンレス板
8:ニップロール
9:冷却部
10:テンションロール
11:送り出しロール

Claims (9)

  1. 未延伸または延伸倍率が1.2倍以下で融点が110〜156℃のプロピレンランダム共重合体からなる熱可塑性樹脂層(A)を、接合層(C)を介して印刷が施された印刷紙(D)に熱圧着して積層体とした後、熱可塑性樹脂層(A)面を平滑化するための平滑化操作を行うことを特徴とするプリントラミネート体の製造方法。
  2. 前記平滑化操作が、ロール、ベルト又は平板に接触させることによって行われることを特徴とする請求項記載のプリントラミネート体の製造方法。
  3. 前記接合層(C)は、融点が53〜100℃のエチレン系重合体を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2記載のプリントラミネート体の製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂層(A)と前記接合層(C)との間に、熱可塑性樹脂からなる中間層(B)を介装することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリントラミネート体の製造方法。
  5. 印刷が施された印刷紙層(D)に、未延伸または延伸倍率が1.2倍以下の熱可塑性樹脂層(A)が接合層(C)を介して積層されてなる積層体であって、熱可塑性樹脂層(A)が、融点が110〜156℃のプロピレンランダム共重合体からなることを特徴とするプリントラミネート体。
  6. 前記接合層(C)が、融点が53〜100℃のエチレン系共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項記載のプリントラミネート体。
  7. 前記接合層(C)が、融点が53〜100℃のエチレン・α−オレフィン共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項記載のプリントラミネート体。
  8. 前記熱可塑性樹脂層(A)と前記接合層(C)との間に熱可塑性樹脂からなる中間層(B)が介装されてなる請求項5、6又は7記載のプリントラミネート体。
  9. 前記熱可塑性樹脂層(A)、前記接合層(C)、及び前記中間層(B)が、インフレーション成形法によって一体に積層したフィルムにより形成されてなることを特徴とする請求項記載のプリントラミネート体。
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