JPH10308191A - イオン注入装置 - Google Patents

イオン注入装置

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JPH10308191A
JPH10308191A JP9134405A JP13440597A JPH10308191A JP H10308191 A JPH10308191 A JP H10308191A JP 9134405 A JP9134405 A JP 9134405A JP 13440597 A JP13440597 A JP 13440597A JP H10308191 A JPH10308191 A JP H10308191A
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正彦 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャージアップが起こらず不純物が混入しな
いよう大面積低電流密度のイオンビームを質量分離して
対象物に注入できる装置を与えること。 【解決手段】 水平方向の幅が対象物の横幅よりも大き
い横長のイオンビームを引き出すイオン源と、扇形の中
心角θj、磁場のビームと直角方向の傾きを与えるn
値、同じ方向の磁場の曲率を与えるεをパラメータと
し、横長ビームを水平方向に曲げ質量分析するため連続
して設けられる複数の扇形磁石と、扇形磁石のほぼ中央
部に設けられ必要なイオンビームだけを通すスリット
と、ビームに対して対象物を保持しビームの幅方向と直
交する方向に移動させる試料支持機構とからなるイオン
注入装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェファ、
ガラス基板などのような大型の加工品に、大電流イオン
注入を実現するためのイオン注入装置に関する。Siウ
ェファの場合は、ボロン、リン、ヒ素などp型、n型不
純物をドープするためにイオン注入することが多い。ス
ループットを上げるために、一様な注入分布でしかも高
速でドープする装置が望まれる。
【0002】
【従来の技術】従来の大電流イオン注入装置は大別して
ふたつの種類がある。ひとつは、細い(0次元の広が
り)高密度のイオンビームを扇形マグネットによって質
量分析し所望のイオン種のみを、回転並進運動する回転
ターゲットに戴置されている加工品(ウェファ)に照射
するものである。細いイオンビームであるから扇形磁石
によって質量分離するのは簡単である。しかしビーム自
体は広がりを持たないので、ウェファの全面に照射する
ために、ウェファを並進、回転させる必要がある。ウェ
ファを支持するエンドステーション側で2次元的にウェ
ファを動かす必要がある。
【0003】もうひとつは大口径のイオン源から大口径
イオンビームを引き出し質量分析せずにウェファに照射
するものである。ウェファの直径をWとし、イオン源か
ら引き出されたイオンビームの直径をDとする。D>W
の大口径のイオンビームを発生させるので、ウェファを
走査する必要がない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 1.回転ターゲットを用いる方式では、細い0次元ビー
ムを発生させるのでビーム光学系は単純である。しかし
回転並進を行わせなければならないエンドステーション
の構造は複雑である。ウェファを戴置したディスクは高
速回転と、イオンビーム電流に比例しビーム位置に反比
例するような並進速度制御を行わなければならない。又
ウェファでのビーム電流密度が高くなるとウェファのチ
ャージアップ現象が著しくなる。チャージアップは正ま
たは負のイオンビームを注入したとき電荷が逃げず電荷
がウェファなどの表面に蓄積される現象である。これに
よってウェファの表面のデバイスが破壊されることもあ
り望ましくない。現在大口径ウェファにイオン注入する
方法として、現実的に利用されているのはこの回転ター
ゲット方式であるが、このような欠点がある。
【0005】2.大口径イオン源非質量分離方式はビー
ム光学系はイオン引き出し系だけであるから装置構成は
いっそう単純である。エンドステーションの構造も単純
である。しかし大口径イオンビームは質量分析すること
ができないので、所望イオン以外のイオン種も区別され
ずウェファに注入されてしまう。不純物イオンの注入に
よって所望の特性が得られない事がある。さらにイオン
でなく分子の形でも注入されるので注入深さ分布がプラ
ズマの状態によって変化する。注入深さが一定しにくい
のでデバイス特性が一定しにくいという難点もある。
【0006】前者に関しては、例えば、ボロンの注入を
行う場合、ジボラン(B26 )が原料ガスとして用い
られる。この際ボロンとともに水素イオンもウェファに
注入される。注入された水素は高速であるからゲート酸
化膜を突き抜け、チャンネル層にまで注入される場合が
ある。これがゲート電極下方でのチャンネルに格子欠陥
を生じさせることがある。イオンエネルギーは全て熱に
変換されるが、所望のイオン種以外のイオン(例えば水
素イオン)が注入されると、それによって試料が過熱さ
れてしまう。温度上昇によって試料上のデバイスが破壊
される惧れがある。
【0007】3.大口径イオン源方式の難点はそれだけ
ではない。8インチウェファや12インチウェファとい
った大面積の基板にイオン注入しようとする場合、ウェ
ファ面上いたるところで数%以内の注入均一性が要求さ
れる。このような大面積でビームの密度均一性あるイオ
ン源を実現するのは至難の技である。大口径イオン源は
現在のところ注入均一性要求の厳しくない小面積のウェ
ファにしか使えない。
【0008】4.質量分析しないイオン注入法としてさ
らに、PIII法(Plasma ImmersionIon Implantation
)というものが提案されている。Shu Qin and Chung C
han,"Plasma immersion ion implantaion doping exper
iments for microelectronics",J.Vac.Sci.Technol.B12
(2),(1994)p962 。これはSiウェファをプラズマ中に
さらし、ウェファに負の電圧を印加することによってシ
ース領域でイオンを加速しウェファに注入する方法であ
る。イオンビームを引き出すのにシース電圧を使ってい
るので引出電極が不要である。多くの場合不純物は電極
がスパッタリングされたものである。この方法では電極
から発生する不純物の混入の可能性がない。だから質量
分析をしなくても良いというわけである。しかし原料ガ
スが含む元素から出る不要イオンを除く事はできない。
【0009】前記のボロンドーピングの場合は、原料ガ
スとしてジボランを使うが、水素イオンがウェファに注
入される。水素イオンもボロンイオンも同じ加速エネル
ギーを持つ。水素イオン注入によってウェファが過熱さ
れる。スループットを上げるために注入時間を短縮する
と水素注入による温度上昇が著しくなる。だから注入時
間を余り短くできない。ウェファ1枚に、10分掛かっ
て1.9×1015cm-2の密度のイオン注入をした事が
報告されている。これではスループットが低すぎる。1
枚1分以内でイオン注入したいものである。実際この方
法は実用化されていないようである。
【0010】5.USP5,350,926号"Compact
High Current Broad Beam Ion Implanter"及び特開平
6ー342639号「小型の高電流幅広ビームのイオン
注入装置」は横長のイオン源から水平方向に広がってい
るイオンビームを約90度偏向させる第1の質量分析マ
グネットに通し一点に収束させ、スリットの小さい穴を
通し、不要イオンを排除し、発散ビームを約90度偏向
させる第2の質量分析マグネットに通して幅をもつ平行
偏平なビームとし、ウェファに注入する方法を提案して
いる。ウェファはビームの長手方向と直交する方向に走
査するようになっている。つまりこれは一元広がり(幅
をもつ)を持つビームを質量分析して、一次元走査され
るウェファに注入する方法である。これは一次元ビーム
(帯状)を質量分析するので不純物が混入する惧れがな
い。帯状のビームを作るのでウェファ側では二次元走査
する必要がなく一次元走査で済む。そのような利点があ
る。
【0011】しかしこれもウェファを一次元走査するた
めに複雑な機構を必要とする。さらにこの方法はビーム
を収束させて収束点で小さい穴のスリットを通すように
しているから、ひとつの質量数、ひとつの電荷量のイオ
ンしか選択されない。多くの場合質量数が異なってもイ
オン注入された方が良いようなイオン種も混在してい
る。そのようなイオン種も落としてしまう事になる。つ
まり質量分析が厳格すぎる。さらにこの機構は柔軟性に
乏しい。イオン種を変えると磁石の定数を変更すべきで
あるがこれが容易でない。
【0012】より緩やかな柔軟性ある質量分析が望まれ
る。なんといっても上記帯状ビーム法の難点は、イオン
源からでた幅広のビームを一点に収束させることにあ
る。イオン源の一点から出たビームを一点に絞るのと異
なり幅広ビームをマグネトロンによって曲げるので、同
じエネルギーのイオンであっても一点に収束しない。つ
まり所望のイオン種の全てをスリットの穴に導くことが
できない。これはビーム光学上の原理的な難点である。
このような訳でスリットによって大部分のイオンが排除
されてしまう。質量数の近似した有用なイオンも除かれ
る。それどころか所望イオン種も除去されることがあ
る。
【0013】6.これまでに、0次元ビーム(断面が
点)のビームを質量分析し、二次元走査されるウェファ
にビーム注入する方法と、大口径の2次元ビーム(断面
が広い円形)のビームを質量分析しないで静止したウェ
ファに注入する方法と、イオン源を使わずプラズマ中の
ウェファにイオン注入するPIII法と、1次元ビーム
(断面が線分)のビームをふたつに磁石で質量分析する
方法とを説明した。2番目の大口径イオンビーム法にお
いて質量分析できれば問題は解決されるはずである。し
かし大口径ビームを質量分析しようとする試みはいまだ
実現していない。
【0014】もしも大口径イオンビームを扇形磁石によ
って質量分析しようとすると、磁石のギャップが著しく
広くなる。磁石が大きくなるし必要な電流の大きくな
る。それだけでない。ギャップが広いのでギャップ間の
どこでも磁場が一様というわけには行かず不均一にな
る。ためにビームが発散してビーム損失が起こる。さら
に磁極や壁面がビームによってスパッタリングされてコ
ンタミネーションの原因になる。そのようなことが初め
から懸念されるので大口径ビームを質量分析するという
ような方法は現在のところまだ実行されていない。
【0015】質量分離をして不純物の混入する惧れがな
いイオン注入装置を提供することが本発明の第1の目的
である。ウェファの全体にイオンビームを高い均一性を
持って注入できるようにしたイオン注入装置を提供する
事が本発明の第2の目的である。エンドステーションの
構造を単純化し装置コストを低減できるイオン注入装置
を提供することが本発明の第3の目的である。様々のイ
オン種エネルギーにも対応できるイオン注入装置を提供
することが本発明の第4の目的である。チャージアップ
の可能性のないイオン注入装置を提供するのが本発明の
第5の目的である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン注入装置
は、水平方向の幅が対象物の横幅よりも大きい横長のイ
オンビームを引き出すイオン源と、扇形の中心角θj、
磁場のビームと直角方向の傾きを与えるn値、同じ方向
の磁場の曲率を与えるεをパラメータとし、横長ビーム
を水平方向に曲げ、質量分析するため連続して設けられ
る複数の扇形磁石と、扇形磁石のほぼ中央部に設けられ
必要なイオンビームだけを通すスリットと、ビームに対
して対象物を保持しビームの幅方向と直交する方向に移
動させる試料支持機構とからなる。
【0017】横長のビームを発生させると、横方向には
ビームを走査する必要がなく、縦だけ試料を相対移動
(縦走査)すれば良い事になる。つまりイオン注入の時
間が短縮されるのでスループットが向上する。横長ビー
ムを質量分析するために、水平方向に磁石によって曲げ
る。横幅があるビームを横に曲げるので磁極間隔は狭く
ても良い。この点は好都合である。しかし横方向に幅が
あるビームを横方向にまげて質量の違いによって分離し
ようとするから、どうしても曲率半径が大きくなる。そ
れだけでなくて曲げ中心角が大きくなくてはならない。
横幅あるビームを一様に水平に大きく曲げることは難し
い。広い空間に広がった磁場を得るために大型の磁石を
使う必要がある。しかしたとえ大型磁石を使っても磁場
が不均一になりがちである。
【0018】そこで本発明はひとつの磁石でなく、質量
分離マグネットを複数の磁石に分割し、複数扇形磁石を
連続的にならべて横幅あるビームを一様に水平方向に曲
げる。ビーム経路のほぼ中間点に小さい穴を持つスリッ
トを設けて不要イオンを排除するようにする。このよう
な選別を可能にするために、所望のイオンだけをスリッ
ト直前において集束するようにしなければならない。こ
れが質量分離のための条件である。それだけではない。
ウェファに垂直入射させるために、出口でイオンビーム
は拡散せずほぼ平行性を保持している事が望まれる。
【0019】そのような要求を満足するためには、単純
な磁石では間に合わない。これにはふたつの意味があ
る。まず初めに、一様磁場を与えて均一の曲率半径を与
えるというだけでも、ビームが大面積の場合は簡単でな
い。マグネットの端では磁力線が外部に向かって曲がる
ので磁場が弱くなる。ために大磁石を使っても一様磁場
を形成する事はできない。これがひとつである一様磁場
を作る事は簡単でなく収差があるので、一様磁場にする
ためにも磁場補正をする必要がある。しかしそれだけで
ない。本発明は一様磁場をもって事足れりとしない。横
方向に広がったビームをスリットによって質量分離する
ので、入口における場所の違いによってスリットにおけ
るビーム位置が変わってくる。であるから、初めに広が
ったビームを一点に集束させる必要があるので一様磁場
では足らないのである。イオンビームを場所によって異
なる履歴で曲げる必要があるので一様磁場では足らな
い。
【0020】そのように複雑な制御を目標にしているの
で、個々の扇形磁石はダイポール(二重極)成分だけで
なく、クァドラポ−ル(四重極)成分、セクタポール
(六重極)をもパラメータとしてあたえなければならな
い。つまり、本発明は、横長ビームを曲げて質量分析
し、不要イオンを除いて、試料に横長ビームを照射する
ようになっているが、磁石の選択配置が最も需要であ
る。扇形磁石は、中心角θj、磁場勾配を与えるn値n
j、磁場曲がりを与えるβj(又はεj)等がパラメー
タとなる。つまり一連の磁石は、0次近似(非摂動)で
は磁場は同じ値をとるが、1次、2次の係数が異なる。
これを磁石毎に最適値に決定する必要がある。ここでは
4個の磁石によって横方向ビームを曲げるので、4個の
磁石のパラメータを決める必要がある。
【0021】
【発明の実施の形態】[発明の背景] 本発明は複数の
磁石を組み合わせて、偏平なイオンビームを偏平な方向
に曲げてスリットを通して質量分析しようとするから、
磁石のパラメータはもはや単純でないしその作用も簡明
でない。作用を理解するのも難しい。そこで本発明を実
施例するために磁石について必要な事項を初めに明らか
にする。まず座標系を定義する。イオンビームの進行方
向をz軸とする。イオンビームが曲がる方向をx軸方向
とする。イオンは磁場のファラデイ力q(v×B)によ
って曲がるのであるからBはy成分を持つ。Byが主成
分である。一様磁場であればこれが定数となる。しかし
一様磁場では不十分である。だからビームと直交する方
向(x方向)に一次、二次の係数をもたせる。磁束密度
Bはx成分をもたないという近似で出発するからy方向
のビームの大きさは進行方向にほぼ不変である。そこで
x方向のビームの広がりが主な関心事となる。
【0022】ビームは円弧を描いて曲がるから、軌道は
xz平面にひろがり、ビーム方向と直角なz成分を持つ
ようになる。するとこれをx方向の広がりと表現するの
は不適切になる。そこでさらに一工夫し、磁石中心軸に
そってz座標を定義するものとする。磁石中心軸をz軸
そのものとする。zは基準半径Rに沿う円弧座標であ
る。ビームに直交する方向はつねにx,y方向である
が、曲がりの方向がx、曲がらない方向がyであるとす
る。磁石中心軸はx=0,y=0である。通常の3次元
直交座標のx成分と、z成分が混ざった座標になる。y
方向は混合しないので直交座標系でも円弧座標系でも同
じである。この円弧座標系での(x,y,z)は直交座
標系(X,Y,Z)では、
【0023】 X=xcos(z/R)−R+Rcos(z/R) (1) Y=y (2) Z=xsin(z/R)+Rsin(z/R) (3)
【0024】特別な座標であるがその方が直観的に分か
りやすいという事がやがて理解されよう。さらに0次近
似では各磁石は同一の縦磁場By(定数)を与えるとす
るので、これによって所望イオンが半径Rの円を書くと
する。これが基準円である。基準半径Rは、RBy=
(2MV/q)1/2 によって与えられる。Mは所望イオ
ン質量、Vは加速電圧、qはそのイオンの電荷である。
つまりRは一様縦磁場において所望イオンが描く円弧の
曲率半径である。
【0025】磁場の展開はx/Rの係数として与える事
ができる。本発明で必要とする磁石が形成する磁場By
は次のように書ける。
【0026】 By(x)=B0 {1−(Nx/R)+(βx2 /R2 )+…} (4)
【0027】B0 が一様なダイポール成分である。これ
は複数の扇形磁石M1〜Mmについて共通である。無摂
動系というのは、この項だけの磁場を指すものとする。
このような異方性ある磁場を生成するには二つの方法が
ある。ひとつはヨークの磁極形状を工夫することであ
る。もう一つは複雑にコイルを組み合わせることであ
る。図1は二次までの磁場変化を含み得るヨークの磁極
の形状を示す。磁極の形状を変形させてxの1次変化、
2次変化を与えることができる。しかしヨークの磁極の
変形加工は難しいし柔軟性に欠ける。平坦な磁極を利用
しつつ複数のコイルを組み合わせても同様のx依存性を
与えることができる。
【0028】図2はコイル断面と磁場形成の関係を示す
図である。空心コイルの断面であり符号のプラスは電流
が紙面から沸き上がる方向、マイナスは紙面下へ流れる
方向を示す。コイル電流の流れに対し右螺の進行する方
向に磁場が生ずる。
【0029】図2(a)は単純な円筒コイルに電流を流
すもので、コイル内にほぼ一様な上向きの磁場が生ず
る。これはコイルと直角に平坦な磁極を対向させて形成
できる磁場と同じである。コイル内で方向強さともに一
様な磁場であり、二重極(ダイポール)によって作られ
るのでダイポール磁場と呼ぶ。これが作る磁束密度は一
様であるからB0 というように書ける。
【0030】図2(b)は二つの円錐空心コイルを底部
が対向するよう組み合わせたものである。左上のコイル
はコイル内部に斜め右下向きの円錐状の磁束密度を生ず
る。右下の円錐コイルは左上向き磁束密度を生ずる。x
軸での磁束密度の変化はx>0で正、x<0で負であ
る。これが作る磁束密度はNx/Rと言うふうに書け
る。Nが勾配を示す係数である。コイル二つを組み合わ
せるから、四重極(クァドラポ−ル)磁場と呼ぶ。
【0031】図2(c)は3つのコイルを縦方向に組み
合わせている。中間の円筒コイルは上向き一様の磁場を
発生する。上下の円錐コイルは下向きの不均一磁場を生
ずる。これらが打ち消しあうので、コイル中央では小さ
く端では大きい磁場を生ずる。これはβx2 /R2 とい
う二次関数によって与えられる。コイル三つを組み合わ
せるので六重極(セクタポール)磁場と呼ぶ。β/R2
をεで表現することもある。
【0032】x方向の変動に関して、0次の磁場はダイ
ポール、1次の磁場はクァドラポ−ル、2次の磁場はセ
クタポールによって与えることができるということを説
明した。これらは空心コイルを使っており、ヨークは存
在しない場合を述べている。ヨークがあるとヨーク自体
の形状の制限がある。ヨークに対するコイルの巻方にも
限定を受ける。
【0033】図1はヨークの磁極形状によって同じよう
な異方性磁場を生成するものである。上にN極が、下に
S極があるので上から下向きに0次の磁場Bができる。
これはダイポールによるものである。これは平坦な磁極
においても発生するものである。それだけではない。図
1の磁極において右側(x>0)は磁極間が広くなり、
左側(x<0)で間隔が狭くなっている。x(右側とす
る)方向へゆくにしたがって磁場が減少する。これはN
が正であるときの四重極作用(Nx/R)と等価であ
る。つまり図1の磁極の勾配は、クァドラポ−ルと等し
い。
【0034】さらに図1の磁極は平面でなくて中央部で
張り出すような凸曲面になっている。この湾曲はx=0
の近傍で磁場が強くこれを離れると弱くなるということ
を意味するので、βを負として、(βx2 /R2 )の項
を与える。つまり磁極の湾曲面によって図2(c)の3
つのコイルと同等の作用を及ぼすことができる。
【0035】図1のように磁極を幾何学的に変形させる
と単純なコイルによっても四重極(Nx/R)作用、六
重極作用(βx2 /R2 )をもたせることができる。し
かしこれはヨークのポール(磁極)形状が固定されるの
で、ビームの種類を変えたりエネルギーを変えたりする
ともう適応できなくなる。本発明はそれゆえ図1のよう
な磁極を直接変形するという途をとらない。そうではな
くて、ヨーク磁極構造は単純平坦なものにし、コイル分
布に複雑な工夫を凝らしている。コイルの数を増やし
て、四重極、六重極作用を発揮することができるように
する。
【0036】そのような複雑な作用をもつ扇形磁石を複
数個組み合わせて、横長ビームをそのままに質量分析す
るようにするのである。
【0037】扇形磁石の数mはここでは4つであるが、
3〜20個にすることもできる。扇形磁石の中心角の合
計(ΣΘ)は、実施例では126.5゜であるが、これ
に限らない。100゜〜240゜の範囲で目的に合致す
るような中心角とすれば良い。
【0038】ここの磁石のパラメータは、Θ、N、ε
(=β/R2 )である。入口、出口、スリットでの条件
を課して、これらのパラメータの最適値を計算する。そ
のために磁石中でのビーム軌道を解析する必要がある。
【0039】光線1本を表す6つの変量Xj (s)を定
義して、流れの方向sに分割した座標ごとにこれらの変
量の変化を計算する。流れ方向への分割を細かくする
と、k+1番目の分割点の変量の値を直前の分割点での
値の線形結合によって表すことができる。
【0040】X1 =x、X2 =θ、X3 =y、X4
φ、X5 =l、X6 =δとする。
【0041】1stオーダーの解析では、線形一次結合
の計算によって分割点の座標を求める。
【0042】 Xi (s+1)=ΣRijj (s) (5)
【0043】RijはB0 、N、Θなどによる。このよう
な積和の計算によって磁石出口での変量を求めることが
できる。2ndオーダーの計算では収差も含めて、
【0044】 Xi (s+1)=ΣRijj (s)+ΣTijkj (s)Xk (s) (6)
【0045】というような計算をする。Tijk は、B
0 、N、Θ、εなどによる。
【0046】このような計算をして、質量分析マグネッ
トの出口のビーム変量を計算する。スリットでの変量も
計算できる。これはビーム1本1本の解析であるから、
必要な刻みの全てについて計算する。各磁石M1〜Mm
について、スリットと出口で所望の結果が得られるよう
な、Θj、Nj、εjを求める。
【0047】
【実施例】図3は本発明のイオン注入装置の概略構成を
示す。イオン源1は原料ガスを導入して、マイクロ波や
放電によってこれをプラズマにし電圧を掛けてイオンビ
ームとして引き出すものである。出口、電極の形状に工
夫があり横長のビームを生成することができる。横方向
にx軸、縦方向にy軸をとっているから、x方向に長く
y方向に短い断面のビームを生成するということであ
る。例えば横幅が40cm、厚みが5cmのリボン状
(帯状)の平行イオンビームを生成する。エネルギーは
引出電圧によって自在に与えることができる。例えば数
十keV〜数百keVのエネルギーを持つ。横長ビーム
が複数の扇形磁石M1、M2、M3、M4よりなる質量
分析マグネット3に入る。入口2ではx方向に延びる平
行なビームであるが、これが磁場によって曲げられる。
中央(x=0)のビームが共通磁場By0 によって曲が
る円弧を基準円弧Rとする。z軸はこれに沿って定義す
る。
【0048】もしも一様磁場であれば、所望質量のイオ
ンは同じ半径Rを描いてマグネット内の磁場空間を走行
する。入口でx>0に位置したビームは、出口でx<0
にでる。磁石内の行路の中間部でほぼ収束するので、こ
こに適当な幅の穴を持つスリット4を設ける。所望の質
量をもつイオンだけがスリットを通過できる。それ以外
の質量のイオンはこのスリットに衝突し、スリット板に
注入されたり後方に散乱されたりしてスリット以後のビ
−ムラインには入射しない。
【0049】一旦収束してスリットを通過したビームは
発散し質量分析磁石3の出口ではx方向の分布がほぼ反
転した平行横長ビームになる。これが短い真空経路7を
通ってウェファ8に垂直入射する。ビーム幅T(ここで
は40cm)はウェファ直径W(ここでは30cm)よ
り長い(T>W)ので、ウェファの横幅全体にイオン注
入ができる。ウェファは縦方向(y方向)に並進させて
前面にイオン注入する。二次元位置検出器9がウェファ
の背後にあって横長ビームの電流密度を直接に測定する
ことができる。これは二次元に配列されたセンサをもつ
ファラディカップなどによって構成できる。
【0050】図4はエンドステーションの部分をより詳
しく示している。またビームの進行方向が図3とは逆に
なっている。W1でカセットからウェファを搬送装置1
1によって取りだし、中間点W2を経てイオン注入点W
3に運ぶ。搬送装置はここでウェファの向きを垂直方向
に変えて面がビームに直角になるようにする。ウェファ
はy方向に並進走査される。これによってウェファの全
面にイオンビームが注入される。注入の終わったウェフ
ァは搬送装置11によってカセット位置W5に運ばれこ
こに逐次収容される。
【0051】質量分析磁石3の扇形磁石M1〜M4のパ
ラメータを調整して、ビームが蒸気のような軌跡を描い
て飛行するようにする。そのために1stオーダーの解
析をする。イオンビームは入口で平行に入射するとし、
分析スリット4において所望質量のイオンがスリットの
穴に収束するという束縛条件を課してM1、M2の中心
角Θ1、Θ2と傾斜を与えるN1、N2を決める。入口
でx方向に30cm〜40cmの広がりある平行ビーム
であるから、所望質量のイオンであっても、一様磁場で
はスリットにおいて収束しない。それで磁場を長手方向
直角方向に変えて必要がある。そのため複数の扇形磁石
を用い異なる磁場勾配Nを与えて所望イオンを強制的に
スリットで収束させる。
【0052】次にウェファ上での水平方向のビームサイ
ズとビーム発散角、垂直方向のビームサイズをビーム発
散角を指定する。さらに平行ビームになるような条件も
入れる。これらの束縛条件を満足するように、扇形磁石
(マグネットセクション)の中心角Θ3、Θ4と傾斜値
N1、N2を決定する。スリットにおいて強制的に収束
させた所望質量のイオンビームをそのまま一様磁場で曲
げると出口で都合良く平行にはならないしx方向の広が
りも十分でない。強制的にビームを広げ出口で平行にし
なければならない。そのために扇形磁石のN値を工夫す
る必要がある。
【0053】それだけではいけない。xの二乗の項の微
調整が必要である。これが2ndオーダーの解析であ
る。まず分析スリットにおける2次の収差の寄与を最小
にするようにマグネット入口のポールピースの曲率半
径、扇形磁石(マグネットセクション)M1、M2にお
けるεの値を決定する。さらに、ウェファにおける2次
の収差も最小になるようにマグネット出口のポールピー
スの曲率半径と扇形磁石M3、M4に於けるεの値を決
定する。1stオーダーの解析によって扇形磁石のΘ、
Nが、2ndオーダーの解析によってεが決まる。これ
らのパラメータを実現するために、ヨークには多数のコ
イルを巻き、適当な電流を流す。
【0054】次に、このビーム軌道解析によって得られ
た光学系のパラメータを実際のマグネットによって作り
出す事ができるかどうかを示す。
【0055】実際のマグネットの形状を基にして磁場解
析を行い、コイルの電流巻数積(アンペアターン)によ
って光学系のパラメータがどのように変化するかを調べ
た。マグネットのヨーク形状は扇形であり、中心角Θに
よってその大きさを規定する。またヨークにおいてコイ
ルは図5のように設ける。ここではコイルを合計16個
取り付けている。ヨークはロの字型の閉磁路を形成す
る。長辺がx方向に平行であり、短辺がy方向に平行で
ある。
【0056】それぞれのコイルはヨークに巻き付いてい
るから、ヨーク面での断面ではコイルのワイヤを直角に
分断した二面が現れる。同じコイルの対の断面には同じ
記号数字を付している。同じ記号数字を付すがそれぞれ
プラスとマイナス記号によって区別される。プラスが付
されている断面では電流が紙面から沸き上がるように流
れる。マイナスが付されている断面では電流が紙面に吸
い込まれる方向に流れる。プラスのコイルを右にマイナ
スのコイルを左に見て上向きの磁束密度がヨーク内に生
ずる。
【0057】16個のコイルは、ダイポールコイル、ク
ァドラポ−ルコイル、セクタポールコイルに分けられ
る。図2では円錐形の空心コイルによって異方性磁場形
成を説明した。実際にはヨークに円錐コイルを巻くとい
うような事はできない。ヨークに平行な芯を持つ円筒コ
イルを使う事になる。円筒コイルでもいくつかを組み合
わせることによって四重極、六重極の磁場を等価的に形
成できる。
【0058】横長ビームを横方向に曲げるので、横長の
ヨーク12を使う。ビームが通過する真空容器13を囲
むようにヨーク12が設けられる。ヨークは左縦枠1
4、下横枠15、右縦枠16、上横枠17よりなる。ヨ
ーク12はxz面では扇形をしているからヨークの厚み
は場所によって異なる。用途別にコイルを分類する。
【0059】ダイポールコイル:1、5 クァドラポ−ルコイル:2、3、4、6、7、8 セクタポール:s1、s2、s3、s4、s5、s6、
s7、s8
【0060】コイル1と5はヨークの縦枠14、16に
おいて上向き磁束密度を作り出す。これが上横枠17の
中点Uで下向き磁束密度になり、下向きに真空中を伝搬
し、下横枠15の中点Dで横向き磁束密度になる。これ
がダイポール磁場B0を作り出す。図2(a)の磁場2
1と等価である。コイル1、5の電流は常に同一である
か比例して増減するようにする。
【0061】コイル3、7は横枠17、15に右向き、
左向きの磁束密度を作り出す。これは図2(b)の上方
右向き磁場22と下方左向き磁場23に該当する。コイ
ル2と8は左縦枠14に下向きの磁束密度を生成する。
図2(b)の磁束密度25に当たる。コイル4とコイル
6は右縦枠16に上向き磁場を発生する。図2(b)の
磁束密度24にあたる。このように6つのコイルによっ
て、四重極磁場を透過的に生成することができる。これ
はB0 Nx/Rのようなxの一次依存性を与える。
【0062】図2(b)ではふたつの円錐空芯コイルに
よって四重極磁場を作っているが、四辺形のヨークに巻
き付けたコイルによって同じ磁場分布を作るには6つの
コイルが必要である。これら6つのコイルの電流は別々
に制御することもできる。しかしきちんとした四重極磁
場を常に形成するためにはそれぞれのコイル電流は常に
比例して増減する必要がある。ここでは電流巻数積が6
つのコイルで等しくなるように増減し、磁場傾斜を与え
るN値を制御している。
【0063】図6は四重極コイルの電流巻数積を増減し
たときのN値の変化を示すグラフである。これはコイル
3、7、2、4、6、8の全てについて共通に電流変化
させたものである。電流巻数積とN値は綺麗に正比例の
関係にある。例えば9000ATでN=1になる。
【0064】図5において残りのコイルは全部六重極磁
場を発生させるものである。s2とs3は隣接してお
り、電流の方向が反対になっている。そのようなコイル
の組が4つある。s3とs4はヨーク枠15、16、1
7に反時計回り磁場を生ずる。これが図2の(c)の磁
場26を生ずる(符号は反対になっている)。隣接する
s2、s5は同じ枠組に、時計回りの磁場を生じる。こ
れが先ほどの磁場を打ち消すので、図2(c)の小さい
磁場27を残すようになる。
【0065】図7は六重極のコイル電流巻数積とεの関
係を示すグラフである。これも全ての関連コイルs1〜
s8の電流を同一にするように変化させている。400
0ATでεが0.00075程度になる。
【0066】先ほどの解析によって扇形磁石の中心角
Θ、N値、εが求められた。Θは磁石の幾何学的形状を
規定するもので一定値である。N値とεは、コイル電流
を規定する。所望のN値、εは電流によって自在に与え
る事ができる。電流によって磁場勾配、曲率を与えるか
ら柔軟性に富む。自由にこれらの値を変化させ、注入イ
オンやエネルギーの変更に対応することができる。磁石
パラメータの一例を次に示す。
【0067】(1)基準半径R=60cm (2)4つの扇形磁石の合計の中心角 126.5゜ (3)質量分析磁石入口での半径R1=72.14cm (4)質量分析磁石出口での半径R2=76.34cm (5)扇形磁石M1:Θ1=42゜、N1=−1.01
006、ε1=−4.9576×10-4 (6)扇形磁石M2:Θ2=23.5゜、N2=1.0
9953、ε2=2.0544×10-3 (7)扇形磁石M3:Θ3=19゜、N3=2.773
4、ε3=3.3142×10-3 (8)扇形磁石M4:Θ4=42゜、N4=−1.32
62、ε4=−6.317×10-4
【0068】このような磁石の組み合わせによって、イ
オンを質量分析して必要なイオンだけをウェファに注入
することができるようになった。この実施例によって、
ビームを質量分析しウェファに輸送した場合の、ウェフ
ァでのビームエミッタンスダイヤグラムを図8と図9に
示す。図8はウェファでのx方向のビーム広がりを示
す。横軸はx座標(cm)であり、縦軸はx方向へのビ
ームの広がり角(単位はmr:ミリラディアン)であ
る。ビームの横方向広がりは約40cmである。広がり
角度は16mrの程度である。図9はy方向の広がりを
示す。縦軸がy座標(cm)であり、横軸はy方向の広
がり角度である。y方向の幅は5cmである。広がり角
度は40mrである。つまりウェファ面上でほぼ40c
m×5cmの矩形断面ビームになる。広がり角度が小さ
いことから、平行性に優れたビームでありウェファに垂
直に入射される事ができる。
【0069】このようにバランスの取れたビームになる
のは、扇形磁石によってビーム軌道を強制的に修正して
いるからである。図10は磁石の収差補正(2次補正)
をしない(ε=0)場合のウェファにおけるビーム強度
分布を示す。ウェファは分析磁石の出口から下流側50
cmにある。横軸はx座標、奥行きがy座標である。高
さが強度分布を表す。x>0の方にビーム強度が偏在し
ているのがわかる。これでは、ウェファ面に均一にイオ
ン注入することができない。
【0070】図11は磁石の2次の収差補正をする場合
のウェファに於ける強度分布を示す。つまり有限のεの
値を与えs1〜s8のコイルに有限の電流を流す。横軸
はx座標、奥行きがy座標である。x座標に沿って強度
分布がほぼ一様である事が分かる。εの値は小さいが、
それによる補正効果は大きい。εによる修正をしなけれ
ば均一なイオン注入を行う事ができない。
【0071】同じ設定において、流れに沿うビームエン
ベロープを求めた。実際の流れ方向は円弧に沿うが直線
に引き直して図示している。図12は、yz面でのビー
ム包絡面である。イオン源から(z=0)でたビームは
約5cmの厚みを持つ。これがz=30cm〜160c
mの間に設けられる磁石によってx方向に曲げられる。
y方向の厚みには殆ど変化がない。z=100cmにス
リットが設置される。210cmの位置にウェファがあ
る。ここでもy方向の厚みは約5cmである。
【0072】図13はxz面でのビーム包絡面である。
初めx方向に40cm程度の広がりを持つ平行ビームが
イオン源から出る。磁石が存在するz=30cm〜16
0cmの間でビームが円弧を描く。この円弧の半径は大
体同じであるから、平行なビームは中間点近傍で弱く収
束する(z=100cm)。一様磁場では一点に収束し
ないので異方性磁場を採用し強制的にスリットの直前で
収束するようにしている。収束した後は発散し出口z=
160cmでほぼ平行ビームになる。
【0073】
【発明の効果】本発明のイオン注入装置は、対象物(ウ
ェファ)直径Wよりも大きい横幅Tをもつイオンビーム
をウェファに当てるからウェファはビーム厚み方向に並
進させれば良いだけである。ウェファの駆動機構が従来
のように回転と並進運動の複雑な組み合わせではなく、
単純な並進運動だけを行えば良いようになる。エンドス
テーションの構造が単純でコストダウンが可能になる。
さらに注入時間を短縮してスループットを向上させるこ
とができる。
【0074】質量分析されたイオンビームがウェファに
照射される。所望イオン以外のイオンが対象物に注入さ
れない。従来の非質量分離タイプのイオン注入に比べて
不純物混入に対する懸念が大幅に解消されうる。
【0075】従来は、大面積基板にイオン注入しようと
すると、質量分離機能と、ビーム整形機能の二つの要素
が必要であった。本発明では、1台のマグネットが、質
量分析機能とビーム収束補正機能の両方を兼備してい
る。為にシステム構成が単純である。
【0076】ダイポール、クァドラポ−ル、セクタポー
ルの係数を自在に設定できる複数の線形磁石を組み合わ
せており、質量分析磁石の出口でビームをほぼ平行にす
ることができる。マグネット出口でのビームを平行にで
きるのでマグネットからウェファまでの距離を短くする
事ができる。行路が短いので真空行路中に存在するガス
分子との衝突による中性粒子発生を抑制することができ
る。
【0077】おのおのの線形磁石は、ダイポール、クァ
ドラポ−ル、セクタポールの要素を持つようにするが、
磁極の幾何学的な形状を変形するのではない。磁極は平
坦平面であるが複雑なコイルの組み合わせによってそれ
らの高次効果を発揮している。磁極自体には傾斜や湾曲
を付けないので、ビームアクセプタンスを大きくする事
ができる。また磁場勾配や磁場湾曲が固定されず電流に
よって任意に変更することができる。
【0078】ドリフト空間の距離がイオン源からマグネ
ットまでと、マグネットからウェファまでが極短い。為
に空間電荷効果によるビーム発散を抑制できる。またド
リフト空間でビームを収束させると空間電荷中和のため
にビーム発散が顕著に起こる傾向にあるが、本発明では
ビームの断面積を大きくし電流密度を低くできるので空
間電荷効果が現れ難く、空間電荷中和用のプラズマフラ
ッドガンなどの機能に対する配慮が少なくて済む。
【0079】独立して電流制御できる多重極コイルをヨ
ーク上に多数配置した。それぞれのコイルは独立して電
流制御できるので、ビーム光学系のパラメータが固定さ
れない。自在にダイナミックに制御することができる。
大面積のイオンビームをマグネットによって質量分析し
輸送しようとするとマグネット光学系の収差が大きくパ
ラメータの調整が難しい。固定されたパラメータでは、
イオン源のセットアップの状態が変わったときに補正す
ることが不可能であった。本発明は、このようなイオン
源の状態変化にも柔軟に対応する事ができる。
【0080】ビーム面積が大きく、実効的なビーム電流
密度を低くする事ができる。ためにウェファのチャージ
アップ現象を抑制することができる。例えば通常の大電
流イオン注入装置では、ビームサイズが5cm角型(断
面積25cm2 )という場合、イオン電流が10mAの
程度に設定する事が多い。この場合イオンビームの電流
密度は400μA/cm2 である。
【0081】これに対して横長ビームを用いる本発明で
は、例えばビーム断面を幅30cm、厚み5cm(断面
積150cm2 )とすることができる。イオン電流を同
じ10mAとすると、電流密度は70μA/cm2 に過
ぎないので、チャージアップが起こらない。本発明はチ
ャージアップの余裕があるので、全電流をさらに大きく
することができる。電流を上げることによってスループ
ットを上げることができるのである。イオン源から引き
出されるビーム電流密度が低いので、空間電荷効果によ
るビーム発散の恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重極(ダイポール)、四重極(クァドラポ−
ル)、六重極(セクタポール)磁場を形成できる磁極の
形状を示す断面図。ヨークの磁極(ポール)形状に傾斜
を持たせて磁場の一次成分、湾曲を持たせて二次成分を
与えることができる。ヨークに起磁力を与えるコイルは
単純な通常のコイルである。これは補正磁場を与えるこ
とができるが係数が固定されるので自由に変更できな
い。
【図2】多重極磁場をコイル組み合わせによって生成す
ることが可能であることを説明する図。(a)は円筒コ
イルひとつによって二重極磁場を生成している。(b)
は円錐コイルを二つ組み合わせて四重極磁場Nx/Rを
生成している。(c)は3つのコイルによって六重極磁
場βx2 /R2 を形成している。
【図3】本発明のイオン注入装置の概略構成図。イオン
源から出た横長ビームを複数の扇形磁石によって曲げて
スリットによって質量分析し平行ビームとしてから対象
物(ウェファ)に照射する。
【図4】エンドステーションを含めた本発明のイオン注
入装置の構成図。
【図5】本発明で質量分析のために用いる扇形磁石のヨ
ークとコイルの分布図。コイルはヨーク面に平行な面で
切った断面図によって示す。同じ数字記号の付されてい
るものが同じコイルの二つの断面である。「+」とある
のは電流が紙面上向きに流れていることを示す。「−」
とあるのは電流が紙面下向きに流れていることを示す。
1と5が最も大きいコイルでありヨークにダイポール磁
場を発生させる。2、3、4、6、7、8はヨークにク
ァドラポ−ル磁場を発生させるコイルである。s1、s
2、s3、s4、s5、s6、s7、s8がセクタポー
ル磁場を生じさせるコイルである。
【図6】図5のコイルにおいて、二重極を発生させるコ
イル2、3、4、6、7、8に同時に同一の電流を流し
て、x方向の磁場の傾斜を生じさせ、傾斜係数N値とコ
イル電流の関係を実測した結果を示すグラフ。横軸は二
重極コイルの電流巻数積(アンペアターン:AT)であ
る。縦軸はNx/Rの係数Nを示す。コイル電流と傾斜
Nがきれいな線形関係にある事が分かる。
【図7】図5のコイルにおいて、四重極を発生させるコ
イルs1、s2、s3、s4、s5、s6、s7、s8
に同時に同じ電流を流しx方向の磁場湾曲を生じさせ、
湾曲の係数εと、コイル電流の関係を実測した結果を示
すグラフ。横軸はコイル電流と巻数の積(AT)であ
り、縦軸はそれによるεである。湾曲磁場はxの関数と
してεx2 =βx2 /R2 によって表現される。四重極
用のコイル電流と、εは線形関係にある。
【図8】ウェファにおけるx方向のエミッタンスダイア
グラムを示す。横軸はウェファでのx軸方向のビーム広
がり(cm)を、縦軸はx軸方向のビーム広がり角度
(単位はミリラディアン:1mr=0.057゜)であ
り、等高線は等しいビーム密度の(x,dx)を結んだ
ものである。横方向(x方向)の広がり−20cm〜+
20cmにおいてビームの広がり角は大体一定(10m
r程度)で収束性優れた帯状断面のビームであることが
わかる。
【図9】ウェファにおけるy方向のエミッタンスダイア
グラムを示す。縦軸はウェファでのy方向のビーム広が
り(cm)を示す。縦方向のビーム広がり幅は5cm程
度である。横軸はそのy座標におけるy方向のビーム広
がり角度(単位はミリラディアン:1mr=0.057
゜)である。等高線は等しいビーム密度の(y,dy)
をむすんだものである。縦方向のビーム広がりは5cm
程度であるが特に密度の高いのは3cmの幅にある。広
がり角度は±20mrの程度である。y方向の広がり角
度の方がx方向よりも大きくなっている。y方向に収束
性を与える磁場(Bx)を特に使っていないからである
が、多重極磁場Byによってy方向の発散を抑えている
からこの程度の小さい発散角に抑えられているのであ
る。
【図10】質量分析磁石の収差を補正しないときの、ウ
ェファにおけるビームのxy強度分布を示す立体グラ
フ。横軸はウェファ上に取ったx軸である。奥行きはy
軸である。縦軸がビーム強度分布を示す。ビームがウェ
ファの中心よりもx>0(外側)の側に偏在している。
これはスリットの穴を透過したイオンビームが多くの場
合外向きの速度成分を持ち一様磁場ではこれを矯正する
ことができないからである。
【図11】質量分析磁石の収差を補正したときの、ウェ
ファにおけるビームのxy強度分布を示す立体グラフ。
横軸はウェファ上に取ったx軸である。奥行きはウェフ
ァ上に取ったy軸である。縦軸がビームの強度を示す。
x=0の両側にほぼ均等にビームが分布する。スリット
の穴を通過したイオンビームを内側に曲げるような異方
性磁場が存在するからである。
【図12】基準円弧(z軸)に沿うビームのy方向幅の
変化を、z軸を直線に引き直して示すエンベロープ図。
横軸は基準円弧に沿ったz軸である。z=0cmはイオ
ン源の出口である。z=220cmはウェファ面の位置
である。質量分析磁石はz=30cmから160cmの
範囲に設けられている。z=100cmの中間部にスリ
ットが設けられる。y幅はイオン源で約5cm、中間部
で少し広がるが、これを越えると減少に転じ、ウェファ
面では5cm程度になる。つまり質量分析磁石を通過す
る時、y方向にはイオンビーム軌跡は殆ど変化しない。
【図13】基準円弧(z軸)に沿うビームのx方向幅の
変化を、z軸を直線に引き直して示すエンベロープ図。
横軸は基準円弧に沿ったz軸である。z=0cmはイオ
ン源の出口である。z=220cmはウェファ面の位置
である。質量分析磁石がz=30cmから160cmの
範囲に設けられているのでイオンビームはこの範囲で円
弧を描く。マグネットのパラメータを工夫して、所望の
質量を持つイオンはz=100cmの中間部でx方向に
局在するようにしている。所定ビームをx方向に十分に
絞った位置にスリットが設けられる。これ以外の質量の
ビームはスリットの板面にあたり穴を通過できない。基
準円弧Rを直線に引き延ばしているから、入口側と出口
側でのビームのx方向の位置は逆転する。磁石入口z=
30cmでx=20cmにあったビームは、出口z=1
60cmではx=−20cmにある。ビームがz=10
0cmのスリットの辺りで一旦収束するから質量分析が
可能である。
【符号の説明】
1 イオン源 2 質量分析磁石の入口 3 質量分析磁石 4 スリット 5 質量分析磁石の出口 6 イオンビーム 7 真空経路 8 ウェファ 9 位置検出装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向の幅が対象物の横幅よりも大き
    い横長のイオンビームを引き出すイオン源と、扇形の中
    心角Θj、ビームと直角方向の磁場の傾きを与えるNj
    値、同じ方向の磁場の曲率を与えるεjをパラメータと
    し、横長ビームを水平方向に曲げ質量分析するため円弧
    軌跡に沿って連続して設けられる複数の扇形磁石M1、
    Mj…、Mmと、扇形磁石のほぼ中央部に設けられ必要
    なイオンビームだけを通すスリットと、ビームに対して
    対象物を保持しビームの幅方向と直交する方向に移動さ
    せる試料支持機構とからなる事を特徴とするイオン注入
    装置。
  2. 【請求項2】 個々の扇形磁石Mjは、強磁性体材料か
    らなるヨークと、ヨークの周りに設けられる二重極磁場
    を生ずるダイポールコイルと、四重極磁場を生ずるクァ
    ドラポ−ルコイルと、六重極磁場を生ずるセクタポール
    コイルとよりなり、ダイポールコイル、クァドラポ−ル
    コイル、セクタポールコイル電流は独立に制御でき、扇
    形磁石の0次磁場成分、一次磁場成分、二次磁場成分の
    大きさを独立に調整できるようにしてある事を特徴とす
    る請求項1に記載のイオン注入装置。
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