JP7154236B2 - イオン注入システムにおける注入角度を補正するための方法、およびイオン注入システム - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の参照〕
本出願は、2017年6月29日出願の米国出願第15/637,538号、発明の名称「ION IMPLANT SYSTEM HAVING BEAM ANGLE CONTROL IN DRIFT AND DECELERATION MODES」の利益を主張し、本米国出願の内容は、その全体が参考として引用されることによって組み込まれる。
〔技術分野〕
本発明は、概ね、イオン注入システムに関し、特に、イオン注入システムにおけるイオンビームのビーム角度調整を行うシステムおよび方法に関する。
〔背景技術〕
半導体デバイスの製造において、イオン注入は、半導体を不純物すなわちドーパントでドープするために、用いられている。集積回路の制作中に、n型またはp型の外因性材料ドーピングを実現する目的で、あるいは、パッシベーション層を形成する目的で、イオンビーム注入器は、シリコンウェハをイオンビームで処理するために用いられている。半導体をドーピングするために用いられているとき、イオンビーム注入器は、所望の半導体材料を実現するために、選択された外因種を射出する。アンチモン、砒素または燐などのソース材料から発生した注入イオンは、結果として、「n型」の外因性材料ウェハになる。一方、「p型」の外因性材料ウェハが要求される場合、ホウ素またはインジウムなどのソース材料で、イオンは発生する。
典型的なイオンビーム注入器は、イオン化可能なソース材料から正電荷のイオンを発生させるためのイオン源を含む。発生したイオンは、ビームに形成され、所定のビーム経路に沿って注入ステーションへ指向される。イオンビーム注入器は、イオン源と注入ステーションとの間を延伸するビームフォーミング(beam forming)構造およびビームシェイピング(beam shaping)構造を備えてもよい。ビームフォーミング構造およびビームシェイピング構造は、イオンビームを維持すると共に、注入ステーションへの途中でビームが通過する細長い内部空洞すなわち通路の境界となる。注入器を走査するとき、この通路は、気体分子との衝突の結果として所定のビーム経路からイオンが偏向する確率を低減するために、排気されることができる。
磁場における所定の運動エネルギーの荷電粒子の軌道は、該粒子の異なる質量(すなわち、異なる電荷対質量比)によって、異なる。そのため、定常磁場を通過した後に、半導体ウェハまたは他の標的の所望エリアに到達する、引き出されたイオンビームの一部は、純粋な状態になることができる。なぜならば、望ましくない分子量のイオンは、ビームから離れた位置に偏向し、所望材料以外の注入を避けることができるからである。電荷対質量比が望ましいイオンと望ましくないイオンとに選択的に分離するプロセスは、質量分析として周知である。質量分析器が典型的に備える質量分析磁石は、弓状通路中の磁気偏向によって、イオンビーム中の様々なイオンを偏向する双極磁場を発生させ、異なる電荷対質量比のイオンを効果的に分離することができる。
一部のイオン注入システムでは、ビームの物理的寸法は、標的ワークピースよりも小さいので、標的ワークピースの表面を的確に網羅する目的で、ビームは、1つ以上の方向にスキャンされる。概ね、静電気または磁気に基づくスキャナは、イオンビームを高速方向にスキャンし、機械的デバイスは、低速走査方向に標的ワークピースを動かして、十分に網羅する。
その後、イオンビームは、標的ワークピースを保持する標的のエンドステーションに向って指向される。イオンビーム中のイオンは、標的ワークピースに注入され、これがイオン注入となる。イオン注入の重要な特徴の1つは、半導体ウェハのような標的ワークピースの表面の全域で、イオン流束の角度分布が均一なことである。イオンビームの角度内容は、フォトレジストマスクまたはCMOSトランジスタゲートなどの垂直構造下の結晶チャネル効果またはシャドウ効果によって、注入特性を規定する。イオンビームの不均一な角度分散または角度内容は、制御されていないおよび/または望ましくない注入特性に到る。
角度修正は、エネルギー汚染のリスクを防止する目的で、偏向減速レンズが導入された場合に、用いられることがある。エネルギー汚染は、ワークピース中の不適切なドーパント配置に帰結する望ましくないエネルギー(典型的には、望ましいエネルギーより高いエネルギー)を伴うイオンの内容と、見なすことができる。これは、望ましくないデバイス性能を、またはデバイス損傷さえをも、さらに引き起こすことがある。
ビーム診断設備は、イオンビームの角度内容を測定するために、用いられることができる。そして、測定データは、イオンビームの角度特性を調整するために、用いられることができる。しかしながら、従来のアプローチでは、イオン注入システムの複雑度が増し、望ましくないことに、イオンビームが走る経路の長さが伸びる。
〔発明の概要〕
以下に、本発明の幾つかの態様の基礎的理解を提供する目的で、本発明の簡単な概要を提示する。本概要は、本発明の拡張された概観ではなく、本発明の主要なまたは決定的な要素を特定することを意図したものでも、本発明の範囲を線引きすることを意図したものでもない。むしろ、本概要の目的は、後述するより詳細な説明の前触れとして、簡単な様式で本発明のコンセプトを提示することである。
本発明の態様は、イオン注入システムに追加される追加部材無しで、角度調整することによって、イオン注入を容易にする。該態様では、別個のおよび/または追加の部材を採用する代わりに、イオン注入中に選択された角度調整を実行する質量分析器を採用する。
本開示の1つの例示的な態様によれば、イオンビームを形成するように構成されたイオン源を有するイオン注入システムが提供される。質量分析器が提供され、所定の電荷対質量比を有するイオンをイオンビームから選択的に分離し、その中にビーム経路に沿って質量分析されたビームを画定するように構成される。質量分析器は、ビーム経路を選択的に変化させるようにさらに構成される。
一例によれば、質量分析されたビームの選択された種を通過させるように構成された分解開口を有する可動質量分解開口アセンブリが提供される。可動質量分解開口アセンブリは、例えば、質量分析器によるビーム経路の選択的変化に応答して、分解開口の位置を選択的に変化させるように構成される。
さらに、偏向減速部材は、例えば、可動質量分解開口アセンブリの下流に配置される。偏向減速部材は、例えば、通過するビーム経路を選択的に変化させるように構成され、質量分析されたビームを選択的に減速させるようにさらに構成される。
本開示によれば、コントローラがさらに提供され、イオン源、質量分析器、可動質量分解開口アセンブリ、および偏向減速部材を制御して、イオン注入システムをドリフトモードおよび減速モードで選択的に動作させるように構成される。ドリフトモードでは、例えば、コントローラは、偏向減速部材を介して質量分析されたビームを偏向または減速させることなく、質量分析されたビームを第1の経路に沿って分解開口を通って通過させるようにビーム経路を制御するように構成される。コントローラは、減速モードにおいて、ビーム経路を制御するように構成される。コントローラは、減速モードにおいて、質量分析されたビームを第2の経路に沿って分解開口を通って通過させるように、ならびに偏向減速部材を介して質量分析されたビームを第2の経路に沿って偏向および減速させるように、ビーム経路を制御する。第2の経路は、第1の経路とは異なる。さらに、コントローラによる分解開口の位置の選択的変化は、例えば、質量分析器および偏向減速部材によるビーム経路の選択的変化に基づく。
別の例では、イオン注入システムは、ワークピースに近接するビーム入射角を特定するように構成された角度測定システムをさらに備える。コントローラは、例えば、ビーム入射角に基づいて質量分析器に関連する磁場を変化させ、その中でビーム経路を選択的に変化させるようにさらに構成される。別の例では、コントローラは、ビーム入射角に基づいて分解開口の位置を変化させ、その中でビーム経路を選択的に変化させるようにさらに構成される。角度測定システムは、例えば、ビーム経路を通って移動(平行移動)し、複数の位置で複数のビーム入射角を測定するように構成された測定カップを備える。他のシステムおよび方法も開示される。
上記の概要は単に、本開示のいくつかの実施形態のいくつかの特徴の簡単な概要を与えることを意図したものであり、他の実施形態は、上記のものとは追加のおよび/または異なる特徴を含んでもよい。特に、この概要は、本出願の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。したがって、前述の目的および関連する目的を達成するために、本開示は、以下に記載され、特に特許請求の範囲で指摘される特徴を備える。以下の説明および添付の図面は、本開示の特定の例示的な実施形態を詳細に記載する。しかしながら、これらの実施形態は、本開示の原理が採用され得る様々な方法のうちのいくつかを示す。本開示の他の目的、効果、および新規な特徴は、以下の本開示の詳細な説明を図面と併せて考慮することによって明らかにする。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一例を示す図である。
図2は、本発明の一態様に係る質量分析および角度修正のための質量分析器を採用するイオン注入システムを示す図である。
図3Aは、基礎的なすなわち予定された経路に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の概観を示す図である。
図3Bは、変更された経路に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の概観を示す図である。
図3Cは、変更された経路に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の別の概観を示す図である。
図4は、本発明の一態様に係る可動質量分解開口アセンブリを示す側面図である。
図5は、本発明の一態様に係る注入角度を調整する方法を示すフロー図である。
図6は、本発明の一態様に係る注入角度を調整する他の方法を示すフロー図である。
図7は、イオン注入システムを制御するための例示的なプロセッサベースのシステムの概略図を示す。
〔本発明の詳細な説明〕
本開示は、質量分析器、可動質量分解開口、および測定システムを使用して、コントローラを介して質量分析に加えて角度修正/調整を実行するイオン注入を提供する。結果として、注入角度の角度修正は、ビームラインに沿った追加のコンポーネント(構成要素)なしに実行され得る。
したがって、本発明は図面を参照して説明され、ここで、同様の参照番号は全体を通して同様の部材(要素)を指すために使用されてもよい。これらの態様の説明は単に例示的なものであり、限定的な意味で解釈されるべきではないことを理解されたい。以下の説明では、説明目的のために、本発明の完全な理解を提供すべく、様々な特定の詳細が記載されている。当業者であれば、本発明は、これらの特定物でなくても実施できることが明らかである。さらに、本発明の範囲は、添付の図面を参照して以下に記載される実施形態または例によって限定されることを意図されず、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されることを意図される。
また、図面は、本開示の実施形態のいくつかの態様の例示を与えるために提供され、したがって、概略的なものに過ぎないと見なされるべきであることにも留意されたい。特に、図面に示される部材は必ずしも互いに縮尺通りではなく、図面における様々な部材配置はそれぞれの実施形態の明確な理解を提供するように選択され、本発明の実施形態による実装形態における様々なコンポーネントの実際の相対位置の表現であると必ずしも解釈されるべきではない。さらに、本明細書で説明される様々な実施形態および例の特徴は特に断りのない限り、互いに組み合わせることができる。
また、以下の説明では、図面に示された、または本明細書で説明された、機能ブロック、装置、コンポーネント、回路要素、または他の物理的または機能的ユニット間の任意の直接接続または結合も、間接接続または結合によって実施され得ることを理解されたい。さらに、一実施形態において、図面に示される機能ブロックまたはユニットは別個の機構または回路として実装されてもよく、また、別の実施形態において、共通の機構または回路の全体または一部を更に実装される、または共通の機構または回路の全体または一部に代えて実装されてもよいことは十分に理解される。例えば、いくつかの機能ブロックは、信号プロセッサのような共通のプロセッサ上で実行されるソフトウェアとして実装されてもよい。さらに、以下の明細書において有線ベースとして説明される任意の接続は逆に言及されない限り、無線通信として実装されてもよいことが理解されるべきである。
図1は、本発明の一態様に係るイオン注入システム100の例を示す。イオン注入システム100は、例示目的で提示されており、本発明の態様は、記述されたイオン注入システムに限定されるものではなく、様々な構成の他の適切なイオン注入システムが、採用されてもよいことは十分に理解される。
イオン注入システム100は、ターミナル102、ビームラインアセンブリ104、およびエンドステーション106を備える。ターミナル102は、高電圧電源110で動くイオン源108を含み、イオンビーム112をビームラインアセンブリ104に向って生成および指向する。イオン源108は、引き出されてイオンビーム112に形成される荷電イオンを生成し、イオンビーム112は、ビームラインアセンブリ104中のビーム経路114に沿って、エンドステーション106へ指向される。
イオン生成のために、イオン化されるドーパント材料(不図示)の気体は、イオン源108の生成チャンバ116の内部に位置する。ドーパント気体は、例えば、気体源(不図示)から生成チャンバ116内へ供給することができる。なお、高電圧電源110に加えて、例えば、イオン生成チャンバ116内部で自由電子を励起するために、RF励起源またはマイクロ波励起源、電子ビーム射出源、電磁源、ならびに/もしくはチャンバ内部にアーク放電を生じさせるカソードなどの、任意の数の適切な機構(不図示)を用いてもよいことは十分に理解されるであろう。励起された電子は、ドーパント気体分子と衝突するので、イオンが生成される。典型的には、陽イオンが生成されるが、本開示は、陰イオンが生成されるシステムにも適用可能である。
イオンは、本例において、イオン引出(抽出)アセンブリ120によって生成チャンバ116中の開口118を通って、制御可能に引き出される(抽出される)。イオン引出アセンブリ120は、例えば、複数の引出および/または抑制電極122を備える。抽出アセンブリ120は、例えば、生成チャンバ116からイオンを加速するために、引出および/または抑制電極122にバイアスをかける個別引出電源(不図示)を備えてもよい。なお、イオンビーム112は同種の荷電粒子を含むので、同種の荷電粒子が互いに反発してイオンビームが外向きに膨張し拡大する傾向を有し得ることは、十分理解され得る。また、多くの同種の荷電粒子(例えば、高電流)が同一方向に比較的遅く(例えば、低エネルギー)移動する、低エネルギー、高電流(高パービアンス)ビームでは、粒子間反発力は豊富だが、粒子がビーム経路の方向に移動し続けるための粒子モーメントはほとんどないので、イオンビームの膨張が悪化し得ることも、十分理解され得る。したがって、引出アセンブリ120は、概ね、イオンビームが膨張しないように、イオンビーム112が高エネルギーで引き出されるように(例えば、ビームの膨張を誘う反発力を圧倒するのに十分なモーメントを、粒子が有するように)、構成される。さらに、イオンビーム112は、本例では、システム全体に渡って比較的高エネルギーで移動し、ワークピース124への注入の直前で減速して、ビーム束縛を促進することができる。
ビームラインアセンブリ104は、ビームガイド126、質量分析器128、スキャンシステム130、および平行化器(パラレライザ)132を備える。スキャンシステム130および平行化器132は、例えば、ペンシルまたはスポットイオンビームを利用して注入する場合は、除外されてもよいし、起動されなくてもよい。質量分析器128は、例えば、イオンビーム112に対して、質量分析と、角度修正/調整を行う。質量分析器128は、本例で、約90度に形成されており、(双極)磁場を内部に生じさせる1つ以上の磁石(不図示)を備える。イオンビーム112は、質量分析器128に入ると、磁場によって湾曲するので、不適切な荷電対質量比のイオンは、撥ねられる。また特に、荷電対質量比が過大または過少であるイオンは、質量分析器128の側壁134へと偏向する。このように、質量分析器128によって、所望の電荷対質量比を有するイオンビーム112中のイオン種が、質量分析器128を通過して質量分析されたイオンビーム135を画定し、可動質量分解開口アセンブリ138の分解開口136を通って射出されることができる。
質量分析器128は、例えば、双極磁場の振幅を制御すなわち調整することによって、イオンビーム112について角度調節を行うことができる。磁場のこの調整によって、所望の/選択された電荷対質量比を有する選択されたイオンは、異なるすなわち変更されたビーム経路(例えば、ビーム経路114A、114Bとして示される)に沿って走る。その結果、可動質量分解開口アセンブリ138は、変更されたビーム経路114A、114Bにしたがって分解開口136の位置を制御し、変更することができる。一例では、可動質量分解開口アセンブリ138は、分解開口136を通る変更されたビーム経路114A、114Bを収容するように、アクチュエータ(駆動装置)144を介してx方向の周りで可動である開口プレート142を備える。質量分析器128および可動質量分解開口アセンブリ138は、イオン注入システム100のための適切な質量分解能を維持しながら、磁場の変動および結果として生じる変更されたビーム経路114A、114Bを可能にする。したがって、本開示の可動質量分解開口アセンブリ138は、質量分析器128によるビーム経路114の選択的変動に応答して、分解開口136の位置(矢印145によって示される)を選択的に変動させるように構成される。
なお、システム100内のイオンビームと他粒子との衝突は、イオンビーム112の完全性を低下させることは十分理解されるであろう。したがって、1つ以上のポンプ(不図示)が、ビームガイド126および質量分析器128を少なくとも排気するために、備えられてもよい。
スキャンシステム130は、例えば、磁気スキャン部材146と、合焦および/またはステアリング部材148を備える。各電源(不図示)は、スキャン部材146と合焦およびステアリング部材148とに操作可能に結合させることができ、より具体的には、その中の各電磁ピース150と電極152とに接続されている。合焦およびステアリング部材148は、例えば、質量分析されて比較的狭いプロファイルを有するイオンビーム135(例えば、図示されたイオン注入システム100における「ペンシル」ビーム)を受ける。電極152へ印加される電圧は、スキャン部材146のスキャン頂点154へ質量分析されたイオンビーム135を合焦およびステアリング(操舵)するように、機能する。そして、本例において、電磁石150へ印加される電圧波形は、質量分析されたビームを前後にスキャンし、スキャンされたビーム156を画定する。なお、スキャン頂点154は、光学経路中の点として規定され得るものであり、各ビームレットすなわちビームのスキャンされた各部分は、スキャン部材146によってスキャンされた後にスキャン頂点154から生じるように見えることは十分に理解されるであろう。
そして、スキャンされたビーム156は、図示された例における2つの双極磁石158A,158Bを備える平行化器132(例えば、平行化器/修正器コンポーネント)を通過する。双極磁石158A,158Bは、例えば、略台形で互いに鏡像になるように指向されているので、スキャンされたビーム156を略S形に湾曲させる。別の言い方をすれば、双極磁石158A,158Bは、同等の角度および半径と反対向きの曲率とを備える。
平行化器132によって、例えば、スキャン角度に無関係に質量分析されたイオンビーム135がビーム軸に平行に走るように、スキャンされたビーム156はそのビーム経路114Cを変更する。結果として、注入角度は、ワークピース124の全域で、比較的均一である。一例において、平行化器の上流で生成された中性物質が予定された経路(公称経路)を流れず、その結果、エンドステーション106およびワークピース124に到達する確率がより小さくなるように、1つ以上の平行化器132が偏向部材として機能する。
1つ以上の偏向減速部材160は、本例において、平行化器132の下流に位置する。イオン注入システム100中でこの点まで、ビーム112,135は概ね、ビームの膨張傾向を緩和するために、比較的高エネルギー水準で移動する。ビームの膨張傾向は、例えばスキャン頂点154などのビーム密度が特に高くなる位置で高くなる。1つ以上の偏向減速部材160は、例えば、質量分析されたビーム135を減速および/または偏向するために操作可能な1つ以上の電極162を備える。
なお、1つ以上の偏向減速部材160は、Rathmellらの米国特許第6,777,696に示されるように、イオンビーム112,135を合焦、湾曲、偏向、収束、発散、スキャン、平行化および/または浄化するためと同様に、イオンを加速および/または減速するために、配列され、バイアスをかけられた電極を、任意の適切な数備えてもよいことは十分に理解されるであろう。本米国特許の内容は、内容全体を参照として引用されることによって本明細書に組み込まれる。
加えて、合焦および/またはステアリング部材148は、イオンビームを合焦するために、アインツェルレンズ、四極子および/または他の合焦部材と同様に、静電偏向板(例えば、1対以上の静電偏向板)を含んでもよい。故に、1つ以上の偏向減速部材160と共に、平行化器132は、エネルギー汚染を低減するための偏向器としても機能する。なお、付加的な方向における付加的な偏向フィルタも、導入されてもよい。例えば、図1の1つ以上の偏向減速部材160は、注入のエネルギー純度を増すために、y方向に質量分析されたビーム135を偏向する。
本開示の例示的な態様によると、偏向減速部材160は、質量分析器128の下流で質量分析されたビーム135を選択的に減速して、イオン注入システムの動作の後の減速モードおよびドリフトモードを選択的に提供するように、設けられると共に構成されている。後の減速モードにおいて、例えば、後の減速後電極162は、質量分析器128の後で、質量分析されたビーム135のエネルギーを選択的に低減するように設けられている。ドリフトモードにおいて、例えば、質量分析されたビーム135のエネルギーは、質量分析器128の後で変更されない。
本開示の様々な例によれば、上述のように、質量分析器128は、ビーム経路114を選択的に変化させるように構成され、それによって、可動質量分解開口アセンブリ138は質量分析器128によるビーム経路114の選択的変化に応答して分解開口136を並進させることができる。さらに、可動質量分解開口アセンブリ138の下流に配置された偏向減速部材160は、質量分析されたビームが通過するときにビーム経路114を選択的に変化させるとともに、質量分析されたビームを選択的に減速させるように構成される。しかしながら、偏向減速部材160は、同様に、励起されないままにされてもよく、それによって、質量分析されたビーム135は、イオン注入システムをドリフトモードで動作させるときなどに、偏向または減速することなく、そこを通過することに留意されたい。
そして、エンドステーション106は、ワークピース124を指向する質量分析されたビーム135を受ける。なお、異なるタイプのエンドステーション106が、イオン注入システム100に採用されてもよい。例えば、「バッチ」タイプのエンドステーションは、回転支持構造上の複数のワークピース124を同時に支持でき、この場合、全てのワークピースが完全に注入されるまで、イオンビーム112,135の経路114を通るようにワークピース124は、回転される。対して、「直列」タイプのエンドステーションは、注入のためのビーム経路114に沿って1つのワークピース124を支持し、この場合、複数のワークピースは直列に1つずつ注入され、各ワークピースの注入は、次のワークピースの注入が始まる前に、完了する。複合システムにおいて、ワークピース全域にわたりイオンビーム112,135を照射するために、ワークピース124が、第1(Yすなわち低速スキャン)方向に機械的に移動されながら、ビームが、第2(Xすなわち高速スキャン)方向にスキャンされてもよい。
図1に図示された例におけるエンドステーション106は、注入のためのビーム経路114に沿って1つのワークピース124を支持する「直列」タイプのエンドステーションである。線量測定システム164は、注入操作前の校正測定のために、ワークピース124の位置近くのエンドステーション106に備えられていてもよい。校正中、イオンビーム112,135は線量測定システム164を通過する。線量測定システム164は、1つ以上のプロファイラ166を含み、プロファイラ166は、固定され、またはプロファイル経路168を連続的に行き来することによって、イオンビーム112,135のプロファイル(例えば、スキャンされた、またはスキャンされていないスポットまたはペンシルビーム)を測定してもよい。
1つ以上のプロファイラ166は、本例において、例えば、スキャンされたビームの電流密度を測定するファラデイカップや計量カップなどの電流密度センサを備えてもよく、電流密度は、注入角度(例えば、イオンビーム112,135とワークピース124の機械的表面との間の相対的方向、および/または、イオンビームとワークピースの結晶格子構造との間の相対的方向)の関数である。1つ以上のプロファイラ166は、スキャンされたビーム156に対して略直交する形で移動し、そのため、一般的には、リボンビームの幅を行き来する。線量測定システム164は、一例において、イオンビーム112,135のビーム密度分布と角度分布との両方を測定または他の方法で特定するよう構成されている。
本開示によれば、コントローラ170(制御システムとも呼ばれる)がさらに提供され、それによって、コントローラは、イオン注入システム100を制御し、イオン源108、質量分析器128、可動質量分解開口アセンブリ138、および偏向減速部材160と通信し、かつ/またはそれらを調整するように構成される。したがって、コントローラ170は、上述したように、ドリフトモードおよび減速モードの両方でイオン注入システム100を選択的に動作させるように構成される。コントローラ170はさらに、スキャンシステム130、平行化器132、および線量測定システム164の開口を制御するように構成することができる。コントローラ170は、コンピュータやマイクロプロセッサなどを含んでもよく、ビーム特性および調整パラメータの測定値を適宜取るように、操作可能であってもよい。コントローラ170は、例えば、ビームラインアセンブリ104の質量分析器128、スキャン部材146、合焦およびステアリング部材148、平行化器132および偏向減速部材160と同様に、イオンビームが生成されるターミナル102に関連付けられた様々な電源または他の制御装置(不図示)に接続されることができる。したがって、これらの部材(要素)の何れも、所望のイオン注入を容易にするコントローラ170によって、調整されることができる。例えば、イオンビーム112,135のエネルギー水準は、イオン引出アセンブリ120および偏向減速部材160中の電極に印加されるバイアスを調整することによって、接合深さに適合されることができる。
質量分析器128中に生成された磁場の強度および方向は、例えば、ビームの電荷対質量比を変更するために、内部のフィールド巻線を走る電流量を調節することなどによって、調整されることができる。注入角度は、可動質量分解開口アセンブリ138を調整しながら、質量分析器128における磁場の強度または振幅を調整することによって、制御されることができる。コントローラ170はさらに、質量分析器128の磁場と開口プレートの位置145とを、本例においては1つ以上のプロファイラ166からの測定データに従って、調整することができる(例えば、アクチュエータ(駆動装置)144を制御することによって)。コントローラ170は、例えば、付加的な測定データによってさらに調整を検証することができ、必要ならば、質量分析器128、可動質量分解開口アセンブリ138、および偏向減速部材160によって追加調整を行うことができる。
図2は、本発明の一態様に係る質量分析および角度修正のための質量分析器を採用する、簡略化されたイオン注入システム200を示す図である。イオン注入システム200は、一例として設けられている。なお、他の変形および構成が、本発明の別の態様に採用されてもよい。
イオン注入システム200は、イオンビーム204が発生するイオン源202、質量分析器206、可動質量分解開口アセンブリ208、アクチュエータ(駆動装置)210、コントローラ212(例えば、制御システム)、および角度測定システム214を備える。イオン源202は、アーク型源、RF型源、電子銃型源、および類似物であってもよく、注入のためのイオンの選択されたドーパントすなわち種を含むイオンビーム204を、ビーム経路216に沿って生成する。イオン源202は、初期エネルギーおよび電流を有するイオンビーム204を提供する。
質量分析器206は、イオン源202の下流に位置し、イオンビーム204に対して質量分析および初期角度修正を行う。質量分析器206が発生させる磁場によって、選択された電荷対質量比を有する粒子/イオンは、所望の経路に沿って走る。磁場は、角度修正すなわち調整を齎す所望の経路を変更するために、角度修正に順応するように調整されることもできる。
四極子レンズまたは他の合焦機構(合焦コンポーネント)218は、質量分析器206の下流に位置して、イオンビーム204におけるビームの膨張の衝撃を補償または緩和することができる。例えば、合焦機構218は、質量分析器206の下流で可動質量分解開口アセンブリ208の上流に配置することができ、イオンビーム204を収束させる。
可動質量分解開口アセンブリ208は、質量分析器206の下流に位置する。可動質量分解開口アセンブリ208は、例えば、イオンビーム204が通過する分解開口220を備える。開口220は、選択されたドーパント/種の通過を可能にするが他の粒子の通過を遮断する。加えて、可動質量分解開口アセンブリ208は、イオンビーム204の経路216を横切る軸に沿って、移動できる。このため、可動質量分解開口アセンブリ208は、質量分析器206を通るイオンビーム204の所望の経路216の変更に応じて、移動できる。アクチュエータ210は、質量分析器206によって行われた角度調整に応じて、分解開口220がイオンビーム204の経路216に一致するように、可動質量分解開口アセンブリ208を機械的に移動させる。本開示の別の態様において、アクチュエータ210は、後述するように、他の分解能および/または他の寸法のビームを受け入れる他の分解アセンブリを選択することもできる。
一例によると、分解開口220は、イオンビーム204のビーム包絡線(ビームエンベロープ)を受け入れるように、寸法調整される。しかし、代わりの態様においては、分解開口220は、可能なビーム経路216の範囲の全域でビーム包絡線を受け入れるように、寸法調整されることができる。
コントローラ212は、質量分析の制御と同様に、イオン注入中の角度調整の制御および開始を担う。コントローラ212は、例えば、質量分析器206とアクチュエータ210とに連結されており、両部材を制御する。角度測定システム214は、例えば、イオンビーム204の入射角度の値を測定し、必要な調整角度を判断する。角度測定システム214は、例えば、測定された入射角度の値を取得するために、測定カップ(例えば、ファラデイカップ)または他の適切な測定装置を採用できる。加えて、角度測定システム214は、イオンビーム204の入射角度の平均値を導出または測定することができる。そして、角度測定システム214は、例えば、(i)測定または導出された入射角度の値と(ii)所望のまたは選択された入射角度の値とに基づいて、調整角度の値または修正値をコントローラ212へ提供する。
まず、コントローラ212は、(i)予定されたすなわち基礎的な角度の値(例えば、ゼロ(0))と(ii)選択された電荷対質量比とに、質量分析器206の磁場を設定する。加えて、コントローラ212は、基礎的な角度の値と関連する予定された経路222と一致するように、分解開口220の初期位置を設定する。注入中、ゼロ(0)ではない調整角度は、角度測定システム214から受信されることができる。調整角度に基づいて、コントローラ212は、選択された電荷対質量比を有する選択された種が、調整角度に応じて変更された経路224に沿って走るように、質量分析器206の磁場を調整する。加えて、コントローラ212はアクチュエータ210によって分解開口220の位置も、変更された経路224に応じて調整する。その後、角度測定システム214は、注入角度の更なる調整のために、追加調整角度を提供できる。
本開示の一例によれば、イオン注入システム200のそのような制御は、ドリフトモードで実行され、コントローラ212は、ビーム経路216を制御するように構成される。コントローラ212は、偏向減速部材230を介して質量分析されたビームを偏向または減速させることなく、分解開口220を通る第1の経路226に沿ってイオンビーム204を通過させるようにビーム経路216を制御するしかしながら、減速モードでは、コントローラ212は、分解開口を通過する第2の経路228に沿ってイオンビーム204を通過させるようにビーム経路216を制御し、偏向減速部材を介して第2の経路に沿って分析された質量分析されたビームを偏向および減速する偏向減速部材230を通過させるように構成される。したがって、第2の経路228は、第1の経路226とは異なり、それによって、分解開口220の位置を選択的に変化させることは、さらに質量分析器206および偏向減速部材230を通るビーム経路の選択的変化に基づく。
一例によれば、コントローラ212は、減速モードにおける質量分析されたビームの選択的減速に基づいて、分解開口220の位置を変化させるように構成される。別の例によれば、角度測定システム214は、ワークピース232に近接するビーム入射角を決定するように構成される。したがって、コントローラ212は、ビーム入射角に基づいて質量分析器206に関連する磁場を変更し、その中でビーム経路を選択的に変化させるようにさらに構成される。したがって、分解開口220、質量分析器206、および偏向減速部材230は、コントローラ212を介して動作可能に結合され、それによって、分解開口220、質量分析器206、および偏向減速部材230は、質量分析器206を通るイオンビーム204の所望の経路の変化に応答するように構成され得る。角度測定システム214は、分解開口220、質量分析器206、および偏向減速部材230と連動して動作し、所望のビーム入射角のビーム経路を変化させて、減速モードまたはドリフトモードのいずれかでワークピース232への選択的イオン注入を最適に実行する。
図3A~図3Cは、本発明の一態様に係る変更されたビーム経路および角度調整の図解のために提供されるイオン注入の一部を示す図である。図は、図解目的のために、本発明の理解を容易にする目的で例として、提供される。
図3Aは、基礎的なすなわち予定された経路320に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の概観301を示す図である。
質量分析器306は、イオン源(不図示)の下流に位置し、イオンビームに対して質量分析と角度修正とを行う。質量分析器306が発生させる磁場によって、選択された電荷対質量比を有する粒子/イオンは、所望の経路に沿って走る。磁場は、角度修正すなわち調整をもたらす所望の経路を変更するために、角度修正に順応するように調整されることもできる。本例において、イオンビームが沿って走る基礎的なすなわち予定された経路320は、(i)選択された荷電対質量比と(ii)予定された角度調整すなわちゼロ(0)角度調整とに関連する。合焦機構(不図示)は、質量分析器306の下流に配置されて、イオンビーム304について、ビームの膨張の衝撃を補償または緩和することができる。
可動質量分解開口アセンブリ310は、レンズ308の下流に位置する。可動質量分解開口アセンブリ310は、イオンビーム304が通過する分解開口312を備える。開口312は、選択されたドーパント/種の通過を可能にするが、他の粒子の通過を遮断する。加えて、可動質量分解開口アセンブリ310は、イオンビームの経路を横切る軸に沿って、移動できる。
予定された経路320に関し、可動質量分解開口アセンブリ310は、予定された位置に配置されるので、分解開口312をイオンビームは通過できるが、他の粒子の通過は遮断される。
図3Bは、変更された経路322に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の概観302を示す図である。
質量分析器306は、イオンビームの経路を変更する目的で、図3Aに示される質量分析器306から様々な場を発生させる。一例において、質量分析器306は、生成する磁場の振幅を増加する。その結果、イオンビームは、予定された経路320の代わりに変更された経路322に沿って、走る。変更された経路322は、第1角度調整すなわちオフセットに対応する。変更された経路322は、可動質量分解開口アセンブリ310に向って、レンズ308を通過する。概観302において、例えば、イオンビームが、変更された経路322に沿って分解開口312を通過できるように、可動質量分解開口アセンブリ310は正方向に移動している。同様に、図3Cは、変更された経路324に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の別の概観303を示す図である。
さらに、質量分析器306は、イオンビームの経路を変更する目的で、図3Aおよび図3Bに示される質量分析器306から様々な場を発生させる。一例において、質量分析器306は、生成する磁場の振幅を低減する。その結果、イオンビームは、予定された経路320の代わりに変更された経路324に沿って、走る。変更された経路324は、第2角度調整すなわちオフセットに対応する。変更された経路324は、可動質量分解開口アセンブリ310に向って、レンズ308を通過する。本例において、イオンビームが、変更された経路324に沿って分解開口312を通過できるが、選択されていない種および欲しくない粒子が遮断されるように、可動質量分解開口アセンブリ310は負方向に位置している。
上述のように、可動分解開口アセンブリは、イオンビームが通る分解開口を備える。分解開口の形状および寸法は、所望のイオンビームの質量分解能と寸法と形状とに概ね依存し、ビーム包絡線としても参照される。分解開口が大きいほど、このような開口を通過できる不要な粒子およびイオンが多くなるので、ビーム分解能は低くなる。同様に、分解開口が小さいほど、このような開口を通過できる不要な粒子およびイオンが少なくなるので、ビーム分解能は高くなる。しかし、分解能が高いほど、分解開口を通過できない選択されたすなわち所望の種が多くなるので、望ましくないビーム電流損失が引き起こされる。故に、分解開口は、所望の質量分解能およびビーム包絡線に従って、典型的には寸法調整される。
加えて、本発明の分解開口は、角度調整の可能範囲に対応する様々なビーム経路を受け入れるように、設計されることもできる。上記図3A~図3Cは、可能な様々の経路の一部の例を示す。分解開口は、このように様々なビーム経路を受け入れるように、適宜寸法調整されることができる。
図4は、本発明の一態様に係る可動質量分解開口アセンブリ400を示す側面図である。図は、一例として提供され、本発明を限定するものではない。アセンブリ400は、本例において、採用される分解開口を変更できる除去可能なプレートを、受け入れることができる。加えて、アセンブリ400は、本例において、様々な形状のビームおよび/または様々な質量分解能で動作することができる。このため、異なる寸法のビームを、このようなシステムに採用することができ、異なるプレートを、様々なビーム包絡線を受け入れるように採用することができる。加えて、異なるプレートを、様々な分解能および角度調整の範囲に順応するように、採用することができる。
図4において、アセンブリ400は、分解プレート404を保持するアーム402を備える。分解プレート404は、複数の分解開口406、408、410を備える。複数の分解開口406、408、410が有する寸法および形状は、選択されたビーム包絡線、選択された分解能、および/または角度調整の範囲に対応することができる。
第1開口406が有する選択された寸法および形状は、ビーム包絡線、選択された分解能、および/または角度調整の範囲に対応する。本例において、第1開口406のy方向の寸法(例えば、高さ)は、十分に大きいので、イオンビームのy方向の通過を塞がないが、第1開口406のx方向の寸法(例えば、幅)は、比較的小さい。このため、第1開口406は、x方向の寸法すなわち幅が比較的小さいイオンビームを受け入れることができる。
第2開口408が有する第2の選択された寸法および第2の形状は、第2のビーム包絡線、第2の選択された分解能、および/または第2の角度調整の範囲に対応する。一例として、第2開口408は、中程度の幅のイオンビームを受け入れることができる。
第3開口410が有する第3の選択された寸法および第3の形状は、第3のビーム包絡線、第3の選択された分解能、および/または第3の角度調整の範囲に対応する。一例として、第3開口は、比較的幅広のイオンビームを受け入れることができる。
なお、開口406、408、410についてy方向は、図示目的のために同様に描かれているが、本発明の態様は、y方向における多様さも含むことができる。加えて、本発明の態様は、1つのプレートに含まれる開口の数が、より多くてもより少なくてもよい。
動作中、開口のうちの1つが、イオンビームの経路に沿って位置して、イオンビームから不純物すなわち選択されない材料を除去するように、アセンブリ400は位置する。選択された開口は、選択されたビーム包絡線および/または選択された質量分解能に対応する。なお、ビームの材料または部分は、選択されなかった開口のうちの1つを通過するかもしれないが、該部分は、概ね、標的ワークピースへ伝播されず、追加開口によって都合よく遮断され得ることが十分に理解される。例えば、図示しないが、このような追加開口は、所望のビーム経路を中心として、他のビームを遮断することができる。
図5は、本発明の一態様に係る注入角度を調整する方法500を示すフロー図である。方法500は、注入角度を修正すなわち調整することによって、イオン注入中にワークピースの表面の全域で、イオン流束の角度分布を容易に均一にすることができる。なお、上述の図および説明は、方法500についても参照されることができる。
方法500が始まるブロック502において、イオン源のパラメータが、所望の種、エネルギー、および電流等に従って、選択される。イオン源は、アーク型イオン源でも、RF型イオン源または電子銃型イオン源などの非アーク型のイオン源でもよい。1つ以上の種は、イオン源のための1つ以上のソース材料を選択することによって、選択されることができる。電流は、仕事率の値および/または電極を変調することによって選択されることができる。
ブロック504で、質量分析器のパラメータが、(i)選択された種および(ii)基礎的なすなわち予定された角度に対応する電荷質量比に従って、選択される。コイル巻線に印加される電流などのパラメータは、選択された種を、(i)予定された角度に対応する予定されたすなわち基礎的な経路に沿って走らせ、(ii)質量分析器を通過させる磁場をもたらすように、設定される。
ブロック506で、分解開口の初期位置も選択される。初期位置は、基礎的な経路に対応し、選択された質量分解能に従って通過可能である。
ブロック508でイオン注入が開始されると、イオンビームが生成される。ブロック510で、イオンビームの入射角度の平均が、取得される。入射角度の平均は、一例において測定されることができる。別の一例において、複数のビーム角度の測定値が、取得され、平均値がそこから導出される。なお、他のビーム測定値および角度の値も、採用されることができる。例えば、イオン注入器の光学列を通る平均角度の算出は、適用可能なときはいつでも、加速および/または減速の効果を考慮に入れて、採用されることができる。
ブロック512で、角度調整が、選択された注入角度および取得された平均角度から導出される。例えば、選択された角度が、平均角度に等しい場合、角度調整は、ゼロ(0)である。ブロック514で、磁場修正および開口位置修正が、角度調整に従って判断および適用される。磁場修正は、イオンビームの角度を修正するために、イオンビームの経路を調整する。開口位置修正は、選択された種が通過できるように、分解開口を移動させる。
なお、過剰調整防止のために、角度調整および/または磁場調整は、制限されることができる。また、角度調整における誤差は、反復修正アルゴリズムを採用することによって、低減されることができる。このような事例において、適切な修正角度は、幾つもの段階を経てもよい。
ブロック516で、フィールド修正および位置修正の後に、修正された注入角度の平均が取得される。修正された注入角度の平均は、ブロック510におけるのと同様に、取得される。もしも、第2の平均角度が、選択された注入角度に十分に近くにない、すなわち、許容可能な誤差範囲内にないと、ブロック518で判断されたならば、方法は、ブロック510に戻り、イオンビームの平均角度が選択された角度の許容可能な誤差範囲内になるまで、繰り返して続ける。
なお、方法500は、本発明の理解を容易にする目的で、上述の順序で記載されている。また、方法500は、本発明に係る他の適切な順序で実行されてもよい。加えて、本発明の他の態様においては、一部のブロックが省略されてもよく、他の付加的機能が実行されてもよい。
図6は、上述のイオン注入システムのいずれかのような、イオン注入システムにおける注入角度を補正するための方法600を示す。ブロック602において、イオン源は、所望の種、エネルギー、および電流のうちの1つ以上に対して調整される。ブロック604において、ビーム経路は、動作のドリフトモードまたは減速(decel)モードのいずれかにあるものとして選択される。ブロック606において、可動質量分解開口アセンブリは、ワークピース位置において所望の質量分解能および所望のイオンビームを達成するように調整される。
アクト(行為)608において、イオンビームの角度が測定され、平均角度が計算される。アクト610では、平均角度が所定の基準を満たすと見なされるかどうかに関する判定が行われる。例えば、イオン注入システムを通る平均角度の屈折は、加速および/または減速が行われている場合に計算されてもよい。
アクト612では、屈折率および磁場に対する角度の感度を使用して、可動質量分解開口の位置を新しい焦点に修正するために磁場補正を計算する。アクト614において、磁場補正が適用され、それによって、可動質量分解開口が、焦点における新しい位置に移動される。
アクト616において、イオンビームの角度分布が測定され、平均角度が補正されたことが検証される。平均角度が適切に補正されていない場合、アクト618において、角度データおよび印加磁場補正を使用して新しい感度が計算され、それによってアクト620において、新しい補正が適用される。アクト622において、所望の注入角度が達成されたかどうかについての決定がなされ、所望の注入角度が達成されていない場合、プロセスはアクト616に戻る。アクト622において所望の注入角度が達成されていると判定された場合、ワークピースへの注入が、所望の注入角度にて開始され得る。
したがって、本開示は、イオン注入中に、半導体ワークピースの表面にわたるイオンフラックスの均一な角度分布が重要な考慮事項であり得ることを企図する。イオンビームの角度内容は、例えば、フォトレジストマスク又はCMOSトランジスタゲートのような垂直構造の下での結晶チャネル効果又はシャドウ効果による注入特性を規定する。イオンビームの制御されていない角度成分は、制御されていない(多くの場合は望ましくない)注入特性をもたらす。
従って、イオンビームの角度内容は、種々のビーム診断装置を用いて高精度に測定され、その幾つかは上述されている。次いで、測定データは、角度修正方法において使用されてもよい。補正が適用されると、ビーム角度の測定およびその調整が、所望のビーム角度分布が達成されるまで繰り返される。
イオン注入における別の考慮事項は、エネルギー純度である。例えば、減速を有するイオン注入システムでは、減速されていない中性物質がワークピースに到達しないように、より高いエネルギーのイオンが移動する経路から減速後の新しい経路にイオンビームを偏向させることが有利である。この偏向は、例えば、ビーム経路の変化ならびに角度の変化を伴い、これは、その後の補正を必要とし得る。したがって、本開示は、エネルギー純度のためにビーム偏向を利用するイオン注入システムにおいて、ビーム経路変更を提供し、イオンビーム角度を制御するための新規なシステムおよび方法を提供する。
イオン注入システムのドリフト動作中、例えば、ビーム経路は、質量分析器の焦点(質量分解双極子)およびワークピース上の注入位置によって決定される。質量分解開口は、例えば、質量分析器の焦点に配置され、それによって、質量分解開口を通過するビームのみがワークピースに到達する。イオン注入システムの減速動作において、ビーム経路の変更は、質量分解焦点がドリフト焦点から横方向に移動(平行移動)するように、質量分析器の磁石を用いてイオンビームを操縦することによって達成される。アクチュエータは、質量分解開口を新しい焦点に移動させ、それによって、変位された質量分解開口を通過するビームレットは、偏向減速ステージに入り、それによって、イオンはワークピースに向かって再指向される。
本開示は、減速ステージの偏向角度が一般に、ワークピースに到達するイオンビームのエネルギー純度を規定することを意図する。角度修正は、好ましくは質量分析器における質量分解磁気双極子場の振幅を制御することによって、質量分解ペンシルビームの角度を制御して実行されてもよい。いくつかの用途では、例えば、このタイプの角度修正で十分であり得る。しかしながら、他の用途では、補正中及び/又は補正後に、角度補正を測定及び制御し、質量分解開口の位置を調整することが望ましい場合がある。
本開示は、質量分解能要件が、異なるイオンビームに対して変化し得ることをさらに企図する。したがって、本開示の可動質量分解開口アセンブリおよび装置は、比較的高い分解能のインプラントのための比較的小さい開口部を有する所望の質量分解開口部を選択すること、またはより低い分解能のインプラントのためのより大きい開口部を選択することなど、複数の目的を果たすように構成され得る。
別の態様によれば、前述の方法は、汎用コンピュータまたはプロセッサベースのシステムのうちの1つまたは複数の中のコンピュータプログラムコードを使用して実装され得る。図7に示すように、別の実施形態によるプロセッサベースのシステム700のブロック図が提供される。例えば、図1のコントローラ170または図2のコントローラ212は、図7のプロセッサベースのシステム700を備えることができる。プロセッサベースのシステム700は、例えば、汎用コンピュータ・プラットフォームであり、本明細書で説明する処理を実施するために使用することができる。プロセッサベースのシステム700は、デスクトップ・コンピュータ、ワークステーション、ラップトップ・コンピュータ、または特定のアプリケーション用にカスタマイズされた専用ユニットなどの処理部702を含むことができる。プロセッサベースのシステム700は、ディスプレイ718と、マウス、キーボード、またはプリンタなどの1つまたは複数の入出力(I/O)デバイス720とを備えることができる。処理部702は、中央処理部(CPU)704、メモリ706、マスストレージ(大容量記憶装置)708、ビデオ・アダプタ712、およびバス710に接続された入出力(I/O)インターフェース714を含むことができる。
バス710は、メモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、またはビデオバスを含む任意の種類のいくつかのバスアーキテクチャのうちの1つまたは複数とすることができる。CPU704は、任意のタイプの電子データプロセッサを含むことができ、メモリ706は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、またはリードオンリメモリ(ROM)などの任意のタイプのシステム記憶を含むことができる。
マスストレージ708は、データ、プログラム、および他の情報を記憶し、データ、プログラム、および他の情報を、バス710を介してアクセス可能にするように構成された任意のタイプの記憶装置を含むことができる。マスストレージ708は、例えば、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、または光ディスクドライブのうちの1つまたは複数を含むことができる。マスストレージ708は、非一時的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。
ビデオ・アダプタ712およびI/Oインターフェース714は、外部入出力装置を処理部702に結合するためのインターフェースを提供する。入出力装置の例には、ビデオ・アダプタ712に結合されたディスプレイ718と、I/Oインターフェース714に結合されたマウス、キーボード、プリンタなどのI/Oデバイス720とが含まれる。他のデバイスが処理部702に結合されてもよく、追加のまたはより少ないインターフェースカードが利用されてもよい。例えば、シリアルインターフェースカード(図示せず)を使用して、プリンタ用のシリアルインターフェースを提供することができる。処理部702はまた、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)722への有線リンクおよび/または無線リンクであり得るネットワークインターフェース716を含み得る。
プロセッサベースのシステム700は、他のコンポーネントを含むこと、または本明細書に記載のいくつかのコンポーネントを除外することができることに留意されたい。例えば、プロセッサベースのシステム700は、電源、ケーブル、マザーボード、取り外し可能な記憶媒体、ケースなどを含むことができる。これらの他のコンポーネントは、図示されていないが、プロセッサベースのシステム700の一部とみなされる。
本開示の実施形態は、CPU704によって実行されるプログラムコードなどによって、プロセッサベースのシステム700上で実施することができる。また、上述した実施例および実施形態に係る各種の方法は、プログラムコードによって実現することができる。したがって、ここでの明示的な説明は省略する。
さらに、図1のシステム100の任意の制御モジュールおよび/または制御は、すべて、図7の1つまたは複数のプロセッサベース・システム700上に実装されることを付言する。異なるモジュールと装置との間の通信は、モジュールがどのように実装されるかに応じて変化し得る。モジュールが1つのプロセッサベースのシステム700上に実装される場合、CPU704による異なる工程のためのプログラムコードの実行の間に、データをメモリ706またはマスストレージ708に保存することができる。次いで、データは、それぞれの工程の実行中にバス710を介してメモリ706またはマスストレージ708にアクセスするCPU704によって提供され得る。モジュールが異なるプロセッサベースのシステム700上に実装される場合、またはデータが別個のデータベースなどの別のストレージ・システムから提供される場合、データは、I/Oインターフェース714またはネットワークインターフェース716を介してシステム700間に提供することができる。同様に、装置またはステージによって提供されるデータは、I/Oインターフェース714またはネットワークインターフェース716によって、1つまたは複数のプロセッサベースのシステム700に入力され得る。当業者であれば、様々な実施形態の範囲内で企図されるシステムおよび方法を実施する際の他の変形形態および修正形態を容易に理解できる。
本発明は、1つ以上の実施の各々に関して図示および記載されてきたが、添付の請求項の精神および範囲から逸脱しない範囲において、図示された例を改変および/または変形してもよい。上述の部材または構造(ブロック、ユニット、エンジン、アセンブリ、デバイス、回路、システム、など)によって実行される様々な機能に関して特に、このような部材を記載するために用いられた用語(「手段」への言及を含む)は、そうでないと指示されている場合を除き、記載された部材の指定された機能を実行する任意の部材または構造(例えば、機能的等価物)に、たとえ、本明細書において図示された例示的な本発明の実施における機能を実行する開示された構造に対して、構造的等価物でないとしても、対応することが意図されている。加えて、本発明の特定の特徴が、幾つかの実施の内の1つのみに関して開示されたかもしれないが、このような特徴は、所与のすなわち特定の適用例の何れかについて望まれ有益なように、他の実施の他の1つ以上の特徴と組み合わされてもよい。本明細書に用いられている「例示的な」という用語は、最善または優越ではなく、一例を意味することを意図する。さらに、「including」、「includes」、「having」、「has」、「with」という用語またはその活用は、詳細な説明か請求項かで用いられている範囲で、「comprising」という用語と同様に包含的に意図されている。
本発明の一態様に係るイオン注入システムの一例を示す図である。 本発明の一態様に係る質量分析および角度修正のための質量分析器を採用するイオン注入システムを示す図である。 基礎的なすなわち予定された経路に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の概観を示す図である。 変更された経路に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の概観を示す図である。 変更された経路に沿ってイオンビームが走る、本発明の一態様に係るイオン注入システムの一部の別の概観を示す図である。 本発明の一態様に係る可動質量分解開口アセンブリを示す側面図である。 本発明の一態様に係る注入角度を調整する方法を示すフロー図である。 本発明の一態様に係る注入角度を調整する他の方法を示すフロー図である。 イオン注入システムを制御するための例示的なプロセッサベースのシステムの概略図を示す。

Claims (7)

  1. イオン注入システムにおける注入角度を補正するための方法であって、
    前記イオン注入システムは、
    イオンビームを形成するように構成されたイオン源と、
    前記イオンビームから所定の電荷対質量比を有するイオンを選択的に分離して、ビーム経路に沿って質量分析されたビームを画定するように構成された質量分析器であって、前記ビーム経路を選択的に変化させるように構成された、前記質量分析器と、
    前記質量分析されたビームの選択された種を通過させるように構成された分解開口を有する可動質量分解開口アセンブリであって、前記質量分析器による前記ビーム経路の選択的な変化に応じて前記分解開口の位置を選択的に変化させるように構成された、前記可動質量分解開口アセンブリと、
    前記可動質量分解開口アセンブリの下流に配置されており、かつ、前記ビーム経路を選択的に変化させるように構成された偏向減速部材であって、前記質量分析されたビームを選択的に減速させるように構成された、偏向減速部材と、
    前記イオン源、前記質量分析器、前記可動質量分解開口アセンブリ、および前記偏向減速部材を制御して、前記イオン注入システムをドリフトモードおよび減速モードで選択的に動作させるように構成されたコントローラと、を備えており、
    前記方法は、
    a)前記イオン源を所望の種、電流、およびエネルギーに対して調整する工程と、
    b)前記ビーム経路が前記ドリフトモードまたは前記減速モードのいずれにあるかを判定する工程と、
    c)前記可動質量分解開口アセンブリを所望の質量分解能および所望のイオンビームを達成する位置に移動する工程と、
    d)前記イオンビームの角度を測定し、平均角度を計算する工程と、
    e)前記計算された平均角度が所定の基準を満たすかを判定する工程と、
    f)磁場に対する前記計算された平均角度の感度に基づいて、磁場補正を計算し、前記磁場補正の適用に基づいて、前記可動質量分解開口アセンブリの位置を再配置する工程と、
    g)前記イオンビームの角度分布を測定して、前記平均角度が補正されたことを検証する工程と、
    を含み、
    前記平均角度が適切である場合、ワークピースにイオンを注入し、前記平均角度が適切でない場合、前記注入角度が適正と判定されるまで工程f)およびg)を繰り返した後に、前記ワークピースにイオンを注入する、
    方法
  2. 前記ドリフトモードにおいては、前記質量分析器の焦点および前記ワークピース上の注入位置によって前記ビーム経路が決定され、前記分解開口が前記質量分析器の焦点に配置されることによって、前記分解開口を通過するイオンビームのみを、前記ワークピースに到達させる、請求項1に記載の方法
  3. 前記減速モードにおいては、前記質量分析器の焦点がドリフト焦点から横方向に移動するように前記質量分析器を用いて前記イオンビームを操縦することによって、前記ビーム経路が変更される、請求項に記載の方法
  4. アクチュエータが前記分解開口を新しい焦点に移動させることによって、前記イオンビームのビームレットが、前記移動した分解開口を通過して偏向減速ステージに入り、イオンが、前記ワークピースに向かって再指向される、請求項3に記載の方法
  5. 前記質量分析器における質量分解磁気双極子場の振幅の制御による質量分解イオンビームの角度の制御によって、角度補正が行われる、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法
  6. 前記注入の分解能の高低を判定し、相対的に高い分解能の注入である場合には相対的に小さい開口部を有する所望の質量分解開口部を選択し、相対的に低い分解能の注入である場合には大きい開口部を選択する工程を含む、請求項1に記載の方法
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法を実行可能な、イオン注入システム。
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