JPH10298544A - 電場発光蛍光体およびその製造方法 - Google Patents

電場発光蛍光体およびその製造方法

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JPH10298544A
JPH10298544A JP9107230A JP10723097A JPH10298544A JP H10298544 A JPH10298544 A JP H10298544A JP 9107230 A JP9107230 A JP 9107230A JP 10723097 A JP10723097 A JP 10723097A JP H10298544 A JPH10298544 A JP H10298544A
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JP
Japan
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phosphor
group
fluorescent material
organosilicon compound
parts
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Application number
JP9107230A
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English (en)
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Hirobumi Takemura
博文 竹村
Kenichi Yamaguchi
研一 山口
Tomohito Inoue
智仁 井上
Yohei Shimizu
洋平 清水
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防湿性と蛍光体特性を有する電場発光
蛍光体およびその簡便な製造方法を提供する。 【解決手段】 硫化亜鉛に、銅およびマンガンから選ば
れた少なくとも1種の付活剤と、塩素、臭素、ヨウ素お
よびアルミニウムから選ばれた少なくとも1種の共付活
剤とを含有する電場発光蛍光体において、該電場発光蛍
光体の粒子表面に、ポリオルガノシロキサン被膜が形成
されていることを特徴とする表面処理された電場発光蛍
光体;および前記の未処理電場発光蛍光体を、一般式R
a SiX4-a で示される有機ケイ素化合物またはその部
分加水分解、縮合物で処理することを特徴とする電場発
光蛍光体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機分散型の電場
発光蛍光体(以下、EL蛍光体という)およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機分散型のEL蛍光体は、これを誘電
体中に分散させて発光体層を形成させ、この発光体層の
両側に電極を配置するとともに、少なくとも一方の電極
を透明電極で構成し、これら電極間に交流電圧を印加す
ることにより発光させるものである。このようなEL蛍
光体としては、硫化亜鉛を主体とし、これに付活剤とし
て銅やマンガン、また共付活剤として塩素、臭素、ヨウ
素、アルミニウムなどを含有させたものが一般的に用い
られている。
【0003】しかし、上述のようなEL蛍光体は、水分
の存在下で発光させると急激に劣化する。そのため、通
常の分散型EL素子は、素子作製の際に、発光層である
蛍光体層を十分に乾燥させ、さらにポリクロロトリフル
オロエチレンフィルムなどの防湿フィルムで保護する構
造が採用されている。
【0004】現在、分散型EL素子に用いられている防
湿フィルムは、高価であり、そのため、防湿フィルムを
用いずに分散型EL素子を作製する技術が要求されてい
る。したがって、EL蛍光体に直接に防湿処理を施すこ
とが検討されている。たとえば高温に保たれた蛍光体を
入れた容器に、キャリアガスとともにトリメチルアルミ
ニウムのような有機アルミニウム化合物またはアルミニ
ウムトリアルコキシドを吹き込み、酸化アルミニウムと
してEL蛍光体表面に付着させる方法(特開平2−38
482号公報、米国特許4585678号明細書参
照)、ならびに100〜150℃に保たれた蛍光体を入
れた容器に四塩化チタン、四塩化ケイ素のような加水分
解性金属化合物と水蒸気とを吹き込み、気相加水分解に
より二酸化チタンまたは二酸化ケイ素としてEL蛍光体
の表面に付着させる方法(特開平4−230996号公
報、米国特許5156885号明細書参照)が提案され
ている。これらの方法では、優れた防湿効果が得られる
が、流動床反応器のような特殊な反応容器が必要であ
り、また高温にさらされるため、蛍光体の特性劣化も大
きい。
【0005】これらの問題を解決するために、溶液中で
EL蛍光体表面に金属アルコキシドの加水分解、縮重合
反応により、金属酸化物などを被覆する試みがなされて
いるが、十分な防湿性を得るためには、膜厚を大きくし
なければならない。しかし、このような方法で金属酸化
物を厚く被覆した場合、膜の乾燥の際に、未反応の水酸
基が脱水縮合を起こして水分子が脱離するため、金属酸
化物が収縮し、膜がひび割れてしまう。
【0006】また、このような金属アルコキシドによっ
て形成された金属酸化物の被膜は、EL蛍光体に防湿性
を付与する効果はあるが、上記のような問題を含めて、
最近のEL蛍光体に対するより厳しい防湿性の要求に対
しては、満足できるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な従来法の有する諸問題を解決するためになされたもの
で、優れた防湿性と蛍光体特性を有するEL蛍光体、お
よびその簡便で、熱によるEL蛍光体への悪影響を与え
ない製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
を達成するために検討を重ねた結果、EL蛍光体の粒子
表面を、特定の構造を有する有機ケイ素化合物で処理
し、常温または比較的低い加熱温度でポリオルガノシロ
キサン被膜を形成して、その目的を達成しうることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明のEL蛍光体は、硫化亜
鉛に、銅およびマンガンから選ばれた少なくとも1種の
付活剤と、塩素、臭素、ヨウ素およびアルミニウムから
選ばれた少なくとも1種の共付活剤とを含有する電場発
光蛍光体において、該EL蛍光体の粒子表面に、ポリオ
ルガノシロキサン被膜が形成されていることを特徴と
し、またEL蛍光体の製造方法は、上記組成のEL蛍光
体を、一般式Ra SiX4-a (式中、Rはたがいに同一
または異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭
化水素基を表し;Xは水酸基または加水分解性基を表
し;aは0〜3の整数であって、平均0.5以上、2未
満の数である)で示される1種もしくは2種以上の有機
ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物で処理し
て、平均単位式Ra SiO(4-a)/2 (式中、Rは前述の
とおり;aは0.5以上、2未満の数である)で示され
るポリオルガノシロキサンを形成させることを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のEL蛍光体は、その粒子
表面に疎水性被膜として、ポリオルガノシロキサンの被
膜を有する。
【0011】本発明において表面処理に供されるEL蛍
光体は、上述のように、硫化亜鉛に、付活剤として銅お
よびマンガンの少なくとも1種、共付活剤として塩素、
臭素、ヨウ素およびアルミニウムの少なくとも1種を含
有するものである。粒径は、特に限定されないが、通常
1〜20μm である。このようなEL蛍光体は、たとえ
ば次のようにして得られる。すなわち、硫化亜鉛に、分
子中に銅およびマンガンの少なくとも1種の金属原子を
含む化合物と、分子中に塩素、臭素、ヨウ素およびアル
ミニウムから選ばれた少なくとも1種の原子を含む化合
物を混合して、原料物質を調製する。ついで、この原料
物質を焼成した後、洗浄処理を施してEL蛍光体が得ら
れる。
【0012】本発明において、上記のEL蛍光体の粒子
表面に形成される被膜は、平均単位式Ra SiO
(4-a)/2 (式中、Rは前述のとおり;aは0.5以上、
2未満の数である)で示されるポリオルガノシロキサン
である。ケイ素原子に結合した有機基Rとしては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、
オクチル、デシル、ドデシルのような直鎖状または分岐
状のアルキル基;シクロヘキシルのようなシクロアルキ
ル基;フェニル、トリルのようなアリール基;2−フェ
ニルエチル、2−フェニルプロピルのようなアラルキル
基;ビニル、アリルのようなアルケニル基;ならびに、
3−クロロプロピル、3−アミノプロピル、3−(N−
2−アミノエチル)プロピル、3−グリシドキシプロピ
ルのような置換炭化水素基が例示され、EL蛍光体の粒
子表面に、薄い膜厚で優れた防湿性を有する被膜を簡便
に形成するには、炭素数1〜5のアルキル基が好まし
く、取扱いの容易なことからメチル基が特に好ましい。
【0013】EL蛍光体の粒子表面に安定で防湿性を有
する耐久性のポリオルガノシロキサン被膜を形成するに
は、上記の平均式においてaは0.5以上、2未満の数
であり、1.0〜1.95が好ましく、1.0〜1.7
がさらに好ましい。
【0014】EL蛍光体の粒子表面に効果的な防湿性被
膜を形成するためのポリオルガノシロキサンの付着量
は、EL蛍光体に対して0.01〜5重量%である。
【0015】このようなポリオルガノシロキサン被膜
は、EL蛍光体の粒子表面を、一般式Ra SiX4-a
(式中、R、Xおよびaは前述のとおり)で示される有
機ケイ素化合物またはその部分加水分解、縮合物で処理
することによって形成される。Rとしては、ポリオルガ
ノシロキサンのRとして例示された範囲のものが例示さ
れ、同様な理由で、炭素数1〜5のアルキル基が好まし
く、メチル基が特に好ましい。Xは、水酸基が、Si−
X結合が加水分解し、ついで縮合することにより容易に
シロキサン結合を形成するものであればよく、上記の水
酸基のほか、塩素原子;水素原子;メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシのような直鎖状または分岐状
のアルコキシル基;2−メトキシエトキシのような置換
アルコキシル基;イソプロペノキシのようなエノキシ
基;ならびにアセトキシのようなアシロキシ基が例示さ
れ、合成および取扱いが容易で、適度の加水分解性を有
し、副生物が酸のような他に影響を及ぼすものでないこ
とから、炭素数1〜3のアルコキシル基が好ましい。
【0016】aは0〜3の整数であるが、上述のポリオ
ルガノシロキサン被膜を形成させるためには、使用する
有機ケイ素化合物のaのモル換算平均値は0.5以上、
2未満の数であり、1.0〜1.95が好ましく、低
温、短時間の処理条件で優れた防湿性被膜を形成しうる
ことから1.0〜1.7がさらに好ましく、1.0〜
1.5が特に好ましい。このようなaの平均値を得るた
めに、一般にaが1の有機ケイ素化合物を単独で用いる
か、aが1のものと2のものとを併用する。aが0の有
機ケイ素化合物を、aが1〜3のものと併用し、aが2
または3のものを、aが0および/または1のもと併用
してもよい。aの平均値が0.5未満では、有機基の数
が少ないので、薄い膜厚によって良好な防湿性被膜を得
ることができず、aの平均値が2以上では、ポリオルガ
ノシロキサンは網状シロキサン骨格を形成しないので油
状物となり、蛍光体の粒子表面に安定した膜厚の被膜を
保持できない。
【0017】有機ケイ素化合物としては、メチルトリク
ロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロ
シラン、トリメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、メチルビニルジクロロシラン、3−クロロプロピ
ルトリクロロシラン、3−クロロプロピルメチルジクロ
ロシランようなクロロシラン類;メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチル
トリメトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラ
ン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシル
トリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、3−(N−2−アミノエチル)
プロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランの
ようなメトキシシラン類;メチルトリエトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、
トリメチルエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、メチルビニルジエトキシシラン、3−クロロプロピ
ルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエ
トキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、テトラエトキシシランのようなエトキシシラン類;
メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリイソプ
ロポキシシランのようなプロポキシシラン類;メチルト
リス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シランのような置換アルコキ
シシラン類;メチルトリス(イソプロペノキシ)シラ
ン、メチルビニルビス(イソプロペノキシ)シランのよ
うなエノキシシラン類;ならびにメチルトリアセトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシランのようなアシロキ
シシラン類が例示され、これらの単独または相互の部分
加水分解、縮合物を用いることもできる。
【0018】有機ケイ素化合物(以下、前記の一般式の
化合物の部分加水分解、縮合物を包含する)の量は、薄
い膜厚で優れた耐湿性を示し、かつ耐久性のあるポリオ
ルガノシロキサン被膜を形成させるために、処理される
EL蛍光体粒子に対して0.1〜10重量%が好まし
く、0.5〜5.0重量%がさらに好ましい。
【0019】有機ケイ素化合物によるEL蛍光体の表面
処理方法は、用いる有機ケイ素化合物の沸点、加水分解
および縮合の反応速度、溶解させる溶媒の選択、ならび
に該EL蛍光体の耐熱性によっても異なり、特に限定さ
れないが、通常、次のような方法で行われる。
【0020】(1)EL蛍光体を液状の媒体中に分散さ
せ、撹拌しながら、有機ケイ素化合物またはその溶液を
添加して、EL蛍光体の粒子表面において、有機ケイ素
化合物の加水分解と縮合を進行させて、該粒子表面にポ
リオルガノシロキサン被膜を形成させる。上記の媒体、
また有機ケイ素化合物の溶媒としては、該有機ケイ素化
合物の加水分解、縮合速度が遅い場合は水を用いてもよ
いが、通常は有機溶媒を用いる。有機溶媒としては、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノールのようなアルコール系溶媒;トルエン、
キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、石
油エーテル、石油ベンジン、ガソリン、ナフサのような
炭化水素系溶媒;ジエチルエーテルのようなエーテル系
溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶
媒;およびアセトン、メチルエチルケトンのようなケト
ン系溶媒が例示され、単独で用いても、相互の混合物と
して用いてもよい。有機ケイ素化合物としてアルコキシ
シラン類を用いる場合、有機溶媒としてはアルコール系
溶媒が好ましく、該有機ケイ素化合物の加水分解速度が
小さい場合は、水を共存させていてもよい。有機ケイ素
化合物としてクロロシラン類のように反応性の高いもの
を用いる場合、有機溶媒としては、炭化水素系溶媒な
ど、該有機ケイ素化合物と反応しないものを用いる。
【0021】有機溶媒中でEL蛍光体を有機ケイ素化合
物で処理する場合、該有機ケイ素化合物を加水分解させ
るために、化学量論量または過剰量の水を系内に存在さ
せることができる。水は、最初にEL蛍光体を分散させ
る系に用いても、加水分解速度が比較的小さい有機ケイ
素化合物とともに添加しても、有機ケイ素化合物とは別
個に系に添加してもよい。あるいは、有機ケイ素化合物
を蛍光体の粒子表面に付着させ、溶媒を留去、またはろ
過によって、有機ケイ素化合物が付着したEL蛍光体を
回収した後に、気相または液相の水と該蛍光体を接触さ
せて、その表面の有機ケイ素化合物を加水分解、縮合さ
せ、ポリオルガノシロキサン被膜を形成させることもで
きる。
【0022】(2)有機ケイ素化合物を噴霧状にする
か、または該有機ケイ素化合物の沸点が比較的に低い場
合には気相で、蛍光体の粒子表面に接触させて、該粒子
表面に有機ケイ素化合物を付着させる。あるいは、蛍光
体を流動化させるように、有機ケイ素化合物を、窒素、
アルゴンのような不活性ガスとともに供給してもよい。
それと同時に、または付着後に、該表面に存在する有機
ケイ素化合物を、化学量論量または過剰量の水と接触さ
せる。水は、有機ケイ素化合物と同様に、噴霧状または
気相で接触させる。
【0023】上記(1)、(2)のいずれの方法におい
ても、有機ケイ素化合物の加水分解反応や縮合反応を促
進して、より低温、短時間でポリオルガノシロキサン被
膜を形成させるために、触媒を添加してもよい。触媒と
しては、塩酸、酢酸のような酸;水酸化ナトリウム、ア
ンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウムのような塩
基;ヘキサン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、
ナフテン酸などのカルボン酸の亜鉛塩のようなカルボン
酸金属塩;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウム
トリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポ
キシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニ
ウムイソブトキシドのようなアルミニウムアルコキシド
およびそれらの部分加水分解縮合物;ジイソプロポキシ
(アセチルアセトナト)アルミニウム、ジ−n−ブトキ
シ(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(アセ
チルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エ
チルアセトアセタト)アルミニウム、ジ−n−ブトキシ
(エチルアセトアセタト)アルミニウム、n−ブトキシ
ビス(エチルアセトアセタト)アルミニウムのようなア
ルミニウムキレート化合物;酢酸テトラメチルアンモニ
ウムのような第四級アンモニウム塩;ならびにトリエタ
ノールアミンのようなアミノ化合物が例示され、またそ
れ自体が有機ケイ素化合物である3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、3−(N−2−アミノエチル)プロピルトリメト
キシシランのようなアミノ基含有アルコキシシランを触
媒量併用してもよい。
【0024】触媒の添加量は、用いる有機ケイ素化合物
および触媒の種類、ならびにポリオルガノシロキサン被
膜の好ましい形成条件によっても異なるが、通常、有機
ケイ素化合物の量に対して0.05〜2.0重量%であ
る。触媒は、EL蛍光体を処理する前に、触媒作用によ
って有機ケイ素化合物の加水分解が開始されないかぎ
り、どのような方法で系に添加されてもよい。
【0025】有機ケイ素化合物による表面処理、および
水との接触は、常温から200℃までの任意の温度で行
うことができる。(1)のような液相中で表面処理を行
う際に、処理に用いる有機ケイ素化合物または溶媒の沸
点付近、または沸点を越える温度で表面処理を行う場合
は、必要に応じて還流冷却器を設け、または高圧密閉容
器を用いる。
【0026】ついで、液相中で表面処理を行った場合
は、処理された蛍光体をろ過によって回収する。
【0027】表面処理を常温または60℃までの比較的
低い加熱温度で行った後、また(1)の方法の場合には
表面処理された蛍光体をろ過によって回収した後、ポリ
オルガノシロキサン被膜を形成する縮合反応を完結させ
るために、さらに60〜200℃の温度で加熱してもよ
い。加熱温度は特に限定されず、0.5〜3時間でよ
い。
【0028】このようにして、EL蛍光体の粒子表面
に、ポリオルガノシロキサン被膜を形成できる。被膜の
厚さは、通常、100nmあれば十分である。
【0029】
【作用】本発明によってEL蛍光体の粒子表面に処理さ
れた有機ケイ素化合物は、該粒子表面で加水分解反応と
縮合反応により、網状のシロキサン骨格と、ケイ素原子
に結合した有機基とを有するポリオルガノシロキサン被
膜を形成する。該被膜は、その網状シロキサン骨格のた
めに、流れ去ることなく蛍光体の粒子表面に安定に存在
し、該有機基の撥水、防水効果により、薄い膜厚でも優
れた防湿性を示す。また、膜厚を薄くすることが可能な
ことと、その組成を適切に選択することにより、被膜に
適度の柔軟性が得られることから、処理工程中および使
用中にひび割れを生じない。このようなポリオルガノシ
ロキサン被膜の存在により、本発明の表面処理されたE
L蛍光体は、湿気による劣化を防ぐことができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明する。実施例中、部は重量部を表す。本発明は、
これらの実施例によって限定されるものではない。
【0031】比較例1 ZnS粉末を母体とし、これにCuSO4 、NaBrお
よびKBrを湿式で混合し、得られたスラリーを乾燥し
た後、H2 S雰囲気中、900℃で120分間焼成し
て、比較例1のZnS:Cu,Br型のEL蛍光体を得
た。この蛍光体を、以下の各実施例において、有機ケイ
素化合物による表面処理に供した。
【0032】実施例1 比較例1で得られたEL蛍光体100部を、メタノール
73部と0.05N 酢酸水溶液9部の混合液中に分散さ
せた。撹拌しつつ45℃まで加熱した。これに、メチル
トリメトキシシラン1.64部とジメチルジメトキシシ
ラン0.36部をメタノール79部に溶解させた溶液を
30分かけて滴下し、さらにメタノールの還流温度で撹
拌を1時間続けた。静置して、上澄み液をろ過によって
除き、100℃で真空乾燥した後、ふるい分けした。つ
いで、得られた処理蛍光体を、さらに150℃において
1時間加熱して、表面にポリメチルシロキサン被膜が形
成されたEL蛍光体を得た。
【0033】実施例2〜4 メチルトリメトキシシランの量を3.28部(実施例
2)、4.92部(実施例3)または6.56部(実施
例4)とし、ジメチルジメトキシシランの量を0.72
部(実施例2)、1.08部(実施例3)または1.2
8部(実施例4)とし、実施例1と同じ量のメタノール
に溶解させて用いた以外は実施例1と同様にして、それ
ぞれポリオルガノシロキサン被膜を形成したEL蛍光体
を得た。
【0034】実施例5 比較例1で得られたEL蛍光体100部を、イソプロパ
ノール70部と脱イオン水8部の混合液中に分散させ
た。撹拌しつつ50℃まで加熱し、メチルトリメトキシ
シラン6.0部と3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン0.06部をイソプロノール72部に溶解させた溶液
を30分かけて滴下し、温度を40〜55℃に保ちなが
ら、さらに撹拌を1時間続けた。静置して、上澄み液を
ろ過によって除き、100℃で真空乾燥した後、ふるい
分けした。ついで、得られた処理蛍光体を、さらに13
0℃において1時間加熱して、表面に、ケイ素原子に結
合した微量の3−アミノプロピル基を含むポリメチルシ
ロキサン被膜が形成されたEL蛍光体を得た。
【0035】実施例6 比較例1で得られたEL蛍光体100部を、オクタン酸
亜鉛1.0部を溶解させたトルエン87部に分散させ
た。撹拌しつつ60℃まで加熱し、メチルトリエトキシ
シラン3.28部とジメチルジエトキシシラン2.72
部をトルエン79部に溶解させた溶液、および水9部を
それぞれ別個に30分かけて滴下し、撹拌しつつ、2時
間かけてトルエンの還流温度まで徐々に昇温した。余剰
の水および縮合によって生じた水は、冷却器より反応容
器に還流させず、相分離させて系外に除いた。ついで、
減圧下に溶媒を留去して、ふるい分けした。得られた処
理蛍光体を、さらに180℃において2時間加熱して、
表面にポリメチルシロキサン被膜が形成されたEL蛍光
体を得た。
【0036】実施例7 比較例1で得られたEL蛍光体100部を、ジイソプロ
ポキシエチルアセトアセタトアルミニウム0.01部を
溶解させたメタノール81部に分散させた。撹拌しつつ
50℃まで加熱し、プロピルトリメトキシシラン5.0
部と脱イオン水12部をメタノール67部に溶解させた
溶液を30分かけて滴下し、さらにメタノールの還流温
度で撹拌を1時間続けた。以下、実施例1と同様にし
て、表面にポリプロピルシロキサン被膜が形成されたE
L蛍光体を得た。
【0037】実施例8 比較例1で得られたEL蛍光体100部を、Vブレンダ
ーによって強制撹拌しながら、ビニルトリクロロシラン
0.5部とトルエン1.5部の溶液を、窒素ガスにより
常温で噴霧して、該粒子表面をビニルトリクロロシラン
を含む溶液で均一にまぶした。ついで、撹拌を続けなが
ら60℃に昇温し、60℃の脱イオン水2.0部を窒素
ガスによって噴霧して、さらに撹拌を30分続けた。同
様の噴霧を3回繰り返して副生した塩化水素を除去した
後、100℃で真空乾燥し、ふるい分けした。ついで、
得られた処理蛍光体を、さらに120℃において3時間
加熱して、表面にポリビニルシロキサン被膜が形成され
たEL蛍光体を得た。
【0038】実施例9〜11 ビニルトリクロロシランの量を1.0部(実施例1
0)、2.0部(実施例11)または4.0部(実施例
12)とし、トルエンの量を3.0部(実施例10)、
3.5部(実施例11)または4.0部(実施例12)
とした以外は実施例8と同様にして、ポリビニルシロキ
サン被膜が形成されたEL蛍光体を得た。
【0039】実施例12 有機ケイ素化合物としてメチルトリクロロシラン2.4
3部とジメチルジクロロシラン0.57部を用い、溶媒
として石油ベンジン3.0部を用い、乾燥後の加熱温度
を150℃とした以外は実施例8と同様にして、ポリメ
チルシロキサン被膜が形成されたEL蛍光体を得た。
【0040】実施例13 有機ケイ素化合物としてメチルトリエトキシシラン2.
21部とジメチルジエトキシシラン0.79部を用い、
脱イオン水の代わりに水酸化テトラメチルアンモニウム
の0.5重量%水溶液を用い、撹拌を30分続けた後
に、さらに撹拌しながら130℃まで昇温して水酸化テ
トラメチルアンモニウムを分解し、繰り返しての水の噴
霧の代わりに、70℃の脱イオン水を1回噴霧した以外
は実施例8と同様にして、ポリメチルシロキサン被膜が
形成されたEL蛍光体を得た。
【0041】評価 実施例1〜13および比較例で得られたEL蛍光体をそ
れぞれ用いて、シアノエチルセルロースをバインダーと
し、防湿フィルムを用いないで電場発光パネル(以下、
ELパネルという)を作製した。これらのELパネルに
100V、400Hzの交流電圧を印加し、初期発光輝度
および輝度半減期を測定した。
【0042】その結果を、比較例のELパネルの初期発
光輝度と輝度半減期をそれぞれ100とする相対値とし
て、表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】なお、付活剤としてマンガンを用いた硫化
亜鉛EL蛍光体、ならびに共付活剤として塩素、ヨウ素
またはアルミニウムを用いた硫化亜鉛EL蛍光体につい
ても同様の実験を行った。それぞれ、本発明によって疎
水性被膜を形成させて得たEL蛍光体を用いたELパネ
ルは、表面処理しないEL蛍光体を用いたELパネルに
比べて、初期発光輝度はほぼ同等で、優れた輝度半減期
を示した。
【0045】
【発明の効果】本発明のEL蛍光体は、粒子表面をポリ
オルガノシロキサンからなる疎水性被膜によって被覆さ
れているため、蛍光体の特性に大きな影響を与えること
なく、防湿性を大幅に向上させることができる。したが
って、本発明のEL蛍光体を用いて、より薄形のELパ
ネルの製造が可能となり、薄形画像機器の実用上大きく
貢献するので、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05B 33/18 H05B 33/18 (72)発明者 井上 智仁 静岡県榛原郡吉田町川尻3583−5 株式会 社東芝大井川センター内 (72)発明者 清水 洋平 神奈川県川崎市川崎区日進町7番地1 東 芝電子エンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化亜鉛に、銅およびマンガンから選ば
    れた少なくとも1種の付活剤と、塩素、臭素、ヨウ素お
    よびアルミニウムから選ばれた少なくとも1種の共付活
    剤とを含有する電場発光蛍光体において、該電場発光蛍
    光体の粒子表面に、ポリオルガノシロキサン被膜が形成
    されていることを特徴とする表面処理された電場発光蛍
    光体。
  2. 【請求項2】 硫化亜鉛に、銅およびマンガンから選ば
    れた少なくとも1種の付活剤と、塩素、臭素、ヨウ素ま
    たはアルミニウムから選ばれた少なくとも1種の共付活
    剤を含有する電場発光蛍光体を、一般式Ra SiX4-a
    (式中、Rはたがいに同一または異なっていてもよい置
    換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Xは水酸基
    または加水分解性基を表し;aは0〜3の整数であっ
    て、平均0.5以上、2未満の数である)で示される1
    種もしくは2種以上の有機ケイ素化合物またはその部分
    加水分解、縮合物で処理して、平均単位式Ra SiO
    (4-a)/2 (式中、Rは前述のとおり;aは0.5以上、
    2未満の数である)で示されるポリオルガノシロキサン
    被膜を形成させることを特徴とする電場発光蛍光体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 有機ケイ素化合物またはその部分加水分
    解、縮合物の量が、電場発光蛍光体の0.1〜10重量
    %である、請求項2記載の電場発光蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 Rがメチル基である、請求項2記載の電
    場発光蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 Xが炭素数1〜3のアルコキシル基であ
    る、請求項2記載の電場発光蛍光体の製造方法。
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