JPH10298426A - ポリアミド樹脂複合材料の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂複合材料の製造方法

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JPH10298426A
JPH10298426A JP12008997A JP12008997A JPH10298426A JP H10298426 A JPH10298426 A JP H10298426A JP 12008997 A JP12008997 A JP 12008997A JP 12008997 A JP12008997 A JP 12008997A JP H10298426 A JPH10298426 A JP H10298426A
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polyamide resin
acid
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Hiroshi Oyamada
洋 小山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性の優れた高性能のポリアミド樹脂
複合材料および該複合材料を効率的に製造する方法を提
供する。 【解決手段】 ポリアミド樹脂100重量部に対して膨
潤性フッ素雲母を0.3〜40重量部、pKaが0〜6
の酸とオニウムイオンとなる基を有する有機物をそれぞ
れ層状珪酸塩のイオン交換容量に対して0.01〜5モ
ル当量と0.3〜20モル当量、水を層状珪酸塩100
重量部に対して20〜800重量部の割合で溶融混合す
ることからなるポリアミド樹脂複合材料の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂複
合材料の製造方法に関し、さらに詳しくは機械的特性に
優れ、簡便に層状珪酸塩をポリアミド樹脂マトリックス
中に分子オーダーで分散可能なポリアミド樹脂複合材料
の製造方法および該製造法により得られた複合材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂をはじめとする有機高分子
材料の諸特性、特に機械的特性を改良するためにタル
ク、カオリナイト、マイカなどを溶融混合することが行
われてきている。しかしながら、熱可塑性樹脂に、これ
らの物質を単に溶融混合するだけでは層状珪酸塩が熱可
塑性樹脂中に微分散しないため満足できる特性を持つ熱
可塑性樹脂複合体は得られていない。
【0003】ポリアミド樹脂中に層状珪酸塩を分子オー
ダーで微分散させるために粘土鉱物、特に層状珪酸塩を
選び、これを予め、アミノ酸やポリアミド塩などの有機
化合物との複合体にした後、かかる複合体の存在下にモ
ノマーを重合せしめ、該複合体を分子オーダーで分散さ
せたポリアミド樹脂複合体を製造することが行われてい
る(特公昭58−35211号公報参照)。しかし、こ
の方法によれば、モノマーを重合せしめることによりポ
リアミド重合体を得るため、重合反応の過程でアミノ末
端が反応で消費されてしまい、ポリアミド中の末端基が
封鎖される結果、染色性、塗装性、印刷性が不十分なポ
リアミド複合材料しか得られていない。
【0004】さらにこの製造方法では、層状珪酸塩が重
合停止剤として働き、特に高粘度タイプのポリアミド/
層状珪酸塩複合材料や、層状珪酸塩の含有率が高いポリ
アミド複合材料を、効率的且つ経済的に製造することが
できなかった。また、この方法では重合工程中に無機物
が混入してしまい、重合材料の切り替え時などに大量の
切り替えロスが生じることも問題となっている。
【0005】さらに従来の方法では、アミノ酸又はナイ
ロン塩を層状珪酸塩に結合せしめた層状珪酸塩/有機複
合体が、複合材料を構成する高分子化合物のモノマー又
は前記モノマーと分散媒の混合液に膨潤する性質を有さ
ない場合には、前記高分子化合物中に前記複合体を均一
に分散させることは困難であった。以上のように従来の
層状珪酸塩が均一に分散したポリアミド複合材料は、ポ
リアミドに染色性、印刷性、耐白化性という特徴を付与
するアミノ末端基が封鎖されたものしかなく、且つ、従
来の製造方法では、製造効率が低く、さらに、層状珪酸
塩が末端封止剤として働き、重合度を効率的に高くする
のが困難であった。
【0006】さらに従来の方法では、層状珪酸塩含有ジ
アミン−ジカルボン酸型ポリアミドを通常のジアミン−
ジカルボン酸塩から製造することはジアミンが層状珪酸
塩の膨潤作用を著しく阻害するために困難ないし不可能
である(特開昭63−221125号公報)。これを解
決するために予めオニウムイオン基を有する有機物で置
換した層状珪酸塩を水やε−カプロラクタム等の分散媒
中に分散させ、これをポリアミド樹脂と混合することが
行われている(特開平2−305828号公報)。
【0007】しかし、この方法においてもポリマー中に
層状珪酸塩を分子オーダーで分散させるためには、層状
珪酸塩に予めオニウムイオンを有する有機物をインター
カレートする工程を必要とした。このインターカレート
工程は層状珪酸塩の数十倍〜数百倍の体積の分散媒であ
る温水(約80℃)に層状珪酸塩を分散させる工程、さ
らに別容器で温水中(約80℃)にオニウム塩を有する
有機分子を分散させる工程、分散したオニウム塩に塩酸
等を添加し、オニウムイオンとする工程、さらにこのオ
ニウムイオン水溶液を層状珪酸塩を分散させた水溶液に
添加する工程、さらにオニウムイオンでイオン交換され
た層状珪酸塩に不純物として存在するNa、Cl
の残イオンを洗浄する工程、これを濾過する工程、さら
にこれを乾燥する工程、最後に乾燥した塊を粉砕する工
程が必要である。層状珪酸塩への有機物のインターカレ
ーションはこのような複雑な製造工程を必要とするため
簡便で経済的な方法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリアミド
樹脂複合材料の製造方法に関し、さらに詳しくは機械的
特性に優れ、層状珪酸塩が分子オーダーでポリアミド樹
脂マトリックス中に均一に分散したポリアミド複合材料
を層状珪酸塩に予め有機分子をインターカレートする複
雑な工程を省略することで、簡便且つ経済的に製造する
方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ポリアミド
樹脂と層状珪酸塩からなるポリアミド複合材料におい
て、種々の条件でこれらの材料の溶融混合を検討した結
果、ポリアミド樹脂、層状珪酸塩、pKaが0〜6の
酸、オニウムイオンとなる基を有する有機物、水を同時
に溶融混合することで層状珪酸塩がポリアミド樹脂マト
リックス中に分子オーダーで均一に分散したポリアミド
複合材料が1つのプロセスで製造可能なことを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、(A)ポリアミド樹脂1
00重量部、(B)層状珪酸塩をポリアミド樹脂100
重量部に対して0.3〜40重量部、(C)pKaが0
〜6の酸を層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して0.
01〜5モル当量、(D)オニウムイオンとなる基を有
する有機物を層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して
0.3〜20モル当量、(E)水を層状珪酸塩100重
量部に対して20〜800重量部の割合で溶融混合する
ことを特徴とするポリアミド樹脂複合材料の製造方法お
よび該製造法により製造された複合材料である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明に用いられる(A)ポリアミド樹脂とは、分子中に
酸アミド結合(−CONH−)を有するものであり、具
体的には、ε−カプロラクタム、6−アミノカプロン
酸、ω−エナントラクタム、7−アミノヘプタン酸、1
1−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピ
ロリドン、α−ピペリドンなどから得られる重合体もし
くは共重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、メタキシリレンジアミン等のジアミンとテレ
フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等の
ジカルボン酸とを重縮合して得られる重合体もしくは共
重合体もしくはこれらのブレンド物を例示することがで
きる。
【0012】ポリアミド樹脂は、平均分子量が3,00
0〜70,000のものが好ましく、より好ましくは平
均分子量が6,000〜40,000、更に好ましくは
15,000〜30,000である。また、本発明のポ
リアミド樹脂は、ポリアミド樹脂として10重量%以
上、好ましくは20重量%以上含む組成物であれば、ポ
リアミド樹脂以外の樹脂との混合物であってもかまわな
い。
【0013】ポリアミド樹脂以外の樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アク
リロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体およびその水添品、熱可塑性ポリエステル、ポ
リメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリフェ
ニレンエーテル、ポリオキシメチレン、ポリフェニレン
スルフィド、ポリサルフォン、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン
等を例示することができる。
【0014】またこれらの樹脂とポリアミド樹脂を混合
する場合、2種以上組み合わせて用いても良い。これら
の樹脂とポリアミド樹脂を混合する場合、ポリアミド樹
脂と非相溶性の樹脂との組み合わせの場合には、相溶化
剤を配合することができる。このような相溶化剤として
は、従来公知のものを広く使用することができる。
【0015】本発明の(B)層状珪酸塩は、珪酸マグネ
シウムまたは珪酸アルミニウム層から構成される層状フ
ィロ珪酸塩であり、具体的にはモンモリロナイト、膨潤
性フッ素雲母、サポナイト、バイデライト、ヘクトライ
ト、スティブンサイト、バーミキュライト、ハロイサイ
ト等を例示することができ、好ましくは、モンモリロナ
イト、膨潤性フッ素雲母であり、より好ましくは膨潤性
フッ素雲母である。これらは合成のものでも天然のもの
であってもかまわない。
【0016】層状珪酸塩は、天然に存在する層状珪酸塩
および合成された層状珪酸塩を95%以上の高純度化し
たものがより好ましく、膨潤性フッ素雲母の場合、タル
ク、珪フッ化ナトリウム及び/又は珪フッ化リチウム等
を原料として固相で合成されたものがより好ましい。層
状珪酸塩は水膨潤性の性質を有し、陽イオン交換容量が
20〜300ミリ当量/100gが好ましいが、更に好
ましくは60〜300ミリ当量/100gである。陽イ
オン交換容量が20ミリ当量/100gに満たないと層
状珪酸塩が十分にポリマー中で膨潤しないため分子オー
ダーでポリアミド樹脂中に分散させることが困難であ
り、300ミリ当量/100gを越える層状珪酸塩は天
然にほとんど存在しないか、もしくは工業的に合成が困
難である。
【0017】本発明の層状珪酸塩は層間にアルカリ、ア
ルカリ土類金属イオン等を含むものが好ましく、これら
のイオンとしてはNaイオン、あるいはLiイオン
が好ましい。本発明に用いられる層状珪酸塩の形状は、
層状の結晶構造を有し、層の1辺の長さが平均的に10
〜1000nmの範囲のものが好ましい。
【0018】本発明で用いる(C)酸はpKaが0〜6
の範囲のものである。pKaが6を越える酸ではプロト
ン放出量が少ないため有機物をイオン化させ、層状珪酸
塩を膨潤させる効果が乏しく、pKaが0未満の酸で
は、混練機の腐食が著しいため、不適当である。このよ
うな酸としては、無機酸でも有機酸でもよく、具体的に
は、安息香酸、セバシン酸、ぎ酸、酢酸、亜硝酸、リン
酸、亜リン酸等、及びこれらの酸として作用する誘導
体、例えばクロル酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸等が例示できる。
【0019】本発明の(D)オニウムイオンとなる基を
有する有機物とは、酸の作用により水中でオニウムイオ
ンとなる基を持つ有機物である。本発明のオニウムイオ
ンとなる基を有する有機物は、炭素数8以上のアルキル
鎖を持つものが好ましく、より好ましくは炭素数11以
上のアルキル鎖をもつ有機物である。また、アルキル鎖
の末端は、メチル基またはカルボキシル基、水酸基等を
有しているものが好ましい。オニウムイオンとしてはア
ンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、スルホニウム
イオン、ホスホニウムイオン等が例示でき、このなかで
もアンモニウムイオンが好ましい。
【0020】また、このような有機物としては12−ア
ミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−
アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸、
ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルア
ミン、オクタデシルアミン、ステアリルトリメチルアミ
ン、ジステアリルジメチルアミン等を例示することがで
き、好ましくは12−アミノドデカン酸、ステアリルト
リメチルアミン、ジステアリルジメチルアミンである。
【0021】本発明において用いられる(B)層状珪酸
塩の配合量は、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対
して0.3〜40重量部であり、好ましくは2〜20重
量部、より好ましくは2〜10重量部である。層状珪酸
塩の配合量が0.3重量部未満では優れた補強効果が発
現しないし、40重量部を越えると成形時の流動性の悪
化、表面外観の悪化、靭性の低下、分散不良による機械
的特性の向上効果が低下する等、好ましくない現象が生
じる。
【0022】本発明の(C)pKaが0〜6の酸の配合
量は、(B)層状珪酸塩のイオン交換容量に対して0.
01〜5モル当量であり、好ましくは0.1〜3モル当
量、より好ましくは0.3〜2モル当量である。酸の配
合量が0.01モル当量未満であると有機物が層状珪酸
塩中に進入できないため分散不良となる可能性があり、
5モル当量を越えるとポリアミド樹脂の劣化を促進する
恐れがある。層状珪酸塩に対するモル当量は、層状珪酸
塩の全陽イオン交換容量に加える酸の分子量を乗じて求
める。
【0023】本発明の(D)オニウムイオンとなる基を
有する有機物の配合量は、(B)層状珪酸塩の陽イオン
交換容量の0.3〜20モル当量であり、好ましくは
0.5〜10モル当量、より好ましくは1.0〜2モル
当量である。該有機物の配合量が層状珪酸塩の陽イオン
交換容量の0.3モル当量未満であると層状鉱物が分子
オーダーで分散しなくなり、優れた特性を発現できない
し、20モル当量を越えると材料中に未反応有機物が多
く残存し、溶融混練や成形の際に発泡のため加工が困難
となり特性の低下を生じる。
【0024】本発明の(E)水の配合量は、(B)層状
珪酸塩100重量部に対して50〜800重量部であ
る。水の配合量が50重量部未満であると層状珪酸塩が
ままこ状、あるいは分級し、定量的にフィードすること
ができなくなる可能性があり、800重量部を越えると
水を脱揮することが困難となりポリアミド樹脂が加水分
解され、低分子量化してしまう。
【0025】本発明の方法を実施するには、水、有機オ
ニウムイオンとなる基を有する有機物、pKaが0〜6
の酸、層状珪酸塩を所定量分散させ、これをポリアミド
樹脂と混合し、溶融混練すればよい。これらの材料の混
合は同時に添加する必要はなく逐次1種あるいは2種以
上を溶融混練機へフィードしてもかまわない。溶融混練
は連続的に溶融混練できる装置を用いるのが好ましく、
このような装置としては押出し混練機がより好ましく、
さらに好ましくは二軸押出し混練機を用いる。混練工程
においては揮発成分を脱気することが好ましく、連続混
練装置を用いて途中ベント孔を設け、真空脱気すること
がより好ましい。
【0026】本発明のポリアミド樹脂複合材料は、必要
に応じて染料、顔料、繊維状補強物(ガラスファイバ
ー、カーボンファイバー等)、粒子状補強物、離型剤、
増粘剤などの成形性改良剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤、
発泡剤、耐熱性改良剤、難燃剤、核剤等を配合すること
ができる。本発明の複合材料は、一般に熱可塑性樹脂の
成形に用いられている公知の方法、例えば、射出成形、
ブロー成形、インフレーション成形、真空成形、押出成
形、加熱加圧成形等の方法によって各種成形体に成形さ
れるが、溶融混練の際に水及びその他の揮発分を脱揮し
ながら溶融混練できる構造を有する装置により製造され
るのが好ましい。また、フィルムや二軸延伸フィルム、
シート、発泡シート、発泡ビーズ、チューブ、マルチフ
ィラメント、モノフィラメント等に成形された後、所望
の成形体に成形してもかまわない。
【0027】本発明のポリアミド樹脂複合材料の製造方
法を用いて製造されたポリアミド樹脂複合材料は、例え
ば、自動車の内外装部品として、ホイールカバー、ディ
ストリビューターカム、トランスミッションノスラスト
ワイヤー、ベアリング、ロータリーシーリング、ブッシ
ュ、ブレーキリーダー、エンジン部品、ショックアブソ
ーバー部品、タイミングベルトカバー、シートローラ
ー、ドアブッシング、エンジンカバー、ラジエータータ
ンク、インテークマニホールド、ハーネス類、ワイパー
モータカバー、シリンダーヘッドカバー、キャニスタ
ー、ラジエーターのウォーターポンプインペラ、インス
ツルメンタルパネル、リレーブロック、ワイヤーハーネ
スコネクタ、コネクタ類、タンク類、OA・電子部品と
してソケット、スィッチ類、ヒューズボックス、ヒュー
ズケース、電熱ヒーター部品、SMTコネクタ、コネク
タ類、ブレーカー、携帯電話、エアガイド、パソコン部
品、複写機部品、建材部品として、インテリアバー、タ
ンク類、その他自転車のホイール、机の脚、椅子の脚等
の構造材料、調理器具、工具類、車両部品、日用品、玩
具、雑貨等の広範な用途に好適である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定
されるものではない。なお、実施例及び比較例の評価に
用いた原料及び測定法は次のとおりである。
【0029】(1)原料 イ)膨潤性フッ素雲母 ・コープケミカル(株)製ソマシフME100 ・陽イオン交換容量:115ミリ当量/100g ・平均粒子系:5μm ロ)ポリアミド樹脂 ・ポリアミド66樹脂 ・分子量:23000 ハ)層状珪酸塩層間に挿入する有機物 ・12−アミノドデカン酸 ・和光試薬、純度99%
【0030】ニ)ステアリルトリメチルアンモニウムク
ロライド ・花王(株)製、コータミン86 ホ)リン酸 ・コープケミカル(株)製 ・85%水溶液 ヘ)酢酸 ・和光試薬、純度99.7% ト)水 ・和光試薬、蒸留水
【0031】(2)測定法 イ)曲げ弾性率、曲げ強度 ASTM D790に準拠し、測定を行った。 ロ)分散性 日本電子(株)製透過型電子顕微鏡JEM1200を用
いて実施例ならびに比較例試料の超薄切片を観察し、評
価した。尚、透過型電子顕微鏡による評価を下記の基準
に基づいて行った。 ○:分散性が良い 1μm以下の層が50%以上認められる。 △:分散性が悪い 1μm以下の層が50%を下回っている。 ×:分散性が非常に悪い ほとんどが1μm以上の塊で存在する。
【0032】
【実施例】
実施例1 膨潤性フッ素雲母、膨潤性フッ素雲母100重量部に対
して蒸留水100重量部、アミノドデカン酸とリン酸を
それぞれ膨潤性フッ素雲母のイオン交換容量の1モル当
量の割合で混合し、80℃で1時間撹拌した。得られた
混合物水溶液をポリアミド66樹脂100重量部に対し
て膨潤性フッ素雲母の割合が2重量部になるようにドラ
イブレンドした。その後、ウエルナー&フライドラー社
製二軸押出機ZSK25を用いて樹脂温度295℃で溶
融混練ペレット化し、ポリアミド66樹脂及び膨潤性フ
ッ素雲母からなる複合体ペレットを得た。このようにし
て得られた複合体ペレットの分散性を前記測定法により
測定した。また、同じ複合体ペレットを日本製鋼所
(株)製J100SS−II成形機を用いて樹脂温度2
95℃でASTM3号短冊型成形体を射出成形した。こ
の短冊型成形体を用いて曲げ特性を前記測定法により測
定した。実施例の結果を表1に示す。
【0033】実施例2 層状珪酸塩として用いた膨潤性フッ素雲母の配合量を5
重量部にした以外は、実施例1と同様に加工および測定
を行った。 実施例3 リン酸の代わりに酢酸を用いた以外は実施例2と同様に
加工及び測定を行った。 実施例4 リン酸の添加量を2モル当量にした以外は実施例2と同
様に加工および測定を行った。
【0034】実施例5 有機物として用いたアミノドデカン酸の代わりにステア
リルトリメチルアンモニウムクロライドを用いた以外は
実施例2と同様に加工および測定を行った。 実施例6 有機物として用いたアミノドデカン酸の添加量を1.5
モル当量にした以外は実施例2と同様に加工および測定
を行った。
【0035】比較例1 層状珪酸塩として用いた膨潤性フッ素雲母の配合量を
0.1重量部にした以外は、実施例1と同様に加工およ
び測定を行った。各比較例の結果を表2に示す。
【0036】比較例2 リン酸の代わりに塩酸を使用した以外は実施例2と同様
に加工及び測定を行った。 比較例3 リン酸の配合量を10モル当量にした以外は実施例2と
同様に加工及び測定を行った。
【0037】比較例4 有機物として用いたアミノドデカン酸の添加量を30モ
ル当量にした以外は比較例1と同様に加工及び測定を行
った。 比較例5 蒸留水の添加量を10重量部にした以外は実施例2と同
様に加工及び測定を行った。 比較例6 蒸留水の添加量を1000重量部にした以外は実施例2
と同様に加工及び測定を行った。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】表から明らかなように、当該発明による
ポリアミド樹脂複合材料の製造方法は、従来の方法に比
べて、より少ない工程で、且つ経済的に優れた特性を持
つ層状珪酸塩が分子レベルでポリアミド樹脂中に分散し
た分子複合材料を提供できるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/17 C08K 5/17 5/37 5/37 5/50 5/50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド樹脂100重量部、
    (B)層状珪酸塩をポリアミド樹脂100重量部に対し
    て0.3〜40重量部、(C)pKaが0〜6の酸を層
    状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して0.01〜5モル
    当量、(D)オニウムイオンとなる基を有する有機物を
    層状珪酸塩の陽イオン交換容量に対して0.3〜20モ
    ル当量、(E)水を層状珪酸塩100重量部に対して2
    0〜800重量部の割合で溶融混合することを特徴とす
    るポリアミド樹脂複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリアミド樹脂がナイロン6、及び/又
    はナイロン66であることを特徴とする請求項1記載の
    ポリアミド樹脂複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 層状珪酸塩の陽イオン交換容量が20〜
    300ミリ当量/100gであることを特徴とする請求
    項1記載のポリアミド樹脂複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
    により製造されたことを特徴とするポリアミド複合材
    料。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000045849A (ko) * 1998-12-30 2000-07-25 조정래 폴리아미드의 수지조성물 및 이의 제조방법
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