JPH10298201A - セルロースエステルの製造方法 - Google Patents
セルロースエステルの製造方法Info
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- JPH10298201A JPH10298201A JP3907898A JP3907898A JPH10298201A JP H10298201 A JPH10298201 A JP H10298201A JP 3907898 A JP3907898 A JP 3907898A JP 3907898 A JP3907898 A JP 3907898A JP H10298201 A JPH10298201 A JP H10298201A
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Abstract
有機酸の洗浄効率を改善するとともに、少量の洗浄液で
効率よく洗浄し、遊離する酸の発生を抑制する。 【解決手段】 有機酸を含有するセルロースエステル溶
液(酢酸含有溶液)を、ノズルから沈殿剤中に押出し、
剪断力を作用させてフィブリル状セルロースエステルを
生成させ、得られたセルロースエステルスラリーを、離
解又は解砕処理した後に洗浄し、フィブリル状セルロー
スエステルをアルカリ(アンモニア、アルカリ金属、お
よびアルカリ土類金属)で処理し、湿潤したフィブリル
状セルロースエステルの液相のpHを5〜9に調整す
る。離解又は解砕処理は、10〜1000μmのクリア
ランスに保たれた回転歯と固定歯とを有する離解機又は
解砕機を用いて行なってもよい。洗浄濾液に含まれる有
機酸は、酸回収工程で回収してもよい。
Description
ター、繊維、写真用フィルム、人工腎臓などに用いられ
るセルロースエステルを製造する上で有用なセルロース
エステルの製造方法、特に、フィブリル状のセルロース
エステルの製造方法に関する。
的な方法としては、原料セルロースを、硫酸などの酸性
触媒の存在下、無水酢酸などの酸無水物で処理し、必要
に応じてさらに加水分解した後、酢酸水溶液などの水溶
液中で沈殿させて、水を用いて洗浄し、必要により乾燥
するという方法が知られている。しかし、セルロースエ
ステルスラリー、特にフィブリル状のセルロースエステ
ルスラリーでは、含浸している酢酸を、工業的なレベル
で効率よく除去するのは容易でなく、スラリーの洗浄に
は、多量の水が必要である。多量の水で希釈された酢酸
は、沈殿剤としては再利用できる。しかし、酢酸濃度が
低いため、酢酸回収工程で、酢酸を回収するには、多大
なエネルギーが必要である。従って、沈殿した酢酸セル
ローススラリーを少量の水で洗浄でき、かつ酢酸の回収
効率のよい酢酸セルロースの製造方法が必要である。
セルロースのアセトン溶液を沈殿させて得た繊維状の酢
酸セルローススラリーを表面積35〜55m2 /gとな
るように剪断し、剪断したスラリーを多孔性支持体上に
連続的に沈積、ろ過した後に、酢酸セルロースの非溶媒
で洗浄してアセトンを除去する方法が提案されている。
しかし、この文献には、既に調製された酢酸セルロース
を用いて前記表面積を有する繊維状酢酸セルロースを製
造することが開示されており、酢酸セルロースに残存す
る酢酸の弊害や、非溶媒からのアセトンの回収について
は言及していない。また、特開昭53−45468号公
報では、沈殿したセルロースエステルの粒子サイズを小
さくするため、沈殿物をホモジナイザー処理する方法が
提案されている。しかし、この方法は、セルロースエス
テルを洗浄した後の処理であり、フィブリル状酢酸セル
ロース中の酢酸を洗浄により除去する方法を提供するも
のではない。このように、フィブリル状セルロースエス
テルに含浸している有機酸を、工業的なレベルで効率よ
く洗浄、除去する方法について、ほとんど知られていな
い。
エステルを長期保管する場合、セルロースエステルが加
水分解され、遊離した酸が発生し、腐食、酸臭の問題を
発生する。しかし、遊離酸発生量を少量に抑制する方法
や湿潤したフィブリル状セルロースエステルの保管方法
についても、殆ど知られていない。
は、フィブリル状セルロースエステルに含浸する有機酸
を、少量の洗浄液を用いて、工業的なレベルで効率よく
洗浄、除去でき、有機酸の回収が容易な方法を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、湿潤状態でフィブリ
ル状セルロースエステルを長期保管しても、遊離する酸
の発生を抑制し、湿潤したフィブリル状セルロースエス
テルを長期間安定に保管できる方法を提供することにあ
る。
を達成するため鋭意検討した結果、フィブリル状セルロ
ースエステルスラリーを、離解又は解砕処理した後に洗
浄し、アルカリで処理すると、フィブリル状セルロース
エステルに含浸する有機酸を、少量の洗浄液を用いて、
工業的なレベルで効率よく洗浄、除去でき、有機酸の回
収が容易であり、湿潤状態でフィブリル状セルロースエ
ステルを長期間安定に保管できることを見いだし、本発
明を完成した。
むセルロースエステル溶液を、ノズルから沈殿剤中に押
出し、剪断力を作用させてフィブリル状セルロースエス
テルを生成させ、フィブリル状セルロースエステルスラ
リーを離解又は解砕処理した後に洗浄する。また、洗浄
後のフィブリル状セルロースエステルをアルカリで処理
する。離解又は解砕処理は、10〜1000μmのクリ
アランスに保たれた回転歯と固定歯とを有する離解機又
は解砕機を用いて行なってもよい。洗浄濾液に含まれる
有機酸は、酸回収工程で回収してもよい。アルカリは、
アンモニア、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属か
ら選択された少なくとも一種であってもよい。前記アル
カリ処理により、湿潤したフィブリル状セルロースエス
テルの液相のpHを、中性域(例えば、5〜9程度)に
調整してもよい。
溶媒に溶解した酢酸セルロースから生成したフィブリル
状酢酸セルローススラリーを離解又は解砕処理した後に
少量の水で洗浄することで、酢酸セルローススラリー中
の酢酸を容易に回収するとともに、湿潤したフィブリル
状酢酸セルロースの液相を、pHが中性域(pH6〜8
程度)になるまでアルカリ処理することで、長期間保管
しても、遊離酸の発生を抑制することができる。
ステル溶液を、ノズルから沈殿剤中に押出し、剪断力を
作用させてセルロースエステルをフィブリル状に沈殿さ
せるフィブリル化工程と、生成したセルロースエステル
スラリーを、離解又は解砕処理する処理工程と、離解又
は解砕処理したスラリーを洗浄する工程と、フィブリル
状セルロースエステルをアルカリで処理するアルカリ処
理工程とを経て、セルロースエステルを製造する。ま
た、回収工程を経て、洗浄濾液から有機酸を回収しても
よい。
されるセルロースエステルとしては、例えば、セルロー
スアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロ
ピオネートなどのカルボン酸エステル;セルロースアセ
テートプロピオネート、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸エステ
ルなどの混酸エステルなどが例示される。これらのセル
ロースエステルは、単独で又は二種以上混合して使用で
きる。
ば50〜600、好ましくは100〜500、さらに好
ましくは150〜400程度であり、セルロースエステ
ルの平均置換度は、例えば、1〜3程度である。
ン酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度のカルボン酸
とのエステル)、特にセルロースアセテートが含まれ
る。セルロースアセテートの結合酢酸(酢化度)は、2
9〜62%程度の範囲で適当に選択でき、通常、40〜
62%程度である。
遊離の有機酸)を含んでいればよく、有機酸は、予め調
製したセルロースエステルを溶解する溶媒(良溶媒)に
由来してもよく、セルロースエステル調整工程で使用す
る原料(有機酸及び/又は酸無水物)に由来してもよ
い。
ステルを良溶媒に溶解することにより調製できる。前記
良溶媒は、セルロースエステルの種類や平均置換度に応
じて適宜選択でき、例えば、アセトン,メチルエチルケ
トンなどのケトン類;ジオキサン,ジエチルエーテル,
テトラヒドロフランなどのエーテル類;酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸などのカルボン酸;ジクロロメタン,ジクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;メタノール,エ
タノール,イソプロパノールなどのアルコール類;酢酸
メチル,酢酸エチルなどのエステル類などの有機溶媒、
これらの有機溶媒の混合溶媒、およびこれらの有機溶媒
と水との混合溶液などを用いることができる。好ましい
良溶媒としては、通常、酢酸、プロピオン酸、酪酸など
の水溶性カルボン酸や、カルボン酸−水混合溶媒が使用
され、さらに好ましい良溶媒としては、酢酸や、酢酸含
有量60重量%以上の酢酸−水混合溶媒が使用される。
ースエステル調製工程を経て得られるセルロースエステ
ル溶液、例えば、原料セルロースを有機酸又はその酸無
水物により溶媒中でエステル化して、必要に応じて加水
分解して得られるドープの形態で使用してもよい。セル
ロースの種類は、特に限定されず、天然又は再生セルロ
ースなどが使用でき、通常、木材パルプを用いる場合が
多い。ドープは、セルロースを有機酸(酢酸など)で活
性化前処理し、酸性触媒(硫酸など)の存在下、有機酸
又はその酸無水物(無水酢酸など)を用いてエステル化
することにより調製できる。
スエステルの濃度は、通常2〜50重量%(例えば、2
〜35重量%)、好ましくは5〜40重量%(例えば、
5〜30重量%)、さらに好ましくは10〜25重量%
程度である。
機酸(特に、酢酸)を含む場合であっても、少量の洗浄
液で洗浄、除去でき、有機酸の回収が容易にできる。
ースエステルは、例えば、セルロースエステル溶液を、
ノズルからセルロースエステルに対する沈殿剤(以下、
貧溶媒という場合がある)中に押出し、セルロースエス
テル溶液に剪断力を作用することにより得ることができ
る。ノズルから押出されたセルロースエステル溶液は、
沈殿剤との接触により、外周部から固化が開始する。こ
の方法では、押出されたセルロースエステル溶液に、剪
断力を作用させることにより、セルロースエステルが固
化する前にフィブリル化するので、フィブリル状セルロ
ースエステルを得ることができる。なお、このように剪
断力を作用させながら溶液からセルロースエステルを沈
殿させると、本発明のフィブリル状セルロースエステル
を容易かつ効率よく得ることができるが、前記フィブリ
ル状セルロースエステルの製法は、これに限定されるも
のではなく、他の手段によりセルロースエステル溶液に
剪断力を作用させ、セルロースエステルを固化させるこ
とによって前記フィブリル状セルロースエステルを得る
種々の方法も採用できる。
の方法について説明する。本発明の方法では、繊維状セ
ルロースエステル溶液に剪断力を作用させながらフィブ
リル化できる種々の装置が使用できる。このような装置
は、沈殿剤が供給される流路と、この流路内にセルロー
スエステル溶液(以下、単に紡糸液と称する場合があ
る)を吐出するためのノズル手段と、ノズル手段から押
出又は吐出された繊維状紡糸液を撹拌してフィブリル化
とともにカッティングするためのカッティング手段(剪
断手段)とを備えている場合が多い。
化するための装置の概略構成図であり、図2は、図1の
カッティング手段の概略底面図である。図1および図2
に示す装置は、上部が閉塞した円筒状ケーシング3と、
このケーシング3の底部から上方へセルロースエステル
溶液を吐出するためのノズル手段1と、ケーシング3の
下部に沈殿剤を供給し、吐出されたセルロースエステル
溶液と合流接触して、セルロースエステル溶液を凝固沈
殿させるための沈殿剤供給口4と、前記ケーシング3の
上部側面に接続され、かつ生成したフィブリル状セルロ
ースエステルを沈殿剤とともに送出するための送出口5
とを備えている。
間のうち、セルロースエステル溶液と沈殿剤との接触領
域には、ノズル手段1から押出された繊維状のセルロー
スエステル溶液を撹拌すると共に、剪断力を作用させて
繊維状セルロースエステル溶液をフィブリル化するため
のカッティング手段(又は剪断手段)6が配設されてい
る。
に近接して対向し、かつ回転可能に配設されたカッター
8と、このカッターの下流側において、前記カッター8
と近接してケーシング3に取付けられた多孔プレート1
0とを備えている。すなわち、前記カッティング手段6
は、前記ケーシング3内で軸方向に延びるシャフト7
と、このシャフトの端部に取付けられ、かつモータなど
の回転駆動源により回転可能な複数枚の羽根を有するカ
ッター8と、このカッターよりも下流側に位置してケー
シング3に取付けられ、かつ周方向に複数の孔9を有す
るプレート10とを備えている。この例では、プレート
10はカッター8と平行に配設されている。また、カッ
ティング手段4のカッター8は、プレート10と近接し
ているとともに、前記ノズル手段1の吐出口に近接して
いる。
ステル溶液供給口2から供給され、ノズル手段1からケ
ーシング3内に加圧状態で押出されたセルロースエステ
ル溶液は、沈殿剤供給口4から供給された沈殿剤と接触
して、カッティング手段6のカッター8により撹拌され
る。その際、ノズル1と多孔プレート10との間に、ノ
ズル1に対向してカッター8が介在しているので、ノズ
ル手段1からプレート10の孔9を通過する間に、カッ
ター8の回転力および撹拌力によりセルロースエステル
溶液に剪断力が作用し、セルロースエステル溶液をフィ
ブリル化しながら、凝固できる。フィブリル化したセル
ロースエステルは、プレート10の孔9を通過して、フ
ィブリル化セルロースエステル送出口6から送出され
る。
記セルロースエステル溶液の押出速度、吐出口とカッテ
ィング手段との距離、カッティング手段とプレートとの
距離、カッティング手段による剪断力(カッターの回転
速度)、ノズル孔径などにより調整できる。剪断力は、
セルロースエステルが完全に凝固する前に作用させれば
よく、部分的に凝固したセルロースエステルにさせても
よい。カッターを使用する場合のカッターの回転数は、
前記ノズル1とカッター8との距離に応じて適当に選択
でき、例えば、3000〜15000rpm程度の範囲
から選択できる。
セルロースエステル溶液の供給速度やカッターの回転数
により適宜選択できるが、通常1〜5mm、好ましくは
1〜3mm程度(例えば2mm程度)である。これより
距離が短くなれば、塊状物となり、長くなれば、繊維
長、および繊維幅が大きくなりやすい。
らず、ジェット流、パルス波による衝撃になどを利用し
てセルロースエステル溶液に作用させてもよい。
径は、所望の繊維径などに応じて適宜選択できるが、通
常、50μm〜5mm(例えば、1〜5mm)、好まし
くは100μm〜4mm、さらに好ましくは500μm
〜3mm程度である。ノズルの形状は、断面円形に限定
されず、円形のノズルと同程度の断面積を有していれ
ば、異形の断面形状であってもよい。また、セルロース
エステル溶液を吐出するノズルは単一ノズルに限らず、
ノズル孔径に対応する多数の孔を形成した口金で構成し
てもよい。
テルに対する非溶媒又は貧溶媒から、セルロースエステ
ルや用いる良溶媒の種類に応じて選択でき、例えば、
水;メタノールなどのアルコール類;水と前記良溶媒と
の水性混合溶媒などが挙げられる。沈殿剤は、通常、
水、メタノールなどのアルコール、アセトン−水混合溶
媒、ジオキサン−水混合溶媒、酢酸−水混合溶媒などが
含まれる。なお、沈殿剤として用いる混合溶媒が良溶媒
を含む場合は、良溶媒に比べて水の割合が多い。
は特に限定されないが、例えば、次のような組み合わせ
が例示される。 (a)良溶媒:アセトン/水=100/0〜70/30
(重量%)の溶媒 沈殿剤:水/アセトン=100/0〜50/50(重量
%)の溶媒 (b)良溶媒:ジオキサン 沈殿剤:水/ジオキサン=100/0〜70/30(重
量%)の溶媒 (c)良溶媒:酢酸/水=100/0〜60/40(重
量%)の溶媒 沈殿剤:水/酢酸=100/0〜60/40(重量%)
の溶媒 有機酸を沈殿剤成分として有効に利用するためには、前
記セルロースエステル溶液の溶媒に有機酸又は有機酸水
溶液(酢酸水溶液など)を用いるのが有利である。例え
ば、酢酸を沈殿剤成分として有効に利用するためには、
沈殿剤として水、又は酢酸含有量40重量%以下の酢酸
−水混合溶媒を使用する場合が多い。
割合は、セルロースエステルを沈殿させ、かつフィブリ
ル化が起きる範囲で適宜選択でき、通常、濃度13重量
%のセルロースエステル溶液1重量部に対して、沈殿剤
10重量部以上、例えば、10〜50重量部(例えば、
15〜50重量部)、好ましくは12〜40重量部(例
えば、15〜40重量部)、さらに好ましくは15〜3
0重量部(例えば、20〜30重量部)程度である。
殿剤の温度とは、セルロースエステルが繊維状に沈殿す
る範囲で適宜選択でき、通常、室温以上、好ましくは3
0〜60℃(例えば、40〜60℃)程度である。
態は、繊維状であればよく、高次に分岐を有する不定形
に近くてもよい。フィブリル状セルロースエステルの平
均直径は、1〜200μm、好ましくは2〜100μ
m、さらに好ましくは3〜50μm程度である。フィブ
リル状セルロースエステルの平均繊維長は、素材の強度
や成形性を失わない範囲で適宜選択でき、通常0.1〜
2mm、好ましくは0.2〜1mm程度である。
化で得られるフィブリル状セルロースエステルの繊維に
は、長繊維、例えば、数cm(例えば、1cm程度)の
繊維が混在する場合がある。このようなフィブリル状セ
ルロースエステルを濾過洗浄すると、沈殿スラリーを濾
過し、ケーキ層を作成する段階で、繊維の長いフィブリ
ル状セルロースエステル同士が絡まり、ブロック状の凝
集物が発生する。このため、洗浄液をケーキ層に均一に
注いでも、前記凝集物の内部には前記洗浄液が十分に浸
透せず、置換洗浄を十分に行うには、多量の洗浄液を必
要とする。この洗浄を少量の洗浄液で効率よく行うに
は、洗浄前に、スラリーを離解又は解砕(以下、単に離
解という場合がある)処理すればよい。
ック状の凝集物を分散させることができ、フィブリル状
セルロースエステルスラリーを少量の洗浄液で効率よく
洗浄することができる。
キサーなどの攪拌機による離解、超音波処理、又は一定
のクリアランスに保たれた回転歯と固定歯とを有する離
解機又は解砕機による離解などにより行うことができ
る。なお、ミキサーなどの攪拌機で離解すると、フィブ
リル状セルロースエステルの繊維長分布及び/又は繊維
径分布が広くなり、洗浄の段階で前記ブロック状の凝集
物が生じる場合がある。好ましい離解処理は、一定のク
リアランスに保たれた回転歯と固定歯とを有する離解機
又は解砕機を用いて行うことができる。前記離解機又は
解砕機を用いると、フィブリル状セルロースエステルの
繊維長分布の幅、および繊維径の分布の幅を狭くするこ
とができ、前記フィブリル状セルロースエステル同士の
絡み合いによる凝集物の生成を低減させ、含浸した有機
酸の洗浄性を向上できる。
のクリアランスは、溶媒の洗浄性を向上できる範囲で適
宜選択できるが、例えば、10〜1000μm(例え
ば、30〜600μm)、好ましくは20〜800μm
(例えば、40〜400μm)、さらに好ましくは50
〜600μm(例えば、60〜200μm)程度であ
る。
は、前記クリアランスなどに応じて、適当に選択でき、
例えば500〜5000rpm、好ましくは800〜3
000rpm程度である。例えば3000〜15000
rpm、好ましくは8000〜13000rpm程度で
ある。
と固定歯とを有する離解機又は解砕機としては、例えば
ディスクリファイナー、マスコロイダーなどが例示でき
る。
リル状セルロースエステルスラリーは、前記スラリーを
濾過しケーキ層を作製する段階で、フィブリル状のセル
ロースエステル同士は絡み合わないので、ブロック状の
凝集物が発生しない。従って、洗浄液をケーキ層全体に
均一に注げば、ケーキ層の内部まで洗浄液は均一に浸透
し、置換洗浄が十分にできる。洗浄液がケーキ全体に均
一に浸透するので、少量の洗浄液で効率よく洗浄でき
る。
類、エーテル類やこれらの混合溶媒又はこれらの水性溶
媒などを使用してもよいが、フィブリル状セルロースエ
ステルの溶出を抑制するため、水が一般的に使用され
る。また、これらの洗浄液は、アルカリ性であってもよ
い。アルカリ性洗浄液(アルカリ水溶液など)を用いる
と、洗浄とアルカリ処理とを同時に行うことができる。
ースエステルスラリー(固形分)との割合は、有機酸の
回収を容易にでき、かつ十分に洗浄できる範囲で適宜選
択できるが、通常、洗浄液/フィブリル状セルロースエ
ステルスラリー(以下、洗浄比という場合がある)=5
/1〜35/1(重量比)[例えば、8/1〜35/1
(重量比)]、好ましくは10/1〜30/1(重量
比)、さらに好ましくは12/1〜25/1(重量比)
程度である。洗浄は、例えば、遠心式ろ過機を使用して
リンス洗浄、向流式の水平ベルトフィルターろ過機を使
用して向流多段洗浄などの濾過洗浄などの慣用の方法で
行うことができる。バッチ式、セミバッチ式、連続式な
どいずれの方法で洗浄しても、洗浄率を向上させること
ができる。
よく洗浄できるので、洗浄濾液における有機酸濃度が大
きく低下するのを抑制でき、洗浄濾液を沈殿剤として再
利用できる。また、有機酸濃度が低下しないので、有機
酸回収工程においても少量のエネルギーで、洗浄濾液か
ら有機酸を回収できる。さらに、少量の洗浄液で洗浄が
できるので、例えば、向流式多段洗浄では、洗浄の段数
を増加させずに洗浄でき、装置の小形化、省エネルギー
化が図られる。
法、例えば、水に対して分液可能な非水溶性溶媒(例え
ば、ヘキサンなどの鎖状炭化水素、シクロヘキサンなど
の脂環式炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素、酢
酸エチルなどのエステル、メチルエチルケトンなどのケ
トン、ジエチルエーテルなどのエーテル、四塩化炭素な
どのハロゲン化炭化水素)を用いる抽出法や、フラッシ
ュ蒸留塔などを用いる蒸留法や、これらを組み合わせた
方法により行うことができる。洗浄濾液における有機酸
濃度の低下が小さいので、有機酸の抽出又は蒸留による
回収効率を高めることができる。また、少量のエネルギ
ーで、有機酸を蒸留精製して回収することができる。
リル状セルロースエステルを、アルカリで処理すると、
長期間保管しても、遊離する酸の発生を少量に抑制する
ことができ、湿潤したフィブリル状セルロースエステル
を長期間安定に保管できる。
ルロースエステル内でのエステルの加水分解により生ず
ると考えられる。この加水分解において、遊離酸の水素
イオンは加水分解反応の触媒となるため、初期の水素イ
オン濃度が低いほど長期保管中に発生する遊離酸の量は
低く抑制できる。従って、湿潤したフィブリル状セルロ
ースエステルをアルカリで処理すれば、初期の水素イオ
ン濃度を低く押さえられるので、長期間保管しても遊離
酸の発生を少量に抑制することができる。
ンモニア、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムな
ど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウム、バリウムなど)などが挙げられる。
通常、前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む化
合物として使用される。前記化合物としては、例えば、
水酸化物;炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩などの無機酸
塩;リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸などのヒドロキシ
カルボン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩な
どのカルボン酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。
酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、炭
酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、炭酸水素
塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、リ
ン酸塩(リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウムな
ど)、ヒドロキシカルボン酸塩(リンゴ酸ナトリウム、
リンゴ酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウ
ム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど)、カ
ルボン酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオ
ン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、シュウ酸ナト
リウム、シュウ酸カリウムなど)などが挙げられる。
ば、水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウムなど)、炭酸塩(炭酸マグネシウム
など)、炭酸水素塩(炭酸水素マグネシウム、炭酸水素
カルシウムなど)、ヒドロキシカルボン酸塩(リンゴ酸
マグネシウム、リンゴ酸カルシウム、酒石酸マグネシウ
ム、酒石酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン
酸カルシウムなど)、カルボン酸塩(酢酸マグネシウ
ム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、プロピオン酸マグ
ネシウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸バリ
ウムなど)などが挙げられる。これらのアルカリは、単
独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウムなど)、ヒドロキシカ
ルボン酸塩(リンゴ酸ナトリウム、リンゴ酸カリウムな
ど)などが挙げられる。
として用いる場合が多い。
潤したフィブリル状セルロースエステルの液相のpH
で、例えば、5〜9(例えば7〜9)、好ましくは6〜
8(例えば7〜8)となるよう調整するのが有利であ
る。液相のpHが、6〜8程度であれば、初期の水素イ
オン濃度は低くく、長期間保管しても遊離酸の発生を少
量に抑制することができる。さらに、アルカリ処理後の
脱液は、前記フィブリル状セルロースエステルスラリー
の洗浄液として再利用することもできる。
ロースエステルは、脱液、乾燥し、たばこ煙用フィルタ
ー、繊維、写真用フィルム、人工腎臓などの広い用途に
利用できる。
スラリーを、離解又は解砕処理した後に洗浄すること
で、含浸する良溶媒を、工業的なレベルで効率よく洗浄
することができ、有機酸の回収も容易である。また、洗
浄後の湿潤したフィブリル状セルロースエステルをアル
カリ水溶液で処理することで、有機酸の発生を少量に抑
制し、湿潤したフィブリル状セルロースエステルを長期
間安定に保管できる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。なお、実施例および比較例において、
洗浄率、保管性は下記の方法で測定した。
状酢酸セルローススラリーと離解解砕処理しないフィブ
リル状酢酸セルローススラリーとを、それぞれ固形分が
6.5gになるように秤量し、サランろ布を装着した直
径110mmのヌッチェにより真空度400Torrで
1分間吸引ろ過する。得られたケーキに87gの水を均
一に加え、真空度400Torrで1分間吸引ろ過す
る。洗浄率、洗浄比は、下記の方法で計算した。
(g)、Bは洗浄後のケーキ中に含まれる酢酸重量
(g)を示す。 洗浄比(重量比)=C/D 式中、Cは洗浄水重量(g)、Dはケーキ固形分重量
(g)を示す。ケーキ固形分重量Dは、湿潤したケーキ
の重量E(g)を測定し、その後ケーキを小分割し混合
したものから約5gを量り、赤外線水分計により約13
0℃で平衡になるまで乾燥し、得られた揮発分F(重量
%)を用いて、下記式で計算した。 D=E×(100−F)÷100 本洗浄方法における洗浄比は、水/ケーキ固形分=25
/1(重量比)以下の範囲に押さえることが、酢酸回収
における酢酸水溶液濃度を高く維持するために好まし
い。実施例、比較例において、洗浄比をほぼ同一レベル
[水/ケーキ固形分=13/1〜14/1(重量比)]
になるようにした。
方が好ましい。従って、1段の水洗浄での目標洗浄率と
して60%を定め、60%以上の場合を洗浄が良好と
し、60%より低い場合を洗浄が不良とした。
セルローススラリーを、水で十分に洗浄し、遠心脱液し
た。この湿潤したフィブリル状酢酸セルロースを自重の
9倍量の0.05重量%酢酸水溶液に、一昼夜浸漬し、
その後遠心脱液した。この湿潤したフィブリル状酢酸セ
ルロースを10重量部秤量し、pH7のイオン交換水、
もしくはアルカリ水溶液約100重量部に浸漬し、pH
を測定後、遠心脱液したフィブリル状酢酸セルロース
(以下、湿フィブレットという。また、これを乾燥した
ものを絶乾フィブレットという)を得た。湿フィブレッ
トの一部を用いて揮発分を測定するとともに、湿フィブ
レット20gを100mlガラス容器に採り、密封し
た。このガラス容器を40℃の恒温室に入れ、それぞれ
経過日数に従って遊離した酢酸量を測定した。遊離する
硫酸量は極微量であり、遊離する酸はすべて酢酸とみな
した。実施例、比較例において、遊離酢酸濃度T(pp
m)は下記式で計算した。
000000 塩になっている酢酸量R(g)=(N÷40.08×60.05×
2)+(P÷22.99×60.05) 遊離酢酸量S(g)=Q−R 遊離酢酸濃度T(ppm)=(S÷1000000)÷M 前記式において、式中、少数点で示される数値は、Ca原
子量=40.08、Na原子量=22.99、酢酸分子量=60.05を
示す。Hは、湿フィブレット約5gを秤量し、赤外線水
分測定器により約130℃で平衡になるまで乾燥して得
られた揮発分(重量%)の値を示す。Jは、遊離酸の経
時変化を測定するガラス容器中の湿フィブレットに50
gのイオン交換水を加え、超音波洗浄槽に前記ガラス容
器を入れ1時間超音波によって酢酸を水に抽出させ、内
容物を濾過し、濾液を更に0.22μmのフィルターで
ろ過し、液体クロマトグラフ法により測定した酢酸の値
を示す。なお、液体クロマトグラフィーでは、酢酸金属
塩と遊離の酢酸とを区別できず、この値は、両者を合わ
せた値である。K、およびLは、原子吸光分析法により
測定したカルシウム、ナトリウムの値を示す。なお、他
の金属は極微量であり無視した。なお、実施例におい
て、遊離酸濃度が負の場合があるが、これは、アルカリ
が過剰になっていることを意味する。本発明のアルカリ
処理方法では、遊離酸の発生は、低い方が好ましく、ま
た、短い時間で発生するのは好ましくない。そこで、1
000ppmを目標値として、30日以上で発生した遊
離酸濃度が目標値以下であれば良好とし、30日より短
い期間に発生した遊離酸濃度が目標値より高くなれば不
良とすることにした。
になるように、60重量%酢酸水溶液に酢酸セルロース
を溶解し、温度を50℃に調整した。一方、沈殿剤とし
て、29重量%酢酸水溶液を調製し、温度を40℃にし
た。フィブリル状の酢酸セルロース製造装置として図1
に示すカッティング手段4を備えた装置を用いた。前記
沈殿剤を図1の沈殿剤供給口2から30リットル/分の
流速で矢印方向に投入し、10000rpmの高速で回
転するカッターで切断しながら沈殿剤中に前記酢酸セル
ロース溶液をノズル手段1から1リットル/分の流速で
矢印方向に押出した。酢酸セルロース溶液は、沈殿剤と
接する際に剪断力を受け、フィブリル状に沈殿、凝固
し、フィブリル状の酢酸セルローススラリーを得た。
を、解砕機としてクリアランスを100μm、回転速度
1800rpmに調整した増幸産業社製スーパーマスコ
ロイダー(MKZA6−5)を用い、解砕処理をした。
前記洗浄方法によってフィブリル状酢酸セルローススラ
リーを洗浄した。その結果、洗浄比13.3/1(重量
比)で、洗浄率71.3%であり、高い洗浄率を示し
た。
及び洗浄方法で実施した。その結果、洗浄比14.0/
1(重量比)で、洗浄率46.6%であり、低い洗浄率
を示した。上記実施例から明らかなように、実施例で
は、比較例に比べ、洗浄率を向上させることができる。
ウム水溶液を使用して前記湿フィブレットを作製した。
アルカリ性水溶液浸漬時の液相のPHは、6.76であ
った。また、前記保管方法により、0日、8日、14
日、29日、49日後の遊離酸を前記方法により測定し
たところ、それぞれ、−86ppm、202ppm、3
18ppm、433ppm、606ppmであった。4
9日間に発生した遊離酸の総量は、692ppmであ
り、遊離酸の発生を抑制できた。
ウム水溶液を使用して前記湿フィブレットを作製した。
アルカリ性水溶液浸漬時の液相のPHは、7.37であ
った。また、前記保管方法により、0日、8日、14
日、29日、49日後の遊離酸を前記方法により測定し
たところ、それぞれ、−238ppm、92ppm、2
72ppm、332ppm、542ppmであった。4
9日間に発生した遊離酸の総量は、780ppmであ
り、遊離酸の発生を抑制できた。
ウム水溶液を使用して前記湿フィブレットを作製した。
アルカリ性水溶液浸漬時の液相のPHは、6.46であ
った。また、前記保管方法により、0日、8日、14
日、29日、49日後の遊離酸を前記方法により測定し
たところ、それぞれ、53ppm、292ppm、32
2ppm、441ppm、561ppmであった。49
日間に発生した遊離酸の総量は、508ppmであり、
遊離酸の発生を抑制できた。
ウム水溶液を使用して前記湿フィブレットを作製した。
アルカリ性水溶液浸漬時の液相のPHは、7.36であ
った。また、前記保管方法により、0日、8日、14
日、29日、49日後の遊離酸を前記方法により測定し
たところ、それぞれ、−167ppm、144ppm、
144ppm、326ppm、378ppmであった。
49日間に発生した遊離酸の総量は、545ppmであ
り、遊離酸の発生を抑制できた。
た。また、前記保管方法により、0日、7日、14日、
27日経過後の遊離酸を前記方法により測定したとこ
ろ、それぞれ、776ppm、990ppm、1287
ppm、2261ppmであった。27日間に発生した
遊離酸の総量は、1485ppmであり、遊離酸が多量
に発生した。
た。また、前記保管方法により、0日、8日、20日経
過後の遊離酸を前記方法により測定したところ、それぞ
れ、0ppm、598ppm、1050ppmであっ
た。20日間に発生した遊離酸の総量は、1050pp
mであり、遊離酸が多量に発生した。
は、比較例に比べ、遊離酸の発生を長期間、有効に抑制
することができる。
化装置の一例を示す概略構成図である。
グ手段の概略底面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 有機酸を含むセルロースエステル溶液
を、ノズルから沈殿剤中に押出し、剪断力を作用させて
フィブリル状セルロースエステルを生成させ、得られた
セルロースエステルスラリーを、離解又は解砕処理した
後に洗浄し、フィブリル状セルロースエステルをアルカ
リで処理するセルロースエステルの製造方法。 - 【請求項2】 離解又は解砕処理を、10〜1000μ
mのクリアランスに保たれた回転歯と固定歯とを有する
離解機又は解砕機を用いて行う請求項1記載のセルロー
スエステルの製造方法。 - 【請求項3】 セルロースエステルスラリー固形分1重
量部に対して1〜25重量部の洗浄液で洗浄し、洗浄濾
液から有機酸を回収する請求項1記載のセルロースエス
テルの製造方法。 - 【請求項4】 アルカリが、アンモニア、アルカリ金
属、およびアルカリ土類金属から選択された少なくとも
一種を含む請求項1記載のセルロースエステルの製造方
法。 - 【請求項5】 アルカリ処理により、湿潤したフィブリ
ル状セルロースエステルの液相のpHを、5〜9に調整
する請求項1記載のセルロースエステルの製造方法。 - 【請求項6】 少なくとも酢酸を含む溶媒に溶解した酢
酸セルロース溶液を、ノズルから沈殿剤中に押出し、剪
断力を作用させてフィブリル状酢酸セルロースを生成さ
せ、得られた酢酸セルローススラリーを離解又は解砕処
理した後、水で洗浄し、湿潤したフィブリル状酢酸セル
ロースの液相のpHが6〜8になるまでアルカリで処理
する酢酸セルロースの製造方法。 - 【請求項7】 沈殿剤が、酢酸水溶液である請求項6記
載の酢酸セルロースの製造方法。 - 【請求項8】 酸性触媒の存在下、セルロースと無水酢
酸との反応により調製され、かつ酢酸を含む酢酸セルロ
ース溶液を、ノズルから沈殿剤中に押出し、剪断力を作
用させてフィブリル状酢酸セルロースを生成させ、得ら
れた酢酸セルローススラリーを離解又は解砕処理した
後、酢酸セルローススラリー固形分1重量部に対して5
〜35重量部の水で洗浄し、洗浄濾液から酢酸を回収す
るとともに、湿潤したフィブリル状酢酸セルロースの液
相のpHが6〜8になるまでアルカリで処理する酢酸セ
ルロースの製造方法。
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