JPH10296093A - 触媒製造装置及びその装置を用いて製造された微粒子触媒 - Google Patents

触媒製造装置及びその装置を用いて製造された微粒子触媒

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JPH10296093A
JPH10296093A JP9113060A JP11306097A JPH10296093A JP H10296093 A JPH10296093 A JP H10296093A JP 9113060 A JP9113060 A JP 9113060A JP 11306097 A JP11306097 A JP 11306097A JP H10296093 A JPH10296093 A JP H10296093A
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gas
reaction
alloy
black
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JP9113060A
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Yasushi Miyata
康史 宮田
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒子径の小さい高品位で高活性の合金触媒を
大量生産すること、および反応系に応じた粒子径を持つ
触媒を製造することである。 【解決手段】 不活性ガスと合金触媒前駆体とを混合さ
せる混合手段と、ガス流量調節手段と、ガス圧力を調整
するための手段と、不活性ガスと合金触媒前駆体とを反
応させる反応手段と、反応後の合金触媒を分離するため
の分離手段とを有する合金触媒製造装置であって、反応
手段がプラズマを用いて反応を起こさせる装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒または触媒担
体を製造するための触媒製造装置に関し、特に、合金化
工程にプラズマ炎を利用する触媒製造装置およびその装
置を用いて製造された微粒子触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から種々の合金ブラック触媒や合金
担持触媒などの触媒が反応速度を増加等させるために用
いられている。合金ブラック触媒は、目的とする金属を
含む金属塩の水溶液に還元剤を投入して金属を析出させ
ることによって得る。ここで金属塩は通常、+電荷の金
属イオンの形で存在する。二成分以上の金属を含む金属
塩の水溶液を還元する場合、同時に還元するのが理想的
であるが、各金属の還元条件、例えば温度やPHなどが
一致しないのが一般的であるので一成分ずつ還元する方
法がとられている。かかる方法では触媒微粒子が各成分
ごとに別々に生成されるか、各微粒子が互いに接触した
状態で生成される。この後、合金化工程に処され、電気
炉で加熱処理され合金ブラック触媒が生成される。
【0003】合金担持触媒は、炭素やセラミック等の触
媒担体に目的とする金属を含む金属塩を吸着させるかあ
るいは含浸させて、液相中または気相中で還元する。液
相中で還元する場合には還元剤を使用し、気相中で還元
する場合には還元雰囲気下で加熱することによって金属
塩を還元する。二成分以上の金属を含む合金担持触媒を
製造する場合には、合金ブラック触媒の場合と同様、同
時に還元するのが理想的であるが、各金属の還元条件、
例えば温度やPHなどが一致しないのが一般的であるの
で、二成分以上の金属塩を含む金属塩を触媒担体に吸着
または含浸させて一成分ずつ還元するか、または一成分
ずつ吸着、還元を行って触媒担体上に幾種類もの単体金
属微粒子を形成する。この後、合金化工程に処され、電
気炉で加熱処理され合金ブラック触媒が生成される。
【0004】触媒微粒子は、触媒活性が高く反応物質選
択性に優れ、かつ比表面積が高いことが望ましい。触媒
微粒子の比表面積は触媒微粒子の単位重量あたりの触媒
微粒子表面積の総和と定義されるが、高比表面積を実現
するには触媒微粒子の各粒子をできるだけ小さく形成す
ればよい。高比表面積を実現できれば、触媒の単位重量
あたりの反応表面積を大きくさせることが可能になり、
同一重量の金属触媒を用いても効果の大きい高活性な触
媒を得ることができる。また、触媒の粒子径の大きさに
より触媒活性が異なることが知られているが、粒子径を
調節することができれば使用される反応系に応じて任意
の粒子径の触媒を製造することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二成分以上の
金属を含む触媒を製造する場合、必ず合金化工程として
電気炉での熱処理が行われ、合金ブラック触媒および合
金担持触媒は触媒微粒子の凝集が生じ表面積の減少を免
れられない。すなわち、電気炉を用いた熱処理工程で
は、雰囲気ガスの組成制御や昇温、降温に時間がかかっ
て生産性が低く、また昇温中や降温中に合金化が進まず
金属触媒微粒子の凝集が進行するので触媒品位を低下さ
せる。
【0006】合金化工程において、触媒微粒子はある程
度の固まりで電気炉の炉心管にセットされるので、熱処
理中触媒同士が接触していて、触媒の接合や凝集を進行
させる。触媒の凝集の進行を抑えるため、炉心管を回転
させる方法が現在採用されているが、この方法によって
も加熱処理の間、触媒と触媒とが接触していることには
かわりがないので根本的な解決には至っていない。
【0007】合金ブラック触媒の合金化工程では、金属
微粒子が互いに接触しているので、融点以下で合金化を
行っても凝集は融点よりはるか低温で進行するため、合
金化に必要な数百度の温度では急速に凝集が進行する。
一方、金属担持触媒では、金属微粒子が互いに接触する
ことは少ないが、合金化に必要な温度で粒子が担体上を
移動して隣接微粒子が接触し融合、凝集が起こる。従っ
て、いずれの場合でも電気炉での合金化処理工程におい
て必ず金属微粒子の凝集が進行して触媒の品位を低下さ
せる。
【0008】電気炉を用いた熱処理にはさらに種々の問
題点がある。例えばこの熱処理は少量バッチ処理が基本
であるので大量生産には不向きである。また、合金触媒
はその組成比が触媒性能に大きく影響するが、温度分
布、昇温速度、ガス雰囲気等を一定に保つことが困難で
あるため合金化状態を均一に保つことが難しい。さら
に、二成分以上の金属を含む金属触媒を生成する場合に
は、各金属の融点や比重が極端に異なっていると、加熱
中に粒子融合を起こしたり、冷却過程中に特定成分のみ
が結晶化して偏析を起こしたりするので均一な組成の合
金触媒微粒子を得ることはできない。
【0009】本発明は上記問題点を解決すべくなされた
ものであり、本発明の目的は、粒子径の小さい高品位で
高活性の均一な組成の合金触媒を大量生産することにあ
る。また、本発明の他の目的は、反応系に応じた粒子径
を持つ触媒を製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、不活
性ガスと合金触媒前駆体とを混合させる混合手段と、ガ
ス流量調節手段と、ガス圧力を調整するための手段と、
不活性ガスと合金触媒前駆体とを反応させる反応手段
と、反応後の合金触媒を分離するための分離手段とを有
する合金触媒製造装置であって、反応手段がプラズマを
用いて反応を起こさせる手段であることを特徴とする。
【0011】ここで、触媒前駆体は、多成分金属元素合
金触媒前駆体であるとすることができる。
【0012】また、混合手段が、多数組並列に配列され
たバブラー装置でそれぞれ処理されたガスを混合する手
段であるとすることができる。
【0013】また、触媒前駆体は、多成分金属元素ガス
のブラック触媒前駆体であるとすることができる。
【0014】また、反応手段が、2種類以上の有機金属
を用いたブラック触媒前駆体をプラズマ炎に流通させて
行う手段であるとすることができる。
【0015】請求項6の発明は、請求項1から5のいず
れかの発明の触媒製造装置を用いて製造されたブラック
触媒であることを特徴とする。
【0016】ここで、ブラック触媒の粒子径は20nm
以下であるとすることができる。
【0017】さらに、ブラック触媒の粒子径は5nm以
下であるとすることができる。
【0018】請求項9の発明は、請求項1または2の発
明の触媒製造装置を用いて製造された担持触媒であるこ
とを特徴とする。
【0019】ここで、担持触媒の粒子径は2nm以下で
あるとすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の装置は、不活性ガスと合
金触媒前駆体とを混合させる手段と、ガス流量調節手段
と、ガス圧力を調整するための手段と、不活性ガスと触
媒前駆体とを反応させる手段と、反応後の合金触媒を分
離するための分離手段とを有する装置であって、反応手
段がプラズマを用いて反応を起こさせるものである。
【0021】本発明においては、プラズマを用いて熱処
理を行うが、反応管の上部から合金触媒前駆体と不活性
ガスの混合ガスを導入し、高周波コイル内で発生させた
プラズマ炎の中を通過させる。合金触媒前駆体はプラズ
マ内を通過する間に所定の熱処理を受け合金触媒とな
る。
【0022】プラズマ中では1000℃以上の温度が得
られ、触媒前駆体の合金化は確実に進行する。プラズマ
炎の長さや触媒前駆体−不活性ガスの混合ガスの流速を
変えることにより触媒熱処理の温度および時間を制御す
ることができる。また、反応管中のガス圧やプラズマを
発生させるための高周波電力などを調整することにより
合金化条件をさらに細かく制御することができる。
【0023】本発明の装置における混合手段は、1組の
混合器とガス流量調節器とから成るか、または複数組の
バブラー装置および流量調節器と、それらに接続したガ
ス混合器とから成る。本発明の装置を用いれば、多成分
金属元素合金触媒も製造することができる。本発明にお
いて多成分金属元素合金触媒とは、2成分以上の金属元
素を含む合金触媒をいい、多成分金属元素合金触媒前駆
体から作られる。多成分金属元素合金触媒前駆体とは、
2成分以上の金属元素を含む合金触媒前駆体をいい、2
成分以上の金属元素がそれぞれ単独で金属粒子になって
いてもよく、混合して金属粒子となっていてもよい。ま
た有機金属と結合して有機金属ガスあるいは有機金属粒
子になっていてもよい。さらには炭素、セラミック等の
触媒担体にそれぞれの金属元素が吸着された粒子となっ
ていても、多成分元素が混合して吸着された粒子となっ
ていてもよい。2成分以上の金属元素を含む触媒前駆体
は不活性ガスと混合されるが、触媒前駆体がそれぞれの
金属単独で有機金属粒子になっている場合には、それぞ
れの金属粒子を溶媒に溶解して、これに不活性ガスをバ
ブリングすることによって混合してもよい。または多成
分の金属元素が有機粒子に付着している場合には、この
有機金属粒子を不活性ガスでバブリングして混合しても
よい。次いで、これらの混合した原料ガスを一緒にして
混合ガスとして反応管に導入し、プラズマ炎の中を通過
させることにより合金化を行う。
【0024】有機金属を用いて合金触媒を製造する場合
には、有機金属が熱分解し金属原子が集まって微粒子を
形成する。単独の金属元素からなる有機金属を二種類以
上、または二種類以上の金属元素からなる有機金属を用
いれば、容易に合金微粒子を形成することができる。特
に、ガス圧や高周波電力、有機金属の分圧を制御すれば
従来法では得られないような微粒子を作製することがで
きる。従って、本発明によれば、微粒子の作製が困難と
されてきたブラック触媒でも容易に微粒子を作製するこ
ともできる。
【0025】本発明で用いられる有機金属は、1000
℃を越えると完全に原子レベルまで分解し金属原子はク
ラスターを形成する。その後、プラズマを出て冷却され
るとクラスターは数個から数十個集まって金属微粒子と
なって回収される。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて、具体的に説
明する。
【0027】実施例1 図1は、プラズマを用いて触媒を製造する本発明の触媒
製造装置の基本構造を示す概略図である。図1で示され
る触媒製造装置は合金ブラック触媒の製造にも、合金担
持触媒の製造にも用いることができる。以下、図1に基
づいて本発明を詳細に説明する。
【0028】不活性ガス導入ポート1から導入された不
活性ガスは、ガスと触媒前駆体粉体とを均一に混合する
ため混合器2に送られる。混合器2では、撹拌されたガ
ス流に合金化処理前のブラック触媒前駆体あるいは担持
触媒前駆体の触媒粉を所定量導入し、ガスと触媒前駆体
粉体とを均一になるまで混合する。均一に混合されたガ
スの所定量を反応管6に供給するため、ガス流量調節器
3でガス流量が一定になるように調節される。また、反
応管6内の圧力がプラズマ炎を生じるのに必要な所定圧
力となるように、圧力調整用ガス導入ポート4で反応管
6に供給される流量を調節する。反応管6には、反応管
の過熱を防止するため冷却水供給装置5が配設されてお
り、反応管に冷却水を循環させるため循環冷却水を供給
する。反応管6は石英ガラス等から形成されており、反
応管の外側には高周波コイル7が巻きつけられている。
電源10を入れると高周波発生装置8で高周波が発生
し、発生した高周波は高周波出力調整機9を通って、高
周波コイル7に送られる。混合ガスは反応管6でプラズ
マ炎の中を通った後、分離器11に送られここで触媒微
粒子とガスとが分離される。分離器11には真空装置1
2が配設されていて、反応管6内の圧力を一定に保つ。
なお、本発明の触媒製造装置には、一般にメカニカルポ
ンプと油拡散ポンプあるいは分子ポンプが適当に組み合
わされて設けられている。
【0029】図1で示される本発明の装置を用いて触媒
を製造する。
【0030】反応管6内の圧力は1×10-1paから1
×10-7paまで変えることができ、高周波としては1
1MHzの工業用高周波を用い、最大1kwの電力を供
給できる電源を用いた。
【0031】不活性ガスとしてアルゴンガスを不活性ガ
ス導入ポートから混合器に導入し、この混合器の中に、
原子比で1:1に混合した白金ブラック触媒とパラジウ
ム−ブラック触媒を導入して、アルゴンガスと触媒粉と
を混合する。この混合ガスの一定量が反応管に送られ、
30cmの長さのプラズマ炎の中をガス流速3cm/秒
の速度で通過する。これはプラズマ炎中で10秒間加熱
処理を受けたことになる。混合ガスはプラズマ処理後分
離器に送られ、ガスと触媒微粒子とが分離される。得ら
れたプラズマ処理後の触媒をXRD(X線回折装置)で
観測したところ、処理前触媒では白金単体とパラジウム
単体の回折ピークが観測されたのに対し、処理後では白
金−パラジウム合金の回折ピークのみが観測され単体の
回折ピークは全く観測されなかった。この結果は、触媒
前駆体の合金化が完全に行われたことを示している。ま
た、得られた触媒について詳細に化学分析を行ったが、
酸化物等の不純物は全く検出されなかった。
【0032】一般に白金−パラジウム合金触媒の合金化
工程は、還元雰囲気下、900℃以上の温度で1時間以
上の熱処理が必要とされているが、本発明によれば瞬時
に熱処理を行うことができた。
【0033】実施例2 図2は、プラズマを用いて触媒を製造する本発明の第2
の態様の触媒製造装置の基本構造を示す概略図である。
図2で示される装置は合金ブラック触媒の製造に用いる
ことができる。以下、図2に基づいて本発明を詳細に説
明する。
【0034】本態様による触媒製造装置は、下記に説明
する一部の構成を除いては実施例1の装置と同様であ
り、同一部品については同一の参照番号を付してその説
明は省略するものとする。
【0035】図2の装置は、実施例1における混合器2
およびガス流量調節器3の代わりに、有機金属をガスと
混合するバブラー装置13,14、ガス流量調節器1
5,16を搭載した触媒製造装置である。
【0036】バブラー装置13,14の容器内には有機
金属と溶媒が入っており、温度コントロールされて有機
金属の蒸気圧が一定に保たれている。不活性ガス導入ポ
ート1から導入された不活性ガスは、流量調節器15,
16で所定量に調節制御されて、バブラー装置13,1
4に送られ有機金属を含むガスになる。流量調節器1
5,16で制御された不活性ガスの流量を異なったもの
とすることにより、またはバブラー装置13,14の容
器内の有機金属と溶媒の種類を異なったものとすること
により、有機金属を含むガスを2種類の異なったガスと
することもできる。流量調節器15で流量調節されバブ
ラー装置13でバブリングされた有機金属を含むガス、
およびガス流量調節器16で流量調節されバブラー装置
14でバブリングされた有機金属を含むガスは、ガス混
合器17に送られて混合され、反応官6に導入され、実
施例1と同様にプラズマ中で合金化される。
【0037】本発明の図2で示される装置を用いて銅−
亜鉛合金触媒を製造する。
【0038】実施例1と同様に、反応管6内の圧力は1
×10-1paから1×10-7paまで変えることがで
き、高周波としては11MHz の工業用高周波を用い、
最大1kwの電力を供給できる電源を用いた。
【0039】不活性ガスとしてアルゴンガスを不活性ガ
ス導入ポートからガス流量調節器15および16に送
り、ここでそれぞれ不活性ガスの流量を所定量に調節し
てから、バブラー装置13および14に導入した。バブ
ラー装置13には、有機金属としてジエチル亜鉛が、溶
媒としてヘキサン溶液が入っており、ジエチル亜鉛がヘ
キサン溶液に溶解して有機金属の蒸気になっている。ま
た、バブラー装置14には、有機金属として酒石酸銅
が、溶媒として純水が入っており、酒石酸銅が純水中に
溶解して有機金属の蒸気になっている。これらバブラー
装置13および14のそれぞれに、ガス流量調節器1
5,16でそれぞれ流量制御されたアルゴンガスをバブ
リングして、有機金属ガスとアルゴンガスとを混合した
原料ガスを生成する。得られたジエチル亜鉛を含むアル
ゴンガスと酒石酸銅を含むアルゴンガスとを、銅と亜鉛
の原子比が1:1となるようにガス混合器17に供給し
て混合し、混合ガスを生成する。この混合ガスは反応管
6に送られ、1kwの高周波電力を高周波コイル7に供
給することにより発生した30cmの長さのプラズマ炎
の中をガス流速1cm/秒の速度で通過する。これはプ
ラズマ炎中で30秒間加熱処理を受けたことになる。混
合ガスはプラズマ処理後分離器に送られ、ガスと触媒微
粒子とが分離される。得られたプラズマ処理後の触媒微
粒子をXRD(X線回折装置)で観測したところ、銅−
亜鉛合金の回折ピークのみが観測され単体の回折ピーク
は全く観測されなかった。この結果は、2種類の有機金
属触媒前駆体の合金化が完全に行われたことを示してい
る。また、得られた触媒について詳細に化学分析を行っ
たが、酸化物等の不純物は全く検出されなかった。
【0040】図3(a)に従来法による電気炉で合金化
して得られた銅−亜鉛合金触媒の粒子径分布を示し、図
3(b)に本発明によるプラズマ処理を用いて得られた
有機金属を用いた合金触媒の粒子径分布を示す。この結
果から、本発明により得られた金属触媒の方が従来法に
よる金属触媒に比べて、粒子径が小さいものが得られ、
かつ粒子径分布も狭いことが分かった。また、粒子径の
分布値の最も高い所は、従来法による金属触媒では20
0nmであり、本発明による金属触媒では3nmであっ
た。
【0041】なお、不活性ガスおよび有機金属を含むガ
スの供給量を調節することにより、触媒の粒子径を変え
ることができる。有機金属を含むガスの供給量を多くす
ると、反応管中のガス濃度が増加し生成するクラスター
濃度が増加するため粒子の凝集が進行し回収される合金
の粒子径は大きくなる。この傾向は不活性ガスのガス圧
を増加しても同様の傾向が見られる。なお、本発明によ
れば瞬時に熱処理を行うことができた。
【0042】実施例3 実施例2において不活性ガスのアルゴンガス圧を変化さ
せた以外は、実施例2と同様にして、銅と亜鉛の原子比
が1:1の銅−亜鉛合金触媒を製造した。ただし、アル
ゴンガス圧は製造された合金触媒の粒子径が2〜500
nmとなるように変化させた。
【0043】得られた粒子径2〜500nmの合金触媒
微粒子について、以下のアルコール脱水素反応活性を調
べた。
【0044】(アルコール脱水素反応) シクロヘキサノール→シクロヘキサノン+水素 このアルコール脱水素反応における触媒活性を図4に示
した。触媒粒子径に対するシクロヘキサノン収率で表し
た。図4から明らかなように、粒子径が20nmで最大
のシクロンヘキサノン収率を得ることができることが分
かった。すなわち、これはアルコール脱水素反応に銅−
亜鉛触媒を用いる場合には、粒子径が20nmの触媒粒
子を用いると反応効率が良いことを示している。なお、
本発明の触媒は、粒子径20nmの粒子を含む分布を持
つものであるので、本発明によれば、注目する触媒反応
に最適な粒子径を持つ合金触媒を容易に得ることができ
る。
【0045】実施例4 実施例1において混合器2の中に導入する触媒粉を白金
ブラック触媒とパラジウムブラック触媒のブラック触媒
前駆体から白金とルテニウムを炭素またはセラミックの
担体に吸着した担持触媒前駆体に代えた以外は実施例1
と同様にして、白金−ルテニウム合金触媒を製造した。
得られた白金−ルテニウム合金触媒の粒子径分布を調
べ、その結果を図5(b)に示す。また、比較のためプ
ラズマ合金化工程を用いず電気炉にて合金化する従来の
方法により製造した白金−ルテニウム触媒の粒子径分布
を図5(a)に示す。両者は合金化工程が異なる以外は
同一の製造工程を経ている。
【0046】図5(a)、(b)の結果から明らかなよ
うに、本発明により製造した白金−ルテニウム合金触媒
の方が従来法により製造した合金触媒より、粒子径が小
さいのもが得られ、かつ粒子径分布が狭いことが分かっ
た。なお、粒子径の分布値が最も高い所は、従来法によ
る合金化触媒では12nmであるが、本発明による合金
化触媒では3nmであった。これらの結果から、本発明
によれば、固体高分子型燃料電池用アノード極触媒とし
て、触媒の粒子径が小さくて比表面積の大きい高品位な
白金−ルテニウム合金触媒を得ることができることが分
かった。
【0047】実施例5 実施例2において、有機金属蒸気を有機粒子に金属が付
着した有機金属に代えた以外は同様にしてプラズマ合金
化工程により銅−亜鉛合金触媒を得た。ただし実施例2
と同様に、プラズマ炎の長さは30cmであり、プラズ
マ炎中でのガス流速は1cm/秒であるので触媒はプラ
ズマ炎の中で30秒間加熱処理を受けたことになる。
【0048】得られた有機金属を用いたブラック合金触
媒について実施例3と同様にしてアルコール脱水素反応
活性を調べた。図6(b)に本発明によりプラズマ合金
化工程を用いて製造された銅ー亜鉛合金触媒の粒子径分
布を示す。また、比較のため、図6(a)にプラズマ合
金化工程を用いず電気炉にて合金化する従来の方法によ
り製造した銅−亜鉛合金触媒の粒子径分布を示す。両者
は合金化工程が異なる以外は同一の製造工程を経てい
る。
【0049】図6(a)、(b)の結果から明らかなよ
うに、本発明により製造した銅−亜鉛合金触媒の方が従
来法により製造した合金触媒より、粒子径が小さいもの
が得られ、かつ粒子径分布が狭いことが分かった。な
お、粒子径の分布値が最も高い所は、従来法による合金
触媒では80nmであるが、本発明による合金触媒では
10nmであった。
【0050】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明のプ
ラズマを用いた合金触媒製造装置を用いて、従来では得
られなかった、粒子径の小さい高品位で高活性の均一な
組成の合金触媒を大量に製造することができた。また、
有機金属ガスを用いて、従来法では不可能であったブラ
ック触媒の微粒子化を実現することができ、さらに触媒
の粒子径の制御が可能になった。このように触媒の粒子
径を制御することができるので、要求される反応に適し
た粒子径の合金触媒を製造することができるようになっ
た。
【0051】本発明の装置を用いれば、連続して触媒を
供給することができるので製造に要する全体としての時
間が短縮される。また、不活性ガスに触媒を混合して供
給するために触媒同士の接触がほとんどなく、熱処理中
の触媒の凝集を最小限に抑えることができる。さらに触
媒微粒子は、プラズマ炎の中を通過する短い間しか加熱
されず、加熱や冷却が瞬時に行われるので、粒子の凝集
を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマを用いた合金触媒製造装置の
一態様を示す概略図である。
【図2】本発明のプラズマを用いた合金触媒製造装置の
別の態様を示す概略図である。
【図3】(a)は従来法により製造した合金触媒の粒子
径分布を示す線図、(b)は本発明により製造した合金
触媒の粒子径分布を示す線図である。
【図4】アルコール反応における合金触媒の粒子径と触
媒活性との関係を示す線図である。
【図5】(a)は従来法により製造した合金触媒の粒子
径分布を示す線図、(b)は本発明により製造した合金
触媒の粒子径分布を示す線図である。
【図6】(a)は従来法により製造した合金触媒の粒子
径分布を示す線図、(b)は本発明により製造した合金
触媒の粒子径分布を示す線図である。
【符号の説明】
1 不活性ガス導入ポート 2 混合器 3 ガス流量調節器 4 圧力調整用ガス導入ポート 5 冷却水供給装置 6 反応管 7 高周波コイル 8 高周波発生装置 9 高周波出力調整機 10 電源 11 分離器 12 真空装置 13,14 バブラー装置 15,16 ガス流量調節器 17 ガス混合器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B22F 9/14 B22F 9/14 Z 9/30 9/30 Z C07C 45/29 C07C 45/29 49/403 49/403 A // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスと触媒前駆体とを混合させる
    混合手段と、ガス流量調節手段と、ガス圧力を調整する
    ための手段と、不活性ガスと触媒前駆体とを反応させる
    反応手段と、反応後の触媒を分離するための分離手段と
    を有する触媒製造装置であって、前記反応手段がプラズ
    マを用いて反応を起こさせる手段であることを特徴とす
    る触媒製造装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒前駆体が、多成分金属元素合金
    触媒前駆体であることを特徴とする請求項1に記載の触
    媒製造装置。
  3. 【請求項3】 前記混合手段が、多数組並列に配列され
    たバブラー装置でそれぞれ処理されたガスを混合する手
    段であることを特徴とする請求項2に記載の触媒製造装
    置。
  4. 【請求項4】 前記触媒前駆体が多成分金属元素ガスの
    ブラック触媒前駆体であることを特徴とする請求項2ま
    たは3に記載の触媒製造装置。
  5. 【請求項5】 前記反応手段が2種類以上の有機金属を
    用いたブラック触媒前駆体をプラズマ炎に流通させて行
    うことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の
    触媒製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1つの触媒製
    造装置により製造されたことを特徴とするブラック触
    媒。
  7. 【請求項7】 前記ブラック触媒の粒子径が20nm以
    下であることを特徴とする請求項6に記載のブラック触
    媒。
  8. 【請求項8】 前記ブラック触媒の粒子径が5nm以下
    であることを特徴とする請求項6に記載のブラック触
    媒。
  9. 【請求項9】 請求項1または2の触媒製造装置により
    製造されたことを特徴とする担持触媒。
  10. 【請求項10】 前記担持触媒の粒子径が2nm以下で
    あることを特徴とする請求項9に記載の担持触媒。
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