JPH10292174A - ビフェニル誘導体および高分子分散型液晶表示素子 - Google Patents

ビフェニル誘導体および高分子分散型液晶表示素子

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JPH10292174A
JPH10292174A JP10370697A JP10370697A JPH10292174A JP H10292174 A JPH10292174 A JP H10292174A JP 10370697 A JP10370697 A JP 10370697A JP 10370697 A JP10370697 A JP 10370697A JP H10292174 A JPH10292174 A JP H10292174A
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JP
Japan
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liquid crystal
polymer
biphenyl
crystal display
compound
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JP10370697A
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English (en)
Inventor
Shuhei Yamada
周平 山田
Masayuki Yazaki
正幸 矢崎
Eiji Chino
英治 千野
Hideto Iizaka
英仁 飯坂
Hidekazu Kobayashi
英和 小林
Yutaka Tsuchiya
豊 土屋
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明るく低電圧駆動可能な高分子分散型液晶表示
素子が得られる化合物及び明るく低電圧駆動可能な高分
子分散型液晶表示素子を提供する。 【解決手段】式 【化1】 で表される4’−(ビフェニル−4”−イルアルキル)
ビフェニル−4−イルメタクリレート、または、式 【化2】 で表される4’−(ビフェニル−4“−イルエチル)ビ
フェニル−4−イル メタクリレート、並びに、これら
のいずれかを高分子前駆体の少なくとも一部に用いて形
成した高分子分散型液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なビフェニル誘
導体および高分子分散型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、偏光板を用いない明るい液晶表示
素子として、液晶と高分子とを互いに分散させた高分子
分散型液晶表示素子が注目されている。この高分子分散
型液晶表示素子の動作原理は液晶と高分子との屈折率の
差を利用しており、電界印加により液晶と高分子の屈折
率が一致した場合には透過状態を示し、電界除去により
屈折率が相違した場合には散乱状態を示すことによる
(特表昭58-501631参照。これをNCAPと呼ぶ。)。
【0003】また、電界無印加時に透過し電界印加時に
散乱する逆のモードの液晶表示素子も開発されている
(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,198,357,(1991)参照。これを
リバースタイプと呼ぶ)。また、これらのモードについ
ては色素を混合することにより、視認性を向上させる方
法も提案されている。これらの液晶表示素子に用いられ
る高分子としてはメソーゲン基としてビフェニル誘導
体、フェニルベンゾエート誘導体、ベンゼン環とベンゼ
ン環をシッフ塩基で結合したもの、トラン誘導体をもつ
化合物等(特開平4-227684、特開平5-224187、WO 93/
08497参照)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの高分子を用い
た液晶表示素子では、高分子の量を増加させていけば明
るい表示になるが、その一方では高分子の量の増大に応
じて駆動電圧も高くなってしまうという問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は、明るくしかも低
電圧で駆動できる高分子分散型液晶表示素子を得るのに
適している新規化合物および明るくしかも低電圧で駆動
できる高分子分散型液晶表示素子を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、一般式
【0007】
【化7】
【0008】(式中、nは2乃至5のうちのいずれかの
整数を示す。)で表されるビフェニル誘導体が提供され
る。
【0009】また、本発明によれば、式
【0010】
【化8】
【0011】で表される4’−(ビフェニル−4”−イ
ルエチル)ビフェニル−4−イルメタクリレートが提供
される。
【0012】これらの化合物(1)乃至(2)を、それ
ぞれ、高分子前駆体として用い、あるいは高分子前駆体
の一部として用いて、液晶および高分子を含有する調光
層を有する高分子分散型液晶表示素子を形成すると、明
るくしかも低電圧で駆動できる高分子分散型液晶表示素
子を得ることができる。
【0013】このように、重合部が1箇所、メソーゲン
基が2箇所の高分子前駆体を使用することによって、メ
ソーゲン基が1箇所の高分子前駆体を使用した場合と比
較して、同じ量の高分子前駆体を使用しても、明るい高
分子分散型液晶表示素子が得られる。従って、明るい表
示を得るのに高分子の量を増加させる必要がなくなり、
その結果、明るくしかも低電圧で駆動できる高分子分散
型液晶表示素子を得ることができる。
【0014】また、上記液晶と高分子が互いに配向しか
つ分散した高分子分散型液晶を電極間に設けた高分子分
散型液晶表示素子は、前記電極上に配向膜をそれぞれ形
成し、前記高分子分散型液晶を、高分子を形成する前駆
体と液晶組成物とを混合した液晶性混合材料から高分子
を析出させて液晶と高分子とを相分離して形成した高分
子分散型液晶から構成することによって好ましく形成さ
れる。
【0015】また、本発明によれば、液晶及び高分子を
含有する調光層を電極間に設けた高分子分散型液晶表示
素子において、前記高分子を形成する前駆体の少なくと
も一部に、一般式
【0016】
【化9】
【0017】(式中、nは2乃至5のうちのいずれかの
整数を示す。)で表されるビフェニル誘導体を用いるこ
とによって、一般式
【0018】
【化10】
【0019】(式中、nは2乃至5のうちのいずれかの
整数を示す。)で表される構成要素を前記高分子中の少
なくとも一部分に存在させたことを特徴とする高分子分
散型液晶表示素子が提供され、この高分子分散型液晶表
示素子は、明るくしかも低電圧で駆動できる高分子分散
型液晶表示素子を得ることができる。
【0020】また、本発明によれば、液晶及び高分子を
含有する調光層を電極間に設けた高分子分散型液晶表示
素子において、前記高分子を形成する前駆体の少なくと
も一部に、式
【0021】
【化11】
【0022】で表される4’−(ビフェニル−4”−イ
ルエチル)ビフェニル−4−イル メタクリレートを用
いることによって、式
【0023】
【化12】
【0024】で表される構成要素を前記高分子中の少な
くとも一部分に存在させたことを特徴とする高分子分散
型液晶表示素子が提供され、この高分子分散型液晶表示
素子は、明るくしかも低電圧で駆動できる高分子分散型
液晶表示素子を得ることができる。
【0025】上記化合物(1)乃至(2)を高分子前駆
体として用いて形成した高分子分散型液晶表示素子は、
前記調光層が、液晶及び高分子を互いに配向分散させた
高分子分散型液晶から構成されている場合に特に好まし
く適用される。
【0026】そして、この調光層は、液晶及び高分子が
互いに配向して配向してなる高分子分散型液晶から前記
調光層が形成されてなることを特徴とする。また、前記
電極上には配向膜がそれぞれ形成され、前駆体と液晶組
成物とを混合した液晶性混合材料から析出した高分子
と、液晶とが互いに分散して配向してなる前記調光層が
一対の基板間に挟持されてなることを特徴とる。
【0027】なお、一般式
【0028】
【化13】
【0029】(式中、nは2乃至5のうちのいずれかの
整数を示す。)で表されるビフェニル誘導体(化合物
1)は、次の工程を経ることによって製造することがで
きる。
【0030】
【化14】
【0031】工程1) 4−ブロモフェニルアルキルカ
ルボン酸(化合物3)と塩化チオニルを反応させ、塩化
4−ブロモフェニルアルカノイル(化合物4)を得る。
【0032】工程2) 塩化アルミニウムの存在下、ニ
硫化炭素中で塩化4−ブロモフェニルアルカノイル(化
合物4)とビフェニル(化合物5)を反応させ、4−
(4”−ブロモフェニルアルカノイル)ビフェニル(化
合物6)を得る。
【0033】工程3) 4−(4”−ブロモフェニルア
ルカノイル)ビフェニル(化合物6)と抱水ヒドラジン
を水酸化カリウムの存在下でジエチレングリコール中で
反応させ、4−(4”−ブロモフェニルアルキル)ビフ
ェニル(化合物7)を得る。
【0034】工程4) テトラヒドロフラン中で4−ブ
ロモアニソール(化合物8)とマグネシウムによりグリ
ニヤール試薬を調製する。その後、テトラヒドロフラン
中でグリニヤール試薬とほう酸トリイソプロピルを反応
させて4−メトキシフェニルほう酸(化合物9)を得
る。
【0035】工程5) 炭酸ナトリウム水溶液、ベンゼ
ン中でテトラキストリフェニルホスフィンパラジウムの
存在下、4−(4”−ブロモフェニルアルキル)ビフェ
ニル(化合物7)と4−メトキシフェニルほう酸(化合
物9)とを反応させて4−メトキシ−4’−(ビフェニ
ル−4”−イルアルキル)ビフェニル(化合物10)を
得る。
【0036】工程6) 酢酸中、4−メトキシ−4’−
(ビフェニル−4”−イルアルキル)ビフェニル(化合
物10)と臭化水素酸を反応させ4−ヒドロキシ−4’
−(ビフェニル−4”−イルアルキル)ビフェニル(化
合物11)を得る。
【0037】工程7) クロロホルム中、トリエチルア
ミンの存在下、4−ヒドロキシ−4’−(ビフェニル−
4”−イルアルキル)ビフェニル(化合物11)と塩化
メタクリロイル(化合物12)とを反応させて、本発明
の4’−(ビフェニル−4”−イルアルキル)ビフェニ
ル−4−イル メタクリレート(化合物1)を得る。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。
【0039】(実施例1)本実施例は請求項2に対応す
る実施例であり、4’−(ビフェニル−4”−イルエチ
ル)ビフェニル−4−イル メタクリレート(化合物
2)の合成である。
【0040】
【化15】
【0041】工程1) フラスコに4−ブロモフェニル
酢酸(化合物13)25gと塩化チオニル21gを入
れ、5時間還流した。反応終了後、減圧下で過剰の塩化
チオニルを留去し、得られた残さを減圧蒸留し、塩化4
−ブロモフェニルアセチル(化合物14)26.4gを
得た。
【0042】工程2) 細かく砕いた塩化アルミニウム
19.7gとニ硫化炭素90mlをフラスコにとる。こ
の混合物を−5℃以下に冷却し、撹拌しながら塩化4−
ブロモフェニルアセチル(化合物14)26.4g を
二流化炭素11mlに溶解した溶液を滴下した。続いて
ビフェニル(化合物5)17.4gを二硫化炭素11m
lに溶解した溶液を滴下した。その後液温を−5℃以下
に保ったまま1時間撹拌し、さらに還流下1時間撹拌し
た。反応液を冷却後、濃塩酸34mlと氷230gの混
合中に撹拌しながら注いだ。析出した結晶をクロロホル
ムで抽出し、水、5%水酸化ナトリウム水溶液、水の順
でそれぞれ3回づつ洗浄した。その後、クロロホルムを
留去し、残さをクロロホルムとアセトンの混合溶媒中よ
り再結晶し、4−(4”−ブロモフェニルアセチル)ビ
フェニル(化合物15)34gを得た。この化合物の融
点は203.8℃であった。
【0043】工程3) フラスコに4−(4”−ブロモ
フェニルアセチル)ビフェニル(化合物15)20g、
抱水ヒドラジン14.5mlそれにジエチレングリコー
ル570mlをとり、160℃で3時間撹拌した。その
後反応液を100℃以下に冷却して、水酸化カリウム1
8.8gを加え、蒸留物を除きながら190℃まで加熱
し、この温度で5時間撹拌した。反応液を冷却後、水中
に注ぎ結晶をろ過後、水で洗浄した。得られた結晶をア
セトンとメタノールの混合溶媒中より再結晶し、4−
(4”−ブロモフェニルエチル)ビフェニル(化合物1
6)15.7gを得た。この化合物の融点は120.9
℃であった。
【0044】工程4) 窒素置換したフラスコ中にマグ
ネシウム2.0gを入れ、マグネチックスターラーで撹
拌しながら4−ブロモアニソール(化合物8)12.5
gをテトラヒドロフラン100mlに溶かした溶液をゆ
っくり滴下した。発熱して反応が進むのを確認した後、
15時間撹拌を続けグリニヤール試薬を調製した。新た
に用意したフラスコを窒素置換し、その中へテトラヒド
ロフラン10mlにほう酸トリイソプロピル25gを溶
かした溶液を入れ、そこへグリニヤール試薬を滴下し2
0時間撹拌した。反応液をクロロホルムで抽出し水で3
回洗浄した後、クロロホルムを留去した。残留物をメタ
ノールと水の混合溶媒中から再結晶して4−メトキシフ
ェニルほう酸(化合物9)5.8gを得た。
【0045】工程5) 窒素置換したフラスコ中に2M
炭酸ナトリウム水溶液14mlとベンゼン17mlを入
れ、さらに4−(4”−ブロモフェニルエチル)ビフェ
ニル(化合物16)3.0g及びテトラキストリフェニ
ルホスフィンパラジウム0.1gを入れる。そこへエタ
ノール10mlに4−メトキシフェニルほう酸1.6g
を溶かした溶液を滴下し、5時間還流する。反応液をク
ロロホルムで抽出して水洗した後、クロロホルムを留去
する。残留物をクロロホルムを展開溶媒とするシリカゲ
ルカラムで精製した後、クロロホルムとアセトンの混合
溶媒中から再結晶して、4−メトキシ−4’−(ビフェ
ニル−4”−イルエチル)ビフェニル(化合物17)
2.5gを得た。
【0046】工程6) フラスコに4−メトキシ−4’
−(ビフェニル−4”−イルエチル)ビフェニル(化合
物17)2.5g、臭化水素酸3.5ml、酢酸35m
lを入れ12時間還流する。反応液を室温まで冷却した
後、水中へ注ぎ、析出した結晶を濾過して水洗する。得
られた結晶をアセトン中から再結晶して、4−ヒドロキ
シ−4’−(ビフェニル−4”−イルエチル)ビフェニ
ル(化合物18)2gを得た。
【0047】工程7) 窒素置換したフラスコ中にクロ
ロホルム30ml、4−ヒドロキシ−4’−(ビフェニ
ル−4”−イルエチル)ビフェニル(化合物18)2
g、トリエチルアミン1.2mlを入れる。そこへ蒸留
精製した塩化メタクリロイル(化合物12)0.7ml
をゆっくり滴下し、3時間撹拌反応を続ける。反応液を
dil.HClaq.、飽和NaHCO3aq.、水で
洗浄した後、重合防止のためメタノールを入れてクロロ
ホルムとメタノールを留去する。留去中結晶が現れてき
たら取り出し、メタノールを入れて再結晶する。さらに
生成物をクロロホルムを展開溶媒とするシリカゲルカラ
ムで精製して、本実施例の化合物4’−(ビフェニル−
4”−イルエチル)ビフェニル−4−イル メタクリレ
ート(化合物2)1.3gを得た。この化合物の融点
は、192.3℃であった。
【0048】以上のような製造工程により得た4’−
(ビフェニル−4”−イルエチル)ビフェニル−4−イ
ル メタクリレートは、液晶とともに一対の基板の中に
注入され、高分子として析出した際、液晶とともに同様
の配向となる。従って、配向特性に優れた液晶表示装置
が得られる。
【0049】更に、得られた高分子は、配向特性ばかり
でなく、メカストレス、電圧印加、温度変化等において
特性が変化することなく、表示品質を劣化させない、と
いう優れた性質を有する。
【0050】(実施例2)本実施例は請求項1に対応す
る実施例であり、実施例1の工程を応用して一般式
(1)のnが3乃至5の化合物の合成である。
【0051】
【化16】
【0052】工程1の化合物(13)を4−ブロモフェ
ニルプロピオン酸とすることにより、実施例1と同様な
方法で4’−(ビフェニル−4”−イルプロピル)ビフ
ェニル−4−イル メタクリレートが得られる。
【0053】また、工程1の化合物(13)を4−ブロ
モフェニル酪酸とすることにより、実施例1と同様な方
法で4’−(ビフェニル−4”−イルブチル)ビフェニ
ル−4−イル メタクリレートが得られる。
【0054】また、工程1の化合物(13)を4−ブロ
モフェニル吉草酸とすることにより、実施例1と同様な
方法で4’−(ビフェニル−4”−イルペンチル)ビフ
ェニル−4−イル メタクリレートが得られる。
【0055】このような製造方法によって得られた化合
物も、実施例1同様の特性の高分子が得られ、優れた特
性の液晶表示装置が得られる。
【0056】(実施例3乃至実施例4)本実施例は請求
項4、5及び6に対応する実施例である。図1に示すよ
うにガラス基板1及び2の上に透明電極膜(例えばIT
O膜)からなる電極3を形成し、この上にポリイミド等
よりなる配向膜を塗布する。次にラビングして配向制御
層4を形成し、さらにガラス基板1及び2をシール剤5
を介して対向配置して空パネルを作成した。そしてこの
空パネルのガラス基板間に以下に示す液晶性混合材料を
それぞれ注入し、TN型の液晶表示セルを作成した。な
お、セルギャップは5μmとした。
【0057】本実施例では、液晶としてTL202とM
J91261(ともにメルク社製)、カイラル成分とし
てS−1011(メルク社製)、2色性色素としてS−
344(三井東圧染料社製)、高分子前駆体として実施
例1の化合物ならびに既存化合物のビフェニル−4−イ
ル メタクリレートをそれぞれ用いた。
【0058】液晶TL202と液晶MJ91261を
8:2(重量比)で混合した混合物を90.9重量%、
S−1011を0.5重量%、S−344を3.6重量
%を混合したものをベース液晶組成物とし、さらにその
ベース液晶組成物に本発明の実施例1の化合物4’−
(ビフェニル−4”−イルエチル)ビフェニル−4−イ
ルメタクリレートを高分子前駆体として単独で5重量%
混合した液晶性混合材料a、ベース液晶組成物に既存化
合物のビフェニル−4−イル メタクリレートを高分子
前駆体として単独で5重量%混合した液晶性混合材料b
をそれぞれ調整した。
【0059】これらの液晶性混合材料を前述した空パネ
ルにそれぞれ封入して、紫外線照射で高分子前駆体を光
重合して液晶と高分子を相分離させて、液晶性混合材料
aを使用した液晶表示素子A(実施例3)と、液晶性混
合材料bを使用した液晶表示素子B(実施例4)を作成
した。
【0060】この液晶表示素子A、およびBは、それぞ
れ図1に示すようになっており、液晶7と高分子8とが
互いに配向分散されている。図1には、2枚のガラス基
板1、2間に挟持された粒子状あるいは連続した粒子状
高分子8の概略の配置が示されている。粒子状あるいは
連続した粒子状の高分子8は、光学活性物質の影響で基
板間ではツイスト状、あるいはらせん状にねじられて配
向、配置している。高分子粒子は単独でも連続してつな
がっていてもよく、また、一部分に液晶しか含有されて
いない部分があってもよい。調光層の中では、光学活性
物質によりらせん状にねじられた配向状態をしている高
分子8の影響により、電極間に電界が印加されていない
場合には、液晶分子7、二色性色素分子6は、らせん状
にねじられた配向をする。そのため、調光層に入射した
光は、らせん状配向した二色性色素6にほとんどすべて
の偏光方向の光が吸収され、その強度を減少する。電極
間に電界が印加されると、その電界が作用する範囲の液
晶分子7は電界の方向に配向し、それにつられて二色性
色素6も電界方向に配向するため、二色性色素6による
光の吸収はほとんど起こらない。しかし、らせん状にね
じられた配向状態の高分子8は、ほとんどその位置を変
化させない。そのため、液晶7と高分子粒子8との間に
屈折率の差が生じ、入射した光は散乱される。
【0061】上記のようにして作製した液晶表示素子A
およびBをそれぞれ図2に示したような光学系に配置し
て、1KHZの短形波で波高値を変化させた信号を印加
し、電圧を変化させながら反射率を測定し、最小反射
率、最大反射率、しきい値電圧(最小反射率から最大反
射率へ5%変化したときの電圧値、以下Vthと表す)、
飽和電圧(最小反射率から最大反射率へ95%変化した
ときの電圧値、以下Vsat と表す)を測定した。また応
答速度として電圧をON(この時の印加電圧はVth)に
して反射率が95%増加するまでに要した時間(立ち上
がり速度)と、電圧をOFFにして反射率が95%減少
した時間(立ち下がり速度)を測定した。反射率は素子
の代わりに白色上質紙を配置した場合の反射率を100
%とした。なお、測定はセル温度20℃で行った。
【0062】測定にあたっては、図2に示すように、表
示素子10の背面に反射性背景板9を設け、表示素子1
0表面への法線から70゜傾いた方向の光源11から光
を入射して、法線方向への反射光強度を結像用レンズ1
2および光電子増倍管13を使用して反射率を測定し
た。ただし、表示素子10に反射電極を使用する場合に
は反射性背景板9を設ける必要はない。
【0063】ところで、素子の反射率はパネルへの入射
角度を一定にしても光の入射方向により反射率の値が変
わるという素子の回転による視角依存性があることが、
すでに調べられている。したがって測定条件を合わせる
ために、ここで示した反射率は最も反射率が大きくなる
入射角度でパネルを固定したときの値を用いた。
【0064】このようにして、表1のとおりの液晶表示
素子の測定結果を得た。
【0065】
【表1】
【0066】このような液晶表示素子の特性からもわか
るように、液晶と高分子とを分散させた液晶表示素子に
おける、光透過特性、光散乱特性、もしくは2色性色素
を液晶中に混合したときの光吸収特性に優れた特性を有
する液晶表示素子を得ることができる。
【0067】以上の実施例より、1分子中にメソーゲン
基が2つ存在する本発明の化合物を高分子前駆体として
使用することにより、駆動電圧、応答速度は従来のモノ
マーと同等でありながら最大反射率が大幅に良くなっ
た。
【0068】なお、上記の実施例においてはTN型の液
晶表示セルを用いたが、MIM素子、TFT素子などを
用いたアクティブ駆動型の液晶表示素子の場合にも同様
な効果が得られる。
【0069】また、用いる高分子の前駆体としては、本
発明の化合物と他の光重合性の高分子前駆体とを混合し
て用いることもできる。
【0070】(実施例5)本実施例は請求項3、5及び
6に対応する実施例である。実施例4において液晶性混
合材料aに使用されている高分子前駆体を4’−(ビフ
ェニル−4”−イルエチル)ビフェニル−4−イル メ
タクリレートから4’−(ビフェニル−4”−イルプロ
ピル)ビフェニル−4−イル メタクリレート、4’−
(ビフェニル−4”−イルブチル)ビフェニル−4−イ
ル メタクリレート、4’−(ビフェニル−4”−イル
ペンチル)ビフェニル−4−イル メタクリレートに変
えた液晶性混合材料を使用た場合でも駆動電圧、応答速
度は従来のモノマーと同等でありながら最大反射率が大
幅に良い液晶表示素子が得られる。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の化合物を用
いることにより、明るくしかも低電圧で駆動できる高分
子分散型液晶表示素子を作製することが可能となった。
本発明の化合物を用いれば、大容量ディスプレイなどの
明るく省電力なマンマシンインターフェイスを作製する
ことができる。
【0072】また、本発明の高分子分散型液晶表示素子
を用いることによって、駆動電圧が低くしかも明るい液
晶表示装置を作製することが可能となった。本発明の高
分子分散型液晶表示素子を用いれば、大容量ディスプレ
イなどの明るく省電力なマンマシンインターフェイスを
作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の高分子分散型表示素子を説明
するための断面図である。
【図2】本発明の実施例における高分子分散型液晶表示
素子の電気光学特性を測定した際の光学系を示す図であ
る。
【符号の説明】
1、2…ガラス基板 3…電極 4…配向制御層 5…シール剤 6…色素 7…液晶 8…高分子 9…反射性背景板 10…表示素子 11…光源 12…結像用レンズ 13…光電子増倍管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯坂 英仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 小林 英和 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 土屋 豊 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、nは2乃至5のうちのいずれかの整数を示
    す。)で表されるビフェニル誘導体。
  2. 【請求項2】式 【化2】 で表される4’−(ビフェニル−4”−イルエチル)ビ
    フェニル−4−イルメタクリレート。
  3. 【請求項3】液晶及び高分子を含有する調光層を電極間
    に設けた高分子分散型液晶表示素子において、 前記高分子を形成する前駆体の少なくとも一部に、一般
    式 【化3】 (式中、nは2乃至5のうちのいずれかの整数を示
    す。)で表されるビフェニル誘導体を用い、一般式 【化4】 (式中、nは2乃至5のうちのいずれかの整数を示
    す。)で表される構成要素を前記高分子中の少なくとも
    一部分に形成したことを特徴とする高分子分散型液晶表
    示素子。
  4. 【請求項4】液晶及び高分子を含有する調光層を電極間
    に設けた高分子分散型液晶表示素子において、 前記高分子を形成する前駆体の少なくとも一部に、式 【化5】 で表される4’−(ビフェニル−4”−イルエチル)ビ
    フェニル−4−イル メタクリレートを用いることによ
    って、式 【化6】 で表される構成要素を前記高分子中の少なくとも一部分
    に形成したことを特徴とする高分子分散型液晶表示素
    子。
  5. 【請求項5】液晶及び高分子が互いに配向して配向して
    なる高分子分散型液晶から前記調光層が形成されてなる
    ことを特徴とする請求項3乃至4のいずれかに記載の高
    分子分散型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】前記電極上には配向膜がそれぞれ形成さ
    れ、前駆体と液晶組成物とを混合した液晶性混合材料か
    ら析出した高分子と、液晶とが互いに分散して配向して
    なる前記調光層が一対の基板間に挟持されてなることを
    特徴とする請求項5記載の液晶表示素子。
JP10370697A 1997-04-21 1997-04-21 ビフェニル誘導体および高分子分散型液晶表示素子 Withdrawn JPH10292174A (ja)

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