JPH1036317A - ジビフェニル誘導体および高分子分散型液晶表示素子 - Google Patents

ジビフェニル誘導体および高分子分散型液晶表示素子

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JPH1036317A
JPH1036317A JP8193760A JP19376096A JPH1036317A JP H1036317 A JPH1036317 A JP H1036317A JP 8193760 A JP8193760 A JP 8193760A JP 19376096 A JP19376096 A JP 19376096A JP H1036317 A JPH1036317 A JP H1036317A
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Japan
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polymer
liquid crystal
group
crystal display
display device
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JP8193760A
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English (en)
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Shuhei Yamada
周平 山田
Masayuki Yazaki
正幸 矢崎
Eiji Chino
英治 千野
Hideto Iizaka
英仁 飯坂
Hidekazu Kobayashi
英和 小林
Yutaka Tsuchiya
豊 土屋
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】明るく低電圧駆動可能な高分子分散型液晶表示
素子が得られる化合物及び明るく低電圧駆動可能な高分
子分散型液晶表示素子を提供する。 【解決手段】式 【化1】 で表されるジビフェニル−4−イルメチル メタクリレ
ート、または、式 【化2】 で表されるジビフェニル−4−イル イタコレート、並
びに、これらのいずれかを高分子前駆体の少なくとも一
部に用いて形成した高分子分散型液晶表示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なジビフェニル
誘導体および高分子分散型液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、偏光板を用いない明るい液晶表示
素子として、液晶と高分子とを互いに分散させた高分子
分散型液晶表示素子が注目されている。この高分子分散
型液晶表示素子の動作原理は液晶と高分子との屈折率の
差を利用しており、電界印加により液晶と高分子の屈折
率が一致した場合には透過状態を示し、電界除去により
屈折率が相違した場合には散乱状態を示すことによる
(特表昭58-501631 参照。これをNCAPと呼ぶ。)。
【0003】また、電界無印加時に透過し電界印加時に
散乱する逆のモードの液晶表示素子も開発されている
(Mol.Cryst.Liq.Cryst.,198,357,(1991) 参照。これを
リバースタイプと呼ぶ)。また、これらのモードについ
ては色素を混合することにより、視認性を向上させる方
法も提案されている。これらの液晶表示素子に用いられ
る高分子としてはすでにメソーゲン基としてビフェニル
誘導体、フェニルベンゾエート誘導体、ベンゼン環とベ
ンゼン環をシッフ塩基で結合したもの、トラン誘導体を
もつ化合物等(特開平4-227684、特開平5-224187、WO
93/08497 参照)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの高分子を用い
た液晶表示素子では、高分子の量を増加させていけば明
るい表示になるが、その一方では高分子の量の増大に応
じて駆動電圧も高くなってしまうという問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は、明るくしかも低
電圧で駆動できる高分子分散型液晶表示素子を得るのに
適している新規化合物および明るくしかも低電圧で駆動
できる高分子分散型液晶表示素子を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、式
【0007】
【化45】
【0008】で表されるジビフェニル−4−イルメチル
メタクリレートが提供される。
【0009】また、本発明によれば、式
【0010】
【化46】
【0011】で表されるジビフェニル−4−イル イタ
コレートが提供される。
【0012】これら化合物(1)、(2)をそれぞれ高
分子前駆体として用い、あるいは高分子前駆体の一部と
して用いて、液晶および高分子を含有する調光層を有す
る高分子分散型液晶表示素子を形成すると、明るくしか
も低電圧で駆動できる高分子分散型液晶表示素子を得る
ことができる。
【0013】本発明によれば、また、液晶及び高分子を
含有する調光層を電極間に設けた高分子分散型液晶表示
素子において、前記高分子を形成する前駆体の少なくと
も一部に、一般式
【0014】
【化47】
【0015】(式中、A1 は重合部を有する官能基を示
し、X1 およびX2 はそれぞれメソーゲン基を示す。)
で表される化合物を少なくとも1成分用いることによっ
て、一般式
【0016】
【化48】
【0017】(式中、A2 は前記官能基A1 が重合反応
を起こした後の基を示し、X1 およびX2 はそれぞれメ
ソーゲン基を示す。)で表される構成要素を前記高分子
中の少なくとも一部分に存在させたことを特徴とする高
分子分散型液晶表示素子が提供される。
【0018】このように、重合部が1箇所、メソーゲン
基が2箇所の高分子前駆体を使用することによって、メ
ソーゲン基が1箇所の高分子前駆体を使用した場合と比
較して、同じ量の高分子前駆体を使用しても、明るい高
分子分散型液晶表示素子が得られる。従って、明るい表
示を得るのに高分子の量を増加させる必要がなくなり、
その結果、明るくしかも低電圧で駆動できる高分子分散
型液晶表示素子を得ることができる。
【0019】好ましくは、式(3)、式(4)におい
て、前記メソーゲン基X1 およびX2が、それぞれ、一
般式
【0020】
【化49】
【0021】および
【0022】
【化50】
【0023】(式中、B1 は、
【0024】
【化51】
【0025】、単結合、酸素原子、硫黄原子、メチレン
基およびプロパン−2,2−ジイル基のうちのいずれか
を示し、Y1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原
子、塩素原子、メチル基およびニトリル基のうちのいず
れかを示し、n1 およびn3 はそれぞれ1乃至4のうち
のいずれかの整数を示し、n2 は1乃至5のうちのいず
れかの整数を示し、
【0026】
【化52】
【0027】は、フェニレン基の2、3、5、6のうち
の任意の位置に、合計n1 個のY1 が結合していること
を示し、
【0028】
【化53】
【0029】は、フェニレン基の2、3、4、5、6の
うちの任意の位置に、合計n2 個のY2 が結合している
ことを示し、
【0030】
【化54】
【0031】は、フェニレン基の2、3、5、6のうち
の任意の位置に、合計n3 個のY3 が結合していること
を示す。)で表される基のうちのいずれかの基である。
【0032】また、好ましくは、式(3)において、前
記A1 が、一般式
【0033】
【化55】
【0034】で表される基のうちのいずれかの基であ
り、式(4)において、前記A2 が、一般式
【0035】
【化56】
【0036】で表される基のうちのいずれかの基である
(ただし、式中、A3 は、
【0037】
【化57】
【0038】および
【0039】
【化58】
【0040】で表される基のうちのいずれかの基を示
し、A4 は、
【0041】
【化59】
【0042】および
【0043】
【化60】
【0044】で表される基のうちのいずれかの基を示
し、n4 は1乃至15のうちのいずれかの整数を示し、
5 は、
【0045】
【化61】
【0046】および
【0047】
【化62】
【0048】で表される基のうちのいずれかの基を示
す。)。
【0049】なお、A3 は、さらに好ましくは、メタク
リレート基またはアクリレート基である。
【0050】また、式(5)、(6)において、好まし
くは、前記B1
【0051】
【化63】
【0052】および単結合のうちのいずれかを示し、前
記Y1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原子または
メチル基を示す。
【0053】この場合に、さらに好ましくは、前記n
1 、n2 およびn3 がそれぞれ1である。
【0054】また、好ましくは、式(3)、(4)にお
いて、前記メソーゲン基X1 およびX2 が、それぞれ、
一般式
【0055】
【化64】
【0056】および
【0057】
【化65】
【0058】(式中、B1 は、
【0059】
【化66】
【0060】、単結合、酸素原子、硫黄原子、メチレン
基およびプロパン−2,2−ジイル基のうちのいずれか
を示し、Y1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原
子、塩素原子、メチル基およびニトリル基のうちのいず
れかを示し、n1 およびn3 はそれぞれ1乃至4のうち
のいずれかの整数を示し、n2 は1乃至5のうちのいず
れかの整数を示し、
【0061】
【化67】
【0062】は、フェニレン基の2、3、5、6のうち
の任意の位置に、合計n1 個のY1 が結合していること
を示し、
【0063】
【化68】
【0064】は、フェニレン基の2、3、4、5、6の
うちの任意の位置に、合計n2 個のY2 が結合している
ことを示し、
【0065】
【化69】
【0066】は、フェニレン基の2、3、5、6のうち
の任意の位置に、合計n3 個のY3 が結合していること
を示し、B2 は、単結合、−COO−または−CH2
OO−を示す。)で表される基のうちのいずれかの基で
ある。
【0067】この場合に、好ましくは、式(3)におい
て、前記A1 が、
【0068】
【化70】
【0069】または
【0070】
【化71】
【0071】であり、式(4)において、前記A2 が、
【0072】
【化72】
【0073】または
【0074】
【化73】
【0075】である。
【0076】この場合に、さらに、好ましくは、式
(3)において、前記A1 が、
【0077】
【化74】
【0078】であり、式(4)において、前記A2 が、
【0079】
【化75】
【0080】である。
【0081】また、前記メソーゲン基X1 が、さらに好
ましくは、一般式
【0082】
【化76】
【0083】および
【0084】
【化77】
【0085】で表される基のうちのいずれかの基であ
り、前記メソーゲン基X2 が、一般式
【0086】
【化78】
【0087】および
【0088】
【化79】
【0089】で表される基のうちのいずれかの基である
(式中、B1 は、
【0090】
【化80】
【0091】、単結合、酸素原子、硫黄原子、メチレン
基およびプロパン−2,2−ジイル基のうちのいずれか
を示し、Y1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原
子、塩素原子、メチル基およびニトリル基のうちのいず
れかを示し、n1 およびn3 はそれぞれ1乃至4のうち
のいずれかの整数を示し、n2 は1乃至5のうちのいず
れかの整数を示し、
【0092】
【化81】
【0093】は、フェニレン基の2、3、5、6のうち
の任意の位置に、合計n1 個のY1 が結合していること
を示し、
【0094】
【化82】
【0095】は、フェニレン基の2、3、4、5、6の
うちの任意の位置に、合計n2 個のY2 が結合している
ことを示し、
【0096】
【化83】
【0097】は、フェニレン基の2、3、5、6のうち
の任意の位置に、合計n3 個のY3 が結合していること
を示す。)。
【0098】この場合に、さらに好ましくは、式(7)
乃至式(10)において、前記B1
【0099】
【化84】
【0100】および単結合のうちのいずれかを示し、前
記Y1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原子または
メチル基を示す。
【0101】そして、この場合に、さらに好ましくは、
前記n1 、n2 およびn3 がそれぞれ1である。
【0102】また、本発明によれば、液晶及び高分子を
含有する調光層を電極間に設けた高分子分散型液晶表示
素子において、前記高分子を形成する前駆体の少なくと
も一部に、式
【0103】
【化85】
【0104】で表されるジビフェニル−4−イルメチル
メタクリレートを用いることによって、式
【0105】
【化86】
【0106】で表される構成要素を前記高分子中の少な
くとも一部分に存在させたことを特徴とする高分子分散
型液晶表示素子が提供され、この高分子分散型液晶表示
素子は、明るくしかも低電圧で駆動できる。
【0107】また、本発明によれば、液晶及び高分子を
含有する調光層を電極間に設けた高分子分散型液晶表示
素子において、前記高分子を形成する前駆体の少なくと
も一部に、式
【0108】
【化87】
【0109】で表されるジビフェニル−4−イル イタ
コレートを用いることによって、式
【0110】
【化88】
【0111】で表される構成要素を前記高分子中の少な
くとも一部分に存在させたことを特徴とする高分子分散
型液晶表示素子が提供され、この高分子分散型液晶表示
素子は、明るくしかも低電圧で駆動できる。
【0112】上記本発明の各高分子分散型液晶表示素子
は、前記調光層が、液晶及び高分子を互いに配向分散さ
せた高分子分散型液晶から構成されている場合に特に好
ましく適用される。
【0113】そして、この調光層が液晶及び高分子を互
いに配向分散させた高分子分散型液晶から構成されてい
る高分子分散型液晶表示素子は、前記電極上に配向膜を
それぞれ形成し、前記調光層を、高分子を形成する前駆
体と液晶組成物とを混合した液晶性混合材料から高分子
を析出させて液晶と高分子とを相分離して形成した高分
子分散型液晶から構成することによって好ましく形成さ
れる。
【0114】なお、ジビフェニル−4−イルメチル メ
タクリレート(化合物1)は、次の工程を経ることによ
って製造することができる。
【0115】
【化89】
【0116】工程1) テトラヒドロフランに溶かした
4−ブロモビフェニル(化合物11)とマグネシウムに
よりグリニヤール試薬(化合物12)を調製する。
【0117】工程2) 工程1で得られたグリニヤール
試薬(化合物12)とテトラヒドロフランに溶かした4
−フェニルベンズアルデヒド(化合物13)とを反応さ
せて、ジビフェニル−4−イルメタノール(化合物1
4)を得る。
【0118】工程3)ジビフェニル−4−イルメタノー
ル(化合物14)と塩化メタクリロイル(化合物15)
とをクロロホルム中で、トリエチルアミンの存在下で反
応させて、ジビフェニル−4−イルメチル メタクリレ
ート(化合物1)を得る。
【0119】また、ジビフェニル−4−イル イタコレ
ート(化合物2)は、次の工程を経ることによって製造
できる。
【0120】
【化90】
【0121】塩化イタコニル(化合物16)と4−フェ
ニルフェノール(化合物17)とをクロロホルム中で、
トリエチルアミンの存在下で反応させて、ジビフェニル
−4−イル イタコレート(化合物2)を得る。
【0122】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。
【0123】(実施例1) ジビフェニル−4−イルメチル メタクリレート(化合
物1)の合成。
【0124】工程1) 窒素置換したフラスコ中にマグ
ネシウム0.24gを入れ、マグネチックスターラーで
攪拌しながら4−ブロモビフェニル2.0gをテトラヒ
ドロフラン16mlに溶かした溶液をゆっくり滴下し
た。発熱して反応が進むのを確認した後、3時間攪拌を
続けグリニヤール試薬を調製した。
【0125】工程2) 工程1で得られたグリニヤール
試薬にテトラヒドロフラン13mlに4−フェニルベン
ズアルデヒド1.4gを溶かした溶液を30分かけて滴
下し、その後3時間攪拌した。反応液を塩化アンモニウ
ム水溶液中へ注ぎ、クロロホルムで抽出し水で3回洗浄
した後、クロロホルムを留去した。残留物をアセトンと
ヘキサンの混合溶媒中から再結晶してジビフェニル−4
−イルメタノール1.2gを得た。
【0126】工程3) 窒素置換したフラスコ中にクロ
ロホルム6.6ml、ジビフェニル−4−イルメタノー
ル1.2g、トリエチルアミン0.8mlを入れ、攪拌
する。そこへ蒸留精製した塩化メタクリロイル0.5m
lをゆっくり滴下し、5時間攪拌を続ける。反応液をdi
l.HClaq. 、飽和NaHCO3aq.、水で洗浄した後、
重合防止のためメタノールを入れてクロロホルムとメタ
ノールを留去する。留去中結晶が現れてきたら取り出し
て、さらにメタノールを入れて再結晶して本実施例の化
合物ジビフェニル−4−イルメチル メタクリレート
0.6gを得た。この化合物の融点は149℃であっ
た。
【0127】(実施例2) ジビフェニル−4−イル イタコレート(化合物2)の
合成。
【0128】窒素置換したフラスコ中にクロロホルム2
6ml、4−フェニルフェノール2.0g、トリエチル
アミン4.2mlを入れ、完全に溶解させる。そこへ蒸
留精製した塩化イタコニル1.0gとクロロホルム3m
lの混合液をゆっくり滴下し、5時間攪拌を続ける。反
応液をdil.HClaq. 、飽和NaHCO3aq.、水で洗浄
した後、重合防止のためメタノールを入れてクロロホル
ムとメタノールを留去する。留去中結晶が現れてきたら
取り出して、さらにメタノールを入れて再結晶して本実
施例の化合物ジビフェニル−4−イル イタコレート
1.4gを得た。
【0129】(実施例3、4)図1に示すようにガラス
基板1及び2の上に透明電極膜(例えばITO膜)から
なる電極3を形成し、この上にポリイミド等よりなる配
向膜を塗布する。次にラビングして配向制御層4を形成
し、さらにガラス基板1及び2をシール剤5を介して対
向配置して空パネルを作成した。そしてこの空パネルの
ガラス基板間に以下に示す液晶性混合材料をそれぞれ注
入し、TN型の液晶表示セルを作成した。なお、セルギ
ャップは5μmとした。
【0130】本実施例では、液晶としてTL202とM
J91261(ともにメルク社製)、カイラル成分とし
てS−1011(メルク社製)、2色性色素としてS−
344(三井東圧染料社製)、高分子前駆体として実施
例1、2の化合物および既存化合物のビフェニル−4−
イル メタクリレートをそれぞれ用いた。
【0131】液晶TL202と液晶MJ91261を
8:2(重量比)で混合した混合物を90.9重量%、
S−1011を0.5重量%、S−344を3.6重量
%を混合したものをベース液晶組成物とし、さらにその
ベース液晶組成物に本発明の実施例1の化合物ジビフェ
ニル−4−イルメチル メタクリレートを高分子前駆体
として単独で5重量%混合した液晶性混合材料a、ベー
ス液晶組成物に本発明の実施例2の化合物ジビフェニル
−4−イル イタコレートを高分子前駆体として単独で
5重量%混合した液晶性混合材料b、およびベース液晶
組成物に既存化合物のビフェニル−4−イル メタクリ
レートを高分子前駆体として単独で5重量%混合した液
晶性混合材料cをそれぞれ調整した。
【0132】これらの液晶性混合材料を前述した空パネ
ルにそれぞれ封入して、紫外線照射で高分子前駆体を光
重合して液晶と高分子を相分離させて、液晶性混合材料
aを使用した液晶表示素子A(実施例3)と、液晶性混
合材料bを使用した液晶表示素子B(実施例4)と液晶
性混合材料cを使用した液晶表示素子C(比較例)とを
作成した。
【0133】この液晶表示素子A、BおよびCは、それ
ぞれ図1に示すようになっており、液晶7と高分子8と
が互いに配向分散されている。図1には、2枚のガラス
基板1、2間に挟持された粒子状あるいは連続した粒子
状高分子8の概略の配置が示されている。粒子状あるい
は連続した粒子状の高分子8は、光学活性物質の影響で
基板間ではツイスト状、あるいはらせん状にねじられて
配向、配置している。高分子粒子は単独でも連続してつ
ながっていてもよく、また、一部分に液晶しか含有され
ていない部分があってもよい。調光層の中では、光学活
性物質によりらせん状にねじられた配向状態をしている
高分子8の影響により、電極間に電界が印加されていな
い場合には、液晶分子7、二色性色素分子6は、らせん
状にねじられた配向をする。そのため、調光層に入射し
た光は、らせん状配向した二色性色素6にほとんどすべ
ての偏光方向の光が吸収され、その強度を減少する。電
極間に電界が印加されると、その電界が作用する範囲の
液晶分子7は電界の方向に配向し、それにつられて二色
性色素6も電界方向に配向するため、二色性色素6によ
る光の吸収はほとんど起こらない。しかし、らせん状に
ねじられた配向状態の高分子8は、全くあるいはほとん
どその位置を変化させない。そのため、液晶7と高分子
粒子8との間に屈折率の差が生じ、入射した光は散乱さ
れる。
【0134】上記のようにして作製した液晶表示素子
A、BおよびCをそれぞれ図2に示したような光学系に
配置して、1KHZの短形波で波高値を変化させた信号
を印加し、電圧を変化させながら反射率を測定し、最小
反射率、最大反射率、しきい値電圧(最小反射率から最
大反射率へ5%変化したときの電圧値、以下Vthと表
す)、飽和電圧(最小反射率から最大反射率へ95%変
化したときの電圧値、以下Vsat と表す)を測定した。
また応答速度として電圧をON(この時の印加電圧はV
th)にして反射率が95%増加するまでに要した時間
(立ち上がり速度)と、電圧をOFFにして反射率が9
5%減少した時間(立ち下がり速度)を測定した。反射
率は素子の代わりに白色上質紙を配置した場合の反射率
を100%とした。なお、測定はセル温度20℃で行っ
た。
【0135】測定にあたっては、図2に示すように、表
示素子10の背面に反射性背景板9を設け、表示素子1
0表面への法線から70゜傾いた方向の光源11から光
を入射して、法線方向への反射光強度を結像用レンズ1
2および光電子増倍管13を使用して反射率を測定し
た。ただし、表示素子10に反射電極を使用する場合に
は反射性背景板9を設ける必要はない。
【0136】ところで、素子の反射率はパネルへの入射
角度を一定にしても光の入射方向により反射率の値が変
わるという素子の回転による視角依存性があることが、
すでに調べられている。したがって測定条件を合わせる
ために、ここで示した反射率は最も反射率が大きくなる
入射角度でパネルを固定したときの値を用いた。
【0137】このようにして、表1のとおりの液晶表示
素子の測定結果を得た。
【0138】
【表1】
【0139】以上の実施例より、1分子中にメソーゲン
基が2つ存在する本発明の化合物を高分子前駆体として
使用することにより、駆動電圧、応答速度は従来のモノ
マーと同等でありながら最大反射率が大幅に良くなっ
た。
【0140】なお、上記の実施例においてはTN型の液
晶表示セルを用いたが、MIM素子、TFT素子などを
用いたアクティブ駆動型の液晶表示素子の場合にも同様
な効果が得られる。
【0141】また、用いる高分子の前駆体としては、本
発明の化合物と他の光重合性の高分子前駆体とを混合し
て用いることもできる。
【0142】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の化合物を用
いることにより、明るくしかも低電圧で駆動できる高分
子分散型液晶表示素子を作製することが可能となった。
本発明の化合物を用いれば、大容量ディスプレイなどの
明るく省電力なマンマシンインターフェイスを作製する
ことができる。
【0143】また、本発明の高分子分散型液晶表示素子
を用いることによって、駆動電圧が低くしかも明るい液
晶表示装置を作製することが可能となった。本発明の高
分子分散型液晶表示素子を用いれば、大容量ディスプレ
イなどの明るく省電力なマンマシンインターフェイスを
作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の高分子分散型表示素子を説明
するための断面図である。
【図2】本発明の実施例における高分子分散型液晶表示
素子の電気光学特性を測定した際の光学系を示す図であ
る。
【符号の説明】
1、2…ガラス基板 3…電極 4…配向制御層 5…シール剤 6…色素 7…液晶 8…高分子 9…反射性背景板 10…表示素子 11…光源 12…結像用レンズ 13…光電子増倍管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯坂 英仁 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 小林 英和 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 土屋 豊 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で表されるジビフェニル−4−イルメチル メタクリレ
    ート。
  2. 【請求項2】式 【化2】 で表されるジビフェニル−4−イル イタコレート。
  3. 【請求項3】液晶及び高分子を含有する調光層を電極間
    に設けた高分子分散型液晶表示素子において、 前記高分子を形成する前駆体の少なくとも一部に、一般
    式 【化3】 (式中、A1 は重合部を有する官能基を示し、X1 およ
    びX2 はそれぞれメソーゲン基を示す。)で表される化
    合物を少なくとも1成分用いることによって、 一般式 【化4】 (式中、A2 は前記官能基A1 が重合反応を起こした後
    の基を示し、X1 およびX2 はそれぞれメソーゲン基を
    示す。)で表される構成要素を前記高分子中の少なくと
    も一部分に存在させたことを特徴とする高分子分散型液
    晶表示素子。
  4. 【請求項4】前記メソーゲン基X1 およびX2 が、それ
    ぞれ、一般式 【化5】 および 【化6】 (式中、B1 は、 【化7】 、単結合、酸素原子、硫黄原子、メチレン基およびプロ
    パン−2,2−ジイル基のうちのいずれかを示し、Y
    1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原子、塩素原
    子、メチル基およびニトリル基のうちのいずれかを示
    し、n1 およびn3 はそれぞれ1乃至4のうちのいずれ
    かの整数を示し、n2 は1乃至5のうちのいずれかの整
    数を示し、 【化8】 は、フェニレン基の2、3、5、6のうちの任意の位置
    に、合計n1 個のY1 が結合していることを示し、 【化9】 は、フェニレン基の2、3、4、5、6のうちの任意の
    位置に、合計n2 個のY2 が結合していることを示し、 【化10】 は、フェニレン基の2、3、5、6のうちの任意の位置
    に、合計n3 個のY3 が結合していることを示す。)で
    表される基のうちのいずれかの基であることを特徴とす
    る請求項3記載の高分子分散型液晶表示素子。
  5. 【請求項5】前記A1 が、一般式 【化11】 で表される基のうちのいずれかの基であり、前記A2
    が、一般式 【化12】 で表される基のうちのいずれかの基である(ただし、式
    中、A3 は、 【化13】 および 【化14】 で表される基のうちのいずれかの基を示し、A4 は、 【化15】 および 【化16】 で表される基のうちのいずれかの基を示し、n4 は1乃
    至15のうちのいずれかの整数を示し、A5 は、 【化17】 および 【化18】 で表される基のうちのいずれかの基を示す。)ことを特
    徴とする請求項4記載の高分子分散型液晶表示素子。
  6. 【請求項6】前記B1 が 【化19】 および単結合のうちのいずれかを示し、前記Y1 、Y2
    およびY3 は、それぞれフッ素原子またはメチル基を示
    すことを特徴とする請求項5記載の高分子分散型液晶表
    示素子。
  7. 【請求項7】前記n1 、n2 およびn3 がそれぞれ1で
    あることを特徴とする請求項6記載の高分子分散型液晶
    表示素子。
  8. 【請求項8】前記メソーゲン基X1 およびX2 が、それ
    ぞれ、一般式 【化20】 および 【化21】 (式中、B1 は、 【化22】 、単結合、酸素原子、硫黄原子、メチレン基およびプロ
    パン−2,2−ジイル基のうちのいずれかを示し、Y
    1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原子、塩素原
    子、メチル基およびニトリル基のうちのいずれかを示
    し、n1 およびn3 はそれぞれ1乃至4のうちのいずれ
    かの整数を示し、n2 は1乃至5のうちのいずれかの整
    数を示し、 【化23】 は、フェニレン基の2、3、5、6のうちの任意の位置
    に、合計n1 個のY1 が結合していることを示し、 【化24】 は、フェニレン基の2、3、4、5、6のうちの任意の
    位置に、合計n2 個のY2 が結合していることを示し、 【化25】 は、フェニレン基の2、3、5、6のうちの任意の位置
    に、合計n3 個のY3 が結合していることを示し、B2
    は、単結合、−COO−または−CH2COO−を示
    す。)で表される基のうちのいずれかの基であることを
    特徴とする請求項3記載の高分子分散型液晶表示素子。
  9. 【請求項9】前記A1 が、 【化26】 または 【化27】 であり、前記A2 が、 【化28】 または 【化29】 であることを特徴とする請求項8記載の高分子分散型液
    晶表示素子。
  10. 【請求項10】前記A1 が、 【化30】 であり、前記A2 が、 【化31】 であることを特徴とする請求項9記載の高分子分散型液
    晶表示素子。
  11. 【請求項11】前記メソーゲン基X1 が、一般式 【化32】 および 【化33】 で表される基のうちのいずれかの基であり、 前記メソーゲン基X2 が、一般式 【化34】 および 【化35】 で表される基のうちのいずれかの基である(式中、B1
    は、 【化36】 、単結合、酸素原子、硫黄原子、メチレン基およびプロ
    パン−2,2−ジイル基のうちのいずれかを示し、Y
    1 、Y2 およびY3 は、それぞれフッ素原子、塩素原
    子、メチル基およびニトリル基のうちのいずれかを示
    し、n1 およびn3 はそれぞれ1乃至4のうちのいずれ
    かの整数を示し、n2 は1乃至5のうちのいずれかの整
    数を示し、 【化37】 は、フェニレン基の2、3、5、6のうちの任意の位置
    に、合計n1 個のY1 が結合していることを示し、 【化38】 は、フェニレン基の2、3、4、5、6のうちの任意の
    位置に、合計n2 個のY2 が結合していることを示し、 【化39】 は、フェニレン基の2、3、5、6のうちの任意の位置
    に、合計n3 個のY3 が結合していることを示す。)こ
    とを特徴とする請求項10記載の高分子分散型液晶表示
    素子。
  12. 【請求項12】前記B1 が 【化40】 および単結合のうちのいずれかを示し、前記Y1 、Y2
    およびY3 は、それぞれフッ素原子またはメチル基を示
    すことを特徴とする請求項11記載の高分子分散型液晶
    表示素子。
  13. 【請求項13】前記n1 、n2 およびn3 がそれぞれ1
    であることを特徴とする請求項12記載の高分子分散型
    液晶表示素子。
  14. 【請求項14】液晶及び高分子を含有する調光層を電極
    間に設けた高分子分散型液晶表示素子において、 前記高分子を形成する前駆体の少なくとも一部に、 式 【化41】 で表されるジビフェニル−4−イルメチル メタクリレ
    ートを用いることによって、式 【化42】 で表される構成要素を前記高分子中の少なくとも一部分
    に存在させたことを特徴とする高分子分散型液晶表示素
    子。
  15. 【請求項15】液晶及び高分子を含有する調光層を電極
    間に設けた高分子分散型液晶表示素子において、 前記高分子を形成する前駆体の少なくとも一部に、 式 【化43】 で表されるジビフェニル−4−イル イタコレートを用
    いることによって、式 【化44】 で表される構成要素を前記高分子中の少なくとも一部分
    に存在させたことを特徴とする高分子分散型液晶表示素
    子。
  16. 【請求項16】前記調光層が、液晶及び高分子を互いに
    配向分散させた高分子分散型液晶から構成されているこ
    とを特徴とする請求項3乃至15のいずれかに記載の高
    分子分散型液晶表示素子。
  17. 【請求項17】前記電極上には配向膜がそれぞれ形成さ
    れ、前記調光層が、前記高分子を形成する前駆体と液晶
    組成物とを混合した液晶性混合材料から高分子を析出さ
    せて液晶と高分子とを相分離して形成した高分子分散型
    液晶から構成されていることを特徴とする請求項16記
    載の液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113600A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 Dic株式会社 (メタ)アクリル酸エステル誘導体
US9028074B2 (en) 2011-09-30 2015-05-12 Seiko Epson Corporation Image display system and control apparatus
US9063365B2 (en) 2011-09-30 2015-06-23 Seiko Epson Corporation Screen and image display system

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JP4645925B2 (ja) * 2009-03-31 2011-03-09 Dic株式会社 (メタ)アクリル酸エステル誘導体
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