JP3362711B2 - 液晶高分子層の製造方法および表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶高分子層の製造方法および表示素子の製造方法

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JP3362711B2
JP3362711B2 JP30015499A JP30015499A JP3362711B2 JP 3362711 B2 JP3362711 B2 JP 3362711B2 JP 30015499 A JP30015499 A JP 30015499A JP 30015499 A JP30015499 A JP 30015499A JP 3362711 B2 JP3362711 B2 JP 3362711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶と高分子を互
いに分散させた高分子分散型液晶表示素子に関し、コン
ピュータディスプレイあるいはテレビジョンなどマンマ
シンインターフェイスに応用される表示素子及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年社会生活の場へのンピュータの導
入にともない、マンマシンインターフェイスの開発が加
速されている。特にディスプレイの分野が最も開発が急
がれるところであるが、いだに偏光板を2枚用いた表
示の暗いツイストネマチック型液晶表示素子に頼ってい
るのが現状である。そこで最近高分子分散型液晶表示素
子が開発されてた。この方式は偏光板を用いないため
に入射光を効率よく用いることができる。特に2色性色
素を混合したモードでは反射型として用いた際の見栄え
は特筆すべき物である。たとえばFergasonは2
色性色素入り液晶をカプセル化して高分子中に分散して
いる(特公平3−52843など、以下マイクロカプセ
ル型ノーマルPDLCと呼ぶ)。またDoaneらは2
色性色素入り液晶と高分子前駆体を混合し、後で重合す
ることにより液晶と高分子をスポンジ状に相分離して表
示素子を作製する方法を提案している(特表昭61−5
02128など、以下重合型ノーマルPDLCと呼
ぶ)。
【0003】またフイリップス社のHikmetらは液
晶状態をとる高分子前駆体を用い、液晶と混合した状態
で紫外線を照射することにより高分子を配向した状態で
形成しゲルネットワークのなかに液晶が含まれる構造の
表示素子を作製している(Mol.Cryst.Li
q.Cryst.,1992,Vol.213,pp.
117−131、以下ネットワーク型配向型PDLCと
呼ぶ)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法ではさきに示
したモードと異なり、電界印加で白く散乱する。一方、
われわれは高分子を配向した状態で粒子状に形成する技
術を独自に開発している(ヨーロッパ公開特許EPO,
488,116A2など、以下粒子配向型PDLCと呼
ぶ)。しかし、何れのモードについても十分な明るさ及
びコントラストは得られていない。また駆動電圧も十分
低いとは言えない。
【0005】そこで本発明の日的とするところは、液晶
と高分子を互いに配向分散した表示素子に於いて明るい
コントラストの良好な駆動電圧の低い表示素子及びその
製造方法を提供するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、液晶と高分子
とからなり、表示素子に用いるための液晶高分子層の製
造方法であって、 前記高分子は、式(1) M−U−P−S 〔式中、Mは、CH2=CH−、CH 2 =C(CH 3 )−
またはエポキシ基を表し、Uは、MがCH2=CH−ま
たはCH 2 =C(CH 3 )−である場合には−COO−ま
たは−CONR1−を表し、Mがエポキシ基の場合は−
CH2O−を表し、R1は、HまたはCH3を表し、P
は、置換されていてもよいフェニレン基を表し、Sは有
機基を表す。但し、Uが−COO−である場合には、S
が、フェニルカルボニル基、p−アルキルフェニレンカ
ルボニル基またはp−アルコキシフェニレンカルボニル
基である場合、−OCO−CH=CH 2 または−OCO
−C(CH 3 )=CH 2 である場合、−C(CH 3 2
(置換されていてもよいフェニレン)−OCO−CH=
CH 2 または−C(CH 3 2 −(置換されていてもよい
フェニレン)−OCO−C(CH 3 )=CH 2 である場
合、および−(フェニレン)m−OCO−CH=CH 2
または−(フェニレン)m−OCO−C(CH 3 )=C
2 (mは0または1である。)であって、Pのフェニ
レン基あるいはS中のフェニレン基にフッ素原子または
アルキル基が置換されている場合を除く。〕で表される
化合物を少なくとも1種含有する高分子前駆体を、共重
合可能な光開始剤を用いることなく重合することにより
形成されることを特徴とする。さらに、本発明の上記液
晶高分子層の製造方法は、前記高分子前駆体が、上記式
(1)の化合物からなることを特徴とし、また上記式
(1)において、基Sが、M−U−基を含むことを特徴
とし、また前記式(1)において、基MがCH2=CH
−またはCH 2 =C(CH3)−であり、基Uが−COO
−であることを特徴とし、また前記式(1)において、
基MがCH2=CH−またはCH 2 =C(CH3)−であ
り、基Uが−CONH−であることを特徴とし、また前
記式(1)において、基Mがエポキシ基であることを特
徴とする。また、前記式(1)で表される化合物は、化
合物中に少なくとも2つの芳香環とこれら芳香環の間に
エステル基を有することを特徴とし、また前記式(1)
で表される化合物は、化合物中に少なくとも2つの芳香
環とこれら芳香環の間にウレタン基またはアミド基を有
することを特徴とし、また前記式(1)で表される化合
物は、化合物中に少なくとも2つの芳香環とこれら芳香
環の間に少なくとも1つのアセチレン基を有することを
特徴とする。さらには、本発明の上記液晶高分子層の製
造方法は、前記式(1)で表される化合物の基Sは、ア
ルキル基あるいはアルコキシ基が直接あるいは間接に結
合された芳香環を有することを特徴とし、また前記
(1)で表される化合物の基Sは、シアノ基、ハロゲン
基あるいは芳香環基が直接あるいは間接に結合された芳
香環を有することを特徴とし、また前記式(1)で表さ
れる化合物中の芳香環が少なくとも1つのフッ素原子に
より置換されている〔但し、式(1)中、基MがCH 2
=CH−またはCH 2 =C(CH 3 )−であり、基Uが−
COO−であり、基Sが−(フェニレン)m−OCO−
CH=CH 2 または−(フェニレン)m−OCO−C
(CH 3 )=CH 2 (mは0または1である。)である場
合を除く。〕ことを特徴とし、また前記式(1)で表さ
れる化合物の基Sは、光学活性基を含むことを特徴とす
る。また、本発明は、液晶高分子層の製造方法におい
て、上記のいずれかに記載の液晶高分子層を一対の基板
間に挟持して形成することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明をより詳細に説述するため
に、添付の図面に従って実施例によりこれを説明する。
【0008】(実施例1)本実施例では高分子前躯体と
してメタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル
誘導体であり、側鎖に2つ以上の芳香環を持ち、芳香環
の少なくとも1つは水添されていてもよく、これら芳香
環の間にエステル基を持つ高分子前駆体を用いた例を示
す。図1に本発明の水平配向型表示素子における断面図
を示した。また図2には本発明の垂直配向型表示素子の
断面図を示した。このように本発明は水平配向型にも垂
直配向型にも応用できる技術である。本実施例では簡便
のため水平配向型の場合を主に説明する。なお以下すべ
ての実施例について、垂直配向型の場合には素子基板に
垂直配向処理を施し、誘電異方性が負の液晶を用いれば
よい素子の作製法について説明する。まず表面の平坦な
基板1及び基板6の表面に電極2及び電極5を形成し
た。これらの電極のどちらかを反射性電極としても良
い。これらの基板表面に配向処理を施した。2枚の基板
の間隙が5μmになるように固定した。この間隙は5ミ
クロンである必要はなく、用途に応じ決めれば良い。た
とえば透過型として用いるなら光路長が半分になるので
5ミクロンの2倍の10ミクロンとしなければ十分なコ
ントラストは得られない。
【0009】高分子3の前駆体として4−ベンゾイロキ
シフェニルメタクリレ−ト
【0010】
【数1】
【0011】と液晶4(PNOO2:ロディック社製に
カイラル成分としてS−1011を1%、2色性色素と
してS−428:三井東圧染料社製を1.5%混合し
た)1:9を封入してこの混合物を配向させ、紫外線を
照射したところ、液晶と高分子が相分離し、ほとんど透
明な素子を作製できた。
【0012】次に素子の測定である。表示素子の背面に
反射板を配置して2つの電極間に10kHzなる交流電
界を印如し、電圧を変化させた際の光の反射率を測定し
た。すると、3.3Vで表示状態が反転し始め(反射率
5%)、4.8Vで飽和した(反射率190%)。従来
例に比べわずかであるが駆動電圧が低下し、散乱度が向
上している。なお反射率は白い紙の反射を100%とし
ている。この際素子表面側あるいは素子裏面側の高分子
の配向方向が、入射光方向と素子表面の法線を含む面に
対して垂直となるように素子を配置すると反射率が向上
するようである。これに対し、従来我々が用いていた、
光硬化型ビフェニル誘導体4−ビフェニルメタリレート
を高分子前駆体として用いて本発明と同様の方法で素子
を作製すると、3.5Vで表示状態が反転し始め(反射
率5%)、5.OVで飽和した(反射率180%)。こ
こで100%とは白い紙を表示素子の代わりに配置した
場合の反射率である。本実施例の方が明らかに低電圧で
散乱度が向上していることがわかる。
【0013】また素子の特性を透過型の光学系で測定し
た。このとき表示素子基板の電極を透明電極として、2
色性色素を入れないで表示素子を作成し、入射光を明る
さを100%として素子を透過してくる光の明るさを測
定した。このとき、素子からの散乱光を除去するために
光デテクターの直前にアパーチヤーを配置した。このと
きのアパーチャーの穴の径は、素子の見込み角が3度に
なるように設定した。表示素子に印加する電界は先に示
した条件で印加した。このとき3.5Vで表示状態が反
転し始め(透過率85%)、5.0Vで飽和した(透過
率5%)。このように透過型、反射型どちらにも応用で
きる。
【0014】次に、芳香環を3つ以上含む例としてビフ
ェニル基とフェニル基の間にエステル基を含有するもの
を用いた例を示す。たとえば4−(4’−ビフェニルカ
ルボキシ)フェニルメタクリレート
【0015】
【数2】
【0016】を用いた。先に示した方法と同様に素子を
作製し、同様に駆動してみた。4Vで表示状態が反転し
始め(反射率5%)、5.5Vで飽和した(反射率19
0%)。透過型でも同様の効果を示した。
【0017】次に高分子前駆体にナフタレン基を含有
し、エステル基の付加方向が反対のものを用いた例を示
す。高分子前駆体以外では先に示した条件で素子を作製
した。ここでは紫外線硬化型高分子前駆体として4−
(2’−ナフトキシカルボニル)フェニルメタクリレー
【0018】
【数3】
【0019】を用いた。3Vで表示状態が反転し始め
(反射率5%)、4Vで飽和した(反射率80%)。透
過型でも同様の効果を示した。
【0020】以上、高分子前駆体は本実施例で先に示し
たもの以外でも骨格が
【0021】
【数4】
【0022】で示した基本骨格を持てば同様の効果を有
する。
【0023】ここで重合部はアクリル、メタクリル、ク
ロトン酸、フマル酸、マレイン酸、ビニル基、エポキシ
基など、高分子に用いられる重合基であれば用いること
ができる。もちろん化学式中のRはアルキル基あるいは
他の置換基でもよい。また熱あるいは電子線により硬化
する重合部を有する高分子前駆体も用いることが出来
る。芳香環については少なくとも1つの芳香環は水添さ
れていてもよい。例えば
【0024】
【数5】
【0025】などでもよい。芳香環はフェニル基に限ら
ずビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、アントラセ
ンなどの多環系芳香環でも良い。また芳香環の置換様式
をパラ置換としたが、メタ置換、オルト置換でも素子と
して動作する。しかし散乱度が低下しやすい。さらにこ
こでは芳香環には他の芳香環との結合以外に置換基が入
っていないが、後に示すようにシアノ基、ハロゲン基、
アルキル基、アルコキシ基などの置換基を入れることに
より優れた特性を発現させることもできる。また、後で
示すウレタン基、アミド基、アセチレン基など少なくと
も1つの構造を取り込むこともできる。また、化合物中
のHをフッ素で置換することもできる。
【0026】重合時に用いる外場としてここでは紫外線
を用い、その波長および強度は、波長300nmから4
00nmの波長であり、強度2mW/平方cmの光を用
いたが、波長および強度は高分子前駆体が重合する波長
強度であればどんな波長強度でも良い。特に弱い光を長
く照射すると2色性色素を用いた場合には高分子中に色
素が含まれにくくなり特性が向上する。また重合開始剤
あるいは増感剤を混合しておくと効果的に重合を進行さ
せることができる。また電子線でも重合させることがで
きる。たとえば250KVで加速した電子線を用い、か
つ電子線入射側の基板の厚さを十分薄くして(たとえば
100ミクロン)として電子線を入射すれば十分重合さ
せることができた。また重合開始剤を混合して熱で重合
することも可能である。
【0027】配向処理は、従来から用いられている手
段、たとえば基板の素こすり、配向膜を形成してこれを
ラビングする方法、斜方蒸着法、LB膜を用いる方法、
垂直配向剤を用いる方法など、液晶相が配向する方法で
あればなんでも用いることができる。また、配向処理は
片面の基板のみでも効果はある。基板の配向処理の方向
はどんな方向でも良く、また表基板と裏基板で配向方向
が異なっていても構わないが、使用持の光の入射方向お
よび素子に求められる散乱プロファイルに合わせて最適
化する必要がある。また後で示すように高分子の配向方
向を基板表面に対して傾けることにより駆動電圧を低減
して明視方向を最適化することができる。
【0028】ここで用いる液晶は屈折率異方性△nので
きるだけ大きいものがよい。また液晶の誘電異方性は正
のものを用いることができる。液晶の含有量は高分子モ
ノマーに対して50〜97%が最適である。液晶含有量
がこれより少ないと電界に対して応答しなくなり、また
これより多いとコントラストが取れなくなる。また、比
抵抗の高い液晶を用いればアクティブ素子で駆動するこ
とができる。
【0029】ここで用いる2色性色素はここに示したも
のでなくても用いることができ、含有比率も用途に応じ
最適化すれば良い。2色性色素を混合しなければ電界O
FFで透明、電界ONで白く散乱するモードとすること
ができた。
【0030】ここではカイラル成分を混合したが、どの
ようなカイラル成分を用いても構わないし、含有量も用
途に応じて決めれば良い。たくさん入れると駆動電圧が
高くなるがメモリー性が発現する。またカイラル成分を
入れなくても素子として動作する。
【0031】(実施例2)本実施例では高分子前駆体
に、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル
誘導体であり、側鎖に2つ以上の芳香環を持ち、芳香環
の少なくとも1つは水添されていてもよく、これら芳香
環の間にウレタン基あるいはアミド基を持つ高分子前駆
体を用いた例を示す。高分子前駆体として4−メタクリ
ロイロキシフェニル−フェニルカルバメート
【0032】
【数6】
【0033】を用いた。素子の作製条件は実施例1によ
った。
【0034】素子の電気光学特性は実施例1の方法によ
って測定した。3.5Vで表示が反転を始め(反射率5
%)、5Vで飽和した(反射率180%)。
【0035】次に、高分子前駆体にアミド基を用いた例
を示す。高分子前駆体にフェニルカルバモイルフェニル
−4−メタクリレート
【0036】
【数7】
【0037】を用い、実施例1と同じ条件で素子を作製
した。
【0038】素子の電気光学特性は実施例1の方法によ
って測定した。3.5Vで表示が反転を始め(反射率5
%)、5Vで飽和した(反射率180%)。
【0039】以上、高分子前駆体は本実施例で先に示し
たもの以外でも骨格が
【0040】
【数8】
【0041】で示した基本骨格を持てば同様の効果を有
する。ここで重合部はアクリル、メタクリル、クロトン
酸、フマル酸、マレイン酸、ビニル基、エポキシ基な
ど、高分子に用いられる重合基であれば用いることがで
きる。もちろん化学式中のRはアルキル基あるいは他の
置換基でもよい。また熱あるいは電子線により硬化する
重合部を有する高分子前駆体も用いることが出来る。芳
香環については少なくとも1つの芳香環は水添されてい
てもよい。例えば
【0042】
【数9】
【0043】などでもよい。芳香環はフェニル基に限ら
ずビフェニル、ターフェニル、ナフタレン、アントラセ
ンなどの多環系芳香環でも良い。また芳香環の置換様式
をパラ置換としたが、メタ置換、オルト置換でも素子と
して動作する。しかし散乱度が低下しやすい。さらにこ
こでは芳香環には他の芳香環との結合以外に置換基が入
っていないが、後に示すようにシアノ基、ハロゲン基、
アルキル基、アルコキシ基などの置換基を入れることに
より優れた特性を発現させることもできる。また、実施
例1に示したエステル基、後で示すアセチレン基など少
なくとも1つの構造を取り込むこともできる。また、化
合物中のHをフッ素で置換することもできる。
【0044】他の素子構成要素、製造についての条件お
よび応用は実施例1と同じである (実施例3)本実施例では高分子前駆体に、メタクリル
酸エステルあるいはアクリル酸エステル誘導体であり、
側鎖に2つ以上の芳香環を持ち、芳香環の少なくとも1
つは水添されていてもよく、これら芳香環の間にアセチ
レン基を有する例を示す。まず重合部を2つ有する高分
子前駆体を用いた例を示す。高分子前駆体として、ジ
(パラメタクリロイロキシフェニル)アセチレン
【0045】
【数10】
【0046】を用い、他の製造条件については実施例1
と同様の条件によった。液晶と高分子を相分離させた。
【0047】こうして得られた表示素子について実施例
1と同様の方法により電気光学特性を測定した。4Vで
表示反転が始まり(反射率5%)、6Vで飽和した(反
射率210%)。
【0048】次に重合部を1つ持つアセチレン化合物を
用いた例を示す。重合部を1つ持つ高分子前駆体として
パラメタクリロイロキシトラン
【0049】
【数11】
【0050】を用いた。高分子前駆体以外の製造条件は
実施例1と同様である。
【0051】電気光学特性は実施例1と同様に測定し、
3.5Vで表示反転が始まり(反射率5%)5.5Vで
飽和した(反射率200%)。
【0052】次に三重結合を2つ介在しアルキル側鎖を
含まない高分子前駆体を用いた例を示す。実施例1にお
ける条件で素子を作製した。ここでは高分子前駆体とし
て1−(4’−メタクリロイロキシフェニル)−4−フ
ェニル−1、3−ブタジイン
【0053】
【数12】
【0054】を用いた。
【0055】次に実施例1と同じ方法で素子の電気光学
特性を測定した。3.5Vで表示反転が始まり(反射率
5%)、5.5Vで飽和した(反射率200%)。
【0056】ここで用いる高分子前駆体は重合部を2つ
持つものについては一般式
【0057】
【数13】
【0058】重合部を1つ持つものについては一般式
【0059】
【数14】
【0060】と書ける。ここでX,Y,1,m,nの組
み合わせで様々な化合物を用いる事ができる。たとえば
n=2としてアセチレン骨格を2つつなげる事もでき
る。
【0061】Xはnが複数の場合、複数回繰り返される
事になるが、もちろん各回ごとに骨格を変えても良い。
mについても同様である。芳香環とアセチレン骨格の他
に屈折率異方性を増大する骨格を有していても構わな
い。さらにこれらの高分子前駆体を他の高分子前駆体、
たとえばビフェニルメタクリレ−トなど1官能性高分子
前駆体と混合して用いても良い。ここで重合部はアクリ
ル、メタクリル、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、
ビニル基、エポキシ基など、高分子に用いられる重合基
であれば用いることができる。もちろん化学式中のRは
アルキル基あるいは他の置換基でもよい。また熱あるい
は電子線により硬化する重合部を有する高分子前駆体も
用いることが出来る。芳香環については少なくとも1つ
の芳香環は水添されていてもよい。芳香環はフェニル基
に限らずビフェニル、タ−フェニル、ナフタレン、アン
トラセンなどの多環系芳香環でも良い。また芳香環の置
換様式をパラ置換としたが、メタ置換、オルト置換でも
素子として動作する。しかし散乱度が低下しやすい。さ
らにここでは芳香環には他の芳香環との結合以外に置換
基が入っていないが、後に示すようにシアノ基、ハロゲ
ン基、アルキル基、アルコキシ基などの置換基を入れる
ことにより優れた特性を発現させることもできる。ま
た、先に示したエステル基、アミド基、ウレタン基など
少なくとも1つの構造を取り込むこともできる。また、
化合物中のHをフッ素で置換することもできる。
【0062】本実施例では2官能と1官能の高分子前駆
体について示したが、2官能の高分子前駆体は1官能の
高分子前駆体と混合して用いると駆動電圧の低いかつ耐
熱性耐久性のよい表示素子を作製することができる。
【0063】(実施例4)本実施例では、高分子前駆体
がアクリル酸あるいはメタクリル酸のアミドである例を
示す。高分子前駆体にビフェニルメタクルアミド
【0064】
【数15】
【0065】を用い、実施例3と同じ条件で素子を作製
した。
【0066】素子の電気光学特性は実施例1の方法によ
って測定した。3.5Vで表示が反転を始め(反射率5
%)、5Vで飽和した(反射率180%)。
【0067】N−メチルビフェニルメタクルアミドなど
も同様に用いることができる。
【0068】ここで用いる高分子前駆体は
【0069】
【数16】
【0070】に示したように、側鎖口が芳香環を有して
いればよく、その芳香環が複数であっても表示素子とし
て機能する。本実施例以外の実施例においても重合部と
側鎖部を結合するエステル基をアミド基に変更すれば同
様に高分子前駆体として用いることができる。表示素子
を作製することができる。芳香環はフェニル基に限らず
ビフェニル、タ−フェニル、ナフタレン、アントラセン
などの多環系芳香環でも良い。また芳香環の置換様式を
パラ置換としたが、メタ置換、オルト置換でも素子とし
て動作する。ここは芳香環には他の芳香環との結合以外
に置換基が入っていないが、後に示すようにシアノ基、
ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基などの置換基を
入れることにより優れた特性を発現させることもでき
る。また、先に示したエステル基、アミド基、ウレタン
基、アセチレン基など少なくとも1つの構造を取り込む
こともできる。また、先に示したエステル基、アミド
基、ウレタン、アセチレン基など少なくとも1つの構造
をとりこむこともできる。また、化合物中のHをフッ素
で置換することもできる。ここで重合部はアクリル、メ
タクリル、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、ビニル
基、エポキシ基など、高分子に用いられる重合基であれ
ば用いることができる。もちろん化学式中のRはアルキ
ル基あるいは他の置換基でもよい。また本化合物ではN
を含むため、NにH、CH3、アルキル基そのほかの置
換基を導入できる。もちろん重合性の置換基でもよい。
【0071】(実施例5)本実施例では高分子前駆体に
含まれる芳香環にシアノ基、ハロゲン基、あるいは芳香
環が直接あるいは間接的に結合している例を示す。高分
子前駆体としては
【0072】
【数17】
【0073】に示したようにビフェニルメタクリレ−ト
にシアノ基、フロロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード
基、芳香環などを置換したものを用いた。液晶材料、基
板関係、製造条件、測定条件は実施例1によった。電気
光学特性はシアノ基を置換した場合で3Vで表示状態が
反転し始め(反射率5%)4.5Vで飽和した(反射率
200%)。ハロゲン基を置換すると無置換に比べ電界
印加時の反射率が向上し、ヨード基(反射率195%)
>ブロモ基(反射率190%)>クロロ基(反射率18
5%)l>フロロ基(反射率180%)の順で特性が向
上している。またフェニル基で置換した場合は反射率2
20%で非常に明るい表示が可能である。
【0074】また芳香環の置換様式をパラ置換とした
が、メタ置換、オルト置換でも素子として動作する。こ
こで用いた高分子前駆体の基本骨格は、芳香環にフェニ
ル基のほか、ビフェニル、タ−フェニル、ナフタレン、
アントラセンなどの多環系芳香環や、本実施例以外の実
施例での基本骨格も用いることができる。たとえば
【0075】
【数18】
【0076】
【数19】
【0077】
【数20】
【0078】
【数21】
【0079】ここに示したように直接あるいは間接的に
ここに示した置換基が導入されていればよく、その数も
1つに限らない。またここに示したエステル基、アミド
基、ウレタン基、アセチレン基などを異なる種類も含め
て2つ以上含んでいてもよい。要するに、基本となる高
分子前駆体として本発明で示した化合物をすべて用いる
ことができるのである。また置換様式はバラ置換に限ら
ずメタ置換オルト置換も利用できる。もちろん複数種類
の置換基が導入されていても同様の効果を示す。置換基
として芳香環を用いる場合にはその芳香環がここに示し
たような置換基、アルキル基、アルコキシ基が直接ある
いは間接的に少なくとも1つ以上また少なくとも1種類
以上置換していてもよい。またここに示した高分子前駆
体同士あるいは他の実施例で示した高分子前駆体と混合
して用いてもよい。ここで重合部はアクリル、メタクリ
ル、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、ビニル基、エ
ポキシ基など、高分子に用いられる重合基であれば用い
ることができる。もちろん化学式中のRはアルキル基あ
るいは他の置換基でもよい。化学式21についてはNを
含むため、NにH、CH3、アルキル基そのほかの置換
基を導入できる。もちろん重合性の置換基でもよい。
【0080】(実施例6)本実施例ではフッ素を含有す
る高分子前駆体を用いた例を示す。高分子前駆体として
ペンタフロロベンゾイロキシフェニルメタクリレート
【0081】
【数22】
【0082】を用い、液晶、基板回り、製造条件は実施
例1と同じである。電気光学特性を測定したところ、
3.3Vで表示状態が反転し始め(反射率5%)、4.
6Vで飽和した(反射率200%)。
【0083】ここで用いる高分子前駆体は、先に示した
例の他重合部にフッ素の入った化合物、たとえば
【0084】
【数23】
【0085】ここでYl、Y2、Y3は少なくともいず
れかがフッ素を含んでいて、H、F、CH3、CF3な
どのアルキル基を用いることが望ましいが、他の置換基
でもよい。Rは望ましくは少なくとも1つ以上フェニル
基を含むエステル置換基を用いる。たとえば−CO2−
C6F4−C6F5、−CO2−C6F4−C6F4−
OCO−C6F5(Fは部分的にH、あるいは他の置換
基たとえばフェニル基でもよい)などを用いることがで
きる。エステル基が逆に結合していても良い。さらに望
ましくはこのフェニル基にフッ素が置換されていると良
い。Rはエステル置換基の他にエーテル置換基、アルキ
ル置換基などを用いてもよいが、屈折率が液晶に近い物
を選ぶことが基本となる。またフッ素置換量及び置換部
位については、重合前において高分子前駆体は液晶と相
溶し、重合した後には液晶及び色素とは相溶しない程度
のフッ素置換量と置換部位を選定することが好ましい。
Rが先に示した重合部位を含んでいても、すなわち1つ
の化合物の中に複数の重合部を持っていても良い。たと
えば
【0086】
【数24】
【0087】
【数25】
【0088】のような化合物でも良い。またここではベ
ンゼン環の置換様式がすべてバラ位である場合を示した
が、メタ位、オルト位でも良い。さらにこれらの高分子
前駆体同士あるいは他の高分子前駆体、たとえばビフェ
ニルアクリレートなどと混合して用いても良い。ここで
重合部はアクリル、メタクリル、クロトン酸、フマル
酸、マレイン酸、ビニル基、エポキシ基など、高分子に
用いられる重合基であれば用いることカできる。このよ
うに紫外線重合或いは電子線重合する物であれば用いる
ことができる。この他熱重合する重合部も用いることが
できる。
【0089】(実施例7)本実施例では高分子前駆体と
して芳香環に直接的あるいは間接的にアルキル基あるい
はアルコキシ基が置換している例を示す。
【0090】まず実施例1において芳香環上にアルコキ
シ基を有するものを用いた例を示す。高分子前駆体以外
では実施例3と同様な条件で素子を作製した。ここでは
高分子前駆体として4−(4’−ブトキシベンゾイル)
フェニルメタクリレート
【0091】
【数26】
【0092】を用いた。実施例1と同様の方法で電気光
学特性を測定したところ、3Vで表示が反転し始め(反
転率5%)、4.5Vで飽和した(反射率200%)。
同様に透過型でも効果を有する。
【0093】次に実施例1において芳香環上にアルキル
側鎖を有するものを用いた例を示す。高分子前駆体以外
では実施例3と同様な条件で素子を作製した。ここでは
高分子前駆体として4−(4’−ベンチルベンゾイル)
フェニルメタクリレート
【0094】
【数27】
【0095】を用いた。実施例1と同様の方法で電気光
学特性を測定したところ、3Vで表示が反転し始め(反
射率5%)、4.4Vで飽和した(反射率200%)。
【0096】次に、実施例2で示した基本骨格にアルキ
ル鎖が結合した例を用いた例を示す。ここでは高分子前
駆体として4−メタクリロイロキシフェニル−4’−ブ
トキシフェニルカルバメート
【0097】
【数28】
【0098】を用いた。素子の作製条件は実施例1によ
った。素子の電気光学特性は実施例1の方法によって測
定した。3.4Vで表示が反転を始め(反射率5%)、
4.8Vで飽和した(反射率180%)。
【0099】次に実施例3で示した基本骨格に、アルコ
キシ基が結合した例を示す。実施例1と同じ条件で素子
を作製した。ここでは高分子前駆体として4−メタクリ
ロイロキシ−4’−へキシロキシトラン
【0100】
【数29】
【0101】を用いた。実施例1と同じ方法で素子の電
気光学特性を測定した。3.4Vで表示反転が始まり
(反射率5%)、5.4Vで飽和した(反射率200
%)。
【0102】次にアルキル基あるいはアルコキシ基が芳
香環に間接的に結合している例を示す。
【0103】
【数30】
【0104】ここでは芳香環とアルキル基を結合させて
いる基はエステル、エーテル、アミドあるいはアルキル
鎖などである。この場所の構造によってそれほど特性は
変化しない。
【0105】本実施例で用いた高分子前駆体のように、
アルキル基あるいはアルコキシ基を導入することによ
り、反射率を向上すると同時に、しきい電圧を低下させ
ることができる。基本になる高分子前駆体として、本発
明のすべての実施例で示した化合物を用いることができ
る。アルキル基あるいはアルコキシ基の長さについて
は、炭素数9個までは実験しており、素子として動作す
ることが確認された。アルキル基あるいはアルコキシ基
は長すぎると透明時の反射率が上がってしまいコントラ
ストが悪くなる。望ましくは、炭素数が3〜6のものが
良く直接芳香環部に結合しいても良く、またエーテル、
エステル結合などへテロ原子を介して結合していても良
い。置換位置についてはパラ置換ですべて実験したが、
メタあるいはパラ置換でも同様の効果が期待できる。こ
れらアルキル基あるいはアルコキシ基上はハロゲン原
子、シアノ分子など双極子モーメントの大きいもので置
換されていても良い場合がある。またこれらの置換基は
複数芳香環上に置換していてもよい。ここで重合部はア
クリル、メタクリル、クロトン酸、フマル酸、マレイン
酸、ビニル基、エポキシ基など、高分子に用いられる重
合基であれば用いることができる。もちろん化学式中の
メタクリル基のCH3はアルキル基あるいは他の置換基
でもよい。
【0106】(実施例8)本実施例は高分子前駆体が光
学活性である例を示した。用いる高分子前駆体は4’−
(2’’(S)−メチルプロピロキシ)ビフェニル−4
−メタクリレート
【0107】
【数31】
【0108】であり、液晶材料、素子回り、製造条件は
実施例1によった。素子の電気光学特性を測定した。す
ると、3Vで表示状態が反転し始め(反射率5%)、
4.5Vで飽和した(反射率200%)。
【0109】ここで高分子前駆体は本実施例で用いたも
の以外でも光学活性であれば同様の効果を示す。たとえ
ば一般式
【0110】
【数32】
【0111】例として4−(2'(S)−メチルプロピ
ロキシ)フェニルメタクリレート
【0112】
【数33】
【0113】などを用いることができる。すなわち本発
明のすべての実施例で示した化合物にカイラル中心を持
つ置換基を導入すればよい。芳香環に対する置換様式は
ここではパラ置換としたがメタ置換でもオルト置換でも
良い。また同時にほかの置換基で置換されていてもよ
い。また光学活性な高分子前駆体を高分子前駆体の1成
分として用いることもできる。ここで重合部はアクリ
ル、メタクリル、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、
ビニル基、エポキシ基など、高分子に用いられる重合基
であれば用いることができる。もちろん化学式中のRは
アルキル基あるいは他の置換基でもよい。
【0114】次に、高分子前駆体の1種類に光学活性な
ものを用いた例を示す。4’−(2’’(S)−メチル
プロピロキシ)ビフェニル−4−メタクリレートと4−
ビフェニルメタクリレートを1:1で混合したものを高
分子前駆体として用いた。他の構成、製造方法、条件な
どは実施例1と同様である。
【0115】こうして作製した素子は本実施例の先の例
で示した特性と従来例の特性の中間の特性となった。光
学活性な高分子前駆体は骨格により分子旋回能力が異な
る。余り旋回能力が大きいと駆動電圧が高くなるため、
ここに示したように光学不活性な高分子前駆体で薄めて
やる必要がある。
【0116】本実施例では光学活性体としてS体を用い
たが、R体も全く同様に用いることができる。また、こ
こで示した液晶中にはカイラル成分をいれなかったが、
カイラル成分を混合してもコントラスト、明るさをさら
に改善できる。
【0117】(実施例9)本実施例では2官能分子前駆
体と1官能高分子前駆体を混合した例を示す。ここで用
いた高分子前駆体はシアノビフェニルメタクリレートと
フェニルジメタクリレート
【0118】
【数34】
【0119】の混合系(ここでは2:1)である。混合
比はこれに限らない。液晶、素子回り、製造条件は実施
例1によった。これによれば、電気光学特性は1官能高
分子前駆体の特性を損なわずに耐熱性および信頼性を向
上できた(従来100℃で高分子が溶けたが、ここでは
120℃まで高分子は溶けない)。本発明のすベての実
施例での高分子前駆体にも同様の効果が認められた。1
官能高分子前駆体と混合する2官能高分子前駆体は
【0120】
【数35】
【0121】や、実施例3で示した化合物、そのほかH
ikmetらの用いた
【0122】
【数36】
【0123】のような液晶相をとる高分子前駆体、ビス
フェノールA骨格を持つ
【0124】
【数37】
【0125】の様な化合物も用いることができる。この
場合芳香環を必ずしも含む必要はない。たとえば
【0126】
【数38】
【0127】の様なアルキル鎖の両端にアクリルあるい
はメタクリル基がついていてもよい。ここで重合部はア
クリル、メタクリル、クロトン酸、フマル酸、マレイン
酸、ビニル基、エポキシ基など、高分子に用いられる重
合基であれば用いることができる。もちろん化学式中の
Rはアルキル基あるいは他の置換基でもよい。また、2
官能でなくてもよく、例えば3官能あるいはそれ以上の
多官能高分子前駆体でもよい(たとえばM7100(東
亜合成社製)) (実施例10) 本実施例では高分子前駆体を2種類用いた例について示
す。実施例1における基板と同じ物を用いた。ここでは
高分子前駆体として4−ベンゾイロキシフェニルメタク
リレートと、メタクリロイロキシフェニル−4’−メチ
ルフェニルカルバメート
【0128】
【数39】
【0129】を用い、これらの前駆体を1:1(W:
W)で混合し、実施例1と同様の条件で素子を作成し
た。
【0130】素子の電気光学特性は実施例1の方法によ
って測定した。3.5Vで表示が反転を始め(反射率5
%)、5Vで飽和した(反射率180%)。
【0131】なお、高分子前駆体を2種類以上で混合し
て用いることができる場合、混合する前駆体は本発明の
すべての実施例に示した高分子前駆体を用いることがで
きる。またその混合量、さらには液晶との組成比は本実
施例の限りではなく、その都度最適化する必要がある。
またこうした1官能高分子前駆体の混合系に実施例9で
示したように多官能高分子前駆体を混合してもよい。こ
こで重合部はアクリル、メタクリル、クロントン酸、フ
マル酸、マレイン酸、ビニル基、エポキシ基など、高分
子に用いられる重合基であれば用いることができる。
【0132】(実施例11)本実施例では垂直配向処理
を施した基盤を用いた例を示す。図2に本実施例の表示
素子における断面図を示した。素子の作成法について説
明する。基板表面に垂直配向処理を施し、液晶に誘電異
方性が負の液晶RDP00775(ロディック社製、た
だしカイラル成分はいれないか、いれても極微量)以外
は実施例1に同じである。
【0133】用いた高分子前駆体は4’−フロロビフェ
ニルメタクリレート
【0134】
【数40】
【0135】である。
【0136】実施例1の方法で電気光学特性を測定し
た。ただし反射板として無指向性の反射板を用いてい
る。7Vで表示が反転し始め(反射率100%)15V
で飽和した(反射率10%)。特性が水平配向型に比べ
て逆になっているため、異なった用途が期待できる。透
過型で用いてライトバルブにも応用できよう。ここで用
いた高分子前駆体は本発明を代表して用いただけであ
り、本発明のすべての高分子前駆体を用いることができ
る。液晶もここに示したものいがいでも、Δnのおおき
な誘電異方性が負のものであれば用いることができる。
また2色性色素をいれても入れなくても表示素子として
機能する。
【0137】(実施例12)本実施例では高分子の配向
方向を基板表面に対して傾けた例を示す。図3に本実施
例の表示素子における断面図を示した。素子の作製法に
ついて説明する。電極2と5を形成した基板1と6表面
にプレティルト配向処理剤としてJAS23とJIB
(いずれも日本合成ゴム社製)を1:1で混合して塗布
し、乾燥した後に水平配向処理した。こうして作製した
基板を用いて実施例1に沿って表示素子を作製した。
【0138】3Vで表示が反転し始め(反射率5%)4
Vで飽和した(反射率170%)。
【0139】駆動電圧が低くなっていることがわかる。
ここで用いた高分子前駆体は本発明の高分子前駆体を代
表して用いただけであり、本発明のすべての高分子前駆
体を用いることができる。また本実施例は本発明の全て
の実施例に応用できる。
【0140】(実施例13)本実施例では、上述した高
分子前駆体を用い、液晶として比抵抗の高いRDP00
536(ロディック社製)、カイラル成分としてS−1
011(メルク社製)、2色性色素としてS−344
(三井東圧染料社製)を用い、素子基板にアクティブ素
子を用いた例を示す。
【0141】まず、基板間に封入する液晶組成物につい
て説明する。先に示した液晶RDP00536にS−1
011を0.5%、S−344を1.5%混合し、さら
に実施例1で用いた4ベンゾイロキシフェニルメタクリ
レート8%とテトラフロロフェニルジメタクリレート2
%混合した。
【0142】次に、この液晶組成物を封入するアクティ
ブ素子付き基板を説明する。図4に本実施例の表示素子
の一部断面図を示した。アクティブ素子としてMIM素
子を用いた例を示す。基板1には透明電極2としてIT
Oを形成し、表面を配向処理した。基板6にはタンタル
層7を形成した後、その表面を酸化して絶縁層8さらに
そのうえに反射性画素電極9(必要に応じ無指向性反射
処理する)を形成した。アクティブ素子保護のため素子
表面に保護層を設けてもよい。さらにその表面を配向処
理した。これらの基板1及び基板6を間隙5μm程度離
して電極面を向かい合わせて配向方向が上下基板でほぼ
平行になるように固定した。ここではアクティブ素子基
板側を反射処理して対向基板を透明にしたが、逆に対向
基板側を反射処理して素子基板側を透明にすることもで
きる。また、ここでは反射層と電極を一体としたが、電
極と反射層を別々としてもよい。
【0143】こうして作製した空パネルに先に説明した
液晶組成物を封入して、紫外線照射して高分子前駆体を
光重合して液晶と高分子を相分離させた。
【0144】こうして作製した表示素子にMIM素子駆
動用信号を印加する(選択期間60マイクロ秒、非選択
期間16ミリ秒)と、波高値35Vの信号で表示が反転
して反射率150%であった。反射率が先の実施例に比
べて低いのはアクティブ素子基板の開口率が70%と低
いためである。
【0145】液晶は保持率の高いもの、具体的には比抵
抗が高く(10の10乗Ωcm以上)、誘電率の大きな
もので、複屈折性の大きなものであればどのような液晶
でも利用できる。
【0146】カイラル成分はここ示した物に限らず用い
ることができる。カイラル成分としては実施例8に示し
たような高分子前駆体にカイラル中心を持つ物も利用で
きる。また混合比率についてもここに示した量に限らな
い、ただしあまり多くいれるとヒステリシスがおおきく
なって駆動電圧が高くなる傾向がある。
【0147】2色性色素は紫外線領域で吸収の少なく大
きな2色比を有することが望ましい。色素の色について
用途に応じて任意に選ぶことができる。色素の含有量に
ついてはここに示した量に限らないが、あまり多いと色
素が結晶化したり表示が暗くなる。
【0148】重合開始剤についてはここでは用いなかっ
たが、光増感剤も含めて用いることができる。ただし、
比抵抗が低下しやすいため注意して用いる。
【0149】用いる高分子前駆体については、本発明の
すべての実施例で示した高分子前駆体を利用することが
できる。特に2官能あるいは多官能の高分子前駆体を混
合すると高分子含有量を減らしても表示状態の焼き付き
などの現象は生じにくくなる。高分子前駆体の含有量に
ついてはここに示した量でなくてもよいが、あまり少な
いと散乱度が弱くなり、あまり多いと駆動電圧が高くな
る。
【0150】重合条件は、実施例1で示した条件を用い
ることができる。ただし、比抵抗が低下しやすいので注
意して重合する。光強度については3mW/cm2とし
たが、これに限らない。光強度が弱ければ重合時間を長
くし、光強度が強ければ重合時間を短くする。ただしあ
まり光強度が強いと比抵抗が低下しやすい。光重合時間
にわずか加熱(20〜50℃程度)すると重合しやす
い。
【0151】用いる反射性電極についてはここではアル
ミニウムを用いたが、銀、ニッケル、クロムなど光を反
射する電極であれば用いることができる。また電極を透
明なものとし、素子の裏側に反射性背景板9を用いても
良い。
【0152】用いるアクティブ素子についてはここでは
MIM素子を用いたが、後で示すようにTFT素子など
液晶を駆動できる素子であれば用いることができる。
【0153】配向処理については、液晶が配向するよう
な処理であればどのような方法であっても構わない。実
施例12で示したように基板表面に対して傾けて配向さ
せてももちろん構わない。垂直配向処理しても良い。た
だしこの場合液晶として誘電異方性の負の液晶を用いな
ければならない。また配向処理方向については、明視方
向が変わるので用途に応じ最適化すればよい。
【0154】本実施例で反射処理を行わず、色素を入れ
なければ透過型の表示素子或いはライトバルブとして用
いることもできる。
【0155】(実施例14)次にカラーフィルターを用
い、アクティブ素子と組み合わせた場合について例を示
す。図5にTFT素子を用いたカラー表示素子の一部断
面図を示す。実際にはここに示したような各色に対応し
た画素がモザイク状あるいは格子状に配列している。液
晶4および高分子3層については実施例13をそのまま
用いることができる。TFT素子部について説明する。
まず基板6上にゲート電極11、その上にゲート絶縁層
14、さらにその上に半導体層12、ドレイン電極1
3、ソース電極10、反射層を兼ねる画素電極9(必要
に応じ無指向性反射処理する)を形成した。またアクテ
ィブ素子の保護のため画素電極上に保護層を設けても良
い。さらに画素電極上を配向処理した。次に対向基板1
であるが、カラーフィルター15を形成した後透明電極
2を形成し、この上を配向処理した。
【0156】このように2枚の基板を作製して電極側を
内側にして液晶層が5ミクロン程度になるように張り合
わせた。液晶層は5ミクロンでなくてもよいが余り厚く
なると駆動電圧が高くなりTFT素子では駆動できなく
なる。ここではアクティブ素子基板を反射処理したが、
逆に対向基板側を反射処理してもよい。またカラーフィ
ルターの位置は表示素子の表面側でも反射基板側でもよ
い。また電極と基板間でも電極と液晶層との間でもよ
い。
【0157】この間隙に表示モードに応じた液晶と高分
子前駆体混合物を封入して、必要な場合は外場を印加し
て素子を作製した。
【0158】ここで用いる液晶、高分子前駆体、2色性
色素、カイラル成分および製造条件についてはすべて実
施例13を用いることができる。
【0159】本実施例で反射処理を行わず、色素を入れ
なければ透過型の表示素子或いはライトバルブとして用
いることもできる。
【0160】以上、アクティブ素子を用いた例を示した
が、本実施例により反射型大容量カラー表示素子作製が
可となりさらにフルカラー表示も可能となった。
【0161】本実施例ではアクティブ素子としてTFT
素子やMIM素子の他、ここに示した構成とは異なるT
FT、MIM素子も用いることができ、強誘電体を用い
たアクティブ素子などもまったく同様に利用することが
できる。
【0162】(実施例15)本実施例では高分子前駆体
として、エポキシ基を有する重合性化合物を少なくとも
1成分として用いた例を示す。ここでは、
【0163】
【数41】
【0164】を用い、そのほかの材料および製造方法は
実施例1に従って表示素子を製造した。ただし光重合開
始剤として旭電化工業社製のSP−150を高分子前駆
体に対して5%用いた。このようにして作製した表示素
子は先の実施例で示したメタクリルあるいはアクリル系
の高分子を用いた場合と同様の素子特性を示し、3.5
Vで表示状態が反転し始め、5Vで表示状態が反転し
た。
【0165】本実施例で用いる高子前駆体は、先の実施
例において重合部をエポキシ基にした化合物であり、主
として
【0166】
【数42】
【0167】
【数43】
【0168】
【数44】
【0169】
【数45】
【0170】
【数46】
【0171】
【数47】
【0172】
【数48】
【0173】
【数49】
【0174】で表される化合物である。化学式中のZは
0またはNであり、Nの場合にはエポキシ基あるいは側
鎖をさらに1つ導入できる。ここではエポキシ基として
最も一般的なエピクロロヒドリンから誘導される化合物
を示したが、もちろんエポキシ基が導入されてばどのよ
うな置換基が入っていてもかまわない。また、エポキシ
基と芳香環の間にスペーサーとしてアルキル、エーテ
ル、エステル、アミド、ウレタン其などを用いることが
できる。ここに示したそれぞれの化合物を用いた場合の
表示素子の電気光学特性はほぼ先に示した実施例での結
果と同様の傾向を示すが全体として駆動電圧が高くなる
傾向がある。
【0175】光重合開始剤についSP−150のほかS
P−170、GE社製のUV−1014、UVE−10
16、UCC社製のCyracureUVI−697
4、UVI−6990などエポキシ樹脂を光で硬化させ
るときに開始剤、増感剤、あるいは重合触媒として作用
するものであれば用いることができる。またその混合比
率は高分子前駆体に対して触媒量混合すればよく、絶対
量は用いる高分子前媒体により変化するためその都度最
適化すればよい。ただしあまり混合比率が多いと素子の
比抵抗が下がり、信頼性も低下する。
【0176】(実施例16)本実施例では、先の実施例
で上げた高分子前駆体をあらかじめ重合しておき、液晶
と加熱して相溶させ、除冷して液晶中から高分子を析出
させる例を示す。
【0177】用いた高分子前駆体は、実施例1で用いた
4−メンゾイロキシフェニルメタクリレート、液晶はメ
ルク社製のTL202、カイラル成分としてBDH社製
のCB15、2色性色色素として三井東圧染料社製S−
428を混合した。まず、高分子前駐体を紫外線重合
し、高分子化した。これを120℃にて加熱して液晶と
と相溶させ、配向処理を施した電極付きの2枚の基板間
に封入した。このパネルを1℃/minで除冷して高分
子を配向した状態で析出させた。除冷速度はゆっくりな
ほど良く、余り急激に冷却すると高分子が配向しないで
析出する。
【0178】本実施例において、高分子と液晶の比率は
3:97から50:50のあいだであれば素子として機
能する。また、カイラル成分、色素は入れなくても良
い。高分子前駆体、液晶、カイラル成分、2色性色素は
ここに示したもの以外でも先の実施例で示したような材
料であれば用いることができる。またここでは2枚の基
板を用いたが、1枚の基板上に塗布して同様の処理を施
し、更に対向電極を形成して表示素子とすることもでき
る。またこうした1枚基板上に形成した液晶高分子層を
互いに向かい合わせて張り付け、素子化することもでき
る。また先に示した基板として、アクティブ素子を用い
ることもでき、これにより大容量表示素子を作成でき
る。更に先の実施例で示したようにカラーフィルターと
組み合わせてカラーでディスプレイを作成することもで
きる。
【0179】(実施例17)本実施例では、先の実施例
で上げた高分子前駆体をあらかじめ重合しておき、液晶
と加熱して相溶させ、除冷して液晶中から高分子を析出
させる例を示す。
【0180】用いた高分子前駆体は、4−(p−ベンチ
ルベンゾイロキシ)フェニルメタクリレート、液晶はメ
ルク社製のMJ90657、カイラル成分としてチッソ
社製のCM20、2色素として三井東圧染料社製S−3
44を混合した。まず、高分子前駆体を紫外線重合し、
高分子化した。これと液晶をメチルエチルケトンを溶媒
として相溶させ、配向処理を施した電極付きの基板上に
展開した。このパネルを50℃で加熱乾燥し溶媒を留去
して高分子を配向した状態で析出させた。その後対向電
極、あるいは対向電極付きの基板を張り合わせて表示素
子とした。
【0181】高分子の配向状態が悪いようであれば、溶
媒留去した後で実施例16で示したような加熱除冷処理
を施せば良い。
【0182】本実施例において、高分子と液晶の比率は
3:97から50:50の間であれば素子として機能す
る。また、カイラル成分、色素は入れなくても良い.高
分子駆体、液晶、カイラル成分、2色性色素、溶媒はこ
こに示したもの以外でも先の実施例で示したような材料
であれば用いることができる。またここでは2枚の基板
を用いたが、1枚の基板上に塗布して同様の処理を施
し、更に対向電極を形成して表示素子とすることもでき
る。またこうした1枚基板上に形成した液晶高分子層を
互いに向かい合わせて張り付け、素子化することもでき
る。また先に示した基板として、アクティブ素子を用い
ることもでき、これにより大容量表示素子を作成でき
る。更に先の実施例で示したようにカラーフィルターと
組み合わせてカラーディスプレイを作成することもでき
る。
【0183】(実施例18)本実施例では、液晶と高分
子を配向させる基板の内、 少なくとも入射光側の基板
の配向処理方向16が、主な光入射方向18と基板の法
線方向19を含む平面に対して直交する例を示す.簡単
な配置図を図6に示した。本実施例では裏側の基板の配
向処理方向16も表側と同じ方向として、比較例として
本実施例に対して配向処理方を90度回転させて表示素
子を配置した例を示す.用いた表示素子の構成およ製造
方法は本発明で示した実施例を全て用いることができ
る。2色性色素及びカイラル成分を混合した系を用い反
射板20を配置した表示素子について、図7に電気光学
特性を示した。実線は本実施例を示し、破線は比較例を
示す。このように電気光学特性において3割程度反射率
を向上させることができた。裏側の基板での配向処理方
向については表側と同じ方向の他、どのような方向でも
本実施例で示したような効果が得られる。
【0184】(実施例19)本実施例では、液晶と高分
子を配向分散させた層を挟む基板の裏側に波長補正板2
1及び反射板あるいは光散乱板20を配置した例を示
す。
【0185】図8は液晶と高分子を基板表面に対して水
平配向した例であり、図9は液晶と高分子を基板表面に
対して垂直配向した例を示す。ここでは、液晶に2色性
色素を混合して、カイラル成分はいれない系で、波長補
正板として1/4波長板を用いて原理を説明する。
【0186】まず図8について、入射光は図のように垂
直方向と水平方向の偏光に分解して考えることができ
る。このとき、液晶/高分子層17は水平方向16に配
向しているとする。また1/4波長板21の配向方向は
液晶/高分子層の配向方向16と45度程度傾けて配置
している。
【0187】電界無印加では、垂直変偏光は色素の吸収
を受けずにこの液晶/高分子層17を透過して1/4波
長板21を透過して反射あるいは散乱され、再び1/4
波長板を透過すると偏光面が90度回転している。その
ため、今度は液晶/高分子層で色素により吸収が生じ、
表に反射光は出てこない。これに対して水平偏光は、液
晶/高分子層中の2色性色素により吸収される。
【0188】次に電界を印加すると、2色性色素による
吸収が減る。このとき垂直偏光が入射すると、液晶/高
分子層を透過して、さらに1/4波長板を透過して反射
あるいは散乱され、再び1/4波長板を透過すると偏光
面が90度回転している。そのため、今度は液晶/高分
子層で光散乱される。つぎに水平偏光が入射すると、液
晶/高分子層で光散乱が生じる。これによれば全ての偏
光、すなわち自然光は、この表示素子により効率的に変
調できることになる。
【0189】次に図9について説明する。ここでは液晶
/高分子層17は基板表面に対して水平方向23にわず
か傾けて垂直に配向(16)させている。1/4波長板
21は水平方向に対して45度程度傾けて配置してい
る。
【0190】電界無印加では、垂直偏光、水平偏光どち
らも散乱吸収されずに散乱あるいは反射されて戻ってく
る。
【0191】電界を印加すると、液晶と2色性色素は、
主に水平方向23に配向する。ここに垂直偏光が入射す
ると、液晶/高分子層を透過して、1/4波長板を透過
して、散乱あるいは反射されて、再び1/4波長板を透
過する。このとき偏面が90度回転しているため、液
晶/高分子層で色素による吸収と、液晶/高分子界面で
の散乱を同時に受けることになる。次に水平偏光が入射
すると、液晶/高分子中の2色性色素の吸収を受けると
同時に液晶/高分子界面での散乱も同時に受ける。この
ように、全ての偏光すなわち自然光を有効に変調できる
ようになる。
【0192】以上の構成は本発明の全ての実施例に応用
できる。たとえば、カイラル成分を混入した際でも応用
できるし、2色性色素を混合しない系でも同様に応用で
き、散乱強度を向上させることができる。もちろんアク
ティブ素子と組み合わせて大容量表示、カラーフィルタ
ーと組み合わせてカラー表示を行うこともできる。
【0193】(実施例20) 本実施例では、先の実施例で示した表示素子を2組組み
合わせた例を示した。図10に本実施例の構成を示し
た。ここでは水平配向した表示素子を2組、配向方向を
互いに直交させて組み合わせてある。動作原理について
は、実施例19において波長補正板と反射板の代わりに
もう1組の表示素子を配向方向が直交するように配置し
て同様の動作をさせたものと考えることができる。すな
わちカイラル成分を含まないか、あるいはわずかいれた
本発明の表示素子は、電界印加時の散乱特性において偏
光依存性を持つために、まず1枚目の表示素子おいて
散乱されずに透過してきた偏光を、これを散乱するよう
に配置した2枚目の表示素子で散乱することによりあら
ゆる偏光、すなわち自然光を効率的に変調できるように
した。
【0194】以上の構成は本発明の全ての実施例に適応
できる。たとえば、カイラル成分を混入した際でも応用
できるし、2色性色素を混合しない系でも同様に応用で
き、散乱強度を向上させることができる。もちろんアク
ティブ素子と組み合わせて大容量表示、カラーフィルタ
ーと組み合わせてカラー表示を行うこともできる。
【0195】以上すべての実施例で示した化合物は他の
実施例における化合物と混合して用いることができる。
その際の電気光学特性は、それぞれの化合物を用いた際
の特性と中間の特性となることが多い。
【0196】以上述べたすべての実施例において、表示
素子表面に無反射層あるいは反射拡散層を設けると表示
を見やすくなる。
【0197】以上の実施例全てにおいて、とくにカイラ
ル成分を混合しないかあるいはわずか混合した表示素子
においては、偏光特性を有するため、電界制御型偏光素
子として利用することもできる。
【0198】以上述べたように本発明にかかる表示素子
は、従来暗く見ずらかった反射型表示素子を格段に明る
く見やすくすることが可能であり、また従来難しかった
アクティブ素子との組み合わせた可能となり、大容量反
射型ディスプレイを作製することが可能となった。さら
にはカラー化も可能である。これによりコンピュータ端
末の反射型フルカラー大容量ディスプレイ、さらには反
射型壁掛けテレビも可能である。また、簡便な方向で、
電界制御型偏光素子として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における水平配向型表示素
子の断面を簡単に示す図である。
【図2】 本発明の実施例1における垂直配向型表示素
子の断面を簡単に示す図である。
【図3】 本発明の実施例12における傾斜配向型表示
素子の断面を簡単に示す図である。
【図4】 本発明の実施例13におけるアクティブ素子
付き表示素子の一部断面を簡単に示す図である。
【図5】 本発明の実施例14におけるカラーフィルタ
ー付き表示素子の一部断面を簡単に示す図である。
【図6】 本発明の実施例18における表示素子の断面
を簡単に示す図である。
【図7】 本発明の実施例18における表示素子の電気
光学特性を示す図である。
【図8】 本発明の実施例19における水平配向型表示
素子の断面を簡単に示す図である。(A)は電界無印加
での図、(B)は電界印加での図を示す。
【図9】 本発明の実施伽19における垂直配向型表示
素子の断面を簡単に示す図である。(A)は電界無印加
での図、(B)は電界印如での図を示す。
【図10】 本発明の実施例20における2枚重ねの表
示素子を示す図である。(A)は電界無印加での図、
(B)は電界印加での図を示す。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−9540 (32)優先日 平成4年1月22日(1992.1.22) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−106899 (32)優先日 平成4年4月24日(1992.4.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−140343 (32)優先日 平成4年6月1日(1992.6.1) (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 平5−230122(JP,A) 特開 平5−224187(JP,A) 特開 平5−105878(JP,A) 特開 平3−209424(JP,A) 特開 平2−116824(JP,A) 特開 昭63−170485(JP,A) 特開 平5−119304(JP,A) 特開 平4−293996(JP,A) 特開 平4−296719(JP,A) 特開 平4−274219(JP,A) 特開 平4−227684(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 19/00 - 19/56 G02F 1/1334 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶と高分子とからなり、表示素子に用
    いるための液晶高分子層の製造方法であって、 前記高分子は、式(1) M−U−P−S 〔式中、Mは、CH2=CH−、CH 2 =C(CH 3 )−
    またはエポキシ基を表し、Uは、MがCH2=CH−ま
    たはCH 2 =C(CH 3 )−である場合には−COO−ま
    たは−CONR1−を表し、Mがエポキシ基の場合は−
    CH2O−を表し、R1は、HまたはCH3を表し、P
    は、置換されていてもよいフェニレン基を表し、Sは有
    機基を表す。但し、Uが−COO−である場合には、S
    が、フェニルカルボニル基、p−アルキルフェニレンカ
    ルボニル基またはp−アルコキシフェニレンカルボニル
    基である場合、−OCO−CH=CH 2 または−OCO
    −C(CH 3 )=CH 2 である場合、−C(CH 3 2
    (置換されていてもよいフェニレン)−OCO−CH=
    CH 2 または−C(CH 3 2 −(置換されていてもよい
    フェニレン)−OCO−C(CH 3 )=CH 2 である場
    合、および−(フェニレン)m−OCO−CH=CH 2
    または−(フェニレン)m−OCO−C(CH 3 )=C
    2 (mは0または1である。)であって、Pのフェニ
    レン基あるいはS中のフェニレン基にフッ素原子または
    アルキル基が置換されている場合を除く。〕で表される
    化合物を少なくとも1種含有する高分子前駆体を、共重
    合可能な光開始剤を用いることなく重合することにより
    形成されることを特徴とする液晶高分子層の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記高分子前駆体が、上記式(1)の化
    合物からなることを特徴とする請求項1記載の液晶高分
    子層の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記式(1)において、基Sが、M−U
    −基を含むことを特徴とする請求項1記載の液晶高分子
    層の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記式(1)において、基MがCH2
    CH−またはCH 2 =C(CH3)−であり、基Uが−C
    OO−であることを特徴とする請求項1記載の液晶高分
    子層の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記式(1)において、基MがCH2
    CH−またはCH 2 =C(CH3)−であり、基Uが−C
    ONH−であることを特徴とする請求項1記載の液晶高
    分子層の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記式(1)において、基Mがエポキシ
    基であることを特徴とする請求項1記載の液晶高分子層
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記式(1)で表される化合物は、化合
    物中に少なくとも2つの芳香環とこれら芳香環の間にエ
    ステル基を有することを特徴とする請求項1記載の液晶
    高分子層の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記式(1)で表される化合物は、化合
    物中に少なくとも2つの芳香環とこれら芳香環の間にウ
    レタン基またはアミド基を有することを特徴とする請求
    項1記載の液晶高分子層の製造方法。
  9. 【請求項9】前記式(1)で表される化合物は、化合物
    中に少なくとも2つの芳香環とこれら芳香環の間に少な
    くとも1つのアセチレン基を有することを特徴とする請
    求項1記載の液晶高分子層の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記式(1)で表される化合物の基S
    は、アルキル基あるいはアルコキシ基が直接あるいは間
    接に結合された芳香環を有することを特徴とする請求項
    1記載の液晶高分子層の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記式(1)で表される化合物の基S
    は、シアノ基、ハロゲン基あるいは芳香環基が直接ある
    いは間接に結合された芳香環を有することを特徴とする
    請求項1記載の液晶高分子層の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記式(1)で表される化合物中の芳
    香環が少なくとも1つのフッ素原子により置換されてい
    〔但し、式(1)中、基MがCH 2 =CH−またはC
    2 =C(CH 3 )−であり、基Uが−COO−であり、
    基Sが−(フェニレン)m−OCO−CH=CH 2 また
    は−(フェニレン)m−OCO−C(CH 3 )=CH
    2 (mは0または1である。)である場合を除く。〕
    とを特徴とする請求項1記載の液晶高分子層の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 前記式(1)で表される化合物の基S
    は、光学活性基を含むことを特徴とする請求項1記載の
    液晶高分子層の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    液晶高分子層を一対の基板間に挟持して形成することを
    特徴とする液晶高分子層の製造方法。
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