JPH10290592A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH10290592A
JPH10290592A JP9096848A JP9684897A JPH10290592A JP H10290592 A JPH10290592 A JP H10290592A JP 9096848 A JP9096848 A JP 9096848A JP 9684897 A JP9684897 A JP 9684897A JP H10290592 A JPH10290592 A JP H10290592A
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inverter device
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Kazunobu Nagai
一信 永井
Soichi Sekihara
聡一 関原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より少ない個数の位置センサから三相の正弦波
通電信号を形成し、ブラシレスDCモータを正弦波通電
できるインバータ装置を提供する。 【解決手段】三相の巻線を有するモータから発生する誘
起電圧と1個或は2個の位置センサにより検出し、得ら
れた位置センサ信号から三相の概略正弦波信号を形成
し、三相の概略正弦波信号に基づいて、モータを駆動す
るインバータ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置センサ信号に
基づいて通電信号を形成し、ブラシレスDCモータを駆
動するインバータ装置に関する。
【0002】
【従来技術】近年、エアコンなどのファンモータや電気
自動車の駆動用モータ或は洗濯機駆動用のモータとして
は、広範囲の可変速制御や電気消費量の節約等のため
に、ブラシレスDCモータが採用されており、これをイ
ンバータ装置により駆動することが行われている。
【0003】三相の巻線を有するブラシレスDCモータ
の内部には、通常、位置センサとして構成が簡単で安価
であるホールICが、例えば電気角120度毎に3個配
置されている。そして、インバータ装置は、これらのホ
ールICによってロータの回転位置に対応した信号を
得、通電タイミングを形成してブラシレスDCモータの
巻線に電圧を印加し駆動するようになっている。
【0004】ブラシレスDCモータの巻線に印加する電
圧は120度通電方式の矩形波駆動が一般的であるが、
モータの効率向上や低振動化を図ることを目的として、
概略正弦波の電圧をモータに供給できるインバータ装置
として、特願平07−224299号を出願している。
【0005】これは、図9に示すように、3個の位置セ
ンサ信号から三相の矩形波信号を形成して矩形波駆動に
より始動し、その後、概略正弦波の通電に切り替えるも
ので、3個の位置センサによる位置センサ信号を得て、
位置センサ信号が変化する周期を測定する位置センサ周
期測定手段と、位置センサ信号と変化周期に基づいて、
変化周期に対応する電気角よりも高い分解能を有する電
圧位相を決定する電圧位相決定手段と、電圧位相に対応
した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、電圧位相と電
圧率から、三相の概略正弦波の通電波形を形成する通電
波形形成手段と、通電波形に基づいて、三相の巻線に通
電する駆動手段を有するインバータ装置であり、低コス
ト化、低騒音振動を実現している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、更なるコスト
低減が要望されており、これを実現するために位置セン
サの使用個数を減らすことが望まれている。また、矩形
波駆動により発生する始動時の振動騒音の低減も要望さ
れていた。
【0007】本発明は上記事情を鑑みてなされたもので
あり、その目的は、より少ない個数の位置センサから三
相の正弦波通電信号を形成し、ブラシレスDCモータを
正弦波通電できるインバータ装置を提供することにあ
る。
【0008】また、その始動の際、矩形波駆動を伴わな
いインバータ装置を提供することにある。更に、始動前
に、モータの回転状態を検出可能なインバータ装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本インバータ装置は、三相の巻線を有するブラシレ
スモータの該巻線が発生する誘起電圧と夫々一定の位相
関係を有するデジタル信号を出力するn(n:1又は
2)個の位置センサと、n個の位置センサにより得られ
た位置センサ信号から三相の概略正弦波信号を形成する
通電波形形成手段と、三相の概略正弦波信号に基づい
て、三相の巻線に通電する駆動手段を有する。
【0010】また、三相の巻線を有するブラシレスモー
タの該巻線が発生する誘起電圧と夫々一定の位相関係を
有するデジタル信号を出力するn(n:1又は2)個の
センサと、n個の位置センサにより得られた位置センサ
信号が変化する周期を測定する位置センサ周期測定手段
と、n個の位置センサ信号と変化周期に基づいて、変化
周期に対応する電気角よりも高い分解能を有する電圧位
相を決定する電圧位相決定手段と、電圧位相に対応した
電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、電圧位相と電圧率
から、三相の通電波形を形成する通電波形形成手段と、
通電波形に基づいて、三相巻線に通電する駆動手段を有
する。
【0011】更に、電圧率記憶手段に記憶される電圧位
相に対応した電圧率は、正弦波に応じた電圧率である。
n=1の場合、位置センサに対する電源電圧供給線とセ
ンサ信号線を共用する。
【0012】また、n=1の場合、位置センサに対する
電源電圧供給手段と電源電流検出手段を備え、電源電流
検出結果に基づいて、位置センサ信号を判定する位置セ
ンサ信号判定手段を有する。
【0013】n=2の場合、位置センサにより得られる
位置センサ信号は、位置センサの配置により、ロータ位
相の電気角でπ/2ごとに変化する。更に、電圧位相決
定手段は、位置センサ周期測定手段が測定した位置セン
サ信号の変化周期と、変化周期に対応するロータ位相差
と、位置センサ信号の変化時刻と、変化時刻に対応する
ロータ位相と、電圧位相指令とを演算パラメータとして
記憶するパラメータ記憶手段を有し、ある時刻における
電圧位相を、演算パラメータに基づいて演算により決定
する。
【0014】また、変化周期をTs、変化時刻をTx、
変化時刻のロータ位相をPx、電圧位相指令をPrとし
た場合、電圧位相を決定する時刻Tcにおける電圧位相
Pnを、 Pn=Px+Pr+(π/n)×(Tc−Tx)/Ts により求める。
【0015】更に、位置センサ信号の変化タイミングで
位置信号に対応する所定値が書込まれ、位置センサ周期
測定手段によって得られた位置センサ信号の変化周期に
基づいてカウント周期が決定される電気角カウンタを備
え、電圧位相決定手段は、電気角カウンタのカウント値
と位相指令値の和により電圧位相を決定する。
【0016】また、位置センサ信号のπ/nごとの変化
タイミングで位置信号に対応する所定値が書込まれ、位
置センサ周期測定手段によって得られた位置センサ信号
の変化周期に基づいてπ/nごとにカウント周期が決定
される電気角カウンタを備え、電圧位相決定手段は、電
気角カウンタのカウント値と位相指令値の和により電圧
位相を決定する。
【0017】更に、電圧位相の初期値を、n個の位置セ
ンサ信号により決定する指導方法である。また、電圧位
相の初期値を、n個の位置センサ信号により限定できる
範囲の中間地点のロータ位相と、電圧位相指令との和に
よって決定する始動方法である。
【0018】更に、所定のロータ位相にロータを移動さ
せるべく直流励磁を行い、電圧位相の初期値を、所定の
ロータ位相と、電圧位相指令との和によって決定する始
動方法である。
【0019】また、n個の位置センサ信号により限定さ
れるロータ位相のπ/2遅れの電圧位相と、電圧率記憶
手段に記憶された電圧率から、三相の直流励磁通電波形
を形成し、駆動手段により三相巻線に直流励磁を行った
後、電圧位相の初期値を、n個の位置センサ信号により
限定されるロータ位相と、電圧位相指令との和によって
決定する始動方法である。
【0020】更に、モータ巻線電流検出手段を備え、n
=1の場合、位置センサ信号により特定されるタイミン
グで通電を開始し、電流検出手段の結果により通電を停
止する手段と、通電時間を計測する手段と、計測された
通電時間から回転方向を決定する回転方向検出手段を有
する。
【0021】また、位置センサ周期測定手段と、電圧位
相決定手段と、電圧率記憶手段と、通電信号形成手段
と、始動手段とをマイクロコンピュータにより構成し
た。更に、位置センサ周期測定手段と、電圧位相決定手
段と、電圧率記憶手段と、通電信号形成手段と、始動手
段と、回転方向検出手段とをマイクロコンピュータによ
り構成した。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
として、位置センサ1個(n=1)の場合について図1
乃至図8及び図14を参照して説明する。図1は、本発
明の第1の実施の形態を示す電気的構成図である。図1
において交流電源1の両端子は、全波整流回路2bの交
流入力端子に接続され、一方にはリアクトル2aを挿入
している。全波整流回路2bの直流出力端子間には平滑
コンデンサ2cが接続されており、これらリアクトル2
a、全波整流回路2b、平滑コンデンサ2cにより、直
流電源回路2を構成している。そして、直流電源回路2
の出力端子には、三相ブリッジ回路4が接続されてお
り、負側直流母線にはモータ電流検出手段10が設置さ
れている。三相ブリッジ回路4は、エミッタ・コレクタ
間にダイオードを有するトランジスタ(IGBT)Tr
1乃至Tr6が三相ブリッジ接続されている。三相ブリ
ッジ回路4の出力端子4u、4v、4wは、ファン13
を有する三相のブラシレスDCモータ6のスター結線さ
れた各相巻線6u、6v、6wに接続されている。
【0023】従って、三相ブリッジ回路4において、ト
ランジスタTr1乃至Tr3が正側スイッチング素子に
相当し、トランジスタTr4乃至Tr6が負側スイッチ
ング素子に相当する。
【0024】ブラシレスDCモータ(以下、単にモー
タ)6には、図14に示すようにホールIC7aと、オ
ープンコレクタ出力と正側電源との間に接続された抵抗
7bからなる位置センサ7が1個配置されており、直流
電源12aとコンデンサ12bからなるセンサ電源供給
手段12により駆動するように構成されている。位置セ
ンサ7とセンサ電源供給手段12との間には、電源電流
検出手段11が接続され、その出力端子はマイコン8の
入力端子I1に接続され、信号Hsを出力している。電
源電流検出手段11は、ホールIC7aとセンサ電源供
給手段12の間に接続された抵抗11aと、別途設けら
れた基準電圧発生手段11cと、正側入力端子が抵抗1
1aに接続され、負側入力端子ガ基準電圧発生手段11
cに接続されたコンパレータ11bにより構成されてい
る。
【0025】また、マイコン8の入力端子I2には、モ
ータ電流検出手段10の出力信号Siが供給され、入力
端子I3、I4には、それぞれ外部から位相指令信号P
r及び電圧指令信号Daが与えられるようになってい
る。更に、マイコン8は、その内部に有しているROM
8a(電圧率記憶手段、パラメータ記憶手段)に、図2
に示すように、電気角で360度分(0〜359度)に
対応した正弦波一周期の電圧率データDbを記憶してい
る。加えて、マイコン8の内部には、作業領域としての
RAM8bと共に、例えば1μs単位でカウントを繰返
す時間カウンタ8cが内蔵されている。
【0026】PWM回路9は、内部に図示しない三角波
発生器を有し、マイコン8の出力端子O1、O2、O3
から得られる各相の通電信号Du、Dv、Dwと三角波
を比較している。PWM回路9の6つの出力端子から
は、それぞれ駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dv
n、Dwp、Dwnが出力される。また、マイコン8の
出力端子O4からは、駆動回路5に対して、停止・出力
・ブレーキ・テストを指令する信号Soが出力される。
【0027】駆動回路5は、PWM回路9により得られ
る駆動信号Dup乃至Dwuを三相ブリッジ回路4の対
応する各トランジスタTr1乃至Tr6のゲートに供給
するように構成されている。
【0028】次に、本実施の形態の作用について、図3
〜図8及び図14を参照して説明する。図14におい
て、ホールIC7aは、磁界の方向によりオープンコレ
クタ出力端子がロー又はオープンの何れかの状態とな
る。ローの場合には電源線にはホールIC7aの消費電
流と抵抗7bによる電流が流れ、オープンの場合にはホ
ールIC7aの消費電流のみ流れる。つまり、磁界の方
向により電源線に流れる電流(電源電流)に差が生じて
いる。
【0029】電源電流検出手段11の抵抗11aには上
記電源電流に比例した電圧が発生し、これがコンパレー
タ11bの正入力端子に接続され、負入力端子に接続さ
れた基準電圧発生手段11cからの基準電圧と比較され
るから、磁界の方向に応じた電源電流の違いによりコン
パレータ11bの出力信号が変化する。
【0030】図4は、マイコン8のメインフローチャー
トを示している。ステップM1において外部からの信号
などにより与えられる始動条件を判断し、ストップの場
合、ステップM2で出力信号Soとして停止信号を出力
する。これにより、駆動回路5は三相ブリッジ回路4に
対してオフ信号を出力し、モータ6への通電をオフして
いる。更にステップM3で後述する割込み処理ルーチン
の禁止を実行する。
【0031】ステップM1において、始動条件がでスタ
ートの場合は、ステップM4においてセンサ信号Hsが
入力され、ステップM5において後述する図7に示すR
OM8a(パラメータ記憶手段)に格納されているデー
タに基づき、電気角Pxが決定される。この決定は、位
置センサ7の配置に係わって行われ、図3(a),
(b)において、その位置センサ7の配置を定義してい
る。これは、モータ6の各相の巻線6u、6v、6wと
永久磁石の関係を誘起電圧として図3(a)に示し、こ
れに対応する位置センサ信号Hsのタイミングを図3
(b)に示した。図7は、センサ信号Hsと電気角Px
とからなるデータテーブルで、これを使って電気角Px
を設定する。夫々の電気角Pxはセンサ信号Hsにより
得られるロータ位置範囲の中間点を示すものである。そ
して、ステップM6において、電圧位相Pnを次式
(1)に示すように、電気角Pxから90度減算して決
定する。
【0032】Pn=Px−90 ――― (1) そして、ステップM7において、外部から入力される電
圧指令値Daに基づいて、各ステップM8、M9、M1
0で各相の通電信号Du,Dv,Dwの演算及び出力を
行う。ステップM8はU相の通電信号Duを形成するス
テップであり、ステップM8aでROM8a(電圧率記
憶手段)に格納されたデータテーブルを基にステップM
6で決定した電圧位相Pnに基づいて電圧率データDb
の読み出しを行う。次に、ステップM8bで次式(2)
に従って通電信号Duの演算を行う。
【0033】 Du=Db×(Da/255)+128 ――― (2) ここで、電圧率データDbの値域は8ビットデータの2
の補数表現で取り得る“−127〜127”であり、
“0〜255”にシフトさせるため“128”をオフセ
ット値として設定している。電圧指令Daの値域も“0
〜255”で、電圧率データDbに乗算することによ
り、電圧指令に応じた正弦波の振幅を得ることができ
る。そして、ステップM8cにおいてPWM回路9に対
して通電信号Duを出力する。
【0034】次のステップM9及びステップM10にお
いては、上述したステップM8におけるU相の通電信号
Duの演算及び出力と同様に、V相とW相の通電信号D
v、Dwの演算と出力が行われるが、この際、電圧位相
Pnは、ステップM9では式(3)、ステップM10で
は式(4)に従って決定される。
【0035】 Pn=(Px−90)−120 ――― (3) Pn=(Px−90)−240 ――― (4) ステップM11において出力信号Soを出力することに
より、PWM回路9によりパルス幅変調された各相の通
電信号Dup乃至Dwnが三相ブリッジ回路4に出力さ
れ、駆動手段3からモータ6の各相巻線6u、6v、6
wに電流が印加される。すると、モータ6のロータは移
動して、ステップM5における電圧位相Pnの決定の際
に設定した電気角Pxの付近に停止する。
【0036】ステップM12は、上記のロータ位置の移
動に必要な時間から決められている所定時間の経過を判
断するステップであり、所定時間が経過するまで繰り返
す。そして、所定時間が経過すると、ステップM13に
おいて時間カウンタTcを読込んでデータTxとして記
憶した後、ステップM14で始動フラグをセットする。
更に、ステップM15において図5と図6に示す割込み
処理ルーチンの実行を許可をしてステップM1に戻る。
【0037】次に、図5に示す割込み処理ルーチン(S
a)のフローチャートにつき説明する。これは、例えば
100μsごとに実行される時間割込み処理ルーチンで
ある。ステップA1において外部から入力される電圧位
相指令Prを読込んだ後、ステップA2で始動フラグの
判定を行う。ここで、始動フラグは上述したステップM
14においてセットされているから、イエスと判断しス
テップA5で電圧位相Pnの決定を行う。ステップA5
では、上述したステップM5で決定した電気角Pxに基
づいて次式(5)のように、電圧位相Pnを決定する。
【0038】 Pn=Px+Pr+Km ――― (5) ここで、Kは予め設定されているデータで例えば電気角
1度である。mは初期値1でこの処理を実行する度に1
づつ増加するデータである。
【0039】ステップA6乃至A9の処理は、上述した
ステップM7乃至M10と同じであり、各相の通電信号
Du、Dv、Dwを電圧位相指令Prに従って演算し出
力する。
【0040】以上の割込み処理ルーチン(Sa)を繰返
し実行することにより、ステップA5において決定する
電圧位相Pnが徐々に増加することでモータ6を始動さ
せる。そして、モータ6が回転することで、センサ信号
Hsが変化点に至る。
【0041】次に、図6に示す割込み処理ルーチン(S
b)のフローチャートにつき説明する。これは、電気角
180度ごとのセンサ信号の変化により実行される割込
み処理ルーチンである。まず、ステップB1において時
間カウンタの読込みデータTcが読み込まれる。始動フ
ラグがクリアされている場合は、ステップB2で前回の
時間カウンタの読込み処理で得たデータTxと今回の処
理で得たデータTcの差を演算子データTsとして演算
して記憶(式(6a)参照)し、更に今回の読込みデー
タTcをデータTxとして記憶(式(6c)参照)す
る。始動フラグがセットされている場合には、演算子デ
ータTsとして、データTxと今回の読込みデータTc
との差の2倍(式(6b)参照)を求め、今回の読込み
データTcをデータTsとして記憶する(式(6c)参
照)。
【0042】 Ts=Tc−Tx 始動フラグクリアの場合 ――― (6a) Ts=2(Tc−Tx) 始動フラグセットの場合 ――― (6b) Tx=Tc ――― (6c) これらステップB1とステップB2の処理により、セン
サ信号Hsの変化周期、つまりロータが電気角180度
分回転する時間Tsが測定されるが、始動時はセンサ信
号Hsの中間位置から回転を開始しているために電気角
90度の回転となっているので、2倍することで電気角
180度分回転する時間Tsとしている。
【0043】ステップB3で始動フラグをクリアした
後、ステップB4で位置センサ信号Hsを入力し、ステ
ップB5において図8に示す位置センサ信号Hsと電気
角Pxに基づくデータテーブルに基づいて電気角Pxを
得る。図8のデータは、センサ信号Hsの変化点とロー
タ位置電気角Pxの関係を示している。
【0044】位置センサ信号Hsが変化した後もモータ
6は回転を継続するが、始動フラグがクリアされたこと
により割込み処理ルーチン(Sa)が次のように換わ
る。まず、ステップA2の始動フラグの判定がノーとな
り、ステップA3とステップA4の処理が実行される。
ステップA3では時間カウンタの今回の読込みデータT
cが読み込まれ、ステップA4で次式(7)に示す演算
により電圧位相Pnを決定する。ステップA6以降ステ
ップA9までの処理は上述した処理と同様であるので省
略する。
【0045】 Pn=Px+Pr+180×(Tc−Tx)/Ts ――― (7) 以上の構成とマイコンの動作により、モータ6は回転を
継続する。そして、図3(c)で示すように100μs
ごとに電圧位相Pnが演算され、図3(d)に示すよう
に通電信号の波形はロータ位置と電圧指令、位相指令に
対応した正弦波となり、さらに図3(e)に示すような
正弦波の巻線電流が発生する。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態として、
位置センサ1個(n=1)の場合について図10〜図1
3を参照して説明する。第1の実施の形態と同じ構成に
ついては同一符号を付すことにより説明を省略する。図
10は本実施の形態を示す電気的構成図であり、第1の
実施の形態(図1参照)との違いは、マイコン8にその
動作周期が設定可能なタイマー8bが加えられている点
である。
【0047】以下、作用について、図11〜13のフロ
ーチャートを参照して説明する。図11は、マイコン8
のメインフローチャートを示しており、第1の実施の形
態と同様に、ステップM1〜M12の処理で位置センサ
信号Hsに基づいてロータの位置決めを行った後、ステ
ップM13、M14の処理を実行するが、本実施の形態
では、ステップM15の割込み処理の許可を実行する前
に、タイマー8dの周期データTdとして所定値を設定
するステップM16を有している。第1の実施の形態の
割込み処理ルーチン(Sa)に相当する図12に示す割
込み処理ルーチン(Sc)は、タイマー8dによりその
設定された周期データTdを基に発生する割り込み処理
で、ステップM16とステップM15の処理により実行
が始まり、ステップM5で決定された電気角Pxを初期
値として、ステップC1で電気角Pxをカウントアップ
する(式(8)参照)。
【0048】Pn=Px+N ――― (8) ここでNは例えば1(電気角1度)であり、計算結果が
359を越えた場合には360を減じて0〜359の範
囲に調整される。
【0049】ステップC2で電圧位相指令Prを読込ん
だ後、ステップC3において次式(9)を基に電圧位相
Pnを決定する。 Pn=Pr+Px ――― (9) ここでも、上記ステップC1と同様に、“359”を越
えた場合は“360”を減じて“0〜359”の範囲に
調整している。以下のステップC4からステップC7の
処理は、第1の実施の形態におけるステップM7乃至M
10の処理と同じであり説明を省略する。
【0050】図13の割込み処理ルーチン(Sd)は、
第1の実施の形態における割込み処理ルーチン(Sb)
と同様に、電気角180度ごとの位置センサ信号Hsの
変化により発生し、処理内容の違いとしてはステップD
6のタイマー周期Tdの演算設定の処理が追加されてい
る点である。ステップD6は、ステップD2において得
た位置センサ信号変化周期データに基づいて、タイマー
8dの周期データTdを演算・設定するステップである
(式(10)参照)。
【0051】 Td=Ts/(180/N) ――― (10) 以上のマイコンの動作により、ロータ電気角を示す電気
角カウンタ(電気角Px)は、電気角180度ごとに変
化する位置センサ信号Hsに同期して180度より小さ
いN度単位で変化し、これと電圧位相指令Prによって
電圧の位相を決定する。更に、電圧指令と記憶している
波形データから通電信号を形成することにより、正弦波
の通電が可能となる。
【0052】次に、ブラシレスDCファンで、エアコン
の室外ファンや換気扇など、外力により回転させられる
用途に用いられる場合について図15、図16のフロー
チャートを用いて説明する。図15は、回転状態判定処
理ルーチンを示すフローチャートであり、ステップE1
で回転数の検出が行われるが、これは例えば1秒当りの
位置センサ信号Hsの変化回数を検知する。ステップE
2においては、検知された回転数を基に、所定回転数未
満の場合は“停止”と判定し、所定回転数以上の場合は
“回転中”と判定する。“回転中”と判定した場合は、
ステップE3乃至E17のステップを実行して回転方向
の判定を行う。
【0053】ステップE3においては、位置センサ信号
Hsを監視してローからハイに変化するのを待つ。位置
センサ信号Hsがハイとなると、ステップE4で時間カ
ウンタのデータTcを読込むと共に記憶し、ステップE
5においてテスト指令としての信号Soが出力される。
テスト信号Soは、U相正側のトランジスタTr1とV
相負側のトランジスタTr5をオンさせる信号で、モー
タ6の巻線6uから6vに電流が流れる。この電流は増
加を続け、所定値に到達した時に巻線電流検出手段10
の出力である電流信号Siをハイとする。これをステッ
プE6で確認した後、ステップE7で停止指令としての
信号Soを出力して電流を遮断し、ステップE8で再度
時間カウンタのデータTcを読込み、前回読込んだデー
タとの差から通電時間THを求めるステップE9を実行
する。位置センサ信号Hsがローとなった場合もこれと
同様にステップE10乃至E16を実行して、通電時間
TLを求める。
【0054】図3(a),(b)で示した誘起電圧と位
置センサ信号Hsとの関係から、正転の場合と逆転の場
合で次のような違いがある。正転の場合、V相を基準と
したU相の誘起電圧(以下、UV間誘起電圧)は、位置
センサ信号Hsがハイの時に正、位置センサ信号Hsが
ローの時に負として発生しており、逆転の場合は、位置
センサ信号Hsがハイの時に負、ローの時に正として発
生する。
【0055】今、正転とすると、ステップE3乃至E9
の位置センサ信号Hsがハイの時の通電では、誘起電圧
が正で増加するタイミングのために電流の増加は遅く、
所定電流値に到達するまでの時間つまり通電時間THは
長くなる。一方、ステップE10乃至E16の位置セン
サ信号Hsがローの時の通電では、誘起電圧が負で減少
するタイミングであるので電流の増加は早く、所定電流
値に到達するまでの時間つまり通電時間TLは短くな
る。よって、正転の場合は 通電時間TH>通電時間TL となり、逆転の場合は、 通電時間TH<通電時間TL となる。
【0056】以上の関係から、ステップE17において
は通電時間TH及びTLの比較により、回転方向の判定
を行うことができる。図16は、ブラシレスDCファン
の場合の、マイコン8のフローチャートを示しており、
図4に示すメインルーチンのステップM3とステップM
4との間に別のステップを有するフローチャートとなっ
ている。ステップM1の始動条件がスタートの場合に
は、ステップM0の回転状態判定ステップが実行され、
“停止”の場合はステップM4の処理に移行し、位置決
め処理を実行する。
【0057】“逆転”の場合は、ステップG1でブレー
キ指令としての信号Soが出力され、三相ブリッジ回路
4の負側トランジスタTr4、Tr5、Tr6が全てオ
ンとなり、モータ巻線6u、6v、6w、が短絡されて
ブレーキトルクが発生する。ステップG2では、ステッ
プE1と同様に回転数の検出を行い、ステップG3の停
止が確認されるまで継続され、停止確認後にステップM
4の処理に移行する。
【0058】“正転”の場合は、位置決め処理を省略
し、ステップF1で割込み処理ルーチン(Sb)の実行
が許可されて、図6で示した位置センサ信号Hs変化時
の処理が実行される。割込み処理ルーチン(Sb)が2
回行われることにより電気角Px及び位置センサ周期デ
ータが求められ、モータ6の回転に必要な情報が定まる
から、ステップF2で2回の実行を確認後、ステップF
3の割込み処理ルーチン(Sa)の実行の許可と、ステ
ップF4の信号Soの出力が実行される。以って、モー
タ6はインバータ駆動による回転を始める。
【0059】以下、本発明の第3の実施の形態として、
位置センサ2個(n=2)の場合について図17をも参
照しながら説明する。本実施の形態を示す電気的構成で
ある図17において、第1の実施の形態と異なる点は位
置センサ17を2個設けた点と、モータ電流検出手段を
設けていない点であり、他の同一の部分については同一
符号を付すことにより説明を省略する。
【0060】ブラシレスDCモータ(以下、単にモー
タ)6には、2個の位置センサ17a、17bが電気角
で90度の位相差で配置されており、夫々の出力端子は
マイコン8の入力端子I1a、I1bに接続され、信号
Ha、Hbをそれぞれ供給する構成となっている。
【0061】次に、本実施の形態の作用について、第1
の実施の形態で用いた図面を参照しながら説明する。マ
イコン8のメインフローチャートを示す図4において、
外部からの信号などにより与えられる始動条件を判断
(ステップM1)し、ストップの場合は、停止指令とし
ての信号Soを出力(ステップM2)する。これによ
り、駆動回路5は三相ブリッジ回路4に対してオフ信号
を発生し、モータ6への通電をオフすると共に割込み処
理ルーチンの実行を禁止(ステップM3)する。
【0062】ステップM1でスタートの場合は、2個の
位置センサ17a、17bからの位置センサ信号Ha、
Hbが入力され(ステップM4)、ROM8a(パラメ
ータ記憶手段)に格納されているデータテーブル(図1
9参照)から電気角Pxを決定する(ステップM5)。
この決定は、位置センサ17a、17bの配置に係わっ
て行われ、図18(a)、(b)において、その位置セ
ンサ17a、17bの配置を定義している。モータ6の
各相のコイルと永久磁石の関係を誘起電圧として図18
(a)に示し、これに対応する位置センサ信号Ha、H
bのタイミングを図18(b)に示した。
【0063】夫々の電気角Pxはセンサ信号Ha、Hb
により限定されるロータ位置範囲の中間点を示すもので
ある。そして、ステップM6において、電気角Pxから
90度減算した値を電圧位相Pnとして決定する(式
(1)参照)。
【0064】電圧位相Pnが決定された後、電圧指令値
Daを入力(ステップM7)し、各相の通電信号Du、
Dv、Dwの演算と出力を行う(ステップM8、M9、
M10)。ステップM8はU相の通電信号Duを形成す
るステップであり、ステップM8aではROM8a(電
圧率記憶手段)から電圧位相Pnに基づいて電圧率デー
タDbの読み出しを行い、ステップM8bにおいて式
(2)に基づいて通電信号Duの演算を行う。
【0065】ここでも、電圧率データDbの値域は8ビ
ットデータの2の補数表現で取り得る“−127〜12
7”であり、“0〜255”にシフトさせるため“12
8”をオフセット値として設定している。電圧指令Da
の値域も“0〜255”で、電圧率データDbに乗算す
ることにより、電圧指令に応じた正弦波の振幅を得るこ
とができる。そして、ステップM8cでPWM回路9に
対して通電信号Duを出力する。
【0066】ステップM9及びステップM10において
は、それぞれV相の通電信号Dv、W相の通電信号Dw
の演算と出力が行われるが、この際、電圧位相Pnの決
定は、V相では式(3)、W相では式(4)に従い行わ
れる。
【0067】ステップM11において信号Soを出力す
ることにより、PWM回路9によりパルス幅変調された
各相の通電信号Dup乃至Dwnが三相ブリッジ回路4
に出力され、駆動手段3からモータ6の各相巻線6u、
6v、6wに通電され、モータ6のロータは移動して、
電気角Pxの付近に停止する。例えば、最初に電気角8
0度の位置に停止していたとすると、電気角45度付近
に移動することになる。この間、センサ信号はHa=
H、Hb=Lのままである。
【0068】ステップM12においては、上記のロータ
位置の移動に必要な時間から決められている所定時間の
経過を判断し、ステップM13においては、時間カウン
タのデータTcを読込みデータTxとして記憶した後、
ステップM14で始動フラグをセットする。そして、ス
テップM15において図5と図6に示す割込み処理ルー
チンの実行を許可をして、ステップM1に戻る。
【0069】図5で示す割込み処理ルーチン(Sa)で
の処理は、第1の実施の形態と同様であるので説明は省
略する。ただ、モータ6が回転を始める際、ロータが電
気角45度の位置に移動していたとすると、ロータ位置
はHa=H、Hb=LからHa=H、Hb=Hに変化す
ることになる。
【0070】次に、図6で示すフローチャートを用い
て、電気角90度ごとの位置センサ信号Ha、Hbの変
化により実行される割込み処理ルーチン(Sb)につい
て説明する。まず、ステップB1において時間カウンタ
の読込みデータTcが読込まれ、ステップB2において
前回の時間カウンタの読込み処理で得たデータTxと今
回の処理で得たデータTcの差を演算子データTsとし
て記憶し(始動フラグクリアの場合は差をそのまま、始
動フラグセットの場合は差の2倍)、今回の時間カウン
タのデータTcをデータTxとして記憶する(式6a、
6b、6c参照)。
【0071】ステップB1とステップB2により電気角
90度分回転する時間Tsが測定されるが、始動時は位
置センサ信号Ha、Hbの中間位置から回転を開始して
いるために電気角45度の回転となっているので、2倍
することで電気角90度分回転する時間Tsとしてい
る。そして、始動フラグをクリア(ステップB3)した
後、位置センサ信号Ha、Hbを入力(ステップB4)
し、図20に示すLテーブルに基づいて電気角Pxを得
る(ステップB5)。図20のデータは、センサ信号H
a、Hbの変化点とロータ位置電気角Pxの関係を示し
ている。
【0072】位置センサ信号Ha、HbがHa=H、H
b=Hに変化した後も、更にモータ6は回転を継続する
が、始動フラグがクリアされたことにより割込み処理ル
ーチン(Sa)が次のように換わる。ステップA2にお
いて始動フラグの判定がノーとなり、ステップA3で時
間カウンタのデータTcが読み込まれ、ステップA4で
式(7)に基づき電圧位相Pnを決定する。ステップA
6乃至A9の処理は同様である。
【0073】以上の構成とマイコンの動作により、モー
タ6は回転を継続する。そして、図18(c)で示すよ
うに100μsごとに電圧位相Pnが演算され、ず18
(d)に示すように通電信号の波形はロータ位置と電圧
指令、電圧位相指令に対応した正弦波となり、図18
(e)に示すような正弦波の巻線電流が発生する。
【0074】次に、本発明の第4の実施の形態として、
位置センサ2個(n=2)の場合に図21をも参照しな
がら説明する。第3の実施の形態と同じ部分は同一符号
を付すことにより説明を省略する。図21本実施の形態
を示す電気的構成図であり、第3の実施の形態との違い
は、マイコン8にその動作周期が設定可能なタイマー8
bが加えられている点である。
【0075】以下、作用について、第2の実施の形態で
用いた図11乃至図13のフローチャートを参照して説
明する。図11において、第3の実施の形態と同様に、
ステップM1乃至M12の処理で位置センサ信号Ha、
Hbに基づいてロータの位置決めを行った後、ステップ
M13、M14の処理を実行するが、ステップM15の
割込み処理の許可を実行する前にタイマー8dの周期デ
ータTdとして所定値を設定している(ステップM1
6)。図12に示す割込み処理ルーチン(Sc)は、タ
イマー8dによりその設定された周期データTdを基に
発生する割り込み処理で、ステップM16とステップM
15の処理により実行が始まる。そして、電気角Pxを
初期値として、ステップC1で電気角Pxをカウントア
ップする(式(8)参照)。ここでNは例えば1つまり
電気角1度であり、また、計算結果が“359”を越え
た場合には“360”を減じて“0〜359”の範囲に
調整される。
【0076】ステップC2で電圧位相指令Prを読込ん
だ後、ステップC3で電圧位相Pnが決定される(式
(9)参照)、ここでも同様に、“0〜359”の範囲
に調整される。以下のステップC4からステップC7の
処理は、第3の実施の形態と同じであり説明を省略す
る。
【0077】図13の割込み処理ルーチン(Sd)は、
電気角90度ごとの位置センサ信号Ha、Hbの変化に
より発生し、タイマー周期の演算と設定処理が追加され
ている点で、割込み処理ルーチン(Sb)と異なる。ス
テップD6では、位置センサ信号変化周期データに基づ
いてタイマー8dの周期データTdを演算・設定する
(式(10)参照)。
【0078】以上のマイコンの動作により、ロータ電気
角を示す電気角カウンタ(電気角Px)は、電気角90
度ごとに変化する位置センサ信号Ha、Hbに同期し
て、90度より小さいN度単位で変化し、これと電圧位
相指令Prによって電圧の位相を決定する。更に、電圧
指令と記憶している波形データから通電信号を形成する
ことにより、正弦波の通電が可能となる。
【0079】本発明は、上記した実施例に限定されるも
のでなく、以下のような変形又は拡張が可能である。電
圧指令Da及び電圧位相指令Prを外部から与えられる
としたが、マイコン内部で、例えば、時間により変化さ
せたり、回転数検出を行いこれにより決定するなどして
もよい。
【0080】位置センサ信号により初期位置を決定して
通電によりロータ位置を移動させているが、モータの極
数が多い場合などは、初期位置のみ決定し通電によるロ
ータ位置の移動を省略してもよい。
【0081】ロータ位置センサはホールICとしたが、
光素子などのセンサを使用してもよい。また、n=2の
場合には、加速中にも正弦波を継続可能であり、正反転
の急加速を繰り返す洗濯機にも適用することができ、特
に駆動源と被駆動体との間の機械的伝達機構を使用しな
いダイレクトドライブ方式の洗濯機に使用すると、低振
動化、低騒音化を実現することができる。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、1個或は2個の位置セ
ンサで三相のブラシレスDCモータを駆動できるから、
センサ及びその配線に係るコストの低減が可能である。
1個或は2個の位置センサ信号から三相の正弦波通電信
号を形成できるから、ブラシレスDCモータを低振動・
低騒音で駆動できる。
【0083】始動時、位置決めの通電によりロータ位置
の初期化を実施しているため、始動を含めて正弦波駆動
が可能で、矩形波駆動による始動と比較して、低振動・
低騒音で駆動できる。
【0084】始動時のロータ位置の初期化は位置センサ
信号に基づいて行っているから、位置決めによるロータ
の移動は最小限となり、始動時間の増加を防止してい
る。1個或は2個の位置センサはデジタル信号を出力す
るものであり、通電波形形成に至るまでデジタル手段を
使用しているから、アナログ手段を含むものと比較し
て、温度など環境要因に影響されない。同時に、集積化
が容易である。
【0085】位置センサの電源線と信号線との共有して
いるから、配線が2本のみとなり、コスト低減が実現さ
れる。始動前の回転方向の判定ができるから、外力によ
り回転させられる用途のエアコンの室外ファンや換気扇
などブラシレスDCファンや、洗濯機駆動源でも使用で
きる。マイコンを使用し、ソフトウエアを中心に構成し
ているから、インバータの小形化・低コスト化が可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における要部の電気
的構成を示す図。
【図2】正弦波一周期の電圧率データを示す図。
【図3】モータを誘起電圧に基づく駆動信号によって駆
動する場合のタイミングチャート。
【図4】マイクロコンピュータのメインルーチンの制御
内容を示すフローチャート。
【図5】割込み処理ルーチンSaの制御内容を示すフロ
ーチャート。
【図6】割込み処理ルーチンSbの制御内容を示すフロ
ーチャート。
【図7】電気角データテーブルの内容を示す図。
【図8】電気角データテーブルの内容を示す図。
【図9】従来技術の要部の電気的構成を示す図。
【図10】本発明の第2の実施の形態における要部の電
気的構成を示す図。
【図11】マイクロコンピュータのメインルーチンの制
御内容を示すフローチャート。
【図12】割込み処理ルーチンScの制御内容を示すフ
ローチャート。
【図13】割込み処理ルーチンSdの制御内容を示すフ
ローチャート。
【図14】位置センサの電気的構成図。
【図15】回転状態判定処理内容を示すフローチャー
ト。
【図16】メインルーチンの制御内容を示すフローチャ
ート。
【図17】本発明の第3の実施の形態における要部の電
気的構成を示す図。
【図18】モータを誘起電圧に基づく駆動信号によって
駆動する場合のタイミングチャート。
【図19】電気角データテーブルの内容を示す図。
【図20】電気角データテーブルの内容を示す図。
【図21】本発明の第4の実施の形態における要部の電
気的構成を示す図。
【符号の説明】
2は直流電源回路、3は駆動手段、4は三相ブリッジ回
路、5は駆動回路、6はモータ、7は位置センサ、8は
マイコン、9はPWM回路、10は電流検出回路、11
は電源電流検出回路、12はセンサ電源供給手段を示
す。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三相の巻線を有するブラシレスDCモータ
    の該巻線が発生する誘起電圧と夫々一定の位相関係を有
    する信号を出力するn(n:1又は2)個の位置センサ
    と、 前記n個の位置センサにより得られた位置センサ信号か
    ら三相の概略正弦波信号を形成する通電波形形成手段
    と、 前記三相の概略正弦波信号に基づいて、前記三相の巻線
    に通電する駆動手段を具備したことを特徴とするインバ
    ータ装置。
  2. 【請求項2】三相の巻線を有するブラシレスDCモータ
    の該巻線が発生する誘起電圧と夫々一定の位相関係を有
    する信号を出力するn(n:1又は2)個の位置センサ
    と、 前記n個の位置センサにより得られた位置センサ信号が
    変化する周期を測定する位置センサ周期測定手段と、 前記n個の位置センサ信号と前記変化周期に基づいて、
    前記変化周期に対応する電気角よりも高い分解能を有す
    る電圧位相を決定する電圧位相決定手段と、 前記電圧位相に対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手
    段と、 前記電圧位相と前記電圧率から、三相の通電波形を形成
    する通電波形形成手段と、 前記通電波形に基づいて、前記三相巻線に通電する駆動
    手段を具備したことを特徴とするインバータ装置。
  3. 【請求項3】前記位置センサは、ディジタル信号を出力
    するセンサであることを特徴とする請求項1或は2のい
    ずれかに記載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に対
    応した電圧率は、正弦波に応じた電圧率であることを特
    徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】n=1の場合、位置センサに対する電源電
    圧供給線とセンサ信号線を共用したことを特徴とする請
    求項2乃至4のいずれかに記載のインバータ装置。
  6. 【請求項6】n=1の場合、位置センサに対する電源電
    圧供給手段と電源電流検出手段を備え、 電源電流検出結果に基づいて、位置センサにより得られ
    た位置センサ信号を判定する位置センサ信号判定手段を
    具備したことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに
    記載のインバータ装置。
  7. 【請求項7】n=2の場合、位置センサにより得られる
    2つの位置センサ信号は、ロータ位相の電気角でπ/2
    ごとに変化することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかに記載のインバータ装置。
  8. 【請求項8】電圧位相決定手段は、位置センサ周期測定
    手段が測定した位置センサ信号の変化周期と、前記変化
    周期に対応するロータ位相差と、位置センサ信号の変化
    時刻と、前記変化時刻に対応するロータ位相と、電圧位
    相指令とを演算パラメータとして記憶するパラメータ記
    憶手段を有し、 ある時刻における電圧位相を、前記演算パラメータに基
    づいて演算により決定することを特徴とする請求項2乃
    至7のいずれかに記載のインバータ装置。
  9. 【請求項9】変化周期をTs、変化時刻をTx、変化時
    刻のロータ位相をPx、電圧位相指令をPrとした場
    合、電圧位相を決定する時刻Tcにおける電圧位相Pn
    を、 Pn=Px+Pr+(π/n)×(Tc−Tx)/Ts により求めることを特徴とする請求項8に記載のインバ
    ータ装置。
  10. 【請求項10】位置センサ信号の変化タイミングで位置
    信号に対応する所定値が書込まれ、位置センサ周期測定
    手段によって得られた位置センサ信号の変化周期に基づ
    いてカウント周期が決定される電気角カウンタを備え、 電圧位相決定手段は、前記電気角カウンタのカウント値
    と位相指令値の和により電圧位相を決定することを特徴
    とする請求項2乃至7のいずれかに記載のインバータ装
    置。
  11. 【請求項11】位置センサ信号のπ/nごとの変化タイ
    ミングで位置信号に対応する所定値が書込まれ、位置セ
    ンサ周期測定手段によって得られた位置センサ信号の変
    化周期に基づいてπ/nごとにカウント周期が決定され
    る電気角カウンタを備え、 電圧位相決定手段は、前記電気角カウンタのカウント値
    と位相指令値の和により電圧位相を決定することを特徴
    とする請求項2乃至7のいずれかに記載のインバータ装
    置。
  12. 【請求項12】始動時における電圧位相の初期値を、n
    個の位置センサ信号により決定することを特徴とする請
    求項1乃至11のいずれかに記載のインバータ装置。
  13. 【請求項13】始動時における電圧位相の初期値を、n
    個の位置センサ信号により限定できる範囲の中間地点の
    ロータ位相と、電圧位相指令との和によって決定するこ
    とを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のイ
    ンバータ装置。
  14. 【請求項14】所定のロータ位相にロータを移動させる
    べく直流励磁を行い、始動時における電圧位相の初期値
    を、前記所定のロータ位相と、電圧位相指令との和によ
    って決定することを特徴とする請求項1乃至11のいず
    れかに記載のインバータ装置。
  15. 【請求項15】n個の位置センサ信号により限定される
    ロータ位相のπ/2遅れの電圧位相と、前記電圧率記憶
    手段に記憶された前記電圧率から、三相の直流励磁通電
    波形を形成し、前記駆動手段により三相の巻線に直流励
    磁を行った後、始動時における電圧位相の初期値を、n
    個の位置センサ信号により限定される前記ロータ位相
    と、電圧位相指令との和によって決定することを特徴と
    する請求項1乃至11のいずれかに記載のインバータ装
    置。
  16. 【請求項16】モータ巻線電流検出手段を備え、 n=1の場合、位置センサ信号により特定されるタイミ
    ングで通電を開始し、電流検出手段の結果により通電を
    停止する手段と、 前記通電時間を計測する手段と、 計測された通電時間から回転方向を決定する回転方向検
    出手段を具備したことを特徴とする請求項1乃至6及び
    8乃至15のいずれかに記載のインバータ装置。
  17. 【請求項17】位置センサ周期測定手段と、電圧位相決
    定手段と、電圧率記憶手段と、通電信号形成手段と、始
    動手段とをマイクロコンピュータにより構成したことを
    特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のインバ
    ータ装置。
  18. 【請求項18】位置センサ周期測定手段と、電圧位相決
    定手段と、電圧率記憶手段と、通電信号形成手段と、始
    動手段と、回転方向検出手段とをマイクロコンピュータ
    により構成したことを特徴とする請求項1乃至6及び8
    乃至16のいずれかに記載のインバータ装置。
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