JP3481405B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP3481405B2
JP3481405B2 JP30020796A JP30020796A JP3481405B2 JP 3481405 B2 JP3481405 B2 JP 3481405B2 JP 30020796 A JP30020796 A JP 30020796A JP 30020796 A JP30020796 A JP 30020796A JP 3481405 B2 JP3481405 B2 JP 3481405B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシレスモータ
の複数の巻線に通電して該ブラシレスモータを駆動する
インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコン等のファンモータ、電気
自動車の駆動用モータ、または、洗濯機の駆動用モータ
としてブラシレスモータを使用することにより、可変速
度制御を広範囲で実行可能にすると共に、電力消費量を
低減し、また、洗濯機の洗浄性能を向上させる構成が考
えられている。この構成においては、インバータ装置に
よってブラシレスモータを通電駆動するようにしてい
る。
【0003】上記ブラシレスモータには、構成が簡単で
且つ安価な位置センサとして例えばホールICが配設さ
れている。このホールICは、ロータの回転位置に対応
する信号、即ち、ブラシレスモータの複数の巻線に発生
する誘起電圧と一定の位相関係を持つ位置センサ信号を
発生する。そして、インバータ装置は、上記ホールIC
からの位置センサ信号に基づいてブラシレスモータの巻
線に120度通電方式で電圧を印加して駆動するように
構成されている。このような構成のインバータ装置とし
て例えばパルス幅変調(以下、PWMと称する)方式で
制御する装置の一例を、図15ないし図18を参照して
説明する。
【0004】まず、図15はブラシレスモータ及びイン
バータ装置の電気的構成を示す図である。この図15に
おいて、交流電源1の両端子は、一方にリアクトル2を
介して全波整流回路3の入力端子に接続されている。全
波整流回路3の出力端子間には、平滑コンデンサ4が接
続されており、この平滑コンデンサ4と全波整流回路3
とから直流電源回路5が構成されている。
【0005】この直流電源回路5の出力端子から直流母
線6a、6bが導出されており、これら直流母線6a、
6b間にはインバータ主回路7が接続されている。この
インバータ主回路7は、3相ブリッジ接続されたスイッ
チング素子である例えばスイッチングトランジスタ8a
〜8fと、これらスイッチングトランジスタ8a〜8f
にそれぞれ図示する極性で並列接続されたフリーホイー
ルダイオード9a〜9fとから構成されている。そし
て、上記インバータ主回路7の出力端子10u、10
v、10wは、ブラシレスモータ11の3相の巻線12
u、12v、12wに接続されている。また、インバー
タ主回路7の各スイッチングトランジスタ8a〜8fの
ベース及びエミッタは、例えばフォトカプラからなる駆
動回路13a〜13fの出力端子にそれぞれ接続されて
いる。この構成の場合、インバータ主回路7と駆動回路
13a〜13fからモータ通電手段14が構成されてい
る。
【0006】一方、ブラシレスモータ11には、位置セ
ンサとして例えば3個のホールIC15a〜15cが電
気角で120度毎に配設されている。これらホールIC
15a〜15cは、位置センサ信号Hu、Hv、Hwを
論理回路16へ与えるように構成されている。この論理
回路16は、6個の出力端子16up、16un、16
vp、16vn、16wp、16wnを有し、これら出
力端子から駆動信号D´up、D´un、D´vp、D
´vn、D´wp、D´wnを出力する。尚、論理回路
16の論理演算機能については後述する。
【0007】また、PWM回路17は、PWMのデュー
ティを決定するための電圧指令信号Daを受けて、PW
M信号Paをアンド回路18u、18v、18wの各一
方の入力端子へ与えるように構成されている。これらア
ンド回路18u、18v、18wの各他方の端子には、
論理回路16から出力された駆動信号D´up、D´v
p、D´wpが与えられる構成となっている。そして、
アンド回路18u、18v、18wは、駆動信号Du
p、Dvp、Dwpを駆動回路13a、13c、13e
に与えるように構成されている。尚、論理回路16は、
駆動信号D´un、D´vn、D´wnを駆動信号Du
n、Dvn、Dwnとして駆動回路13b、13d、1
3fに直接与えるように構成されている。
【0008】この構成の場合、直流電源回路5、インバ
ータ主回路7、論理回路16、PWM回路17、アンド
回路18u〜18w、駆動回路13a〜13f等からイ
ンバータ装置19が構成されている。
【0009】次に、上記構成のインバータ装置19の動
作を図16を参照して説明する。この場合、ブラシレス
モータ11の巻線12u、12v、12wに発生する誘
起電圧Vmu、Vmv、VmwのうちのU相の誘起電圧
Vmuを基準とした電気角でロータの回転位置を示して
いる。また、ホールIC15a、15b、15cは、そ
れぞれ対応する相の誘起電圧Vmu、Vmv、Vmwに
対して電気角で30度遅れの関係を有する出力信号(位
置センサ信号)Hu、Hv、Hwを出力するように配置
されている。そして、論理回路16は、上記出力信号H
u、Hv、Hwに基づいて次の通りの論理演算を実行
し、論理演算結果である駆動信号D´up、D´un、
D´vp、D´vn、D´wp、D´wnを出力するよ
うに構成されている。
【0010】 D´up=(Hu)and{not(Hv)} D´un={not(Hu)}and(Hv) D´vp=(Hv)and{not(Hw)} D´vn={not(Hv)}and(Hw) D´wp=(Hw)and{not(Hu)} D´wn={not(Hw)}and(Hu) また、PWM回路17は、図17に示すように、アップ
ダウンカウンタ17a、ラッチ回路17b及び比較回路
17cから構成されている。上記アップダウンカウンタ
17aは、PWM制御の搬送波Pzとして例えば三角波
を発生する回路であり、具体的には、クロック信号に従
ってカウント値「0」から一定値までカウントアップし
た後、また「0」までダウンカウントする動作を繰り返
すことにより、デジタルな三角波の搬送波Pzを発生す
るように構成されている。そして、比較回路17cは、
図18に示すように、ラッチ回路17bから出力される
ラッチ信号Dbのレベルが搬送波Pzのレベルよりも大
のとき出力がハイレベルとなり、それ以外のときロウレ
ベルとなる信号を、PWM信号Paとして出力するよう
に構成されている。
【0011】そして、アンド回路18u、18v、18
wは、上記PWM信号Paと前記論理回路16からの駆
動信号D´up、D´vp、D´wpとの各論理積をと
ることにより、駆動信号Dup、Dvp、Dwpを生成
して駆動回路13a、13c、13eに与える。また、
論理回路16からの駆動信号D´un、D´vn、D´
wnはそのまま駆動信号Dun、Dvn、Dwnとして
駆動回路13b、13d、13fへ与えられる。そし
て、これら駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、
Dwp、Dwnによりインバータ主回路7の各スイッチ
ングトランジスタ8a〜8fがオンオフされる。
【0012】これにより、ブラシレスモータ11のロー
タ位置に対応した電圧が3相の巻線12u、12v、1
2wに供給されると共に、ロータ位置に対応した電流が
3相の巻線12u、12v、12wに流れるようにな
り、ブラシレスモータ11のロータが回転駆動される。
このようなブラシレスモータ11の通電方式が、120
度通電方式である。また、電圧指令Daに対応したPW
M制御により3相の巻線12u、12v、12wに供給
される電圧の大きさが可変されることにより、ブラシレ
スモータ11の回転速度が調整されるようになってい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記した120度通電
方式でブラシレスモータを駆動した場合、各相の巻線に
電流が流れない(発生しない)期間があるため、ロータ
の永久磁石から発生する磁束を有効に利用していないと
いう不具合があった。また、各相の巻線に供給する電圧
を切り替えるときに、即ち、いわゆる転流時にトルク変
動が発生していた。このトルク変動が発生すると、ブラ
シレスモータの振動が大きくなるため、ブラシレスモー
タを搭載する電気機器(製品)においては、防振ゴム等
を使用して振動を小さくする対策を行っていた。しか
し、このような防振対策を行うと、製品のコストが高く
なるという欠点があった。特に、エアコンの室外機のフ
ァンモータとしてブラシレスモータを使用した構成の場
合には、屋外に設置しなければならないので、防振対策
構造が経時劣化し易いという問題点があった。
【0014】これに対して、トルク変動を小さくする構
成として、ブラシレスモータを正弦波駆動する通電方式
が知られており、この正弦波駆動によりトルク変動を小
さくすることは可能である。しかし、上記正弦波駆動方
式の場合、巻線に流れる巻線電流と巻線に誘起される誘
起電圧との位相がずれることがあり、この位相のずれが
生ずると、モータの効率が低下したり、ずれが大きい場
合には脱調を起こして停止してしまうという不具合があ
った。この構成の場合、電流センサを設け、この電流セ
ンサにより検知した検知信号に基づいて上記位相のずれ
が生じないように制御する構成が容易に考えられるが、
このように構成すると、電流センサの分だけ製造コスト
が高くなってしまう。
【0015】そこで、本発明の目的は、ブラシレスモー
タのロータの永久磁石から発生する磁束を極力有効に利
用できると共に、トルク変動を低減でき、しかも、効率
の低下並びに製造コストの上昇を防止できるインバータ
装置を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のインバータ装置
は、巻線に発生する誘起電圧と一定の位相関係を持つ信
号に基いてインバータ回路に備わるスイッチングトラン
ジスタを駆動するためにPWM処理された駆動信号を形
成し、この駆動信号により正弦波駆動を行うものにおい
て、前記駆動信号の位相は、前記信号に応じて決定され
るモータの回転数及び前記駆動信号の電圧率に応じて決
定される電圧指令に基いて決定されており、その結果、
前記誘起電圧と前記巻線に流れる電流の位相とが一致し
ているところに特徴を有する。
【0017】 上記構成によれば、駆動信号の位相を、
誘起電圧と一定の位相関係を持つ信号に応じて決定され
るモータの回転数及び駆動信号の電圧率に応じて決定さ
れる電圧指令に基いて決定するように構成したので、正
弦波等のトルク変動を小さくする通電波形で駆動したと
きに、巻線電流の位相と誘起電圧の位相とがずれないよ
うに構成することができ、モータの効率の低下を防止で
きる。しかも、この構成の場合、電流センサを用いる必
要がないので、製造コストが高くなることもない。
【0018】 また、上記構成の場合、前記駆動信号の
位相を、ROMに記憶された制御プログラム及びデータ
に基づいて決定することが好ましい。更に、前記駆動信
号の位相を、演算により決定することが好ましい構成で
ある。更にまた、前記インバータ装置は、ブラシレスモ
ータを駆動するものであることがより一層好ましい。ま
た、前記ブラシレスモータは、三相の巻線を有する構成
であることが好ましい構成である。また、前記誘起電圧
と一定の位相関係を持つ信号は、前記ブラシレスモータ
に設けられたホールICから発生する位置信号であるこ
とが良い構成である。
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を3相のブラシレス
モータを駆動するインバータ装置に適用した一実施例に
ついて図1ないし図14を参照しながら説明する。ま
ず、図1は本実施例のインバータ装置20及びブラシレ
スモータ11の電気的構成を示す図である。尚、この図
1における従来構成(図15参照)と同一部分には、同
一符号を付している。
【0022】上記図1に示すように、ブラシレスモータ
11は、3相の巻線12u、12v、12wを有してい
ると共に、位置センサとして3個のホールIC15a、
15b、15cを有している。これらホールIC15
a、15b、15cは、巻線12u、12v、12wに
発生する誘起電圧と一定の位相関係を持つ位置センサ信
号Hu、Hv、Hwを出力するように構成されている。
【0023】また、インバータ装置20は、直流電源回
路5、インバータ主回路7、論理回路16、PWM回路
17、アンド回路18u〜18w及び駆動回路13a〜
13fを備える他に、マイクロコンピュータ21(以
下、マイコン21と称す)、割込信号発生回路22、第
1の駆動信号形成回路23及び選択回路24を備えるよ
うに構成されている。これら回路のうち、主としてマイ
コン21、割込信号発生回路22、第1の駆動信号形成
回路23及び選択回路24について、以下、具体的に説
明する。
【0024】まず、図1に示すように、ブラシレスモー
タ11の3個のホールIC15a〜15cから出力され
た位置センサ信号Hu、Hv、Hwは、マイコン21、
割込信号発生回路22及び論理回路16へ与えられるよ
うに構成されている。マイコン21は、ブラシレスモー
タ11を通電制御する機能を有しており、そのための制
御プログラム及びこのプログラムの実行に必要なデータ
(後述する電圧率データ等を含む)を内部に設けられた
ROM21aに記憶している。この場合、マイコン21
は、回転速度検出手段、電圧位相指令決定手段、位置検
出手段、電圧位相決定手段、電圧率記憶手段としての各
機能を備えるように構成されている。
【0025】また、マイコン21の内部には、作業領域
としてRAM21bが設けられていると共に、時間カウ
ンタ21cが設けられている。上記時間カウンタ21c
は、例えば1μs単位で「0」から「999999」ま
でのカウント動作を繰り返すカウンタである。
【0026】そして、マイコン21は、上記位置センサ
信号Hu、Hv、Hwの他に、外部から電圧指令Da、
割込信号発生回路22から第1の割込信号Sh、第1の
駆動信号形成回路23(のアップダウンカウンタ23
a)から第2の割込信号Spを受けるように構成されて
いる。更に、マイコン21は、詳しくは後述するように
して、各相の信号波に対応するデータvau、vav、
vawを形成してこれらを第1の駆動信号形成回路23
(の3個のラッチ回路23Lu、23Lv、23Lw)
へ与えると共に、駆動切替信号Saを形成してこれを選
択回路24へ与えるように構成されている。
【0027】一方、割込信号発生回路22は、図2に示
すように、NOTゲート22a〜22cとANDゲート
22d〜22fとORゲート22gとから構成されてお
り、位置センサ信号Hu、Hv、Hwのうちのいずれか
1つが立ち上がると立上がり、いずれか1つが立ち下が
ると立ち下がる信号Sh(図6(b)、(c)参照)を
出力するように構成されている。そして、割込信号発生
回路22は、上記信号Shを第1の割込信号Shとして
マイコン21に与える。マイコン21は、この第1の割
込信号Shの立上がりエッジ及び立下がりエッジの両方
で,第1の割込処理(図4参照)を実行するように構成
されている。尚、第1の割込処理については詳しくは後
述する。
【0028】また、第1の駆動信号形成回路23は、ア
ップダウンカウンタ23aと、3個のラッチ回路23L
u、23Lv、23Lwと、3個の比較器23u、23
v、23wとから構成されている。上記アップダウンカ
ウンタ23aは、例えば8ビットのアップダウンカウン
タであり、搬送波Pzとしてデジタルな三角波(図6
(d)参照)、即ち、8ビットの出力データPzを形成
すると共に、第2の割込信号Sp(図6(e)参照)を
形成する。具体的には、アップダウンカウンタ23a
は、カウント値「0」からアップカウントを開始して、
カウント値が「255」に達すると、そこからダウンカ
ウントに切換わるというカウント動作を繰り返すことに
より、上記搬送波Pzを発生するように構成されてい
る。また、アップダウンカウンタ23aは、カウント値
が「0」になるとハイレベルとなり、カウント値が「2
55」になるとロウレベルとなる信号を、第2の割込信
号Spとして発生するように構成されている。
【0029】この第2の割込信号Spは、マイコン21
に与えられるようになっている。そして、マイコン21
は、上記第2の割込信号Spの立上がりエッジ及び立下
がりエッジの両方で第2の割込処理(図5参照)を実行
するように構成されている。尚、上記第2の割込処理に
ついては詳しくは後述する。
【0030】また、上記ラッチ回路23Lu、23L
v、23Lwは、マイコン21から与えられる各相の信
号波に対応するデータvau、vav、vawをラッチ
してラッチ出力を出力する回路である。更に、上記比較
器23u、23v、23wは、アップダウンカウンタ2
3aからの搬送波Pzとラッチ回路23Lu、23L
v、23Lwからの各ラッチ出力とを比較する回路であ
る。この場合、比較器23u、23v、23wは、デー
タvau、vav、vawが搬送波Pzよりも大きいと
きハイレベルであり、そうでないときロウレベルである
信号Dup、Dvp、Dwpを出力すると共に、これら
信号Dup、Dvp、Dwpの反転信号として信号Du
n、Dvn、Dwnを出力するように構成されている
(図6(h)参照)。そして、これら出力信号Dup、
Dun、Dvp、Dvn、Dwp、Dwnは駆動信号と
して選択回路24へ与えられるように構成されている。
【0031】一方、論理回路16とPWM回路17とア
ンド回路18u、18v、18wとから第2の駆動信号
形成回路25が構成されている。この第2の駆動信号形
成回路25は、第2の駆動信号形成手段を構成してい
る。上記第2の駆動信号形成回路25は、従来構成のと
ころで説明したようにして、PWM制御された120度
通電の駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dw
p、Dwnを形成し、これら駆動信号Dup、Dun、
Dvp、Dvn、Dwp、Dwnを選択回路24へ与え
るように構成されている。
【0032】そして、選択回路24は、マイコン21か
ら与えられる駆動切替信号Saに応じて、第1の駆動信
号形成回路23からの駆動信号Dup、Dun、Dv
p、Dvn、Dwp、Dwnを駆動回路13a〜13f
に出力するか、それとも第2の駆動信号形成回路25か
らの駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dw
p、Dwnを駆動回路13a〜13fに出力するかを切
り替える(選択する)回路である。この場合、ブラシレ
スモータ11の起動時には、駆動切替信号Saがロウレ
ベルであって、第2の駆動信号形成回路25からの駆動
信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dwp、Dwn
が選択され、ブラシレスモータ11の回転速度が所定回
転速度まで上昇すると、駆動切替信号Saがハイレベル
になって、第1の駆動信号形成回路23からの駆動信号
Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dwp、Dwnが選
択されるように構成されており、詳しくは後述する。
【0033】次に、上記構成の作用、具体的には、ブラ
シレスモータ11を起動させてから指令回転速度で回転
駆動させるまでの制御動作について、図3ないし図15
も参照して説明する。まず、図4に示すフローチャート
は、マイコン21に記憶された第1の割込処理の制御内
容を示している。また、図5に示すフローチャートは、
マイコン21に記憶された第2の割込処理の制御内容を
示している。
【0034】これら2つの割込処理は、第1の割込信号
Sh(図6(c)参照)と第2の割込信号Sp(図6
(e)参照)に応じてパラレルに実行されるように構成
されている。具体的には、第1の割込処理は第1の割込
信号Shの立ち上がり及び立ち下がりのエッジで実行さ
れ、第2の割込処理は第2の割込信号Spの立ち上がり
及び立ち下がりのエッジで実行される。ここで、まず第
1の割込処理について説明する。
【0035】第1の割込処理が開始されると、最初にブ
ラシレスモータ11のホールIC15a、15b、15
cから出力される位置センサ信号(位置センサデータ)
Hu、Hv、Hwを入力する(ステップA10)。続い
て、ブラシレスモータ11の通電状態が120度通電状
態であるか正弦波駆動状態であるかを表わすフラグが
「L」であるか否かを判断する(ステップA21)。こ
のフラグが「L」であれば、120度通電状態であるこ
とを示し、フラグが「H」であれば、正弦波駆動状態で
あることを示す。そして、ブラシレスモータ11の始動
時は、フラグが「L」に設定されていること(即ち、1
20度通電方式により起動を行うことが予め決められて
いること)から、ステップA21にて「YES」へ進
む。
【0036】そして、ステップA22に移行して、マイ
コン21は120度通電方式でブラシレスモータ11を
駆動する。具体的には、マイコン21がロウレベルの駆
動切替信号Saを選択回路24へ与えると共に、従来構
成のところで説明したようにして、第2の駆動信号形成
回路25によってPWM制御された120度通電の駆動
信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dwp、Dwn
が形成されて選択回路24に与えられる。これにより、
選択回路24が上記120度通電の駆動信号Dup、D
un、Dvp、Dvn、Dwp、Dwnを選択して駆動
回路13a〜13fへ出力するようになり、上記120
度通電の駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、D
wp、Dwnによりインバータ主回路7のスイッチング
トランジスタ8a〜8fがオンオフ制御され、もってブ
ラシレスモータ11が120度通電方式で起動されて回
転駆動されるようになる。
【0037】続いて、ステップA30へ移行し、マイコ
ン21は正弦波駆動用のデータを作成する処理を行う。
具体的には、まず、ブラシレスモータ11のロータの位
置としてのロータ位相Pxを図9に示すデータテーブル
1に基づいて決定する(Px={データテーブル1[H
u、Hv、Hw]})。このデータテーブル1は、予め
誘起電圧と位置センサ信号Hu、Hv、Hwとの関係か
ら算出して作成したデータテーブルであり、マイコン2
1のROM21a内に記憶されている。この場合、ロー
タ位相Pxは、例えばU相の誘起電圧vmuを基準とし
た電気角(度)で表わされている。そして、現在(前記
ステップA10にて)入力している位置センサ信号H
u、Hv、Hwと上記データテーブル1とに基づいてロ
ータ位相Pxを決める。例えば、位置センサ信号Hu、
Hv、Hwが「H、L、L」であれば、ロータ位相Px
は「90度」となる。
【0038】続いて、位置センサ周期Tsに対応するロ
ータ位相差Psを図10に示すデータテーブル2に基づ
いて決定する(Ps={データテーブル2[Hu、H
v、Hw]})。このデータテーブル2は、予め誘起電
圧と位置センサ信号Hu、Hv、Hwとの関係から算出
して作成したデータテーブルであり、マイコン21のR
OM21a内に記憶されている。
【0039】更に、位置センサ信号の変化タイミングの
時刻Txと、前回変化タイミングTyと、位置センサ周
期Tsとを求めて記憶するための演算処理を実行する。
この場合、まずマイコン21に内蔵された時間カウンタ
21cのデータTcを読み込んで、このデータTcを用
いて次の2つの式の計算を行う。
【0040】前回の変化タイミング Ty=Tx 今回の変化タイミング Tx=Tc そして、位置センサ信号の周期時間(即ち、位置センサ
周期Ts)を求めるために、次の式の計算を行う。
【0041】位置センサ周期 Ts=Tx−Ty続い
て、この求めた位置センサ周期Tsを、次の式で示され
るように、位置センサ信号に対応させてTs1〜Ts6
として記憶する。
【0042】 (Hu、Hv、Hw)=(H、L、H) Ts1=Ts =(H、L、L) Ts2=Ts =(H、H、L) Ts3=Ts =(L、H、L) Ts4=Ts =(L、H、H) Ts5=Ts =(L、L、H) Ts6=Ts この後、ステップA40へ進み、ブラシレスモータ11
の回転速度(以下、回転数と称す)Spdを検出する。
この場合、回転数Spd(rpm)は、次の式で計算し
て求める。
【0043】
【数1】 ここで、Kは定数である。
【0044】そして、上記求めた回転数Spdをパラメ
ータとして図11に示すデータテーブル3に基づいて、
回転数領域Szを決定する(Sz={データテーブル3
[Spd]})。このデータテーブル3は、予め回転数
を複数の回転数領域に分けて、これら分けた複数の回転
数領域に番号「0」〜「7」を対応させて作成したデー
タテーブルであり、マイコン21のROM21a内に記
憶されている。
【0045】続いて、ステップA50へ進み、外部から
与えられた電圧指令Daを入力する。この電圧指令Da
は、「0000H」〜「FFFFH」の16ビットのデ
ータで与えられている。ここで、「H」は16進数を示
している。そして、この入力した電圧指令データDaを
パラメータとして図12に示すデータテーブル4に基づ
いて、電圧指令領域Dzを決定する(Dz={データテ
ーブル4[Da]})。このデータテーブル4は、予め
電圧指令データDaを複数の電圧指令領域Dzに分け
て、これら分けた複数の電圧指令領域Dzに番号「0」
〜「E」を対応させて作成したデータテーブルであり、
マイコン21のROM21a内に記憶されている。尚、
電圧指令領域Dzの番号は16進数である。
【0046】この後、ステップA61へ進み、ブラシレ
スモータ11の回転数が駆動切替回転数(駆動切替回転
速度)である例えば300rpmを越え且つフラグが
「L」であるか否かを判断する。ここで、回転数が30
0rpmを越えていない場合、並びに、フラグが「L」
でない場合には、ステップA61にて「NO」へ進み、
第1の割込処理を完了してリターンする。
【0047】一方、ステップA61において、回転数が
300rpmを越え且つフラグが「L」である場合に
は、「YES」へ進み、120度通電方式から正弦波駆
動方式に切り替える処理を実行する(ステップA6
2)。ここでは、まずフラグを「H」に変える。これに
より、マイコン21はハイレベルの駆動切替信号Saを
選択回路24に与えるようになる。この結果、選択回路
24は、第1の駆動信号形成回路23により形成された
駆動信号Dup〜Dwnを駆動回路13a〜13fに与
えるようになる。尚、上記第1の駆動信号形成回路23
により駆動信号Dup〜Dwnを形成する処理について
は、後述する第2の割込処理を説明するところで述べ
る。次に、電圧指令領域Dzをパラメータとして図13
に示すデータテーブル5に基づいて、電圧指令Daの調
整率Rtを決定する(Rt={データテーブル5[D
z]})。
【0048】この電圧指令Daの調整率Rtは、120
度通電方式から正弦波駆動方式に切り替える際に、スム
ーズに切り替わるように、電圧指令Daの大きさを調整
するためものであり、電圧指令Daの大きさによって値
が異なる。具体的には、駆動切替回転数が300rpm
の場合、調整率Rtは図7に示すような値となることを
実験や演算等により確認した。この結果に基づいて、複
数に分けた電圧指令領域Dzに対応する電圧指令Daの
調整率Rtのデータテーブルを作成し、これをデータテ
ーブル5としてマイコン21のROM21a内に記憶さ
せている。
【0049】尚、上記データテーブル5においては、電
圧指令領域Dzが「6」以上の場合については電圧指令
Daを調整しないことを示している。この場合、電圧指
令領域Dzが「6」以上の場合についても、電圧指令D
aを調整するように構成しても良く、その場合には、電
圧指令領域Dzが「6」以上の場合に対応する調整率R
tを適宜求めて、上記データテーブル5に加えるように
構成すれば良い。また、駆動切替回転数が300rpm
以外の場合には、その場合に対応する調整率Rtを実験
や演算等により求め、この求めた調整率Rtによりデー
タテーブル5を作成してマイコン21内に記憶させるよ
うに構成すれば良い。
【0050】また、マイコン21は、上述したようにし
て決定した調整率Rtを電圧指令Daに乗じた値を、駆
動切換時の電圧指令Daとして用いるように構成されて
いる。具体的には、例えば電圧指令Daが「3800h
ex」であったとすると、このときの調整率Rtは1.
22であるから、電圧指令Da=3800hexに調整
率Rt=1.22を乗じて得られた値「4450he
x」が駆動切換時の電圧指令Daとして用いられること
になる。尚、「hex」は16進数を示す。
【0051】以上の処理で、第1の割込処理が完了して
リターンする。そして、この第1の割込処理は、前述し
たように、割込信号発生回路22から出力される第1の
割込信号Sh(図6(c)参照)の変化タイミング毎
に、即ち、立上がり及び立ち下がりのエッジ毎に繰り返
し実行されるように構成されている。
【0052】次に、図5に示す第2の割込処理について
説明する。この第2の割込処理は、第1の駆動信号発生
回路23のアップダウンカウンタ23aから出力される
第2の割込信号Se(図6(e)参照)の変化タイミン
グ毎に、即ち、立上がり及び立ち下がりのエッジ毎に繰
り返し実行されるように構成されている。
【0053】上記第2の割込処理が開始されると、まず
ステップB10において電圧位相Pnを決定する処理が
実行される。この場合、電圧位相PnはU相を基準とし
た電気角で表現されている。この電圧位相Pnを決定す
る処理においては、まず、回転数領域Szと電圧指令領
域Dzをパラメータとして図14に示すデータテーブル
6に基づいて、電圧位相指令Prを決定する(Pr=
{データテーブル6[Sz、Dz]})。
【0054】この電圧位相指令Prは、巻線のインダク
タンス成分により巻線に流れる電流の位相が誘起電圧の
位相に対して遅れるため、電圧位相Pnを進めることに
より電流の位相を進めて、電流の位相と誘起電圧の位相
とが一致するようにするための指令値である。この指令
値(電圧位相指令Pr)は、回転数と電圧指令により異
なる数値であり、実験または演算等により図8の特性図
に示すような値をとることを確認した。そして、この図
8と回転数領域Sz及び電圧指令領域Dzとから図14
のデータテーブル6を作成し、これをマイコン21のR
OM21a内に記憶させている。
【0055】具体的には、ブラシレスモータ11が正弦
波駆動されていると共に、回転数が450rpm(回転
数領域Szは「1」)であるときに、電圧指令Daが
「4800hex」(電圧指令領域Dzは「2」)であ
るとすると、このときの電圧位相指令Prは、図8また
はデータテーブル6(図14参照)によると「5」とな
る。
【0056】続いて、電圧位相決定タイミングの時刻T
nを記憶するために、時間カウンタ21cのデータTc
を読み込み、この読み込んだデータTcを電圧位相決定
タイミングTnとする(即ち、Tn=Tc)。そして、
この電圧位相決定タイミングの時刻Tnにおける電圧位
相Pnを次の式により算出する。
【0057】 Pn=Px+Ps×(Tn−Tx)/Ts+Pr ここで、電圧位相Pnは、「0〜359」の値をとるデ
ータであるから、上記式の計算結果が「359」を越え
た場合には、「360」を減算したデータを電圧位相P
nとする。尚、本実施例では、電圧位相Pnを計算する
際に用いるロータ位相差Psを、データテーブル2とし
て記憶している値を使用したが、これに代えて、演算に
より求めた値を使用するように構成しても良い。
【0058】このようにして電圧位相Pnを決定した後
は、ステップB20へ進み、外部から与えられた電圧指
令Daを入力する。そして、ステップB30へ進み、U
相の信号波vauを演算により求めて出力する処理を実
行する。具体的には、まず、上記求めた電圧位相Pnに
対応する電圧率データDuを図3に示す電圧率データテ
ーブルに基づいて決定する。この図3に示す電圧率デー
タテーブルは、電圧位相(電気角)Pnと電圧率データ
Duとの対応関係を表わすデータから形成されたデータ
テーブルであり、マイコン21のROM21a内に記憶
されている。この場合、図3の電圧率データテーブルが
通電波形データを構成している。尚、上記電圧率データ
Duは、例えば8ビットデータの2の補数表現の値域で
ある「−127〜127」の値をとるデータである。
【0059】続いて、U相の信号波vauを次の式によ
り計算する。
【0060】vau=Du×(Da/255)+128 ここで、電圧指令Daとしては16ビットのデータのう
ちの上位8ビットのデータを使用している。即ち、Da
は、「0〜255」の値をとる。また、上記式における
「+128」の項は、8ビットのアップダウンカウンタ
23aの取り得る値「0〜255」にシフトさせるため
のオフセット値である。
【0061】そして、上記式による計算結果である信号
波vauを第1の駆動信号形成回路23のラッチ回路2
3Luへ出力するように構成されている。
【0062】この後、ステップB40へ進み、V相の信
号波vavを上記U相の信号波vauと同様にして計算
により求めて出力する。具体的には、まず電圧位相Pn
から120度を減算したV相の電圧位相Pnを求める。
このとき、減算した結果PnがPn<0であれば、この
Pnに360度を加える。そして、このV相の電圧位相
Pnに対応するV相の電圧率データDvを図3に示す電
圧率データテーブルに基づいて決定する。続いて、この
電圧率データDvを用いて次の式によりV相の信号波V
avを計算する。
【0063】vav=Dv×(Da/255)+128 そして、上記式による計算結果である信号波vavを第
1の駆動信号形成回路23のラッチ回路23Lvへ出力
するように構成されている。
【0064】この後、ステップB50へ進み、W相の信
号波vawを上記U相の信号波vauと同様にして計算
により求めて出力する。具体的には、まず電圧位相Pn
から240度を減算したW相の電圧位相Pnを求める。
このとき、減算した結果PnがPn<0であれば、この
Pnに360度を加える。そして、このW相の電圧位相
Pnに対応するW相の電圧率データDwを図3に示す電
圧率データテーブルに基づいて決定する。続いて、この
電圧率データDwを用いて次の式によりW相の信号波V
awを計算する。
【0065】vaw=Dw×(Da/255)+128
そして、上記式による計算結果である信号波vawを第
1の駆動信号形成回路23のラッチ回路23Lwへ出力
するように構成されている。
【0066】以上の処理で、第2の割込処理を完了して
リターンする。そして、この第2の割込処理は、前述し
たようにアップダウンカウンタ23aから出力される第
2の割込信号Se(図6(e)参照)の変化タイミング
毎に、即ち、立上がり及び立ち下がりのエッジ毎に繰り
返し実行されるように構成されている。
【0067】次に、第1の駆動信号形成回路23の信号
形成動作について説明する。マイコン21から出力され
た3相の信号波vau、vav、vawは、ラッチ回路
23Lu、23Lv、23Lwを介して比較器23u、
23v、23wへ与えられ、ここで搬送波Pzと比較さ
れる。この場合、比較器23uは、信号波vauが搬送
波Pzよりも大きいときハイレベルであり、そうでない
ときロウレベルである駆動信号Dup(図6(h)参
照)を出力すると共に、この信号Dupの反転信号とし
て駆動信号Dunを出力するように構成されている。
【0068】同様にして、比較器23vは、信号波va
vが搬送波Pzよりも大きいときハイレベルであり、そ
うでないときロウレベルである駆動信号Dvpを出力す
ると共に、この信号Dvpの反転信号として駆動信号D
vnを出力するように構成されている。また、比較器2
3wは、信号波vawが搬送波Pzよりも大きいときハ
イレベルであり、そうでないときロウレベルである駆動
信号Dwpを出力すると共に、この信号Dwpの反転信
号として駆動信号Dwnを出力するように構成されてい
る。これらの駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dv
n、Dwp、Dwnは選択回路24へ与えられるように
構成されている。
【0069】そして、選択回路24は、ブラシレスモー
タ11を正弦波駆動する場合、即ち、ブラシレスモータ
11の回転速度が所定回転速度(300rpm)まで上
昇してマイコン21からの駆動切替信号Saがハイレベ
ルになった場合、第1の駆動信号形成回路23からの駆
動信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dwp、Dw
nを駆動回路13a〜13fに出力する。これによっ
て、上記駆動信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、D
wp、Dwnによりインバータ主回路7のスイッチング
トランジスタ8a〜8fがオンオフ制御されるようにな
る。この結果、ブラシレスモータ11の3相の巻線12
u、12v、12wに、PWM処理された正弦波電圧
(即ち、正弦波近似のPWM電圧)が供給されるように
なり、ブラシレスモータ11が正弦波駆動される。
【0070】この場合、各巻線12u、12v、12w
に流れる電流の位相と各巻線12u、12v、12wに
誘起される誘起電圧の位相はほぼ一致する(尚、U相の
巻線電流を図6(i)に示す)。このように各相の巻線
電流の位相と誘起電圧の位相が一致する理由は、第2の
割込処理のステップB10において、回転数と電圧指令
Daとに基づいて電圧位相Pnを決定する処理を実行す
るに際して、図14のデータテーブル6から求められる
電圧位相指令Prを用いているからである。この電圧位
相指令Prは、巻線電流と誘起電圧とが同位相となるよ
うに指令する値であり、予め実験や演算等により求めて
記憶しておいた指令値である。
【0071】このような構成の本実施例によれば、ブラ
シレスモータ11を起動した後、回転数が300rpm
を越えた後は正弦波駆動方式で通電制御するように構成
したので、ブラシレスモータ11のトルク変動を小さく
することができる。そして、本実施例では、上記正弦波
駆動方式で通電制御する場合に、回転数(回転速度)と
電圧指令Daとに基づいて電圧の位相Pnを調整するよ
うに構成したので、各相の巻線電流の位相と誘起電圧の
位相とがずれないように(即ち、同位相となるように)
構成することができる。これにより、誘起電圧と巻線電
流との力率が最大になり、ブラシレスモータ11の効率
を高くすることができる。しかも、この構成の場合、電
流センサを用いる必要がないので、製造コストが高くな
ることを防止できる。
【0072】また、上記実施例の場合、電圧位相指令P
rを決定するに際して、回転数(回転速度)Spdを複
数の領域に分けた回転数(回転速度)領域Szと、電圧
指令Daを複数の領域に分けた電圧指令領域Dzと、電
圧位相指令Prとの関係を示す電圧位相指令検索用デー
タテーブル6を記憶するROM21a(記憶手段)を備
え、マイコン21によって、検出した回転数Spdが回
転数領域Szのいずれに属するかを判断すると共に、電
圧指令Daが電圧指令領域Dzのいずれに属するかを判
断し、そして、これら判断した回転数領域Sz及び電圧
指令領域Dzをパラメータとして電圧位相指令検索用デ
ータテーブル6を検索することにより電圧位相指令Pr
を決定するように構成した。これにより、巻線電流と誘
起電圧とが同位相となるように指令する指令値としての
電圧位相指令Prを、簡単な構成にて容易に求めること
ができる。
【0073】また、上記実施例では、マイコン21のR
OM21aに記憶した電圧率データを、図3に示すよう
に、ほぼ正弦波状の通電波形データとしたので、正弦波
駆動方式を容易に実現することができる。この場合、R
OM21aに記憶する電圧率データとして、トルク変動
を小さくすることが可能な波形であれば、他の波形の通
電波形データを記憶するように構成しても良い。
【0074】更に、上記実施例では、位置センサ信号H
u、Hv、Hwを論理演算することにより矩形波電圧形
成用の駆動信号(即ち、120度通電用の駆動信号)を
形成する第2の駆動信号形成回路25と、始動時に第2
の駆動信号形成回路25から出力される駆動信号を選択
してモータ通電手段14へ与え、その後、検出した回転
数に基づいて第1の駆動信号形成回路23から出力され
る駆動信号を選択してモータ通電手段14へ与えるよう
に切り替える選択回路24と、この選択回路24により
駆動信号が切り替えられる際に、切り替え直前の電圧指
令Daに基づいて電圧指令Daを調整するマイコン21
とを備える構成とした。これにより、ブラシレスモータ
11を120度通電(矩形波駆動)方式から正弦波駆動
方式に切り替える際に、電圧指令Daが調整されるの
で、回転数が急に変動したりすることがなくなり、スム
ーズに切り替わるようになる。ちなみに、上記通電方式
の切替を行う際に電圧指令Daの調整を行わないと、即
ち、120度通電から正弦波駆動に切り替わるときに、
外部から与えられた電圧指令Daでそのまま通電する
と、回転数が急に変動することがあった。
【0075】また、上記実施例の場合、電圧指令Daを
調整するに当たって、電圧指令領域Dzと電圧調整率R
tとの関係を示す電圧調整率検索用データテーブル5を
マイコン21(のROM21a)に記憶すると共に、選
択回路24により駆動信号が切り替えられる際、マイコ
ン21によって、切り替え直前の電圧指令Daが電圧指
令領域Dzのいずれに属するかを判断し、この判断した
電圧指令領域Dzをパラメータとして電圧調整率検索用
データテーブル5を検索することにより電圧調整率Rt
を決定し、この電圧調整率Rtを切り替え直前の電圧指
令Daに乗じて電圧指令Daを調整するように構成し
た。これにより、電圧指令Daを調整する構成を簡単な
構成にて容易に実現することができる。
【0076】尚、上記実施例においては、予めROM2
1aに記憶しておいた電圧調整率検索用データテーブル
5を用いて電圧指令Daを調整するように構成したが、
これに限られるものではなく、予め求めておいた演算式
(近似式)を用いて計算することにより電圧指令Daを
調整するように構成しても良い。
【0077】
【発明の効果】本発明は、以上の説明から明らかなよう
に、巻線に発生する誘起電圧と一定の位相関係を持つ信
号に基いてインバータ回路に備わるスイッチングトラン
ジスタを駆動するためにPWM処理された駆動信号を形
成し、この駆動信号により正弦波駆動を行うインバータ
装置において、前記駆動信号の位相を、前記信号に応じ
て決定されるモータの回転数及び前記駆動信号の電圧率
に応じて決定される電圧指令に基いて決定して、前記誘
起電圧と前記巻線に流れる電流の位相とが一致するよう
に構成したので、トルク変動を低減することができ、し
かも、効率の低下並びに製造コストの上昇を防止できる
という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気回路図
【図2】割込信号発生回路の論理回路図
【図3】電圧率データと電圧位相との関係(通電波形デ
ータ)を示す図
【図4】第1の割込処理のフローチャート
【図5】第2の割込処理のフローチャート
【図6】タイムチャート
【図7】回転数と電圧指令と電圧調整率との関係を示す
【図8】回転数と電圧指令と電圧位相指令との関係を示
す図
【図9】データテーブル1を示す図
【図10】データテーブル2を示す図
【図11】データテーブル3を示す図
【図12】データテーブル4を示す図
【図13】データテーブル5を示す図
【図14】データテーブル6を示す図
【図15】従来構成を示す図1相当図
【図16】タイムチャート
【図17】PWM回路のブロック図
【図18】タイムチャート
【符号の説明】
5は直流電源回路、7はインバータ主回路、8a〜8f
はスイッチングトランジスタ、10u、10v、10w
は出力端子、11はブラシレスモータ、12u、12
v、12wは巻線、13a〜13fは駆動回路、14は
モータ通電手段、15a〜15cはホールIC、16は
論理回路、17はPWM回路、20はインバータ装置、
21はマイクロコンピュータ(回転速度検出手段、電圧
位相指令決定手段、位置検出手段、電圧位相決定手段、
電圧率記憶手段、記憶手段、電圧指令調整手段)、22
は割込信号発生回路、23は第1の駆動信号形成回路
(第1の駆動信号形成手段)、23aはアップダウンカ
ウンタ、24は選択回路(選択手段)、25は第2の駆
動信号形成回路(第2の駆動信号形成手段)を示す。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻線に発生する誘起電圧と一定の位相関
    係を持つ信号に基いてインバータ回路に備わるスイッチ
    ングトランジスタを駆動するためにPWM処理された駆
    動信号を形成し、この駆動信号により正弦波駆動を行う
    インバータ装置において、前記駆動信号の位相は、前記信号に応じて決定されるモ
    ータの回転数及び前記駆動信号の電圧率に応じて決定さ
    れる電圧指令に基いて決定されており、その結果、前記
    誘起電圧と前記巻線に流れる電流の位相とが一致してい
    ことを特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動信号の位相は、ROMに記憶さ
    れた制御プログラム及びデータに基づいて決定されるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1記載のイ
    ンバータ装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動信号の位相は、演算により決定
    されるように構成されていることを特徴とする請求項
    載のインバータ装置。
  4. 【請求項4】 前記インバータ装置は、ブラシレスモー
    タを駆動するものであることを特徴とする請求項1記
    のインバータ装置。
  5. 【請求項5】 前記ブラシレスモータは、三相の巻線を
    有することを特徴とする請求項4記載のインバータ装
    置。
  6. 【請求項6】 前記誘起電圧と一定の位相関係を持つ信
    号は、前記ブラシレスモータに設けられたホールICか
    ら発生する位置信号であることを特徴とする請求項5記
    載のインバータ装置。
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