JP2000278987A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2000278987A
JP2000278987A JP11075878A JP7587899A JP2000278987A JP 2000278987 A JP2000278987 A JP 2000278987A JP 11075878 A JP11075878 A JP 11075878A JP 7587899 A JP7587899 A JP 7587899A JP 2000278987 A JP2000278987 A JP 2000278987A
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Kazunobu Nagai
一信 永井
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 センサレス駆動方式により低振動且つ高効率
でブラシレスモータを駆動することができるインバータ
装置を提供する。 【解決手段】 電流極性検出回路14によりブラシレス
モータ8の巻線8u〜8wの電流極性を検出し、極性検
出信号Su〜Swを出力する。位置検出部10は、電流
位相検出部10aによりインバータ主回路7の出力電圧
Vu〜Vwの位相θvを基準とした電流位相θiを得る
と、演算部10bは電流位相θi,通電信号Du〜Dw
の振幅E′及び周波数fの各定数に基づいて誘起電圧位
相θeを演算で求める。位相指令形成部13は電流位相
θiと誘起電圧位相θeとに基づき位相指令Prを決定
し、通電信号形成部12は電気角カウンタ12aのカウ
ンタ値Pnに位相指令Prを加え通電タイミングの電気
角を決定する。そして、通電信号形成部12は電気角
(Pn+Pr)に応じてデータ記憶部12bよりデータ
を読出して略正弦波状の通電信号Du〜Dwを形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、永久磁石形のロー
タを有するブラシレスモータを回転駆動するインバータ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコンなどのファンモータや電
気自動車の駆動用モータとしては、広範囲の可変速制御
や電力消費量の節約のために、また、洗濯機の洗濯用モ
ータとしては、洗浄能力の向上のためにブラシレスモー
タが採用されており、これをインバータ装置によって駆
動することが行われている。
【0003】三相巻線を有するブラシレスモータの内部
には、通常、位置センサとして構成が簡単で最も安価で
あるホールICが、例えば電気角120度毎に配置され
ている。そして、インバータ装置は、これらのホールI
Cによってロータの回転位置に対応した信号を得て、ブ
ラシレスモータの巻線に120度通電方式で矩形波電圧
を印加して駆動するようになっている。
【0004】これに対して、低コスト化や小形化を目的
として、位置センサを使用することなくモータを駆動可
能としたセンサレス技術が、例えば特開平1−8890
号公報に開示されている。これは、モータコイルの端子
電圧と基準電圧との比較結果に基づいてロータの回転位
置を検出し、矩形波通電の転流タイミングを2個のタイ
マで決定して通電を行うものである。
【0005】一方、モータの効率向上や低振動化を図る
ことを目的として、略正弦波の電圧をモータに供給する
インバータ装置が特願平7−224299号として出願
されている。これは、ホールICを用いてロータの位置
信号を得て位置信号の変化周期を求め、その変化周期に
対応する電気角よりも高い分解能を有する電圧位相を決
定し、その電圧位相に応じて正弦波に基づいた電圧波形
のデータをメモリから読出して略正弦波の電圧を形成す
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】モータの効率向上や低
振動化を図るためには正弦波電圧駆動方式が望ましい
が、例えば、コンプレッサなどの様に密閉構造を有する
ものや、モータとインバータ装置との距離が長いものの
如く位置センサの存在がネックになるものでは、コスト
低減及び小形化を図るセンサレス駆動方式が望ましい。
従って、従来より、センサレス駆動方式と正弦波駆動方
式との両立を図ったインバータ装置の開発が切望されて
いる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、センサレス駆動方式により低振動且
つ高効率でブラシレスモータを駆動することができるイ
ンバータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のインバータ装置は、ブラシレスモー
タの巻線に流れる電流の極性を検出する電流極性検出手
段と、この電流極性検出手段によって検出される電流極
性に基づいて前記ブラシレスモータを構成するロータの
回転位置を検出する位置検出手段と、前記電流極性の変
化周期を検出する周期検出手段と、前記ロータの回転位
置と前記電流極性の変化周期とに基づいて通電タイミン
グの電気角を推定し、当該電気角に応じて略正弦波状の
通電信号を形成する通電信号形成手段と、正側及び負側
スイッチング素子を複数備えて構成され、前記通電信号
を前記ブラシレスモータの巻線に通電する駆動手段とを
具備してなることを特徴とする。斯様に構成すれば、位
置検出手段は、ブラシレスモータの巻線に流れる電流の
極性に基づいてロータの回転位置を検出するので、回転
位置を検出するためのセンサが不要となる。そして、通
電信号形成手段は、前記ロータの回転位置と、電流極性
検出手段によって検出される電流極性の変化周期とに基
づいて、適切に通電タイミングの電気角を決定して略正
弦波状の通電信号を形成するので、ブラシレスモータを
低振動且つ低騒音で駆動することができる。
【0009】この場合、請求項2に記載したように、周
期検出手段を、電流極性の変化タイミングにおいてカウ
ントデータの読み出し及びリセットが行われる周期カウ
ンタで構成し、通電信号形成手段に、略正弦波状の電圧
率を有するデータが記憶されるデータ記憶手段と、位置
検出手段により検出されたロータの回転位置が書き込ま
れると共に、今回と前回との回転位置検出結果の差及び
前記周期カウンタによって検出される電流極性の変化周
期に基づいてカウント周期が決定される電気角カウンタ
とを備え、当該通電信号形成手段を、前記電気角カウン
タのカウント値に基づいて前記データ記憶手段よりデー
タを読み出して通電信号を形成する構成としても良い。
【0010】即ち、電気角カウンタのカウント周期を、
位置検出手段による今回と前回との回転位置検出結果の
差及び電流極性の変化周期とに基づいて決定すること
で、電気角カウンタによるカウント動作がロータの実際
の回転位置に一致して変化するように調整することがで
きる。そして、通電信号形成手段は、電気角カウンタの
カウント値を通電信号の電気角としてデータ記憶手段よ
りデータを読み出すことで通電信号を形成するので、略
正弦波状をなす通電信号の形成を容易に行うことができ
る。
【0011】以上の場合において、請求項3に記載した
ように、位置検出手段に、通電信号形成手段によって形
成される通電信号と電流極性検出手段によって検出され
る電流極性とに基づいて、駆動手段の通電によりブラシ
レスモータの巻線に印加される出力電圧の位相を基準と
する前記巻線に流れる電流の位相を検出する電流位相検
出手段と、前記電流位相に基づいて、前記出力電圧の位
相を基準としたブラシレスモータの巻線に発生する誘起
電圧の位相を検出する電圧位相検出手段とを備え、当該
位置検出手段を、前記電流位相及び誘起電圧位相に基づ
いてロータの回転位置を検出する構成にすると良い。
【0012】斯様に構成すれば、位置検出手段は、駆動
手段よりブラシレスモータの巻線に対して出力される電
圧の位相を基準とした電流位相及び誘起電圧位相を得る
と、それらの位相に基づいてロータの回転位置を検出す
るので、例えば、両者間に位相差がある場合でも、ロー
タの回転位置を正確に検出することができる。
【0013】また、この場合、請求項4に記載したよう
に、電圧位相検出手段を、電流位相と、通電信号の振幅
及び周波数と、ブラシレスモータの定数とに基づいて巻
線に発生する誘起電圧の位相を検出する構成にしても良
い。即ち、誘起電圧位相は、電流位相や通電信号の振幅
及び周波数とブラシレスモータの巻線のインダクタンス
及び抵抗や誘起電圧定数等を含む定数とをパラメータと
すると、一定の関係式によって表現することができるの
で、電圧位相検出手段は、演算によって誘起電圧位相を
得ることが可能である。
【0014】以上の場合において、請求項5に記載した
ように、位置検出手段によって検出されるロータの回転
位置に対する通電信号の位相を決定するための位相指令
を形成する位相指令形成手段を備え、前記通電信号形成
手段を、前記位相指令をも加えて電気角を決定する構成
とするのが好ましい。斯様に構成すれば、電気角を決定
する際に、位相指令形成手段によって形成される位相指
令を考慮することで、ロータの回転位置に対して通電信
号の位相が適切になるように調整を行うことができる。
【0015】また、この場合、請求項6に記載したよう
に、位相指令形成手段に、通電信号形成手段によって形
成される通電信号と電流極性検出手段によって検出され
る電流極性とに基づいて、駆動手段の通電によりブラシ
レスモータの巻線に印加される出力電圧を基準とする前
記巻線に流れる電流の位相を検出する電流位相検出手段
と、前記電流位相に基づいて、前記出力電圧の位相を基
準としたブラシレスモータの巻線に発生する誘起電圧の
位相を検出する電圧位相検出手段とを備え、当該位相指
令形成手段を、前記電流位相と前記誘起電圧位相とに基
づいて位相指令を決定する構成にすると良い。
【0016】斯様に構成すれば、位相指令形成手段が、
例えば、電流位相と誘起電圧位相とが同相となるように
位相指令を形成して通電信号形成手段に与えることで、
ブラシレスモータの駆動効率をより向上させることが可
能となる。
【0017】更に、この場合、請求項7に記載したよう
に、位相指令形成手段の電流位相検出手段及び電圧位相
検出手段を、位置検出手段の電流位相検出手段及び電圧
位相検出手段と夫々共通に構成するのが好適であり、斯
様に構成すれば、構成をより簡単にすることができる。
【0018】また、請求項8に記載したように、電流極
性検出手段を、正側若しくは負側スイッチング素子に流
れる電流の有無を検出することにより、電流の極性を検
出する構成としても良く、斯様に構成すれば、巻線電流
の電流値を直接検出する必要がなくなる。
【0019】加えて、請求項9に記載したように、駆動
手段に、正側及び負側スイッチング素子夫々に対して逆
並列に接続されるダイオードを備え、電流極性検出手段
を、正側若しくは負側スイッチング素子に対応する前記
ダイオードに流れる電流の有無を検出することにより、
電流の極性を検出する構成としても良い。斯様に構成し
た場合も、請求項8と同様の効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1乃至図10を参照して説明する。図1におい
て、交流電源1の両端子は、一方にリアクトル2を介し
て全波整流回路3の交流入力端子に接続されている。全
波整流回路3の直流出力端子間には、平滑用コンデンサ
4が接続されており、以上、リアクトル2,全波整流回
路3,平滑用コンデンサ4により直流電源回路5を構成
している。そして、直流電源回路5の直流出力端子は、
正,負側直流母線6a,6bに接続されている。
【0021】インバータ主回路7は、正,負側直流母線
6a,6b間に3相ブリッジ接続されたトランジスタ
(IGBTやパワーMOSFETなど))T1乃至T6
と、各トランジスタT1乃至T6に夫々並列に接続され
たフライホイールダイオードD1乃至D6とから構成さ
れている。そのインバータ主回路7の出力端子7u,7
v,7wは、3相のブラシレスモータ(以下、単にモー
タと称す)8のスター結線された各相巻線8u,8v,
8wに接続されている。
【0022】従って、インバータ主回路7において、ト
ランジスタT1乃至T3が正側スイッチング素子に相当
し、トランジスタT4乃至T6が負側スイッチング素子
に相当する。そして、T1及びT4,T2及びT5,T
3及びT6は、夫々U,V,W相の通電アームを構成し
ている。
【0023】マイクロコンピュータ(マイコン)9は、
位置検出部(位置検出手段)10,電流極性変化周期検
出部(周期検出手段,以下、周期検出部と称す)11,
通電信号形成部(通電信号形成手段)12及び位相指令
形成部(位相指令形成手段)13によって構成されてい
る。電流極性検出回路(電流極性検出手段)14は、イ
ンバータ主回路7において流れるU,V,W各相電流の
極性を検出し、電流極性信号Su,Sv,Swをマイコ
ン9の位置検出部10及び極性検出部11に出力するよ
うになっている。
【0024】位置検出部10は、電流位相検出部(電流
位相検出手段)10a,演算部(電圧位相検出手段)1
0b及び記憶部10cから構成されている。この内、電
流位相検出部10a及び演算部10bは、ソフトウエア
により機能が実現されている構成要素であり、記憶部1
0cはRAMで構成されている。
【0025】周期検出部11は、電流極性検出回路14
によって出力される電流極性信号Su,Sv,Swの内
何れかが変化すると、その変化タイミングに応じてカウ
ントデータTsのロード(読み出し)及びリセットが行
われるように構成されたアップカウンタである。
【0026】通電信号形成部12は、データTcにより
設定される周期によって例えば“0〜359”の範囲で
繰り返しアップカウントを行う電気角カウンタ12a
と、その電気角カウンタ12aのカウントデータがアド
レスとして与えられ、図3に示すように、略正弦波状の
電圧率を有するデータが記憶されたROMであるデータ
記憶部(データ記憶手段)12bとで構成されている。
また、位相指令形成部13は、ソフトウエアにより機能
が実現されている構成要素である。
【0027】マイコン9には、外部よりスタート/スト
ップ信号及び電圧指令信号が与えられるようになってい
る。また、マイコン9より出力される通電信号Du,D
v,Dwは、PWM回路15に出力されるようになって
いる。PWM回路15は、具体的には図示しないが、内
部の搬送波発生器から出力される搬送波(三角波)のレ
ベルと、与えられた通電信号Du,Dv,Dwのレベル
とを夫々比較して、各通電信号のレベルの方が大なる期
間においてハイレベルとなるようにPWM制御された正
側の駆動信号Dup,Dvp,Dwpを形成する。また、これ
らの正側の駆動信号を反転したものを負側の駆動信号D
un,Dvn,Dwnとして形成し、駆動回路16に出力する
ようになっている。
【0028】駆動回路16は、フォトカプラなどで構成
されており、与えられた正,負側の駆動信号Dup乃至D
wp,Dun乃至Dwnに応じたゲート信号を、トランジスタ
T1乃至T3,T4乃至T6に出力するようになってい
る。作用の詳細は後述する。尚、インバータ主回路7,
PMW回路15及び駆動回路16は、駆動手段を構成し
ている。
【0029】図2は、U相に関する電流極性検出回路1
4uの詳細な電気的構成を示すものである。図2におい
て、駆動回路16unは、駆動信号Dunがハイレベルの場
合はトランジスタT1のベース−エミッタ間に図示しな
い駆動用電源からゲート駆動用の正電圧を印加し、駆動
信号Dunがローレベルの場合は、トランジスタT1のベ
ース−エミッタ間にゲート駆動用の負電圧を印加するよ
うにゲート信号Gunを与えるものである。
【0030】トランジスタT4は、電流検出機能を有し
たスイッチング素子として構成されており、その電流検
出端子T4aには、自身がオン状態となった場合に流れ
る電流Iunに比例した検出電流Ideが流れるようになっ
ている。その電流検出端子T4aと直流母線6bとの間
には、抵抗17uが介挿されている。そして、電流検出
端子T4aと抵抗17uとの共通接続点はコンパレータ
18uの非反転入力端子に接続され、抵抗17uと直流
母線6bとの共通接続点はコンパレータ18uの反転入
力端子に接続されている。
【0031】そして、電流検出端子T4aと抵抗17u
との共通接続点はコンパレータ18uの非反転入力端子
に接続され、トランジスタT4のエミッタと直流母線6
bとの共通接続点はコンパレータ18uの反転入力端子
に接続されている。コンパレータ18uの出力端子は、
ラッチ回路19uの入力端子Dに接続されている。ま
た、駆動回路16unの出力端子は、ラッチ回路19uの
入力端子ckに接続されており、ゲート信号Gunを与える
ようになっている。
【0032】このラッチ回路19uは、入力端子ckに与
えられる信号の立下がりエッジにおいて、入力端子Dに
与えられているデータをラッチ(セット)するものであ
る。ラッチ回路19uの負論理の出力端子/Qは、図示
しないフォトカプラなどを介して、電流極性信号Suを
出力するようになっている。以上、抵抗17u,コンパ
レータ18u,ラッチ回路19uにより電流極性検出回
路14uを構成している。尚、V及びW相についても、
電流極性検出回路14v,14wが全く同様に構成され
ており、夫々電流極性信号Sv及びSwを出力するよう
になっている。
【0033】次に、本実施例の作用について図4乃至図
7をも参照して説明する。マイコン9は、外部からのス
タート信号の入力があると、通電信号形成部12に対す
る割り込みを許可して図5に示すフローチャートの実行
を開始し、通電信号Du,Dv,Dwの形成処理を行
う。
【0034】初めに、通電信号形成部12は、予め初期
値として設定され記憶されている出力周波数データXを
読み出すと、(1)式による演算を行って電気角カウン
タ12aのカウント周期データTcを決定する。 Tc=(1/X)/360 …(1) そして、データTcを決定すると、具体的には図示しな
いが、例えば、PLL回路を用いて構成されるクロック
発生回路のカウンタにデータTcを設定することで、周
期データTcに応じた周期のクロック信号を電気角カウ
ンタ12aにカウントパルスとして与えるようにする。
【0035】すると、電気角カウンタ12aは、“0”
から周期Tc毎にカウント値をアップさせ、前述のよう
にカウント値が“359”に達するとまた“0”に戻っ
て循環的にアップカウント動作を行う。
【0036】そして、図示しないタイマによるタイマ割
込みの発生に応じて図5に示すフローチャートが実行さ
れる。タイマ割込み周期は、例えば100μsであるも
のとする。この図5において、先ず、通電信号形成部1
2は、割込み発生時における電気角カウンタ12aのカ
ウント値Pnをロードし(ステップA1)、また、位相
指令形成部13より位相指令Prをロードする(ステッ
プA2)。位相指令形成部13による位相指令Prの形
成については後述するが、この場合は、予め設定されて
いる初期値(例えば、“0”)が出力される。
【0037】次に、通電信号形成部12は、外部より与
えられている電圧指令Dcをロードし(ステップA
3)、U相の通電信号Duを演算する(ステップA
4)。ステップA4では、先ず、電気角カウンタ12a
のカウント値Pnと位相指令Prとの和(Pn+Pr)
を通電タイミングの電気角として、その電気角に対応す
る通電信号データDb をデータ記憶部12aより読み出
す(ステップA4a)。そして、(2)式によりU相の
通電信号Duを演算する。 Du=Db ×(Dc/256)+128 …(2) それから、次のステップA5において、通電信号Duを
PWM回路15に出力する。
【0038】ステップA6において、通電信号形成部1
2は、U相の通電タイミング電気角(Pn+Pr)より
120(2π/3)を減じたものをV相の通電タイミン
グ電気角として、その電気角に対応する通電信号データ
Db をデータ記憶部12aより読み出し、(2)式と同
様にV相の通電信号Dvを演算する。そして、次のステ
ップA7において、通電信号DvをPWM回路15に出
力する。
【0039】同様に、ステップA8において、通電信号
形成部12は、U相の通電タイミング電気角(Pn+P
r)より240(4π/3)を減じたものをW相の通電
タイミング電気角として、その電気角に対応する通電信
号データDb をデータ記憶部12aより読み出し、
(2)式と同様にW相の通電信号Dwを演算する。そし
て、次のステップA9において、通電信号DwをPWM
回路15に出力する。
【0040】以上の処理がタイマ割込みの発生毎に実行
されることで、振幅が電圧指令Dcに応じて決定され、
周波数が電気角カウンタ12aのカウント周期データT
cで決定される通電信号Du,Dv,Dwが形成され
る。そして、PWM回路15,駆動回路16及びインバ
ータ主回路7の作用によりモータ8に三相正弦波電圧が
供給され、モータ8の各相コイル8u,8v,8wに正
弦波電流が流れてモータ8は回転する。
【0041】次に、電流極性検出回路14uの作用につ
いて説明する。図3(a)及び(b)は、駆動回路16
up,16unを介してインバータ主回路7のU相のトラン
ジスタT1及びT4に出力される駆動信号Dup及びDun
であり、U相電流Iuの極性が負から正に変化して行く
場合を示している(図3(c)参照)。
【0042】U相電流Iuの極性が負の場合、抵抗17
uには、T4に流れる電流Iunに比例した検出電流Ide
が流れる。すると、コンパレータ18uの非反転入力端
子の電位は反転入力端子の電位よりも高くなり、コンパ
レータ18uの出力信号Scはゲート信号Gunがハイレ
ベルとなるのに伴ってハイレベルとなる。また、U相電
流Iuの極性が正の場合、検出電流Ideは流れないの
で、コンパレータ18uの出力信号は常にローレベルと
なる(図3(e)参照)。
【0043】そして、ラッチ回路19uの反転出力端子
/Qは、コンパレータ18uから与えられる信号をゲー
ト信号Gunの立下がりでラッチし、レベルを反転して出
力するので、電流極性信号Suは、U相電流Iuの極性
が負の場合はローレベル,正の場合はハイレベルの信号
となる(図4(f)参照)。尚、V及びW相について
も、電流極性検出回路は全く同様に作用して、電流極性
信号Sv,Swが電流極性信号Suと共に、図4(d)
に示すように出力される。
【0044】次に、位置検出部10の作用について図6
を参照して説明する。図6は、位置検出部10及び通電
信号形成部12による制御内容を示すフローチャートで
ある。このフローチャートは、電流極性検出回路14よ
り出力される電流極性信号Su,Sv,Swの内、何れ
かの信号の立上がりエッジまたは立下がりエッジの検出
に応じて発生する割込み処理として実行される。
【0045】先ず、位置検出部10の電流位相検出部1
0aは、割込み発生時点における電流極性信号Su,S
v,Swの各レベルを読み込み(ステップB1)、それ
から、通電信号形成部12の電気角カウンタ12aより
カウント値Pe をロードする(ステップB2)。
【0046】次に、ステップB1で読み込んだ電流極性
信号Su〜Swの各レベルに応じた電気角Pd を、図7
に示す電気角テーブルよりロードする。この電気角テー
ブルは、位置検出部10に内蔵されているROM(図示
せず)に予め記憶されており、電流極性信号Su〜Sw
が各レベルを示す場合に対応するインバータ主回路7の
出力電圧Vu,Vv,Vwの位相に対応する電気角(電
流基準電気角)を表すものである。
【0047】また、ステップB2でロードしたカウント
値Pe は、電気角カウンタ12aのカウント値“0”を
基準とした場合の、割込み発生時点における電流の位相
を表している。従って、出力電圧Vu〜Vwの位相を基
準とした場合の電流位相をθiとして、(3)式により
演算する(ステップB3)。 θi=Pe −Pd …(3) ここまでが、電流位相検出部10aによる処理である。
【0048】次に、以降のステップB4〜B9が演算部
10bによって実行される。ここで、演算部10aの作
用について、図8及び図9を参照して説明する。図8
は、モータ8の1相分の等価回路を示すものである。即
ち、インバータ主回路7の出力電圧(相電圧)V(=
V′sin(θ))の電圧源,モータ8の巻線のリアク
タンスL及び抵抗R,モータ8の誘起電圧E(=E′s
in(θ−θe))の電圧源が直列に接続されている。
但し、V′,E′は振幅の最大値を示す。インバータ主
回路7の出力電圧Vは、誘起電圧Eに対して位相θeだ
け進んでいる(図9参照)。
【0049】この時、リアクタンスL及び抵抗Rの直列
回路の両端には、インバータ主回路7の出力電圧Vと誘
起電圧Eとの差電圧(V−E)が印加され、リアクタン
スL及び抵抗Rの時定数と周波数fとから(2)式のよ
うに定まる位相θvだけ遅れた電流I(=I′sin
(θ−θi))が流れる(図8参照)。但し、I′は最
大値を示す。 θv=tan−1(2πfL/R) …(4)
【0050】図9は、上述したインバータ主回路7の出
力電圧V,誘起電圧E及び電流Iの位相関係を示す波形
図である。この図9から明らかなように、インバータ主
回路7の出力電圧Vと差電圧(V−E)との位相差は
(θv−θi)となる。図9中のA点で示すように、差
電圧のゼロクロス点において、インバータ主回路7の出
力電圧V及び誘起電圧Eのレベルが等しくなることから
(5)式が成立する。 V′sin(θi−θv)=E′sin(θi−θv+θe)…(5) 以上の関係に基づいて、ステップB4以降の処理が実行
される。
【0051】先ず、演算部10bは、周波数fを(6)
式によって演算し(ステップB4)、 f=1/(Tc×360) …(6) それから、(4)式によって位相θvを演算する(ステ
ップB5)。次に、誘起電圧振幅E′を(7)式で演算
する(ステップB6)。 E′=K・f …(7) ここで、Kはモータ8の誘起電圧定数である。
【0052】次に、インバータ主回路7の出力電圧振幅
V′を、(8)式で演算する(ステップB8)。 V′=Vdc×DC …(8) ここで、Vdcは、正,負側直流母線6a,6b間の電圧
である、この電圧Vdcについては、予めデータとして記
憶させておいても良いし、直流母線6a,6b間の電圧
を電圧検出器によって直接測定しても良い。
【0053】そして、インバータ出力電圧Vに対する誘
起電圧Eの位相θeを(5)式を変形した(9)式によ
って演算する。 θe=θv−θi+sin−1(V′sin(θi−θv)/E′) …(9) 次に、モータ8のロータ位置Pxを(10)式によって
演算する(ステップB9)。ここで、ロータ位置Px
は、U相の誘起電圧Euが負から正へ変化したゼロクロ
ス点を基準とした電気角として定義している。 Px=Pd +(θi−θe) …(10) 即ち、Pxは、電流Iu,Iv,Iwの変化周期に対応
して検出されるロータ位置を示すものである。
【0054】次に、演算部10bは、前回の処理におい
て得られたロータ位置Pxをその時点で前回のロータ位
置Pyとして、また、今回得られたロータ位置Pxを、
夫々記憶部10bの所定記憶領域に記憶させる(ステッ
プB10,B11)。
【0055】ここで、周期検出部11の作用について図
10をも参照して説明する。図10(a)は、モータ8
の巻線8u,8v,8wに発生する誘起電圧Eu,E
v,Ew,図10(b)は、インバータ主回路7の出力
電圧Vu,Vv,Vw,図10(c)は、モータ8の巻
線8u,8v,8wに流れる電流Iu,Iv,Iwを示
す。また、図10(d)は、電流極性検出回路14より
出力される電流極性信号Su,Sv,Swである。
【0056】周期検出部11はカウンタであり、電流極
性信号Su〜Swの何れかの変化タイミングによってカ
ウント値Tsのロード及びリセットが行われるので、カ
ウント値Tsは、図10(f)に示すように電流極性の
変化周期に相当している。
【0057】そして、以上のステップB1〜B11が所
定回数実行されたか否かが判断され(ステップC0)、
所定回数に達していなければ処理を終了する。また、所
定回数に達した場合は、周期データTcを演算するため
に必要なデータPx,Pyが得られているので、以降の
ステップC1〜C3及びD1を実行する。
【0058】ステップC1において、通電信号形成部1
2は、電気角カウンタ12aのカウント値をステップB
11で記憶させたロータ位置Pxに書き換え、次に、周
期検出部11よりカウント値Tsをロードし、その後カ
ウント値をリセットする(ステップC2)。
【0059】次に、電気角カウンタ12aの周期データ
Tcを(11)式により演算して、その演算結果を前述
のクロック発生回路にセットする(ステップC3)。 Tc=T/(Px−Py) …(11) 尚、(11)式は、今回と前回との位置検出結果に基づ
いて電気角1度に相当する時間を計算するものであり、
その電気角1度に相当する時間を電気角カウンタ12a
のカウント周期データTcとしてセットする。それか
ら、次のステップD1において、位相指令形成部13
は、(12)式によって位相指令Prを演算する。 Pr=Pr+(θi−θe) …(12)
【0060】即ち、以上の処理を繰り返すことによっ
て、インバータ出力電圧Vの位相θvを基準とする電流
位相θiと誘起電圧位相θeとの差分に応じて位相指令
Prが形成され、その位相指令Prをも加えることによ
り、ステップA4,A6,A8における通電信号Du,
Dv,Dwの通電タイミングの位相が決定されることに
なる。
【0061】以上のように本実施例によれば、電流極性
検出回路14により巻線8u〜8wの電流極性を検出し
て極性検出信号Su〜Swを出力するようにして、位置
検出部10は、電流位相検出部10aによりインバータ
主回路7の出力電圧Vu〜Vwの位相θvを基準とした
電流位相θiを得ると、演算部10bによって、電流位
相θi,通電信号Du〜Dwの振幅E′及び周波数f,
モータ8の各定数に基づいて誘起電圧位相θeを演算で
求めるようにした。
【0062】また、位相指令形成部13は、電流位相θ
iと誘起電圧位相θeとに基づき位相指令Prを決定
し、通電信号形成部12は、電気角カウンタ12aのカ
ウンタ値Pnに位相指令Prを加えて通電タイミングの
電気角を決定するので、電流位相θiと誘起電圧位相θ
eとが等しくなるように位相指令Prを形成して通電信
号形成部12に与えることにより、モータ8の発生トル
クを最大にして駆動効率を向上させることが可能とな
る。
【0063】そして、通電信号形成部12は、電気角
(Pn+Pr)に応じてデータ記憶部12bよりデータ
を読み出して、略正弦波状の通電信号Du〜Dwを形成
するので、ロータの回転位置を検出するためのセンサが
不要となる。従って、例えばモータ8がコンプレッサの
ような密閉構造に用いられる場合や、インバータ主回路
7とモータ8との間の距離が長いような場合等、センサ
を配置するのが困難な場合に有効に適用することができ
る。また、モータ8を低振動且つ低騒音で駆動すること
ができる。
【0064】また、電流極性検出回路14は、電流の極
性をデジタル的に検出し、極性検出信号Su〜Swによ
りロータの回転位置を60度毎に検出するので、電流値
の大きさを直接検出する方式比べて低コストで実現する
ことができる。特に、インバータ主回路7とマイコン9
との間を絶縁する必要がある場合には、安価な絶縁素子
を用いることができる。加えて、電圧指令Dcを変化さ
せてモータ8の回転数を上昇或いは下降させる際に負荷
トルクが変動しても、電気各60度単位で通電信号のタ
イミングが調整されるので、変動に対して応答良く追従
することが可能である。
【0065】更に、本実施例によれば、位相指令形成部
13の電流位相検出手段及び電圧位相検出手段を、位置
検出部10の電流位相検出部10a及び演算部10bと
夫々共通に構成したので、構成をより簡単にすることが
できる。また、電流極性検出回路14は、正側若しくは
負側スイッチング素子に流れる電流の有無を検出するこ
とにより、電流の極性を検出するので、巻線8u〜8w
の電流値を直接検出する必要がなくなる。
【0066】尚、誘起電圧Eの位相は、モータ8を構成
するロータの回転位置と一定の関係を有するものである
から、誘起電圧Eの位相を得ることはロータの回転位置
を検出することに等しい。
【0067】図11及び図12は本発明の第2実施例を
示すものである。第2実施例は、第1実施例の電流極性
検出回路14に代えて、電流極性検出回路20を配置し
たものであり、第1及び第2実施例と同一部分には同一
符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についての
み説明する。
【0068】U相に関する電流極性検出回路(電流極性
検出手段)20uの電気的構成を示す図11において
は、抵抗18uは除かれており、コンパレータ21uの
非反転入力端子は、電流検出端子T4aを備えていない
トランジスタT4′のエミッタに接続され、反転入力端
子は抵抗22を介してトランジスタT4′のコレクタ
(出力端子7u)に接続されている。また、コンパレー
タ21uの非反転,反転入力端子間には抵抗23が接続
されている。その他は第1実施例と同様の構成である。
【0069】次に、第2実施例の作用について図12を
も参照して説明する。U相電流Iuの極性が負でトラン
ジスタT4′がオンの場合、コンパレータ21uの入力
については、出力端子7u,抵抗22,抵抗23,直流
母線6bの経路で電流が流れるので、反転入力端子の電
位が高く、コンパレータ21uの出力信号はローレベル
である。
【0070】そして、U相電流Iuの極性が正でトラン
ジスタT1がオフの場合にダイオードD4に順方向電流
が流れる時は、上記の場合とは逆に、直流母線6b,抵
抗23,抵抗22,出力端子7uの経路で電流が流れる
ので、非反転入力端子の電位が高く、コンパレータ21
uの出力信号はハイレベルとなる。
【0071】従って、信号のタイミングチャートは、図
12に示すように、トランジスタT1のオフタイミング
においてダイオードD4に流れる順方向電流を検出する
ことにより相電流Iuの極性を検出することになるの
で、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0072】以上のように第2実施例によれば、電流極
性検出回路20は、負側スイッチング素子T4′に対応
するダイオードD4に流れる電流の有無を検出すること
により電流の極性を検出するので、第1実施例と同様の
効果が得られる。
【0073】尚、上記第1及び第2実施例においては、
電流極性検出信号Suは、ゲート信号Gunの立下がり若
しくは立上がりに同期して出力されるため、電流の真の
ゼロクロス点とは最大でPWM信号の周期分だけタイミ
ングにずれが生じるが、PWM信号の周期は各相電流の
周期に比して十分短いため動作に影響はない。
【0074】本発明は、上記し且つ図面に記載した実施
例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形ま
たは拡張が可能である。電流極性検出回路14,20を
三相分設けて、マイコン9における処理を1電気周期に
6回、即ち電気角60度毎に実行させるようにしたが、
モータや負荷の慣性に応じて処理回数を減らしても良
い。また、周波数の高低に応じて処理回数を変化させて
も良い。例えば、低回転数では1電気周期に対して6
回,中回転数では巻線電流の正から負への1電気周期に
対して3回とし、高回転数では、U相のみ使用する1電
気周期に2回とするように設定しても良い。また、モー
タや負荷の慣性能率が大であり回転が比較的安定な場合
には、電流極性検出手段1を1相分のみ設けて、位置検
出処理を1電気周期に2回、即ち、電気角180度毎に
実行するようにしても良い。位相指令形成手段は、必要
に応じて設ければ良い。
【0075】モータ8の始動時において、モータ8に直
流励磁を行ってロータの位置決めを行った後、始動制御
部9によって電圧指令Vと周波数指令fsとを与えるよ
うにすれば、始動時におけるモータ8の振動を低減させ
ることができる。駆動回路16と電流極性検出回路1
4,20とをワンチップICとして構成しても良い。ま
た、更に、インバータ主回路7を加えてワンチップIC
を構成しても良い。斯様に構成すれば、部品点数を削減
できると共にインバータ装置を小形化することができ
る。抵抗18uに代えて、互いに逆並列接続したダイオ
ードを用いても良い。正側のトランジスタT1乃至T3
の側に、電流極性検出手段を設けても良い。
【0076】第1及び第2実施例において、ラッチ回路
20u若しくはラッチ回路27uのクロック入力端子ck
に与える信号は、ゲート信号Gun,Gvn及びGwnに限ら
ず、駆動信号Dun,Dvn及びDwnなどトランジスタT4
のオン,オフタイミングを得られる信号であれば何でも
良い。電圧指令Dcの設定については、例えば、モータ
8の始動時には、急加速による振動を抑制するように低
い電圧を設定し、始動後は、モータ8の回転数を調整す
るために適宜変化させるように設定すれば良い。スイッ
チング素子は、IGBTやパワーMOSFETなどに限
ることなく、パワートランジスタなどでも良い。
【0077】演算部10bは、リアクタンスL,抵抗
R,誘起電圧定数Kを固定値として演算パラメータに用
いて、電流位相θi,出力電圧振幅V,周波数fや誘起
電圧位相θeを直接演算しているが、上記した各演算式
の計算をより容易にする近似式を用いたり、また、電流
位相θi,出力電圧振幅V,周波数fを夫々複数範囲に
分割し、予め得た演算結果をデータテーブルとして保持
し、これを読み出すようにしても良い。モータが略一定
数で回転する場合や、負荷トルクが回転数に対して略固
定であるような負荷を駆動する場合など、駆動条件をよ
り限定できる場合には、それに応じて適宜演算を簡略化
すれば良い。位相指令形成部手段の電流位相検出手段及
び電圧位相検出手段を、位置検出手段の電流位相検出手
段及び電圧位相検出手段とは独立に構成しても良い。モ
ータ8の定数であるリアクタンスL,抵抗R,誘起電圧
定数Kを固定値とせず、周囲温度などに応じて補正する
ようにするのが好ましい。斯様にすれば、精度をより高
めることができる。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、位置検出
手段は、ブラシレスモータの巻線に流れる電流の極性に
基づいてロータの回転位置を検出するので、回転位置を
検出するためのセンサが不要となる。そして、通電信号
形成手段は、前記ロータの回転位置と、電流極性検出手
段によって検出される電流極性の変化周期とに基づい
て、適切に通電タイミングの電気角を決定して略正弦波
状の通電信号を形成するので、ブラシレスモータを低振
動且つ低騒音で駆動することができる。
【0079】また、通電信号形成手段は、電気角カウン
タのカウント値を通電信号の電気角としてデータ記憶手
段よりデータを読み出して通電信号を形成するので、略
正弦波状の通電信号の形成を容易に行うことができる。
そして、位相指令形成手段が、例えば電流位相と誘起電
圧位相とが同相となるように位相指令を形成して通電信
号形成手段に与えることで、ブラシレスモータの発生ト
ルクを最大にして、駆動効率をより向上させることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における電気的構成を示す
機能ブロック図
【図2】電流極性検出回路の詳細な電気的構成を示す図
【図3】電流極性検出回路のタイミングチャート
【図4】データ記憶部に記憶される通電信号データの波
形を示す図
【図5】通電信号形成部の制御内容を示すタイマ割込み
処理のフローチャート
【図6】位置検出部の制御内容を示す位置検出処理のフ
ローチャート
【図7】三相の電流極性信号のとり得るレベルに応じた
電気角のデータテーブル
【図8】ブラシレスモータ1相分の等価回路を示す図
【図9】インバータ装置−ブラシレスモータ間の電圧及
び電流の位相関係を示す図
【図10】各信号のタイミングチャート
【図11】本発明の第2実施例を示す図2相当図
【図12】図3相当図
【符号の説明】
T1乃至T3はトランジスタ(正側スイッチング素
子)、T4乃至T6及びT4′はトランジスタ(負側ス
イッチング素子)、D1乃至D6はフライホイールダイ
オード(ダイオード)、7はインバータ主回路(駆動手
段)、8はブラシレスモータ、10は位置検出部(位置
検出手段)、10aは電流位相検出部(電流位相検出手
段),10cは記憶部、11は電流極性変化周期検出部
(周期検出手段、12は通電信号形成部(通電信号形成
手段)、12aは電気角カウンタ、12bはデータ記憶
部(データ記憶手段)、13は位相指令形成部(位相指
令形成手段)、14は電流極性検出回路(電流極性検出
手段)、15はPWM回路(駆動手段)、16は駆動回
路(駆動手段)、20は電流極性検出回路(電流極性検
出手段)を示す。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータの巻線に流れる電流の
    極性を検出する電流極性検出手段と、 この電流極性検出手段によって検出される電流極性に基
    づいて前記ブラシレスモータを構成するロータの回転位
    置を検出する位置検出手段と、 前記電流極性の変化周期を検出する周期検出手段と、 前記ロータの回転位置と前記電流極性の変化周期とに基
    づいて通電タイミングの電気角を決定し、当該電気角に
    応じて略正弦波状の通電信号を形成する通電信号形成手
    段と、 正側及び負側スイッチング素子を複数備えて構成され、
    前記通電信号を前記ブラシレスモータの巻線に通電する
    駆動手段とを具備してなることを特徴とするインバータ
    装置。
  2. 【請求項2】 周期検出手段は、電流極性の変化タイミ
    ングにおいてカウントデータの読み出し及びリセットが
    行われる周期カウンタで構成され、 通電信号形成手段は、略正弦波状の電圧率を有するデー
    タが記憶されるデータ記憶手段と、 位置検出手段により検出されたロータの回転位置が書き
    込まれると共に、今回と前回との回転位置検出結果の差
    及び前記周期カウンタによって検出される電流極性の変
    化周期に基づいてカウント周期が決定される電気角カウ
    ンタとを備え、 前記電気角カウンタのカウント値に基づいて前記データ
    記憶手段よりデータを読み出すことで通電信号を形成す
    ることを特徴とする請求項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 位置検出手段は、通電信号形成手段によ
    って形成される通電信号と電流極性検出手段によって検
    出される電流極性とに基づいて、駆動手段の通電によっ
    てブラシレスモータの巻線に印加される出力電圧の位相
    を基準とする前記巻線に流れる電流の位相を検出する電
    流位相検出手段と、 前記電流位相に基づいて、前記出力電圧の位相を基準と
    したブラシレスモータの巻線に発生する誘起電圧の位相
    を検出する電圧位相検出手段とを備え、 前記電流位相及び誘起電圧位相に基づいてロータの回転
    位置を検出することを特徴とする請求項1または2記載
    のインバータ装置。
  4. 【請求項4】 電圧位相検出手段は、電流位相と、通電
    信号の振幅及び周波数と、ブラシレスモータの定数とに
    基づいて巻線に発生する誘起電圧の位相を検出すること
    を特徴とする請求項3記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】 位置検出手段によって検出されるロータ
    の回転位置に対する通電信号の位相を決定するための位
    相指令を形成する位相指令形成手段を備え、 前記通電信号形成手段は、前記位相指令をも加えて通電
    タイミングの電気角を決定することを特徴とする請求項
    1乃至4の何れかに記載のインバータ装置。
  6. 【請求項6】 位相指令形成手段は、通電信号形成手段
    によって形成される通電信号と電流極性検出手段によっ
    て検出される電流極性とに基づいて、駆動手段の通電に
    よりブラシレスモータの巻線に印加される出力電圧の位
    相を基準とする電流位相を検出する電流位相検出手段
    と、 前記電流位相に基づいて、前記出力電圧の位相を基準と
    したブラシレスモータの巻線に発生する誘起電圧の位相
    を求める電圧位相検出手段とを備え、 前記電流位相と前記誘起電圧位相とに基づいて位相指令
    を決定することを特徴とする請求項5記載のインバータ
    装置。
  7. 【請求項7】 位相指令形成手段の電流位相検出手段及
    び電圧位相検出手段は、位置検出手段の電流位相検出手
    段及び電圧位相検出手段と夫々共通に構成されているこ
    とを特徴とする請求項6記載のインバータ装置。
  8. 【請求項8】 電流極性検出手段は、正側若しくは負側
    スイッチング素子に流れる電流の有無を検出することに
    より、電流の極性を検出することを特徴とする請求項1
    乃至7の何れかに記載のインバータ装置。
  9. 【請求項9】 駆動手段は、正側及び負側スイッチング
    素子夫々に対して逆並列に接続されるダイオードを備
    え、 電流極性検出手段は、正側若しくは負側スイッチング素
    子に対応する前記ダイオードに流れる電流の有無を検出
    することにより、電流の極性を検出することを特徴とす
    る請求項1乃至7の何れかに記載のインバータ装置。
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