JPH09215375A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JPH09215375A
JPH09215375A JP8015148A JP1514896A JPH09215375A JP H09215375 A JPH09215375 A JP H09215375A JP 8015148 A JP8015148 A JP 8015148A JP 1514896 A JP1514896 A JP 1514896A JP H09215375 A JPH09215375 A JP H09215375A
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JP
Japan
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current
phase
signal
voltage
circuit
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Application number
JP8015148A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Nagai
一信 永井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価なエンコーダ及び電流検出器を用いず
に、最小限の位置センサで任意波形の電圧をブラシレス
モータに供給することができるインバータ装置を提供す
る。 【解決手段】 ブラシレスモータ8内にホールIC20
u乃至20wを配置して、その位置センサ信号Hu乃至
Hwに基づいて、マイクロコンピュータ21は、位置セ
ンサ周期Tsを決定し、電気角Px及び位置センサ周期
Tsに対応するロータ位相差PsをRAM21から読出
し、電流極性判定回路23によりU,V及びW相電流の
極性信号Siu乃至Siwを得て、これらの極性信号に基づ
いて誘起電圧に対する電流の位相差を検出して電圧位相
指令として設定し、これらを含む各演算パラメータから
電圧位相を演算によって求め、電圧位相に対応する正弦
波の電圧率データに応じて各相の信号波を演算し、その
各相の信号波に基づいてブラシレスモータ8を駆動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巻線に任意の電圧
波形を印加することによりブラシレスモータを駆動する
インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エアコンなどのファンモータや電
気自動車の駆動用モータとしては、広範囲の可変速制御
や電力消費量の節約のために、また、洗濯機の洗濯用モ
ータとしては、洗浄能力の向上のためにブラシレスモー
タが採用されており、これをインバータ装置によって駆
動することが行われている。
【0003】ブラシレスモータの内部には、通常、位置
センサとして構成が簡単で最も安価であるホールIC
が、例えば電気角120度毎に配置されている。そし
て、インバータ装置は、これらのホールICによってロ
ータの回転位置に対応した信号を得て、ブラシレスモー
タの巻線に120度通電方式で電圧を印加して駆動する
ようになっている。
【0004】しかしながら、120度通電方式でブラシ
レスモータを駆動する場合、ブラシレスモータの巻線に
電流が流れない期間があり、ロータの永久磁石が発生す
る磁束が最大限有効に利用されていない。また、電圧の
切替え、即ち、転流時には、これに伴うトルク変動がブ
ラシレスモータに生じてしまうという問題がある。
【0005】エアコンや洗濯機などの家庭電気製品や電
気自動車などの分野においては、消費電力の低減や振動
の低減が要求されており、効率向上やトルク変動低減に
効果のある、例えば正弦波などの電圧波形をモータに供
給できるインバータ装置が望まれている。
【0006】図27は、このようなインバータ装置の従
来例を示すものである。電気的構成を示す図27におい
て、交流電源1の両端子は、一方にリアクトル2を介し
て全波整流回路3の交流入力端子に接続されている。全
波整流回路3の直流出力端子間には、平滑用コンデンサ
4が接続されており、以上が直流電源回路5を構成して
いる。そして、直流電源回路5の直流出力端子は、正,
負側直流母線6a,6bに接続されている。
【0007】インバータ主回路7は、正,負側直流母線
6a,6b間に3相ブリッジ接続されたトランジスタ
(IGBT)T1乃至T6と、各トランジスタT1乃至
T6に夫々並列に接続されたフライホイールダイオード
D1乃至D6とから構成されている。そのインバータ主
回路7の出力端子7u,7v,7wは、3相のブラシレ
スモータ8のスター結線された各相巻線8u,8v,8
wに接続されている。
【0008】ブラシレスモータ(以下、単にモータと称
す)8の図示しない回転軸には、分解能の高いエンコー
ダ9が設けられていると共に、インバータ主回路7の出
力端子7u,7v,7wと、モータ8の巻線8u,8
v,8wとの間には、電流検出器(例えばホール素子形
電流検出器)10u,10v,10wが夫々設けられて
いる。これらの電流検出器10u,10v,10wは、
巻線8u,8v,8wに流れる電流を夫々検出して信号
Iu,Iv,Iwを出力するようになっている。
【0009】エンコーダ9の出力端子は、ロータ位相カ
ウンタ11の入力端子に接続されており、エンコーダ9
は、パルス信号Ea及びゼロ点信号Ezをロータ位相カ
ウンタ11に夫々与えるようになっている。
【0010】ロータ位相カウンタ11の出力端子たるデ
ータバスは、ROM12u,12v及び12wのアドレ
スバスに接続されており、ロータ位相カウンタ11は、
その出力データPeをROM12u,12v及び12w
に対してアドレス信号として与えるようになっている。
ROM12u,12v及び12wの出力端子たるデータ
バスは、D/A変換器13u,13v及び13wの入力
端子に夫々接続されており、D/A変換器13u,13
v及び13wの出力端子は、乗算器14u,14v及び
14wの一方の入力端子に夫々接続されている。そし
て、D/A変換器13u,13v及び13wは、ROM
12u,12v及び12wから与えられたデータをD/
A変換して乗算器14u,14v及び14wに与えるよ
うになっている。
【0011】また、乗算器14u,14v及び14wの
他方の入力端子には、外部から電流指令信号Iaが与え
られるようになっており、乗算器14u,14v及び1
4wの出力端子は、比較増幅器15u,15v及び15
wの一方の入力端子に夫々接続されている。そして、乗
算器14u,14v及び14wは、D/A変換器13
u,13v及び13wから与えられた出力信号と電流指
令信号Iaとの乗算結果たる電流指令信号ieu,iev及
びiewを比較増幅器15u,15v及び15wに与える
ようになっている。
【0012】比較増幅器15u,15v及び15wの他
方の入力端子は、電流検出器10u,10v及び10w
の出力端子に接続されており、比較増幅器15u,15
v及び15wの出力端子は、比較器16u,16v及び
16wの一方の入力端子に接続されている。比較増幅器
15u,15v及び15wは、信号Iu,Iv及びIw
と、信号ieu,iev及びiewとを夫々比較増幅して、出
力信号veu,vev及びvewを比較器16u,16v及び
16wに夫々与えるようになっている。
【0013】比較器16u,16v及び16wの他方の
入力端子は、三角波発生器17の出力端子に接続されて
おり、比較器16u,16v,16wの出力端子は、例
えばフォトカプラからなるゲート駆動回路18即ち18
up,18vp,18wpの入力端子に夫々接続されており、
ゲート駆動回路18up乃至18wp及び18un乃至18wn
の出力端子は、トランジスタT1乃至T3及びトランジ
スタT4乃至T6のベース及びエミッタに夫々接続され
ている。
【0014】比較器16u,16v,16wにおいて
は、三角波発生器17が出力するPWM信号の搬送波P
zと信号veu,vev及びvewとを比較することにより駆
動信号Dup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが形成さ
れ、これらの駆動信号によりインバータ主回路7のトラ
ンジスタT1乃至T6がオンオフ制御される。以上がイ
ンバータ装置19を構成している。
【0015】図28に示すように、エンコーダ9は、モ
ータ8が回転すると、回転角数度毎にパルス信号Eaを
出力し((b)参照)、ロータ位相カウンタ11は、そ
のパルス信号をカウントすると共に、ゼロ点出力Ezに
よってリセットされることにより、ロータの位相Peを
0〜360度の範囲で循環的に示す((c)参照)。R
OM12u乃至12wからは、ロータ位相カウンタ11
が示すロータの位相に応じた電流指令データの電流パタ
ーンが出力される。その電流指令データは、D/A変換
器13u乃至13wによりD/A変換されて乗算器14
u乃至14wに与えられ、電流指令信号ieu,iev,i
ewが出力される((d)参照)。
【0016】比較増幅器15u乃至15wは、その電流
指令信号ieu,iev,iewと、電流検出器10u,10
v,10wの出力信号Iu,Iv,Iwとを比較して、
比較器16u,16v,16wに電圧指令信号veu,v
ev,vewを出力する((e)参照)。そして、比較器1
6u,16v,16wは、電圧指令信号veu,vev,v
ew及び搬送波Pzのレベルを比較することにより、駆動
信号をゲート駆動回路18に出力する。このようにし
て、予めROM12u,12v及び12wに記憶された
電流パターンを読出して、電気角数度単位でモータ8に
供給する電流をフィードバック制御するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなインバータ装置19に用いられる分解能の高いエ
ンコーダ9及び電流の波形を検出する電流検出器10
u,10v,10wは高価であるため、製品のコストが
大幅に上昇してしまう。また、エンコーダ9を取付ける
には、製品寸法の制約もあり、家電製品など低コスト及
び小形化を要求される製品分野においては、インバータ
装置19のような構成を導入することは出来なかった。
【0018】本発明は上記事情を鑑みて成されたもので
あり、その目的は、高価なエンコーダ及び電流検出器を
用いずに、最小限の位置センサで任意波形の電圧をブラ
シレスモータに供給することができるインバータ装置を
提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のインバータ装置は、ブラシレスモー
タの複数の巻線に順次通電するために、正側直流母線と
出力端子との間に接続され並列にダイオードを有する正
側スイッチング素子と、負側直流母線と出力端子との間
に接続され並列にダイオードを有する負側スイッチング
素子とから構成されたインバータ主回路と、ブラシレス
モータの複数の巻線に発生する誘起電圧と一定の位相関
係をもつ位置センサ信号を出力する複数の位置センサ
と、複数の巻線に流れる電流の極性を判定する電流極性
判定手段と、この電流極性判定手段が判定する電流の極
性に基づいて複数の巻線に流れる電流の位相を検出する
電流位相検出手段と、複数の位置センサ信号と電流位相
とに基づいて、位置センサ信号よりも高い分解能を有す
る電圧位相を決定する電圧位相決定手段と、電圧位相に
対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段と、電圧位相
決定手段により決定された電圧位相及び電圧率記憶手段
に記憶された電圧率に基づいて信号波を形成する信号波
形成手段と、PWM制御を行うための搬送波を出力する
搬送波出力手段を有し、信号波と搬送波との振幅レベル
を比較することによって駆動信号を形成する駆動信号形
成手段と、この駆動信号形成手段からの駆動信号に応じ
てゲート信号を出力してインバータ主回路の正側及び負
側スイッチング素子に与えるゲート駆動手段とを具備し
たことを特徴とする。
【0020】この場合、電流極性判定手段は、正側若し
くは負側スイッチング素子のオンタイミングにおいて正
側若しくは負側スイッチング素子に流れる電流の有無を
検出することにより電流の極性を判定する構成にするの
が好ましい(請求項2)。
【0021】また、電流極性判定手段は、正側若しくは
負側スイッチング素子のオフタイミングにおいて対を成
す負側若しくは正側スイッチング素子に並列に接続され
たダイオードに流れる電流の有無を検出することにより
電流の極性を判定する構成にしても良い(請求項3)。
【0022】更に、電流極性判定手段を、ゲート駆動手
段と共通の電源によって動作し、巻線とインバータ主回
路の出力端子との間に接続された抵抗の両端電圧を比較
するコンパレータで構成するのが好適である(請求項
4)。
【0023】更にまた、電圧率記憶手段に記憶される電
圧位相に対応した電圧率は、正弦波に応じた電圧率とす
るのが好ましい(請求項5)。加えて、電流極性判定手
段とゲート駆動手段とを一つの集積回路として構成する
と良い(請求項6)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例につい
て、図1乃至図18を参照して説明する。尚、図1乃至
図3においては、図27と同一部分には同一符号を付し
て説明を省略し、以下異なる部分のみ説明する。電気的
構成を示す図1乃至図3において、ブラシレスモータ
(以下、単にモータと称す)8内に電気角で120度毎
に配置された位置センサたるホールIC20即ち20
u,20v,20wの出力端子は、マイクロコンピュー
タ(以下、マイコンと称す)21の入力端子及び割込み
信号発生回路22の入力端子に接続されている。
【0025】ホールIC20u,20v,20wは、モ
ータ8のロータの回転位置を検出するもので、夫々の対
応するU,V,W相の巻線8u,8v,8wの誘起電圧
vmu,vmv,vmw(図18(a)参照)に対して
電気角30度遅れの関係の出力信号(位置センサ信号)
Hu,Hv,Hw(図18(b)参照)を発生するよう
になっている。
【0026】電流極性判定回路(電流極性判定手段)2
3は、実際はインバータ主回路7の出力端子7u,7
v,7wとモータ8の巻線8u,8v,8wとの間に介
挿されており、電流極性判定回路23の出力端子は、マ
イコン21及び割込み信号発生回路24の入力端子に夫
々接続されている。そして、電流極性判定回路23は、
巻線8u,8v,8wに流れる各相電流iu,iv,i
w(図18(i)参照)の極性を判定し、極性信号Si
u,Siv,Siw(図18(j)参照)を出力するように
なっている。尚、電流極性判定回路23の詳細な構成に
ついては後述する。
【0027】割込み信号発生回路22は、図4に示すよ
うに、NOTゲート22a乃至22c,ANDゲート2
2d乃至22f及びORゲート22gによって構成され
ており、ホールIC20u,20v,20wの出力信号
Hu,Hv,Hwの内の何れか一つが立上ると立上り、
何れか一つが立下ると立下る信号Shを出力するように
なっている。そして、割込み信号発生回路22の出力端
子は、マイコン21の割込み信号入力端子に接続されて
おり、出力信号Shを割込み信号として与えるようにな
っている。
【0028】尚、割込み信号発生回路24も、その内部
構成は割込み信号発生回路22と全く同様に構成されて
いる。そして、割込み信号発生回路24の出力端子は、
マイコン21の割込み信号入力端子に接続されており、
極性信号Siu,Siv,Siwから得られた出力信号Siを
割込み信号として与えるようになっている。マイコン2
1は、割込み信号Sh,Siの立上りエッジ及び立下り
エッジの両方で割込みを認識するようになっている。
【0029】また、マイコン21の入力端子には、外部
から電圧指令信号Daが与えられるようになっている。
更に、マイコン21は、その内部に有しているROM2
1a(電圧率記憶手段)に、図5に示すように、電気角
0〜359度に対応した正弦波の一周期の電圧率データ
Duを記憶している。その電圧率データDuの値は、例
えば、「−127」〜「127」とする。加えて、マイ
コン21の内部には、例えば1μs単位で「0」から
「999999」までのカウントを繰返す時間カウンタ
21bが内蔵されていると共に、作業領域としてRAM
21cをも内蔵している。
【0030】駆動信号回路(駆動信号形成手段)25
は、搬送波Pzとして三角波を形成する例えば8ビット
のアップダウンカウンタ(搬送波出力手段)25aと、
マイコン21から得られる各相の信号波に対応するデー
タvau,vav,vawをラッチするラッチ回路25
Lu,25Lv,25Lwと、搬送波Pzとラッチ出力
を比較する比較器25u,25v,25wとから構成さ
れている。
【0031】駆動信号回路25の割込み信号出力端子
は、マイコン21の割込み信号入力端子に接続されてお
り、割込み信号Spを与えるようになっている。アップ
ダウンカウンタ25aは、カウント値「0」からアップ
カウントを開始して、カウント値が「255」に達する
と、そこからダウンカウントに切替るという動作を繰返
すことにより、図7(b)に示すようにデジタルな三角
波の搬送波Pzを出力するものである。
【0032】そして、割込み信号Spは、アップダウン
カウンタ25aのカウント値が「0」になるとハイレベ
ルとなり、カウント値が「255」に達するとローレベ
ルとなる矩形波状の信号である。而して、駆動信号回路
25の6つの駆動信号出力端子は、選択回路26の入力
端子に夫々接続されており、駆動信号Dup,Dun,Dv
p,Dvn,Dwp,Dwnを夫々与えるようになっている。
【0033】また、ホールIC20u,20v,20w
の出力端子は、論理回路27の入力端子に接続されてい
る。PWMのデューティを決定するための電圧指令信号
Daが入力されるPWM回路28は、PWM信号Paを
AND回路29即ち29u,29v,29wの一方の入
力端子に与えるようになっている。また、論理回路27
の出力端子27up,27vp,27wpは、AND回路29
u,29v,29wのもう一方の入力端子に夫々接続さ
れていると共に、論理回路27の出力端子27un,27
vn,27wnは、選択回路26の入力端子に接続されてお
り、論理回路27は、選択回路26に駆動信号D´un,
D´vn,D´wnを与えるようになっている。
【0034】PWM回路28は、例えば図6に示すよう
に、PWM制御の搬送波Pzとして三角波を形成する例
えばアップダウンカウンタからなる三角波発生器28a
と、外部より速度制御信号として与えられる電圧指令信
号Da(図7(a)参照)をラッチするラッチ回路28
bと、ラッチ回路28bの出力信号であるラッチ信号D
bと搬送波Pzとをデジタル比較する比較回路28cと
から構成されている。
【0035】三角波発生器28aは、クロック信号に従
ってカウント値「0」から一定値までアップカウントし
た後、また「0」までダウンカウントする動作を繰返す
ことにより、デジタルな三角波の搬送波Pzを発生させ
るものである。そして、図7(b)及び(c)に示すよ
うに、比較回路28cは、ラッチ信号Dbのレベルが搬
送波Pzのレベルよりも大であれば出力がハイレベルと
なるように構成されており、以て、PWM信号Paを形
成するようになっている。
【0036】AND回路29u,29v,29wの出力
端子は、選択回路26の入力端子に接続されており、A
ND回路29u乃至29wは、選択回路26に駆動信号
D´up,D´vp,D´wpを与えるようになっている。選
択回路26の出力端子は、ゲート駆動回路(ゲート駆動
手段)18即ち18up,18un,18vp,18vn,18
wp,18wnの入力端子に夫々接続されている。尚、論理
回路27,PWM回路26及びAND回路29u,29
v,29wは、初期駆動信号回路30を構成している。
【0037】また、マイコン21の2つの選択信号出力
端子は、選択回路26の2つの入力端子に夫々接続され
ており、マイコン21は、選択信号Se1及びSe2を
選択回路26に与えるようになっている。そして、選択
回路26は、駆動信号回路25により形成された駆動信
号と初期駆動信号回路30により形成された初期駆動信
号とのどちらか一方を、与えられる選択信号Se1及び
Se2のレベルに応じて選択して(図9参照)、ゲート
駆動回路18に供給するものである。以上がインバータ
装置31を構成している。
【0038】ここで、U相に関する電流極性判定回路2
3uの詳細な構成について述べる。図8において、直列
接続された電源32a(電圧E1),32b(電圧E
2)は、絶縁トランスなどからなる図示しない電源回路
によって、例えば駆動用電源から降圧され、且つ、分圧
されて形成されたものである。
【0039】その電源32a,32bの正,負端子に夫
々接続された電源母線33a,33b間には、コンデン
サ34uが接続されていると共に、各母線33a,33
b間には、ゲート駆動回路18up及びコンパレータ35
uの電源端子が接続されている。そして、電源32a,
32bの共通接続点は、インバータ主回路7のU相出力
端子7uに接続されている。ゲート駆動回路18upは、
駆動信号Dupがハイレベルの場合はトランジスタT1の
ベース−エミッタ間に電圧E1を印加し、駆動信号Dup
がローレベルの場合は、トランジスタT1のベース−エ
ミッタ間に電圧−E2を印加するようにゲート信号Gup
を与えるものである。
【0040】出力端子7uと巻線8u(図示せず)との
間には、抵抗36uが介挿されている。そして、出力端
子7uはコンパレータ35uの非反転入力端子に接続さ
れ、抵抗36uと巻線8uとの共通接続点はコンパレー
タ35uの反転入力端子に接続されている。コンパレー
タ35uの出力端子は、抵抗37uを介して入力端子の
一方が電源母線32bに接続されているフォトカプラ3
8uの他方の入力端子に接続されている。
【0041】フォトカプラ38uの出力端子は、極性判
定信号Siuを出力するようになっている。このフォトカ
プラ38uは、ゲート駆動回路18upと同様に、モータ
8の駆動用電源と制御用電源とを電気的に絶縁するため
に設けられている。以上が電流極性判定回路23uを構
成している。尚、V及びW相についても、電流極性判定
回路23v,23wが全く同様に構成されて電源母線3
3a,33b間に接続されており、極性判定信号Siv,
Siwを夫々出力するようになっている。
【0042】次に、本実施例の作用について、図10乃
至図18をも参照して説明する。モータ8の始動時にお
けるマイコン21の制御内容のフローチャートを示す図
10において、このフローチャートはメインルーチンで
あり、例えば20m秒周期で処理が行われている。
【0043】まず、「始動条件?」の判断ステップD1
において、マイコン21は、図示しないスタート信号が
外部より与えられる入力端子を参照して、始動条件が成
立しているか否かを判定する。判断ステップD1におい
て「NO」と判断すると、「Se1=L,Se2=L」
の処理ステップD2に移行して、選択信号Se1及びS
e2を共にローレベル(L)にする。この場合は、ゲー
ト駆動回路18に駆動信号は供給されない。
【0044】スタート信号が与えられて、判断ステップ
D1において「YES」と判断すると、「所定回転角
?」の判断ステップD3に移行して、マイコン21は、
ステップD1において「YES」と判断した時点から、
後述する割込み信号Shによる割込み処理ルーチンにお
けるステップA6において検出されるモータ8の回転角
Nmが所定値に達したか否かを判断する。
【0045】判断ステップD3においてマイコン21が
「NO」と判断すると、「Se1=H,Se2=L」の
処理ステップD4に移行して、選択信号Se1及びSe
2をハイ(H)及びローレベルにする。すると、初期駆
動信号回路30が出力する初期駆動信号が選択回路26
により選択されてゲート駆動回路18に与えられる。
【0046】ここで、初期駆動信号回路30の作用につ
いて述べる。初期駆動信号回路30の論理回路27は、
位置センサ信号Hu,Hv及びHwについて以下に示す
論理演算を行って、出力端子27up,27un,27vp,
27vn,27wp,27wnに夫々信号D´up,D´un,D
´vp,D´vn,D´wp,D´wnを出力するようになって
いる。 D´up=(Hu)and{not(Hv)} D´un={not(Hu)}and(Hv) D´vp=(Hv)and{not(Hw)} …(1) D´vn={not(Hv)}and(Hw) D´wp=(Hw)and{not(Hu)} D´wn={not(Hw)}and(Hu)
【0047】そして論理回路27の出力信号D´un,D
´vn,D´wnは選択回路26にそのまま駆動信号として
与えられ、出力信号D´up,D´vp,D´wp,は、AN
D回路29u,29v,29wにおいてPWM信号Pa
(図7(c)参照)と論理積がとられて駆動信号(便宜
上D´up,D´vp,D´wpとして示す)が形成され、こ
れらの駆動信号によりインバータ主回路7の正側及び負
側スイッチング素子たるトランジスタT1乃至T6がオ
ンオフ制御され、以て、インバータ装置31は、位置セ
ンサ信号Hu乃至Hwに対応した120度通電の電圧に
よりモータ8を駆動して始動させる。
【0048】その後、モータ8の回転角Nmが所定値に
達して、判断ステップD3においてマイコン21が「Y
ES」と判断すると、「Se1=L,Se2=H」の処
理ステップD5に移行し、選択信号Se1及びSe2を
ロー及びハイレベルにして、ゲート駆動回路18に駆動
信号回路25が出力する駆動信号を与えるようにする。
そして、ステップD6で始動終了フラグを「1」として
次のステップに移行する。
【0049】次に、駆動信号回路25の動作について説
明する。尚、以降はU相に関する信号を中心として説明
する。また、以降の処理で使用されるデータテーブル1
及び2,電圧位相指令Pr,電圧率データDuは、予め
ROM21aに制御プログラムと同様に記憶されている
ものであり、マイコン21の初期処理において制御プロ
グラムと同様にRAM21c上に転送されているものと
する。
【0050】割込み信号Shは、前述のように、位置セ
ンサたるホールIC20u,20v,20wの出力信号
(位置センサ信号)Hu,Hv,Hwの内の何れか一つ
のレベルが変化する毎に変化する。図11は、割込み信
号Shによって生じる割込み処理ルーチンのフローチャ
ートである。
【0051】まず、「カウンタデータTcの読込み」の
処理ステップA1において、マイコン21は、割込み信
号Shによる割込みが生じた時刻、即ち、位置センサ信
号Hu乃至Hwが変化した時刻のカウンタデータTcを
時間カウンタ21bから読込む。そして、前回の割込み
処理で読込んだカウンタデータが変数Txに格納されて
いるので、その変数Txを変数Tyに代入して、今回読
込んだカウンタデータTcを、新たに変数Txに代入す
る。尚、これらの変数は、RAM21cに記憶される。
そして、「位置センサ信号周期測定」の処理ステップA
2に移行する。
【0052】処理ステップA2においては、マイコン2
1は、位置センサ信号Hu乃至Hwが変化する周期Ts
を求める。この変化周期(以下、位置センサ周期と称
す)Tsは、前回と今回の割込み処理が発生した時刻の
差に等しいので、ステップA1における変数Tx及びT
yの差、即ち、Ts=Tx−Tyにより求める。次に、
「位置センサ信号データ読込み」の処理ステップA3に
移行する。尚、ステップA1及びA2は、位置センサ周
期測定手段に対応している。
【0053】処理ステップA3においては、マイコン2
1は、この時点で位置センサ信号Hu,Hv,Hwが示
している信号レベルを読込んで、次の「電気角Pxを得
る」の処理ステップA4に移行する。処理ステップA4
においては、マイコン21は、ステップA3で得た位置
センサ信号Hu,Hv,Hwに基づいて、ROM21a
に記憶されたデータテーブル1(図14参照)を参照し
てロータ位相たる電気角Pxを得て、RAM21cの所
定領域に書込む。例えば、位置センサ信号Hu,Hv,
Hwの信号レベルがH,L,Lであれば、電気角Pxは
90度となる。そして、「ロータ位相差Psを得る」の
処理ステップA5に移行する。
【0054】処理ステップA5においては、マイコン2
1は、変化周期Tsに対応するロータ位相差Psを、ス
テップA12と同様に、位置センサ信号データに基づい
て、RAM21cに記憶されたデータテーブル2(図1
5参照)を参照してロータ位相差Psを得てRAM21
cの演算用の所定領域に書込むと、「回転角検出」の処
理ステップA6に移行する。
【0055】処理ステップA6においては、マイコン2
1は、回転角カウンタNmをインクリメント(Nm=N
m+1)する。この回転角カウンタNmは、この割込み
信号Shによる割込み処理ルーチンが実行される毎、即
ち、モータ8が60度回転する毎にインクリメントされ
るものである。そして、メインルーチンにリターンす
る。
【0056】次に、割込み信号Spに応じた割込み処理
について図12を参照して説明する。割込み信号Sp
は、割込み信号Shよりも短い周期でマイコン21に割
込みを発生させるものである。まず、「カウンタデータ
Tcの読込み」の処理ステップB1においては、割込み
発生時刻を示す時間カウンタ21bのデータTcを読込
んで、変数Tnに代入する。そして、「電圧位相指令P
rの読出し」の処理ステップB2に移行する。
【0057】処理ステップB2においては、マイコン2
1は、U相誘起電圧vmuに対して、印加電圧に進み位
相を与えるための電圧位相指令PrをRAM21cから
読出すと、次の「電圧位相Pnを演算」処理ステップB
3に移行する。処理ステップB3においては、マイコン
21は、以上の処理によって得られた演算パラメータを
もRAM21cから読出して、時刻Tnにおける電圧位
相Pnを次式により演算して求める。 Pn=Px+Pr+Ps×(Tn−Tx)/Ts …(2)
【0058】この(2)式は、時刻の変化に応じて電圧
位相Pnが線形に変化することに基づいたものである。
ここで、電圧位相Pnは「0」〜「359」のデータで
あり、計算結果が「360」を超えた場合には「36
0」を減じる。尚、以上のステップB1乃至B3は、電
圧位相決定手段に対応している。
【0059】またここで、図18(f)に示す時刻t
1,t2,t3において演算パラメータとして以下の具
体的数値を得た場合の、電圧位相Pnの計算例を示す。
時刻t1において割込み信号Shによる割込みが発生
し、時刻t2は、その次に割込み信号Shによる割込み
が発生した時刻である。また、時刻t3は、時刻t2後
の任意の時刻で割込み信号Spによる割込みが発生した
時刻である。
【0060】時刻t1,t2,t3において時間カウン
タ21bによって得られたカウント値を順に「1000
0」,「14000」,「15000」とすると、ステ
ップA1及びA2によって、変数Ty,Tx及びTsが
下記のように決定されて記憶される。そして、ステップ
A3において位置センサ信号Hu,Hv,Hwの信号レ
ベルが「H,L,L」と得られたとすると、ステップA
12においては、図14のデータテーブル1から電気角
Pxが「90」と、ステップA13においては、図15
のデータテーブル2からロータ位相差Psが「60」と
求められる。
【0061】ステップB1においては、Tn(=t3)
が「15000」と記憶され、ステップB2では、予め
ROM30aに記憶された電圧位相指令Prが「15」
であったとする。すると、ステップB3においては、電
圧位相Pnは以下のように演算される。 Ty=10000, Tx=14000, Ts=Tx−Ty=4000, Px=90, Ps=60, Tn=15000, Pr=15 Pn=90+15+60×(15000−14000)/4000 =120 …(3)
【0062】再び図12を参照して、以上のようにして
電圧位相Pnを求めると、「電圧指令信号Daを読込
む」の処理ステップB4に移行する。処理ステップB4
においては、マイコン21は、外部より与えられている
電圧指令信号Daを読込むと、次の「電圧率データDu
の読出し」の処理ステップB5に移行して、ステップB
3で求めた電圧位相Pnに対応する正弦波の電圧率デー
タDu(図5参照)をRAM21cから読出す。そし
て、「信号波vauを演算」の処理ステップB6に移行
する。
【0063】処理ステップB6においては、次式に従っ
て信号波vauを演算する。 vau=Du×(Da/255)+128 …(4) ここで、電圧率データDuの値域は、例えば8ビットデ
ータの2の補数表現で取り得る「−127」〜「12
7」であり、8ビットのアップダウンカウンタ22aの
取り得る値域(カウントデータ0〜255)にシフトさ
せるため、「128」をoffset値として加えている。ま
た、電圧指令信号Daの値域も「0」〜「255」であ
り、電圧率データDuに「Da/255」を乗ずること
によって、電圧指令に応じて正弦波の振幅、即ち、信号
波vauのレベルを制御するものである。そして、「信
号波vauを出力」の処理ステップB7に移行して、信
号波vauの演算結果をラッチ回路25Luに出力す
る。
【0064】次に、「信号波vavを演算して出力」の
処理ステップB8に移行する。処理ステップB8におい
ては、マイコン21は、V相の信号波vavを演算する
ために、ステップB3において演算したU相の電圧位相
Pnから120度を減じてV相の電圧位相Poを求め
る。そして、その電圧位相Poに応じてRAM21cよ
り電圧率データDvを読出し、ステップB4と同様に信
号波vavを演算する。 Po=Pn−120 (Po<0の場合、Po=Po+360)…(5) vav=Dv×(Da/256)+128 …(6) そして、信号波vavの演算結果をラッチ回路25Lv
に対して出力すると、「信号波vawを演算して出力」
の処理ステップB9に移行する。
【0065】処理ステップB9においては、マイコン2
1は、W相の信号波vawを演算するために、ステップ
B3において演算したU相の電気角Pnから240度を
減じてW相の電圧位相Pqを求める。そして、その電圧
位相Pqに応じてRAM21cより電圧率データDwを
読出し、ステップB4と同様に、信号波vawを演算す
る。 Pq=Pn−240 (Po<0の場合、Po=Po+360)…(7) vaw=Dw×(Da/256)+128 …(8) 尚、以上のステップB4乃至B9は、信号波形成手段に
対応している。
【0066】ここで、電流極性判定回路23uの作用に
ついて、図17及び図18を参照して説明する。図17
(a)及び(b)は、ゲート駆動回路18up,18unを
介してインバータ主回路7のU相のトランジスタT1及
びT4に出力される駆動信号Dup及びDunであり、U相
電流iuの極性が負から正に変化して行く場合を示して
いる(図17(c)参照)。この時、抵抗36uの両端
には、U相電流iuに比例した電圧が発生してコンパレ
ータ35uに与えられる。
【0067】U相電流iuの極性が負でトランジスタT
4がオンの場合、U相電流iuは、抵抗36uに対して
図8に破線で示す方向に流れるので、コンパレータ35
uの反転入力端子の電位は非反転入力端子の電位よりも
高くなり、コンパレータ35uの出力信号はローレベル
となる。
【0068】また、U相電流iuの極性が正の場合、U
相電流iuは、トランジスタT1がオンの場合はトラン
ジスタT1,トランジスタT1がオフの場合はダイオー
ドD4を介して、抵抗36uに対して図8に実線で示す
方向に流れるので、コンパレータ35uの非反転入力端
子の電位は反転入力端子の電位よりも高くなり、コンパ
レータ35uの出力信号はハイレベルとなる。
【0069】従って、U相電流iuの極性が負から正に
変化するとコンパレータ35uの出力はローレベルから
ハイレベルに変化し、それに伴って、フォトカプラ38
uの出力信号たる極性判定信号Siuもローレベルからハ
イレベルに変化する(図17(d)参照)。尚、V及び
W相についても同様の作用によって極性判定信号Siv及
びSiwが出力される(図18(j)参照)。そして、割
込み信号発生回路24により割込み信号Siが出力され
る(図18(k)参照)。
【0070】次に、割込み信号Siによる割込み処理に
ついて図13を参照して説明する。処理ステップC1乃
至C3は、割込み信号Siが入力された時刻における電
圧位相Pnを演算により求めるもので、第1実施例にお
けるステップB1乃至B3と同様の処理である。
【0071】次の「電流信号データの読込み」の処理ス
テップC4においては、マイコン21は、この時点で電
流信号Siu,Siv,Siw(図18(j)参照)が示して
いる信号レベルを読込んで、次の「電流位相Piを得
る」の処理ステップC5に移行する。処理ステップC5
においては、電流位相としての電気角データPiを、予
め各相の電流の正負判定結果の関係から算出してマイコ
ン21のROMに21aに記憶され、初期処理において
RAM21c上に転送されたデータテーブル3(図16
参照)を参照して求める。そして、「電流位相差Pjを
演算」の処理ステップC6に移行する。
【0072】マイコン21は、処理ステップC6におい
ては、U相の誘起電圧vmuとU相電流iuとの位相差
Pjを算出するもので、ステップC3において得られた
電圧位相PnからステップC5において得た電流位相P
iを減じることにより、電流位相差(電圧電流位相差)
Pj(=Pn−Pi)を求める。そして、「電圧位相指
令Prを決定」の処理ステップC7に移行する。尚、ス
テップC4乃至C6は、電流位相差検出手段に対応して
いる。
【0073】処理ステップC7においては、マイコン2
1は、ステップC2ではRAM21cから読出した電圧
位相指令Prを、ステップC6で得られた電圧位相Pn
と電流位相Piとの位相差Pjに置き換えて、RAM2
1cの所定領域に書き込む。この処理によって、以降の
印加電圧の位相は、実際のU相誘起電圧vmuとU相電
流iuとの位相差Pjに基づいて決定されるので、両者
の位相差Pjは、縮小される方向に自動的に調整され
る。
【0074】次に、駆動信号回路25の作用について、
図18を参照して説明する。信号波vau,vav,v
awは、ラッチ回路25Lu乃至25Lwを介して搬送
波Pzと比較され、その大小関係から駆動信号Dupが形
成される。比較器25uは、信号波vauと搬送波Pz
のレベルを比較して、信号波vauのレベルが大きい場
合に出力をハイレベルにすることにより駆動信号Dupを
形成する。また、駆動信号Dupを反転した信号が駆動信
号Dunとなる。同様に、信号波vavと搬送波Pzとの
比較結果から駆動信号Dvp及びその反転信号である駆動
信号Dvnが、信号波vawと搬送波Pzの比較結果から
駆動信号Dwp及びその反転信号である駆動信号Dwnが形
成される。
【0075】図18(h)に示すように、駆動信号Dup
のPWMデューティは、正弦波の振幅変化に応じて、滑
らかに変化して行く。従って、これらの駆動信号により
ゲート駆動回路18を介してインバータ主回路7の夫々
のトランジスタT1乃至T6をオンオフ制御すると、モ
ータ8の各巻線8u,8v,8wには夫々の誘起電圧v
mu,vmv,vmwと電気角Pr進み位相の正弦波電
圧が供給されて、図18(i)のようにロータ位置に応
じた正弦波電流が各巻線に通電される。
【0076】以上のように本実施例によれば、モータ8
内にホールIC20u,20v及び20wを配置して、
その位置センサ信号Hu,Hv及びHwに基づいて発生
される割込み信号Shによる割込み処理で、マイコン2
1は、位置センサ周期Tsを決定すると共に電気角Px
及び位置センサ周期Tsに対応するロータ位相差Psを
RAM21cから読出し、また、電流極性判定回路23
u,23v及び23wによってU,V及びW相電流の極
性判定信号Siu,Siv及びSiwを得て、これらの極性判
定信号Siu乃至Siwに基づいて発生される割込み信号S
iによる割込み処理で、誘起電圧に対する電流の位相差
Pjを検出すると共にその位相差Pjを電圧位相指令P
rとして設定し、割込み信号Spによる割込み処理にお
いて時間カウンタ21bのカウンタデータTc及び電圧
位相指令Prを読出すと、これらの演算パラメータから
電圧位相Pnを演算によって求め、電圧位相Pnに対応
する正弦波の電圧率データDuを読出し、その電圧率デ
ータDuに応じてU,V及びW相の信号波vau乃至v
awを演算して駆動信号回路25に出力し、駆動信号回
路25は、信号波vau乃至vawと搬送波Pzとの振
幅レベルを比較すると、ゲート駆動回路18を介してイ
ンバータ主回路7にゲート信号Gup乃至Gwnを与えてモ
ータ8の巻線8u乃至8wに通電を行い、モータ8を駆
動するようにした。
【0077】従って、ホールIC20u,20v及び2
0wによって位置センサ信号Hu,Hv及びHwを得る
だけで、これらの位置センサ信号から得られる以上に高
い分解能を有するロータの電圧位相Pnを得ることがで
き、その電圧位相Pnに基づいて正弦波の電圧率データ
Duに応じた駆動信号によってモータ8を駆動すること
ができるので、トルク変動を著しく低減して振動及び騒
音をも低減することができる。また、従来のような高精
度のエンコーダ9を用いる必要がないので、低コストで
実現でき、モータ8の設置スペースを確保できると共
に、防塵対策なども不要となる。
【0078】更に、誘起電圧と相電流との電圧電流位相
差Pjを正確に検出することができ、誘起電圧に対する
電圧位相指令Prがその電圧電流位相差Pjに設定され
ることにより、各相巻線8u,8v及び8wに流れる巻
線電流は、誘起電圧vau,vav及びvawと同相に
なり、モータ8の発生トルクを最大にして効率を高める
ことができる。
【0079】加えて、本実施例によれば、電流極性判定
回路23uは、トランジスタT1のオンタイミングにお
いて、トランジスタT1に流れるU相電流iuの有無を
抵抗36u及びコンパレータ35uによって検出してU
相電流iuの極性を判定して極性判定信号Siuを出力す
るので、ホールICによって構成された変流器などを用
いることなしに、簡単且つ安価な構成によってU相電流
iuの極性を判定することができ、インバータ装置31
を更に低コストで構成することができる。
【0080】図19及び図20は本発明の第2実施例を
示すものであり、図19においては図8と同一部分には
同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分のみ説
明する。第2実施例では、電流極性判定回路39uは、
第1実施例における電流極性判定回路23uの代わりに
インバータ主回路7のトランジスタT4側に設けられて
いる。
【0081】U相に関する電流極性判定回路39uの電
気的構成を示す図19において、直列接続された電源4
0a(電圧E3),40b(電圧E4)は、第1実施例
の電源32a,32bと同様に図示しない電源回路によ
って形成されたものである。その電源40a,40bの
正,負端子に夫々接続された電源母線41a,41b間
には、コンデンサ42uが接続されていると共に、各電
源母線41a,41bには、ゲート駆動回路18un,コ
ンパレータ43u及びラッチ回路44uの電源端子が接
続されている。そして、電源40a,40bの共通接続
点は、直流母線6bに接続されている。
【0082】ゲート駆動回路18unは、駆動信号Dunが
ハイレベルの場合はトランジスタT4のベース−エミッ
タ間に電圧E3を印加し、駆動信号Dunがローレベルの
場合はトランジスタT4のベース−エミッタ間に電圧−
E4を印加するようになっている。
【0083】トランジスタT4のエミッタと直流母線6
bとの間には、抵抗45uが介挿されている。そして、
トランジスタT4のエミッタと抵抗45uとの共通接続
点はコンパレータ43uの非反転入力端子に接続され、
抵抗45uと直流母線6bとの共通接続点はコンパレー
タ43uの反転入力端子に接続されている。コンパレー
タ43uの出力端子は、ラッチ回路44uの入力端子D
に接続されている。また、ゲート駆動回路18unの出力
端子は、ラッチ回路44uの入力端子ckに接続されてお
り、ゲート信号Gunを与えるようになっている。
【0084】このラッチ回路44uは、入力端子ckに与
えられる信号の立下がりエッジにおいて、入力端子Dに
与えられているデータをラッチ(セット)するものであ
る。ラッチ回路44uの負論理の出力端子/Qは、フォ
トカプラ46uの入力端子及び抵抗47uを介して電源
母線41bに接続されている。そして、フォトカプラ4
6uの出力端子は、極性判定信号Siuを出力するように
なっている。以上が電流極性判定回路39uを構成して
いる。尚、V及びW相についても、電流極性判定回路が
全く同様に構成されて電源母線41a,41b間に接続
されており、夫々極性判定信号を出力するようになって
いる。
【0085】次に、第2実施例の作用について図20を
も参照して説明する。図20(a)及び(b)は、第1
実施例における図17(a)及び(b)と同様の駆動信
号Dup及びDunであり、U相電流iuの極性が負から正
に変化して行く場合を示している((c)参照)。
【0086】U相電流iuの極性が負の場合、トランジ
スタT4にコレクタ電流itが流れて((e)参照)、
抵抗45uに対する電流isは、コンパレータ43uの
非反転入力端子の電位が反転入力端子の電位よりも高く
なる方向に流れる((d)参照)。よって、コンパレー
タ43uの出力信号は、駆動信号Dunがハイレベルとな
るのに伴ってハイレベルとなる。
【0087】また、U相電流iuの極性が正の場合は、
図19において点線で示すダイオードD4の順方向電流
idが、駆動信号Dupのオフタイミング(ローレベル)
で流れるので((f)参照)、抵抗45uに対する電流
isは、コンパレータ43uの反転入力端子の電位が高
くなる方向に流れて、コンパレータ43uの出力信号は
常にローレベルとなる((g)参照)。
【0088】そして、ラッチ回路44uの反転出力端子
/Qは、コンパレータ43uから与えられる信号を、ゲ
ート信号Gunの立下がりでラッチしてレベルを反転して
出力するので、フォトカプラ46uの出力たる極性判定
信号Siuは、U相電流iuの極性が負の場合はローレベ
ル,正の場合はハイレベルの信号となる((h)参
照)。尚、V及びW相についても、電流極性判定回路は
全く同様に作用する。
【0089】以上のように第2実施例によれば、電流極
性判定回路39uは、トランジスタT4のエミッタと直
流母線6bとの間に介挿した抵抗45uに流れる電流i
sをコンパレータ43uによって検出して相電流iuの
極性を判定するようにしたので、第1実施例と同様の効
果が得られる。
【0090】図21及び図22は本発明の第3実施例を
示すものであり、図21においては図19と同一部分に
は同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分のみ
説明する。第3実施例では、電流極性判定回路48u
は、第2実施例における電流極性判定回路39uの代わ
りにインバータ主回路7のトランジスタT4側に設けら
れている。
【0091】U相に関する電流極性判定回路48uの電
気的構成を示す図21においては、抵抗45uの両端に
対して、コンパレータ49uの非反転,反転入力端子
は、第2実施例のコンパレータ43uとは逆に接続され
ている。また、ネガティブエッジトエリガのラッチ回路
44uに代えて、ポジティブエッジトエリガのラッチ回
路50uが配置されており、その出力端子Qは、抵抗4
7uを介してフォトカプラ46uの入力端子及び抵抗4
7uを介して電源母線41bに接続されている。その他
は第2実施例と同様の構成であり、以上が電流極性判定
回路48uを構成している。尚、V及びW相について
も、電流極性判定回路が全く同様に構成されて電源母線
41a,41b間に接続されており、夫々極性判定信号
を出力するようになっている。
【0092】次に、第3実施例の作用について図22を
も参照して説明する。U相電流iuの極性が負の場合、
抵抗45uに対する電流isは、コンパレータ49uの
反転入力端子の電位が非反転入力端子の電位よりも高く
なる方向に流れる。よって、コンパレータ49uの出力
信号は常にローレベルとなる。
【0093】また、U相電流iuの極性が正でトランジ
スタT1がオフの場合、電流isは、図21に示すよう
に、ダイオードD4に電流idを流す方向、即ち、コン
パレータ49uの非反転入力端子の電位が高くなる方向
に流れるので、コンパレータ49uの出力信号は駆動信
号Dunがハイレベルとなる(ダイオードD4に電流id
が流れる)のに伴ってハイレベルとなる。
【0094】そして、ラッチ回路50uの出力端子Q
は、コンパレータ49uから与えられる信号を、ゲート
信号Gunの立上りでラッチして出力するので、フォトカ
プラ46uの出力たる極性判定信号Siuは、U相電流i
uの極性が負の場合はローレベル,正の場合はハイレベ
ルの信号となる((g)参照)。尚、V及びW相につい
ても、電流極性判定回路は全く同様に作用する。
【0095】以上のように第3実施例によれば、電流極
性判定回路48uは、抵抗45u及びコンパレータ49
uによって、トランジスタT1のオフタイミングにおい
てダイオードD4に流れる電流idを検出することによ
り相電流iuの極性を判定するようにしたので、第2実
施例と同様の効果が得られる。
【0096】図23は本発明の第4実施例を示すもので
あり、図19と同一部分には同一符号を付して説明を省
略し、以下異なる部分のみ説明する。第4実施例では、
インバータ主回路7に代えて、インバータ主回路7の負
側のトランジスタT4,T5,T6の代わりに、電流検
出機能を有したMOS形でnチャネルのFET(例えば
商品名IRC840)51(図23ではU相のみ示す)
によって構成されたインバータ主回路54が配置されて
いる。このFET51の電流検出端子には、自身に流れ
るソース電流に比例した検出電流が流れるようになって
いる。
【0097】U相に関する電気的構成を示す図23にお
いては、FET51uの電流検出端子と直流母線6bと
の間には、抵抗55uが介挿されている。そして、FE
T51の電流検出端子と抵抗55uとの共通接続点はコ
ンパレータ43uの非反転入力端子に接続され、抵抗5
5uと直流母線6bとの共通接続点はコンパレータ43
uの反転入力端子に接続されている。その他は第2実施
例と同様の構成である。以上が電流極性判定回路56u
を構成している。尚、V及びW相についても、電流極性
判定回路が全く同様に構成されている。
【0098】次に、第4実施例の作用について説明す
る。抵抗55uには、U相電流iuの極性が負の場合
に、FET51のソース電流Isoに比例した検出電流I
deが流れる。すると、コンパレータ43uの非反転入力
端子の電位は反転入力端子の電位よりも高くなり、コン
パレータ43uの出力信号は、ゲート信号Gunがハイレ
ベルとなるのに伴ってハイレベルとなる。また、U相電
流iuの極性が正の場合、検出電流Ideは流れないの
で、コンパレータ43uの出力信号は常にローレベルと
なる。よって、以降の回路の動作は第2実施例と同様で
あり、コンパレータ43uの出力信号及び極性判定信号
Siuのタイミングチャートは、図20(g)及び(h)
と同様となる。
【0099】以上のように第4実施例によれば、電流極
性判定回路56uは、FET51の電流検出端子と直流
母線6bとの間に介挿した抵抗55u及びコンパレータ
43uによってFET51に流れるソース電流Isoを検
出して相電流iuの極性を判定するようにしたので、第
2実施例と同様の効果が得られる。
【0100】図24は本発明の第5実施例を示すもので
あり、図24においては図21と同一部分には同一符号
を付して説明を省略し、以下異なる部分のみ説明する。
U相に関する電流極性判定回路57uの電気的構成を示
す図24においては、抵抗45uは除かれており、コン
パレータ49uの非反転入力端子はトランジスタT4の
エミッタに接続され、反転入力端子は抵抗58uを介し
てトランジスタT4のコレクタに接続されている。
【0101】また、コンパレータ49uの反転入力端子
は、ダイオード59uを介して電源母線41aに接続さ
れている。これらの抵抗58u及びダイオード59u
は、トランジスタT1若しくはダイオードD4がオン状
態の場合に、コンパレータ49uの反転入力端子の電位
が電源電圧E3以上となることを防止するために設けら
れている。その他は第3実施例と同様の構成であり、以
上が電流極性判定回路57uを構成している。
【0102】以上のように構成された第5実施例によれ
ば、第3実施例と同様に、相電流iuの極性が正でトラ
ンジスタT1がオフの場合、ダイオードD4に電流id
が流れると抵抗58uにも電流が流れ、コンパレータ4
9uの非反転入力端子の電位は反転入力端子の電位より
も上昇する。よって、コンパレータ49uの出力信号は
ハイレベルとなる。以降の回路の動作は第3実施例と同
様であり、コンパレータ49uの出力信号及び極性判定
信号Siuのタイミングチャートは、図22(g)及び
(h)と同様となる。
【0103】以上のように第5実施例によれば、電流極
性判定回路57uは、抵抗58u及びコンパレータ49
uによりトランジスタT1のオフタイミングにおいてダ
イオードD4に流れる電流idを検出して、U相電流i
uの極性を判定するようにしたので、第3実施例と同様
の効果が得られる。
【0104】図25及び図26は本発明の第6実施例を
示すものであり、図25においては図19と同一部分に
は同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分のみ
説明する。U相に関する電流極性判定回路60uの電気
的構成を示す図25においては、抵抗45uは除かれて
おり、コンパレータ43uの反転入力端子はトランジス
タT4のエミッタに接続され、非反転入力端子は抵抗6
1uを介してトランジスタT4のコレクタに接続されて
いる。
【0105】また、コンパレータ43uの非反転入力端
子は、ダイオード62uを介して電源母線41aに接続
されている。これらの抵抗61u及びダイオード62u
は、第5実施例における抵抗58u及びダイオード59
uと同様の理由で設けられているものである。その他は
第2実施例と同様の構成であり、以上が電流極性判定回
路60uを構成している。
【0106】次に、第6実施例の作用について図26を
も参照して説明する。U相電流iuの極性が正でトラン
ジスタT1がオフの場合にダイオードD4に電流idが
流れると、図26(e)に示すように、コンパレータ4
3uの出力信号はローレベルとなる。そして、ラッチ回
路44uは、コンパレータ43uの出力信号をゲート信
号Gunの立下がりでラッチしてレベルを反転して出力す
るので、フォトカプラ46uの出力たる極性判定信号S
iuは、U相電流iuの極性が負の場合はローレベル,正
の場合はハイレベルの信号となる((f)参照)。
【0107】以上のように第6実施例によれば、電流極
性判定回路60uは、抵抗61u及びコンパレータ43
uによりトランジスタT1のオフタイミングにおいてダ
イオードD4に流れる電流idを検出して、U相電流i
uの極性を判定するようにしたので、第2実施例と同様
の効果が得られる。
【0108】尚、上記第2乃至第6実施例においては、
電流極性判定信号Siuは、ゲート信号Gunの立下がり若
しくは立上がりに同期して出力されるため、電流の真の
ゼロクロス点とは最大でPWM信号の周期分だけタイミ
ングにずれが生じるが、PWM信号の周期は各相電流i
uの周期に比して十分短いため動作に影響はない。
【0109】本発明は、上記し且つ図面に記載した実施
例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形ま
たは拡張が可能である。第1実施例において、図2に示
すように、電流極性判定回路23u,23v,23w
と、ゲート駆動回路18up,18vp,18wpとを、各相
毎若しくは3相一括して一つの集積回路(IC)として
構成しても良い。また、第2乃至第6実施例において
は、電流極性判定回路39u,48u,56u,57
u,60u及び他の相の電流極性判定回路とゲート駆動
回路18un,18vn,18wnとを、同様に集積回路とし
て構成しても良い。以上のように構成すれば、部品点数
を削減できると共に、インバータ装置を小形に構成する
ことができる。
【0110】第1実施例において、トランジスタT1の
代わりに第5実施例における電流検出端子を有するFE
Tを配置して、第5実施例のように、コンパレータ35
uによって電流検出端子の電圧降下を検出することによ
り、FETに流れるソース電流、即ちU相電流iuを検
出しても良い。位置センサ信号Hu,Hv及びHwは、
対応する各相の誘起電圧と30度の位相差を有するもの
としたが、これに限定されることなくどの様な位相差を
有するものでも良い。
【0111】電気角Px,ロータ位相差Ps,電圧位相
指令Pr及び電流位相Piをマイコン21の初期処理に
おいてROM21aからRAM21cに転送し、ステッ
プA4,A5,B6及びC5ではRAM21cから読出
すようにしたが、これらを直接ROM21aから読出す
ようにしても良い。また、電圧率データDu,Dv及び
Dwについても同様である。第2乃至第6実施例におい
て、ラッチ回路44u若しくはラッチ回路50uのクロ
ック入力端子ckに与える信号は、ゲート信号Gun,Gvn
及びGwnに限らず、駆動信号Dun,Dvn及びDwnなどト
ランジスタT4のオン,オフタイミングを得られる信号
であれば何でも良い。
【0112】第1実施例において、モータ8の起動時に
初期駆動信号回路30によって駆動した後、駆動信号回
路25に切替える場合に、モータ8の回転角が所定回転
角に達した場合に切替えるようにしたが、割込み信号S
hによる割込み処理ルーチンにおいて、割込み回数をカ
ウントすることによりロータの回転回数を計測し、その
回転回数が所定値を超えた場合に切替えるようにしても
良い。また、所定時間の経過後に切替えるようにしても
良い。更に、モータ8の回転数が所定値に達すると切替
えるようにしても良い。
【0113】信号波発生手段に対応するマイコン21の
動作は、搬送波Pzに同期した割込み信号Spに基づい
て行われているが、これに限定されることはなく、例え
ば、所定周期の時間などその他のタイミングに基づいて
行っても良い。電圧位相Pnを求める演算は、(2)式
に限らず適宜変更して良い。メインルーチンの実行周期
は、20msに限らず適宜変更して良い。電圧率データ
Duは、正弦波に応じた電圧率に限ること無く、モータ
8のトルク変動を減少させる波形に応じた電圧率であれ
ば適宜変更して良い。
【0114】電圧率データDu及び電圧指令信号Daの
値域は、設定ビット数に応じて適宜変更して良い。ま
た、アップダウンカウンタ22aのビット数も8ビット
に限らず、適宜変更して良い。これらの値を変更する場
合は、信号波vauの計算式である(4)式を、一般式
として以下のように変更する。 vau=Do×(Du/Dum)×(Da/Dm)+Do …(9) Do:アップダウンカウンタ22aのビット数のMSB
が示す値 Dum:電圧率データDuのビット数のMSBが示す値 Dm:電圧指令信号Daの最大値
【0115】また、電圧率データDuの値域は、「−1
27」〜「127」のように正負の値をとらずとも、例
えば8ビットであれば「0」〜「254」の正の値とし
ても良い。その場合は、(4),(6)及び(8)式で
offset値として「128」を加算せずとも良い。(9)
式の場合は、Doの加算が不要となる。
【0116】第1乃至第6実施例においては、3個のホ
ールIC20u,20v及び20wを用いることによ
り、RAM21cに記憶させる位置センサ信号の変化周
期は6個であったが、モータの極数が4極の場合は、記
憶させる位置センサ信号の変化時間を12個として2電
気周期に渡ってデータテーブル1及び2の形成を行って
も良い。時間カウンタ21bは、マイコン21のシステ
ムタイマによるタイマ割込み間隔が充分短い場合は、ソ
フトウエアタイマにより構成しても良い。
【0117】
【発明の効果】本発明は以上説明した通りであるので、
以下の効果を奏する。請求項1乃至4記載のインバータ
装置によれば、電流位相検出手段は、電流極性判定手段
が判定する電流の極性に基づいて複数の巻線に流れる電
流の位相を検出し、具体的には、インバータ主回路の正
側若しくは負側スイッチング素子のオンタイミングにお
いて正側若しくは負側スイッチング素子に流れる電流の
有無を検出し(請求項2)、正側若しくは負側スイッチ
ング素子のオフタイミングにおいて対を成す負側若しく
は正側スイッチング素子に並列に接続されたダイオード
に流れる電流の有無を検出し(請求項3)、ゲート駆動
手段と共通の電源によって動作し巻線とインバータ主回
路の出力端子との間に接続された抵抗の両端電圧を比較
するコンパレータによって構成し(請求項4)、電圧位
相決定手段は、複数の位置センサ信号と電流位相とに基
づいて、位置センサ信号よりも高い分解能を有する電圧
位相を決定し、信号波形成手段は、前記電圧位相に対応
した電圧率に基づいて信号波を形成し、駆動信号形成手
段は、信号波とPWM制御を行うための搬送波との振幅
レベルを比較することによって駆動信号を形成すると、
ゲート駆動手段を介してインバータ主回路にゲート信号
を与えてブラシレスモータを駆動するので、最小限の位
置センサで、ロータ位相と同期した任意波形の電圧をブ
ラシレスモータに供給でき、ブラシレスモータのトルク
変動を低減することができ、また、電流極性判定手段を
低価格で構成することができる。
【0118】請求項5記載のインバータ装置によれば、
電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に対応した電圧率
を正弦波に応じた電圧率としたので、正弦波の電圧をブ
ラシレスモータに供給することができ、ブラシレスモー
タのトルク変動を一層低減することができる。請求項6
記載のインバータ装置によれば、電流極性判定手段とゲ
ート駆動手段とを一つの集積回路によって構成したの
で、小形に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電気的構成のブロッ
ク図
【図2】詳細な電気的構成図
【図3】図2相当図
【図4】割込み信号発生回路の電気的構成を示す図
【図5】電圧率データの波形図
【図6】PWM回路の電気的構成を示す図
【図7】タイミングチャート
【図8】U相に関する電流極性判定回路の詳細な電気的
構成を示す図
【図9】選択信号Se1及びSe2と駆動回路に与えら
れる駆動信号との対応を示す図
【図10】制御内容のメインルーチンのフローチャート
【図11】割込み信号Shに対する割込み処理ルーチン
のフローチャート
【図12】割込み信号Spに対する図11相当図
【図13】割込み信号Siに対する図11相当図
【図14】位置センサ信号Hu,Hv,Hwと電気角P
xとの対応を示す図
【図15】位置センサ信号Hu,Hv,Hwとロータ位
相差Psとの対応を示す図
【図16】電流信号Si,Su,Svと電気角Piとの
対応を示す図
【図17】電流極性判定回路の出力信号のタイミングチ
ャート
【図18】全体のタイミングチャート
【図19】本発明の第2実施例を示す図8相当図
【図20】図17相当図
【図21】本発明の第3実施例を示す図8相当図
【図22】図17相当図
【図23】本発明の第4実施例を示す図8相当図
【図24】本発明の第5実施例を示す図8相当図
【図25】本発明の第6実施例を示す図8相当図
【図26】図17相当図
【図27】従来技術を示す電気的構成図
【図28】図18相当図
【符号の説明】
6a及び6bは正側及び負側直流母線、7はインバータ
主回路、T1,T2,T3,T4,T5及びT6はトラ
ンジスタ(スイッチング素子)、D1,D2,D3,D
4,D5及びD6はフライホイールダイオード(ダイオ
ード)、8はブラシレスモータ、8u,8v及び8wは
巻線、18はゲート駆動回路(ゲート駆動手段)、20
u,20v,20wはホールIC(位置センサ)、21
はマイクロコンピュータ、21aはROM(電圧率記憶
手段)、21bは時間カウンタ、23は電流極性判定回
路(電流極性判定手段)、25は駆動信号回路(駆動信
号形成手段)、25aはアップダウンカウンタ(搬送波
出力手段)、28はPWM回路、31はインバータ装
置、32a,32bは電源、35u,43u,49uは
コンパレータ、36u,45u,55u,58u,61
uは抵抗、39u,48u,56u,57u、60uは
電流極性判定回路(電流極性判定手段)、51はFET
(スイッチング素子)、54はインバータ主回路を示
す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラシレスモータの複数の巻線に順次通
    電するために、正側直流母線と出力端子との間に接続さ
    れ並列にダイオードを有する正側スイッチング素子と、
    負側直流母線と出力端子との間に接続され並列にダイオ
    ードを有する負側スイッチング素子とから構成されたイ
    ンバータ主回路と、 前記ブラシレスモータの複数の巻線に発生する誘起電圧
    と一定の位相関係をもつ位置センサ信号を出力する複数
    の位置センサと、 前記複数の巻線に流れる電流の極性を判定する電流極性
    判定手段と、 この電流極性判定手段が判定する電流の極性に基づいて
    前記複数の巻線に流れる電流の位相を検出する電流位相
    検出手段と、 前記複数の位置センサ信号と電流位相とに基づいて、前
    記位置センサ信号よりも高い分解能を有する電圧位相を
    決定する電圧位相決定手段と、 電圧位相に対応した電圧率を記憶する電圧率記憶手段
    と、 前記電圧位相決定手段により決定された電圧位相及び電
    圧率記憶手段に記憶された電圧率に基づいて信号波を形
    成する信号波形成手段と、 PWM制御を行うための搬送波を出力する搬送波出力手
    段を有し、前記信号波と前記搬送波との振幅レベルを比
    較することによって駆動信号を形成する駆動信号形成手
    段と、 この駆動信号形成手段からの駆動信号に応じてゲート信
    号を出力して前記インバータ主回路の正側及び負側スイ
    ッチング素子に与えるゲート駆動手段とを具備したこと
    を特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 電流極性判定手段は、正側若しくは負側
    スイッチング素子のオンタイミングにおいて正側若しく
    は負側スイッチング素子に流れる電流の有無を検出する
    ことにより電流の極性を判定することを特徴とする請求
    項1記載のインバータ装置。
  3. 【請求項3】 電流極性判定手段は、正側若しくは負側
    スイッチング素子のオフタイミングにおいて対を成す負
    側若しくは正側スイッチング素子に並列に接続されたダ
    イオードに流れる電流の有無を検出することにより電流
    の極性を判定することを特徴とする請求項1記載のイン
    バータ装置。
  4. 【請求項4】 電流極性判定手段は、ゲート駆動手段と
    共通の電源によって動作し、巻線とインバータ主回路の
    出力端子との間に接続された抵抗の両端電圧を比較する
    コンパレータで構成されていることを特徴とする請求項
    1記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】 電圧率記憶手段に記憶される電圧位相に
    対応した電圧率は、正弦波に応じた電圧率であることを
    特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインバータ
    装置。
  6. 【請求項6】 電流極性判定手段とゲート駆動手段とは
    一つの集積回路として構成されていることを特徴とする
    請求項1乃至5の何れかに記載のインバータ装置。
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